JP5686395B1 - 滑りねじ装置のナット加工方法 - Google Patents

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Abstract

滑りねじ装置のナットの内周面に高精度、高強度且つ低コストに雌ねじを加工することができるナット加工用切削工具及びナット加工方法を提供する。ナット加工用切削工具(1)は、円柱状の切削部(4)と、該切削部(4)の外周面(2)に螺旋状に形成された凹溝(3)と、を有し、凹溝(3)は、ナット(10)の内周面に凹溝(3)の形状に対応する雌ねじ(11)の山部(13)を切削成形する。これにより、滑りねじ装置(100)のナット(10)の内周面に高精度、高強度且つ低コストに雌ねじ(11)を加工することができる。

Description

本発明は、滑りねじ装置のナットに雌ねじを加工するナット加工用切削工具、及び滑りねじ装置のナット加工方法に関する。
従来、回転運動を直線運動に変換して伝達する装置として、ねじ軸に樹脂製のナットを螺合させた滑りねじ装置が知られている(例えば、特許文献1)。この種の滑りねじ装置で用いられる樹脂製ナットでは、ナット全体またはねじ部のみが射出成形金型を用いた射出成形によって成形されている。
また、回転運動を直線運動に変換して伝達する別の装置として、ねじ軸とナットとの間にボールを介在させたボールねじ装置が知られている(例えば、特許文献2)。特許文献2に記載されたボールねじ装置用ナットの加工方法では、ねじ溝を旋削によって前加工した後、仕上げ加工としてラップ加工を行っている。
特許第4226249号公報(第4頁、第1図) 特許第2600425号公報(第3−4頁、第1図)
滑りねじ装置は、ボールねじ装置に比べると構成部品が少なく構造がシンプルであるという利点を有する。しかしながら、特許文献1に記載された従来技術のように、樹脂製のナットを採用した滑りねじ装置では、高速度で大きな伝達動力を発揮することが難しかった。
即ち、一般に、樹脂材料の機械的強度は金属材料に比べると劣るため、樹脂製ナットは、金属製ナットに比べると、ねじ部の強度が低く、大きな荷重を伝達する用途には適していなかった。
また、樹脂材料は金属材料に比べると熱伝導率が低いので、樹脂製ナットは、放熱性が悪く、熱による影響を受けやすいという問題点があった。具体的には、滑りねじ装置を高速度で駆動すると、ねじ部の滑り摩擦による発熱により樹脂製ナット及びねじ軸が膨張し、線膨張係数の相違によりクリアランスが減少して摩擦抵抗が増大してしまう。
また、樹脂材料は金属材料に比べると耐熱性が劣るので、ねじ部の摩擦発熱によって樹脂材料自体が劣化する恐れがある。加えて、使用する樹脂材料によっては、耐候性や吸水性等についても留意すべきであり、材料の経年的な劣化も問題となる。
他方、特許文献2に記載された従来技術のボールねじ装置では、ねじ軸及びナットの他にボールを有するので、部品点数が多く、構造が複雑になり、製造コストを下げることが難しいという問題点がある。
また更に、滑りねじ装置において、樹脂製のナットに代えて金属製のナットを採用する場合には、ナットの加工、特に、ナット内周面の雌ねじ加工が困難であるという問題点があった。
具体的には、高精度且つ高効率な滑りねじ装置を実現するためには、ねじ部の加工を高精度に行うことが要求されるので、特許文献2に記載された従来技術のように、ナットねじ部の加工では、旋削加工の後に、研削仕上げ加工が必要であった。
また更に、従来、一般的に、締結用途の雌ねじを加工する工具として、タップが用いられている。しかしながら、従来技術のタップは、雌ねじの谷部を切削するものであり、雌ねじの山部を先端(内径側端部)まで高精度に切削することは不可能であった。そのため、滑りねじ装置に用いられるナットのように、雌ねじの山部を先端まで含めて全体的に所定の形状に高精度に成形することを要求される用途では、従来技術のタップを使用することができなかった。
