JP5689895B2 - クラウンギヤ駆動装置を備える粉砕機 - Google Patents

クラウンギヤ駆動装置を備える粉砕機 Download PDF

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Description

本発明は請求項1項の前文において限定されているタイプの粉砕機に関する。
水平型粉砕機は最新技術において既知である。この粉砕機には、粉砕室が備えられ、該粉砕室上にクラウンギヤが取り付けられる。クラウンギヤは減速トランスミッションによって駆動され、該減速トランスミッションはモーターに接続されている。該減速トランスミッションには出力ピニオンが備えられていて、これはクラウンギヤと噛み合っている。
公知の駆動装置には下記欠点がある。すなわち、
減速トランスミッションによって伝達できる動力がクラウンギヤの歯の性能によって制限されること、及び
減速トランスミッションの取り付け及び取り出しが難しく、及び出力ピニオンの交換を行う際にケーシングの解体及び置き換えが必要とされることである。
本発明の目的は、上記欠点の少なくとも一つを克服することである。
この目的のため、本発明では請求項1項記載の特徴を有する前記タイプの粉砕機が提供される。
本発明の特定の実施態様においては、下記特徴の1または数個の特徴が付与される。
前記複数の出力ピニオンは1つのピッチサークル上へ取り付けられ、すべての出力ピニオンの回転軸はピッチサークルの180°未満、特に90°未満の角度範囲内に配位される。
本発明に係る粉砕機は、駆動シャフトに対して回転するように固定されるモーターシャフトを有する駆動モーター、特にシングル駆動モーターを備えて構成される。
前記減速トランスミッションによって、毎回2個の出力ピニオン、特に2個の隣接出力ピニオンから成る少なくとも1組のピニオン群(group)が形成され、及び該減速トランスミッションには少なくとも1個の下流減速段が含まれ、前記ピニオン群のそれぞれは該下流減速段によって駆動される。
前記下流減速段には、
前記ピニオン群の各出力ピニオンについて1個の下流歯状ホイール、及び
この下流減速段の軸方向歯状ホイールのそれぞれと噛み合う下流ピニオン、とりわけ1個のシングル下流ピニオン、の少なくとも一方が含まれる。
前記下流ピニオンは、下流歯状ホイールの回転軸に対して半径方向への可動性を保持して取り付けられる。
ケーシングによってピニオン空間の境界が定められ、該ピニオン空間には少なくとも1個の出力ピニオンが収容され、下流空間には少なくとも1個の下流減速段が収容され、該下流空間において前記下流トランスミッションには前記ピニオン空間と少なくとも下流空間を分離するシーリング手段が含まれる。
前記減速トランスミッションには駆動シャフトによって駆動される上流減速段が少なくとも1個含まれ、この上流減速段は必要に応じて下流減速段を駆動するようになっている。
前記あるいは各上流減速段は、
各ピニオン群について1個の上流歯状ホイール、及び
各上流歯状ホイールを駆動するようになっており、かつ駆動シャフトに対して回転するように固定された上流ピニオン、とりわけ1個の上流ピニオンから構成される。
該上流減速段のそれぞれには、必要に応じて、各ピニオン群について1個の中間歯状ホイールが備えられ、各中間歯状ホイールは上流歯状ホイール及び上流ピニオンと噛み合う。
上流減速段と下流減速段は細長シャフトを介して連結され、また下流ピニオンは上流減速段においてリンクを介して2つのボールジョイント中心に取り付けられる。
前記減速トランスミッションには出力ピニオンモジュールが含まれ、該出力ピニオンモジュールは、
出力ピニオン、
出力ピニオンと任意であるが下流歯状ホイールを支える出力シャフト、
該出力シャフトを受ける2個のローラーベアリング、及び
ケーシングから単一のブロックとして取り出し及び該ケーシングへ挿入可能な出力ピニオンモジュールから構成される。
前記減速トランスミッションには上流ホイールモジュールが含まれ、該上流ホイールモジュールは、
1個の、あるいは前記の上流歯状ホイール、
該上流歯状ホイールを支える1個の上流シャフト、
該上流シャフトを受ける2個のローラーベアリング、から構成され、及び該上流ホイールモジュールはケーシングから単一のブロックとして取り出し可能であり、及びまたは該ケーシング中へ単一のブロックとして挿入可能である。
出力ピニオンモジュールのケーシングへの挿入方向及び上流ホイールモジュールの挿入方向と、出力ピニオンモジュールのケーシングからの引き出し方向及び上流ホイールモジュールのケーシングからり取り外し方向は、常に反対方向である。
