JP5686253B2 - 耐剥離性に優れる表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具 - Google Patents
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Description
a) 硬質被覆層を構成するTiとAlの複合窒化物([Ti1−XAlX]N)層は、Alの含有割合X(原子比)の値が、0.15〜0.65の範囲内において所定の耐熱性、高温硬さおよび高温強度を有し、通常の切削加工条件下において必要とされる耐摩耗性は具備しているが、切刃部にきわめて大きな発熱を伴い、あるいは同時に、切刃部に断続的・衝撃的に大きな機械的負荷がかかる高硬度鋼の高速切削加工においては、TiとAlの複合窒化物([Ti1−XAlX]N)層からなる硬質被覆層は高温強度が不足するために、切刃の境界部分に境界異常損傷が生じ、そして、これが原因となり被削材の仕上げ面精度を維持することができず、比較的短時間で使用寿命に達してしまうこと。
(b)一方、Ti窒化物(TiN)層は、優れた高温強度、耐衝撃強さを有しているが、耐熱性、高温硬さが十分とはいえないため、大きな発熱を伴い、大きな機械的負荷がかかる高硬度鋼の高速切削加工においては、硬質被覆層をTi窒化物(TiN)層のみで構成しても十分な耐摩耗性を具備するとは言えないこと。
(c)前記(a)のAlの含有割合Xが15〜65原子%の耐熱性、高温硬さおよび所定の高温強度を有する[Ti1−XAlX]N(ただし、原子比で、Xは0.15〜0.65)層(以下、上部層という)と、前記上部層に比べれば耐熱性、高温硬さは劣るものの、その一方で、すぐれた高温強度、耐衝撃強度を有するTi窒化物(TiN)層(以下、下部層という)を、それぞれの一層平均層厚を0.5〜5μmの薄層とした状態で積層して硬質被覆層を構成すると、この2層積層構造の硬質被覆層は、上部層のもつすぐれた耐熱性、高温硬さを備えるとともに、下部層のもつより一段とすぐれた高温強度と耐衝撃強度を相兼ね備えるようになり、その結果、耐剥離性が向上すること。
(d)さらに前記硬質皮膜層表面に、Arボンバード処理を行うことにより、硬質被覆層の逃げ面、すくい面およびホーニング部における表面粗さ、残留応力、ナノインデンテーション硬さをそれぞれ所定の値にすることができ、これによりチッピングの発生が抑制され、その結果、耐摩耗性が向上する。
「 立方晶窒化ほう素の含有量が50〜85容量%の立方晶窒化ほう素基高圧焼結体からなる工具基体の表面に硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具において、
前記硬質被覆層が、
(a)0.5〜5μmの平均層厚を有するTiN膜からなる下部層と、
(b)0.5〜5μmの平均層厚を有する組成式:[Ti1−XAlX]N(ただし、原子比で、Xは0.15〜0.65を示す)を満足するTiとAlの複合窒化物膜からなる上部層とからなるとともに、
(c)前記硬質被覆層のホーニング部において、前記TiN膜からなる下部層が露出し、
(d)前記下部層のTiN膜の逃げ面、すくい面の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さが20GPa以上30GPa未満、また、ホーニング部の露出しているTiN膜の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さが30GPa以上40GPa未満であり、
(e)逃げ面、すくい面のTiN膜からなる下部層の残留応力が−1.0GPaより大きく−0.1GPa以下、ホーニング部の露出しているTiN膜からなる下部層の残留応力が−2.5GPaより大きく−1.2GPa以下であり、
(f)逃げ面、すくい面のTiとAlの複合窒化物膜からなる上部層の表面粗さがRaで0.10μm以上0.20μm未満、ホーニング部の露出している下部層の表面粗さがRaで0.01μm以上0.10μm未満であり、
(g)ホーニング部における立方晶窒化ほう素基超高圧焼結体のバインダー相のTiNの残留応力が、その上部に成膜されたホーニング部のTiNの残留応力との応力差が1GPa以内であることを特徴とする耐剥離性、耐摩耗性を長期にわたって発揮する表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具。」
に特徴を有するものである。
(a)工具基体本体のcBN基焼結材料の配合組成
立方晶窒化ほう素の含有量が85容量%を超えると窒化ほう素基自体の焼結性が低下し、その結果、切れ刃にチッピングが発生しやすくなる。一方、50容量%未満だと所望の優れた耐摩耗性を確保することができない。したがって、立方晶窒化ほう素の含有量を50〜85容量%と定めた。
(b)硬質被覆層の下部層
硬質被覆層の下部層を構成するTiN膜におけるTi成分は高温強度、衝撃強さの維持に寄与することから、硬質被覆層の下部層を構成するTiN膜は、所定の高温強度を具備する層であって、焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速切削加工時における切刃部の耐摩耗性を確保する役割を基本的に担う。
