JP5680685B2 - 生物活性薬剤送達のための組織微穿孔 - Google Patents
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Description
本発明は、一般には、薬物または生物活性分子の生物への経膜送達の分野に関する。より詳細には、本発明は、皮膚、粘膜または植物の外層の微細穿孔によりこの生体膜の透過性を増加させる、最小限の侵襲から非侵襲である方法に関し、これは、生物内への、および一旦生物内へ入るとその内部の組織の選択された領域内への生物活性分子の流動速度を選択的に増強するために、音波エネルギー、電磁気的、および温度エネルギー、化学的浸透エンハンサー、圧力などと組合され得る。
に、非常に耐性の防水性の膜である、角質を構成する。この膜は、外部の物質による侵襲から身体を保護し、そして流体および溶解した分子の外向きの移動を防ぐ。角質層は、剥離の間の角質細胞の脱落および角質化プロセスによる新たな角質細胞の形成により間断なく再生される。
の波として定義されてきた(H. Lutzら、Mannual ofUltrasound3-12 (1984))。音波エネ
ルギーは、圧電結晶または他の電気機械的素子に交流電流を通過させることによってこの物質を振動させることにより生成される(R.Brucksら、6Pharm.Res.697 (1989))。薬物
分子に対する皮膚の浸透性を増加させるための音波エネルギーの使用は、音波泳動法(ソノホレシスまたはホノソレシス)と名付けられている。
示されるように、この方法は、粘膜組織(例えば、頬側組織)において用いられる場合、より一層効果的であり、検出可能な量のグルコースが、約10〜20分の遅延時間後に受容媒体に回収される。しかし、Stanleyらにより教示される方法は、検出可能な量のグルコー
スが、インビトロでヒト皮膚(熱分離された表皮)を通して拡散して検出され得る前に、用いられる化学的増エンハンサー組成物に依存して、2〜24時間の範囲に及ぶ非常に長い遅延時間を生じる。これらの長い遅延時間は、皮膚を通して受動的に拡散し、かつ障壁角質層の浸透性を増強するために化学的浸透エンハンサーが必要とする時間の長さ、ならびに皮膚を通して受動的に拡散するためにグルコースが必要とする時間の長さに起因し得る。従って、Stanleyらは、明らかに、糖尿病患者の血中グルコースモニタリングのためお
よび血中電解質のような多くの他の身体内分析物のモニタリングのために要求されるような迅速なモニタリングを可能にする様式で、皮膚を通して血中グルコースまたは他の分析物を非侵襲的に輸送するための方法を教示していない。
(1985); H. Pratzelら、13J. Rheumatol.1122 (1986))。齧歯類の皮膚が用いられた系は
、最も期待できる結果を示したが、ヒト皮膚が用いられた系は、一般に,期待に反する結
果を示している。齧歯類の皮膚はヒト皮膚よりもずっと浸透性が高いことが当業者に周知であり、従って上記の結果は、ヒト皮膚を通じる経皮的送達および/またはモニタリング
に適用される場合の、音波泳動法の効果的な利用法を当業者に教示していない。
出願第08/152,174号(現在の米国特許第5,445,611号)に開示されそして特許請求の範囲
に記載される(これら両方とも本明細書中に参考として援用される)。これらの発明において、分析物の経皮サンプリングまたは薬物の経皮送達は、強度、位相、もしくは周波数、またはこれらパラメーターの組合せにおいて調整される音波エネルギーの、化学的浸透エンハンサーの使用と組み合わた使用により達成される。ニードル穿孔、水力学的噴射、レーザー、エレクトロポレーション、または他の方法により導入される穿孔を介して角質層を通して制御可能に分子を押し込み、そして/または汲み上げるために、必要に応じて
、周波数、強度、および/または位相を調整する音波エネルギーの使用もまた開示される
。
ることなく角質層を切除するために十分な波長、パルス長、パルスエネルギー、パルス数、およびパルス反復率を有するパルスレーザー光を用いて皮膚のある領域の角質層を切除し、次いで切除した領域に薬物を付与することにより薬物を投与する方法を教示する。この研究は、Jacquesらへの米国特許第4,775,361号の発行に至った。紫外レーザー照射の使用による皮膚の切除は、Laneら、121Arch.Dermatol.609-617(1985)によってより以前に
報告された。Jacquesらは、光の少数の波長および高価なレーザーの使用に制限される。
発させるに十分なエネルギーの1つ以上のレーザーパルスをヒトまたは動物の皮膚に照射して皮膚に表皮を通して伸びる穴を開け、そして少なくとも1つの血管を切断し、所定量の血液がその穴を通してそれが回収され得るように放出させることにより血液サンプルを得る方法を開示する。従って、Tankovich'418は、薬物が身体に送達され得るかまたは身
体からの分析物が分析され得るような、角質層の非侵襲性または最小限侵襲性である浸透化処理としては不適切である。
ためのヒト皮膚における表在性表皮皮膚細胞のレーザー除去法を開示する。この方法は、表皮外層に光吸収性「混入物質」を付与する工程、およびこの混入物質のある量を角質層の細胞内空間中にもしくはこれを通じて押し入れる工程、ならびに、混入物質により吸収されたエネルギーの量がいくつかの表皮皮膚細胞を引き剥がすに十分なエネルギーで混入物質を爆発させる十分な強度のレーザー光のパルスを浸潤された皮膚に照射する工程を包含する。Tankovich'803はさらに、レーザービームのその波長において混入物質によるエ
ネルギーの高い吸収があるべきであること、レーザービームが1μsより短い持続時間の
パルスビームでなければならないこと、混入物質が表皮の上層中にもしくはこれを通じて押し入れられねばならないこと、および混入物質がレーザーエネルギーの吸収により表皮細胞を引き剥がすに十分なエネルギーで爆発しなければならないことを教示する。この発明もまた、薬物送達または分析物回収の方法を開示も示唆もしていない。
を、選択された組織に投与し、そしてその領域に、対応する赤外線を、化合物が投与された組織の熱気化が起こるに十分であるが化合物が投与されなかった組織の気化が起こるには不十分なパワーで照射することにより、身体から非健康的な組織を選択的に除去する方法を記載する。この吸収性化合物は、(例えば、インドシアニングリーン、クロロフィル、ポルフィリン、ヘム含有化合物、またはポリエン構造を含む化合物のように)水または血清に可溶であるべきであり、そしてパワーレベルは、50〜1000W/cm2の範囲にあるかま
たはこれよりさらに高い。
きである。
の角質層に小さな穴を効果的に切除するために用いられ得ることが示されてきた。これらのレーザー切除技術は、送達穴および/またはサンプリング穴を角質層を通して開けるた
