JP5681269B2 - 液晶表示パネル - Google Patents

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Description

本発明は液晶表示パネルに関し、特に、カラーフィルター基板に平面視で薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)と重畳するように形成された遮光層が他の遮光層とは連結されておらず、島状に孤立している液晶表示パネルに関する。
液晶表示パネルはCRT(陰極線管)と比較して軽量、薄型、低消費電力という特徴があるため、表示用として多くの電子機器に使用されている。液晶表示パネルは、所定方向に整列した液晶分子の向きを電界により変えて、液晶層の光の透過量を変化させて画像を表示させるものである。これには外光が液晶層に入射し、反射板で反射されて再び液晶層を透過して出射される反射型のものと、バックライト装置からの入射光が液晶層を透過する透過型のものと、その両方の性質を備えた半透過型のものとがある。
また、液晶表示パネルの液晶層に電界を印加する方法として、縦電界方式のものと横電界方式のものとがある。縦電界方式の液晶表示パネルは、液晶層を挟んで配置される一対の電極により、概ね縦方向の電界を液晶分子に印加するものである。この縦電界方式の液晶表示パネルとしては、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード等のものが知られている。横電界方式の液晶表示パネルは、液晶層を挟んで配置される一対の基板のうちの一方の内面側に一対の電極が互いに絶縁して設けられており、概ね横方向の電界を液晶分子に対して印加するものである。この横電界方式の液晶表示パネルとしては、一対の電極が平面視で重ならないIPS(In-Plane Switching)モードのものと、重なるFFS(Fringe Field Switching)モードのものとが知られている。横電界方式の液晶表示パネルは広い視野角を得ることができるという効果があるので、近年、多く用いられるようになってきている。
また、液晶表示パネルの一方の基板には走査線と信号線によって区画されたサブ画素がマトリクス状に整列しており、夫々のサブ画素には液晶層に印加する電界強度を変化させるためのスイッチング素子としてのTFTが形成されている。このTFTに光が照射されるとリーク電流が流れるために正常な表示を行うことができないという問題が生じる。このために、従来から、液晶表示パネルの他方の基板、例えばカラーフィルター基板、にはTFTへ外光が照射されるのを防止するための遮光層が形成されている。また、他方の基板には非表示領域を隠すための遮光層や、配向が乱れるなど表示不良箇所を隠すための遮光層や、隣接サブ画素からの光漏れを防止するための遮光層等が形成されており、上述のTFT部分を覆う遮光層はこれらの遮光層と同一工程で一体に形成されている。
しかしながら、表示領域内に遮光層を設けると、遮光層の形成面積が広いため、その分だけ開口率が減少するという問題が生じる。また、表示領域内に遮光層を多く形成すると、液晶表示パネルの製造工程において、一方の基板と他方の基板とを貼り合わせる際に組みズレが生じた場合、表示領域内に形成された遮光層が本来遮光したい領域以外の領域にまではみ出すおそれがある。この場合、さらに開口率が低下してしまう。そこで、下記特許文献1や特許文献2に開示されている液晶表示パネルのように、遮光層の幅を狭くする方法や特定部分の遮光層をなくして開口率を向上させることが行われるようになってきた。そして、現在では、隣接するサブ画素間に形成されている隣接サブ画素からの光漏れ防止用の遮光層を除去しても、液晶表示パネルのスペックに支障がない程に技術が進歩してきている。
特開2007−249100号公報 特開2002−221726号公報
ところで、液晶パネルの他方の基板は、非表示領域の引き回し配線に駆動電流が流れることによって生じる電界により、帯電してしまう。例えば、液晶パネルの他方の基板に形成されている隣接サブ画素からの光漏れ防止用の遮光層を除去すると、平面視でTFTに重畳する遮光層は、島状に孤立した状態となり、隣接するTFT用の遮光層と連結されていない状態になる。このように、TFTに重畳する遮光層が互いに孤立した島状になると、非表示領域の引き回し配線に駆動電流が流れることによって生じる電界により、島状の遮光層が帯電し、帯電した電荷が島状の遮光層から逃げ難くなる。
