JP5690047B2 - ヒト凝固第vii因子ポリペプチド - Google Patents
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Description
本発明は、血液凝固活性を有する新規のヒト凝固第VIIa因子ポリペプチド、並びに該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドコンストラクト、該ポリヌクレオチドを含み発現するベクター及び宿主細胞、薬剤的組成物、使用及び治療方法に関する。
血液凝固は、最終的にフィブリン血餅を生じさせる、様々な血液成分(又は因子)の複合体形成からなるプロセスである。一般に、凝固「カスケード」 と称されてきたものに関与するこの血液成分は、酵素学的に不活性なタンパク質(プロ酵素又は酵素前駆体(チモーゲン))であり、これらは、アクチベータ(これ自身は活性化された凝固因子である)の作用によりタンパク質分解酵素へと転換される。この転換を受けた凝固因子は、一般に「活性因子」と称され、文字「a」を凝固因子の名称に付加することにより表される(たとえば、第VIIa因子)。
止血プロセスの開始は、血管壁への傷害の結果として暴露される組織因子と第VIIa因子との間の複合体の形成により誘導される。次いで、この複合体は、第IX因子及び第X因子をそれらの活性型へと転換する。第Xa因子は、限られた量のプロトロンビンをトロンビンへと、組織因子関連細胞(tissue factor-bearing cell)上で転換する。トロンビンは血小板を活性化し、第V因子及び第VIII因子を第Va因子及び第VIIIa因子へと活性化する。この両補助因子は、更なるプロセスにおいて完全なトロンビンバースト(thrombin burst)を導く。このプロセスは第IXa因子(第VIIIa因子との複合体における)による第Xa因子の産生を含み、活性化された血小板の表面上で生じる。トロンビンは、最終的にフィブリノーゲンをフィブリンへと転換し、フィブリン血餅を形成する。近年、第VII因子及び組織因子が、血液凝固の主なイニシエーターであることが見出された。
また、ATIIIは、FXa及びトロンビンであるがFVIIa-TF複合体でもある主要な標的を有するいくつかの凝固因子を阻害することができるという生理学的役割を担う。ATIIIは、ヒトの血漿中において2.5μMの濃度を有する非常に多いインヒビターである。ATIIIの活性は、血管壁の内側を覆っている硫酸で処理されたグリコアミノグリカンによって、大いに亢進される。
欧州特許第200421号(ZymoGenetics)は、ヒト第VII因子をコードするヌクレオチド配列及び哺乳類細胞における第VII因子の組み換え発現に関する。
血液凝固活性を有する第VIIa因子の変異体、相対的に低い用量で投与できる高い活性を有する変異体、内在性インヒビターによる不活性化に対してより耐性を有する変異体、及び凝固系の全身的な活性化及び出血などの望ましくない副作用を生じない変異体が必要とされている。
広義の態様では、本発明は、ヒトの野生型第VIIa因子と比較して、インビボ半減期の増加した機能を表す第VIIa因子ポリペプチドに関する。
ある広義の態様では、本発明は、内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加している第VIIa因子ポリペプチドに関する。
更なる態様では、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、ヒト野生型第VIIa因子と比較して機能的なインビボ半減期が増加しているものである第VII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドコンストラクトを含み、発現するトランスジェニック植物に関する。
更なる態様では、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、ヒト野生型第VIIa因子と比較して機能的なインビボ半減期が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの生成方法であって、本発明に係るトランスジェニック動物によって産生される乳から第VII因子ポリペプチドを回収することを含んでなる方法に関する。
更なる態様では、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、ヒト野生型第VIIa因子と比較して機能的なインビボ半減期が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための医薬の調製における使用に関する。
更なる態様では、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して、一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、ヒト野生型第VIIa因子と比較して機能的なインビボ半減期が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの医薬としての使用に関する。
更なる態様では、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して、一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチド;と、場合によって薬学的に受容可能な担体とを含有してなる薬剤的組成物に関する。
更なる態様では、本発明は、被検体の出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための方法であって、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して、一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの治療的ないしは予防的な有効量を、必要とする被検体に投与することを含んでなる方法に関する。
一実施態様では、本発明に係る第VII因子ポリペプチドはQ366A-FVIIでない。
一実施態様では、本発明に係る第VII因子ポリペプチドはQ366G-FVIIでない。
セリンプロテアーゼ、一般的にはプロテアーゼ特有の特徴はそれらの基質特異性である。ペプチドのような小さい基質の場合、特異性は、通常、切断される活性部位及び切れやすい結合を囲んでいるペプチジル配列の相補的な特徴によって決定される。また、タンパク質のセリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)ファミリー及びクニッツ型に属するインヒビターの認識に有効であると思われる特徴は、阻害機能の一部としてその同族プロテアーゼにバイトループ(bait loop)を提示することである。それに対して、より大きな基質のタンパク質分解性プロセシングは、活性部位領域の外、いわゆるエキソサイトでの相互作用に強く影響されることが多い。例として、組織因子-第VIIa因子複合体による凝固第X因子のタンパク質分解活性である。二元複合体への高分子基質結合が切れやすい結合ドッキング(scissile bond docking)に非依存的に生じることが示されている(Shobe等(1999) J.Biol.Chem., 274, 24171-24175、Baugh等(2000) J.Biol.Chem., 275, 28826-28833)。
高分子基質とインヒビター認識の異なる方法により、抗トロンビンIII又は組織因子経路インヒビター(TFPI)などの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加している一方で、エキソサイト作動性高分子基質活性化による凝固能を維持した第VIIa因子活性部位変異体の設定が可能になる。
本発明の発明者等によって、配列番号:1のアミノ酸位に対応する172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される独立した位置のアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているヒト凝固第VIIa因子ポリペプチド変異体が、野生型ヒト凝固第VIIa因子と比較して内在性インヒビターによる不活性化により耐性を持つことが提唱されている。
本明細書中に使用される「活性」なる用語は、第VII因子ポリペプチドの、その基質である第X因子の活性な第Xa因子への転換能を意味する。第VII因子ポリペプチドの活性は「インビトロタンパク質アッセイ」により測定されうる(実施例5を参照)。
本発明の発明者等によって、配列番号:1のアミノ酸位に対応する172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の、任意の他のアミノ酸への置換によって、第VII因子ポリペプチドが内在性プロテアーゼに対して高い耐性を獲得することが明らかにされた。このような第VIIa因子ポリペプチド変異体は増加した半減期を表し得、より延長したプロ凝固活性が求められる状態において治療的に有用であるかもしれない。
本発明の一実施態様では、第VIIa因子ポリペプチドは、野生型ヒトのFVIIaと比較してFVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対して耐性の増加を示すものであり、このときインヒビターが抗トロンビンIIIのようなセルピンである。
本発明の一実施態様では、第VIIa因子ポリペプチドは、野生型ヒトのFVIIaと比較してFVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対して耐性の増加を示すものであり、このときインヒビターがα-2-マクログロビンである。
本発明の一実施態様では、第VIIa因子ポリペプチドは、内在性プロテアーゼインヒビターのようなインヒビターによる不活性化に対する耐性のために半減期の増加を示す。一実施態様では、この内在性インヒビターは、抗トロンビンIII及び組織因子経路インヒビター(TFPI)から選択される。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドがヒトの野生型第VIIa因子と比較して増加した機能的インビボ半減期を有するポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A175が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q176が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L177が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D196が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K197が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、I198が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K199が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G237が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T238が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q286が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L287が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L288が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D289が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、R290が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G291が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A292が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T293が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L295が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L297が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、V299が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M327が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K341が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S363が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、W364が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G365が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q366が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。 一実施態様では、本発明に係る第VII因子ポリペプチドは、Q366E-FVII、Q366A-FVII及びQ366G-FVIIからなる一覧から選択される第VII因子ポリペプチドではない。