JP5681256B2 - 自動車の電圧放電装置及びその方法 - Google Patents

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Description

実施形態は、自動車に関し、特に自動車及びその電圧放電方法に関する。
親環境自動車などに利用されるモータ制御機であるインバータシステムは、高電圧の直流電源をモータ制御のための交流又は直流電源に変換する役割を果たす電気/電子部品(ESA)であって、車両の電動器具に属する主要部品である。
上記のように、親環境自動車には、駆動手段として永久磁石型モータが採用される。上記の親環境自動車に駆動手段として採用されるモータは、制御機のパルス幅変調(PWM)信号によって直流電圧を3相電圧に変換するインバータから第1高電圧電力ケーブルを介して伝達される相電流によって駆動される。
図1は、従来の技術に係る自動車の電圧放電装置を示した図である。
図1に示すように、電圧放電装置は、電気を発生させる燃料電池10と、燃料電池10から発生した電気の力で駆動されるモータ30と、燃料電池10から出力される直流電圧を断続して3相交流電源に変換し、これをモータ30の駆動電源として供給するインバータ20と、インバータ20をPWMで制御して相変換をドライブするモータ制御部40と、燃料電池10に発生した電源を車両の各種の電場負荷の電源として供給するために電圧を変換する直流/直流コンバータ50とを備えて構成される。
上記のような自動車において全般的な動作を総括制御する上位制御機は、ハイブリッド制御部(HCU)であって、このHCUは、下位制御機であるモータ制御部と所定の方式で通信して駆動原であるモータのトルク、速度及び発電トルク量を制御し、補助動力源として電圧発電のための動力を発生するエンジンを制御するエンジン制御部(ECU)と通信して、エンジン始動関連リレー制御及び故障診断を行う。
このような、自動車は、高電圧による安全設計の一環としてキーオフが発生したとき、インバータのDCリンク電圧、すなわちDCリンクコンデンサに充電されている電圧を、セメント抵抗を利用して放電させる。
しかしながら、上記のようなセメント抵抗を利用したDCリンク電圧放電システムは、車両キーオフの際、高電圧保護のためにDCリンク電圧を強制放電させなければならないが、その過程で抵抗自体に常時発熱現象が発生するという問題がある。
上記のような短所を解消するために、直流−直流コンバータを利用して、PWM信号の制御を介してインバータコンデンサに充電されている電気エネルギをバッテリに放電させる技術が提案された。
しかしながら、上記のようなDCリンク電圧放電システムは、消耗電力が約10Wであり、完全放電にかかる時間が10分程度と長い時間が必要であり、安定性に問題が発生する。
また、上記のような短所を解消するために、キーオフのような状況が発生する場合に、メインリレーを開放させた後に強制放電ロジックを行って、DCリンク電圧を強制放電させる技術が提案された。
しかし、上記のようなDCリンク電圧放電システムは、車両(又は駆動モータ)が駆動中である条件とは無関係に、上記のような強制放電ロジックを行うことによって、運転手が危険な状況に置かれる。
言い換えれば、上記のような従来の技術によれば、車両が駆動条件とは無関係に強制放電ロジックを行うことによって、高電圧が印加されている途中に強制放電を行う等のソフトウェアバグを引き起こすことがあり、これによってインバータに過電流が流入して、インバータの破損と共にリレー、バッテリ及び高圧ケーブルなどの関連部品が破損して障害が発生する。
実施形態では、車両の駆動状態に応じて互いに異なる強制放電ロジックを採用して、強制放電動作に安全性を高めることができる自動車の電圧放電装置及びその電圧放電方法を提供する。
提案される実施形態において達成しようとする技術的課題らは、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されない他の技術的課題は、下記の記載から提案される実施形態が属する技術分野における通常の知識を有した者にとって明確に理解されはずである。
本発明の実施形態による自動車の電圧放電装置は、バッテリと、バッテリから供給される直流電源を交流電源に変換して出力するインバータと、インバータを介して出力される交流電源によって駆動されるモータと、バッテリとインバータとの間に配置されて、バッテリからインバータに供給される直流電源を断続(switching)するメインリレーと、車両のキーオフ信号を感知し、キーオフ信号が感知されると、インバータのDCリンク電圧を放電させる制御部とを備え、制御部は、キーオフ信号が感知された時点の車両駆動状態に応じて、互いに異なる第1強制放電ロジック及び第2強制放電ロジックのうちの何れか一つの放電ロジックを適用してDCリンク電圧を放電させる。
