JP5689157B2 - サンプル品の製造方法及び型の製造方法 - Google Patents

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本発明は、サンプル品の製造方法及び型の製造方法に係り、特に、離型が良好なサンプル品の製造方法及び型の製造方法に関する。
従来、ウレタン、エポキシ、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂で形成された型に樹脂を流してサンプル品を樹脂で成型するようにしていた。
ところが、樹脂で整形されたサンプル品を型から取り出す場合、サンプル品と型とにおいて、両者の離型性が悪いため、特に、凹凸性のあるサンプル品にあっては、複数回(例えば、15〜20個)使用すると、型に樹脂が付着し、離型できないという問題点が生じていた。
本発明は、前記問題点を考慮してなされたもので、離型が良好なサンプル品の製造方法及び型の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のサンプル品の製造方法は、実物、又は実物と同等の食品等のサンプル品の表面形状に一致する凹凸形状を有した蝋で形成された型に前記蝋より融点が低い樹脂を流す流し工程と、この流し工程の後、前記樹脂を硬化させる樹脂硬化工程と、この樹脂硬化工程の後、硬化した樹脂を前記型から離脱させる離脱工程と、この離脱工程により、硬化した樹脂を前記型から離脱させてサンプル品を製造するものである。
また、請求項2記載のサンプル品の製造方法は、請求項1記載のサンプル品の製造方法において、実物、又は実物と同等の食品等のサンプル品が載置された型枠内に溶融状態の蝋を流し込む蝋流し込み工程と、この蝋流し込み工程の後、前記蝋を硬化させる蝋硬化工程と、この蝋硬化工程の後、硬化した蝋を前記型枠から離脱させる蝋離脱工程と、この蝋離脱工程により、硬化した蝋を前記型枠から離脱させて型を製造するものである。
また、請求項3記載のサンプル品の製造方法は、請求項2記載のサンプル品の製造方法において、蝋流し込み工程の前に、実物の表面を刷毛等により蝋を塗布して、型枠内の実物の表面の略全体に亘って、蝋が被覆されているものである。
また、請求項4記載のサンプル品の製造方法は、請求項2記載のサンプル品の製造方法において、蝋流し込み工程の前に、実物と同等の食品等のサンプル品の表面を刷毛等により蝋を塗布して、型枠内の前記実物と同等の食品等のサンプル品の略全体に亘って、蝋が被覆されているものである。
また、請求項5記載の型の製造方法は、実物、又は実物と同等の食品等のサンプル品が載置された型枠内に溶融状態の蝋を流し込む蝋流し込み工程と、この蝋流し込み工程の後、前記蝋を硬化させる蝋硬化工程と、この蝋硬化工程の後、硬化した蝋を前記型枠から離脱させる蝋離脱工程と、この蝋離脱工程により、硬化した蝋を前記型枠から離脱させて型を製造するものである。
また、請求項6記載の型の製造方法は、請求項5記載の型の製造方法において、蝋流し込み工程の前に、実物の表面を筆、刷毛等による塗布手段により蝋を塗布して、型枠内の実物の表面の略全体に亘って、蝋が被覆されているものである。
また、請求項7記載の型の製造方法は、型の製造方法は、請求項5記載の型の製造方法において、蝋流し込み工程の前に、実物と同等の食品等のサンプル品の表面を筆、刷毛等による塗布手段により蝋を塗布して、型枠内の前記実物と同等の食品等のサンプル品の略全体に亘って、蝋が被覆されているものである。
請求項1記載のサンプル品の製造方法によれば、実物、又は実物と同等の食品等のサンプル品の表面形状と一致する凹凸形状を有した型が蝋で、型に流す樹脂が蝋より融点が低い素材で、それぞれ形成してサンプル品を製造するため、硬化した樹脂を型から離脱する際、硬化した樹脂と蝋で形成された型との分離が良いため、型の損傷が少なく、長期に亘って食品等のサンプル品を製造することができる。