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、N173が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、N200が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、N203が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、V235が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、N240が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D319が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S320が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、P321が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G367が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T370が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、H373が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T238がAla、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T239がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q286がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L287がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L288がGly、Ala、Val、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D289がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、R290がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T293がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A294がGly、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A294がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L295がGly、Ala、Val、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、V299がGly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M327がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K341がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、W364がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G365がAla、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q366がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、His、Lys、Arg、Cys、Thr、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q366がGly、Ala、Gluから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、V172がGly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、N173がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q176がGly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Val、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L177がGly、Ala、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Val、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D196がGly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Val、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、I198がGly、Ala、Leu、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Val、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K199がGly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Arg、Cys、Ser、Val、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、N200がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、V235がGly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、N240がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D319がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、P321がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G367がAla、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T370がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、H373がGly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、i) L287がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されている、ii) A294がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されている、iii) M298がLysに置換されている、iv) E296がIle、Leu、Thr及びValからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、i) L287がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されている、ii) A294がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されている、iii) M298がLysに置換されている、iv) V158がAsp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、i) L287がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されている、ii) A294がThr及びSerから選択される任意の他のアミノ酸に置換されている、iii) M298がLysに置換されている、iv) E296がIle、Leu、Thr及びValからなる群から選択されるアミノ酸に置換されている、v) V158がAsp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、プロテアーゼドメイン中の残りの位置の最大20の更なるアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、配列番号:1の157−170から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、配列番号:1の290−305から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、R304がTyr、Phe、Leu及びMetからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M306がAsp及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D309がSer及びThrからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、配列番号:1の330−339から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A274がMet、Leu、Lys及びArgからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K157がGly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K337がAla、Gly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D334がGly及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S336がGly及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、V158がAsp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、E296がArg、Lys、Ile、Leu、Thr及びValからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、E296がThrに置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、E296がIle、Leu、Thr及びValからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M298がLys、Arg、Gln及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M298がLysに置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S314がGly、Lys、Gln及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、F374がPro及びTyrからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、F374がTyrに置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドがヒトの第VII因子であるポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドがヒトの第VIIa因子であるポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドの活性と配列番号:1に示す天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性との間の比率が少なくともおよそ1.25であるポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドの活性と配列番号:1に示す天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性との間の比率が少なくともおよそ2.0、好ましくは少なくともおよそ4.0であるポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q176A-FVII、Q176L-FVII L177S-FVII、D196A-FVII、K197A-FVII、K199A-FVII、T238A-FVII、T239I-FVII、T239Y-FVII、Q286A-FVII、D289E-FVII、D289R-FVII、R290Q-FVII、M327Q-FVII、M327N-FVII、K341A-FVII、K341E-FVII、K341Q-FVII、S363M-FVII、S363A-FVII、W364H-FVII、Q366E-FVIIから選択される。
また、Glaドメインの他のアミノ酸は、ビタミンK依存性血漿タンパク質の配列及び異なるリン脂質親和性に基づいて、置換のために考慮されうる。
3-文字表記「GLA」は、4-カルボキシグルタミン酸(γ-カルボキシグルタミン酸塩)を意味する。
「プロテアーゼドメイン」なる用語は、第VII因子のアミノ酸配列153−406(第VIIa因子の重鎖)を意味する。
インビボクリアランスの他にも、機能的インビボ半減期は、化合物が体内で「治療的に利用可能である」期間に重要である。
組み換えヒト野生型FVIIaの循環半減期はおよそ2.3時間である("Summary Basis for Approval for NovoSevenc"、FDA参照番号960597)。
「第VII因子」なる用語は、それらの非切断(チモーゲン)型の第VII因子ポリペプチド、並びに第VIIa因子と称されうるそれぞれ生物活性型を得るようにタンパク質分解されてプロセシングされている第VII因子ポリペプチドを包含することを意図する。一般的に、第VII因子は、残基152と153の間で切断されて第VIIa因子となる。第VII因子のこのような変異体は、安定性、リン脂質結合、変更された特定の活性などを含め、ヒトの第VII因子と比べて異なる性質を表してもよい。
本明細書中で用いる「野生型ヒト第VIIa因子」は、米国特許第4784950号に開示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