また、制御部は、確認した車両駆動状態に応じてメインリレーの開放時点を決定し、第1及び第2強制放電ロジックは、メインリレーの開放時点が互いに異なる。
また、メインリレーの開放時点は、車両駆動状態が車両駆動中に対応する第1状態であるときは、キーオフが発生した時点から予め設定された時間が経過した時点であり、車両駆動状態が車両停止中に対応する第2状態であるときは、キーオフが発生した時点である。
また、制御部は、車両の駆動速度、インバータの出力電流及びモータ入力電流のうち、少なくとも一つを含む情報を記憶し、記憶した情報を利用して車両の駆動状態を判断する。
また、制御部は、キーオフが発生したとき、キーオフが発生した時点に受信された情報及びキーオフが発生した時点の前に最終記憶された情報を利用して駆動状態を判断する。
また、制御部は、モータに供給されるq軸電流を0にし、d軸電流を最大にしてDCリンク電圧を強制放電させる。
一方、実施形態による自動車の電圧放電方法は、車両キーオフ信号が発生するステップと、キーオフ信号が発生したとき、キーオフ信号が発生した時点での車両駆動状態を確認するステップと、確認した車両駆動状態に応じて、互いに異なる第1強制放電ロジック及び第2強制放電ロジックのうちの何れか一つの強制放電ロジックを適用してDCリンク電圧を放電させるステップとを含む。
また、周期的に車両の駆動速度、インバータの出力電流及びモータ入力電流のうち、少なくとも一つを含む情報を利用して、車両の駆動状態を監視するステップを更に有する。
また、第1強制放電ロジックは、車両駆動状態が車両駆動中に対応する第1状態であるときに適用され、第2強制放電ロジックは、車両駆動状態が車両停止中に対応する第2状態であるときに適用される。
また、第1及び第2強制放電ロジックは、メインリレーの開放時点が互いに異なる。
また、DCリンク電圧を放電させるステップは、車両駆動状態が第1状態であるとき、キーオフが発生した時点から予め設定された時間の間にメインリレーの短絡状態を維持するステップと、予め設定された時間が経過したとき、メインリレーの状態を開放状態に変更するステップと、DCリンク電圧を強制放電させるステップとを含む。
また、DCリンク電圧を放電させるステップは、車両駆動状態が第2状態であるとき、キーオフが発生した時点にメインリレーの状態を開放状態に変更するステップと、DCリンク電圧を強制放電させるステップとを含む。
また、DCリンク電圧を強制放電させるステップは、モータに印加されるq軸電流を0にし、d軸電流を最大にしてDCリンク電圧を強制放電させるステップを含む。
以上、本発明の実施形態によれば、キーオフ発生の際、車両(駆動モータ)が駆動中である場合に対する方法を具現化して、上記のような駆動中にインバータ/モータ電源遮断で運転手が危険な状況に置かれることを防止できる。
また、従来の技術において発生することがある、高電圧印加途中に強制放電を行う等のソフトウェアバグを防止して、インバータ(IGBT等)に過電流が流入するのを防止し、これによってインバータ焼損と共に高電圧リレー、バッテリ、高電圧ケーブルなど関連部品が焼損する等の障害を防止する。
また、実施形態によれば、車両(駆動モータ)が駆動中である場合にメインリレーの短絡状態を一定時間の間に維持した後に強制放電させることによって、正常でない強制放電動作が行われる現象を防ぎ、そのうえ、放電しない高電圧による人命被害を防止できる。
従来の技術にかかる自動車の電圧放電装置を示した図である。 実施形態にかかる自動車の電圧放電装置を示した図である。 実施形態にかかる強制放電ロジックを説明するための図である。 実施形態にかかる強制放電ロジックを説明するための図である。 実施形態にかかる自動車の電圧放電方法をステップ別に説明するフローチャートである。
以下の内容は、単に本発明の原理を例示する。したがって、当業者は、たとえ本明細書に明確に説明又は図示されていない場合でも、本発明の原理を具現し本発明の概念と範囲に含まれた多様な装置を発明できるはずである。また、本明細書に列挙したすべての条件付き用語及び実施形態は、原則的に本発明の概念が理解されるようにするための目的だけで明確に意図され、このように特に列挙された実施形態及び状態に制約的でないものと理解しなければならない。
