本発明の実施形態について詳述するに際し、本発明に係る方法を行う際に好適に用いられるロードポート装置について以下に図面を参照して説明する。該ロードポート装置100を側方から見た状態を図1に示す。なお、同図中には、該ロードポート装置100が取付けられる半導体処理装置側の取付け面50も同時に図示している。取付け面50にはロードポート装置100を支持する固定側支持部51、該固定側支持部に設けられた位置調整手段53、及び固定側固定部55が設置されている。固定側支持部51は、取付け面50の下端両隅に各々一個配置されて当該ロードポート装置100を主として支持する。また、位置調整手段53は例えば公知のボルトナット等から成り、後述する接続プレート111を介してロードポート装置100の取付け面50に対する取付け位置の調整を可能としている。固定側固定部55は固定側支持部51の配置に対応して各々の上方において水平方向で一対となるように配置され、ロードポート装置100の高さ方向の中央近傍に一対、及び上端に一対配置される。これら固定側固定部55により、取付け面50に対するロードポート装置111の固定が為される。
図に示すロードポート装置100は、接続プレート111、メインベース113、載置台115、ドア117、開口部カバー部材121、ロードポート移動機構150及び不図示のドア駆動機構を有する。接続プレート111は前述した固定側固定部55及び固定側支持部51各々に対応して配置され、これらの水平方向の対に対面するように取付け面50に対して平行且つ各々も平行に延在するように配置される板状の部材より構成される。本発明に係るロードポート装置は、ウエハが挿脱される開口を有して該ウエハが収容されるポッド(不図示)に対し、その蓋を開閉して該開口を介してポッドへのウエハの挿脱の実施を可能とする。なお、ウエハは本発明における被処理物に対応する。載置台115上にはこのポッドが載置される。また、ドア117は、載置台115上に載置されたポッドの蓋を保持可能であって、動作時においては取付け面50に対して半導体処理装置の内部側から後述する第一の開口部123の開閉を行う。
メインベース113は一対として用いられ、各々が個々の接続プレート111に対して接続されており、接続プレート111を介して取り付け面50に対して垂直に並立するように配置される。また、メインベース113は、載置台115の下方に配置されて、該載置台115及び該載置台115に付随してこれに載置されたポッドを駆動する不図示のポッド駆動機構を支持する。また、本形態において、メインベース113は、不図示のドア駆動機構を介してドア117を支持する。開口部カバー部材121は、取付け面50に設けられた半導体処理装置側の取付け面側開口部57を閉鎖して、外部空間から半導体処理装置内にいたる経路を、ドア117により開閉可能な第一の開口部123に制限している。当該開口部カバー121も、メインベース113に対して固定されている。
ロードポート装置100の下端に配置される接続プレート111について、当該接続プレート111が固定側支持部材51に支持された状態を図4に拡大して示す。該接続プレート111には、固定側支持部51と当接可能なローラ状の被支持部材112aが配置され、当該被支持部材112aが固定側支持部51により支持されることでロードポート装置100自体の支持が為される。また、当該接続プレート111には、その両端に配置される被支持部材112aの内側に締結固定手段112bが配置され、取付け面50側に配置される締結部59に対して当該締結手段112bが固定される。これら締結部59及び締結手段112bによって、取付け面50の下端に対するロードポート装置100の固定が行われる。これらロードポート装置100側の被支持部材112a等と取付け面50側の締結部59等との対応関係を参考のために、図2中において矢印にて示す。
次に本発明において高さ変更手段として機能するロードポート移動機構150について詳述する。図3は図1に示したロードポート装置100におけるロードポート移動機構150を拡大して示している。ロードポート移動機構150は、取付け面50側に配置される第一の支持ユニット160と、該第一の支持ユニット160よりも取付け面50よりも離れて配置される第二の支持ユニット180とを有する。ここで、第一の支持ユニット160及び第二の支持ユニット180は、共に向かい合って配置される一対のメインベース113各々の外側面下端に1つずつ配置される。第一の支持ユニット160は、被支持部材112aとの相対高さが変更、変化可能となっている。第一の支持ユニット160は、前方車輪161、前方車輪支持部163、前方車輪調整ボルト165、支持部固定ボルト166、支持スライダ167、及び支持スライダ固定治具169を有する。ロードポート装置100が取付け面50に取付けられる際に、一対の前方車輪161は共に取付け面50から等しい距離に位置するように配されている。即ち、第一の支持ユニット160は取付け面50から等しい距離に一対配置される。