駆動装置中の減速トランスミッションには少なくとも1個の駆動モジュールが含まれ、該駆動モジュールは、
駆動シャフトと上流ピニオンから構成され、
該駆動モジュールは単一のブロックとしてケーシングから引き出し可能であり、及び又は単一のブロックとしてケーシング中へ挿入可能である。
前記減速トランスミッションには中間歯状ホイールを含んで成る中間モジュールが含まれ、該中間モジュールは中間ホイールの回転軸C−Cに対して垂直方向に沿ってケーシングから引き出し可能であり、特に中間モジュールは上流ホイールモジュールの収容に適した開口部を通してケーシングから引き出し可能である。
各出力ピニオンはクラウンギヤ6に対して噛み合い応力を加えるように適合化しており、これら噛み合い応力において生ずる作用力FRには垂直上方へ向けられる成分が含まれている。
本発明は、粉砕室、該粉砕室へ取り付けられるクラウンギヤ、及びクラウンギヤ駆動装置から構成され、及び該駆動装置が上述した駆動装置であることを特徴とする駆動装置粉砕機、特に水平型粉砕機を提供することを目的とする。
本発明に係る水平型粉砕機の略側面図である。 図1に示す粉砕機の軸方向から見た図である。 図1に示す粉砕機の減速トランスミッションの断面図である。 図3に示す部分IVの拡大図である。 図3に示す部分Vの拡大図である。 図5の矢印VIに沿って見た下流ピニオン及び下流歯状ホイールの模式図である。 ケーシング22を取り除いた状態における、取り付け状態にある減速トランスミッションの透視図である。 上流ホイールモジュールの引き出し、駆動モジュールの引き出し、及び細長モジュールの引き出しに際しての減速トランスミッションの一部の断面図である。 出力ピニオンモジュールの引き出し、及び中間歯状ホイールの引き出しに際しての、図8と同一である減速トランスミッションの一部の断面図である。 駆動モジュールの透視図である。 中間歯状ホイール及び中間シャフトの透視図である。 上流ホイールモジュールの透視図である。 細長モジュールの透視図である。 出力ピニオンモジュールの透視図である。
発明を実施するための手段
本発明に対する理解を高めるため、下記実施例を用い、さらに添付図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
図1に、本願の全体を通して符号2で示される水平型粉砕機を示す。
水平型粉砕機2は、粉砕室4、粉砕室4へ取り付けられるクラウンギヤ6、及びクラウンギヤ6の駆動に適する駆動装置8から構成される。
粉砕室4は水平に配位されている回転軸X−Xを中心に回転するように構成される。
駆動装置8には減速トランスミッション10及び単一の駆動モーター12が備えられる。
駆動モーター12中にはローター14が備えられ、該ローターはモーターシャフト16に取り付けられる。
減速トランスミッション10には駆動シャフト18が含められ、該駆動シャフトはモーターシャフト16へ取り付けられるようになっている。駆動シャフト18及びモーターシャフト16は継ぎ手を介して連結される。
減速トランスミッション10にはさらに4個の出力ピニオン20が備えられ、これら出力ピニオンのそれぞれはクラウンギヤ6と噛み合うように、かつ駆動シャフト18によって駆動されるようになっている。減速トランスミッション10にはケーシング22が設けられる。一般的方式として、減速トランスミッション10には少なくとも2個の出力ピニオンが含められる。なお、3個の出力ピニオン、あるいは本願の場合のように4個の出力ピニオン20を含めることが可能である。
出力ピニオン20には真っ直ぐな歯が設けられる。同様に、クラウンギヤ6にも真っ直ぐな歯が設けられる。
出力ピニオン20のそれぞれによって回転軸A−Aが画成される。これら回転軸A−Aは、中心が軸X−Xと一致している1つのピッチサークル上に見出される。すべての出力ピニオン20の回転軸A−Aはピッチサークルの角度範囲αの範囲内、すなわち180°未満、特に90°未満の角度範囲内に配位される。このように配位することにより、クラウンギヤにおける減速トランスミッションの取り付けが容易化され、及び水平型粉砕機の過密度が低減される。
作動中、各出力ピニオン20によって歯状ホイール6へ噛み合い応力が加えられる。すべての出力ピニオン20は、噛み合い応力によって生ずる作用力FRが垂直下方へ向く成分をもつように、クラウンギヤ6に対して配置される。従って、生成作用力FRはクラウンギヤ6及び粉砕室4の重量に対抗して作用する。その結果、粉砕室及びクラウンギヤ6の重みを受けるベアリングの寸法を相対的に小さくすることが可能である。