また、本発明の原理、観点及び実施形態だけでなく、特定の実施形態を列挙するすべての詳細な説明は、このような事項の構造的及び機能的均等物を含むように意図するものと理解されなければならない。また、このような均等物は、現在公知された均等物だけでなく、将来に開発される均等物、すなわち構造と無関係に同じ機能を行うように発明されたすべての素子を含むものと理解されなければならない。
図2は、実施形態にかかる自動車の電圧放電装置を示した図である。
図2に示すように、自動車の電圧放電装置は、バッテリ110、メインリレー120、インバータ130、モータ140及び制御部150を備える。
上記のような自動車は、バッテリ110で電力の供給を受け、インバータ130に代表されるモータ制御装置によってモータ140を制御して最適の効率を達成し、エンジンを電動機に取り替えることによって、有害ガスの排出が全くない完全な親環境自動車でありうる。
バッテリ110は、複数のバッテリセルから構成されたバッテリパックを搭載する。
バッテリパックに含まれている複数のバッテリセルは、安定性、寿命向上、及び高出力を得るために、各バッテリセルの電圧を均一にする必要がある。
これによって、制御部150は、バッテリパックのバッテリを充電又は放電しながら各バッテリが適切な電圧を持たせるようにする。
これに対し、複数のバッテリセルは、内部インピーダンスの変化などの様々な要因によって平衡状態を安定して維持し難く、このため、別のバッテリ管理システム(図示せず)では、多数のバッテリセルの充電状態を平衡化させるためのバランス機能を有する。
例えば、バッテリパック内のバッテリセルの放電率差によって、時間の経過に従ってバッテリパック内のバッテリセル間の残存容量(STATE OF CHARGE、以下、SOCという)の差が発生する。このため、自動車は、バッテリセル間の容量不均衡を解消するために、バッテリセルごとに充電(BOOST)及び/又は放電(BUCK)するための別途の回路を備えてもよい。
また、少なくとも一つのバッテリセルは、多様な種類のバッテリセルによって具現化することができ、例えば、ニッケル−カドミウム電池、鉛蓄電池、ニッケル−水素電池(NiMH)、リチウム−イオン電池、リチウムポリマー電池、金属リチウム電池、空気亜鉛蓄電池などであってよい。
メインリレー120は、バッテリ110と接続する所定の電力ラインに接続されて、バッテリ110を介して出力される直流電源を断続する。
図面上には、電力ラインに1個のメインリレーだけが配置されると示したが、これは、一実施形態に過ぎず、配置されるメインリレーの数は増加させてもよい。
例えば、メインリレーは、正極端子に接続されて、直流電源を断続する第1メインリレーと、負極端子に接続されて、直流電源を断続する第2メインリレーとを有して構成してもよい。
インバータ130は、メインリレー120の断続状態に応じてバッテリ110から直流電源の供給を受ける。
また、インバータ130は、バッテリ110から供給された直流電源を交流電源に変換してモータ140に供給する。
インバータ130によって変換される交流電源は3相交流電源であることが好ましい。
特に、インバータ130は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)からなり、後述する制御部150から印加される制御信号に応じてPWM断続を実行し、バッテリ110から供給される電源を相変換してモータ140を駆動する。
モータ140は、回転せずに固定された固定子(図示せず)と、回転する回転子(図示せず)とを有する。モータ140は、インバータ130を介して供給される交流電力を受け取る。
モータ140は、例えば3相モータであってよく、各相の固定子のコイルに電圧可変/周波数可変の各相交流電源が印加される場合、印加される周波数に応じて回転子の回転速度が変化する。
モータ140は、誘導モータ、ブラシレス直流(BLDC)モータ、リラクタンスモータ等、多様な形態が可能である。
一方、モータ140の一側には、駆動ギヤ(図示せず)を備えてもよい。駆動ギヤは、モータ140の回転エネルギをギヤビア(比)に応じて変換する。駆動ギヤから出力される回転エネルギは、前輪及び/又は後輪に伝達されて電気自動車を動かす。
一方、図示していないが、自動車は、自動車全般の電子装置の制御のための電子制御部を更に備えてもよい。電子制御部(図示せず)は、各装置が動作、表示などをすることができるように制御する。また、上述したバッテリ管理システムを制御することもできる。
