JP5689974B2 - ダイヤモンド切削工具の加工装置 - Google Patents

ダイヤモンド切削工具の加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5689974B2
JP5689974B2 JP2013536338A JP2013536338A JP5689974B2 JP 5689974 B2 JP5689974 B2 JP 5689974B2 JP 2013536338 A JP2013536338 A JP 2013536338A JP 2013536338 A JP2013536338 A JP 2013536338A JP 5689974 B2 JP5689974 B2 JP 5689974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polishing surface
holding
diamond
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013536338A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013047604A1 (ja
Inventor
一仁 西村
一仁 西村
秀紀 笹岡
秀紀 笹岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOCHI FEL CO., LTD.
Original Assignee
KOCHI FEL CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOCHI FEL CO., LTD. filed Critical KOCHI FEL CO., LTD.
Priority to JP2013536338A priority Critical patent/JP5689974B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5689974B2 publication Critical patent/JP5689974B2/ja
Publication of JPWO2013047604A1 publication Critical patent/JPWO2013047604A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B3/00Sharpening cutting edges, e.g. of tools; Accessories therefor, e.g. for holding the tools
    • B24B3/34Sharpening cutting edges, e.g. of tools; Accessories therefor, e.g. for holding the tools of turning or planing tools or tool bits, e.g. gear cutters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B9/00Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor
    • B24B9/02Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground
    • B24B9/06Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain
    • B24B9/16Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground of non-metallic inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain of diamonds; of jewels or the like; Diamond grinders' dops; Dop holders or tongs

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

本発明は、ダイヤモンド原石を研磨してダイヤモンド切削工具を得るためのダイヤモンド切削工具の加工装置に関する。
従来、単結晶のダイヤモンド原石に切刃が設けられ、これを台金やシャンク等に鑞付け法やクランプ、カシメなどの機械的な方法により固定されたダイヤモンド切削工具が知られている。このようなダイヤモンド切削工具は、例えば非球面レンズ金型等の超精密加工などに使用されるため、その切れ刃は極めて高精度の輪郭形状(円弧形状)を備えている。当該円弧形状は通常、研磨により形成される。
ダイヤモンド原石を研削および研磨してダイヤモンド切削工具を得るための加工装置として、例えば特許文献1には、ダイヤモンド原石を有するダイヤモンドバイトを保持する保持アーム(保持アーム)と、水平に回転する研磨皿(研磨面)と、を備える加工装置が開示されている。この従来の加工装置を用いてダイヤモンド原石を研磨する際は、まず、第1の工程として、回転する研磨皿にダイヤモンド原石を押し付けてダイヤモンド原石を研磨することと、ダイヤモンド原石の被研磨面を計測器で測定し、被研磨面の研磨状態を確認することと、を繰り返すことで円弧に近似した多角形状を作製する。その後、第2の工程として、仕上研磨加工でダイヤモンド切削工具を保持アームの軸線周りに連続揺動させることで円弧形状の切刃をもつダイヤモンド切削工具を製作する方法が採られている。(特許文献1の実施形態参照)。
また、別の方法として、ダイヤモンド切削工具の刃先を高エネルギー加工機によって形成する方法も開示されている。例えば、特許文献2では、レーザー加工によってダイヤモンドの工具の刃先を形成する方法が、また、特許文献3では、収束イオンビーム(FIB)加工により形成する方法が開示されている。
特公平8−352号公報 特開平7−156003号公報 特開2007−30095号公報
近年では、非球面加工を行うための数十ナノメートルオーダーの輪郭精度を有するダイヤモンド切削工具が求められているが、上記特許文献の方法では輪郭精度の高いダイヤモンド切削工具を得ることが難しかった。
ダイヤモンドはその硬さに異方性があるため、輪郭精度の高い工具作製を行なう場合、特許文献1に示すようなスカイフ盤(スキーフ盤ともいう)を用いた研磨加工による成形では、硬さの異方性がそのまま輪郭精度に影響を与える。定圧研磨加工では、機械系の弾性変形による担ぎ量により、加工し易い結晶方位が優先的に加工されることで、輪郭精度が損なわれ、ダイヤモンド原石を所望の輪郭精度を有するダイヤモンド切削工具に加工することが困難となるからである。
ところで、従来の加工装置に備わるダイヤモンド原石の保持機構では、研磨面が偏磨耗しないように、また、ダイヤモンド原石に研磨条痕が生じないように研磨面への接触点を研磨面上で往復運動させている。この往復方向は、通常、研磨面の径方向(保持アームの軸方向に沿った方向)であるため、ダイヤモンド原石の被研磨面に対して、加工方向が一定のままでほとんど変化しない。このため、刃先を円弧形状に成形するために、保持アームを往復回転させて、研磨面に対してダイヤモンド原石の被研磨面の角度を連続的に変化させていくときに、研磨面の加工方向がダイヤモンド原石の結晶面方位に対して難加工方向で固定される場合があり、そのとき、その面方位での加工が進まなくなる。
また、特許文献1の第1の工程に属するような一般的なダイヤモンド工具の成形加工は、仕上加工に比べて必要とされる加工量がはるかに大きい。そのためダイヤモンド原石の被研磨面が粗くなるが、仕上加工に比べて使用するダイヤモンド砥粒の径を大きくすることで、加工速度の向上が図られている。しかし、単一のスカイフ盤を用いて成形から仕上までを行う加工では、成形加工時の粗い砥粒によって生じる研磨面の表面粗さの増大が、仕上加工時のより細かい砥粒とダイヤモンド原石の被研磨面との接触を阻害するため、仕上加工に多大な時間を要すると同時に加工精度を悪化させる問題がある。