本発明のFVIIaポリペプチドの更なる置換の例には、L305V、L305V/M306D/D309S、L305I、L305T、F374P、V158T/M298Q、V158D/E296V/M298Q、K337A、M298Q、V158D/M298Q、L305V/K337A、V158D/E296V/M298Q/L305V、V158D/E296V/M298Q/K337A、V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A、K157A、E296V、E296V/M298Q、V158D/E296V、V158D/M298K、及びS336G、L305V/K337A、L305V/V158D、L305V/E296V、L305V/M298Q、L305V/V158T、L305V/K337A/V158T、L305V/K337A/M298Q、L305V/K337A/E296V、L305V/K337A/V158D、L305V/V158D/M298Q、L305V/V158D/E296V、L305V/V158T/M298Q、L305V/V158T/E296V、L305V/E296V/M298Q、L305V/V158D/E296V/M298Q、L305V/V158T/E296V/M298Q、L305V/V158T/K337A/M298Q、L305V/V158T/E296V/K337A、L305V/V158D/K337A/M298Q、L305V/V158D/E296V/K337A、L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、S314E/K316H、S314E/K316Q、S314E/L305V、S314E/K337A、S314E/V158D、S314E/E296V、S314E/M298Q、S314E/V158T、K316H/L305V、K316H/K337A、K316H/V158D、K316H/E296V、K316H/M298Q、K316H/V158T、K316Q/L305V、K316Q/K337A、K316Q/V158D、K316Q/E296V、K316Q/M298Q、K316Q/V158T、S314E/L305V/K337A、S314E/L305V/V158D、S314E/L305V/E296V、S314E/L305V/M298Q、S314E/L305V/V158T、S314E/L305V/K337A/V158T、S314E/L305V/K337A/M298Q、S314E/L305V/K337A/E296V、S314E/L305V/K337A/V158D、S314E/L305V/V158D/M298Q、S314E/L305V/V158D/E296V、S314E/L305V/V158T/M298Q、S314E/L305V/V158T/E296V、S314E/L305V/E296V/M298Q、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q、S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q、S314E/L305V/V158T/E296V/K337A、S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q、S314E/L305V/V158D/E296V/K337A、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、K316H/L305V/K337A、K316H/L305V/V158D、K316H/L305V/E296V、K316H/L305V/M298Q、K316H/L305V/V158T、K316H/L305V/K337A/V158T、K316H/L305V/K337A/M298Q、K316H/L305V/K337A/E296V、K316H/L305V/K337A/V158D、K316H/L305V/V158D/M298Q、K316H/L305V/V158D/E296V、K316H/L305V/V158T/M298Q、K316H/L305V/V158T/E296V、K316H/L305V/E296V/M298Q、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q、K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q、K316H/L305V/V158T/E296V/K337A、K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q、K316H/L305V/V158D/E296V/K337A、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、K316Q/L305V/K337A、K316Q/L305V/V158D、K316Q/L305V/E296V、K316Q/L305V/M298Q、K316Q/L305V/V158T、K316Q/L305V/K337A/V158T、K316Q/L305V/K337A/M298Q、K316Q/L305V/K337A/E296V、K316Q/L305V/K337A/V158D、K316Q/L305V/V158D/M298Q、K316Q/L305V/V158D/E296V、K316Q/L305V/V158T/M298Q、K316Q/L305V/V158T/E296V、K316Q/L305V/E296V/M298Q、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q、K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q、K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A、K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q、K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、F374Y/K337A、F374Y/V158D、F374Y/E296V、F374Y/M298Q、F374Y/V158T、F374Y/S314E、F374Y/L305V、F374Y/L305V/K337A、F374Y/L305V/V158D、F374Y/L305V/E296V、F374Y/L305V/M298Q、F374Y/L305V/V158T、F374Y/L305V/S314E、F374Y/K337A/S314E、F374Y/K337A/V158T、F374Y/K337A/M298Q、F374Y/K337A/E296V、F374Y/K337A/V158D、F374Y/V158D/S314E、F374Y/V158D/M298Q、F374Y/V158D/E296V、F374Y/V158T/S314E、F374Y/V158T/M298Q、F374Y/V158T/E296V、F374Y/E296V/S314E、F374Y/S314E/M298Q、F374Y/E296V/M298Q、F374Y/L305V/K337A/V158D、F374Y/L305V/K337A/E296V、F374Y/L305V/K337A/M298Q、F374Y/L305V/K337A/V158T、F374Y/L305V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V、F374Y/L305V/V158D/M298Q、F374Y/L305V/V158D/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q、F374Y/L305V/E296V/V158T、F374Y/L305V/E296V/S314E、F374Y/L305V/M298Q/V158T、F374Y/L305V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158T/S314E、F374Y/K337A/S314E/V158T、F374Y/K337A/S314E/M298Q、F374Y/K337A/S314E/E296V、F374Y/K337A/S314E/V158D、F374Y/K337A/V158T/M298Q、F374Y/K337A/V158T/E296V、F374Y/K337A/M298Q/E296V、F374Y/K337A/M298Q/V158D、F374Y/K337A/E296V/V158D、F374Y/V158D/S314E/M298Q、F374Y/V158D/S314E/E296V、F374Y/V158D/M298Q/E296V、F374Y/V158T/S314E/E296V、F374Y/V158T/S314E/M298Q、F374Y/V158T/M298Q/E296V、F374Y/E296V/S314E/M298Q、F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E、F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A、F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A、F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E、F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E、F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A、F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/S314E、F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A、F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E、F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E、F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q、F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A、F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A、F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E、F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T、F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E、F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E、S52A、S60A;R152E、S344A、T106N、K143N/N145T、V253N、R290N/A292T、G291N、R315N/V317T、K143N/N145T/R315N/V317T;及び、233Thrから240Asnまでのアミノ酸配列の置換、付加又は欠失;304Argから329Cysまでのアミノ酸配列の置換、付加又は欠失;及び、153Ileから223Argまでのアミノ酸配列の置換、付加又は欠失が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中で用いる「ベクター」なる用語は、宿主細胞において増幅の可能な任意の核酸の実体(entity)を意味する。したがって、このベクターは自己複製するベクター、即ち、染色体外の実体として存在し、その複製が染色体複製に依存していないベクター、例えばプラスミドである。あるいは、このベクターは、宿主細胞に導入された際に、該宿主細胞ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体(一又は複数)と共に複製されるベクターであってもよい。ベクターの選択は、導入される宿主細胞に依存することが多い。ベクターは、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルス又はコスミドベクターを含むが、これらに限定されない。ベクターは、通常、複製開始点及び少なくとも一の選択遺伝子、即ち、迅速に検出されうる産物又はその存在が細胞の成長に必須である産物をコードする遺伝子を含む。
更なる態様では、本発明は、ポリヌクレオチドコンストラクトを含み、発現するトランスジェニック植物を提供する。
更なる態様では、本発明は、本発明の第VII因子ポリペプチドを生成するための方法であって、ポリヌクレオチドコンストラクトの発現を促す条件下で好適な成長培地中でポリヌクレオチドコンストラクトを含む細胞を培養し、培養培地から結果として生じたポリペプチドを回収することを含んでなる方法に関する。
更なる態様では、本発明は、第VII因子ポリペプチドを生成するための方法であって、トランスジェニック動物によって産生される乳からポリペプチドを回収することを含んでなる方法に関する。
更なる態様では、本発明は、第VII因子ポリペプチドを生成するための方法であって、ポリヌクレオチドコンストラクトを含むトランスジェニック植物の細胞を培養し、結果として生じる植物からポリペプチドを回収することを含んでなる方法に関する。
更なる態様では、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、ヒト野生型第VIIa因子と比較して機能的なインビボ半減期が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための医薬の調製における使用に関する。一実施態様では、前記使用は血友病A又はBの治療のためである。
「出血性症状」なる用語は、コントロールできない過剰な出血を含むことを意味する。出血性症状は、外科及び他の形態の組織損傷に関連した重大な問題である。コントロールできない過剰な出血は、正常な凝固系を有する被検体及び凝固ないしは出血性疾患を有する被検体において発生しうる。本明細書中で用いる「出血性疾患」なる用語は、出血に現れる、細胞ないしは分子の起源の、先天性、後天性、又は誘導される任意の欠陥を表す。例として、凝固因子欠損(例えば、血友病A及びB又は凝固第XI因子ないしは第VII因子の欠損)、凝固因子インヒビター、欠陥のある血小板機能、血小板減少症又はフォンウィルブランド病がある。
「正常な止血系の亢進」なる用語は、トロンビン生成能の増強を意味する。