メインベース113は下端より上方向に延在するガイド溝113aを有し、支持スライダ167が該ガイド溝113aに対して上下方向にスライド可能に収容される。スライダ固定治具169は、例えばボルト等から構成される。支持スライダ167に設けられた上下方向に延在する長孔167aを介して、メインベース113のガイド溝113a内に設けられたネジ孔169aと該スライダ固定治具(本形態ではボルト)169との締結等より、支持スライダ167とメインベース113との位置関係を調整し且つ固定する。前方車輪161は、前方車輪支持部163によって動作可能に支持される。該前方車輪支持部163は支持スライダ167により支持されており、前方車輪調整ボルト165によって支持スライダ167との位置関係、特にガイド溝113aの延在方向に関して位置関係の調整が可能とされており、支持固定ボルト166と支持スライダ167に設けられたネジ孔との締結により支持スライダ167に対して固定される。
第二の支持ユニット180は、第一の支持ユニット160とは異なる位置に独立して配置され、後方車輪181、後方車輪支持部183、後方車輪調整ボルト185、及び支持固定ボルト187を有する。後方車輪181は、後方車輪支持部183によって動作可能に支持される。該後方車輪支持部183はメインベース113により支持されており、後方車輪調整ボルト185によってメインベース113との位置関係、特にメインベース113のガイド溝113bの延在方向に関して位置関係の調整が可能とされている。支持部固定ボルト187は後方車輪支持部183に設けられた上下方向に延在する長孔187aを介してメインベース113のガイド溝113a内に設けられたネジ孔と締結する。なお、後方車輪181の配置は、取付け面50にロードポート装置100を取付ける際に、前述した前方車輪161に対して取り付け面50よりも遠い位置とされる。第一の支持ユニット160における前方車輪161の位置調整範囲は、位置調整可能な支持スライダ167を介してメインベース113による支持を為す態様とすることにより、第二の支持ユニット180における後方車輪181の位置調整範囲よりも大きく設定されている。
なお、これら支持ユニット160、180における車輪の位置調整機構は、公知の所謂ボルトナット、及び長孔を組み合わせることにより構成している。しかし、上述した調整範囲の相違を確保し且つ取付け面50に対してロードポート装置100の的確な位置決めが可能であれば、その他の種々の構成からなる位置決め機構を用いることが可能である。また、ロードポート装置100が搬送される床10との位置関係を調整し、且つその調整範囲が床との距離において上述の条件を満たせば、各々の車輪調整ボルト165、185及び支持スライダ167による個々の車輪161、181の調整方向は上述したガイド溝113aの延在方向に限定されない。
次に、本発明の第一の実施形態である、当該ロードポート装置100の実際の取付け面50への取付け方法について説明する。図5、8A、9A及び10Aは、図1と同様の様式にて、取付け前の段階での取付け面50及びロードポート装置100を夫々示している。取付け前の段階では、前方車輪161及び後方車輪181が回転可能に床10に当接しており、ロードポート装置100自体を移動可能としている。また、前方車輪調整ボルト165、支持スライダ167、及びスライダ固定治具169、及び後方車輪調整ボルト185により、被支持部材112aが固定側支持部51よりも高い位置に存在するようにメインベース113の床からの位置が調整されている。即ち、取付け高さの範囲の上端を超える位置、予め定められた所定の高さよりも高い位置に被支持部材112aが配置されるように予め前方車輪161及び後方車輪181の位置をセットしておく。なお、被支持部材112aは固定側支持部51(支持部)に支持されてロードポート装置100の取付け高さを規定している。この状態でロードポート装置100の開口部カバー部材121が取付け面側開口部57を閉鎖するように、ロードポート装置100を取付け面50に接近させる。この接近操作は、各接続プレート111は図中矢印にて示されるように、設けられた貫通孔に対応する固定側固定部55が挿貫し、且つ対応した固定側支持部51の真上に被支持部材112aが位置するところで停止される。なお、該貫通孔は前述した取付け高さ範囲に対応する開口広さを有し、前述した両輪によりセットされたロードポート装置の高さ範囲の上端にあっても、固定側固定部材55の挿貫が可能となるように構成される。この、接近の際の固定側支持部51と被支持部材112aとの位置関係の変化について、図5において円にて囲った領域を拡大して時系列的に図6及び図7に示す。