一方、高エネルギー加工によってダイヤモンド切削工具の成形加工を行う場合、ダイヤモンドの硬さの異方性は問題とならないが、不可避的に加工表面にダメージ層が形成される。このダメージ層は、ダイヤモンド切削工具の被切削材料に対するぬれ性を高め、ダイヤモンド切削工具を用いた切削加工を行う際に、刃先に対して被切削材の固着を起し易くし、刃先の欠けを生じさせたり、工作精度を劣化させる構成刃先を形成させる原因となる。そのため、結局はそのダメージ層を除去するために、上述した問題を有する機械式研磨による仕上加工が必要となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、従来よりも速く、簡単に輪郭精度の高い切削および研磨加工を行なうことができるダイヤモンド切削工具の加工装置を提供することにある。
本発明ダイヤモンド切削工具の加工装置は、台座部と、台座部上に設けられ、ダイヤモンド原石を有する研磨対象を保持する保持機構と、台座部上に設けられ、研磨面をその中心軸周りに回転させ、その回転する研磨面によりダイヤモンド原石の輪郭を円弧形状に研磨する研磨機構と、を備えるダイヤモンド切削工具の加工装置である。この本発明研磨装置に対して、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を規定し、上記研磨面の中心軸をZ軸としたとき、本発明加工装置は、加工装置に備わる保持機構が、保持アームと、保持側回転機構部と、を備え、加工装置に備わる研磨機構が、研磨面を有する回転研磨体と、研磨面側の回転機構部と、研磨面側の昇降機構部と、研磨面側の往復機構部と、を備えることを特徴とする。上記保持アームは、Y軸方向に沿って伸び、その先端で研磨対象を片持ち状に保持する。上記保持側回転機構部は、Y軸周りの円弧に沿って保持アームを往復回転させる。上記研磨面側の回転機構部は、回転研磨体を回転可能に軸支する研磨面側の軸受部を有する。また、上記研磨面側の昇降機構部は、ダイヤモンド原石に対して研磨面をZ軸方向に昇降させる。上記研磨面側の往復機構部は、研磨面側の回転機構部を、X軸に平行に近い方向に、直線状あるいは円弧状に往復させる。
上記構成を備えるダイヤモンド切削工具の研磨装置では、ダイヤモンド原石に対して研磨面をアプローチさせる定寸切込を行うことができるので、ダイヤモンド原石を高い輪郭精度で加工することができる。これに対して、従来のスカイフ盤による加工方法では、研磨面に対してダイヤモンド原石をアプローチさせ、研磨面にダイヤモンド原石を押し付ける定圧加工を行っている。既に述べたように、ダイヤモンドには硬さに異方性があるため、同じ圧力で研磨面にダイヤモンド原石を押し付けても、ダイヤモンド原石の結晶方位によって加工の進み方に差異が生じる。そのため、ダイヤモンド原石を高い輪郭精度で加工するには熟練の技を要する。
また、上記構成を備える本発明ダイヤモンド切削工具の加工装置では、研磨面側の回転機構部を、保持アームの往復回転軸(Y軸)に対して直交するX軸に近い方向に、直線状あるいは円弧状に往復させる。即ち、研磨面側の回転機構部に軸支される回転研磨体の研磨面も、X軸に近い方向に直線状あるいは円弧状に往復する。このような構成をとることで、ダイヤモンド原石の結晶方位に対する研磨面のアプローチ方向が逐次変化し、ダイヤモンド原石の被加工面に対して加工方向が難加工方向のみになることを防止し、輪郭精度の高い円弧形状の仕上加工を行うことが出来る。これに対して、従来のように、保持アームを研磨面の回転中心軸に向かう方向(径方向=Y軸方向)に往復させる方法では、ダイヤモンド原石の結晶方位に対する研磨面のアプローチ方向が一定のままとなる。このため、仕上研磨加工において、ダイヤモンド原石に円弧形状をつくるために保持アームを往復回転させるとき、ダイヤモンド原石の研磨面に対する角度によっては、加工が全く進まないことがありうる。
ここで、研磨面側の回転機構部をX軸に平行に近い方向に往復させる場合、即ち、研磨面をX軸に平行に近い方向に往復させる場合、例えば、ダイヤモンド原石と研磨面の接触点を頂点とし、往復運動によって回転研磨体の研磨面上の回転中心点が造る軌跡を底辺とする三角形について、ダイヤモンド原石と研磨面の接触点が作る角度θを5°〜180°の範囲とすることが好ましい。そうすることで、ダイヤモンド原石の加工方向の角度変化は5°〜180°となり、円錐加工により生じてくる高次の結晶面についても、5°〜180°の範囲で加工方向が変化することで、その変化過程で加工方向が加工可能な条件に合致する頻度が高くなる。なお、角度θが180°の場合は、往復運動によって回転研磨体の研磨面上の回転中心点が造る軌跡上にダイヤモンド原石と研磨面の接触点が位置する。
上記本発明加工装置の一形態として、上記研磨面側の昇降機構部は、回転研磨体を軸支する研磨面側の軸受部の内底部をZ軸方向に進退させることで、ダイヤモンド原石に対して研磨面をZ軸方向に昇降させる構成であり、かつ回転研磨体は、研磨面側の軸受部に着脱自在に軸支されている研磨体昇降形態を挙げることができる。
研磨体昇降形態の具体的な構成として、図4を参照する後述する実施形態に示すように、研磨面側の昇降機構部7は、研磨面側の軸受部60の内底部60cに一体化される内側部材7iと、内側部材7iの外周に配置される環状の外側部材7oと、を備え、内側部材7iの外周面と外側部材7oの内周面とはネジ嵌合される構成を挙げることができる。その場合、外側部材7oを回転させたときに、ネジの送り出しによって内側部材7iと一体になった内底部60cがZ軸方向に昇降する。
研磨体昇降形態とすることで、剛性の高い保持アーム(および保持側回転機構)に固定されるダイヤモンド原石に対して、定寸切込量を回転研磨体のネジによる送り出し量で設定することができるため、ダイヤモンドの硬さの異方性に起因する輪郭精度の悪化を抑制することができる。このような定寸切込を行うことで、装置系の弾性変形によって切込まれる定圧加工と異なり、回転研磨体の回転精度に基づく形状精度で工具刃先を形成することができる。
また、回転研磨体を研磨面側の軸受部から着脱自在にすることで、回転研磨体ごと研磨面の面修正を行なうことができる。さらに研磨面の表面状態の異なる複数の回転研磨体があれば、加工精度を左右する研磨面の表面状態を、常に最良の状態にした研磨面に容易に取り替えることができるので、上記面修正を行う間も作業を遅滞させることなく、安定して高精度な加工を行える。その他、回転研磨体を着脱可能な構成とすることで、例えば、ダイヤモンド原石の粗加工時には、回転研磨体をダイヤモンドホイール、精密仕上加工時には、ダイヤモンド遊離砥粒が付着された金属製の研磨面を選択する、といった対応が可能になる。このように、各加工工程に適切な研磨面を選択することで、より迅速で輪郭精度の高い加工が可能となる。なお、回転研磨体の脱着は、ダイヤモンド原石を保持アームに固定したままで行うことが出来るので、工程に合わせて回転研磨体を交換する際にも、逃げ角や、円弧形状の半径の寸法を正確に出すことができる。
上記本発明加工装置の一形態として、上記研磨面側の昇降機構部は、研磨面側の軸受部全体を前記Z軸方向に進退させることで、ダイヤモンド原石に対して研磨面をZ軸方向に昇降させる構成であり、かつ研磨面側の軸受部は、研磨面側の昇降機構部に着脱自在に固定されている軸受部昇降形態を挙げることができる。
軸受部昇降形態の具体的な構成として、図8を参照する後述する実施形態に示すように、研磨面側の昇降機構部7’は、台座部α上に固定される基台70’と、基台上でZ軸方向に昇降自在に支持される天板71’と、を備え、その天板71’上に研磨面側の軸受部60’を取り付ける構成を挙げることができる。その場合、研磨対象を保持する保持機構は、台座部α上の天板71’以外の部分に固定すれば、研磨対象のダイヤモンド原石に対して研磨面をアプローチさせる定寸切込を行なうことができる。
上記軸受部昇降形態とすることでも、研磨体昇降形態と同様にダイヤモンド原石の定寸切込を行うことができる。また、軸受部昇降形態において研磨面側の昇降機構部から研磨面側の軸受部を着脱自在にすることで、研磨体昇降形態において研磨面側の軸受部から回転研磨体を着脱自在にした構成と同様に、用途に応じた研磨面の交換が容易になる。
上記本発明加工装置の一形態として、保持機構は、台座部上に載置される基部と、保持アームと、ゴニオステージと、回転ステージと、保持側昇降機構部と、を備える形態とすることができる。保持アームは、Y軸方向に沿って伸び、その先端で研磨対象を片持ち状に保持する。ゴニオステージは、保持アームの先端がX軸周りの円弧に沿って回転可能となるように保持アームの根元側を支持する。回転ステージは、保持アームをY軸回りの円弧に沿って往復させる保持側回転機構部の一部を構成する部材であって、ゴニオステージをY軸周りに回転可能に軸支する。そして、保持側昇降機構部は、保持アーム、ゴニオステージおよび前記回転ステージを基部に対して一体的にZ軸方向に移動させる。
