JP5684078B2 - 高強度ワイヤロープ - Google Patents
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Description
BL=(100−ρ)×σw×S/100 (式1)
従来、ワイヤーロープ素線としては、φ3.0mm以下の素線が頻繁に使用されており、その素線引張強さは、1.910MPa以下程度であり、このような素線を得るため、炭素含有量を0.40〜0.90重量%程度の原料線を使用し、伸線加工時の減面率(すなわち、断面積の減少率)が80〜90%程度の伸線加工が行われている。
かかる構成によれば、ロープ心を構成する心ストランドが滑らかに全周にわたって連続するように前記異形線の外周面によって構成された外周面を有しており、心ストランドの外周面における曲率半径は、側ストランドの最外層の素線の外周面における曲率半径より大きいので、ワイヤロープ全体に引張荷重が作用する際も、従来のワイヤロープ状のロープ心(IWRC)の場合と比較して、ワイヤロープ内部で発生する圧力をロープ心を構成する心ストランドの滑らかに全周にわたって連続する外周面で分散できるので、ロープ心の素線に局部的な曲げによる圧痕が生じるおそれが低くなる。その結果、ロープ心が側ストランドと比較して低い荷重で早期に断線するおそれが低くなる。
本実施形態の高強度ワイヤロープ1では、ロープ心2を構成する心ストランド4の最外周の素線7は、当該心ストランド4の外側を向く面が当該心ストランド4の内側を向く面よりも広い略台形断面形状の異形線からなり、当該心ストランド4が滑らかに全周にわたって連続するように前記異形線の外周面によって構成された外周面4aを有しており、心ストランド4の外周面4aにおける曲率半径は、側ストランド3の最外層の素線12の外周面12aにおける曲率半径より大きいので、ワイヤロープ1全体に引張荷重が作用する際も、従来のワイヤロープ状のロープ心(図3〜4に示されるIWRC32)の場合と比較して、ワイヤロープ1内部で発生する圧力をロープ心2を構成する心ストランド4の比較的滑らかに全周にわたって連続する外周面4aで分散できるので、ロープ心2の素線5〜7に局部的な曲げによる圧痕が生じるおそれが低くなる。その結果、ロープ心2が側ストランド3と比較して低い荷重で早期に断線するおそれが低くなる。
また、本実施形態の高強度ワイヤロープ1では、上記のように、ロープ心2を構成する心ストランド4が比較的滑らかな外周面4aを有し、心ストランド4の外周面4aにおける曲率半径が側ストランド3の最外層の素線12の外周面12aにおける曲率半径より大きく、かつ、ロープ心2の素線5〜7と側ストランド3の最外層の素線12との引張強さの比である素線強度比が90%以下に設定されているので、ワイヤロープ1の破断荷重を高くするために、ワイヤロープ1を構成する素線5〜12(とくに、側ストランド3の最外層の素線12)の引張強さを高くしたことによって素線の靭延性が低下したとしても、後述するより減り率の増大を(例えば20%以下に)抑えることが可能であり、かつ、ロープ心2の早期断線を抑制することができる。これにより、ワイヤロープ1の破断荷重を向上させることが可能である。
本実施形態の高強度ワイヤロープ1では、上記のように、ロープ心2を構成する心ストランド4が滑らかな外周面4aを有し、心ストランド4の外周面4aにおける曲率半径が側ストランド3の最外層の素線12の外周面12aにおける曲率半径より大きく、かつ、ロープ心2の素線と側ストランド3の素線との引張強さの比である素線強度比が90%以下に設定されているので、ひずみ時効の進行により、ワイヤロープ1の各素線の靭延性が低下した場合でも、より減り率の増大を(例えば20%以下に)抑えることが可能であり、かつ、ロープ心2の早期断線を抑制することができる。これにより、ひずみ時効が進行した場合でも、ワイヤロープ1の破断荷重を向上させることが可能である。
本実施形態の高強度ワイヤロープ1では、心ストランド4の滑らかな外周面4aが異形線7の外周面によって構成されているので、従来の異形線7の製造技術によってロープ心2の平坦な外周面2aを容易に形成することが可能である。
