JP5683678B1 - 回転球体支持装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ボールベアリングにおけるボールは、一般にステンレス鋼またはクロム鋼が材料として使用される。このような金属によるボールは、電動機に使用された場合に電蝕が生じ易く、屋外に設置される機器等においては、その導電性によって落雷で機器等が破損するという問題がある。
セラミックス製ボールは、セラミックス粉末、焼結補助剤および添加物を原料とし、一対の半球凹状の型を使用して、型の合わせ部分に生じ表面を一周する凸状の帯を有する略球形のボール(グリーンボール)がはじめに成形される(特許文献1,2)。
バレル研磨では、凸状の帯の選択的な除去が期待できるが、この帯以外の部分も一定の割合で削り取られる。また、ラップ盤による凸状の帯の除去については、焼結後のセラミックスの硬度が高いために、作業に長時間を要する。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、表面に凹凸が存在する球体の回転を特定の軸回りに安定して行わせる回転球体支持装置を提供することを目的とする。
回転球体支持装置は、加工装置に直接的または間接的に一体化されるウォブルシュー保持部と、揺動軸を介して揺動自在にウォブルシュー保持部に支持されるウォブルシューと、を有する。
一対のローラ軸は、揺動軸を挟んで配されかつ揺動軸に直交し、およびそれぞれの軸心が同一平面内に存在して軸心の延長が鈍角で交わる。
好ましくは、ウォブルシューにおける一対のローラは、面対称に配される。面対称の対称面は、ローラ軸の軸心を含む平面に直交しかつ揺動軸の軸心を含む平面である。
回転球体支持装置1は、基部2およびウォブルシュー部材3で構成される。
回転球体支持装置1は、例えば、一対の半球凹状の型を使用してセラミックス粉末等から球体(グリーンボール)を成形する際に球体の表面に生じた凸状の帯を砥石により除去する研磨装置4に、一体化されて使用される。
基台11は、例えば研磨装置4に固定されて基部2を研磨装置4に一体化させる。基台11は、研磨装置4と支持部12との間を占め、研磨装置4から支持部12が所定の高さに配されるように、適切な厚さを有する。
支持部12は、厚板で形成され一端が基台11に連続して上方に延びている。支持部12は、前から見たとき「L」字状となるように、全体の高さの3分の1に満たない部分から上方の範囲でその厚さが略半分になっている。
支持部12は、高さの3分の1で厚さが略半分となったことによりその下の部分に上方を向く平面が形成され、この平面は、前方から後方に傾斜する。以下この傾斜する面を「傾斜面13」という。傾斜面13は、基部2が固定される研磨装置4の表面41(平面である)に対して17.5度傾斜する。
ウォブルシュー保持部21は、支持部12における傾斜面13から上の部分の厚さに略等しい幅の厚板により、全体として細長く形成されている。以下、ウォブルシュー保持部21について、図2,3における横方向を「幅方向」といい、図1における(17.5度で)傾斜する横方向を「厚さ方向」という。参考までに、ウォブルシュー保持部21の厚
さ方向とは支持部12の厚さ方向に直交する方向である。
ウォブルシュー22は、ローラ保持部26および2つのローラ27,27で構成される。
ローラ保持部26は、形状が、挟持部24a,24bと同じ大きさの底辺両端の内角を有する等脚台形であり、挟持部24a,24bの間隙よりもやや小さな厚さを有する。ローラ保持部26は、面対称である等脚台形の対称面にその軸心が一致する貫通孔28を備える。
ローラ27は、外形が径に比べて高さが小さな円柱(の円板)であり、ローラ軸30の回りをわずかな力で回転するようにベアリングを介してローラ保持部26に取り付けられている。
ウォブルシュー22は、その形状が、ローラ保持部26の対称面をその対称面とする面対称である。
貫通孔28は、ウォブルシュー22の重心または重心近くに設けられ、また、揺動軸31にはニードルベアリングが組み込まれて、ウォブルシュー22は容易に揺動する。ローラ保持部26における等脚台形の下底に相当する下側面32は、挟持部24a,24bにより形成された切り欠きの底面(挟持部24a,24b間の空間の奥底の面であり平面である)33から距離を有する。下側面32と底面33との距離の大小によりウォブルシュー22の揺動範囲が意図的に決められる。
図1,3,4には、焼結前のセラミックス粉末等によるグリーンボールWから、表面の