この構成によれば、保持側昇降機構部を有することで、加工時には、Z軸上の適正な位置にダイヤモンド原石を位置させることができ、加工終了時にはダイヤモンド原石を、Z軸の上方に容易に逃がすことができるため、保持アームより安全にダイヤモンド原石を取り外すことができる。また、ゴニオステージと回転ステージとを備えることで、ダイヤモンド原石を平面研磨する際、ダイヤモンド原石の研磨面に対する角度(ピッチ角及びバンク角)を高精度に調整することができる。具体的には、保持アームに取り付けられたダイヤモンド原石の3次元形状を測定しておき、その形状に基づいて、被研磨面の角度を決定することにより、所定の寸法精度・形状精度で研磨加工を行うことができる。特に、寸法・形状が一定しない天然ダイヤモンドをダイヤモンド原石に用いる場合や、ダイヤモンド原石にファセットを形成する場合に有効である。
上記保持側昇降機構部を有する本発明加工装置の一形態として、棒状体と、錘部材と、を有する接触圧調整機構部を備える形態とすることができる。棒状体は、回転ステージにおけるゴニオステージが設けられる側とは反対側に取り付けられる。錘部材は、棒状体にスライド自在に取り付けられる。そして、接触圧調整機構部は、棒状体の長手方向における錘部材の位置を変えることで、保持側昇降機構部により一体的に動く部材の荷重と錘部材側の荷重とのバランスを調整し、そのバランス調整によって研磨対象が研磨面に接触する圧力を調整する。
この構成によれば、棒状体に取り付けられる錘部材の位置を変えることにより、研磨面に対する研磨対象の角度を一定にしたまま、研磨面に対するダイヤモンド原石の接触圧力を容易に調節することができる。
なお、ダイヤモンド原石の粗加工を、本発明の加工装置によらず、高エネルギー加工機によって行い、ダイヤモンド原石を連続的に往復回転させる仕上加工のみを本発明の加工装置によって行っても良い。
本発明のダイヤモンド切削工具の加工装置によれば、スキルレスで輪郭精度の高いダイヤモンド切削工具を作製することができる。
実施形態1に記載されるダイヤモンド切削工具の加工装置の概略を示し、(A)は上面図、(B)は正面図である。 ダイヤモンド切削工具の加工装置に備わる保持機構の概略を示し、(A)は正面図、(B)右側面図である。 ダイヤモンド切削工具の加工装置に備わる研磨機構の概略を示し、(A)は上面図、(B)は正面図である。 研磨機構に備わる回転研磨体と研磨面側の軸受部の拡大部分断面図である。 ダイヤモンド原石を研磨する際の加工装置の要部の動きを説明する説明図であって、(A)は回転研磨体を側面から見た図、(B)は回転研磨体を上面から見た図である。 図5(A)の状態からダイヤモンド原石を保持する保持機構の支端側を旋回させた状態を示す説明図である。 実施形態2に記載されるダイヤモンド切削工具の加工装置に備わる保持機構の正面図である。 実施形態3に記載されるダイヤモンド切削工具の加工装置に備わる研磨機構の概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。各図面には、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を示す(XY平面は水平面、Z軸は垂直軸)。なお、各図において、同一又は相当の部材には同一の符号を用いる。
[実施形態1]
<全体構成>
図1に示すダイヤモンド切削工具の加工装置100は、台座部α(図面上は台座部αの天板のみを示す)と、台座部αの上面に設置され、ダイヤモンド原石を含む研磨対象を保持する保持機構βと、同じく台座部αの上面に設置され、保持機構βに保持されたダイヤモンド原石を研磨する研磨機構γと、を備える。なお、本実施形態では研磨面5sは水平面(XY平面)に平行に設けられる。以下、各構成を詳細に説明する。
<台座部α>
台座部αはボックス状の筐体(図面上は天板のみを図示する)で、その内部に各機構β,γを駆動するための電源部や、各機構β,γを制御するための制御部などが設けられている。台座部αの天板には、加工装置100の電源ボタンや、研磨条件を入力する入力ボタン(タッチパネルなどとしても良い)を有する制御パネルを設けても良い。もちろん、有線や無線にて加工装置100をパソコンに接続し、パソコンから加工装置100を操作しても構わない。
<保持機構β>
保持機構βは、研磨対象を片持ち状に保持する保持部材1と、保持部材1をY軸周りに回転させる保持側回転機構部2と、保持部材1の支端側(後述する保持側軸受部20)をX軸周りの円弧軌道に沿って旋回させる保持側旋回機構部3と、を備える。
≪保持部材1≫
図2に示すように、保持部材1は、研磨対象9を把持する保持アーム10と、保持アーム10が取り付けられる回転ベース11と、を備える。なお、回転ベース11は、保持アーム10を支持する部材であるが、後述する保持側回転機構部2の構成部材でもある。
上記保持アーム10は、先端側が『[』状に形成された把持部(図1(A)の形状を参照)を備える腕状の部材である。把持部に配置された研磨対象9は直接ネジ止めによって固定しても良いし、把持部に対して研磨対象9が均等な圧力で押し付けられるようにスペーサ(図示略)を介して固定しても良い。ここで、把持される研磨対象9は、図示するようにシャンク91の先端にダイヤモンド原石90を鑞付法、あるいはカシメ、クランプ等の機械的方法により固定したものであっても良いし、ダイヤモンド原石90そのものであっても良い。
本実施形態では、保持アーム10の把持部近傍に音響センサ10aが取り付けられている。音響センサ10aは、保持アーム10の振動を検知するセンサである。保持アーム10の振動を検知できるということは、保持アーム10に把持される研磨対象9に研磨面5s(図1参照)が接触したか否か、接触した場合はどの程度の接触度合いであるかを正確に把握することができる。
保持アーム10が取り付けられる回転ベース11は、軸部11aと、軸部11aの一端側に形成される円盤部11bとを備える。円盤部11bには周方向に均等な間隔で配置される複数のネジ穴11h(図2(A)参照)が形成されている。これらネジ穴11hのいずれかに保持アーム10が取り付けられている。つまり、保持アーム10は、回転ベース11の円盤部11bの中心から外れた位置である外周縁部寄りに取り付けられる。
上記回転ベース11に設けられるネジ穴11hのうち、保持アーム10が取り付けられるネジ穴11hに対向する位置にあるネジ穴11hには錘部材10b(図2,5,6を参照)を取り付けることが好ましい。上述したように、保持アーム10が円盤部11bの中心から外れた位置にあるため、回転ベース11を回転させるときや、ダイヤモンド原石90を研磨するときに、回転ベース11を往復回転させるサーボモータに大きな負荷がかかる。このため、回転ベース11の反対側に錘部材10bを取り付けてバランスを取ることにより、サーボモータに対する負荷を軽減すると同時に、保持アーム10のブレを抑制することができる。なお、保持アーム10と二つの錘部材10bをそれぞれ正三角形の頂点の位置に配置する三角配置としても良い。
≪保持側回転機構部2≫
保持側回転機構部2は、上記回転ベース11と、この回転ベース11の軸部11aを回転自在に軸支する保持側軸受部20と、を備える。保持側軸受部20の内部には、気体を用いた静圧軸受20aと、軸部11aに回転力を与えるモータなどの駆動源20bが設けられている。このような構成により、回転ベース11の円盤部11aに設けられる保持アーム10を、Y軸周りの円弧軌道に沿って往復回転させることができる(図2(A)の白抜き矢印参照)。保持アーム10の往復回転範囲は、円弧に対して輪郭精度を求められる角度範囲に対して両端で10°程度ずつ大きくすると良い。例えば、120°の範囲で輪郭精度が求められる場合、その角度範囲に対して両端で10°ずつ、合計20°大きくして、140°の範囲で保持アーム10を往復回転させればよい。
保持アーム10を回転させる保持側回転機構部2を備えることで、後述する研磨方法の項目に記載のように、ダイヤモンド原石90に円弧形状のすくい面を形成することができる。
≪保持側旋回機構部3≫