更なる態様では、本発明は、医薬としての使用のための本発明の第VII因子ポリペプチドに関する。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A175が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q176が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L177が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D196が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K197が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、I198が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K199が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G237が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T238が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q286が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L287が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L288が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D289が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、R290が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G291が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A292が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、T293が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L295が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L297が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、V299が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M327が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K341が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S363が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、W364が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、G365が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、Q366が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D289がGlu及びArgから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M327がGln及びAsnから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K341がAla、Glu及びGlnから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S363がMet及びAlaから選択される任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、プロテアーゼドメイン内の残りの位置の少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、プロテアーゼドメインの残りの位置の最大20個の更なるアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、配列番号:1の290−305から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、R304がTyr、Phe、Leu及びMetからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、配列番号:1の306−312から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M306がAsp及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D309がSer及びThrからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A274が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、A274がMet、Leu、Lys及びArgからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K157がGly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、K337がAla、Gly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、D334がGly及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S336がGly及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、E296がArg、Lys、Ile、Leu及びValからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、M298がLys、Arg、Gln及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、L305がVal、Tyr及びIleからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、S314がGly、Lys、Gln及びGluからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、F374がPro及びTyrからなる群から選択されるアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、F374がTyrに置換されているポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドはポリペプチドであり、この第VII因子ポリペプチドはヒトの第VII因子である。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドはポリペプチドであり、この第VIIポリペプチドはヒトの第VIIa因子である。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドの活性と配列番号:1に示す天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性との間の比率が少なくともおよそ1.25であるポリペプチドである。
本発明のある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、前記の比率が少なくともおよそ2.0、好ましくは少なくともおよそ4.0であるポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、プロテアーゼドメインの残りの位置の少なくとも1つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、プロテアーゼドメインの残りの位置の最大20個の更なるアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されているポリペプチドである。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドはポリペプチドであり、この第VII因子ポリペプチドはヒトの第VII因子である。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドはポリペプチドであり、この第VIIポリペプチドはヒトの第VIIa因子である。
本発明の更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドの活性と配列番号:1に示す天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性との間の比率が少なくともおよそ1.25であるポリペプチドである。ある実施態様では、第VII因子ポリペプチドの活性と配列番号:1に示す天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性との間の比率は少なくともおよそ2.0である。更なる実施態様では、第VII因子ポリペプチドの活性と配列番号:1に示す天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性との間の比率は少なくともおよそ4.0である。
本明細書中において、アミノ酸の三文字又は一文字の表記は、表1に示すように、これらの従来の意味で使用した。明示されない限り、本明細書において言及されるアミノ酸はL-アミノ酸である。更に、特に明記しない限り、ペプチドのアミノ酸配列の左及び右は、それぞれN-末端及びC-端である。
また、本発明は、上記のヒト第VII因子ポリペプチド変異体を調製する方法に関する。本明細書中に記載される第VII因子ポリペプチド変異体は、組み換え核酸技術の手段で作出しうる。通常、クローン化した野生型の第VII因子核酸配列は、所望のタンパク質をコードするように修飾される。次いで、この修飾された配列は発現ベクターに挿入され、次に宿主細胞を形質転換又は宿主細胞に形質移入する。高等な真核生物細胞、特に培養された哺乳類細胞は、宿主細胞として好適である。ヒト第VII因子の完全なヌクレオチド及びアミノ酸配列は公知である(組み換えヒト第VII因子のクローニング及び発現が記載される米国特許第4784950を参照のこと)。ウシ第VII因子配列は、文献(Takeya等, J. Biol. Chem. 263:14868-14872 (1988))に記載されている。
第VII因子ポリペプチド変異体をコードする核酸コンストラクトは、確立された標準的な方法、例えば、Beaucage及びCaruthers, Tetrahedron Letters 22 (1981), 1859-1869に記載された亜リン酸アミダイト法、又はMatthes等, EMBO Journal 3 (1984), 801-805に記載された方法により合成して調製してもよい。亜リン酸アミダイト法に従って、オリゴヌクレオチドは合成され(例えば、自動DNA合成機において)、精製され、アニールされ、連結させ、そして適切なベクターにクローニングされる。また、例えば米国特許第4683202号、Saiki等, Science 239 (1988), 487-491、又はSambrook等(上記)に記載のように、ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列は、特異的なプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応法により調製してもよい。
核酸コンストラクトは、好ましくはDNAコンストラクトである。本発明に係る第VII因子ポリペプチド変異体の産生に使用するためのDNA配列は、典型的には、第VII因子のアミノ末端でプレプロポリペプチドをコードし、適切な翻訳後のプロセッシング(例えば、グルタミン酸残基のγ-カルボキシル化)を得て、宿主細胞から分泌される。プレプロポリペプチドは、第VII因子又は別のビタミンK-依存性血漿タンパク質(例えば、第IX因子、第X因子、プロトロンビン、プロテインC又はプロテインS)のプレプロポリペプチドであってもよい。当業者により理解されるとおり、血液凝固因子としてのタンパク質の能力を有意に損傷しない更なる修飾を第VII因子ポリペプチド変異体のアミノ酸配列に作出できる。例えば、第VII因子ポリペプチド変異体は、活性化切断部位において修飾すると、酵素前駆体第VII因子の活性化された2鎖形態(two-chain form)への転換を阻害することができる(米国特許第5288629号に一般的に記載される、これは本明細書中に参照によって援用される)。
第VIIa因子ポリペプチド変異体の発現に使用するための発現ベクターは、クローニングされた遺伝子又はcDNAの転写を促すことが可能なプロモーターを具備する。プロモーターは、選択された宿主細胞において転写活性を呈する、任意のDNA配列でよく、宿主細胞に対して相同なないしは異種性のタンパク質をコードする遺伝子に由来するものであってもよい。
昆虫細胞における使用に関して適切なプロモーターは、ポリヘドリンプロモーター(US 4,745,051; Vasuvedan等, FEBS Lett. 311, (1992) 7-11)、P10プロモーター(J.M. Vlak等, J. Gen. Virology 69, 1988, pp. 765-776)、Autographa californica多核体病ウイルス塩基性タンパク質プロモーター(欧州特許第397485号)、バキュロウイルス前初期遺伝子1プロモーター(米国特許第5155037号;米国特許第5162222号)、又はバキュロウイルス39K遅延性-初期遺伝子プロモーター(米国特許第5155037号;米国特許第5162222号)である。
糸状菌宿主細胞における使用に関して適切なプロモーターの例は、例えば、ADH3プロモーター(McKnight等, The EMBO J. 4 (1985), 2093-2099)又はtpiAプロモーターである。他の有用なプロモーターの例は、A.oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、A.niger中性α-アミラーゼ、A.niger酸安定性α-アミラーゼ(acid stable α-amylase)、A.niger、又はA.awamoriグルコアミラーゼ(gluA)、Rhizomucor mieheiリパーゼ、A.oryzaeアルカリ性プロテアーゼ、A.oryzae三炭糖リン酸塩イソメラーゼ、又はA.nidulansアセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。好適なものは、TAKA-アミラーゼ及びgluAプロモーターである。適切なプロモーターは、例えば、欧州特許第238023号及び欧州特許第383779号に記載されている。