開口部カバー部材121と取付け面50との間隔が所定の距離以下となった図7に示す状態となった段階で、ロードポート装置100の移動を停止する。次いで、図8Aに示すように、前方車輪調整ボルト165及び後方車輪調整ボルト185を調整して、メインベース113を床10方向に降下させる。即ち、前方車輪161及び後方車輪181各々のロードポート装置100本体に対する配置を、個別相対的に移動させる。即ち高さ変更手段を操作して前記被支持部材の相対高さを下げる操作を行う。なお、各々の車輪の相対移動は個別に行われることが好ましいが、例えば独立したロードポート装置100用のリフト機構等を用いて同時に行うこととしても良い。この操作により、被支持部材112aが固定側支持部51に当接し、メインベース113の降下が停止される。この当接状態を、図6或いは7と同様の様式にて図8Bに示す。続いて、固定側固定部55に対する接続プレート111の仮固定、及び締結部59に対する締結手段112bの仮固定を行う。その際、一対の前方車輪161は両者共に床10に接しており、当該前方車輪161によってもメインベース113は床10より支持されている(図9A及び9B参照)。なお、図9B及び後述する図10Bは、後方車輪181が配置される位置から前方車輪161或いは固定側支持部51を見た状態を模式的に示す図である。
仮固定によりロードポート装置100の取付け面50からの離間が防止できた後、第一の支持ユニット160によるメインベース113の支持を停止する。即ち、支持スライダ167及びスライダ固定治具169を用いて前方車輪161を大きく上昇させ、該先方車輪161が床10と設置する余地を無くす。この状態を図10B及び10Bに示す。また、後方車輪181も後方車輪調整ボルト185の操作によって床10より離間させても良い。次いで、位置調整機構53を調整することにより取付け面50に対するメインベース113、載置台115等の配置の微調整を行う。また、仮固定していた接続プレート111等の固定具合を調節して、取付け面50に対するメインベース113、開口部カバー121等の傾き等の微調整を行い、その上でロードポート装置100を取付け面50へ正式に固定する。以上の操作を行うことにより、ロードポート装置100を持ち上げる等を為す負荷の大きな作業を行うことがなくとも、重量の大きなロードポート装置100を取付け面50に対して容易且つ好適に固定することが可能となる。
また、本発明の如く、前方車輪161を単独にて昇降可能としていることから、後方車輪181にて部分的にロードポート装置100の重量を担わせた状態で取付け面50への接続プレート111の位置調整を行うことが容易である。このことから、ロードポート装置100の取付け姿勢の調整が容易となる。更に、前方車輪161と後方車輪181とを独立して昇降可能であることから、何れか一方を床10から僅かに離す等によって取付け面50に対するロードポート装置100の傾きも調整可能である。従って、例えば取付け面50側に傾けて取付け操作を行うことによってより安全に取付け操作を行うことも可能となる。また、前方車輪161の床10からの離間操作を、微少量の昇降を行う前方車輪調整ボルト165及び支持部固定ボルト166と、相対的に長い長さの昇降を行う支持スライダ167及びスライダ固定治具169と、により行う態様としている。これにより、メインベース113と床10との微小な位置調整と、前方車輪161の床10との当接可能性のない位置への迅速な移動と、の両立が可能となる。
なお、ロードポート装置100の固定後、第二の支持ユニット180は後方車輪181を降下させて床10と当接させておくことが好ましい。例えば、何らかの原因によって中段及び上段の接続プレート111の固定が解除された場合であっても、当該後方車輪181が設置していることにより、ロードポート装置100が取付け面50から離れて倒れることを防止することが出来る。この場合、この倒れ防止効果を好適に得るために、図示の如く後方車輪支持部183をL字型の構造とし、メインベース113の接続プレート111との連結側端面とは逆の端面より、後方車輪181がその外方に突き出すように配置されることが好ましい。また、本実施形態では第二の支持ユニットを一対配置する構成を例示しているが、これを単体として用いても良い。この場合、当該後方車輪181は一対のメインベース113が向かい合う中間点に配置される等、前方車輪161と協同してロードポート装置100を安定的に支持できる位置に配置されれば良い。