このために、TFTに重畳する遮光層が互いに孤立した島状となっている液晶表示パネルでは、液晶分子の配向が乱れて表示不良(例えば、白表示のときの黒浮き)が生じ易くなる。この現象は、カラーフィルター基板に共通電極が存在していないFFSモードなどの横電界方式の液晶表示パネルや、帯電した電荷が逃げ難い樹脂製の遮光層を用いた液晶表示パネルの場合に特に生じ易い。従来は、このような島状に形成された遮光層を有する液晶表示パネルでは上述の問題点を解決することができなかったため、隣接するサブ画素間の走査線方向あるいは信号線方向の少なくとも一方に遮光層を形成して互いに電気的に連結させていた。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、互いに孤立した島状の遮光層に対して帯電防止策をとることにより、隣接するサブ画素間に形成されている光漏れ防止用の遮光層を除去することができるようにして、開口率を向上させた液晶表示パネルを得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示パネルは、液晶層を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板を有し、前記第1基板には表示領域と非表示領域とが設けられ、前記表示領域には、互いに絶縁された状態でマトリクス状に形成された複数の信号線及び走査線と、前記信号線及び前記走査線で区画されるサブ画素毎に形成された薄膜トランジスターとが設けられ、これらを覆った状態で前記表示領域と前記非表示領域とにわたって絶縁膜が設けられており、該絶縁膜はスルーホールを有するとともに、該絶縁膜の非表示領域下には複数の引き回し配線が形成されている液晶表示パネルであって、前記第1基板の非表示領域には、前記表示領域に沿って、前記表示領域と前記引き回し配線との間に静電気保護回路を備えるとともに、少なくとも前記絶縁膜の前記第2基板側に平面視で前記引き回し配線と重畳する位置に導電性のシールド層が設けられており、前記静電気保護回路はグラウンド電位に電気的に接続されるアース線を有し、当該アース線に前記シールド層が前記スルーホールを介して電気的に接続されていることを特徴とする。
シールド層はフローティング状態でもそれなりのシールド効果を奏することができるが、本発明の液晶表示パネルによれば、シールド層をグラウンド電位(アース電位)に接続されている状態としたので、シールド層の電位が安定化するためにシールド効果が高くなる。なお、グラウンド電位は、液晶表示パネルを駆動するためのドライバー回路の基準電位として何れの液晶表示パネルにも存在している電位である。
液晶表示パネルの周辺部には、静電保護用回路に電気的に接続されているグラウンド電位に維持された配線が形成されており、このグラウンド電位に維持された配線は液晶表示パネルを駆動するためのドライバー回路に接続されている。本発明の液晶表示パネルにおいては、シールド層は静電保護用回路に電気的に接続されているグラウンド電位に維持された配線に電気的に接続されているので、シールド層は短距離でグラウンド電位に接続されていることになる。なお、シールド層とグラウンド電位に維持された配線との間の電気的接続は、グラウンド電位に維持された配線上の各種絶縁膜にコンタクトホールを形成することによって容易に行うことができる。そのため、本発明の液晶表示パネルによれば、シールド層とグラウンド電位に維持された配線との間の電気的接続が容易となるとともに、シールド層とグラウンド電位に維持された配線との間の電気抵抗が小さくなるので、シールド層の電位がより安定化し、シールド効果が良好に現れるようになる。
本発明の液晶表示パネルにおいては、前記シールド層はコモン配線に接続されていることが好ましい。
液晶表示パネルの周辺部には、コモン配線が配設されている。このコモン配線は液晶表示パネルの一対の電極に印加される電圧の基準となる電圧が印加されている。そのため、本発明の液晶表示パネルにおいては、シールド層はコモン配線に電気的に接続されているので、シールド層は短距離でコモン配線に接続されていることになる。なお、シールド層とコモン配線との間の電気的接続は、コモン配線上の各種絶縁膜にコンタクトホールを形成することによって容易に行うことができる。そのため、本発明の液晶表示パネルによれば、シールド層とコモン配線との間の電気的接続が容易となるとともに、シールド層とコモン配線との間の電気抵抗が小さくなるので、シールド層の電位がコモン配線の電位に良好に追従し、シールド効果が良好に現れるようになる。