また、従来技術のタップは、ピッチが小さく送りが小さい締結用の一般的な雌ねじ加工に適したものであった。そのため、滑りねじ装置のナットのように送りが大きい雌ねじ、即ちピッチが大きい多条の雌ねじを加工する際には、切削抵抗や工具の強度の面から、従来技術のタップを使用することは難しかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、滑りねじ装置のナットの内周面に高精度、高強度且つ低コストに雌ねじを加工することができるナット加工用切削工具を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、強度が高く高精度で低抵抗な滑りねじ装置用のナットを効率良く生産することができるナット加工方法を提供することにある。
発明の滑りねじ装置のナット加工方法は、少なくとも、ナットの素材に下穴を加工する工程と、前記下穴にナット加工用切削工具を相対回転させて挿入しナットの内周面にねじを加工する工程と、前記ねじが加工された前記内周面を硬化処理する工程と、を具備し、前記ナットの素材は、アルミニウムであり、前記ナット加工用切削工具は、円柱状の切削部の外周面に断面円弧状で螺旋状に延在し底部の径が前記下穴の径よりも大きい凹溝を有し、前記凹溝に挟まれる部分の前記外周面が前記ナット加工用切削工具の縦断面において前記ナット加工用切削工具の軸に対して平行な直線状であり、前記ねじを加工する工程では、前記凹溝によって断面円弧状で螺旋状に延在する前記ねじの山部を切削成形し、前記凹溝に挟まれる部分の前記外周面によって前記縦断面において前記軸に対して平行且つ直線状となる前記ねじの谷部を切削成形し、前記硬化処理する工程では、前記内周面に陽極酸化被膜を形成することを特徴とする。
本発明の滑りねじ装置のナット加工用切削工具は、円柱状の切削部と、該切削部の外周面に螺旋状に形成された凹溝と、を有し、前記凹溝は、前記ナットの内周面に該凹溝の形状に対応する前記ねじの山部を切削成形する。そのため、本発明のナット加工用切削工具及びナット加工方法によれば、滑りねじ装置のナットの内周面に高精度、高強度且つ低コストに雌ねじを加工することができる。
即ち、本発明のナット加工用切削工具を用いれば、金属製のナットであっても、容易且つ高精度に雌ねじを加工することができる。そのため、滑りねじ装置のナット材料として、樹脂材料に比べ高強度である金属材料を採用することが可能となり、強度及び耐久性に優れたナットを提供することができる。
また、本発明のナット加工用切削工具を用いることにより、所定条件の切削工程を一回実施するのみで、前記凹溝の形状に対応した高精度なねじ山を形成できる。即ち、一回の切削加工で、前記凹溝と略同一形状の雌ねじの山部をその先端部(内径側端部)まで高精度に加工することができる。それにより、ねじ切削加工の工程数を削減できると共に、ねじ仕上げの研削工程を省略でき、ナットの生産コストを低減することができる。
また、高精度且つ滑らかなナットねじ山を形成できるので、滑りねじ装置の正確な位置制御を可能にすると共に、滑り抵抗を減らして摩擦損失を低減することができる。
また、前記凹溝の形状を断面円弧状にすることにより、滑りねじ装置のナットに断面円弧状のねじ山部を形成することができる。これにより、ナットとねじ軸との相対位置を正確に維持しつつ、ナットのねじ山部とねじ軸のねじ山(谷)部との接触面積を減らすことができ、滑りねじ装置の滑り抵抗を減らすことができる。
また、前記凹溝の形状を断面円弧状にすることにより、ボールねじ装置のねじ軸と共通のねじ軸を用いることが可能となる。これにより、ボールねじ装置と部品の共通化を図り、滑りねじ装置の生産コストを下げることができる。また、ねじ装置を使用するユーザは、目的とする用途の負荷状態に応じて、滑りねじ装置またはボールねじ装置を適宜選定することができるようになる。