めの選択的でそして潜在的に非外傷性の方法に対する可能性を提供する。しかし、これらの光源に関連する法外に高いコストのために、この概念に基づいて開発された市販の製品は存在していない。本明細書中で開示される発明は、非常に緊密に規定された空間的および時間的解像度で生体膜中にもしくはこれを通して熱エネルギーを直接伝導する方法を規定することにより、非常に低コストのエネルギー源を用いて生体膜の所望の微小切除を作製することを可能にする。
を最小限侵襲的または非侵襲的にモニタリングするために生体膜の浸透性を安全に増強する方法の開発は、当該分野において著しい進歩であり得る。生物の選択された領域中に薬物への経皮流動速度を最小限侵襲的にまたは非侵襲的に増強する方法を提供することは、当該分野における別の著しい進歩であり得る。
本発明は、生物の選択された部位への浸透物の経膜流動速度を増強するための方法を提供する。この方法は、(a)生体膜に微細孔を形成する手段により、選択された部位で生体膜を穿孔し、これにより浸透物の流動性に対する生体膜の障害特性を減少させること、および(b)穿孔された選択部位と有効量の透過物を含む組成物とを接触させ、これにより生物内への浸透物の経膜流動速度が増強されることによりにより浸透物に対する生物の選択された部位の浸透性を増強する工程を包含する。
波数変調、振幅変調、位相変調、およびそれらの組合せからなる群から選択されるメンバーにより調整される方法を提供する。あるいは、エンハンサーは、電磁場(より詳細にはイオン導入法)または磁場、または機械的な力、化学的エンハンサー、また熱エンハンサーを含む。さらには、本発明は音波増強、電磁場増強、機械的増強、熱増強、または化学的増強のいずれかが、それらの任意の組合せで、微細孔中へのまたは微細孔を通じての浸透物の経膜流動速度を増加させるために、適用され得る方法をさらに提供する。
周波数変調、振幅変調、位相変調、およびそれらの組合せからなる群から選択されるメンバーにより調整される。あるいは、エンハンサーは、音波もしくは熱エネルギー、エレクトロポレーション、イオン導入、化学的エンハンサー、機械力、または磁場、あるいはこれらの任意の組合せを含む。
て)を熱源に接触させることによる生体膜の除去;(b)直径約1000μmまでの微細孔を
形成するために、目盛りが付けられたマイクロランセットを使用した生体膜の刺孔形成;(c)直径約1000μmまでの生体膜上への音波エネルギーのビームによる、の生体膜の除
去;(d)直径約1000μmまでの微細孔を形成するために流体の高圧噴射を使用した、生
体膜の力学的刺孔;および(e)直径約1000μmまでの微細孔を形成するために短い電気
パルスを使用した生体膜の刺孔。さらに、本発明は、部位へ効果的な量の熱エネルギーを伝導的に転移させるために、熱源を部位と(約1000μmまでにわたる)に接触させ、その
結果、該部位のいくらかの水および他の気化性物質の温度がそれらの沸点を超えて上昇し、生体膜の該部位に選択された深さに微細孔を形成することにより穿孔を達成する方法を含み、または、部位へ効果的な量の熱エネルギーを伝導的に転移させるために熱源を部位(約1000μmまでにわたって)接触させ、その結果、該部位のいくつかの組織の温度が、
熱分解を生じる温度まで上昇し、生体膜の該部位に選択された深さに微細孔を形成することにより穿孔を達成する方法を含む。さらには、本発明は、これは、パルス光源の発光範囲にわたって十分な吸光を示す有効量の物質で少なくとも該部位を処理する工程、およびパルス光源からの一連のパルス出力を物質に集中させ、その結果、物質を、有効量の熱エネルギーを生体膜に伝導的に転移させて温度を上昇させるに十分に加熱し、これにより微細孔を作製する工程をさらに包含する、該部位で生体膜を穿孔する方法を含む。本発明はまた、パルス光源が、生体膜により有意に吸収されない波長で発光する方法を含む。本発明は、パルス光源が約630〜1550nmの範囲で発光するレーザーダイオードである方法、パ
ルス光源が約700nm〜3000nmの範囲で発光するレーザーダイオードポンピング光学パラメ
トリック発振機である方法、パルス光源が、アークランプ、白熱ランプ、および発光ダイオードからなる群から選択される部品である方法をさらに含む。本発明はまた、生体膜の微細孔がいつ所望の大きさ(幅、長さ、および深さを含む)に達したかを決定するための検知システムを提供する工程をさらに含む方法、そしてさらに、検知システムは、該部位からの反射光を受容し、そして反射光を、光を受容し信号をコントローラー(ここで、信号は光量を表示する)に送るための検出器に集中させるための光収集手段、および信号を受容しそして予め選択された信号を受容した場合に光源を停止させるために、検出器および光源に接続されたコントローラー、あるいは、微細孔が形成された場合の、生物内の異なる深さでの生体膜の電気インピーダンスの変化を検出し得る電気インピーダンス計測システムを含む。
度を増強させるための方法をさらに包含する。本発明は、キャリヤーがリポソーム;脂質複合体;微細粒子;またはポリエチレングリコール化合物を含む方法をさらに包含する。より詳細には、本発明は、浸透性物質が、浸透性物質がキャリヤーと結合する方法との組合せのワクチンである方法をさらに包含する。
によって生体膜の分析物の回収に対する障壁特性を減少することにより、選択された領域の生体膜を穿孔する工程;
(b)分析物の選択された量を回収する工程;および
(c)回収された分析物を定量する工程。
ある周波数で音波エネルギーを穿孔された選択領域に適用する工程をさらに包含する。ここで、この音波エネルギーは、周波数変調、振幅変調、位相変調、およびこれらの組合せからなる群より選択されるメンバーによって変調される。別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、個体の身体の選択された領域を磁気エネルギ、熱エネルギー、力学的エネルギー、または音波エネルギーの適用とともに化学的エンハンサーと接触させ、分析物回収をさらに増強する工程をさらに包含する。
膜を、密接に焦点を合わせられた音波エネルギーのビームを角質層上に焦点を合わせることにより切除する工程;(d)流体の高圧ジェットで生体膜を水力学的に穿孔し、直径約1000μmまでの穿孔を形成する工程、および(e)電気の短いパルスで生体膜を穿孔し、直
径約1000μmまでの穿孔を形成する工程、からなる群より選択される手段により達成され
る。