また、電子制御部は、電気自動車の傾斜角を感知する傾斜角感知部(図示せず)、電気自動車の速度を感知する速度感知部(図示せず)、ブレーキペダルの動作に応じるブレーキ感知部(図示せず)、アクセルペダルの動作に応じるアクセル感知部(図示せず)などからの感知信号に基づいて、多様な運転モード(走行モード、後進モード、中立(ニュートラル)モード、及び駐車モード等)に応じる運転指令値を生成できる。このときの運転指令値は、例えば、トルク指令値又は速度指令値であってよい。
一方、本発明の実施形態にかかる自動車は、バッテリ及びモータを利用した純粋電気自動車はもちろん、エンジンを使用しながら、バッテリ及びモータを利用するハイブリッド電気自動車を含む概念であってもよい。
このとき、ハイブリッド電気自動車は、バッテリ及びエンジンのうち、少なくとも何れか一つを選択することのできる切替手段、及び変速機を更に備えることもできる。一方、ハイブリッド電気自動車は、エンジンから出力される機械エネルギを電気エネルギに変換してモータを駆動する直列方式と、エンジンから出力される機械エネルギと、バッテリでの電気エネルギとを同時に利用する並列方式とに分けることができる。
制御部150は、インバータ130の動作を制御する。
例えば、制御部150は、モータ140に供給される電流(3相電流)を利用して、モータ140を駆動させる駆動値を計算し、計算した駆動値に応じてインバータ130の制御のための断続信号(PWM信号)を発生する。
これによって、インバータ130は、制御部150を介して発生する断続信号に応じて選択的にオンオフ動作を行って、直流電源を交流電源に変換する。
一方、制御部150は、周期的に自動車の走行状態(駆動状態)を確認することができる走行情報を受信し、これを記憶する。
また、制御部150は、記憶した走行情報を利用して、自動車の走行状態(駆動状態)を監視する。
一方、制御部150は、キーオフの発生有無を周期的に判断し、キーオフが発生すると、モータ140の駆動を停止させる。
このとき、キーオフは、自動車の駆動中に発生でき、これとは異なって自動車が停止した状態から発生できる。
これによって、制御部150は、自動車の走行情報に応じる走行状態(駆動状態)に基づいてキーオフが発生した時点での自動車走行状態(駆動状態)を確認し、確認した走行状態(駆動状態)に応じて互いに異なる条件を適用して強制放電がなされるようにする。
このとき、自動車の走行情報には、車両の駆動速度、インバータの出力電流(又はモータ入力電流)などを含むことができる。
これによって、制御部150は、上記のような多数の走行情報をAND又はOR条件で組み合わせ、組み合わせ条件に応じてキーオフが発生した時点での自動車走行状態(駆動状態)を確認する。
一方、キーオフが発生した時点では、自動車走行状態(駆動状態)を確認できない可能性もあるため、キーオフが発生する以前の時点において制御部150は、走行情報のリアルタイム変化値を監視し続ける。
これによって、制御部150は、キーオフが発生すると、最終的に記憶した走行情報を利用して走行状態(駆動状態)を確認することができ、これとは異なってキーオフが発生した時点での走行情報を獲得して、走行状態(駆動状態)を確認することもできる。
以後、制御部150は、キーオフが発生した時点での自動車走行状態(駆動状態)が第1条件(走行中)であると、図3に示すようなロジックを適用して強制放電がなされるようにする。
すなわち、自動車の走行途中にキーオフが発生すると、制御部150は、メインリレー120を直ちに開放せず、一定時間の間にメインリレー120が短絡状態を維持するようにする。
このとき、上記の一定時間は、3秒〜4秒程度であれば十分である。
これは、走行途中にキーオフが発生することは、次のような二通りの場合によるものでありうる。
第1は、ユーザの操作ミスによってキーオフが発生した場合である。
上記の通りに操作ミスによってキーオフが発生した場合に、強制放電動作がなされると、突然の走行停止によって運転手が危険に陥ることがあり、これは、事故の原因となることもある。
第2は、交通事故によってキーオフが発生した場合である。
上記のように事故によってキーオフが発生した場合にも、強制放電動作が直ちになされると、これは、運転手が事故現場から外れようとする試み自体を阻止することになり、これは2次事故の原因になる。
これによって、実施形態では、図3に示すように車両の駆動速度、インバータの出力電流(又はモータ入力電流)などを利用して自動車の走行情報を確認し、それによってキーオフが発生した時点の走行状態(駆動状態)が第1状態であるときは、一定時間、現状態を維持する。