保持側旋回機構部3は、ボックス状のスタンド部30を備える。スタンド部30は、保持機構β全体の土台となる部分であって、台座部α(図1参照)の天板上に立設される。スタンド部30の側面(YZ平面に平行な面)には円弧状のスリット30sが設けられており、そのスリット30sに沿って往復自在に配置される支持軸30rが配置されている。そして、この支持軸30rによって保持側軸受部20がスタンド部30の側面に支持されている。そのため、保持部材1の支端である保持側軸受部20は、X軸周りの円弧軌道に沿って旋回自在となっている(図2(B)の白抜き矢印参照)。
保持側軸受部20の旋回度合いは、手動で調整すれば良い。本実施形態では、保持側軸受部20を支持する支持軸30rがボルトであるため、そのボルトを弛め、保持側軸受部20をスリット30sに沿って移動させた後、ボルトを締めなおすと良い。手動調整の場合、旋回度合いの指標となる目盛りを設けておくと良い。もちろん、保持側軸受部20の旋回を加工装置100が自動で調整できるようにしても構わない。その場合、スタンド部30の内部に支持軸30rを動かす駆動源などを配置する。
保持側軸受部20を旋回させる保持側旋回機構部3を備えることで、後述する研磨方法の項目に記載のように、研磨面5sに対する保持アーム10の傾きを変更することができるので、保持アーム10に保持されるダイヤモンド原石90の円弧形状の形成に際して、連続して、逃げ角の形成を行なうことができる。また、この保持側旋回機構部3によれば、保持アーム10の高さ方向の位置(研磨面5sに直交する方向の位置)を殆ど変化させることなく保持アーム10の研磨面5sに対する傾きを変更できるので、後述する研磨面側の昇降機構部7(図4参照)をコンパクトにすることができる。仮に保持アーム10の高さが大きく変わってしまう場合、その高さの変化に対応できるように研磨面側の昇降機構部7を大きくする必要がある。
<研磨機構γ>
図3に示すように、研磨機構γは、台座部αの天板上に立設される脚片4を備える。脚片4の上面には、X軸方向に向かって平行に伸びる二本のレール4rが備わっている。レール4r上にはガイド4gを備えるスライド台4Bが載置されている。そのため、スライド台4Bは、レール4r上をレール4rの延伸方向(X軸方向)に沿って移動できるようになっている。
上記スライド台4B上には、研磨面5sを有する回転研磨体5と、回転研磨体5を、Z軸を回転軸として回転させる研磨面側の回転機構部6と、回転研磨体5をZ軸方向に昇降させる研磨面側の昇降機構部7(図4を参照して後述する)と、回転研磨体5をXY平面(研磨面5sに平行な面)上でX軸方向に往復動させる研磨面側の往復機構部8と、が設けられている。以下、これらの構成を説明する。
≪回転研磨体5≫
回転研磨体5は、図4に示すように、円柱状の軸部5aと、軸部5aの先端に設けられる円盤部5bと、を備える。円盤部5bの上面には研磨面5sが形成される。
研磨面5sを含む円盤部5bの一部は、残りの部分から着脱自在に構成することができる。研磨面5sを含む部分は、例えばダイヤモンド砥粒が付着されたダイヤモンドホイールとすることもできるし、鋳鉄製の研磨板とすることもできる。ダイヤモンドホイールはダイヤモンド原石90を粗研磨する際に利用し、鋳鉄製の研磨板はダイヤモンド原石90を精密研磨する際に利用すると良い。なお、円盤部5b全体が軸部5aから取り外せるようにしても良い。
回転研磨体5の下端部(円盤部5bと反対側の端部)には、スラスト球5cが取り付けられている。そのため、回転研磨体5を後述する研磨面側の軸受部60の内部に挿入すれば、そのスラスト球5cを介して、回転研磨体5が研磨面側の軸受部60の内底部60cに支持される。
円盤部5bの根元部分には、従動プーリ62bが一体に設けられている。この従動プーリ62bは、次に説明する研磨面側の回転機構部6の伝達部62の一部を構成する部材であって、従動プーリ62bが回転すれば、それに合わせて回転研磨体5も回転する。
≪研磨面側の回転機構部6≫
図3に示すように、研磨面側の回転機構部6は、研磨面5sを露出させた状態で上記回転研磨体5を内部に収納する研磨面側の軸受部60と、回転研磨体5を回転させる動力源となるモータを内蔵する動力源部61と、モータの回転力を回転研磨体5に伝達する伝達部62と、を備える。
{研磨面側の軸受部60}
研磨面側の軸受部60は、図4に示すように、その内部に回転研磨体5を収納することができる筒状体である。研磨面側の軸受部60の長手方向中間部の外周面にはフランジ部60fが設けられており、そのフランジ部60fによって研磨面側の軸受部60はスライド台4B(図3参照)に固定される。
また、研磨面側の軸受部60の内部には、流体軸受の一種である気体を用いた静圧軸受60a,60bが形成されている。本実施形態の静圧軸受60a,60bは多孔質タイプのもので、吸気口601から導入した気体を研磨面側の軸受部60の内部に導入し、その気体によって研磨面側の軸受部60の内部で回転研磨体5を回転自在に軸支する。なお、余剰の気体は、排気口602から排出される。
静圧軸受60a,60bの合計長さ(回転研磨体5の軸方向長さ)は、回転研磨体5の軸部5aの径の2倍以上とすることが好ましい。そうすることで、回転研磨体5の回転を安定させることができる。
研磨面側の軸受部60の内底部60cには、回転研磨体5のスラスト球5cを配置する窪みが形成されている。そのため、研磨面側の軸受部60に収納させた回転研磨体5を回転させれば、ジャイロ効果により回転研磨体5の回転が安定する。なお、スラスト球を内底部60cに設け、回転研磨体5にそのスラスト球を受け入れる窪みを設けても構わない。
研磨面側の軸受部60の内周面(静圧軸受60a,60bが形成されていない部分)と、回転研磨体5の外周面とのクリアランスは、5/100〜1/10mmとすることが好ましい。クリアランスをこの範囲とすることで、研磨面側の軸受部60から回転研磨体5を取り外し易くすることができる。なお、この範囲のクリアランスは、通常の静圧軸受におけるクリアランスよりも大きめであるが、ジャイロ効果により回転研磨体5はその回転軸がブレることなく安定して回転する。
{動力源部61}
動力源部61は、図3に示すように、研磨面側の軸受部60と同様にスライド台4B上に固定されている。動力源部61に備わるモータの先端には主動プーリ62aが設けられている。
{伝達部62}
伝達部62は、動力源部61のモータに取り付けられる主動プーリ62aと、回転研磨体5に設けられる従動プーリ62bと、両プーリ62a,62bに掛け渡されるベルト62cと、を備える。モータにより主動プーリ62aを回転させれば、ベルト62cを介して従動プーリ62bを備える回転研磨体5が回転する。
≪研磨面側の昇降機構部7≫
本実施形態の研磨面側の昇降機構部7は、図4に示すように、研磨面側の軸受部60の内底部60cを昇降させることで、内底部60cにスラスト球5cを介して支持される回転研磨体5を昇降させる。具体的には、研磨面側の昇降機構部7は、内底部60cの外周に設けられる内側部材7iと、その内側部材7iのさらに外周に設けられる外側部材7oとを備える。
内側部材7iの内周面は、内底部60cに嵌合しており、両者7i,60cは一体となっている。また、内側部材7iの外周面と外側部材7oの内周面にはネジ山が形成されており、外側部材7oを回転させることで、内側部材7iが昇降するようになっている。そのため、外側部材7oを回転させることで、内底部60cに支持される回転研磨体5(即ち、研磨面5s)も垂直方向(Z軸方向)に昇降する。
回転研磨体5の昇降割合は、環状部材7i,7oのネジ山のピッチに依存する。ピッチを狭くすれば、回転研磨体5の昇降量を微調整し易い。例えば、外側部材7oを一回転させるごとに、研磨面5sが1mm昇降するようにすれば、ダイヤモンド原石90を高精度に研磨することができる。
≪研磨面側の往復機構部≫
研磨面側の往復機構部8は、図3に示すように、保持機構βのスタンド部30(図1(B)を合わせて参照)の正面側に設けられる動力源部80を備える。動力源部80の内部にはモータとクランク機構が内蔵されている。クランク機構のクランクロッド80rの一端は、スライド台4Bに接続されている。既に述べたように、スライド台4Bは、レール4r上にスライド自在に取り付けられているので、動力源部80のモータを動作させれば、スライド台4Bは、水平面(研磨面)上をX軸方向に往復動作する。即ち、スライド台4Bに固定される研磨面側の回転機構部6と、研磨面側の回転機構部6により回転させられる回転研磨体5もX軸方向に往復動する。上述のように、動力源部80に加えて、ガイド4gを備えるスライド台4Bとレール4rも含めて研磨面側の往復機構部8と見做すことができる。