また更に、ナットに形成される下穴の径を前記凹溝の底部の径よりも小さくすることにより、ナット内周面に形成されるねじの山部は、その内径側先端部まで高精度に形成されるようになる。つまり、本発明に係るナット加工用切削工具の前記凹溝は、ナットの内周面に該凹溝の形状に対応する雌ねじの山部を切削することができよう構成されているので、下穴の径を好適に調整することにより、高精度な雌ねじの山部を確実に加工することができる。
また更に、前記切削部の外周面に切屑を排出するための排出溝を設け、該排出溝を前記凹溝とは逆向きの螺旋状に形成しても良い。これにより、ナット加工用切削工具の切削性が向上し、高精度な雌ねじを更に容易に切削加工することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る滑りねじ装置の概略構成を示す透視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る滑りねじ装置のナット部分の縦断面図である。 図3(A)は、本発明の実施形態に係るナット加工用切削工具の外観図である。図3(B)は、その横断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係るナット加工用切削工具の変形例を示す外観図である。 図5(A)は、本発明の実施形態に係るナット加工方法の下穴加工を示す図である。図5(B)は、ねじ加工を示す図である。図5(C)は、ねじ加工後の状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る滑りねじ装置のナット加工用切削工具及びナット加工方法を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るナット加工用切削工具1(図3参照)を用いて加工したナット10を備える滑りねじ装置100の概略構造を示す透視図である。
滑りねじ装置100は、回転運動を直線運動に変換する動力伝達装置であり、例えば、製造装置等の一般的な機械装置において直動送り手段として用いられるものである。図1に示すように、滑りねじ装置100は、外周にねじが形成されたねじ軸20と、ねじ軸20に螺合するナット10と、を備える。
ねじ軸20は、外周に雄ねじ21が形成された駆動軸である。滑りねじ装置100を利用する状態において、ねじ軸20は、該両端部付近を図示しない軸受手段により回転自在に支持され、該一端にカップリング(図示せず)等を介して駆動源となるモータ(図示せず)等が接続される。
尚、ねじ軸20は、例えば、構造用炭素鋼やクロムモリブデン鋼等の鋼材からなり、その雄ねじ21の表面は、高周波焼入れや浸炭焼入れ等により硬化処理されている。
ナット10は、ねじ軸20に回転自在に螺合して伝達装置の従動体となるものである。滑りねじ装置100を利用する状態において、ナット10には、必要に応じて図示しないブラケット等を介して、従動部品(例えば、工作機械のテーブル等)が固定される。
以上の構成において、図示しないモータ等でねじ軸10を回転駆動すると、ナット10がねじ軸10の軸方向に移動し、前述の従動部品を直線的に移動させることができる。
尚、本実施形態では、ナット10の材質として、例えば、アルミニウム等の金属材料を用いている。金属材料は、合成樹脂材料に比べると、高強度で耐摩耗性、放熱性に優れているので、ナット10の材質としてアルミニウムを採用することにより、滑りねじ装置100は、高い伝達動力と効率を発揮することができる。これにより、滑りねじ装置100を比較的高負荷で高速度が要求される用途に利用することができるようになる。
図2は、滑りねじ装置100のナット10とねじ軸20との螺合部分の構造を示す図であり、ナット10を縦断面で、ねじ軸20を外観で示している。
図2に示すように、ねじ軸20の外周22には、雄ねじ21が形成されている。具体的には、略円柱状のねじ軸20の側面である外周22には、断面略円弧状で螺旋状に延在する谷部23が形成されている。更に詳しくは、谷部23の断面形状は、略半円状である。谷部23は、雄ねじ21の谷に相当する部分であり、所定のピッチ、リード、条数で形成される。