言い換えれば、制御部150は、キーオフが発生した時点で直ちにメインリレー120を開放せずに、一定時間、メインリレー120が短絡状態を維持する。
そして、制御部150は、上記の定時間が経過すると、メインリレー120を短絡状態に変更し、メインリレー120が短絡状態に変更された以後に強制放電動作が行われるようにする。
強制放電動作は、次のような方法によって行うことができる。
一般に自動車に採用されるモータには、3相交流モータである埋め込み型永久磁石同期モータ(IPMSM)が採用されており、これは、モータの重量当たりの出力が大きく、機械的信頼性が高く、高速運転が可能である等、採用に適した特性を有するためである。
上記のような3相交流モータは、U、V、W3相電流を磁束制御電流であるd軸電流と、トルク制御電流であるq軸電流との2相に分けて制御するベクトル制御を行い、上記のような制御過程では、時変パラメータが除去され、変数及びパラメータが直交又は相互分離された直接(Direct,d)軸と直交(Quadrature,q)軸とで表現される。
一方、一般に停止座標系では、d軸とq軸とは固定子に固定されることに対し、回転座標系では、基準軸が回転する。
回転座標は、回転子上に固定されるか、又は同期速度で動くことができ、同期速度で回転する座標系のモデルは、正弦波電源の場合に、定常状態において変数が直流量で現れるために容易に制御できる。
上記のような同期座標系においてモータの電圧方程式は、次の式1のように表れる。
Figure 0005681256
式1中、vdはd軸電圧、Rsはモータ相間抵抗、idはd軸電流を示し、Ldはd軸インダクタンス、ωはモータ角速度をそれぞれ示す。
また、vqはq軸電圧、iqはq軸電流を示し、Lqはq軸インダクタンス、ΨFは永久磁石磁束をそれぞれ示す。
一方、上記のようなモータから発生するトルク方程式は、次の式2のように表れる。
Figure 0005681256
式2中、Tはモータのトルク、Pは永久磁石極数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流、ΨFは永久磁石磁束をそれぞれ示す。
したがって、q軸電流が0であると、どんなに大きなd軸電流を流してもトルクは発生しない。したがって、車両のキーオフ時又はエアバック作動信号の感知時に、q軸電流を印加せずにd軸電流だけ最大値に印加すると、モータ140のトルク発生無しで電流を大部分のモータにおいて熱として損失させることができるようになる。
これによって、制御部150は、q軸電流を0にし、d軸電流を最大にして、強制放電動作がなされるようにする。
一方、制御部150は、キーオフが発生した時点の走行状態(駆動状態)が停止状態に対応する第2条件であると、図4に示すような強制放電ロジックを適用して強制放電動作がなされるようにする。
言い換えれば、制御部150は、キーオフが発生すると、キーオフが発生した時点に直ちにメインリレー120の開放信号を出力して、バッテリ110からの直流電源がインバータ130に供給されないようにする。
以後、制御部150は、メインリレー120が開放されることによって、上記説明のような強制放電動作を行って、DCリンクコンデンサに記憶されたDCリンク電圧を放電させる。
上記のように、実施形態によれば、キーオフ発生の際、車両(駆動モータ)が駆動中である場合に対する方法を具現して、上記のような駆動中にインバータ/モータ電源の遮断によって運転手が危険な状況に置かれることを防止できる。
また、従来の技術において発生することがある高電圧印加途中に強制放電を行う等のソフトウェアバグを防止して、インバータ(IGBT等)に過電流が流入するのを防止し、これによってインバータ焼損と共に高電圧リレー、バッテリ、高電圧ケーブルなど関連部品が焼損する等の障害を防止する。
また、実施形態によれば、車両(駆動モータ)が駆動中である場合にメインリレーの短絡状態を一定時間の間に維持した後に強制放電させることによって、正常でない強制放電動作が行われる現象を阻止し、そのうえ、放電しない高電圧による人命被害を防止できる。
図5は、実施形態にかかる自動車の電圧放電方法をステップ別に説明するフローチャートである。
図5に示すように、まず制御部150は、自動車の走行状態(駆動状態)を確認することができる走行情報を受信し、これを記憶する(S101)。