この目的のため、有利な態様として、すべての出力ピニオン20の回転軸は、第一限界L1と第二限界L2によって限界が定められる角度範囲内に配位される。
第一限界L1は、回転軸X−Xから垂直下方へ延びる面半分に対して30°傾いて、かつこの面半分からクラウンギヤ6の駆動方向にずれている。第二限界L2は、前記面半分に対して100°傾き、及び前記面半分からクラウンギヤ6の駆動方向にずれている。図2において、クラウンギヤ6の駆動方向は反時計回り方向である。
次に、減速トランスミッション10の構造について図3を参照しながら説明する。
減速トランスミッション10ではピニオン群24が形成され、各ピニオン群24は2個の隣接する出力ピニオン20から成る。減速トランスミッション10には、各ピニオン群24について、ピニオン群24を駆動するように適合した下流減速段26が構成される。この目的のため、各下流減速段26には2個の下流歯状ホイール28が含められる。下流減速段26にはさらに、下流減速段26の各下流歯状ホイール28と噛み合う単一の下流ピニオン30が含められる。
各下流歯状ホイール28及び各下流ピニオン30には、斜めの歯、特に螺旋状の歯が設けられる(図13及び14参照)。
減速トランスミッション10では、2個の出力ピニオン20から成るピニオン群のそれぞれ、すなわち下流減速段26のそれぞれに対して1個の上流減速段32が構成される。上流減速段32のそれぞれは駆動シャフト18によって駆動され、及び上流歯状ホイール34、上流ピニオン36及び中間ホイール38から構成される。中間歯状ホイール38は、一方において上流歯状ホイール34と噛み合うと共に、他方において上流ピニオン36と噛み合う。また、上流減速段32の双方には共通となる単一の上流ピニオン36が備えられる。
中間歯状ホイール38を用いることにより、駆動シャフト18と上流歯状ホイール34間の中心線間隔を大きくすることが可能とされる。
各上流歯状ホイール34、各中間歯状ホイール32、及び上流ピニオン36には、斜めの歯、特に螺旋状の歯が設けられる。
従って、駆動シャフトによって各上流減速段32が駆動され、該上流減速段のそれぞれによって下流減速段26が駆動され、該下流減速段によって出力ピニオン20が駆動される。
減速トランスミッション10によって軸DX方向が限定される。ピニオン及び減速トランスミッション10の歯状ホイールのすべての回転軸はこの方向DXに対して平行に延びている。
それぞれの出力ピニオン20によって特にDX軸方向に対して垂直に延びる中央面が限定される。それらのニュートラルの位置(下記参照)において、ピニオン20のすべての中央面は出力ピニオン面P1上においてDX軸方向に対して垂直となる中心に置かれる。下流歯状ホイール28の中央面と下流ピニオン30の中央面は面P2に沿って軸方向に整列される。面P2は出力ピニオン面P1に対して平行である。
上流歯状ホイール34、上流ピニオン36、及び必要な場合には中間歯状ホイール38のそれぞれは中央面を有しており、これら中央面はDX軸方向に対して垂直に延びている。これら中央面は互いに軸方向に整列され、及び上流減速段面P3に沿って延びている。面P3は面P1及び面P2に対して平行である。
面P2及び面P3は面P1の反対側に位置している。別の言い方をすれば、DX軸方向に沿って考えた場合、出力ピニオン20は下流減速段26と上流減速段32の間に配置される。
出力ピニオン20及び下流歯状ホイール28を含む減速トランスミッション部は図4にさらに詳細に示されている。
減速トランスミッション10には、出力ピニオンモジュール40が各出力ピニオン20について1個含まれる。この出力ピニオンモジュール40には出力ピニオン20の1個と共にそれと連係する下流歯状ホイール28が含まれる。出力ピニオンモジュール40にはさらに1個の出力シャフト42と2個のローラーベアリング44、46が含まれ、これらベアリングによってシャフト42がケーシング22に対して支持される。
さらに、出力ピニオンモジュール40には、ローラーベアリング46の外側トラック及びシールガスケット48の一つの外側部分を支える第一支持ブロック50が含まれる。
出力ピニオンモジュールの第二支持ブロック52によってベアリング44の外側トラックと他方のシールガスケット48の外側部分が支えられる。