れるメンバーであり得る。角質層の障壁性質が克服された場合、測定用の検出システムもまた提供され得る。1つの好ましい検出システムは、選択された領域から反射された光を受け取りそして発光ダイオード上に反射された光の焦点を合わせるための光収集手段、焦点を合わせられた光を受け取りそしてコントローラーに信号を送る発光ダイオードであって、シグナルが反射された光の質を示す、発光ダイオード、および信号を受け取りそして予め選択されたシグナルが受け取られると、パルス光源を遮断するための発光ダイオードならびにパルス供給源に接続されたコントローラーを備える。
触させる工程、および次いで選択された領域の温度をほぼ周囲温度まで約1〜50ms以内に
戻す工程を包含し、ここで温度を上昇させる工程およびほぼ周囲温度に戻す工程のこのサイクルは生体膜の障壁特性を減少させるために効果的である複数回繰り返される。好ましくは、ほぼ周囲温度までに戻す工程は、固体エレメントを生体膜との接触から引き離すことにより行われる。固体エレメントと身体との間の電気的インピーダンスを、生体膜の選択された領域および隣接組織を通してモニタリングするための手段、および切除が抵抗の減少と同時に起こるように固体エレメントの位置を進行させるための手段を提供することもまた好ましい。ここでこの進行させるための手段は、固体エレメントの加熱の間に固体エレメントが生体膜と接触するように固体エレメントを進行させる。さらに、固体エレメントを生体膜との接触から引き離すための手段を提供することもまた好ましく、ここで、モニタリング手段は、生体膜の下にある層またはその層との接触に関連するインピーダンスの変化を検出し得、そして固体エレメントを生体膜との接触から引き離すための引き離し手段に、信号を送り得る。固体エレメントは、オーム発熱エレメントにより加熱され得、高い抵抗点を有する電流ループを有し得、ここで高い抵抗点の温度が、変調された電流を上記電流ループを通して通過させて熱をもたらすことにより変調され、または励起コイルの変調可能な交流磁場に、電流波腹点に交流を通過することにより固体エレメントを内部のオーム損失により加熱するに十分な渦電流を発生するように配置され得る。
てそれにより活性な浸透物の流動性に対する生体膜の障壁特性を減少させる手段により、選択された領域の生体膜を穿孔する工程;および
(b)穿孔された選択領域を、有効量の浸透物を含む組成物と、浸透物の身体への流動
性が増強されるように接触させる工程。
供され、この方法は以下の工程:
(a)下にある組織に重大な損傷を有意に起こさずに角質層に微細穿孔を形成し、そし
てそれにより浸透物の流動性に対する角質層の障壁特性を減少させる手段により、選択された領域の角質層を穿孔する工程;および
(b)インクの身体への流動性が増強するように、穿孔された選択領域を、有効量の入
れ墨用インクを含む組成物と接触させる工程、
を包含する。
1.生物の選択された部位への浸透性物質の経膜流動速度を増強するための方法であって、
(a)生体膜を、該選択された部位で、該生体膜において微細穿孔を形成する手段によ
って穿孔し、それにより、該生体膜の該浸透性物質の流動に対する障壁特性を減少させる工程;および
(b)該穿孔された選択された部位を、該浸透性物質の有効量を含む組成物と接触させ
、これにより該生物への該浸透性物質の該経膜流動速度が増強される工程、
の手段により、該浸透性物質に対する該生物の該選択された部位の浸透率を増強する工程を包含する、方法。
2.前記生物の前記部位にエンハンサーを適用して、該生物への前記浸透性物質の前記流動を増加させる工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
3.前記エンハンサーが、音波エネルギーを含む、項目2に記載の方法。
4.前記音波エネルギーが、約10Hz〜1000MHzの範囲の周波数で、前記部位に適用され、
ここで該音波エネルギーが、周波数調節、振幅調節、位相調節、およびそれらの組合せからなる群より選択されるメンバーの手段によって調節される、項目3に記載の方法。
5.前記エンハンサーが電磁場を含む、項目2に記載の方法。
6.前記電磁場がイオン導入を含む、項目5に記載の方法。
7.前記電磁場が磁場を含む、項目5に記載の方法。
8.前記エンハンサーが機械力を含む、項目2に記載の方法。
9.前記エンハンサーが化学的エンハンサーを含む、項目2に記載の方法。
10.項目3、4、5、6、7、8、または9に記載の方法のいずれかが、それらの任意の組合せに適用されて、前記微細穿孔へ、または該微細穿孔を介して前記浸透性物質の前記経膜流動速度を増加し得る、項目2に記載の方法。
11.前記部位での前記エンハンサーが、前記微細穿孔を囲む組織への前記浸透性物質の前記流動速度を増加するように適用される、項目2に記載の方法。
12.前記エンハンサーが音波エネルギーを含む、項目11に記載の方法。
13.前記音波エネルギーが、約10Hz〜1000MHzの範囲の周波数で、前記部位に適用され
、ここで該音波エネルギーが、周波数調節、振幅調節、位相調節、およびそれらの組合せからなる群より選択されるメンバーの手段によって調節される、項目12に記載の方法。14.前記エンハンサーがエレクトロポレーションを含む、項目11に記載の方法。
15.前記エンハンサーがイオン導入を含む、項目11に記載の方法。
16.前記エンハンサーが化学的エンハンサーを含む、項目11に記載の方法。
17.前記エンハンサーが機械力を含む、項目11に記載の方法。
18.前記エンハンサーが電磁場を含む、項目11に記載の方法。
19.前記エンハンサーが、項目12、13、14、15、16、17、および18に記載の方法のそれらのいずれかの組合せを含む、項目11に記載の方法。
20.項目19に記載の方法をさらに含む、項目10に記載の方法。
21.前記部位における前記生体膜の前記穿孔が、(a)該生体膜の該部位を熱源と接触
させることによって、該生体膜を除去し、その結果微細穿孔が、該生体膜において該部位で形成される工程;(b)該生体膜を、校正された微小ランセットで穿孔し、微細穿孔を
形成する工程;(c)該生体膜への音波エネルギービームによって、該生体膜を除去する
工程;(d)該生体膜を、流動の高圧ジェットで水力学的に穿孔して、微細穿孔を形成す
る工程、および(e)前記生体膜を、電気の短いパルスで穿孔して、微細穿孔を形成する
工程、からなる群より選択される手段によって達成される、項目1に記載の方法。
22.前記穿孔が、前記部位を、約1000μmにわたって、熱源と接触させて、有効量の熱
エネルギーを、該部位に伝導的に移し、その結果該部位における水および他の気化物質のいくつかの温度が、前記生体膜において該部位で選択深度まで微細穿孔を作製するためにそれらの気化点を越えて上昇されることによって達成される、項目21に記載の方法。
23.前記穿孔が、前記部位を、約1000μmにわたって、熱源と接触させて、有効量の熱
エネルギーを、該部位に伝導的に移し、その結果、該部位での組織のいくつかの温度が、熱分解が生じる点まで上昇され、前記生体膜において該部位で選択深度まで微細穿孔を作製することによって達成される、項目21に記載の方法。