酵母細胞からの分泌に関して、分泌シグナル配列は、発現したヒト第VII因子ポリペプチドを細胞の分泌経路へ効率的に方向付ける、任意のシグナルペプチドをコードしてもよい。シグナルペプチドは、天然に生じるシグナルペプチド、又はその機能的な部分であってもよい、又は合成ペプチドであってもよい。適切なシグナルペプチドは、α-因子シグナルペプチド(米国特許第4870008号を参照)、マウス唾液アミラーゼのシグナルペプチド(O. Hagenbuchle等, Nature 289, 1981, pp. 643-646を参照)、修飾したカルボキシペプチダーゼシグナルペプチド(L.A. Valls等, Cell 48, 1987, pp. 887-897を参照)、酵母BAR1シグナルペプチド(国際公開第87/02670号)、又は酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド(M. Egel-Mitani等, Yeast 6, 1990, pp. 127-137を参照)であることが見出されている。
昆虫細胞における使用に関して、シグナルペプチドは、昆虫遺伝子(国際公開第90/05783号を参照)、例えば、lepidopteran Manduca sextaの脂質動員ホルモン前駆物質シグナルペプチド(米国特許第5023328号を参照)から由来するものであってもよい。
哺乳類細胞を形質移入し、この細胞に導入したDNA配列を発現させる方法は、例えば、Kaufman及びSharp, J. Mol. Biol. 159 (1982), 601-621;Southern及びBerg, J. Mol. Appl. Genet. 1 (1982), 327-341;Loyter等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79 (1982), 422-426;Wigler等,Cell 14 (1978), 725;Corsaro及びPearson, Somatic Cell Genetics 7 (1981), 603、Graham及びvan der Eb, Virology 52 (1973), 456;及びNeumann等, EMBO J. 1 (1982), 841-845に記載されている
本発明における使用に関する哺乳類細胞株の例は、COS-1(ATCC CRL 1650)、仔ハムスター腎臓(BHK)及び293(ATCC CRL 1573; Graham等, J. Gen. Virol. 36:59-72, 1977)細胞株である。好適なBHK細胞株は、tk− ts13 BHK株化細胞(Waechter及びBaserga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:1106-1110, 1982、本明細書中に参照により援用される)であり、以下BHK570細胞と称する。BHK570細胞株は、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection, 12301 Parklawn Dr., Rockville, Md. 20852)にATCC受託番号CRL10314で寄託されている。また、tk− ts13 BHK細胞株も、ATCCから受託番号CRL1632で利用可能である。さらに、本発明に使用し得る、いくつかの他の細胞株には、ラットHep I(ラット ヘパトーマ;ATCC CRL 1600)、ラットHepII(ラット ヘパトーマ;ATCC CRL 1548)、TCMK(ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC HB 8065)、NCTC1469(ATCC CCL 9.1)、CHO(ATCC CCL 61)、及びDUKX細胞(Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220, 1980)が含まれる。
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えば、コウジカビ属 spp.(Aspergillus spp.)、パンカビ属 spp.(Neurospora spp.)、フザリウム spp.(Fusarium spp.)、又はトリコデルマ属 spp.(Trichoderma spp.)の細胞、特にA.oryzae、A.nidulans、又はA.nigerの株である。コウジカビ属 spp.のタンパク質の発現に関する使用は、例えば、欧州特許第272277号、欧州特許第238023号、欧州特許第184438号に記載されている。F.oxysporumの形質転換は、例えば、Malardier等, 1989, Gene 78: 147-156に記載のとおり実施してもよい。トリコデルマ属 spp.の形質転換は、例えば欧州特許第244234号に記載のとおり実施してもよい。
昆虫細胞の形質転換とその中での異種性のポリペプチドの産生は、米国特許第4745051号;米国特許第4879236号;米国特許第5155037号;米国特許第5162222号;欧州特許第397485号に記載のとおり実施してもよい(これらの文献の全ては本明細書中に参照によって援用される)。宿主として使用される昆虫細胞株は、鱗翅目細胞株(例えば、Spodoptera frugiperda細胞又はTrichoplusia ni細胞)であってもよい(米国特許第5077214号)。培養条件は、例えば国際公開第89/01029号又は国際公開第89/01028号に、又は上述の文献のいずれかに記載されたとおりであってもよい。
商業の観点から、大量の乳収率を有する種を宿主として使用することは明らかに好ましい。より小さい動物(例えば、マウス及びラット)を使用することができるが(また、基礎段階の証明に好適である)、家畜哺乳類(ブタ、ヤギ、ヒツジ、及びウシを含むが、これらに限定されない)を使用することが好適である。遺伝子導入の歴史、乳収率、コスト、及び羊乳を採集するための装置の利用容易性などの要因があるので、ヒツジが特に好適である(例えば、宿主種の選択に影響する要因の比較に関して、国際公開第88/00239号を参照されたい)。一般的に、日常的に使用するために繁殖させてきた宿主動物の品種を選択すること(例えば、イースト・フライズランド・シープ(East Friesland sheep))、又は搾乳用家畜を後にトランスジェニック系統の繁殖により導入することが望ましい。いずれにしても、既知の、良好な健康状態の動物を使用すべきである。
第VII因子変異体は、その活性化部位で切断され、その2鎖形態へと転換される。活性化は、当該技術分野において既知の手順、例えば、Osterud,等, Biochemistry 11:2853-2857 (1972);Thomas、U.S.Patent No. 4,456,591;Hedner及びKisiel, J. Clin. Invest. 71:1836-1841 (1983);又はKisiel及びFujikawa, Behring Inst. Mitt. 73:29-42 (1983)に記載されたものに従って実施してもよい。あるいは、Bjoern等(Research Disclosure, 269 September 1986, pp. 564-565)によって記載されているように、第VII因子をMono Q(登録商標)(Pharmacia fine Chemicals)などのイオン交換クロマトグラフィに通すことにより、活性化してもよい。次いで、生じる活性化された第VII因子変異体を後述するように製剤化し、投与してもよい。
また、本発明は、本発明に係る好適な第VIIa因子変異体を選択するための適切なアッセイを提供する。これらのアッセイは、単純な予備的インビトロ検査として実施することができる。
したがって、本明細書中の実施例4は、本発明の第VIIa因子変異体の活性に関する単純な検査(「インビトロ加水分解アッセイ法」と称する)を開示する。それに基づいて、特に興味深い第VIIa因子変異体は、「インビトロ加水分解アッセイ法」において試験される場合に、変異体の活性と図1に示す天然の第VII因子の活性との間の比率が、1.0を超える、例えば少なくとも約1.25、好ましくは少なくとも約2.0、例えば少なくとも約3.0又は、更により好ましくは少なくとも約4.0である変異体である。
また、変異体の活性は、第X因子などの生理学的な基質を、適切には100〜1000nMの濃度で使用して測定してもよく(「インビトロタンパク質分解アッセイ法」)(実施例5を参照)、この場合、生成された第Xa因子は、適切な色素生産性基質(例えば、S-2765)を添加した後に測定される。さらに、活性アッセイは、生理学的な温度で行ってもよい。
第VIIa因子変異体のトロンビン生成能は、生理的濃度のすべての関連性のある凝固因子及びインヒビター(血友病A症状を模倣する場合、第VIII因子を除く)と活性化された血小板(Monroe等 (1997) Brit. J. Haematol. 99, 542-547のp.543に記載のとおり、これは本明細書中に参照として援用される)を含むアッセイにおいて測定することができる。
本発明に係る第VII因子ポリペプチド変異体を用いて、いくつかの原因、例えば、凝固因子欠損(例えば、血友病A及びB又は凝固第XI因子又は第VII因子の欠損)又は凝固因子インヒビターを有する出血性疾患をコントロールしてもよいし、又は、それらを用いて、正常に機能している血液凝固カスケードを有する(凝固因子欠損又は任意の凝固因子に対するインヒビターが存在しない)被検体の過剰な出血の発生をコントロールしてもよい。出血は、欠陥のある血小板機能、血小板減少症又はフォンウィルブランド病により生じる可能性がある。また、増加した線維素溶解性活性が、多様な刺激により誘導された被検体においても認められる。
計画的な(deliberate)処置に関連した治療のためには、本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、典型的には処置を行う前のおよそ24時間以内に、及びその後7日以上の間に投与される。凝固剤としての投与は、本明細書に記載されているような種々の手段によるものであってもよい。
このようにして、静脈内注入のための典型的な薬学的組成物は、250mlの無菌のリンゲル液及び10mgの第VII因子変異体を含むように作出することができる。非経口的に投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に既知又は明白であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA (1990)に更に詳細に記載されている。
予防的適用において、本発明の第VII因子変異体を含む組成物は、疾病状態又は損傷に感受性があるか、又はさもなければそのリスクのある被検体に投与されて、被検体自身の凝固能力を増強する。このような量は、「予防的に有効な量」であると定義される。予防的な適用において、正確な量は、被検体の健康状態や重量に依存するが、用量は、一般に70キログラム被検体に対し約0.05mgから約500mg/日、より一般には70キログラム被検体に対し約1.0mgから約200mg/日の範囲にわたる。
本発明の第VII因子変異体の局所的デリバリー、たとえば局所的適用は、たとえば噴霧、灌流、二重バルーンカテーテル、ステント、血管グラフトないしはステントへの移植、バルーンカテーテルを被覆するために使用されるヒドロゲル、又はその他の十分に確立された方法によって行ってもよい。いずれにしても、薬学的組成物は、被検体を有効に治療するために十分な量の第VII因子変異体を提供するべきである。
部位特異的突然変異:
以降、FVIIa番号とキモトリプシン番号が用いられうる。キモトリプシン番号は、FVIIa番号の後に括弧を付けて書き、cと残基番号を付記する。例えばAsp289(c146)。FVIIaの基質特異性に重要な残基を部位特異的突然変異によって同定した。
製造業者が推奨するようにQuikChange(登録商標) II部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を用いてFVII遺伝子に突然変異を誘導した。簡単に言うと、PCR反応物は、25ngのプラスミドpLN174、10pmolの各突然変異誘発オリゴヌクレオチドプライマー、5μlの10×反応バッファ、1μlのdNTP混合液及び1μlのPfuUltra High-FidelityDNAポリメラーゼ(2.5U/μl)を含む総容量50μlとした。PCR条件は、95℃で30秒間の加熱の後、95℃で30秒、55℃で1分間のアニーリング工程及び68℃で7分間の伸長工程を18サイクル行った。増幅の後、1μlのDpnI(10U/μl)を加え、PCRチューブを37℃で1時間インキュベートして、突然変異のしていないスーパーコイルの二本鎖DNAを消化した。ヒートショック手順によってDpnI処理DNA(1μl)を50μlのXL1-ブルースーパーコンピテント細胞に形質転換し、次いで100μg/mlのカルベニシリンを含むLBアガープレート上に播いた。すべての変異体プラスミドを配列決定して、突然変異を検査した。
oT239I-f: CGTACGTCCCGGGCACCATCAACCACGACATCGCG
oT239I-r: CGCGATGTCGTGGTTGATGGTGCCCGGGACGTACG
oT239Y-f: CGTACGTCCCGGGCACCTACAACCACGACATCGCG
oT239Y-r: CGCGATGTCGTGGTTGTAGGTGCCCGGGACGTACG
oD289E-f: GCTGGGGCCAGCTGCTGGAACGTGGCGCCACGGCC
oD289E-r: GGCCGTGGCGCCACGTTCCAGCAGCTGGCCCCAGC
oD289R-f: GCTGGGGCCAGCTGCTGAGACGTGGCGCCACGGCC
oD289R-r: GGCCGTGGCGCCACGTCTCAGCAGCTGGCCCCAGC
oK341A-f: GCAGCAAGGACTCCTGCGCAGGGGACAGTGGAGGCCC
oK341A-r: GGGCCTCCACTGTCCCCTGCGCAGGAGTCCTTGCTGC
oK341E-f: GCAGCAAGGACTCCTGCGAAGGGGACAGTGGAGGCCC
oK341E-r: GGGCCTCCACTGTCCCCTTCGCAGGAGTCCTTGCTGC
oK341Q-f: GCAGCAAGGACTCCTGCCAAGGGGACAGTGGAGGCCC
oK341Q-r: GGGCCTCCACTGTCCCCTTGGCAGGAGTCCTTGCTGC