本実施形態の高強度ワイヤロープ1では、心ストランド4は、異形線7を含む複数の素線がより合わされて構成された異形ストランドからなるので、各心ストランド4の外周面4aは、異形線7によって滑らかな略円筒面状に形成することが可能である。そして、滑らかな外周面4aを有するこれら心ストランド4同士をより合わせて異形ロープからなるロープ心2を構成することにより、ロープ心2内部においても、心ストランド4同士の接触による圧力を分散することができるので、ロープ心2の早期断線を抑えることが可能である。
本実施形態の高強度ワイヤロープ1では、ロープ心2の各素線5〜7の破断荷重および側ストランド3の各素線8〜12の破断荷重の合計である集合破断荷重をBw、ワイヤロープ1全体の破断荷重である実際破断荷重をBとして、より減り率Ls=(1−B/Bw)×100で表される場合において、当該より減り率Lsが20%以下であるように設定されるのが好ましい。これにより、ワイヤロープ1の破断荷重をより向上させることが可能である。
上記実施形態では、ロープ心2の素線5〜7と側ストランド3の最外層の素線12との引張強さの比を素線強度比として、当該素線強度比が90%以下に設定されている例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロープ心2の各素線5〜7と側ストランド3の素線8〜12のうちのいずれか1本との引張強さの比を素線強度比として設定してもよい。
[実験例]
ここで、上記の本実施形態に係るワイヤロープ1(後段の表2〜3に示される実施例1〜2に対応するワイヤロープ)は、以下のような手順で製造した。
原料線として、以下の表1に示すように、比較例1〜4のための比較材、および実施例1〜2のための実施材、を用いて比較例1〜4および実施例1〜2のためのワイヤロープを製作した。
上記の表1に示す原料線に鉛パテンチングを施した後、それぞれの原料線を以下の表2に示される減面率でそれぞれ伸線加工することにより、当該表2に示す素線引張強さを有するワイヤロープ素線(すなわち、ロープ心の素線および側ストランドの外層素線)を得た。なお、ワイヤロープの素線特性評価は、JIS G 3525に準拠し、引張試験、捻回試験、および巻解試験をそれぞれ実施した。
上記の表2に示されるワイヤロープ素線を使用して、実施例1〜2のために、本実施形態のワイヤロープ1(図1〜2参照)を上記の構成で製造した。
上記の表2に示されるワイヤロープ素線を使用して製造された比較例1〜4にかかるIWRCワイヤロープ31(図3〜4参照)と、本発明の実施例1〜2にかかるワイヤロープ1(図1〜2参照)とを、それぞれ静引張試験を行った。
(表2〜3の製作ロープNo.1)比較例1のワイヤロープは、ロープ心としてIWRCを有しており、ストランド外層素線の減面率が87%であり、ロープ心とストランド外層素線の強度比が96%(表2参照)のロープである。
比較例1(同製作ロープNo.1)と比較例2(同製作ロープNo.2)との比較により、ロープ心と側ストランド素線の減面率が90%を超えるとロープ心の早期断線が発生し、高いワイヤロープ破断荷重BLを得ることができないことがわかった。
上記実験例では、ひずみ時効が高強度ワイヤロープに及ぼす影響を確認・評価する方法として、ワイヤロープ本体の加熱促進処理を実施した。この処理は、時効促進処理と呼ばれるものであり、具体的には以下のように行われる。
Dt=3.94×10−7exp{(80.3kJ/mol)/RT}m2/s (式2)
2 ロープ心
3 側ストランド
4 心ストランド
5、6、7、8、9、10、11、12 素線
Claims (1)
- 複数の素線がより合わされて形成された心ストランドを複数本より合わせて形成されたロープ心と、
複数の素線がより合わされて形成された側ストランドであって、前記ロープ心の周囲により合わされた複数の側ストランドと
を備えており、
前記心ストランドの最外周の素線は、当該心ストランドの外側を向く面が当該心ストランドの内側を向く面よりも広い略台形断面形状の異形線からなり、
前記心ストランドは、滑らかに全周にわたって連続するように前記異形線の外周面によって構成された外周面を有しており、
前記側ストランドの素線は、前記心ストランドの外周面に接触しており、
前記心ストランドの外周面における曲率半径は、前記側ストランドの最外層の素線の外周面における曲率半径より大きく、
前記ロープ心の素線と前記側ストランドの素線との引張強さの比である素線強度比が、90%以下である、
ことを特徴とする、高強度ワイヤロープ。
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