このとき、走行情報には、車両の駆動速度、インバータの出力電流(又はモータ入力電流)などを含むことができ、走行状態(駆動状態)には、現在車両が走行中であることを表す第1状態と、現在車両が停止中であることを表す第2状態とを含む。
以後、制御部150は、キーオフの発生有無を判断する(S102)。
判断結果(S102)、キーオフが発生した場合、制御部140は、キーオフが発生した時点の走行情報又はキーオフが発生した時点以前に最終記憶した走行情報を分析する(S103)。
以後、制御部150は、分析結果に応じてキーオフが車両走行途中に発生したか、それとも停止中に発生したかを判断する(S104)。
判断の結果(S104)、キーオフが車両走行途中に発生した場合、制御部150は、メインリレー120の状態を短絡状態に維持する(S105)。
以後、判断の結果(S105)、キーオフが発生した時点から一定時間が経過したかどうかを判断する(S106)。
判断の結果(S106)、現時点がキーオフが発生した時点から一定時間を経過する以前の時点であるときは、メインリレー120の状態を短絡状態に維持し、現時点がキーオフが発生した時点から一定時間を経過した時点であるときは、制御部150は、メインリレー120の状態を開放状態に変更する(S107)。
以後、制御部150は、q軸電流を0にし、d軸電流を最大にして、DCリンク電圧を強制放電させる(S108)。
一方、判断の結果(S104)、キーオフが車両停止中に発生した場合、ステップS107に直ちに進んで、メインリレー120を開放させて後強制放電動作がなされるようにする。
実施形態によれば、キーオフ発生の際、車両(駆動モータ)が駆動中である場合に対する方法を具現して、上記のような駆動中にインバータ/モータ電源遮断で運転手が危険な状況に置かれることを防止できる。
また、従来の技術において発生することがある高電圧印加途中に強制放電を行う等のソフトウェアバグを防止して、インバータ(IGBT等)に過電流が流入するのを防止し、これによってインバータ焼損と共に高電圧リレー、バッテリ、高電圧ケーブルなど関連部品が焼損する等の障害を防止する。
また、実施形態によれば、車両(駆動モータ)が駆動中である場合に、メインリレーの短絡状態を一定時間の間に維持した後に強制放電させることによって、正常でない強制放電動作が行われる現象を防止し、そのうえ、放電しない高電圧による人命被害を防止できる。
一方、実施形態において開示される各ブロックは、コンピュータプログラム命令によって行ってもよいことを理解することができるはずである。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに搭載することができるため、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して行われるその命令が、フローチャート図のブロックにおいて説明された機能を行う手段を生成する。これらのコンピュータプログラム命令は、特定方式で機能を具現するために、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置を指向することができる、コンピュータ利用可能な又はコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されることも可能であり、そのコンピュータ利用可能な又はコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令は、フローチャートブロックにおいて説明された機能を行う命令手段を内包する製造品目を生産することも可能である。
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置上に搭載されることも可能なため、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置上において一連の動作ステップが行われてコンピュータで実行されるプロセスを生成して、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置を動作させる命令は、フローチャートブロックにおいて説明された機能を実行するためのステップを提供することも可能である。また、各ブロックは、特定された論理的機能を実行するための一つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント又はコードの一部を表すことができる。