24.少なくとも前記部位を、パルス光源の発光範囲を越える十分な吸収を示す有効量の物質で処理する工程、および該パルス光源から該物質への一連のパルスの出力に焦点をあわせ、その結果、該物質が、前記生体膜へ有効量の熱エネルギーを伝導的に移すのに十分加熱されて、温度を上昇し、それにより微細穿孔を作製する工程を包含する、項目21に記載の方法。25.前記パルス光源が、前記生体膜によって有意に吸収されない波長で発する、項目24に記載の方法。
26.前記パルス光源が、約630〜1550nmの範囲で発するレーザーダイオードである、項
目25に記載の方法。
27.前記パルス光源が、約700〜3000nmの範囲で発するレーザーダイオードポンプ光学
パラメトリック発振器である、項目25に記載の方法。
28.前記パルス光源が、アークランプ、白熱ランプ、および発光ダイオードからなる群より選択されるメンバーである、項目25に記載の方法。
29.前記生体膜における微細穿孔が、所望の寸法に達しているか否かを決定するための検出システムを提供する工程をさらに包含する、項目21に記載の方法。
30.前記検出システムが、前記部位から反射された光を受け、そして該光を受けるための検出器に該反射された光を焦点させ、そしてシグナルをコントローラーに送るための、光収集手段を含み、ここで、該シグナルは該光の性質を示し、コントローラーは、予め選択されたシグナルが受信された場合に、該シグナルの受信および該光源の遮断のために、該検出器および該光源に接続されている、項目29に記載の方法。
31.前記検出システムが、前記微細穿孔が形成されるような生物への異なる深度での生体膜のインピーダンスにおける変化を検出し得る、電気的インピーダンス測定システムを含む、項目29に記載の方法。
32.前記部位および隣接する組織を冷却し、その結果該部位および隣接する組織を冷却状態にする工程をさらに包含する、項目21に記載の方法。
33.前記冷却手段が、Peltierデバイスを含む、項目32に記載の方法。
34.前記部位を穿孔する前に、少なくとも該部位を光で照射し、その結果該部位が殺菌される工程をさらに包含する、項目21に記載の方法。
35.前記部位を固体エレメントと接触させ、ここで該固体エレメントが、前記生体膜へ有効量の熱エネルギーを伝導的に伝達するための熱源として機能して、温度を上昇させ、それにより微細穿孔を作製する工程を包含する、項目21に記載の方法。
36.前記熱源が構築されて、前記部位の温度を、約10ナノ秒〜50ミリ秒内で100℃を越
えるように調節し、次いで該部位の温度を、約1ミリ秒〜50ミリ秒内でほぼ周囲温度に戻し、そしてここで温度を上昇しそして周囲温度に戻すサイクルが、前記所望の深度にまで前記生体膜を穿孔するのに有効に1回以上反復される、項目35に記載の方法。
37.前記部位のほぼ周囲温度に戻す前記工程が、前記熱源を該部位との接触から取り除くことによって行われる、項目36に記載の方法。
38.前記調節パラメーターが、動物被験体に対する感覚を減少させるように選択される、項目36に記載の方法。
39.項目35の前記固体エレメントと前記生物との間の電気的インピーダンスを、前記部位および隣接する組織を通してモニターするための手段、および該固体エレメントの部分を進行させ、その結果、前記穿孔がインピーダンスに付随する変化を生じ、前記進行手段が該固体エレメントを進行させ、その結果該固体エレメントが、該固体エレメントの加熱の間、該選択されたインピーダンスが得られるまで該部位と接触されるための手段を提供する工程をさらに含む、項目31に記載の方法。
40.前記固体エレメントを前記部位との接触から取り除くための手段であって、ここでモニタリング手段が、該部位の表面の基底にある選択された層を接触することに関連するインピーダンスにおける変化を検出し得、そして該取り除く手段にシグナルを送信して、該固体エレメントを該部位との接触から除き得る手段をさらに包含する、項目38に記載の方法。
41.前記固体エレメントが、オーム加熱エレメントを介して電流を送達することによって加熱される、項目35に記載の方法。
42.前記固体エレメントが形成され、その結果、それが電気的伝導成分を含み、そして該固体エレメントの温度が、調節された電流を伝導エレメントを介して通過させることによって調節される、項目35に記載の方法。
43.前記固体エレメントが、調節可能な磁場に配置され、ここで磁場の励磁が、該固体エレメントを加熱するのに十分な渦電流を産生する、項目35に記載の方法。
44.前記穿孔が、微細穿孔を形成するように校正された微小ランセットで前記部位を穿孔することによって達成される、項目21に記載の方法。
45.前記穿孔が、前記部位に指向される音波エネルギーのビームによって達成される、項目21に記載の方法。
46.前記穿孔が、前記生体膜を、液体の高圧ジェットで水力学的に穿孔して、微細穿孔を形成することによって達成される、項目21に記載の方法。
47.前記穿孔が、前記生体膜を、電気的に短いパルスで穿孔し、微細穿孔を形成することによって達成される、項目21に記載の方法。
48.前記浸透性物質が核酸を含む、項目1に記載の方法。
49.前記核酸がDNAを含む、項目48に記載の方法。
50.前記核酸がRNAを含む、項目48に記載の方法。
51.前記生体膜における前記微細穿孔が、1〜30ミクロンの深度の範囲の該生体膜の外側の層の部分へ伸張する、項目1に記載の方法。
52.前記生体膜における微細穿孔が、10〜200ミクロンの深度の範囲の該生体膜の外側
の層の部分へ伸張する、項目1に記載の方法。
53.前記生体膜における微細穿孔が、100〜5000ミクロンの深度の範囲の該生体膜の接
続組織層の部分へ伸張する、項目1に記載の方法。
54.前記生体膜における微細穿孔が、1000〜10000ミクロンの深度の範囲の該生体膜の
接続組織層の部分を介して伸張する、項目1に記載の方法。
55.前記微細穿孔が、決定された深度へ前記生体膜を透過して、前記選択された浸透性物質の所望の活性を促進する、項目1に記載の方法。
56.前記浸透性物質がポリペプチドを含む、項目1に記載の方法。
57.前記ポリペプチドがタンパク質である、項目56に記載の方法。
58.前記ポリペプチドがペプチドを含む、項目56に記載の方法。
59.前記ペプチドがインシュリンを含む、項目58に記載の方法。
60.前記ペプチドが放出因子を含む、項目58に記載の方法。
61.前記浸透性物質が炭水化物を含む、項目1に記載の方法。
62.前記炭水化物がヘパリンを含む、項目61に記載の方法。
63.前記浸透性物質が鎮痛剤を含む、項目1に記載の方法。
64.前記鎮痛剤がオピエートを含む、項目63に記載の方法。
65.前記浸透性物質がワクチンを含む、項目1に記載の方法。