<研磨手順>
上述したダイヤモンド切削工具の加工装置100を用いたダイヤモンド切削工具の研磨手順を図5,6に基づいて説明する(必要に応じて図1〜4を参照のこと)。
まず、図5(A)に示すように、シャンク91にダイヤモンド原石90を固定した研磨対象90を保持アーム10の先端に固定し、保持アーム10を水平状態に保つ。そして、回転研磨体5を研磨面側の回転機構部6で回転させつつ、研磨面側の昇降機構部7を手動で操作して回転研磨体5を上昇させ、研磨面5sをダイヤモンド原石90に向かってアプローチさせる強制切り込みを行なう。このとき、保持アーム10が固定される回転ベース11は保持側軸受部20で確りと固定され、保持アーム10が上下方向にブレないため、精密な研磨を行なうことができる。
研磨の際は、保持機構βの保持側回転機構部2(図2を参照)と、研磨機構γの研磨面側の往復機構部8(図3を参照)も動作させる。保持側回転機構部2を動作させることで、図5(A)に示すように、ダイヤモンド原石90を把持する保持アーム10がY軸周りの円弧軌道に沿って往復するので(白抜き矢印を参照)、ダイヤモンド原石90に円弧形状を形成することができる。
また、研磨面側の往復機構部8を動作させることで、図5(B)に示すように、研磨面5sがXY平面(水平面)上でX軸方向に伸びる直線軌道に沿って往復する(白抜き矢印を参照)。ここで、研磨面5sを水平面上で往復させることで、図5(B)に実線矢印と点線矢印で示すように、ダイヤモンド原石90に対する研磨面5sの加工方向が変化することが分かる。周知のようにダイヤモンドの硬さには異方性があるため、加工し易い方向と加工し難い方向とが存在する。しかし、上記のように加工方向を常に変化させる構成であれば、ダイヤモンド原石90を効率良く研磨することができる。
なお、本実施形態では、研磨面5sの往復範囲は次のようになっている。まず、ダイヤモンド原石90と研磨面5sの接触点を頂点とし、往復運動によって回転研磨体の研磨面5s上の回転中心点が造る軌跡を底辺とする三角形(図面上、二点鎖線で示す)を考える。そして、ダイヤモンド原石90と研磨面5sの接触点が作る角度θを140°となるように、研磨面5sの往復範囲を規定した。
上記のように研磨面5sを上昇させて、研磨面5sがダイヤモンド原石90に接触することで定寸切込加工が開始される。このとき発生する振動を、保持アーム10に設けられる音響センサ10aにより計測することで、加工状態を判断することができる。
例えば、定寸切込加工の加工初期ではダイヤモンド原石90における円弧状輪郭の凸部から研磨が始まるため、加工音は断続的となるが、加工が進むことで円弧状輪郭が円滑に加工され、加工音が連続的となる。さらに加工が進むと加工音は減少していく。この現象を利用して、加工音が、ある一定の音量以下となったとき加工が終了したと判断すればよい。このように加工状態を音響センサ10aにより判断することで、高精度な加工を効率よく行うことが可能となる。
ダイヤモンド原石90に円弧形状を形成し終わったら、今度はダイヤモンド原石90に逃げ角を形成する。具体的には、一旦研磨面5sを下降させ、図6に示すように、保持側旋回機構部3を動作させて、保持アーム10を保持する保持側軸受部20をY軸周りの円弧軌道に沿って移動させる。そうすることで、研磨面5sに対するダイヤモンド原石90の傾きを変えることができる。以降は、円弧形状の形成と同様に、回転研磨体5を回転させつつ上昇させ、必要に応じて保持具側回転機構部2による往復回転を実施することでダイヤモンド原石90を研磨する。
以上説明したように、本実施形態のダイヤモンド切削工具の加工装置100によれば、ダイヤモンド原石90の硬さの異方性の影響を受けることなく、スキルレスで高精度の輪郭形状にダイヤモンド原石90を研磨できる。また、加工装置100によれば、ダイヤモンド原石90の円弧形状加工を、粗加工から仕上加工まで、研磨工程に合わせて回転研磨体5を最適なものに交換しながら、加工装置100からダイヤモンド原石90を取り外すことなく行うことができる。
[実施形態2]
実施形態2では、研磨対象9を保持する実施形態1の保持機構βを、図7に示す保持機構β’に入れ換えた構成を説明する。保持機構β’以外の構成は、実施形態1と同様であるため、以降は図7を参照して保持機構β’の構成を中心に説明する。なお、言うまでもないが、本実施形態の構成も、ダイヤモンド原石90に対して研磨面5s(図1などを参照)がアプローチする構成である。
図7は、保持機構β’の正面図である。保持機構β’は、基部2’と、保持アーム10’と、ゴニオステージ11と、回転ステージ12’と、保持側昇降機構部15’と、接触圧調整機構部16’と、を備える。保持側昇降機構部15’は、マイクロヘッド152’およびリニアガイド154’を有する。また、接触圧調整機構部16’は、棒状体13’、錘部材14’およびクロスヘッド機構162’を有する。
基部2’は、台座部αに立設されるマグネットベース20’と、マグネットベース20’上に設けられるレール22’と、レール22’上をY−Y方向にスライド自在に支持されるスライド台21’と、を備える。スライド台21’の上にはさらに保持台23’が形成されている。
保持アーム10’は、Y軸方向に沿って伸び、その先端で研磨対象9を片持ち状に保持する部材である。保持アーム10’の根元側は、次に説明するゴニオステージ11’に固定される。
ゴニオステージ11’は、保持アーム10’の先端がX軸周りの円弧に沿って回転可能となるように保持アーム10’の根元側を支持する(図面中の白抜き矢印参照)。ゴニオステージ11’には、保持アーム10’の先端側の傾きを調節するためのマイクロヘッド111’が取り付けられている。例えば、マイクロヘッド111’を一目盛り回すと、保持アーム10’がX軸周りに0.006°回転するようになっている。このゴニオステージ11’により、研磨面5s(図1などを参照)に対する研磨対象9の角度(ピッチ角)を調整することができ、保持アーム10’に対する研磨対象9の取り付け誤差を補正することができる。
回転ステージ12’は、ゴニオステージ11’をY軸周りに回転可能に軸支する。この回転ステージ12’も例えば、図示しないマイクロヘッドを一目盛り回すと、保持アーム10’がY軸周りに0.013°回転するようになっている。この回転ステージ12’により、研磨面5s(図1などを参照)に対する研磨対象9の角度(バンク角)を調節することができ、保持アーム10’に対する研磨対象9の取り付け誤差を補正することができる。なお、回転ステージ12’を回転させた後は、ネジ止めなどにより回転ステージ12’を固定する。
保持側昇降機構部15’は、基部2’の保持台23’に対して、回転ステージ12’、ゴニオステージ11’および保持アーム10’を一体的にZ軸方向に移動できるように支持する機構である。具体的には、リニアガイド154’を介して回転ステージ12’を保持台23’に対してスライド自在に支持している。つまり保持側昇降機構部15’によって、回転ステージ12’、ゴニオステージ11’および保持アーム10’全体が回転研磨体5(図1などを参照)に対する角度を保ったまま、Z軸方向に移動できる。
また、保持側昇降機構部15’は、回転ステージ12’の最下点の位置を規定するマイクロヘッド152’を備える。リニアガイド154’により回転ステージ12’を降下させた際、マイクロヘッド152’のスピンドルの先端が保持台23’側の当て止め対象に当接することで、回転ステージ12’の最下点を位置決めする。この最下点の位置は、マイクロヘッド152’のスピンドルの突出量を調整することで微調整できる。これにより、マイクロヘッド152’で規定される位置より上方に対しては、回転ステージ12’と一体の保持アーム10’およびゴニオステージ11’は保持側昇降機構部15’によってスライドが許容されるが、上記の規定位置より下方へのスライドは規制される。それに伴い、過度に研磨対象9が研磨されることを抑制できる。
一方、接触圧調整機構部16’は、ダイヤモンド原石90の研磨面5sに対する接触圧を調整する機構である。この調整には、棒状体13’、錘部材14’およびクロスヘッド機構162’が利用される。