また、例示したロードポート装置100では、接続プレート111の取付け面50への固定は、所謂ボルト-ナット様式により固定することとしている。しかし、本発明は当該様式に限定されるものではなく、より好適には位置調整が可能な公知の種々の締結、固定構造を用いることが可能である。また、該ロードポート装置100は、接続プレート111を介して位置決めされた各々板状の一対のメインベース113によって載置台115、ドア117等が支持される構造とすることによって、軽量化が図られた構造を例示している。しかし、従来から公知の、取付け面50に対して平行に配置される板状態をベースプレートとし、種々の構成を当該ベースプレートによって支持する態様からなるロードポート装置を用いることも可能である。この場合、ベースプレートより当該ロードポート装置100におけるメインベース113に対応する構造体を付加し、該構造体に対して第一の支持ユニット160及び第二の支持ユニット180を配置すれば良い。
従って、第一の支持ユニット160及び第二の支持ユニット180が取付けられる部材は、本形態における接続プレート111及びメインベース113を含む構造体として、即ち取付け面50に直接的に取付けられ且つこれら支持ユニットにより支持されるベース部材として総称される。該ロードポート装置100に例示される構成の場合は、取付け面50に固定可能であって取付け面50に平行に延在する接続プレート111と、接続プレート111に連結されて接続プレート111の取付け面50への固定時に取付け面50より突出するように配置される板状体からなるメインベース113と、からベース部材が構成されると言える。なお、本形態の如くメインベース113に対してこれら支持ユニット160、180を直接配する構成とすることにより、各々の車輪161、181がロードポート装置100より荷重を受ける際の剛性を確保することを可能としている。
次に、本発明に係るロードポート装置100の取り付け方法を実行するに際して好適に用いられる、本発明の一実施形態であるロードポート装置の運搬架台1の一態様について説明する。図11Aは該運搬架台1を側方から見た状態での概略構成を示し、図11Bは同図における矢印11B方向から運搬架台11を見た状態の概略構成を示し、図11Cは図11Aにおける矢印11C方向から運搬架台1を見た場合の概略構成を各々示している。なお、これら図中においては、前述したロードポート装置100が該運搬架台1に支持された状態を二点鎖線にて示している。また、前述したロードポート装置100において説明された構成であって、本運搬架台1においても例示される構成に関して同じ参照番号によりこれを示し、詳細な説明については以下の説明において省略することとする。
該運搬架台1は、支持枠体11、懸架枠体13、脚部15、及びキャスター部17を主たる構成として有する。支持枠体11は平行に配置された一対の平行部11aと各々の平行部11aの一方の端部を接続する一対の接続部11bとから構成されるコの字状の部材からなり、床面10に対して該コの字を含む平面が略平行となるように配置される。懸架枠体13も同様にコの字状の部材からなり、該コの字の開放部の2端が支持枠体11において平行に延在する平行部11aにより支持される。即ち、懸架枠体13は、床面10に対して略平行に配置される支持枠体11の平行部11a上において、該支持枠体11より垂直に起立するように支持、固定される。脚部15は、支持枠体11の平行部11a各々の両端部に配置され、脚部底面15aが床面10と当接して支持枠体11を床面10から所定の高さに支持する。脚部15は例えば所謂ボルト-ナット様式で平行部11aに対して取付けられており、支持枠体11に対して脚部底面15aが相対的にその距離を変化させることが可能となっている。キャスター部17は車輪部17aが床面10と接触可能であり、該車輪部17aを駆動可能に保持する車輪保持部17bにより支持枠体11に取付けられる。本形態では、キャスター部17は脚部15に対応して各々の近傍、本形態では脚部15の内側に配置されており、脚部15と同様に車輪部17aと支持枠体11との距離を相対的に変化させることが可能となっている。車輪保持部17bに設けられている長孔に沿ってキャスター部17は昇降可能であり、該長孔内に配置されるボルトと平行部11aに設けられるネジ孔とが締結してキャスター部17が支持枠体11に対して固定される。なお、本実施形態では、脚部15は支持枠体11に配置されて該支持枠体11を床面10と平行に支持し且つ該床面10に垂直な方向に対して該支持枠体11を相対的に移動可能としているが、支持方向及び移動方向は前述した所定高さの維持及び高さの変更が可能であれば当該方向に限定されない。また、該床面10に対して支持枠体11を平行に移動可能なキャスター部17についても支持方向及び移動方向に関して同様である。