出力ピニオン20は、ローラーベアリング11,16の間にある出力シャフト42上に軸方向に配置され、他方下流歯状ホイール28は出力ピニオン20とは反対側の、ローラーベアリング46の側方において出力シャフト42上に配置される。
出力ピニオン20は、スプライン、帯筋、及び又は楔形打鍵などのいずれか適当な手段を用いて出力シャフト42上に固定状態で回転するように取り付けられる。
本例においては、出力ピニオン20は回転軸A−Aを中心に回転するように固定される出力シャフト42上に取り付けられるが、互いに直角をなし、かつA−A軸に対して直角を為す2つの軸R1,R2によって画定されるボールジョイント中心C1を中心に1度の回転自由度が与えられる(図4参照)。このボールジョイント中心C1を中心とする回転自由度は、出力ピニオンの中心軸が軸A−Aと一直線に揃うニュートラル位置に対して0.04°を越え、最大でも0.4°である。従って、出力シャフト42と出力ピニオン20間の相対角度位置は、出力ピニオン20とクラウンギヤ6間の接触点に従って適合化される。
図4に示されるように、ケーシング22は、中に出力ピニオン20が存在するピニオン空間60と、少なくとも下流減速段26を収容する下流空間62とを画成する。これら空間60,62の双方は、シールガスケット46を用いて相互に対して密閉状態で分離される。ピニオン空間60には、例えばグリース等の潤滑剤が含まれる。下流空間62には例えばオイル等の第二潤滑剤が含まれるため、出力ピニオンの部品とは別に出力ピニオン20の減速トランスミッションの種々部品を潤滑剤で潤滑することが可能である。
有利な態様として、下流空間62には他の歯状ホイール28,38及び減速トランスミッション10のピニオン30も含められる。
減速トランスミッション10、すなわち本例における上流減速段32には上流ホイールモジュール64が含められる(図12参照)。この上流ホイールモジュール64は上流歯状ホイール34、該上流歯状ホイール34を受ける上流シャフト66、及び該上流シャフト66を支える2個のローラーベアリング68、70から構成される。上流シャフトによって上流歯状ホイールの回転軸B−Bが画成される。上流ホイールモジュールにはさらに支持ブロック72が含まれ、この支持ブロック72を用いてローラーベアリング68がケーシング22へ取り付けられる。上流歯状ホイール34は両ローラーベアリング68、70の間に軸方向に配置される。上流シャフト66には、上流減速段26の方へ向けられる軸側面に対して受け空間74(図5参照)が保有される。この受け空間74については以下において説明する。
減速トランスミッション10には中間モジュール76が備えられる(図3及び図11参照)。この中間モジュール76は中間歯状ホイール38とベアリング78から成る。代替例では、ベアリング78に代えて、2個のローラーベアリングが歯状ホイール38の内部に配置される。減速トランスミッション10にはさらに、ケーシングへ取り付けられ、かつ中間モジュール76を支持する中間シャフト81が含められる。中間ホイール38は中間シャフト81によって画成される回転軸C−Cを中心に回転するように収容される。
減速トランスミッション10にはさらに、駆動シャフト18、上流ピニオン36及びベアリング84、86を含んで成る駆動モジュール82(図10参照)が備えられる。また、この駆動シャフト18によって上流ピニオン36の回転軸D−Dが画成される。
駆動シャフト18は、回転軸D−Dに対して半径方向へ移動できるようにベアリング84、86中に取り付けられる。従って、上流ピニオン36は、回転軸D−Dに対して半径方向に沿って移動できる自由度を有する。それゆえ、上流ピニオン36には、該上流ピニオン36と噛み合う中間歯状ホイール38の回転軸C−Cに対して半径方向に移動できる自由度も与えられている。前記移動自由度は、一方において2個の中間歯状ホイール38のうちの一つと上流ピニオン36間で、また他方において2個の中間歯状ホイール38のうちの別の一つと上流ピニオン36間で作用する噛み合い応力の均等化(レベリング)を可能とするために十分である。
また、減速トランスミッション10には、駆動シャフト18をケーシング22に対して軸方向に当接させる支台87が含められる。この支台87は、上流ピニオン36に前述した移動自由度を与えるために、軸D−Dに対して垂直な面に沿った移動自由度を有している。
好ましくは、上流ピニオン36及び駆動シャフトは一部品として作製される。
上流減速段32と下流減速段26との連動装置90(link)の詳細を図5に示す。