66.前記浸透性物質がステロイドを含む、項目1に記載の方法。
67.前記浸透性物質がキャリアと結合する、項目1に記載の方法。
68.前記キャリアがリポソームを含む、項目67に記載の方法。
69.前記キャリアが脂質複合体を含む、項目67に記載の方法。
70.前記キャリアが微粒子を含む、項目67に記載の方法。
71.前記キャリアがポリエチレングリコール化合物を含む、項目67に記載の方法。
72.項目66に記載の方法と組み合わせた、項目65に記載の方法。
73.前記浸透性物質が、前記生物内に存在する分析物に近接する刺激物へのその検出可能な応答を変化させる能力を有する物質を含む、項目1に記載の方法。
本発明は、本明細書中で開示される特定の構成、プロセス工程、および材料に限定されないことを理解すべきである。なぜなら、このような構成、プロセス工程、および材料は、多少変更し得るからである。また、本明細書中で使用される用語は、特定の実施態様のみを記載する目的のために使用され、そして限定することを意図せず、なぜなら、本発明の範囲は、添付の請求の範囲およびその等価物よりのみ制限されることも理解すべきである。
どは含むことを意味し、制限を意味しない。
ましくは直径約300μm以下であり、そして以下に記載されるように選択された深さに達する。
交換可能であり、そして0.01Hz以上の振動数範囲にわたる。
スフェア、化合物、または他の化学的処方物(「透過性物質」とも呼ばれる)に対する、皮膚もしくは粘膜もしくは頬膜または植物の組織外層のような生物学的な膜の浸透エンハンサー使用による浸透性(すなわち、生物活性薬剤、薬物、分析物、染料、微粒子、ミクロスフェア、化合物、または他の化学的処方物が生物学的な膜を浸透し、そして生体膜を通る分析物の回収または生体膜を通り、かつ内在組織への物質の送達を容易にする速度を増加するため)の増加を意味する。このようなエンハンサーの使用によってもたらされる増強された浸透は、例えば、拡散用の器具を用いた動物皮膚またはヒト皮膚を通る、透過性物質としての色素の拡散を観察することにより観察され得る。
な様式で、特定の分析物の濃度の変化に反応し得、そしてこのようにする際、この領域への、電磁的、機械的、または音波的であり得るエネルギーの適用に対する、この化合物または処方物の測定可能な応答の検出可能な移動を引き起こし得る化合物または処方物の、生物の生存可能な組織層内への配置を含むが限定しない。この効果は、局部麻酔効果を提供するように局所的または全身性であり得る。本発明は、微細穿孔技術によるもの以外は新規透過性物質または新たな活性薬剤クラスには関しない。しかし、経皮、経粘膜、経膜、または経頬送達に代表的に用いられない物質が今や使用可能であり得る。むしろ、本発明は当該分野に存在するか、または活性薬剤として後に確立され得、かつ本発明による送達に適した生物活性薬剤または透過性物質の送達の態様に関する。
達を含む)される広範なクラスの化合物を包含する。一般に、これは、以下のものを含むが、これらに限定されない:ポリペプチド(タンパク質およびペプチド(例えば、インスリン)を含む);放出因子(黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)を含む);炭水化物(ヘパリンを含む);核酸;ワクチン;および抗感染薬(例えば、抗生物質および抗ウイルス剤)のような薬理学的に活性な薬剤;鎮痛薬および鎮痛薬の組合せ;食欲抑制薬;駆虫薬;抗関節炎薬;抗喘息剤;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗糖尿病剤;止瀉薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤;抗片頭痛製剤;制吐薬;抗悪性腫瘍薬;抗パーキンソン薬;止痒薬;抗精神病薬;解熱薬;鎮痙薬;抗コリン薬;交感神経模倣薬;キサンチン誘導体;心血管製剤(カリウムチャンネルブロッカーおよびカルシウムチャンネルブロッカー、βブロッカー、αブロッカーならびに抗不整脈薬を含む);降圧薬;利尿薬および抗利尿薬;血管拡張薬(全身冠状血管拡張薬、末梢血管拡張薬、大脳血管拡張薬を含む);中枢神経系興奮薬;血管収縮薬;咳および風邪の製剤(鬱血除去薬を含む);エストラジオール、テストステロン、プロゲステロンおよび他のステロイドのようなホルモンならびに誘導体および類似体(副腎皮質ステロイドを含む);催眠薬;免疫抑制薬;筋弛緩薬;副交感神経遮断薬;覚醒剤;鎮静薬;および精神安定薬。本発明の方法により、イオン化および非イオン化浸透性物質の両方が送達され得、同様に、50ダルトン未満から1,000,000ダルトンより大きい
範囲の分子量の物質を含む任意の分子量の浸透性物質が送達され得る。
物を意味する。本明細書中に使用する、エンハンサーの「有効」量は、組織浸透性における所望の増加および所望の透過の深さ、投与の速度、および送達される浸透性物質の量を提供するために選択された量を意味する。
同時に適用される振幅および周波数の変調を表し得る。
。位相変調は、その以前の状態または別のシグナルを参照して時間的に、そのシグナルを選択的に遅らせるかまたは進ませるような可変の遅滞と共に実行され得る。
間の周波数範囲にわたって変化し得、約0.1Hzと30MHzとの間の範囲が好適である。
ム」もしくは「脂質複合体」は、相互に交換可能に使用し得る。
生体膜における微細孔の形成は、種々の状態の当該技術の手段およびその改良である本明細書中に開示される特定の手段により達成され得る。以下の技術および実施例は生体膜の穿孔に関してなされたものであるが、本明細書中で述べた改善もまた、粘膜もしくは頬膜または植物の外層の穿孔に適用されることを理解するべきである。
内に吸収される。このことは、高パワービームの約95%が、角質層の下にある組織に通過することを意味し、ここで、著しい損傷を引き起こすようである。生物活性薬剤を送達する状況において、この用語は、所望の位置に生物活性薬剤を提供することを意味する。
量の成分の蒸発温度を超えるまで、接触点における生体膜の温度を調節し、次いで、周期時間でおよそ周辺の温度にまで回復させ、生存組織に対して付随する損傷および被験体に対する外傷を最小にする能力を有さねばならない。この調節は、電気的に、機械的に、または化学的になされ得る。
るに十分であるように、その温度を上昇させるに十分小さな熱質量および限定されたエネルギー供給源の両方を有する場合、微小穿孔プロセスの固有の深さを限定する特徴が促進され得る。一旦、熱プローブが角質層を通して表皮のより下の層にまたは貫通して透過されると、この特徴は熱蒸発プロセスを効果的に停止させる。
内部半径を有する180度に近い屈曲を形成することにより造られ得る。次いで、この微小