懸架枠体13は、脚部15及びキャスター部17による支持枠体11の支持位置よりも支持枠体11の重心側であって、ロードポート装置100が懸架された状態において懸架枠体13とロードポート装置100とを加えた構造物の重心が支持枠体11の重心位置と一致するように配置されている。また、懸架枠体13のロードポート装置100を取付ける懸架面13aには、前述した取付け面50と同様の構成である、ロードポート装置100を支持する懸架枠固定側支持部151、該懸架枠固定側支持部に設けられた懸架枠位置調整手段153、懸架枠固定側固定部155、及び懸架枠締結部159が設置されている。実際にロードポート装置100を保持し、運搬する際には、これら構成を用いて半導体処理装置の取付け面10に対してロードポート装置100を取付ける際と同様の様式にて該ロードポート装置100を懸架面13aに対して固定する。
次に、該運搬架台1に対してロードポート装置100を支持させる際の手順について説明する。図12A〜12Dは運搬架台1に対するロードポート装置100の取付け手順を順次示すものであって、各々図11Aと同様の態様にて各段階での状態を各々示し、図12A〜12Cは床面10近傍のみを、図12Dは全体像を各々示している。まず、キャスター部17によって床面10から所定の高さに維持されている支持枠体11のコの字の内側に、ロードポート装置100を侵入させ、被支持部材112aが懸架枠固定側支持部151の直上となるように配置させてロードポート装置100を停止させる。その際、ロードポート装置100における被支持部材112aの床面10からの高さが、取付け面50における固定側支持部51の床面からの高さよりも所定の基準範囲以上高くなるように予め調整しておく。また、運搬架台1に関しては図12Aに矢印にて示すように、キャスター部17の車輪部17aを支持枠体11に最も近づけた状態、即ち支持枠体11が床面10に対して最も近づいた状態となるように予め調整しておく。同時に、脚部15も脚部底面15aが床面10より離れた状態としておく。
ロードポート装置100の所定位置での停止後、ロードポート装置100に関しては接続プレート111を懸架枠固定側固定部155に対して懸架面13aに対して移動可能なレベルで仮止めする。次に、図12B示すように脚部15を支持枠体11から離すように動かして脚部底面15aを床面10に接触させ更に当該動作を継続して車輪部17aを床面10から浮かせる或いは持ち上げる。当該動作に伴って懸架枠側固定支持部151が被支持部材112aと当接し、更に該被支持部材112aを介してロードポート装置100自体も床面10より離される。このロードポート装置100は仮固定されているため、ロードポート装置100は後方車輪181側に倒れることなく、上方に持ち上げられる。即ち、ロードポート装置100の前方車輪161及び後方車輪181が床面10から離れた状態が得られる。この状態で脚部15の調整を停止し、続いて図12Cに示すようにキャスター部17の車輪部17aを支持枠体11から離す方向への位置調整を行う。当該調整は、車輪部17aの全てが床面10に接触した段階で停止される。また、キャスター部17も、支持部11を支持する状態となる。
この状態より図12Dに示すように脚部15を上昇させ、床面10から離す。以上の操作を経ることにより、ロードポート装置100を支持した運搬架台1がキャスター部17により床面10上を移動可能な状態となる。この状態より運搬架台1を移動させることによって、ロードポート装置100を容易に移動させることが可能となる。また、予めロードポート装置100における被支持部材112aの床面10に対する高さを設定し、この設定状態を維持したまま半導体製造装置の取付け面50近傍まで搬送することが可能となる。従って、被支持部材112aが取付け面50の固定側支持部51により相対的に高い姿勢でロードポート装置100が導入されることとなり、取付け面50の近傍にロードポート装置100を持ち上げるための構成が不要となるという効果が得られる。従って、ロードポート装置100を下降させる動作のみで、これを取付け面50に取付けることが出来る。或いは、本実施形態において例示したロードポート装置100の場合には、ロードポート移動機構150に求められる高さ調整範囲を運搬架台1にある程度担わせることが可能となり、ロードポート装置100の構成の簡略化を進めることが可能となるという効果も得られる。なお、上記の手順ではロードポート装置100における前方車輪161及び後方車輪181と被支持部材112aとの相対高さは、運搬架台1に対してこれを載置する前に予め設定していることとしている。しかし、例えば図12B或いは図12Cに示した段階においてこの高さ設定を行うこととしても良い。当該段階にて高さ設定を行うことにより、高さ設定のための機構を配する必要が無くなり、取付け操作をより容易に行うことが可能となる。