図1は、本発明の一実施例のサンプル品の製造方法の製造の対象であるサンプル品の実物(又は実物と同等の食品等のサンプル品)の概略的斜視図である。 図2は、蝋を加熱する一態様を示す概略的断面図である。 図3は、図1の実物(又は実物と同等の食品等のサンプル品)の表面に筆により塗布する状態を示す概略的図である。 図4は、図3の表面に蝋を塗布された実物(又は実物と同等の食品等のサンプル品)を型枠内に載置し、この型枠内に溶融状態の蝋を流し込む蝋流し込み工程を示す概略的図である。 図5は、図4の蝋流し込み工程が終了し、硬化した蝋を型枠から離脱させて製造した型を示す概略的図である。 図6は、図5の蝋で形成された型に前記蝋より融点が低い樹脂を流す流し工程を示す概略的図である。 図7は、図6の型の上面に蓋をした状態の概略的図である。 図8は、図7の型からサンプル品を離脱させ、前記サンプル品から不要部分を切除する状態を示す概略的図である。 図9は、図8の不要部分を切除したサンプル品の概略的図である。
本発明の一実施例のサンプル品の製造方法及び型の製造方法について、以下説明する。
サンプル品の製造方法は、実物(具体的には、例えば、人形焼)、又は実物と同等の食品等のサンプル品の表面形状に一致する凹凸形状を有した蝋で形成された型に前記蝋より融点が低い樹脂を流し、この樹脂を硬化させ、硬化後、硬化した樹脂を前記型から離脱させ、硬化した樹脂を前記型から離脱させて製造するものである。
なお、サンプル品は、実物の形に似せて作ったもので、例えば、食品にあっては、飲食店の店頭あるいは店内に陳列される料理の模型である食品サンプルである。
先ず、蝋(例えば、融点132℃)で形成された型10(図5参照)を製造する型の製造方法について、図1乃至図5を参照して説明する。
図1は、本発明のサンプル品の製造方法の製造の対象である実物1(又は実物と同等の食品等のサンプル品)である。実物1[又は実物と同等の食品等のサンプル品(サンプル品は、融点が蝋の融点より高い樹脂、例えば、シリコン、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネイト、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂等で形成する。)]は、例えば、人形焼である。
なお、サンプル品の実物1[又は実物と同等の食品等のサンプル品]は、人形焼に限らず、カステラ、スポンジケーキ、パンケーキ、焼き菓子等の食品でも良いし、また、食品以外のものでも良い。
先ず、図2に示すように、蝋2を容器3に入れ、容器3を加熱して蝋2を溶融状態とする。また、図3に示すように、塗布手段4(筆、刷毛等)により実物1[又は実物と同等の食品等のサンプル品]の表面の全体に亘って蝋2を塗布する。
これは、特に実物1(又は実物と同等の食品等のサンプル品)の表面に凹凸がある場合に用いると効果的で、塗布手段4(筆、刷毛等)により蝋2を塗布することにより、実物1(又は実物と同等の食品等のサンプル品)の表面の凹凸に蝋2を充填させて、欠損部が生じさせないためである。
次に、図4に示すように、実物1(又は実物と同等の食品等のサンプル品)が載置された型枠5内に溶融状態の蝋2を流し込む(蝋流し込み工程)。
蝋2を流し込む際、望ましくは、流し込まれた蝋2中の泡を図示しない真空脱泡機を使用して泡抜きをするようにする。
この蝋流し込み工程の後、蝋2を硬化させる(蝋硬化工程)。蝋2は自然冷却等により硬化する。望ましくは、冷蔵庫等により強制冷却させるようにする。
上記蝋硬化工程の後、硬化した蝋を型枠5から離脱させる(蝋離脱工程)。この蝋離脱工程により、硬化した蝋を型枠5から離脱させて型10(図5参照)を製造することができる。なお、図5に示す10aは、空所である。
次に、図5に示した型10を用いて、サンプル品7(図9参照)を製造するサンプル品の製造方法について、図6乃至図9を参照して説明する。
上述した型10は、実物(又は実物と同等の食品等のサンプル品)の表面形状に一致する凹凸形状を有した蝋で形成されたものである。