(c)硬質被覆層の上部層
(イ)上部層の目標組成
上部層を構成するTiとAlの複合窒化物([Ti1−XAlX]N)層(ただし、原子比で、Xは0.15〜0.65を示す)は、所定の耐熱性、高温硬さおよび高温強度を具備し、焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速切削加工時における切刃部の耐摩耗性を確保する作用を有する。ただし、Alの含有量が、原子比で0.65を超えると上部層の高温強度が低下してチッピングが発生しやすくなる。一方、0.15未満では、高温硬さと耐熱性が低下し耐摩耗性が低下する。したがって、Xの値は、0.15〜0.65と定めた。
(ロ)上部層の平均層厚
上部層の平均層厚が0.5μm未満では上部層の備えるすぐれた特性を発揮することができず、この結果、下部層との相乗効果によるすぐれた高温硬さ、高温強度および耐熱性と、より一段とすぐれた高温強度と耐衝撃強さを確保することができなくなり、一方、平均層厚が5μmを越えると高温強度、耐衝撃強さの不足、耐熱性、高温硬さの不足が層内に局部的に現れるようになり、これが原因で、切刃刃先の剥離が発生したり、摩耗が急速に進行したりするようになることから、上部層の平均層厚は0.5〜5μmと定めた。
(ハ)逃げ面、すくい面のTiN膜からなる下部層の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さおよびホーニング部の露出しているTiN膜の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さ
逃げ面、すくい面のTiN膜からなる下部層の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さは、20GPa未満では耐摩耗性向上効果が得られないため好ましくなく、30GPaを超えると耐摩耗性は向上するがチッピングが発生しやすくなる。したがって、20GPa以上30GPa未満と定めた。また、ホーニング部の露出しているTiN膜においては、30GPa未満では耐摩耗性向上効果が得られないため好ましくなく、40GPaを超えると耐摩耗性は向上するがチッピングが発生しやすくなる。したがって、30GPa以上40GPa未満と定めた。さらに、このように逃げ面、すくい面、ホーニング部のナノインデンテーション硬さを定めることによって、逃げ面およびすくい面のナノインデンテーション硬さの方が、ホーニング部のナノインデンテーション硬さよりも小さくなるので、ホーニング部のチッピングが生じにくくなる。すなわち、逃げ面、すくい面およびホーニング部のナノインデンテーション硬さを前記の関係とすることにより、切削時のホーニング部での衝撃を緩和することができ、切削時に最も切削抵抗が大きくなるホーニング部での剥離を抑制することができる。
(ニ)逃げ面、すくい面のTiN膜からなる下部層の残留応力とホーニング部の露出しているTiN膜からなる下部層の残留応力
逃げ面、すくい面のTiN膜からなる下部層においては、残留応力が、−1.0GPa以下だと高負荷切削では皮膜内部あるいは上部層と下部層の皮膜界面にクラックが発生しチッピングしやすくなる。一方、−0.1GPaより大きいと所望の硬さが得られず、耐摩耗性が低下する。また、ホーニング部の露出しているTiN膜からなる下部層においては、残留応力が−2.5GPa以下だと高負荷切削では皮膜内部あるいは皮膜と基体の界面にクラックが発生しやすくなり、−1.2GPaを超えると所望の硬さが得られず耐摩耗性が低下する。そこで、逃げ面、すくい面のTiN膜からなる下部層の残留応力は、−1.0GPaより大きく−0.1GPa以下と定め、ホーニング部の露出しているTiN膜からなる下部層の残留応力は、−2.5GPaより大きく−1.2GPa以下と定めた。
(ホ)硬質被覆層表面の表面粗さRa
硬質被覆層表面の表面粗さRaは、逃げ面およびすくい面においては、0.10μm未満とすることは製造コストの上昇につながるため好ましくなく、0.20μmを超えると皮膜表面の切削抵抗が大きくなりチッピングが発生しやすくなるため、0.10μm以上0.20μm未満と定めた。また、ホーニング部においては、0.01μm未満とすることは製造コストの上昇につながるため好ましくなく、0.10μmを超えると皮膜表面の切削抵抗が大きくなりチッピングが発生しやすくなるため、0.01μm以上0.10μm未満と定めた。なお、硬質被覆層表面の表面粗さRaは、逃げ面およびすくい面においては0.10μm以上0.15μm未満、ホーニング部においては0.05μm以上0.10μm未満がより好ましい。
(d)基体残留応力
ホーニング部における立方晶窒化ほう素基超高圧焼結体のバインダー相のTiNの残留応力と、その上部に成膜されたホーニング部のTiNの残留応力との応力差が1GPaより大きくなると、基体界面にクラックが発生しやすくなるため、前記応力差を1GPa以内と定めた。