なお、上述した実施形態では支持枠体11及び懸架枠体13をコの字状の形状からなることとしているが、ロードポートの支持手順で述べた操作が可能であればこれら構成の形状は該コの字状に限定されない。また、本実施形態では脚部15及びキャスター部17を支持枠体11における向かい合った平行部11aの外側であって、各々コの字状の四隅に配することとし、且つ脚部15が隅側に配置されることとしている。当該構成とすることにより構造上ある程度の高さを有した運搬架台1を安定した状態で移動させることが可能となる。しかし、支持枠体11の相対的上下動及び移動時の安定性が担保できれば、これらの配置或いは個数は当該形態に限定されない。また、脚部15及びキャスター部17の支持枠体11に対する相対高さの変更を為す構成は、例示した所謂ボルト-ナット様式に限定されず、スライダ、アクチュエータ、等種々の公知の位置調整用の機構を用いることが可能である。
次に、運搬架台1からロードポート装置100を降ろす手順について説明する。なお、当該手順の説明に際して、前述した運搬架台1とは異なる形態のものを例示してこれを用いる。また、前述した運搬架台1の構成と同様の構成或いは同様の作用、機能等を呈する構成に関しては同じ参照番号を用いてこれを示し、ここでの説明は省略する。本運搬架台1は、前述した実施例の如く懸架枠体13が単なる枠形状からなるのではなく、2つの枠体を連結して立体的な構造体としている。また、懸架枠体13側に配置されるキャスター部17は脚部15よりも外側、より詳細には懸架枠体13よりも外方に突き出した位置に配置されている。強度を増すために懸架枠体13を立体的とすること、当該配置にキャスター部17を設けることとにより、懸架枠体13が高さを有する構造体であるにもかかわらず、床面10に対する安定した移動を得ることが可能となる。
図13Aは、図11Aと略同様の様式にて運搬架台1に対してロードポート装置100が支持された状態を示している。また、図13Bは、図13Aに示した運搬架台1よりロードポート装置100が降ろされた状態を示している。以下、図12A等と同様の様式にてロードポート装置100を降ろす際のこれら構成の各段階の動作を図によって示し、実際の操作について詳述する。図14Aは、図13Aに示された状態について、キャスター部17、脚部15等の構成を拡大して示している。また、図14Bは、これら構成を図11Bと同様の様式であって且つこれらを拡大して示している。更に、図15Aは図14Aの次の段階であり、図15Bはその段階での図14Bに対応する図であり、図16は更に次の段階を、図17Aは図13Bの如く運搬架台1よりロードポート装置100が降ろされて分離可能となった状態を各々示している。
ロードポート装置1を降ろすに際して、まず図14Aに示すように、運搬架台1の前方及び後方の車輪部17aを各々上昇可能な状態となるように、該車輪部17aの指示枠体11に対する固定を解除する。同時に、ロードポート装置100を運搬架台1に対して固定するための締結手段112b、懸架枠固定側固定部155等の各部材を緩めておく。なお、この段階でロードポート装置100が運搬架台1から落下等によって急な分離を起こさないように、これら固定用の手段は緩める範囲に留めておく。車輪部17aは床面から適当な距離に離間可能な状態とするが、この段階では任意の位置での固定は行わない。
続いて図15A或いは図15Bに示すように、脚部15を操作して支持枠体11を現状位置から降下させ、床10に対して接近させる。この脚部15の操作は、ロードポート装置100における前方車輪161及び後方車輪181が床10に当接するまで行われる。その際、固定されていない車輪部17aは支持枠体11の降下に拘らず床10との当接状態を維持し、支持枠体11に対して相対的に上昇することとなる。前方車輪161及び後方車輪181が完全に接地し、ロードポート装置100が安定して床10によって支持された状態となった後、ロードポート装置100を運搬架台1に固定していた各種固定手段を完全に開放した状態とする。これにより、ロードポート装置100は運搬架台1によって支持される部分が大幅に減少する。但し、この状態では運搬架台1は脚部15によって支持されており床10に対する移動が出来ず、実質的には分離できない状態にある。