また、以上では、本発明の実施の形態について図示し説明したが、本発明は、上述した特定の実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱せずに当該発明が属する技術分野における通常の知識を有した者によって多様な変形実施が可能なことはもちろんであり、このような変形実施は、本発明の技術的思想又は展望と別個であると理解してはならない。
10 バッテリ
20 インバータ
30 モータ
40 モータ制御部
50 直流‐直流コンバータ
110 バッテリ
120 メインリレー
130 インバータ
140 モータ
150 制御部

Claims (4)

  1. バッテリと、
    前記バッテリから供給される直流電源を交流電源に変換して出力するインバータと、
    前記インバータを介して出力される交流電源によって駆動されるモータと、
    前記バッテリと前記インバータとの間に配置されて、前記バッテリから前記インバータに供給される直流電源を断続するメインリレーと、
    車両のキーオフ信号を感知し、前記キーオフ信号が感知されると、前記インバータのDCリンク電圧を放電させる制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記キーオフ信号が感知された時点の車両駆動状態に応じて、互いに異なる第1強制放電ロジック及び第2強制放電ロジックのうちの何れか一つの放電ロジックを適用して前記DCリンク電圧を放電させ
    前記車両の駆動速度、前記インバータの出力電流及び前記モータの入力電流のうち、少なくとも一つを含む情報を記憶し、前記記憶した情報を利用して前記車両の駆動状態を判断し、前記車両の駆動状態に応じて前記メインリレーの開放時点を決定し、
    前記第1及び2強制放電ロジックは、前記メインリレーの開放時点が互いに異なり、
    前記メインリレーの開放時点は、
    前記車両駆動状態が車両駆動中に対応する第1状態であるときは、前記キーオフが発生した時点から予め設定された時間が経過した時点であり、前記車両駆動状態が車両停止状態に対応する第2状態であるときは、前記キーオフが発生した時点であり、
    前記制御部は、
    前記キーオフが発生すると、前記キーオフが発生した時点に受信された情報及び前記キーオフが発生した時点の前に最終記憶された情報を利用して、前記駆動状態を判断する、自動車の電圧放電装置。
  2. 前記制御部は、
    前記モータに供給されるq軸電流を0にし、d軸電流を最大にして前記DCリンク電圧を強制放電させる、請求項に記載の自動車の電圧放電装置。
  3. バッテリと、前記バッテリから供給される直流電源を交流電源に変換して出力するインバータと、前記バッテリと前記インバータとの間に配置されて、前記バッテリから前記インバータに供給される直流電源を断続するメインリレーと、を備えた自動車の電圧放電方法であって、
    車両キーオフ信号が発生するステップと、
    前記キーオフ信号が発生すると、前記キーオフ信号が発生した時点での車両駆動状態を確認するステップと、
    前記確認した車両駆動状態に応じて、互いに異なる第1強制放電ロジック及び第2強制放電ロジックのうちの何れか一つの強制放電ロジックを適用して前記インバータのDCリンク電圧を強制放電させるステップと、を含み、
    前記第1強制放電ロジックは、前記車両駆動状態が車両駆動中に対応する第1状態であるときに適用され、
    前記第2強制放電ロジックは、前記車両駆動状態が車両停止状態に対応する第2状態であるときに適用され、
    前記第1及び第2強制放電ロジックは、前記メインリレーの開放時点が互いに異なり、
    前記DCリンク電圧を放電させるステップは、
    前記車両駆動状態が前記第1状態であるとき、前記キーオフが発生した時点から予め設定された時間の間に前記メインリレーの短絡状態を維持するステップと、
    前記予め設定された時間が経過すると、前記メインリレーの状態を開放状態に変更するステップと、
    前記車両駆動状態が前記第2状態であるとき、前記キーオフが発生した時点に前記メインリレーの状態を開放状態に変更するステップとを含む、自動車の電圧放電方法。
  4. 前記DCリンク電圧を強制放電させるステップは、
    モータに印加されるq軸電流を0にし、d軸電流を最大にして前記DCリンク電圧を強制放電させるステップを含む、請求項に記載の自動車の電圧放電方法。
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