(a)ついで、前記工具基体A〜Jのそれぞれを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図1に示されるアークイオンプレーティング装置内の回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部にそって装着し、一方側のカソード電極(蒸発源)として、下部層形成用の金属Tiを、また、他方側のカソード電極(蒸発源)として、それぞれ表3に示される目標組成に対応した成分組成をもった上部層形成用のTi−Al合金を前記回転テーブルを挟んで対向配置し、
(b)まず、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、Arガスを導入して、0.7Paの雰囲気とすると共に、前記テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−200Vの直流バイアス電圧を印加し、もって工具基体表面をアルゴンイオンによってボンバード洗浄し、
(c)装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して3Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−100Vの直流バイアス電圧を印加し、かつ前記下部層形成用の金属Tiとアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、もって前記工具基体の表面に、表3に示される目標層厚のTiN層を硬質被覆層の下部層として蒸着形成し、
(d)ついで装置内に導入する反応ガスとしての窒素ガスの流量を調整して2Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−10〜−100Vの範囲内の所定の直流バイアス電圧を印加した状態で、前記上部層形成用のTi−Al合金のカソード電極とアノード電極との間に50〜200Aの範囲内の所定の電流を流してアーク放電を発生させて、前記下部層の上に表3に示される目標組成、目標層厚の上部層としての[Ti,Al]N層を蒸着形成する。
(e)さらに上記皮膜の表面処理として、例えば以下のような条件のArボンバード処理を断続的に行うことにより、ホーニング部の上部層のみを除去し、下部層のTiNを露出させる。
Ar圧力を1〜2Pa、バイアス電圧を−200V、ボンバード処理時間を5〜20secとし、それぞれの処理の間に5secの未処理の時間を設け、これを5〜20回繰り返す。Ar圧力が1Pa未満、ボンバード処理時間が5sec未満、あるいは繰り返し回数が4回以下だとArボンバード処理の効果が弱いため、下部層のTiNが露出せず、さらに硬質被覆層の逃げ面、すくい面およびホーニング部における表面粗さ、残留応力、ナノインデンテーション硬さが所定の関係を得られないために耐剥離性向上効果が得られない。また、圧力が2Paより大きく、時間が20secより長く、繰り返し回数が20回を超えると、ホーニング部だけでなく、逃げ面、すくい面にも剥離が発生して耐摩耗性が低下し、さらに硬質被覆層の逃げ面、すくい面およびホーニング部における表面粗さ、残留応力、ナノインデンテーション硬さが所定の関係を得られないために耐剥離性向上効果が得られない。
(f)上記Arボンバード処理を行うことにより、本発明被覆cBN基焼結工具1〜10をそれぞれ製造した。Arボンバード処理条件を表2に示す。このような断続的なボンバード処理を行うことにより、皮膜内部および上部層および下部層の各層間に疲労が蓄積せず、その結果、クラックが存在しない状態で、皮膜表面の平滑性が高く、かつ、ホーニング部に露出したTiN膜および逃げ面、すくい面の[Ti,Al]N層の残留応力を増加させることで硬さが向上した皮膜を作成することができる。表3に逃げ面、すくい面の[Ti,Al]N層からなる上部層の表面粗さRaとホーニング部の露出しているTiNからなる下部層の表面粗さRa、逃げ面、すくい面、ホーニング部のTiNの残留応力、逃げ面、すくい面およびホーニング部の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さのそれぞれについて示す。
(a)また、比較の目的で、前記工具基体A〜Jのそれぞれを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図1に示されるアークイオンプレーティング装置内の回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部にそって装着し、一方側のカソード電極(蒸発源)として、下部層の金属Tiを、また、他方側のカソード電極(蒸発源)として、それぞれ表4に示される目標組成に対応した成分組成をもった上部層形成用Ti−Al合金を前記回転テーブルを挟んで対向配置し、