谷部23が形成された後の外周22は、ねじ軸20の径方向に突出し螺旋状に延在し、雄ねじの山に相当する部分となる。前述の通り、外周22は、略円柱状のねじ軸20の外周面であるので、軸方向断面形状において、雄ねじ21の山である外周22は、ねじ軸に平行で直線状になっている。
このように、ねじ軸20の外周面には、谷部23と外周22とによって雄ねじ21が形成され、該雄ねじ21は、ナット10の雌ねじ11と螺合する。
他方、ナット10の内周面には、後述する加工方法によって、雌ねじ11が形成されている。具体的には、雌ねじ11は、山部13と谷部12とによって構成される。
雌ねじ11の谷部12は、雄ねじ21の外周22に対応する形状であり、軸方向断面において、雌ねじ11の中心軸に平行な直線状の形態を成している。そして、谷部12は、ナット10の略円筒状の内周面に沿って螺旋状に延在している。雌ねじ11の谷部12は、雄ねじ21の外周22と当接し、これにより、ナット10は、ねじ軸20に回転自在に支持される。
雌ねじ11の山部13は、ナット10の内周面、即ち谷部12が形成される面から内径側に突出しており、略円弧状の断面形状で螺旋状に形成されている。更に詳しくは、山部13は、断面略半円状に形成されている。雌ねじ11の山部13は、雄ネジ20の谷部23に対応した形状をしており、谷部23に当接して、ねじ軸20の回転運動をナット10の軸方向の動きへと変換して伝える。
尚、ナット10には、ナット10を図示しないブラケット等へ固定するためのフランジ14や、その他図示しない固定用のねじ穴等を形成しても良い。
また、本実施形態に係るねじ軸20は、ボールねじ装置のねじ軸として用いることも可能である。即ち、ねじ軸20には、ナット10の山部13に対応する断面略半円状の谷部23が形成されているので、該谷部23をボール転動溝として利用することができる。これにより、滑りねじ装置100のねじ軸20と、ボールねじ装置のねじ軸とを共通化することができ、ねじ軸20の製造コストを削減できる。また、滑りねじ装置またはボールねじ装置を用途に応じて適宜選定して利用することができるようになる。
図3(A)は、ナット加工用切削工具1の切削部4付近の概略形状を示す外観図である。図3(B)は、ナット加工用切削工具1の横断面図(図3(A)におけるA−A線断面図)である。
ナット加工用切削工具1は、ナット10(図2参照)の内周面に雌ねじ11(図2参照)を切削加工するための工具である。図3(A)及び(B)に示すように、ナット加工用切削工具1は、略円柱状の切削部4を有し、該切削部4の外周面2には、断面略円弧状で螺旋状に延在する凹溝3が形成されている。
外周面2の凹溝3に挟まれた部分は、軸方向断面がナット加工用切削工具1の軸に対して平行な直線状の形状であり、径方向に突出し、螺旋状に延在している。当該外周面2がナット10の谷部12(図2参照)を切削する刃となる。更に詳しくは、後述する排出溝5と外周面2とが交わるエッジ部が谷部12を切削する刃部2aとなる。
凹溝3は、断面略半円状の凹みであり、切削部4の外周面2に沿って螺旋状に形成されている。そして、凹溝3は、ナット10の山部13(図2参照)を切削する刃となる。具体的には、排出溝5と凹溝3とが交わるエッジ部が山部13を切削する刃部3aとなる。更に詳しくは、凹溝3の刃部3aは、断面略半円状に凹んだ凹溝3の底部まで全てが山部13を切削するための刃となっている。これにより、ナット10には、凹溝3の形状に対応した(略同一形状の)断面略半円状の山部13が切削形成される。
ここで、凹溝3の底部の径dcは、ナット10の下穴19(図5参照)の径Dhよりも大きい。換言すれば、雌ねじ11を加工する際には、凹溝3の底部の径dcよりも小さな径Dhの下穴19を加工することになる。これにより、ナット10の山部13を、先端部(内径側端部)まで切削して、凹溝3の形状に対応させて断面略半円状に高精度に形成することができる。