この連動装置90は上流シャフト66の回転を下流ピニオン30へ伝達するように適合化されている。連動装置90には細長シャフト92が含まれ、この細長シャフト92はその一方が上流減速段32のシャフト66へ回転可能に取り付けられ、前記細長シャフトの他方は下流ピニオン30へ回転可能に取り付けられる。
さらに、上流シャフト66及び細長シャフト92によってボールジョイント中心C2の境界が定められる。細長シャフト92は、この中心C2を中心として軸B−Bから一定角度位置を変えることとも可能である。従って、細長シャフト92と下流ピニオン30はボールジョイントC3の境界を画成している。下流ピニオン30は、このボールジョイントC3を中心として細長シャフト92の中心軸に対して一定角度その位置を変えることが可能である。ボールジョイント中心C2、C3は下記特徴を有して形成される。
細長シャフト92には凸状球形のスパン96を有する軸端部94を含む。
上流シャフト66を受けるための空間74には中空球形スパン98が含められる。これら球形スパン96、98の双方が協力することにより、シャフト66に対して、及び回転軸B−Bに対して垂直であり、かつ互いに垂直となる軸に沿った細長シャフト92のボールジョイント中心C2の境界が画成される。細長シャフト92には、下流ピニオン30中に作られた凹状球形スパン104と協力し、かつ細長シャフト92を中心とする下流ピニオン30のボールジョイント中心C3の境界を定める凸状球形スパン102を有する端部100が含められる。
さらに、下流ピニオン30は細長シャフト92上に軸方向に取り付けられる。従って、下流ピニオン30及び細長シャフト92は細長モジュール93の一部となる(図13)。
図6は、下流歯状ホイール28及び下流ピニオン30を軸方向から見た模式図である。この図から分かるように、ボールジョイント中心C2、C3を中心とする角度移動により、下流ピニオン30には回転軸B−Bに対する半径方向に沿って移動自由度が付与される。従って、下流ピニオン30にはさらに、下流ピニオン30が噛み合う下流歯状ホイール28の回転軸A−Aに対して半径方向の移動自由度も付与される。この移動自由度は、一方において2つの下流歯状ホイール28のうちの一つと連係する下流ピニオン30との間へ、また他方において前記2つの下流歯状ホイール28の他の一つとこの下流ピニオン30との間へ作用する噛み合い応力の均等化を可能とするのに十分である。前記移動自由度は円LTによって示され、下流ピニオン30の中心軸を該円内のいずれの個所にも配位させることが可能である。このように、下流ピニオン30は、下流歯状ホイール28によって生ずる反作用力に自動的に従ってその半径方向位置を適合化させる。
図7は、ケーシング22を取り除いた状態において減速トランスミッション10を示した透視図である。図8及び図9は減速トランスミッション10の種々構成部品の取り付け及び取り出し状態を示した図である。
図8は、図3のほぼ上半分の断面図である。
図8より、上流ホイールモジュール64をケーシング22から単一ブロックとして取り外し方向SR2に沿って取り外し可能なことが理解される。また、上流ホイールモジュール64は単一ブロックとしてケーシング中へ挿入方向SI2に沿って挿入可能である。
また、下流ピニオン30と細長シャフト92から成る細長モジュール93をケーシング22から単一ブロックとして引き出し方向SR1に沿って引き出すことも可能である。
また、前記細長モジュール93は挿入方向S1に沿ってケーシング22中へ挿入可能である。
図9は取り出し中における出力ピニオンモジュール40を示した図である。出力ピニオンモジュール40はケーシング22から単一ブロックとして引き出し方向SR1に沿って引き出し可能なことが分かる。また、出力ピニオンモジュール40は単一ブロックとしてケーシング22中へ挿入方向SI1に沿って挿入することも可能である。
また図8より、駆動モジュール82を単一ブロックとしてケーシング22から引き出し方向SR2に沿って引き出し可能なことが理解される。
図9は中間モジュール76の取り出しについて示した図である。取り出しのため、中間シャフト81がケーシング22から方向SR2に沿って軸方向に引き出されている。次いで、中間モジュール76は、回転軸C−Cに対して半径方向に向けられた引き出し方向SR3に沿ってケーシング中において中間モジュール76が上流ホイールモジュール64を受けるための開口部に面していることが分かるまで移動される。次いで中間モジュール76はケーシング22から引き出し方向SR2に沿って引き出される。該中間モジュールの取り付けは、上記手順の逆手順に従って実施される。