oM327N-f: CCCCAAATATCACGGAGTACAACTTCTGTGCCGGC
oM327N-r: GCCGGCACAGAAGTTGTACTCCGTGATATTTGGGG
oM327Q-f: CCCCAAATATCACGGAGTACCAGTTCTGTGCCGGC
oM327Q-r: GCCGGCACAGAACTGGTACTCCGTGATATTTGGGG
oS363A-f: CCTGACGGGCATCGTCGCCTGGGGCCAGGGC
oS363A-r: GCCCTGGCCCCAGGCGACGATGCCCGTCAGG
oS363M.f: CCTGACGGGCATCGTCATGTGGGGCCAGGGC
oS363M-r: GCCCTGGCCCCACATGACGATGCCCGTCAGG
oW364H-f: GACGGGCATCGTCAGCCACGGCCAGGGCTGCGC
oW364H-r: GCGCAGCCCTGGCCGTGGCTGACGATGCCCGTC
oQ366E-f: GGCATCGTCAGCTGGGGCGAAGGCTGCGCAACCG
oQ366E-r: CGGTTGCGCAGCCTTCGCCCCAGCTGACGATGCC
FVII変異体の哺乳類発現:
仔ハムスター腎臓細胞(BHK)に、1.5μgの各変異体FVII発現プラスミドのDNAを形質移入した。5×106個のBHK-細胞を、Gibcoのglutamax-1(ピルビン酸ナトリウム及び4500g/lのグルコースを含む)、10%胎仔ウシ血清(FBS)及び1%ペニシリン及びストレプトマイシンを含む培養培地(ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM))を含むT175 Nunc Easyフラスコに播いた。CO2インキュベーターにて3日間のインキュベーションの後に、細胞をトリプシン化して、T25 Nunc Easyフラスコ当たり0.5×106個の細胞を5mlの培養液に播いた。
RocheのFuGeneTM 6形質移入試薬を用いてFVII変異体を形質移入した。小クリオチューブ中で155μlのDMEMを3μlのFuGene6形質移入試薬と混合し、室温で5分間インキュベートした。1.5μgの各変異体のDNAを新しいクリオチューブにピペットで取り、DMEM-FuGene6形質移入混合物をDNAに滴下した。室温で15分間インキュベートした後、FuGene6/DMEM/DNA混合物を、BHK細胞を播いたT25 Nuncフラスコに滴下した。形質移入していない余分なT25フラスコをコントロールとした。
CO2インキュベーターにて終夜インキュベートした後、培地を選択培地(DMEM、10%FBS、1%ペニシリン及びストレプトマイシン及び1μM メトトレキセート(MTX))に交換した。MTXはジヒドロ葉酸還元酵素のインヒビターである。変異体FVIIプラスミドは非常に増加したレベルのジヒドロ葉酸還元酵素を発現し、それによってMTX-耐性細胞が選別されるので、形質移入した細胞のみがMTX処理から生き残ることが予測される。選択培地をおよそ2日ごとに2週間交換した。コンフルエンスのときに、細胞をトリプシン化して、30mlの選択培地を含むT175フラスコに移した。CO2インキュベーターにて2〜3日間インキュベートした後に、細胞をトリプシン化して、100mlの培養培地(DMEM、10%FBS、1%ペニシリン及びストレプトマイシン)を含む1×3レイヤー細胞ファクトリーに移した。コンフルエンスのときに、培地を取り除き、100mlの産生培地(500mlのDMEM当たりDMEM、2%FBS、1%ペニシリン及びストレプトマイシン及び2.5μlのビタミンK)を各細胞ファクトリーに加えた。2日間のインキュベーションの後、上清を回収し、100mlの新たな産生培地を各1×3レイヤーフラスコに加えた。回収と新たな産生培地の添加は週に3回(合計5回)行った。
FVII変異体の精製:
FVII変異体を、Amersham BiosciencesのAKTA Explorerを用いた二工程手順によって精製した:
1. Q-セファロースFast Flowカラム(陰イオン交換体)〜50ml(Amersham Biosciences)を用いたイオン交換クロマトグラフィ。
2. F1A2セファロース4B抗FVII抗体カラム〜10mlを用いた親和性クロマトグラフィ。
各々の変異体から回収した5つの上清をプールして、pH8及び10mM トリス及び5mM EDTAの終濃度に調整した。伝導率は、脱イオン水にてλ=11.6mS/cmに調整した。10mM トリス、50mM NaCl pH8.0にて平衡化したQ-セファロースFast Flowカラムに上清をアプライした。FVIIは、FVIIのQ-セファロースカラムへの結合を促すようにpH=8で7の等電点を有する。基準値が低くなるまで平衡化バッファにて洗浄した後、タンパク質を10mM トリス、50mM NaCl、25mM CaCl2 pH8.0の直線的濃度勾配にて溶出した。一番上の分画をプールして、pH7.5に調整し、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2 pH7.5にて平衡化した抗体カラムにアプライした。基準値が低くなるまで平衡化バッファにてカラムを洗浄し、高NaClバッファ(50mM Hepes、2M NaCl、10mM CaCl2、pH7.5)をカラムに流した後に平衡化バッファにて洗浄した。タンパク質を、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM EDTA pH7.5の直線的濃度勾配にて溶出した。一番上の分画をプールして、1M CaCl2を15mMの終濃度になるまで加えた。精製したた変異体を、15000Daより小さい成分を取り除くMilliporeのMillicon15にて1ml以下の容量にまで濃縮した。FVII変異体は、自己活性化のために室温に2、3日間放置した。SDS-PAGEにて明らかなように、自己活性化することができなかった変異体は、Amersham BiosciencesのCnBr活性化セファロースにFXaをカップリングした固定FXaにて活性化された。
FVIIa変異体のアミド分解活性:
色素生産性基質S-2288(Chromogenix)に対する変異体FVIIaのアミド分解活性は、50mM HEPES、pH7.4、100mM NaCl、5mM CaCl2、1mg/ml BSAを含有するバッファにて0.2〜10mMの範囲の基質濃度でアッセイした。100nM sTFの有無の下、100nMと10nMそれぞれの終濃度の酵素を加えて反応を開始した。生成物の形成は、Spectramax 340マイクロプレート分光光度計にて405nmを連続的にモニターした。基質濃度に対して初期速度をプロットし、非線形回帰分析を用いたミカエリスメンテン方程式にフィットさせて、Kcat値とKM値を求めた。KMが5mMより大きい場合、低基質濃度のデータの線形的フィットによってkcat/KMのみを決定した。0.06〜0.6mMのpNAの濃度により生成された標準曲線を用いて、吸光度の単位をモル濃度に変換した。
「インビトロタンパク質分解アッセイ」によって測定されるFVIIa変異体のタンパク質分解活性:
FX活性化の動力学的パラメーターを2工程アッセイを用いて決定した。各々の変異体(10nM)を総容量100μlの100nM sTF及び0.1〜6.4μM FX(Enzyme Research Laboratories Ltd)とともに、室温で20分間インキュベートした。50μlの停止バッファ(50mM Hepes pH7.4、100mM NaCl、20mM EDTA)を加えて反応を止め、50μlの2mM 色素生産性基質S-2765(Chromogenix)を加えて生成されるFXaの量を測定した。S-2765の切断は、Spectramax 340マイクロプレート分光光度計を用いて405nmでモニターした。生成されたFXaのモルベースの量は、0.5〜10nMの終濃度のFXa(Enzyme Research Laboratories Ltd)を用いた標準曲線から概算した。FXの総量の10%未満がアッセイの間にFXaに変換されたので、擬一次動態が考えられた。kcat/KM値は、開始速度の線形フィットによって決定した。
ATIIIによるFVIIa-sTFの阻害:
ATIII (American Diagnostica Inc.)によるFVIIa及びFVIIa変異体の不活性化の速度は、低分子量(LMW)ヘパリン(Calbiochem)及びsTFの存在下での連続的なアッセイ方法によって擬一次条件下で測定した。すべての試薬は室温で平衡化し、アッセイは50mM Hepes pH7.4、100mM NaCl、5mM CaCl2、1mg/ml BSA、0.1%PEG8000を含むバッファ中で行った。反応の間、擬一次条件を維持するために、プロテアーゼに対して10倍を超えるモル量のインヒビターを用いた。アッセイを始める前に、等量のFVIIa(終濃度40nM)とsTF(終濃度400nM)を室温で30分予め平衡化して組み合わせた。96ウェルプレートにて、20μlのLMWヘパリン(終濃度3μM)を濃度の異なる(終濃度50〜750nM)20μlのATIIIと混合して総容量130μlとした。その結果FVIIaに対してATIIIは10〜150倍となった。ATIIIのないブランクを含め、アッセイの全体にわたって線形開始速度を求めた。各ウェルに50μlのVIIa-sTF混合物を加えて終濃度5nM FVIIaと50nM sTFにした後、20μlのS-2288(終濃度200μM)を加えて反応を開始した。Spectramax 340マイクロプレート分光光度計を用いて405nmで30分間動態をモニターし、それぞれのインヒビター濃度での進行曲線を得た。進行曲線はEq1にフィットさせて、kobs値を決定した:
ここで、KDは非共有結合性の酵素-インヒビターミカエリス型複合体の解離定数を表し、kLimは不可逆性のインヒビター-プロテアーゼ複合体の形成に関して観察された速度定数である。次いで、阻害の見かけの二次速度定数であるkinhは以下より得られる。
FVIIa(500nM)を2000nMのsTF、1250又は2500nMのATIII及びATIIIに対して4倍量のLMWヘパリンとともに反応させた。反応物を、室温で反応が完全に行われるまで1時間インキュベートした。次いで、各々の反応を、終濃度4mMのS-2288及び100μg/mlのポリブレン(Sigmaのヘパリンキレート剤)を含む96ウェルプレート中の200μlの反応混合物に、400、450及び500回希釈した。405nmの吸光度増加を、Spectramax 340マイクロプレート分光光度計を用いて405nmで12時間測定した。吸光度曲線を時間に対してプロットし、複合体解離の一次速度定数は、曲線を単一指数関数にフィットさせて測定した。観察された一次速度定数(k)は、関数k=In(2)/T1/2に従って半減期(half lives)(T1/2)に変換した。
一過性に発現されるFVII変異体のスクリーニング
FVIIa変異体のスクリーニングのためのハイスループットシステムを、InvitrogenのFreeStyleTM 293-F一過性発現系に基づいて用いた。アミノ酸148-151を予め研究所で準備した4つのAsp残基に置換することによって、エンテロペプチダーゼ切断部位をFVII発現プラスミドに操作した。エンテロペプチダーゼによって結合されるArg290-Gly291(c147-c149)での更なるタンパク質分解を防ぐために、発現プラスミドに突然変異D289A(c146)も導入した。ATIII-FVIIa-sTF複合体のモデルは、トリプシン-セルピン複合体の結晶構造から生成した。セルピンのRCLの生産的なループ高次構造をATIIIにモデル化し、最終複合体をトリプシン-セルピン構造に基づいて生成した。ATIII-FVIIa-sTF複合体のモデルに基づいて、QuickChange部位特異的突然変異誘発(表3)によって、FVII D289A(c146)エンテロペプチダーゼをバックグラウンドにして合計26個のFVII変異体を生成した。
S-2288に対するアミド分解活性をsTFの存在下にて測定した。FXの活性化によって測定されるタンパク質分解活性は、リン脂質表面を供することによるFXの自己活性化を促す培地に存在する微量の細胞構成成分のためにsTFの存在下では測定することができなかった。その代わりに、再脂質付加したTF(Innovin)の存在下にてFX活性化を行った。低発現変異体(V172A(c35)、Q176L(c40)、D196A(c60)、T293L(c151)、D319A(c170G))のみがタンパク質分解活性に関して特徴を示した。V235A(c95)はS-2288に対して活性を示さなかった。そのため、この変異体についてはFX活性化のみを行った。
1. 配列番号:1のアミノ酸配列と比較して一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチド。
2. 前記第VII因子ポリペプチドがヒトの野生型第VIIa因子と比較して増加した機能的インビボ半減期を有する、実施態様1に記載の第VII因子ポリペプチド。
3. A175が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1又は2に記載の第VII因子ポリペプチド。
4. Q176が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から3のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
5. L177が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から4のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
6. D196が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から5のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
7. K197が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から6のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
8. I198が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から7のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
9. K199が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から6のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