また、切削部4の先端7付近のテーパ部6は、先端7に向かって徐々に外径が小さくなるようテーパ状に形成されている。これにより、ナット加工用切削工具1を下穴19へ挿入する作業を容易に行うことができると共に、切削加工開始時の切削抵抗を減らして、良好な加工面を形成することができる。
また、図3(B)に示すように、ナット加工用切削工具1の切削部4には、切屑を排出するための排出溝5が形成されている。排出溝5は、外周面2から横断面略円弧状に形成された溝であり、ナット加工用切削工具1の軸方向に延在し、少なくとも先端7方向が開口している。排出溝5を設けることにより、切削時の切屑を外部に排出することができ、切屑の詰まりや噛み込みを防止することができる。尚、排出溝5の断面形状は、円弧状に限らず、種々の形状を採用し得る。また、排出溝5を螺旋状に形成しても良い。詳細は、具体例を挙げて後述する。
尚、ナット加工用切削工具1の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、タングステンカーバイトを主成分とする超硬合金や高速度工具鋼等を利用することができる。
次に、図4を参照して、ナット加工用切削工具1の変形例について説明する。この変形例では、排出溝5の形状を螺旋状にしている。この点が既に説明した実施形態との相違点である。
図4は、ナット加工用切削工具1の切削部4付近の概略形状を示す外観図である。同図において、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用効果を奏する構成要素については、同一の符号で示している。
図4に示すように、この変形例では、排出溝5を直線状ではなく、螺旋状にしている。詳しくは、排出溝5を、凹溝3とは逆向きの螺旋状にしている。これにより、凹溝3と排出溝5とが交わる角度が大きくなり、凹溝3の刃部3a及び外周部2の刃部2aが切削に適した形状に近づく。その結果、ナット加工用切削工具1の切削性が向上し、高精度な雌ねじ加工が可能となる。
ここで、良好な切削性能を発揮するために、排出溝5と凹溝3とが交わる角度は、大きい方が好ましい。最も好ましくは、排出溝5と凹溝3は、互いに略直交するよう形成されるのが良い。
一般に、滑りねじ装置100(図1参照)のような伝達装置用のねじは、一般的な締結用のねじに比べると、リード(ピッチ×条数)が大きいので、その加工が困難である。本発明のナット加工用切削工具1によれば、前述のように排出溝5を凹溝3とは逆向きの螺旋状にして、排出溝5と凹溝3とが交わる角度を大きくしているので、優れた切削性を発揮し、雌ねじ11(図2参照)の加工を容易に行うことができる。
また、雌ねじ11のリード、即ち凹溝3のリードは、滑りねじ装置100の使用目的に応じて種々の好適な値に設定される。そこで、凹溝3のリード(またはリード角)に応じて排出溝5のリード(またはリード角)を好適に設定することもできる。具体的には、凹溝3のリード(リード角)が大きいときは、排出溝5のリード(リード角)を小さくする。これにより、様々な寸法の雌ねじ11に対して、夫々好適な条件で切削を行うことが可能なナット加工用切削工具1を提供することができる。
次に、図5を参照して、本実施形態に係るナット加工方法、特に、雌ねじ11の加工方法について説明する。
図5(A)ないし(C)は、ナット加工方法を示す図である。図5(A)は、下穴19の加工を示し、図5(B)は、雌ねじ11の加工を示し、図5(C)は、雌ねじ11を加工した後の状態を示している。
本実施形態に係るナット加工方法では、少なくとも、ナット10の素材10aに下穴19を加工する工程と、下穴19にナット加工用切削工具1を相対回転させて挿入しナット10の素材10bの内周面に雌ねじ11を加工する工程と、雌ねじ11が加工された素材10cの前記内周面を硬化処理する工程と、を具備する。
先ず、図5(A)に示すように、ナット10の素材10aを準備し、ドリルXにより下穴19を加工する。これにより、図5(B)に示す如く、素材10aを貫通する下穴19が形成される。