前記第1基板には、前記液晶層を駆動させるための少なくとも一つの電極を有し、前記シールド層は前記電極と同一の層に形成されていることが好ましい。
第1基板には、縦電界方式の液晶表示パネルの場合には画素電極が、横電界方式の液晶表示パネルの場合には画素電極及び共通電極が、それぞれ形成されている。そのため、本発明の液晶表示パネルによれば、縦電界方式の液晶表示パネルの場合であっても横電界方式の液晶表示パネルの場合であっても、シールド層を画素電極ないし共通電極と同一の材料で同一工程で形成することができるので、特にシールド層を形成するために製造工数が増加することがなくなる。
前記第1基板には、前記液晶層を駆動させるための一対の電極を有していることが好ましい。
横電界方式の液晶表示パネルは、第1基板上に画素電極及び共通電極からなる1対の電極が形成されている。そのため、本発明の液晶表示パネルは、IPSモードないしFFSモード等の横電界方式の液晶表示パネルとして作動するものとなる。しかも、横電界方式の液晶表示パネルは、第2基板には電極が形成されていないため、縦電界方式の液晶表示パネルよりも引き回し配線の影響を受け易い。そのため、本発明の液晶表示パネルによれば、シールド層を形成したことによる上記本発明の効果が特に顕著に現れる。
実施形態の液晶表示パネルのアレイ基板を示す模式平面図である。 図1のII部分の拡大図である。 図2のIII−III線の断面図である。 図2のIV−IV線の断面図である。 図2のV−V線の断面図である。 第1変形例の図3に対応する断面図である。 第2変形例の図3に対応する断面図である。
以下、実施形態及び図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
図1は実施形態の液晶表示パネルのアレイ基板を示す模式平面図である。図2は図1のII部分の拡大図である。図3は図2のIII−III線の断面図である。図4は図2のIV−IV線の断面図である。図5は図2のV−V線の断面図である。図6は第1変形例の図3に対応する断面図である。図7は第2変形例の図3に対応する断面図である。
本実施形態の液晶表示パネル10AはFFSモードの横電界方式の液晶表示パネルである。この液晶表示パネル10Aの要部の構成を図1〜図5を用いて説明する。図1に示すように、液晶表示パネル10Aは画像が表示される表示領域30を中央部分に有している。まず、表示領域30について説明する。図2〜図4に示すように、液晶表示パネル10Aは液晶層LCがアレイ基板ARとカラーフィルター基板CFで挟持される構成となっている。アレイ基板ARは透明な絶縁性を有するガラスや石英、プラスチック等からなる第1透明基板11を基体としている。第1透明基板11上には、図5に示すように、液晶層LCに面する側に、アルミニウムやモリブデン等の金属からなる走査線12が図2のX軸方向(行方向)に延設されている。走査線12からはゲート電極Gが図2の上方に向かって延設されている。
また、走査線12とゲート電極Gを覆うようにして窒化ケイ素や酸化ケイ素等からなる透明なゲート絶縁膜13が積層されている。そして、平面視でゲート電極Gと重なるゲート絶縁膜13上には非晶質シリコンや多結晶シリコンなどからなる半導体層14が形成されている。ゲート絶縁膜13上にはアルミニウムやモリブデン等の金属からなる複数の信号線15が図2のY軸方向(列方向)に配設されている。この信号線15からはソース電極Sが延設され、このソース電極Sは半導体層14の表面と部分的に接触している。
更に、信号線15及びソース電極Sと同一の材料で同時に形成されたドレイン電極Dがゲート絶縁膜13上に設けられており、このドレイン電極Dはソース電極Sと近接配置されて半導体層14と部分的に接触している。走査線12と信号線15とによって囲まれた領域が1サブ画素領域に相当する。例えば、光の3原色であるR(赤)・G(緑)・B(青)の3つサブ画素SPで1画素を構成し、1画素は略正方形であるので、これを3等分する1サブ画素SPは走査線12が短辺で信号線15が長辺の長方形となる。ゲート電極G、ゲート絶縁膜13、半導体層14、ソース電極S、ドレイン電極Dによってスイッチング素子となるTFTが構成され、それぞれのサブ画素SPにこのTFTが形成されている。