凸状の帯Wbを除去する研磨装置4の一部が示される。
研磨装置4において、一対のテーパローラ42,42およびプレッシャローラ43が、回転球体支持装置1の機能を補助する。
一対のテーパローラ42,42は、研磨対象であるグリーンボールWを回転させるためのものである。一対のテーパローラ42,42は、それぞれの回転軸の軸心が一致するようにかつ互いに間隔を有して配され、回転駆動装置に連結されて同じ回転数で回転する。テーパローラ42,42は、いずれも回転中心O−Oの一方の側が端に向かって徐々に径が小さくなっており、それぞれの径が小さい側の端面が対向している。一対のテーパローラ42,42は形状が面対称である。また、一対のテーパローラ42,42は、その面対称の対称面が、面対称であるローラ保持部26の対称面に一致するように配される。なお、回転球体支持装置1のローラ27,27は、グリーンボールWとの接点がテーパローラ42の回転中心O−Oよりも低くなるように調整される。
プレッシャローラ43は、グリーンボールWの重心よりも上方でグリーンボールWをテーパローラ42,42側に押圧する。プレッシャローラ43のグリーンボールWへの押圧は、支持部材44が有する付勢手段により行われる。
凸状の帯Wbの除去は、次のようにして行われる。
グリーンボールWを、凸状の帯Wbがテーパローラ42,42の対称面と平行になるようにローラ27,27のあいだに位置させ、回転球体支持装置1(ローラ27,27)、および2つのテーパローラ42,42に保持させる。
支持部材44に支持されたプレッシャローラ43を、グリーンボールWの重心よりも高い位置でグリーンボールWに押圧させる。円筒状の砥石51は、その軸心の延長が球体と仮定した場合のグリーンボールWの重心を通り、かつ面対称であるウォブルシュー22の対称面に含まれる姿勢で、グリーンボールWの上方に押しつけられる。砥石51の押しつけは、エアシリンダ装置、バネ等の付勢力により行われる。
るように(図1の矢印参照)、所定の回転数で回転される。
図5は回転球体支持装置1の動作を説明する図、図6はウォブルシュー22を有しない回転球体支持装置の動作を示す図である。
大きなボールベアリングに用いられる径の大きなグリーンボールWは、一対の半球凹状の型により成形され、凸状の帯Wbのほかに、表面に小さな凹凸が無数に存在する。例えば、グリーンボールWの回転軸C−Cの一方の側に凸部分Wpが存在するとき(図5(a)には説明用に大きく誇張された凸部分Wpが示される)、回転球体支持装置1は、そのウォブルシュー22が、揺動軸31を中心として凸部分Wpが存在する側に揺れ、凸部分Wpに接するローラ27が下降する。同時に、凸部分Wpに接しない側のローラ27は持ち上げられ、グリーンボールWの姿勢が維持されて回転軸C−Cと帯Wbとの位置関係が変化することなくグリーンボールWは回転を持続する。
回転球体支持装置1は、ウォブルシュー保持部21を基部2(支持部12)に固定せず、バネ、エアシリンダ装置等を介して上方に付勢された状態で基部2(支持部12)に一体化してもよい。
ウォブルシュー部材3は、ウォブルシュー22の揺動を制限する手段を設けないのが好ましいが、図5に示される動作を妨げない条件で、面対称であるウォブルシュー22の対称面が垂直となる姿勢に戻すための付勢手段を付属させてもよい。
4 研磨装置(加工装置)
21 ウォブルシュー保持部
22 ウォブルシュー
27 ローラ
30 ローラ軸
31 揺動軸
W グリーンボール(球体)
Claims (2)
- 球体を回転させて加工する加工装置において前記球体を保持するために使用される回転球体支持装置であって、
前記加工装置に直接的または間接的に一体化されるウォブルシュー保持部と、
揺動軸を介して揺動自在に前記ウォブルシュー保持部に支持されるウォブルシューと、を有し、
前記ウォブルシューは、
一対のローラ軸と、
前記ローラ軸回りにそれぞれ回転自在に支持されたローラと、を有し、
前記一対のローラ軸は、前記揺動軸を挟んで配されかつ前記揺動軸に直交し、およびそれぞれの軸心が同一平面内に存在して前記軸心の延長が鈍角で交わる
ことを特徴とする回転球体支持装置。 - 前記ウォブルシューにおける一対の前記ローラが面対称に配されており、
前記面対称の対称面が、前記ローラ軸の軸心を含む平面に直交しかつ前記揺動軸の軸心を含む平面である
請求項1に記載の回転球体支持装置。
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