な「V」型ワイヤ片は、「V」の点が、その上に被覆された銅電極を有する支持片からある程度の距離をおくように取り付けられ得る。ワイヤがこの支持から離れている距離は、ワイヤが加熱された場合の組織へのまたは組織を貫通する最大透過距離を規定する。タングステン「V」の各脚部は、順に電流のパルス回路に接続され得る支持キャリア上の電極の一方に付着される。電流が適切に制御された様式でワイヤに送達される場合、ワイヤは、所望の温度に迅速に加熱され、電流の単一パルスまたは複数パルスで熱的切除プロセスをもたらす。プローブの動力学的インピーダンスをモニタリングし、そしてタングステンエレメントの抵抗対温度の係数を知ることによって、接触点の温度の閉ループ制御は、容易に樹立され得る。また、プローブの接触点およびいくらかの距離をおいて配置される第2の電極からの身体を通過するインピーダンスを動力学的にモニターすることによって、孔の深さは、より深く身体へ浸透するにつれて、組織の異なるインピーダンス特性に基づいて評価され得る。
位置づけは、直下の組織が切除されるにつれて、チップ自体は組織中に進むように、いくらかのバネ張力下で表面に対してチップを保持するように設計された単純な機構を用いて達成され得る。このことは、熱切除プロセスを、所望される限り組織中へまたは組織を貫通して連続させることを可能にする。この光学的に加熱されるプローブ設計のさらなる特徴は、ファイバーによって集められる加熱されたチップからの黒体放射エネルギーをモニターすることによって、チップ温度の非常に単純な閉ループ制御が、もたらされ得ることである。また、先述のように、プローブの接触点およびいくらかの距離を置いて配置された第2の電極からの身体を貫通するインピーダンスを動力学的にモニターすることにより、孔の深さは、身体へより深く浸透するにつれて、組織の異なるインピーダンス特性に基づいて決定され得る。この設計について、パルス幅と感覚との間の関係は、本質的に、先述された電気的に加熱されたプローブに関して同一である。
効な送達に対する種々の障壁について機能するように、目下至適化され得る。特に、裸の、フラグメントされた、カプセル化されたまたは別の薬剤と結合したかのいずれかのDNA
化合物を送達する場合、細胞を殺傷することなく所望の取り込み、続いて治療の実施を可能にするように、生細胞にDNAを取り込ませることが、しばしば所望される。エレクトロ
ポレーション、イオン導入法、および超音波は、一時的に細胞膜および他の内部組織膜において開口を形成させ得ることが、当該分野で周知である。角質層もしくは粘膜層、または植物の細胞壁、そして所望であれば、上皮および真皮、または植物へより深く、突破させることによって、エレクトロポレーション、イオン導入法、磁場、および音波エネルギーは、今や、これらの下にある組織障壁において選択的に作用するように調整され得るパラメーターとともに用いられ得る。例えば、任意の電磁気的または音波エネルギー増強手段に関して、増強の特異的作用が、孔の任意の部分に、例えば、孔の底部に、電極、音波および磁場形成デバイスなどの設計のような用いられる集束手段の設計によって焦点を合わせるように設計され得る。あるいは、エンハンサーは、孔全体または孔周囲の領域に、より一般的に焦点を合わせ得る。エレクトロポレーションの場合では、50〜150ボルトを
超えるパルスを日常的に用いて角質層または粘膜層をエレクトロポレーションする場合、我々が提示する環境においては、わずか数ボルトのパルスが、標的化された組織内の細胞、毛細管または他の膜をエレクトロポレーションするに十分であり得る。これは、原理的には、生体膜の外表面が一旦開口されると、電極の間に存在する絶縁層の数が劇的に減少することに起因する。同様に、イオン導入は、これらの穿孔された層を貫通する体液の流れに対する物理的インピーダンスの劇的な減少に起因して、非常に少ない電流量で微細穿孔を通る、DNAを含む液体媒体の流れを調節するのに効果的であることが示され得る。
ーク温度まで、そしてほぼ周辺の表面温度にもどる一連の1つ以上の温度調節を通してサイクルされる。微小穿孔プロセスの動物の感覚的知覚を最小にするかまたは取り除くために、これらのパルスは持続期間で限定され、そしてパルス間の間隔は、生体膜の生存組織層および最も詳細には、神経分布した組織の冷却を可能にするのに十分長く、神経分布した組織内で約45℃未満の平均温度を達成する。これらのパラメーターは、熱プローブと下にある真皮中の神経分布した組織との間に位置する、ヒト皮膚の生存表皮組織の熱時間定数(およそ30〜80ms)に基づく。パルス熱エネルギーのこの適用の結果は、小さな標的ス
ポット内の角質層にまたは貫通して、十分なエネルギーが伝導され、この容量の組織の局所的温度が、角質層内の組織に結合した水含量の気化点より十分に高く上昇されることである。温度が100℃より上に増加するとき、この局在化されたスポット内の角質層の水含
量(代表的には5%〜15%)は、非常に急速に蒸発および膨張するように誘導され、この蒸発事象の近傍に位置する角質層内のこれらの角質細胞の蒸発により駆動される除去を引き起こす。米国特許第4,775,361号は、123℃の角質層温度が、この温度でこの型のフラッシュ蒸発が起こる閾値を示すことを教示する。その後の熱エネルギーパルスが適用される場合、微細孔が、角質層を下って表皮の次の層(淡明層)まで形成されるまで、角質層のさらなる層が取り除かれる。熱パルスの持続時間を、1未満の表皮の熱時間定数に限定し、そして任意の熱エネルギーを表皮にまたは貫通して伝導させて、十分に長い十分な時間の間、散逸させることにより、表皮の生存層の温度の上昇は最小である。これは、被験体に対していずれの感覚もなく、かつ下にあるおよび周囲の組織に損傷を与えることなく、微細穿孔プロセス全体が生じることを可能にする。熱プローブが300℃を超える温度を達
成し得る場合、穿孔のいくつかは、組織の直接熱分解に起因し得る。
)を無痛でまたはほとんど感覚を伴わず作製するための方法を包含する。この方法を首尾良く行うことの鍵は、生体膜と接触して保持される、適切な熱エネルギー供給源または熱プローブの作製である。適切な熱プローブを製作することにおける原理的な技術的難題は、生体膜と所望の接触を有し、しかも十分に高い周波数で熱変調され得るデバイスを設計することである。
は約610nmで吸収する;そしてインドシアニングリーンは、約775nmで吸収する;そして
クリプトシアニンは約703nmで吸収する。CPCは、以下の理由のためこの実施態様には特に良好に適切である:それは、非常に安定でかつ不活性な化合物であり、移植可能な縫合糸における色素としての使用のために、既にFDAにより許可されている;750nm〜950nmの波
長で非常に強く吸収し、この波長は、レーザーダイオードおよびLEDのような多くの低コ