10. G237が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から9のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
11. T238が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から10のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
12. T239が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から11のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
13. Q286が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から12のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
14. L287が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から13のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
15. L288が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から14のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
16. D289が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から15のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
17. R290が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から16のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
18. G291が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から17のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
19. A292が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から18のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
20. T293が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から19のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
21. A294が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から20のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
22. L295が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から21のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
23. L297が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から22のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
24. V299が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から23のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
25. M327が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から24のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
26. K341が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から25のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
27. S363が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から26のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
28. W364が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から27のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
29. G365が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から28のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
30. Q366が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から29のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
31. V172が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から30のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
32. N173が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から31のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
33. N200が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から32のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
34. N203が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から33のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
35. V235が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から34のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
36. N240が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から35のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
37. D319が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から36のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
38. S320が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から37のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
39. P321が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から38のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
40. G367が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から39のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
41. T370が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から40のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
42. H373が任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様1から41のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
43. T239が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様12に記載の第VII因子ポリペプチド。
44. D289が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様16に記載の第VII因子ポリペプチド。
45. M327が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様25に記載の第VII因子ポリペプチド。
46. K341が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様26に記載の第VII因子ポリペプチド。
47. S363が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様27に記載の第VII因子ポリペプチド。
48. V172が、Gly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様31に記載の第VII因子ポリペプチド。
49. N173が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様32に記載の第VII因子ポリペプチド。
50. N200が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様33に記載の第VII因子ポリペプチド。
51. N203が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様34に記載の第VII因子ポリペプチド。
52. V235が、Gly、Ala、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様35に記載の第VII因子ポリペプチド。
53. N240が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様36に記載の第VII因子ポリペプチド。
54. D319が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様37に記載の第VII因子ポリペプチド。
55. S320が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様38に記載の第VII因子ポリペプチド。
56. P321が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様39に記載の第VII因子ポリペプチド。
57. G367が、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様40に記載の第VII因子ポリペプチド。
58. T370が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Cys、Serから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様41に記載の第VII因子ポリペプチド。
59. H373が、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Met、Trp、Tyr、Asp、Asn、Glu、Gln、Lys、Arg、Cys、Ser、Thrから選択される任意の他のアミノ酸に置換される、実施態様42に記載の第VII因子ポリペプチド。
60. プロテアーゼドメインの残りの位置の少なくとも一つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様1から59のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
61. プロテアーゼドメインの残りの位置の多くとも20の付加的なアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様60に記載の第VII因子ポリペプチド。
62. 配列番号:1の157−170から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様1から61のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
63. 配列番号:1の290−305から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様1から62のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
64. R304がTyr、Phe、Leu及びMetからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から63のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
65. 配列番号:1の306−312から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様1から64のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
66. M306がAsp及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から64のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