棒状体13’は、回転ステージ12’におけるゴニオステージ11’が設けられる側とは反対側に向かって伸びる部材である。この棒状体13’には錘部材14’がスライド自在に取り付けられている。さらに、棒状体13’はクロスヘッド機構162’を介して、回転ステージ12’、ゴニオステージ11’および保持アーム10’と連結されている。これにより、支点156’を中心とする棒状体13’の揺動が、クロスヘッド機構162’により保持アーム10’、ゴニオステージ11’および回転ステージ12’に加わるZ軸上の往復運動に変換される。このため、上記錘部材14’の棒状体13’における長手方向の位置を調節すれば、回転ステージ12’、それと一体化しているゴニオステージ11’、および保持アーム10’を上に持ち上げようとする力を変化させられる。つまり、棒状体13’の長手方向における錘部材14’の位置を変えることで、保持側昇降機構部15’により一体的に動く回転ステージ12’、ゴニオステージ11’および保持アーム10’(研磨対象9を含む)の荷重と錘部材14’側の荷重とのバランスを調整し、そのバランス調整によって研磨対象9が研磨面5s(図1などを参照)に接触する圧力を調整することができる。より具体的には、錘部材14’を回転ステージ12’側に移動させれば、研磨面5sに対する研磨対象9の角度を一定にしたまま、両ステージ12’、11’を上方に持ち上げようとする力が減少し、研磨面5sに対する研磨対象9の接触圧力が大きくなり、錘部材14’を回転ステージ12’から遠ざかる側に移動させれば、両ステージ12’、11’を上方に持ち上げようとする力が増加し、研磨面5sに対する研磨対象9の接触圧力が小さくなる。研磨対象9を加工する際、錘部材14’側の荷重と保持側昇降機構部15’により一体的に動く部材の荷重との適切なバランスにより、マイクロヘッド152’のスピンドルの先端を当て止め対象とは非接触の状態として、研磨対象9が研磨面5sに適切な接触圧で接触される。
以上説明した構成を備えるダイヤモンド切削工具の加工装置によれば、保持アーム10’に取り付けられた研磨対象9のダイヤモンド原石90を平面研磨することができる。また、ゴニオステージ11’と回転ステージ12’とによって、保持アーム10’に対する研磨対象9の取り付け誤差を精密に補正することができる。
本実施形態の加工装置はさらに、研磨対象9をY−Y方向に往復移動させる保持側往復機構部3’を備える。保持側往復機構部3’は、マグネットベース21’に取り付けられる動力源部30’(揺動モータ)と、クランク機構31’とを備える。クランク機構31’に備わるクランクロッド310’の一端側は動力源部30’に、他端側はスライド台21’の上面に取り付けられており、クランク機構31’を動作させることで、スライド台21’がY−Y方向に往復する。その結果、スライド台21’上に設けられる保持台23’もY−Y方向に往復し、保持台23’に取り付けられる研磨対象9を保持する保持アーム10’もY−Y方向に往復する。
保持側往復機構部3’は、ダイヤモンド原石90の平面研磨時に動作させると良い。そうすることで、回転研磨体5(図1などを参照)の研磨面5sの偏磨耗を抑制し、かつダイヤモンド原石90に研磨条痕が生じないようにすることができる。また、マグネットベース21’を用いることで、台座部α上でマグネットベース21’の取付位置を容易に変えることができる。これにより、回転研磨体5の研磨面5sの運動方向が、ダイヤモンド原石90の結晶方位に対して難加工方向となり加工が進み難い状態となった場合でも、保持アーム10’の回転研磨体5sに対する角度を変化させることで、加工方向を難加工方向から容易にずらすことが可能となる。
なお、本実施形態の加工装置も、ダイヤモンド原石90に対して研磨面5sがアプローチする構成ではあるが、ダイヤモンド原石90の研磨加工の終了時には、保持側昇降機構部15’を動作させて、研磨面5sからダイヤモンド原石を離すことが好ましい。その方が、ダイヤモンド原石90の離隔時にダイヤモンド原石90が損傷する可能性が低い。
[実施形態3]
実施形態3では、研磨対象9を研磨する実施形態1,2の研磨機構γを、図8に示す研磨機構γ’に入れ替えた構成を説明する。研磨機構γ’以外の構成は、実施形態1,2と同様であるため、以降は図8を参照して研磨機構γ’の構成を中心に説明し、保持機構については図示、説明共に省略する。なお、この実施形態3では、研磨面5s’の修正を行うことができる研磨面修正機構900についても合わせて説明する。
実施形態1で説明した研磨機構γでは、図4に示すように、研磨面側の軸受部60に対して回転研磨体5が着脱自在に構成されており、そのため回転研磨体5を交換するだけで研磨面5sを新しくすることができる。しかし、この構成では、ダイヤモンド原石の研磨の際、研磨面側の軸受部60内で回転研磨体5を支えるスラスト球5cとその受け部(窪み)に定寸切込の反力が集中する。そのため、長時間の研磨を行った場合などに、スラスト球5cやその受け部が変形して、回転研磨体5を回転させたときに研磨面5sがブレる面振れが生じたり、回転研磨体5の昇降精度が低下する恐れがある。そこで、実施形態3ではそのような問題点を解消することができる研磨機構γ’を採用した。
図8に示すように、研磨機構γ’の回転研磨体5’は、研磨面5s’を有する円盤部5b’と、この円盤部5b’を後述するエアベアリング(研磨面側の軸受部60a’)の回転部60b’に接続・固定するためのスペーサ5c’と、を備える。なお、スペーサ5c’は、円盤部5b’と別に用意し、後から円盤部5b’に接続しても良い。
一方、研磨面側の回転機構部6’は、回転研磨体5’を回転可能に支持する研磨面側の軸受部60’を備え、その軸受部60’の内部には、回転部60b’とエア供給部60c’とを有するエアベアリング(静圧軸受60a’)が収納されている。エアベアリング60a’の回転部60b’は、エア供給部60c’に対して空気層を介して回転軸方向および回転径方向に固定される。そのため、このエアベアリング60a’の回転部60b’に固定される回転研磨体5’は、その回転時にブレ難くなっている。さらに、軸受部60’の内部には動力源部61’が固定され、その動力源部61’にエアベアリング60a’の回転部60b’が直接繋がっており、動力源部61’によって回転研磨体5’を直接回転させる構成となっている。このような構成を備える本実施形態の研磨機構γ’では、エアベアリング60a’が空気層を介して、定寸切込の反力を分散して受け止めるため、反力が集中する部分がなく、図8に示す本実施形態の研磨機構γ’は、図4に示すスラスト球5cで回転研磨体5を一点支持する構成のように、構成要素が変形することで回転精度が劣化する恐れがない。そのため、長時間にわたってダイヤモンド原石の研磨を行なっても回転研磨体5’の回転精度が損なわれるような変形が回転研磨体5’に生じ難い。なお、図8では動力源部61’が軸受部60’に内蔵されているが、これの代わりに、図3、図4のように外部に設置された動力源部からの動力をベルトとプーリによって伝達させることで回転研磨体5’を回転させる方式をとってもよい。外部の動力源部の駆動力をプーリとベルトによって伝達させることで研磨回転体5’の駆動力を得る場合には、ベルトを容易に着脱可能なように外部の動力源部をわずかにスライドできる機構を設けておくとよい。
上述したように、本実施形態では回転研磨体5’と研磨面側の回転機構部6’とを一体化した回転体ユニットを採用しており、この回転体ユニットには研磨面5s’を昇降させる機構は含まれていない。そこで、本実施形態では、上記回転体ユニット全体を昇降させる研磨面側の昇降機構部7’を採用している。
研磨面側の昇降機構部7’は、台座部α上に固定される基台70’と、基台70’上で基台70’に対してZ軸方向に昇降自在に支持される天板71’と、を備える。天板71’を昇降自在に支持する基台70’の構成は特に限定されず、例えば油圧などを利用した流体式ジャッキシステムや、機械式ジャッキシステムなどの公知の構成を利用することができる。図8に例示される基台70’は、機械式ジャッキシステムであって、面接触する二つの支持体701’,702’と、ネジ軸703’とを有する。下方の支持体701’は、ネジ軸703’によって紙面左右方向にスライド可能に構成され、上方の支持体702’は、図示しないスライド機構に沿って紙面上下方向(Z軸方向)に移動できるが、紙面左右方向には移動できないように構成されている。そのため、ネジ軸703’を回転させて下方の支持体701’を紙面右側に移動させれば、上方の支持体702’は上昇し、下方の支持体701’を紙面左側に移動させれば、上方の支持体702’は下降する。このような構成を備える基台70’は、重量物を高い精度で昇降させることに向いている。