次に、図16に示すように、車輪部17aを更に上昇させ、上方端にて固定する。この状態で、更に脚部15の操作を改めて始め、支持枠体11を更に降下させて床10に接近させる。脚部15の操作は、図17A及び図17Bに示すように車輪部17aが再度床10に当接し、脚部15自身が床10から十分な距離だけ隔離するまで行われる。当該操作によって床10に支持されるロードポート装置100よりも更に下方に支持枠体11が降下し、接続プレート111に付随する部材と固定側支持部51に付随する部材との間が図17Bに示すように十分な隙間有する状態となる。この操作によってロードポート装置100と運搬架台1とを完全に分離し、各々別個に移動させることが可能となる。図13Bは、この状態を経た後にロードポート装置100と運搬架台1とを分離させた状態を模式的に示している。
なお、以上に述べた操作では、ロードポート装置100自体には何等操作を加えず、運搬架台1側のみの操作によってロードポート装置100を降ろす場合について述べた。当該構成では、運搬架台1に対して確実且つ安定してロードポート装置100の所謂積み降ろしを行うことが可能である。しかし、例えば図16に示す状態を得る際に、運搬架台1の移動を安全且つ静粛に行うために、車輪部17aを確実に動作範囲の上端に固定することが求められる。しかし、実際に当該操作が行われる所謂クリーンルーム等の空間は狭く、この操作に手間取る場合も考えられる。以下の実施形態は、このような場合を考慮したものである。
本形態では、前方側の車輪部17aが固定されており、支持枠体11に対する相対的な上下位置が変化できない構成を例示している。図18は本実施形態において支持枠体1上にロードポート装置100が載置された状態であって、図13A或いは図14Aに示す状態に対応した状態を示している。なお、本形態においても、前述した構成の各要素と同様のものについて同じ参照番号を用いてこれらを示すこととし、ここでの詳述は省略する。なお、図23はロードポート装置100が運搬架台1から分離可能となった状態を図18と同じ様式にて示すものである、図19、20、22はロードポート装置100を降ろす手順について主要部構成を拡大して段階的に示し、図21は図20から図22に至る途中で為される操作について、該運搬架台1とロードポート装置100とをロードポート装置100側から見た状態を各々示している。
本形態では、まず図19に示すように、予め後方車輪181を予め上方の所定位置に固定する。この状態で後方の車輪部17aのみの固定を緩めて上下方向への移動を可能とし、更に図20に示すように前方及び後方の脚部15を操作して前方車輪161を床10と接地させる。同時に後方車輪181を下方に移動させ、床10から所定の高さ、例えば20mmの位置にあらためて固定する。続いて、図21に示すロードポート装置100を運搬架台1に固定している各構成について、下部の接続プレート111を運搬架台1に固定している締結部59、上部の接続プレート111を固定側固定部55に固定している上部ボルト56a、及び中央部の接続プレート111を固定側固定部55に固定している中央部ボルト56bを、この順にて外していく。
この操作を行うことにより、ロードポート装置100はその自重によって後方車輪181側に徐々に傾き、後方車輪181が床10に接地することによりこの傾きが停止する。以上の操作によって、ロードポート装置100は床10によって支持された状態となる。また、その際、運搬架台1側の前方の車輪部17a及び後方の脚部15は床10によって支持され、上下動可能な後方の車輪部17aは床10と当接状態にある。ここで、後方の車輪部17aを床10から適当な高さに固定し、更に前方及び後方の脚部15を操作し、支持枠体11を降下させて床10に接近させることにより、図23に示すように、後方の車輪部17aも床10により支持された状態となる。以上の操作によって、ロードポート装置100及び運搬架台1が各々独立して床10に対して移動可能となり、これらの分離が終了する。以上の構成とすることにより、比較的操作が困難となる場合の多い前方の車輪部17aの上下操作を行うことなく、運搬架台1とロードポート装置100との分離が可能となる。
以上述べたように、本発明によれば、ロードポート装置の床面からの高さを調節可能とする機構をロードポート装置に付与し、当該機構により予め所定の取付け高さの範囲よりも高い位置に取付け用の各部材を配置し、取付け面とロードポート装置との水平方向の位置関係がある程度定まった段階でロードポート装置の高さを下げて取付け面に対して取り付ける態様としている。当該方法を用いることにより、大型化した半導体処理装置向けのロードポート装置であっても、容易且つ正確な取付けを実施することが可能となる。また、本発明に係る運搬架台を用いることにより、取付け面に対するロードポート装置の高さを容易且つ簡易な手法により予め設定し、その設定高さを維持した状態で半導体処理装置近傍までロードポート装置を搬送することが可能となる。従って、半導体処理装置近傍にロードポート装置の昇降用の機構等を配する必要が無くなり、所謂製造ラインの簡素化等も進めすことが可能となる。