更に、信号線15、TFT及びゲート絶縁膜13の露出部分を覆うようにして例えば窒化ケイ素や酸化ケイ素等からなる透明なパッシベーション膜16が積層されている。そして、パッシベーション膜16を覆うようにして、例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなる層間膜(平坦化樹脂層)17が積層されている。そして、層間膜17を覆うようにしてITO(Indium Thin Oxide)ないしIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電性材料からなる下電極18が形成されている。層間膜17とパッシベーション膜16を貫通してドレイン電極Dに達する第1コンタクトホール19が形成されており、この第1コンタクトホール19を介して下電極18とドレイン電極Dとが電気的に接続される。そのため、この実施形態の液晶表示パネル10Aにおいては、下電極18は画素電極として作動する。
下電極18を覆うようにして、例えば窒化ケイ素や酸化ケイ素等からなる透明な電極間絶縁膜20が積層されている。そして、電極間絶縁膜20を覆うようにしてITOないしIZO等の透明導電性材料からなる上電極21が形成されている。図2に示すように、上電極21には複数のスリット状開口(以降、単に「スリット」と称する。)22が形成されている。この上電極21は表示領域30の周辺部でコモン配線39に第2コンタクトホール43を経て電気的に接続されている。そのため、この実施形態の液晶表示パネル10Aにおいては、上電極21は共通電極として作動する。
スリット22は例えば長円形状であり、その長手方向は走査線12の延在方向に対して右下がりに約5度傾斜しているものと、右上がりに約5度傾斜しているものの2種類形成されている。このようにスリットの延在方向が異なる領域を備えることにより、それぞれの側でVT(電圧−透過率)特性が異なるようになるので、視野角による色の差を低減することができる。そして、上電極21を覆って例えばポリイミドからなる配向膜23が積層されている。この配向膜23には信号線15の延在方向と平行に液晶方向配向処理(ラビング処理)が施されている。この液晶表示パネル10Aでは、スリット22に対応する位置の下電極18と上電極21間の電界によって液晶層LCの液晶分子の配向が変化する。
カラーフィルター基板CFは透明な絶縁性を有するガラスや石英、プラスチック等からなる第2透明基板24を基体としている。第2透明基板24には、不透明な樹脂材料からなる遮光層25と、サブ画素SP毎に異なる色の光(例えば、R、G、B)を透過するカラーフィルター層26が形成されている。図2に示すように、遮光層25はTFTと平面視で重なるように形成されている。この実施形態の液晶表示パネル10Aでは、遮光層25は隣接するサブ画素SPの境界に沿っては形成されておらず、遮光層25は隣接する遮光層25とは連結されずに島状に孤立して形成されている。なお、遮光層25の材料は、クロム等の不透明な金属でもよいが、本実施形態では剥離強度が金属よりも高い樹脂製の遮光層を使用している。
サブ画素SPの遮光層25が形成されていない領域にはカラーフィルター層26が形成されている。遮光層25とカラーフィルター層26を覆うようにして例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなるオーバーコート層27が積層されている。このオーバーコート層27は異なる色のカラーフィルター層26による段差を平坦にし、また、遮光層25やカラーフィルター層26から流出する不純物が液晶層LCに入らないように遮断するために形成されているものである。オーバーコート層27を覆うようにして例えばポリイミドからなる配向膜28が形成されている。この配向膜28にはアレイ基板ARに形成された配向膜23と逆方向の液晶方向配向処理が施されている。
このようにして形成されたアレイ基板AR及びカラーフィルター基板CFを互いに対向させ、両基板の周囲にシール材(不図示)を塗布することにより両基板を貼り合せ、両基板間に液晶を充填することにより本実施形態に係る液晶表示パネル10Aが得られる。なお、液晶層LCを所定の厚みに保持するためのスペーサー(不図示)がカラーフィルター基板CFに形成されている。
上述の構成により、TFTがONになって下電極18と上電極21との間に電圧が印加されると、両電極18、21間に電界が発生して液晶層LCの液晶分子の配向が変化する。これにより、液晶層LCの光透過率が変化して画像を表示することとなる。下電極18と上電極21と電極間絶縁膜20により補助容量が形成され、TFTがOFFになったときに両電極18、21間の電界を所定時間保持することができる。