上記研磨面側の昇降機構部7’の天板71’上には、研磨面側の軸受部60’(即ち、回転体ユニット)がボルト留めされている。一方、研磨面5s’に研磨されるダイヤモンド原石を保持する保持機構(図8では図示せず)は、天板71’以外の部分(代表的には台座部α上)に取り付けられている。このような構成を採用することで、図示しない保持機構に保持される研磨対象のダイヤモンド原石に対して研磨面5s’をアプローチさせて、ダイヤモンド原石に定寸切込を行うことができる。また、回転体ユニットは天板71’上にボルト留めされているだけであるので、研磨面5s’の交換・面修正を行う場合は、ボルトを緩めて回転体ユニットを本発明の加工装置から取り外せば良い。
回転体ユニットを本発明の加工装置から外して研磨面5s’の面修正を行なう他、加工装置に研磨面修正機構900を取付け、加工装置上で簡易的に研磨面5s’の修正を行っても良い。
研磨面修正機構900は、研磨面5s’を研削する砥石910と、この砥石910を研磨面5s’上に保持する砥石保持部920と、この砥石保持部920を上部に支持する砥石支持台930と、を有する。砥石支持台930は、マグネットベース931と、マグネットベース931上に固定される架台932と、架台932上で水平方向にスライド自在に載置されたスライドベース933と、を有し、このスライドベース933上に砥石保持部920が固定されている。砥石保持部920は、研磨面5s’上に向かって水平方向に延びるアーム921を有し、その先端側に砥石910を取り付けるための砥石取付具922が設けられており、この砥石取付具922を介して砥石910が研磨面5s’上に保持されている。砥石910は、カップ型砥石であるが、カップ型砥石以外にも平型砥石を用いることも可能である。また、砥石支持台930は、揺動用モータなどの揺動手段(図示せず)によって、スライドベース933を紙面左右方向に往復させることが可能であり、これにより、砥石保持部920をアーム921の長手方向に揺動させることができる。即ち、砥石保持部920(アーム921)の砥石取付具922に取り付けられた砥石910を研磨面5s’の半径方向に揺動させる(白抜き矢印を参照)ことができる。さらに、砥石取付具922には、研磨面5sに接触する砥石910の研削面を回転させる回転用モータなどの回転手段(図示せず)を備え、この回転手段によって、砥石91を回転させる(黒塗り矢印で参照)ことが可能である。砥石支持台930は、マグネットベース931の磁力によって天板71’の上面に取り外し自在に取り付けられる。砥石支持台930は、砥石910の高さが研磨面5sの位置に一致するのであれば、台座部αに取り付けても良い。
本発明のダイヤモンド切削工具の加工装置において、研磨面5s’の修正が必要なときには、研磨面修正機構900を天板71’に取り付け、回転研磨体5’を回転させた状態で、砥石910を回転させると共に揺動させながら、研磨面5s’の修正を行う。そして、研磨面5s’の修正が終了したら、研磨面修正機構900を天板71’から取り外す。以上説明した研磨面修正機構900によれば、研磨面側の回転機構部6’を天板71’から取り外すことなく、研磨面5s’の修正を行うことができ、面振れの少ない高精度の修正が可能となる。なお、言うまでもないが、研磨面修正機構900は実施形態1,2の加工装置における面修正に利用することもできる。
[実施形態4]
ダイヤモンド切削工具の加工装置として、実施形態1〜3の構成から研磨面側の往復機構部8(図1,3を参照)を抜いた構成としても良い。研磨面側の往復機構部8は、本発明の特徴であるダイヤモンド原石を定寸切込することができる構成と直接関係がないからである。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。例えば、研磨面側の往復機構部8による往復軌道が円弧軌道となるように同機構部8を構成しても良い。
本発明のダイヤモンド切削工具の加工装置は、例えばダイヤモンド切削工具の製造に好適に利用することができる。
100 ダイヤモンド切削工具の加工装置
α 台座部
β 保持機構
1 保持部材
10 保持アーム 10a 音響センサ 10b 錘部材
11 回転ベース 11a 軸部 11b 円盤部 11h ネジ穴
2 保持側回転機構部
20 保持側軸受部 20a 静圧軸受 20b 駆動源
3 保持側旋回機構部
30 スタンド部 30s スリット 30r 支持軸
γ 研磨機構
4 脚片 4B スライド台 4r レール 4g ガイド
5 回転研磨体
5s 研磨面 5a 軸部 5b 円盤部 5c スラスト球
6 研磨面側の回転機構部
60 研磨面側の軸受部 60a,60b 静圧軸受 60c 内底部
60f フランジ 601 吸気口 602 排気口
61 動力源部
62 伝達部 62a 主動プーリ 62b 従動プーリ 62c ベルト
7 研磨面側の昇降機構部
7i 内側部材 7o 外側部材
8 研磨面側の往復機構部
80 動力源部 80r クランクロッド
β’ 保持機構
10’ 保持アーム
11’ ゴニオステージ 111’ マイクロヘッド
12’ 回転スージ
13’ 棒状体 14’ 錘部材
15’ 保持側昇降機構部
152’ マイクロヘッド 154’ リニアガイド 156’ 支点
16’ 接触圧調整機構部
162’ クロスヘッド機構
2’ 基部
20’ マグネットベース 21’ スライド台 22’ レール
23’ 保持台
3’ 保持側往復機構部
30’ 動力源部 31’ クランク機構 310’ クランクロッド
γ’ 研磨機構
5’ 回転研磨体
5s’ 研磨面 5b’ 円盤部 5c’ スペーサ
6’ 研磨面側の回転機構部
60’ 研磨面側の軸受部 61’ 動力源部
60a’ エアベアリング(静圧軸受) 60b’ 回転部 60c’ エア供給部
7’ 研磨面側の昇降機構部
70’ 基台 71’ 天板
701’,702’ 支持体 703’ ネジ軸
9 研磨対象
90 ダイヤモンド原石 91 シャンク
900 研磨面修正機構
910 砥石
920 砥石保持部
921 アーム 922 砥石取付具
930 砥石支持台
931 マグネットベース 932 架台 933 スライドベース

Claims (5)

  1. 台座部と、
    前記台座部上に設けられ、ダイヤモンド原石を有する研磨対象を保持する保持機構と、
    前記台座部上に設けられ、研磨面をその中心軸周りに回転させ、その回転する研磨面により前記ダイヤモンド原石を研磨する研磨機構と、
    を備えるダイヤモンド切削工具の加工装置であって、
    互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を規定し、前記研磨面の中心軸を前記Z軸としたときに、
    前記保持機構は、
    前記Y軸方向に沿って伸び、その先端で前記研磨対象を片持ち状に保持する保持アームと、
    前記Y軸周りの円弧に沿って前記保持アームを往復回転させる保持側回転機構部と、
    を備え、
    前記研磨機構は、
    前記研磨面を有する回転研磨体と、
    前記回転研磨体を回転可能に軸支する研磨面側の軸受部を有する研磨面側の回転機構部と、
    前記ダイヤモンド原石に対して前記研磨面を前記Z軸方向に昇降させる研磨面側の昇降機構部と、
    前記研磨面側の回転機構部を、前記X軸に平行に近い方向に、直線状あるいは円弧状に往復させる研磨面側の往復機構部と、
    を備えることを特徴とするダイヤモンド切削工具の加工装置。
  2. 前記研磨面側の昇降機構部は、前記回転研磨体を軸支する研磨面側の軸受部の内底部を前記Z軸方向に進退させることで、前記ダイヤモンド原石に対して前記研磨面を前記Z軸方向に昇降させる構成であり、
    前記回転研磨体は、前記研磨面側の軸受部に着脱自在に軸支されていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド切削工具の加工装置。
  3. 前記研磨面側の昇降機構部は、前記研磨面側の軸受部全体を前記Z軸方向に進退させることで、前記ダイヤモンド原石に対して前記研磨面を前記Z軸方向に昇降させる構成であり、