ストの半導体発光素子と良く一致し、さらに、この領域の光学的バンド幅は、同様に、任意の有意な量で皮膚組織により直接吸収されない;CPCは非常に高い気化点(真空下で>550C)を有し、そして液相を経ることなく、固相から気相に直接移行する;CPCは比較的低
い熱拡散定数を有し、それに焦点を合わせた光エネルギーを、「熱スポット」の周囲CPC
への横方向への拡散が非常に少なく、焦点において直接その領域のみを選択的に加熱し、それによって接触熱プローブの空間的規定を補助する。
波長で動作する、HammamatsuPhotonicSystems PLP-02モデル;15Jのパワー出力、685nmの波長で動作する、HammamatsuPhotonicSystemsPLP-05モデル;2×106Jのパワー出力、約800〜810nmの波長で動作する、SDL,Inc.,SDL-3250シリーズパルスレーザー;500mWのパワ
ー出力、約670nmの波長で動作する、SDL,Inc.,SDL-8630モデル;15,000mWのパワー出力、790〜830nmの波長で動作する、UniphaseLaserModelAR-081-15000;30mWのパワー出力、690nmの波長で動作する、ToshibaAmerica ElectronicTOLD9150モデル;および50mWのパワ
ー、780nmの波長で動作する、LiCONIX,Diolite800-50モデルである。
長にわたって放射を発光し得る。エキシマーレーザーは、代表的には、約100〜400nmの範囲にわたって発光する。約193nm〜350nmの範囲の波長を有する市販のエキシマーレーザーが現在入手可能である。好ましくは、レーザーダイオードは、約380〜1550nmの発光範囲
を有する。周波数倍化レーザーダイオードは、約190〜775nmの発光範囲を有する。約1300nm〜3000nmの範囲のより長い波長は、レーザーダイオードポンプ光学パラメトリック発振器を用いて利用され得る。所定量の研究がレーザー技術について行われれば、これらの範囲は時間と共に広がることが予測される。
らず使用され得るので、送達または吸収されるエネルギーは、任意の光源として、レーザーから得られる必要はない。従って、電磁的放射を送達するために使用される特定の器具は、それに関連する波長およびエネルギーほど重要ではない。適切な波長(すなわち、約100nm〜約12,000nmの範囲)で必要なエネルギーを送達し得る任意の適切な器具は、本発
明の範囲内にあると考えられ得る。必須の特徴は、エネルギーが光吸収性化合物により吸収され、その局在化された熱を引き起こし、続いて、許可された時間枠内に切除される組織に十分な熱を伝導を引き起こさなければならないことである。
化学的化合物の特定の処方物は、光吸収化合物にエネルギーを提供することについて選択された光源のスペクトルの領域にわたって高い吸収を示すように選択される。プローブは、例えば、固体の化合物のシートであり得るか、適切な光吸収化合物で処理されたかまたは被膜されたかまたはそれを含むフィルムであり得るか、あるいは沈殿物もしくはキャリア中の懸濁物としての皮膚への光吸収化合物の直接貼布であり得る。光吸収熱プローブの形態にかかわらず、いかなる局所的な温度上昇も依然として十分に場所的に定められ、そして熱損失の主要な態様が皮膚とプローブとの間の接触点を通して生体膜への直接伝導を好ましく介するように、プローブは十分低い側面熱拡散係数を示さなければならない。
(例えば、銅フタロシアニン(CPC))を用いることにより、熱プローブは急速に数百℃の
温度になり得、そしてなお生体膜と接触したままこの熱エネルギーを角質層へまたは角質層を通して伝える。さらに、この実施態様は、ほとんどのエネルギーが生体膜組織に通常吸収されない、放出スペクトルを有する光源を選択することを含む。
ローブの温度が上昇するにつれて、生体膜へのまたは生体膜を通した伝導はエネルギーをこれらの組織へまたはこれらの組織を通して送達し、生体膜の局所温度を上昇させる。十分なエネルギーが生体膜のこの小領域へまたはこの小領域を通して送達されて、局所温度を、これらの組織内に含まれるいくらかの水および他の気化可能な成分の沸点より高い温度に上昇させるとき、この物質の急速な蒸発が生じ、この部位の生体膜の任意の部分を除去し、そして微細孔を形成する。
く作成され得る。
の沈殿物から形成された0.5cmのスポットを有する接着側で処理された移植接着テープの
局所貼布により形成され得る。CPCは800nmのスペクトル領域で極度に高い吸収係数(代表的にはレーザーダイオードからの放射エネルギーの95%より大きい吸収)を示す。
およびその対物穴46と対応し、その結果個体の生体膜の選択された領域が照射され得る。xyzステージは、xyzステージの位置が制御され得るようにコントローラーに連結される。このシステムはまた、モニター器54に連結したCCDカメラ50を備えるモニターシステムを
備える。CCDカメラは、穿孔プロセスの進行をモニター上で視覚的にモニタリングし得る
ように対物レンズと共焦的に整列される。
してそれにより集束される。このビームは、送達光学システムにより予選択点116(個体
の皮膚120の選択された領域のような)へ集束される。ペルチェデバイスまたは他の冷却
手段のような冷却デバイス124は、皮膚と接触してその表面を冷却する。冷却デバイス124の好ましい実施態様(図3B)では、集束光ビームが通過して皮膚と接触する中心穴128が存
在する。図3Aについて再び言及すれば、熱シンク132がまた冷却デバイスと接触して好ま
しく配置される。その中央に光の焦点と一致する小さな穴を有する冷却デバイスを提供することにより、穿孔が作製される一般的な領域の組織が5℃〜10℃に冷却され得る。この冷却は、使用者への潜在的な感覚および穿孔部位直下の表皮に対する付随するあらゆる損傷の可能性を非冷却実施態様から有意に減少させる点で、システムが操作により大きな安全限界を与える。さらに、モニタリング適用のために、冷却は、間質液の蒸発を最小化し、そしてまた、このような間質液の表面張力を減少させるような、有利な物理的特性をまた提供し得る。なおさらに、組織の冷却が、このような冷却された組織における血流の局在化された増大を引き起こすことが知られているので、これは血液から間質液への分析物の拡散を促進し、かつ送達されたパーミアント(permeants)の細孔から離れるかまたは
細孔の根底にある組織の中への拡散を促進する。
する。
び低温で少なくとも約1〜50 ms(オフ時)の間)内で、周囲生体膜温度から123℃より高
い温度へその温度を調節することができなければならない。特に、5ms周辺の「オン」時および50msのオフ時の間150℃より高い温度まで調節できることは、個体にほとんどまた
は全く感覚を感じさせない非常に有効な熱切除を生じる。
