JP5688671B2 - 排水トラップ - Google Patents
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Description
そこで、特許文献1に記載されている従来の排水トラップにおいては、S字型の排水トラップの代わりに箱型の排水トラップを採用し、洗面台の洗面器下の有効な収納スペースを確保したものが知られている。
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている従来の排水トラップにおいては、オーバーフロー管を設けることを考慮していないため、仮にオーバーフロー管を設けた場合には、洗面台の洗面器下の有効な収納スペースを確保することが難しいという問題がある。
このように構成された本発明においては、排水管の出口部は、封水室の封水面よりも下方の封水内まで延びて上記封水室の封水内に位置すると共に、オーバーフロー管の出口部が排水管の出口部とは別に、封水室の封水面よりも下方の封水内まで延びて封水室の封水内に位置していることに加えて、排水管の出口部及びオーバーフロー管の出口部のそれぞれの下端が、封水室の封水内の下方領域において互いに近傍に位置しているため、例えば、水槽として用いられる洗面台の洗面器下方に形成される収納部内の収納スペース全体に対する排水トラップ自体の占有スペースを小さくすることができ、オーバーフロー管を備えていない場合の洗面器下方の収納部の有効スペースとほぼ等しい収納スペースを確保することができる。特に、排水トラップの下方のスペースを収納部の有効な収納スペースとして確保することができる。また、オーバーフロー管の出口部が封水室の封水内に位置すれば、オーバーフロー管の接続位置を任意に設定することができるため、例えば、オーバーフロー管と封水室との接続に関する設計の自由度を広げることができる。
このように構成された本発明においては、水槽の排水口から流出した排水は、排水管を流れ、排水管の出口部から封水室に流入する。この封水室に流入した排水管の出口部近傍の排水は、封水室の内壁に衝突して封水室内で所定方向(例えば、上方)への流れを形成するため、その排水管の出口部近傍の水域における圧力(水圧)は、他の水域よりも高まった状態となる。この際、オーバーフロー管の出口部が排水管の出口部の近傍に位置しているため、排水管の出口部近傍に位置しているオーバーフロー管の出口部の近傍の水域においても、水圧が他の水域よりも高まった状態となり、封水室内の排水の流れによって、オーバーフロー管から封水室内に空気を引き込む力が発生しにくくなる。すなわち、一般的な排水トラップの排水時の封水室内においては、サイホン作用によって負圧が形成されているため、このような負圧がオーバーフロー管から封水室内に空気を引き込みやすい要因となっているが、本発明においては、排水時にオーバーフロー管の出口部の近傍の水域における水圧を高めることができるため、排水時の封水室内で発生する負圧を部分的に低減させることができる。したがって、排水トラップ内の排水の円滑な流れを損なうことなく、このような負圧によってオーバーフロー管から封水室内に空気が引き込まれることにより発生する異音を低減させることができる。
このように構成された本発明においては、オーバーフロー管が封水室の上端部に接続された後、その出口部が封水室の封水内まで延びており、オーバーフロー管が封水室から下方に、或いは、水平方向に突出することがないため、特に、排水トラップの下方、或いは、水平方向の周辺スペースを洗面台収納部の有効な収納スペースとして確保することができ、より効果的に利用することができる。
まず、図1は本発明の一実施形態による排水トラップが内部に組み込まれた洗面台を示す概略斜視図である。つぎに、図2は本発明の一実施形態による排水トラップが内部に組み込まれた洗面台の側面を一部破断した概略側面図である。また、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。さらに、図4は本発明の一実施形態による排水トラップの部分拡大側面断面図である。また、図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。また、図4及び図5においては、排水の流れを矢印で示している。
この排水トラップ1は、排水管8、封水室10、オーバーフロー管12、及び、流出管14を備えている。
また、排水管8は、封水室10内の封水によって、排水トラップ1の下流側にある下水配管16からの臭気を遮断することにより、洗面器4に臭気が立ち上るのを防ぐため、「防臭管」或いは「防臭筒」とも呼ばれている。