    前記研磨面側の軸受部は、前記研磨面側の昇降機構部に着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド切削工具の加工装置。
  4. 前記保持機構は、
    前記台座部上に載置される基部と、
    前記保持アームと、
    前記保持アームの先端が前記X軸周りの円弧に沿って回転可能となるように前記保持アームの根元側を支持するゴニオステージと、
    前記ゴニオステージを前記Y軸周りに回転可能に軸支することで、前記保持側回転機構部の一部を構成する回転ステージと、
    前記保持アーム、前記ゴニオステージおよび前記回転ステージを前記基部に対して一体的に前記Z軸方向に移動させる保持側昇降機構部と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイヤモンド切削工具の加工装置。
  5. 前記回転ステージにおける前記ゴニオステージが設けられる側とは反対側に取り付けられる棒状体と、
    前記棒状体にスライド自在に取り付けられる錘部材と、を有し、
    前記棒状体の長手方向における錘部材の位置を変えることで、前記保持側昇降機構部により一体的に動く部材の荷重と前記錘部材側の荷重とのバランスを調整し、そのバランス調整によって前記研磨対象が前記研磨面に接触する圧力を調整する接触圧調整機構部を備えることを特徴とする請求項5に記載のダイヤモンド切削工具の加工装置。
JP2013536338A 2011-09-26 2012-09-26 ダイヤモンド切削工具の加工装置 Active JP5689974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013536338A JP5689974B2 (ja) 2011-09-26 2012-09-26 ダイヤモンド切削工具の加工装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011209943 2011-09-26
JP2011209943 2011-09-26
PCT/JP2012/074748 WO2013047604A1 (ja) 2011-09-26 2012-09-26 ダイヤモンド切削工具の加工装置
JP2013536338A JP5689974B2 (ja) 2011-09-26 2012-09-26 ダイヤモンド切削工具の加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5689974B2 true JP5689974B2 (ja) 2015-03-25
JPWO2013047604A1 JPWO2013047604A1 (ja) 2015-03-26

Family

ID=47995634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013536338A Active JP5689974B2 (ja) 2011-09-26 2012-09-26 ダイヤモンド切削工具の加工装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5689974B2 (ja)
CN (1) CN103889653B (ja)
WO (1) WO2013047604A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105290960A (zh) * 2015-12-04 2016-02-03 河源富马硬质合金股份有限公司 一种刨刀片磨圆弧装配体
CN106862556B (zh) * 2017-04-11 2018-10-16 吉林大学 金刚石切削工具的金刚石自动定位装置及方法
CN109483339B (zh) * 2019-01-03 2024-04-02 浙江东精工量具有限公司 一种自动研磨机
CN113305655A (zh) * 2021-05-27 2021-08-27 深圳信息职业技术学院 一种金刚石刀具加工装置
CN116214372B (zh) * 2023-02-10 2024-03-12 陕西航空宏峰精密机械工具有限责任公司 一种螺纹磨砂轮的修整装置
CN117140286B (zh) * 2023-11-01 2024-01-30 无锡法狮盾贸易有限公司 一种用于夹芯复合材料板的抛光装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61121874A (ja) * 1984-11-19 1986-06-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動研削機械
JPH0659605B2 (ja) * 1984-12-28 1994-08-10 孝弘 今橋 硬脆材研磨装置
JPH08352B2 (ja) * 1987-12-04 1996-01-10 株式会社日立製作所 切削工具研磨方法及びその装置
JPH03190607A (ja) * 1989-12-19 1991-08-20 Nec Corp 微細溝形成装置及びそれに使用するダイヤモンド工具の研磨方法
JPH11114819A (ja) * 1997-10-15 1999-04-27 Kanefusa Corp 工具研削盤
JP4342354B2 (ja) * 2004-03-18 2009-10-14 パナソニック株式会社 研磨方法及び装置
CN101530975B (zh) * 2009-04-22 2010-11-03 天津大学 圆弧刃金刚石车刀制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN103889653A (zh) 2014-06-25
CN103889653B (zh) 2016-10-26
JPWO2013047604A1 (ja) 2015-03-26
WO2013047604A1 (ja) 2013-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5689974B2 (ja) ダイヤモンド切削工具の加工装置
KR101584265B1 (ko) 접시형 숫돌을 이용한 렌즈 구면의 연삭 가공 방법
CN106903560B (zh) 加工圆弧刃金刚石刀具刀尖圆弧的微摆研抛装置
CN112605720B (zh) 一种圆弧刃金刚石刀具刀尖材料的均匀去除方法
KR100935150B1 (ko) 다이아몬드 바이트 연마장치
JP5456550B2 (ja) レンズ加工装置
WO2013031772A1 (ja) ダイヤモンド研磨装置
JP2011177873A (ja) 研磨装置及び研磨方法
US7597034B2 (en) Machining method employing oblique workpiece spindle
CN109590905A (zh) 一种砂轮修整机
JP2006320970A (ja) 加工装置
CN209579235U (zh) 一种砂轮修整机
CN2858178Y (zh) 水晶宝石切磨和抛光机
JP2018140457A (ja) 研削装置
US20090047086A1 (en) Machining apparatus with oblique workpiece spindle
CN116061021A (zh) 一种圆柱磨光机
TWI468254B (zh) Lens processing device
JP2004082261A (ja) ねじ研削盤
JP2010221338A (ja) 加工皿の作製装置及び修正方法
JP7351611B2 (ja) ウェーハの面取り加工装置
CN111185852A (zh) 双工位立卧轴金刚石砂轮在位修整器及其修整方法
JP2009066724A (ja) レンズの球面研削方法及び装置
JPS63232957A (ja) 曲面研摩機
JP2010120147A (ja) 同軸度調整方法および研磨装置
KR200493639Y1 (ko) 스핀들의 복합적 요동운동을 이용한 초정밀 구심연마시스템

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5689974

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250