次に、図5(B)に示すように、下穴19が形成された素材10bの該下穴19にナット加工用切削工具1の切削部4を挿入する。そして、ナット加工用切削工具1を素材10bに対して所定の回転速度で相対回転させることにより、図5(C)に示す如く、雌ねじ11を切削加工する。
即ち、素材10bの内周面に、ナット加工用切削工具1の外周面2で雌ねじ11の谷部12を切削形成し、凹溝3で山部13を切削形成する。
ここで、前述の通り、下穴19の径Dhは、ナット加工用切削工具1の凹溝3の底部の径dcよりも小さく形成されている。これにより、ナット10の内周面に、凹溝3の形状に対応して断面略半円状に突出する山部13を高精度に加工することができる。
また、凹溝3は螺旋状に形成されているので、ナット加工用切削工具1を素材10bに対して相対回転させることにより、ナット加工用切削工具1を下穴19の軸方向に送ることができる。そのため、ナット加工用切削工具1を軸方向へ送るための押圧力は比較的小さくて良いので、ナット製造装置(ねじ切り装置)を小型化できる。
また、ナット加工用切削工具1を用いれば、ナット加工用切削工具1の回転速度を好適に制御することにより、雌ねじ11の加工面を滑らかに且つ高精度に加工することができる。そのため、ナット加工用切削工具1を下穴19に回転挿入する工程を一回のみ実行することにより、高精度な雌ねじ11を形成することができる。
これにより、雌ねじ11を切削形成した後の研削仕上げ加工を行う必要がなくなり、ナット加工における工程削減により、ナット10の製造コストを削減することができる。
尚、ナット加工用切削工具1を下穴19に回転挿入して雌ねじ11を切削加工した後は、ナット加工用切削工具1を逆回転させることにより、雌ねじ11から容易に引き抜くことができる。
次に、図5(C)の如く、雌ねじ11が加工された後の素材10cの少なくとも雌ねじ11について表面硬化処理を施す。具体的には、アルミニウム材からなる素材10cの表面に陽極酸化被膜を形成する。これにより、雌ねじ11の耐摩耗性を向上させることができる。尚、ナット10全体に対して表面硬化処理を実施しても勿論構わない。
以上説明の如く、本発明のナット加工用切削工具1によれば、ナット10の内周面に高精度且つ高強度な雌ねじ11を効率良く形成することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1 ナット加工用切削工具
2 外周面
3 凹溝
4 切削部
5 排出溝
10 ナット
11 雌ねじ
12 谷部
13 山部
19 下穴
20 ねじ軸
21 雄ねじ
22 外周(山部)
23 谷部
100 滑りねじ装置
dc 凹溝の底部の径
Dh 下穴の径

Claims (1)

  1. 少なくとも、ナットの素材に下穴を加工する工程と、
    前記下穴にナット加工用切削工具を相対回転させて挿入し前記ナットの内周面にねじを加工する工程と、
    前記ねじが加工された前記内周面を硬化処理する工程と、を具備し、
    前記ナットの素材は、アルミニウムであり、
    前記ナット加工用切削工具は、円柱状の切削部の外周面に断面円弧状で螺旋状に延在し底部の径が前記下穴の径よりも大きい凹溝を有し、前記凹溝に挟まれる部分の前記外周面が前記ナット加工用切削工具の縦断面において前記ナット加工用切削工具の軸に対して平行な直線状であり、
    前記ねじを加工する工程では、前記凹溝によって断面円弧状で螺旋状に延在する前記ねじの山部を切削成形し、前記凹溝に挟まれる部分の前記外周面によって前記縦断面において前記軸に対して平行且つ直線状となる前記ねじの谷部を切削成形し、
    前記硬化処理する工程では、前記内周面に陽極酸化被膜を形成することを特徴とする滑りねじ装置のナット加工方法。
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