(b)まず、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、Arガスを導入して、0.7Paの雰囲気とすると共に、前記テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−200Vの直流バイアス電圧を印加し、もって工具基体表面をアルゴンイオンによってボンバード洗浄し、
(c)装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して3Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−100Vの直流バイアス電圧を印加し、かつ前記下部層形成用金属Tiとアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、もって前記工具基体の表面に、表4に示される目標層厚のTiN層を硬質被覆層の下部層として蒸着形成し、
(d)ついで装置内に導入する反応ガスとしての窒素ガスの流量を調整して2Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−10〜−100Vの範囲内の所定の直流バイアス電圧を印加した状態で、前記上部層形成用Ti−Al合金のカソード電極とアノード電極との間に50〜200Aの範囲内の所定の電流を流してアーク放電を発生させて、前記工具基体の表面に所定層厚の上部層を形成し、もって前記工具基体の表面に、層厚方向に沿って表4に示される目標組成および目標層厚の下部層と上部層の二層積層構造からなる硬質被覆層を蒸着形成することにより、従来被覆cBN基焼結工具1〜10をそれぞれ製造した。従来被覆cBN基焼結工具の硬質被覆層は、いずれもTiN層と[Ti,Al]N層との二層積層構造からなっており、本発明品と異なり、表面粗さ、残留応力、硬さが制御されていない。
[切削条件A]
被削材:JIS・SCM415の浸炭焼入れ材(硬さ:HRC61)の4本縦溝入れ丸棒、
切削速度: 220m/min.、
切り込み: 0.22mm、
送り: 0.18mm/rev.、
切削時間: 4分、
の条件での合金鋼の乾式連続高速切削加工試験(通常の切削速度は120m/min.)、
[切削条件B]
被削材:JIS・SCr420の浸炭焼入れ材(硬さ:HRC60)の4本縦溝入れ丸棒、
切削速度: 230m/min.、
切り込み: 0.17mm、
送り: 0.15m/rev.、
切削時間: 4分、
の条件でのクロム鋼の乾式連続高速切削加工試験(通常の切削速度は120m/min.)、
[切削条件C]
被削材:JIS・SUJ2の焼入れ材(硬さ:HRC61)の4本縦溝入れ丸棒、
切削速度: 250m/min.、
切り込み: 0.18mm、
送り: 0.15mm/rev.、
切削時間: 4分、
の条件での軸受鋼の乾式連続高速切削加工試験(通常の切削速度は150m/min.)、
を行い、いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅(mm)と被削材の仕上げ面精度(JIS B0601−2001による算術平均高さ(Raμm)を測定した。この測定結果を表5に示した。
Claims (1)
- 立方晶窒化ほう素の含有量が50〜85容量%の立方晶窒化ほう素基高圧焼結体からなる工具基体の表面に硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具において、
前記硬質被覆層が、
(a)0.5〜5μmの平均層厚を有するTiN膜からなる下部層と、
(b)0.5〜5μmの平均層厚を有する組成式:[Ti1−XAlX]N(ただし、原子比で、Xは0.15〜0.65を示す)を満足するTiとAlの複合窒化物膜からなる上部層とからなるとともに、
(c)前記硬質被覆層のホーニング部において、前記TiN膜からなる下部層が露出し、
(d)前記下部層のTiN膜の逃げ面、すくい面の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さが20GPa以上30GPa未満、また、ホーニング部の露出しているTiN膜の荷重100mgで測定したときのナノインデンテーション硬さが30GPa以上40GPa未満であり、
(e)逃げ面、すくい面のTiN膜からなる下部層の残留応力が−1.0GPaより大きく−0.1GPa以下、ホーニング部の露出しているTiN膜からなる下部層の残留応力が−2.5GPaより大きく−1.2GPa以下であり、
(f)逃げ面、すくい面のTiとAlの複合窒化物膜からなる上部層の表面粗さがRaで0.10μm以上0.20μm未満、ホーニング部の露出している下部層の表面粗さがRaで0.01μm以上0.10μm未満であり、
(g)ホーニング部における立方晶窒化ほう素基超高圧焼結体のバインダー相のTiNの残留応力と、その上部に成膜されたホーニング部のTiNの残留応力との応力差が1GPa以内であることを特徴とする耐剥離性、耐摩耗性を長期にわたって発揮する表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具。
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