従って、上流ホイールモジュール64の引き出し後に駆動モジュール82から独立して中間モジュール76だけをケーシング22から引き出すことが可能であり、たとえ該駆動モジュールがケーシング中に取り付けられていても引き出し可能である。
引き出し方向SR1及びSR2は互いに反対方向である。同様に、挿入方向SI1及びSI2も互いに反対方向である。
本発明に従った駆動装置8は、単一の駆動モーター12で多数の出力ピニオンを駆動する場合に特に有利である。例えば4個の出力ピニオンの場合、単一モーターの駆動力が分散され、出力ピニオン20とクラウンギヤ6間を小さな反作用力とすることが可能である。
さらに、モジュラー構造とすることにより、ケーシング22を適正位置に保持しながら減速トランスミッションを完全に取り出すことが可能となる。
さらに、モジュール82、64、40、93のそれぞれを他のすべてのモジュールから独立して引き出し、あるいは挿入することができるので、減速トランスミッションのメンテナンスが容易となる。
上流ホイールモジュール64を受けるケーシング22の開口部を通して中間モジュールを取り付けることにより、ケーシング22の開口部数を少なく保つことができる。
さらに、出力ピニオン20の両側に上流減速段32及び下流減速段26を取り付けることにより減速トランスミッションの過密化が抑えられる。
本発明の他の特徴に従って、
1つのまたは各出力ピニオンをケーシング22から出力ピニオンの軸に沿って延びる引き出し方向に沿って引き出すことが可能となり、及び
出力ピニオンの引き出し方向が、出力ピニオン全体がケーシングの外に出る位置から取り付け位置までの全通路に亘って粉砕室4の回転軸に対して平行となる。

Claims (19)

  1. 粉砕室(4)、該粉砕室へ取り付けられるクラウンギヤ(6)、及びクラウンギヤ駆動装置から構成される粉砕機、特に水平型粉砕機であって、
    前記駆動装置はクラウンギヤ(6)用の、かつ減速トランスミッション(10)を含んで構成されるタイプの駆動装置(8)であり、
    該減速トランスミッション(10)には、1つのモーターへ接続されるようになっている1つの駆動シャフト(18)、クラウンギヤと噛み合い、かつ駆動シャフトによって駆動されるようになっている少なくとも2個の出力ピニオン(20)、ケーシング(22)、及び、少なくとも1つの下流減速段(26)が備えられ、
    出力ピニオン(20)は、2個の出力ピニオン(20)からなる1群を少なくとも有すること、
    各出力ピニオン(20)が少なくとも1つの下流減速段(26)を有すること、及び1群の2個の出力ピニオンは、1つの下流減速段(26)によって駆動されること、
    少なくとも1つの、あるいは各下流減速段(26)に、各出力ピニオンについて1個の下流歯状ホイール(28)と、下流減速段(26)の各下流歯状ホイール(28)と噛み合う下流ピニオン(30)が含まれること、
    下流ピニオン(30)に、下流歯状ホイール(28)の回転軸(A−A)に対して半径方向への可動性が付与されること、
    を特徴とする粉砕機。
  2. 出力ピニオン(20)は3個であることを特徴とする請求項1記載の粉砕機。
  3. 出力ピニオン(20)は4個であることを特徴とする請求項1記載の粉砕機。
  4. 2個の出力ピニオン(20)は隣接することを特徴とする請求項1記載の粉砕機。
  5. 減速トランスミッションに出力ピニオンモジュール(40)が含められ、
    この出力ピニオンモジュール(40)が、出力ピニオン(20)、出力ピニオン(20)または出力ピニオン(20)と下流歯状ホイール(28)を支える出力シャフト(42)、及び出力シャフトを支える2個のローラーベアリング(44,46)を含んで構成され、及び
    該出力ピニオンをケーシング(22)から単一ブロックとして引き出し、及び又はケーシング(22)中へ単一ブロックとして挿入することが可能なことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粉砕機。
  6. 減速トランスミッションに、駆動シャフトによって駆動される少なくとも1つの上流減速段(32)が含まれ、この上流減速段(32)は下流変速段(26)を駆動することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粉砕機。