図1に示すように、アレイ基板ARの一方の短辺側の非表示領域31には、ドライバーICがバンプ接着される第1端子領域32と、フレキシブルプリント基板がバンプ接着される第2端子領域33とが形成されている。第1端子領域32に配置されるドライバーICは液晶表示パネルの走査線12及び信号線15の駆動を行い、第2端子領域33は図示しないフレキシブルプリント基板を介して外部のコントロール基板と接続される。
そして、非表示領域31には、表示領域30の左右と上側に隣接する周辺回路領域34が形成されている。この周辺回路領域34には、表示領域30の図1における下側に形成される信号線15を第1端子領域32へと引き回すソース引き回し配線部分35、走査線12を表示領域30の左右両側から第1端子領域32へと引き回すゲート引き回し配線部分36、上電極21を表示領域30の上側及び左右両側から第1端子領域32へと引き回すコモン配線39が形成されている。
図2〜図4に示すように、表示領域30の周辺回路領域34側には、例えば3列のダミーサブ画素DSP、静電気保護回路42、第2コンタクトホール43、第3コンタクトホール44が形成されている。ダミーサブ画素DSPは、例えば、一部をサブ画素SPと同じ構成を模擬したり、静電気保護回路42を形成して外部から侵入した静電気からの保護手段を形成したりするなど、多種多様の目的で設けられている。静電気保護回路42の引き回し配線である静電気保護配線45が信号線15の延在方向と同一方向で非表示領域31のゲート絶縁膜13上に形成され、例えば第1端子領域32においてグラウンド電位に接続されている。
図4に示すように、コモン配線39は、ここではゲート絶縁膜13上に形成されており、電極間絶縁膜20上に形成されている上電極21と第2コンタクトホール43を介して電気的に接続されている。ゲート引き回し配線部分36は第1透明基板11上に形成されたゲート配線部分38及びゲート絶縁膜13上に形成されたソース配線部分37の2層になって形成されている。なお、ゲート配線部分38とはTFTのゲート電極Gと同時に形成された配線部分を意味し、ソース配線部分37とはTFTのソース電極Sと同時に形成された配線部分を意味し、それぞれ必ずしも走査線12に接続されている配線ないし信号線15に接続されている配線を意味するものではない。そのため、上述のコモン配線39は、ゲート絶縁膜13上に形成されているので、ソース配線部分37に対応する。
図1〜図4に示すように、平面視でソース引き回し配線部分35及びゲート引き回し配線部分36に重畳するようにITOないしIZO等の透明導電性材料からなるシールド層46が電極間絶縁膜20上に形成されている。そして、シールド層46はゲート絶縁膜13上に形成されている静電気保護配線45と第3コンタクトホール44を介して電気的に接続されている。そのため、シールド層46はグラウンド電位に接続されていることになる。
このように本実施形態の液晶表示パネル10Aでは、ソース引き回し配線部分35及びゲート引き回し配線部分36に平面視で重畳するようにシールド層46が形成されており、しかも、このシールド層46はグラウンド電位に接続されているので、これらの引き回し配線35、36に駆動電流が流れて電界が生じても、カラーフィルター基板CFに島状に形成されている遮光層25が帯電することが少なくなる。また、このシールド層46は特にグラウンド電位に接続されているため、シールド層46の電位は安定しているので、良好な帯電防止効果が得られる。
また、シールド層46は、従来から使用されている静電気保護回路42の静電気保護配線45に第3コンタクトホール44を介して電気的に接続することによりグラウンド電位に接続されているので、シールド層46を容易にグラウンド電位に接続することができる。しかも、静電気保護配線45はソース配線部分37と同じ金属材料で形成されているので、電気抵抗が小さく、シールド層46は短距離でグラウンド電位に接続されていることになる。そのため本実施形態の液晶表示パネル10Aでは、シールド層46とグラウンド電位に維持された静電気保護配線45との間の電気抵抗が小さくなるので、シールド層46の電位がより安定化し、シールド効果が良好に現れるようになる。加えて、シールド層46は液晶層を駆動する上電極21と同じ層に形成されているために、シールド層46を上電極21と同一の工程で形成することができ、特に製造工数を増加させることなくシールド層46を形成することができる。
なお、製造工数を増加させることなくシールド層46を形成するには、シールド層46が他の電極と同一の層に形成されればよいから、例えば、図6に示した第1変形例の液晶表示パネル10Bのように、シールド層46が下電極18と同一の層に形成されてもよい。なお、シールド層46は、特に他の電極と同一の層に形成しなくても、島状に形成された遮光層25の帯電を抑制することはできるが、製造工数が増加するために好ましくない。