図6に示すように、型10に蝋2より融点が低い樹脂20(樹脂20は、例えば、融点が蝋の融点132℃より低い樹脂、例えば、例えば、シリコン、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネイト、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂等)を流す(流し工程)。
樹脂20を流し込む際、望ましくは、流し込まれた樹脂20中の泡を図示しない真空脱泡機を使用して泡抜きをするようにする。なお、樹脂20が発泡する樹脂にあっては、図6、図7に示す蓋7’を用いて図7に示す矢印方向にプレスをし、蓋7’が動かないようにする。
次に、樹脂硬化工程の後、硬化した樹脂を型10から離脱させる(離脱工程)。前記樹脂20は自然冷却等により硬化させる。望ましくは、硬化熱により樹脂20が溶けにくいように、冷蔵庫等により樹脂20を強制的に冷却させるようにする。
この離脱工程により、硬化した樹脂20を型10から離脱させてサンプル品7を製造する(図8参照)。
図8の不要部分8を切除手段9により切除し、サンプル品7を製造することができる。
上述したサンプル品の製造方法によれば、実物(又は実物と同等の食品等のサンプル品)の表面形状に一致する凹凸形状を有した型6が蝋で、型6に流す樹脂10が蝋より融点が低い素材で、それぞれ形成してサンプル品7を製造するため、硬化した樹脂10を型6から離脱する際、硬化した樹脂10と蝋2で形成された型6との分離が良いため、型6の損傷が少なく、長期に亘ってサンプル品7を製造することができ、しかも、蝋による型6は安価な材料で、型6が破損しても、溶かせば再利用可能である。
2 蝋
7 サンプル品
20 樹脂

Claims (7)

  1. 実物、又は実物と同等の食品等のサンプル品の表面形状に一致する凹凸形状を有した蝋で形成された型に前記蝋より融点が低い樹脂を流す流し工程と、
    この流し工程の後、前記樹脂を硬化させる樹脂硬化工程と、
    この樹脂硬化工程の後、硬化した樹脂を前記型から離脱させる離脱工程と、
    この離脱工程により、硬化した樹脂を前記型から離脱させてサンプル品を製造する
    ことを特徴とするサンプル品の製造方法。
  2. 実物、又は実物と同等の食品等のサンプル品が載置された型枠内に溶融状態の蝋を流し込む蝋流し込み工程と、
    この蝋流し込み工程の後、前記蝋を硬化させる蝋硬化工程と、
    この蝋硬化工程の後、硬化した蝋を前記型枠から離脱させる蝋離脱工程と、
    この蝋離脱工程により、硬化した蝋を前記型枠から離脱させて型を製造する
    ことを特徴とする請求項1記載のサンプル品の製造方法。
  3. 蝋流し込み工程の前に、実物の表面を刷毛等により蝋を塗布して、型枠内の実物の表面の略全体に亘って、蝋が被覆されている
    ことを特徴とする請求項2記載のサンプル品の製造方法。
  4. 蝋流し込み工程の前に、実物と同等の食品等のサンプル品の表面を刷毛等により蝋を塗布して、型枠内の前記実物と同等の食品等のサンプル品の略全体に亘って、蝋が被覆されている
    ことを特徴とする請求項2記載のサンプル品の製造方法。
  5. 実物、又は実物と同等の食品等のサンプル品が載置された型枠内に溶融状態の蝋を流し込む蝋流し込み工程と、
    この蝋流し込み工程の後、前記蝋を硬化させる蝋硬化工程と、
    この蝋硬化工程の後、硬化した蝋を前記型枠から離脱させる蝋離脱工程と、
    この蝋離脱工程により、硬化した蝋を前記型枠から離脱させて型を製造する
    ことを特徴とする型の製造方法。
  6. 蝋流し込み工程の前に、実物の表面を筆、刷毛等による塗布手段により蝋を塗布して、型枠内の実物の表面の略全体に亘って、蝋が被覆されている
    ことを特徴とする請求項5記載の型の製造方法。
  7. 蝋流し込み工程の前に、実物と同等の食品等のサンプル品の表面を筆、刷毛等による塗布手段により蝋を塗布して、型枠内の前記実物と同等の食品等のサンプル品の略全体に亘って、蝋が被覆されている
    ことを特徴とする請求項5記載の型の製造方法。
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