67. D309がSer及びThrからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から66のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
68. 配列番号:1の330−339から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様1から67のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
69. A274が任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様1から68のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
70. 前記A274がMet、Leu、Lys及びArgからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様69に記載の第VII因子ポリペプチド。
71. K157がGly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から70のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
72. K337がAla、Gly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から71のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
73. D334がGly及びGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から72のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
74. S336がGly及びGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から73のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
75. V158がSer、Thr、Asn、Gln、Asp及びGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から74のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
76. E296がArg、Lys、Ile、Leu及びValからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から75のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
77. M298がLys、Arg、Gln及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から76のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
78. L305がVal、Tyr及びIleからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から77のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
79. S314がGly、Lys、Gln及びGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から78のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
80. F374がPro及びTyrからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、実施態様1から79のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
81. 前記F374がTyrによって置換されている、実施態様80に記載の第VII因子ポリペプチド。
82. アミノ酸がポリヌクレオチドコンストラクトによってコード化されうる任意の他のアミノ酸に置換されている、実施態様1から81のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
83. 前記第VII因子ポリペプチドがヒトの第VII因子である、実施態様1から82のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
84. 前記第VII因子ポリペプチドがヒトの第VIIa因子である、実施態様1から83のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
85. 前記第VII因子ポリペプチドの活性と配列番号:1に示す天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性との間の比率が少なくともおよそ1.25である、実施態様1から84のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
86. 前記比率が少なくともおよそ2.0、好ましくは少なくともおよそ4.0である、実施態様85に記載の第VII因子ポリペプチド。
87. Q176A-FVII、Q176L-FVII L177S-FVII、D196A-FVII、K197A-FVII、K199A-FVII、T238A-FVII、T239I-FVII、T239Y-FVII、Q286A-FVII、D289E-FVII、D289R-FVII、R290Q-FVII、M327Q-FVII、M327N-FVII、K341A-FVII、K341E-FVII、K341Q-FVII、S363M-FVII、S363A-FVII、W364H-FVII、Q366E-FVIIから選択される、実施態様1に記載の第VII因子ポリペプチド。
88. 実施態様1から87のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドコンストラクト。
89. ベクターである、実施態様88に記載のポリヌクレオチドコンストラクト。
90. 実施態様88又は89に記載のポリヌクレオチドコンストラクトを含んでなる宿主細胞。
91. 真核細胞である、実施態様90に記載の宿主細胞。
92. 哺乳類起源である、実施態様91に記載の宿主細胞。
93. 細胞がCHO細胞、HEK細胞及びBHK細胞からなる群から選択される、実施態様92に記載の宿主細胞。
94. 実施態様88に記載のポリヌクレオチドコンストラクトを含有し、発現するトランスジェニック動物。
95. 実施態様88に記載のポリヌクレオチドコンストラクトを含有し、発現するトランスジェニック植物。
96. ポリヌクレオチドコンストラクトの発現を促す条件下で好適な成長培地中で実施態様90から93のいずれか一において定義される細胞を培養し、培養培地から結果として生じたポリペプチドを回収することを含んでなる、実施態様1から87のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの生成方法。
97. 実施態様94において定義されるトランスジェニック動物によって産生される乳から第VII因子ポリペプチドを回収することを含んでなる、実施態様1から87のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの生成方法。
98. 実施態様95において定義されるトランスジェニック植物の細胞を培養し、該植物から第VII因子ポリペプチドを回収することを含んでなる、実施態様1から87のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの生成方法。
99. 配列番号:1のアミノ酸配列と比較して一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチド;と、場合によって薬学的に受容可能な担体とを含有してなる薬剤的組成物。
100. 実施態様1から87のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドと、場合によって薬学的に受容可能な担体とを含有してなる薬剤的組成物。
101. 配列番号:1のアミノ酸配列と比較して、一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための医薬の調製における使用。
102. 実施態様1から87のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための医薬の調製における使用。
103. 血友病A又はBの治療のための、実施態様101又は102に記載の使用。
104. 被検体の出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための方法であって、配列番号:1のアミノ酸配列と比較して、一又は複数の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、該置換が、配列番号:1のアミノ酸位に対応する位置172、173、175、176、177、196、197、198、199、200、203、235、237、238、239、240、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、297、299、319、320、321、327、341、363、364、365、366、367、370、373からなる群から選択される位置の一又は複数のアミノ酸の任意の他のアミノ酸による置換であり、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの治療的ないしは予防的な有効量を、必要とする被検体に投与することを含んでなる方法。
105. 被検体の出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための方法であって、実施態様1から87のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの治療的ないしは予防的な有効量を、必要とする被検体に投与することを含んでなる方法。
106. 医薬としての使用のための実施態様1から87のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチド。
107. 前記第VII因子ポリペプチドが、Q366E-FVII、Q366A-FVII及びQ366G-FVIIから選択される第VII因子ポリペプチドではない、実施態様1から106のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチド。
Claims (20)
- 配列番号:1のアミノ酸配列と比較して位置176におけるGlnからAlaへの置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチド。
- 前記第VII因子ポリペプチドがヒトの第VII因子である、請求項1に記載の第VII因子ポリペプチド。
- 前記第VII因子ポリペプチドがヒトの第VIIa因子である、請求項1又は2に記載の第VII因子ポリペプチド。
- 請求項1から3のいずれか一に記載の第VII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドコンストラクト。
- ベクターである、請求項4に記載のポリヌクレオチドコンストラクト。
- 請求項4又は5に記載のポリヌクレオチドコンストラクトを含んでなる宿主細胞。
- 真核細胞である、請求項6に記載の宿主細胞。
- 哺乳類起源である、請求項7に記載の宿主細胞。
- 細胞がCHO細胞、HEK細胞及びBHK細胞からなる群から選択される、請求項8に記載の宿主細胞。
- 請求項4に記載のポリヌクレオチドコンストラクトを含有し、発現するトランスジェニック非ヒト動物。
- 請求項4に記載のポリヌクレオチドコンストラクトを含有し、発現するトランスジェニック植物。
- ポリヌクレオチドコンストラクトの発現を促す条件下で好適な成長培地中で請求項6から9のいずれか一において定義される細胞を培養し、培養培地から結果として生じたポリペプチドを回収することを含んでなる、請求項1から3のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの生成方法。
- 請求項10において定義されるトランスジェニック非ヒト動物によって産生される乳から第VII因子ポリペプチドを回収することを含んでなる、請求項1から3のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの生成方法。
- 請求項11において定義されるトランスジェニック植物の細胞を培養し、該植物から第VII因子ポリペプチドを回収することを含んでなる、請求項1から3のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの生成方法。
- 配列番号:1のアミノ酸配列と比較して位置176におけるGlnからAlaへの置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチド;と、薬学的に受容可能な担体とを含有してなる薬剤的組成物。
- 請求項1から3のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドと、薬学的に受容可能な担体とを含有してなる薬剤的組成物。
- 配列番号:1のアミノ酸配列と比較して位置176におけるGlnからAlaへの置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、野生型ヒトFVIIaと比較して該FVIIポリペプチドの内在性インヒビターによる不活性化に対する耐性が増加しているものである第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための医薬の調製における使用。
- 請求項1から3のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患又は出血性症状の治療のため又は通常の止血系の促進のための医薬の調製における使用。
- 血友病A又はBの治療のための、請求項17又は18に記載の使用。
- 医薬としての使用のための請求項1から3のいずれか一において定義される第VII因子ポリペプチド。
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