また、シールド層46は、フローティング様態でもグラウンド電位以外に接続されていてもシールド効果は生じる。しかしながら、シールド層46がフローティング状態であると、シールド層46の電位が不定となるので、他の電位の部分に電気的に接続する方が好ましい。例えば、図6に示した第1変形例の液晶表示パネル10Bのように、シールド層46がコモン配線39に接続されているようにしてもよい。
また、図7に示した第2変形例の液晶表示パネル10Cのように、ゲート配線部分38と同一の層にシールド配線47を形成し、シールド層46をこのシールド配線47を介して所定の電位に接続するようにしてもよい。このような構成とすれば、シールド配線47はゲート配線部分38で形成されているドライバーIC用の第1端子領域32やフレキシブルプリント基板用の第2端子領域33と同じ層に形成されているので、容易に第1端子領域32や第2端子領域33にまでシールド配線47を引き回すことができる。
なお、第1変形例の液晶表示パネル10B及び第2変形例の液晶表示パネル10Cは、上述した部分以外の構成は実施形態の液晶表示パネル10Aの場合と実質的に同一である。そのため、図6及び図7においては、図1〜図5に示した実施形態の液晶表示パネル10Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
10A〜10C…液晶表示パネル 11…第1透明基板 12…走査線 13…ゲート絶縁膜 14…半導体層 15…信号線 16…パッシベーション膜 17…層間膜(平坦化樹脂層) 18…下電極 19…第1コンタクトホール 20…電極間絶縁膜 21…上電極 22…スリット 23…配向膜 24…第2透明基板 25…遮光層 26…カラーフィルター層 27…オーバーコート層 28…第2配向膜 30…表示領域 31…非表示領域 32…第1端子領域 33…第2端子領域 34…周辺回路領域 35…ソース引き回し配線部分 36…ゲート引き回し配線部分 37…ソース配線部分 38…ゲート配線部分 39…コモン配線 42…静電気保護回路 43…第2コンタクトホール 44…第3コンタクトホール 45…静電気保護配線(アース配線) 46…シールド層 47…シールド配線 LC…液晶層 AR…アレイ基板
CF…カラーフィルター基板

Claims (4)

  1. 液晶層を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板を有し、
    前記第1基板には表示領域と非表示領域とが設けられ、
    前記表示領域には、互いに絶縁された状態でマトリクス状に形成された複数の信号線及び走査線と、前記信号線及び前記走査線で区画されるサブ画素毎に形成された薄膜トランジスターとが設けられ、これらを覆った状態で前記表示領域と前記非表示領域とにわたって絶縁膜が設けられており、
    該絶縁膜はスルーホールを有するとともに、該絶縁膜の非表示領域下には複数の引き回し配線が形成されている液晶表示パネルであって、
    前記第1基板の非表示領域には、前記表示領域に沿って、前記表示領域と前記引き回し配線との間に静電気保護回路を備えるとともに、少なくとも前記絶縁膜の前記第2基板側に平面視で前記引き回し配線と重畳する位置に導電性のシールド層が設けられており、
    前記静電気保護回路はグラウンド電位に電気的に接続されるアース線を有し、当該アース線に前記シールド層が前記スルーホールを介して電気的に接続されている、
    ことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記第1基板には、前記液晶層を駆動させるための少なくとも一つの電極を有し、前記シールド層は前記電極と同一の層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. 前記第1基板には、前記液晶層を駆動させるための一対の電極を有していることを特徴とする請求項に記載の液晶表示パネル。
  4. 前記引き回し配線は、前記走査線と前記信号線とを重畳させて形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の液晶表示パネル。
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