  7. 該上流減速段(32)が一つの下流減速段(26)を駆動するようになっていることを特徴とする請求項6記載の粉砕機。
  8. 減速トランスミッションに上流ホイールモジュール(64)が含められ、該上流ホイールモジュールが、1個の上流歯状ホイール(34)、該上流歯状ホイールを支える上流シャフト(66)、及び該上流シャフトを支持する2個のローラーベアリング(68,70)を含んで構成され、及び
    前記上流ホイールモジュールが単一ブロックとしてケーシングから引き出し、及び又は単一のブロックとして該ケーシング中へ挿入可能であることを特徴とする請求項6記載の粉砕機。
  9. 減速トランスミッションに駆動モジュールが含められ、該駆動モジュール(82)が駆動シャフト(18)及び上流ピニオン(36)を含んで構成され、及び
    前記駆動モジュール(82)が単一のブロックとしてケーシング(22)から引き出し、及び又は単一のブロックとして該ケーシング中へ挿入可能であることを特徴とする少なくとも請求項6に記載の粉砕機。
  10. 出力ピニオンモジュール(40)のケーシング(22)中への挿入方向(SI1)と上流ホイールモジュール(64)の挿入方向(SI2)、及び出力ピニオンモジュール(40)の該ケーシングからの引き出し方向(SR1)と上流ホイールモジュール(64)の該ケーシングからの引き出し方向がそれぞれに反対方向であることを特徴とする請求項5に記載の粉砕機。
  11. 減速トランスミッションに中間歯状ホイール(38)が含まれる中間モジュール(76)が含められ、該中間モジュール(76)が中間歯状ホイールの回転軸C−Cに垂直となる引き出し方向(SR3)に沿ってケーシング(22)から引き出し可能であり、及び特に中間モジュール(64)が前記ケーシングから上流ホイールモジュール(64)を収容するように適合している開口部を通して引き出し可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の粉砕機。
  12. 複数の出力ピニオン(20)が1つのピッチサークル上に配置され、及び該出力ピニオンの回転軸(A−A)がこのピッチサークルの180°未満、特に90°未満である角度範囲内に配位されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の粉砕機。
  13. 駆動シャフト(18)と一体に回転可能に取り付けられたモーターシャフト(16)を有して成る駆動モーター(11)、とりわけ1個の駆動モーターをさらに含むことを特徴とする請求項1〜1いずれかに記載の粉砕機。
  14. ケーシング(22)によって少なくとも1個の出力ピニオン(20)を収容するピニオン空間(60)、及び少なくとも下流減速段を収容する下流空間(62)の境界が画成され、前記減速トランスミッションに該ピニオン空間と少なくとも前記下流空間を分離するシーリング手段が含められることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の粉砕機。
  15. 前記上流減速段(32)に、各ピニオン群について1個の上流歯状ホイール(34)、及び各上流歯状ホイール(34)を駆動させ、かつ駆動シャフトによって回転するようになっている上流ピニオン(36)が含められることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の粉砕機。
  16. 上流ピニオン(36)は1個であることを特徴とする請求項15記載の粉砕機。
  17. 前記上流減速段(32)に、中間歯状ホイール(38)が含められ、該中間歯状ホイールが上流歯状ホイール(34)及び上流ピニオン(36)と噛み合うことを特徴とする請求項6〜9、15、16のいずれかに記載の粉砕機。
  18. 上流減速段と下流減速段が細長シャフト(92)を経由して接続され、及び下流ピニオン(30)が2つのボールジョイント中心(C2,C3)へのリンク(90)を介して上流減速段へ取り付けられることを特徴とする請求項6〜9、15〜18のいずれかに記載の粉砕機。
  19. 各出力ピニオンがクラウンギヤ6へ噛み合い応力を加えるようになっており、及びこれらすべての噛み合い応力によって生じる作用力FRが垂直上方へ向かう成分を有していることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の粉砕機。
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