また、オーバーフロー管12は、その下流側の途中部分が封水室10の上端部10aに接続された後、その出口部12aが封水室10の封水面Wよりも下方の封水内まで延びており、洗面器4のオーバーフロー口4bから流出した排水がオーバーフロー管12により封水室10内に導かれるようになっている。すなわち、オーバーフロー管12は、封水室10の底部よりも下方に突出することがないように封水室10に接続されている。
また、流出管14の下端部14bは、下水配管16に接続されている連結管20に連結されており、封水室10から溢れた排水は、流出管14から連結管20を経て下水配管16に導かれるようになっている。
洗面器4の排水口4aから流出した排水は、排水管8を流れ、排水管8の出口部8aから封水室10に流入する。この封水室10に流入した排水管8の出口部8aの近傍の排水は、封水室10の内壁に衝突して封水室10内において排水管8の出口部8a、連結流路18、及び、オーバーフロー管12の出口部12aの外側を回り込みながら、流出管14の上端部である入口部14aに向かう所定方向(例えば、上方)への流れを形成する。流出管14に流入した排水は、連結管20を経て下水配管16に排水される。
この際、排水管8の出口部8aの近傍の水域における圧力(水圧)は、他の水域よりも高まった状態となる。
すなわち、一般的な排水トラップの排水時の封水室内においては、サイホン作用によって負圧が形成されているため、このような負圧がオーバーフロー管から封水室内に空気を引き込みやすい要因となっているが、本実施形態においては、排水トラップ1の排水時にオーバーフロー管12の出口部12aの近傍の水域における水圧が高まり、この高められた水圧により、排水時に封水室10内で発生する負圧が、排水管8の出口部8a、オーバーフロー管12の出口部12a、及び、両出口部8a,12aを連結する連結流路18の開口部の近傍において部分的に低減する。これにより、排水トラップ1の排水の円滑な流れが損なわれず、さらに、このような負圧によってオーバーフロー管12から封水室10内に空気が引き込まれることにより発生する異音が低減する。
また、封水室10の後端側に配置される流出管14にオーバーフロー管12が干渉しないように封水室10に接続され、オーバーフロー管12の出口部12aが封水内の排水管8の出口部8aの近傍に位置するようにすれば、オーバーフロー管12を流出管14の上流側に接続する位置を任意に設定することができるため、オーバーフロー管12と封水室10との接続に関する設計の自由度を広げることができる。
2 洗面台
4 洗面器
4a 排水口
4b オーバーフロー口
6 収納部
8 排水管
8a 排水管の出口部
10 封水室
10a 封水室の上端部
12 オーバーフロー管
12a オーバーフロー管の出口部
12b 流路
14 流出管
14a 流出管の入口部
14b 流出管の下端部
14c 流路
14d 流路
16 下水配管
18 連結流路
20 連結管
W 封水面
Claims (3)
- 水槽から排水された水を下水側へ流出させるように上記水槽の下方に設けられた排水トラップであって、
水槽の下方に位置する排水口に接続され、この排水口から流出する排水を導く排水管と、
上記排水管に接続され、この排水管からの排水の流路を形成すると共に、上記排水管の出口部を閉塞可能な封水を収容可能に箱体の内部に形成された封水室と、
上記水槽の上方に開口するオーバーフロー口から流出する排水を導くオーバーフロー管と、
上記封水室から溢れた排水を下水側に導くように上記封水室に接続される流出管と、を有し、
上記排水管の出口部は、上記封水室の封水面よりも下方の封水内まで延びて上記封水室の封水内に位置し、
上記オーバーフロー管の出口部は、上記排水管の出口部とは別に、上記封水室の封水面よりも下方の封水内まで延びて上記封水室の封水内に位置し、
上記排水管の出口部及び上記オーバーフロー管の出口部のそれぞれの下端が、上記封水室の封水内において互いに近傍に位置していることを特徴とする排水トラップ。 - 上記オーバーフロー管の出口部は、上記排水管の出口部の近傍に位置している請求項1記載の排水トラップ。
- 上記オーバーフロー管は、上記封水室の上端部に接続された後、その出口部が上記封水室の封水内まで延びている請求項1又は2に記載の排水トラップ。
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JP2011032796A5 JP2011032796A5 (ja) | 2011-03-31 |
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2009
- 2009-08-04 JP JP2009181817A patent/JP5688671B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011032796A (ja) | 2011-02-17 |
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