スは、固体エレメント熱プローブ148に連結したオーム熱源144を備える。このオーム熱源はまた、断熱マウント152を介してソレノイドのような機械的調節デバイス156に連結している。この配置で、固体エレメントプローブのチップが構造の物理的パラメーター(すなわち、オーム熱源の温度、固体エレメントの長さおよび直径、固体エレメントを取り囲む空気の温度、および固体エレメントを構成する材料)により規定されるいくらかの平衡温度で安定化する定常状態に達し得る。一旦所望の温度に達したら、生物体の生体膜160の
選択された領域の温度の調節を、交互にワイヤのホットチップを生体膜と接触して配置し(好ましくは、5msオン時)、次いでそれを空気中に引っ込める(好ましくは、50msオフ時)機械的調節デバイスを介して直接行う。
調節が、固体エレメントを通る電流を単に調節することにより達成される。固体エレメントの熱量が適切にサイズ化され、そして電源に連結する電極により提供される放熱が十分な場合、固体エレメントの予熱および冷却時間は数ミリセカンドで達成され得る。固体エレメントを生体膜198の選択された領域と接触させて生体膜を加熱し、選択された切除を
達成する。
形成された変調可能交流磁場内に配置され得る。そこに連結したコントローラー212によ
って励磁コイル内に交流を励磁することにより、渦電流が、内部抵抗損を介して直接的に加熱される十分な強度の固体エレメント熱プローブ中に誘導され得る。これは、本質的に、ツールのチップを熱処理するか、あるいは真空管またはフラッシュ管中の電極から除気することを誘導するために通常用いられる誘導加熱システムの小型バージョンである。誘導加熱法の利点は、固体エレメント熱プローブ中へ送達されるエネルギーが密に制御され得、そして熱プローブそれ自体とは電気的に直接接続されていない励磁コイルの電気的制御を介して容易に変調され得ることである。固体エレメント熱プローブの熱量、およびプローブのチップと接触した生体膜の熱量が既知であれば、送達された誘導エネルギーを制御することは、生体膜220との接触点216における温度の正確な制御をし得る。誘導加熱が達成され得る低周波数では生体膜組織が本質的に非磁性であるので、適切に選択された周波数が励磁コイル中で用いられる場合、この交流電磁場は生物体の組織上でなんの効果も有さない。
の表皮層へまたは表皮層を通して貫通して、血中グルコースレベルなどをモニタリングするために体液を採集するためのデバイスを示す。
(現在米国特許第5,458,140号)および同第08/152,174号(現在米国特許第5,445,611号)に記載と同様のパルス集束超音波変換器を利用して、分析物の経皮サンプリングまたは薬物の経皮送達のために、強度、相、または周波数あるいはこれらのパラメーターの組み合わせにおいて変調された音波エネルギーの送達で使用されるのと同様に、切除のために必要なエネルギー密度を送達する。これは、角質層を通して薬物を入れるか、または分析のために体液を表面に引き出すために、同じ変換器の使用を、微細孔を最初に作製するために用いることを可能にするという利点を有する。
この実施例において、皮膚サンプルを以下のように調製した。表皮膜を、ヒト屍体全皮膚からKlingmanおよびChristopher,88 Arch.Dermatol.702 (1963)の熱分離法により分
離した。この方法は、全厚皮膚の温度60℃への60秒間の曝露を含み、この時間の後、角質層および表皮(表皮膜)の一部を真皮から静かに引き剥がした。
実施例1の手順により調製された、熱分離角質層サンプルを、1cm2の切片に切り分け
た。次いで、これらの小さいサンプルをスライドの上に載せそして中央に6mmの穴を有する感圧性接着剤塗布ディスクを皮膚サンプルの上に適用することにより、これらをガラスのカバースライドに付着させた。次いで、サンプルを実験的試験のために準備した。いくつかの場合には、中性の緩衝化リン酸溶液または純水中に数時間浸すことにより、皮膚サンプルを水和させた。
オードについて50と200ミリワットとの間にあるようにした。このレーザーダイオードは
連続波(CW)の様式で操作可能であった。905nmおよび1550nmのレーザーダイオードを、お
よそ10から200ナノ秒長の高ピークパワーパルスを5000Hzまでの反復速度で産出するよう
に設計した。パルスレーザーについては、ピークのパワーレベルを測定して、905nmで45
ワットそして1550nmで3.5ワットであるようにした。
達系を化学的透過エンハンサーに基づいて試験するために用いられる)中に置き、膜の一つの側から他方の側への電導率を、レーザーによる照射の前と後の両方において測定し、そして何の変化も示さなかった。4人の異なるドナーからの皮膚サンプルにおいて行われたこれらの試験に基づき、これらの波長において光学的エネルギーの皮膚組織へまたは皮膚組織を通してのカップリングは小さすぎて影響が検出不可能であると結論した。
実施例2の条件下で光エネルギーで照射された場合の生存被験体への潜在的な感覚を評価するために、6人のボランティアを用いて、各レーザー源の出力を彼らの指先、前腕および手の甲に適用した。810、905、および1550nmレーザーの場合には、被験体はレーザーが点けられた時または消された時に感じることができなかった。1480nmレーザーの場合には、70mWCWで操作する1480nmレーザーによる照射の間にいくらかの感覚があり、そして短時間後には、水吸収バンドの1つによる1480nm放射の吸収に起因して、小さな水泡が皮膚の下に形成された。明らかに、吸収されたエネルギーの量は、水泡の形成を誘導するのに十分であったが、角質層の切除を生ずるのには十分ではなかった。また、1480nmの光の吸収は、より深く、十分に水和された(85%から90%の水含有率)表皮および真皮の組織において主に起こり、比較的乾燥した(10%から15%の水含有率)角質層の組織においては起こらなかった。
天然の状態にある皮膚に対して影響がないことを実証した(実施例3)上で、一連の化学的化合物を、光エネルギーの吸収、次いでこの吸収されたエネルギーの伝導を介しての角質層の標的組織へまたは標的組織を通しての移動における有効性について評価した。試験された化合物には、Indiaインク;「SHARPIE」ブランドの消えない黒、青、および赤のマーキングペン;メチレンブルー;フクシン(fuschian)レッド;epolite#67(保護レーザーゴーグルのためのポリカーボネートレンズに成型するために開発された吸収化合物);ヨードチンキ;ヨードポリビニルピロリドン複合体(「BETADINE」);銅フタロシアニン;およびプリンターのインクが含まれる。
。CPCのよりよい性能についての1つの推定的な理由としては、500℃よりも高いその高い沸点、およびCPCがその固相をこの温度まで維持するという事実があげられる。
銅フタロシアニンは、移植可能な縫合における使用に関してすでにFDAにより認可され
ており、そしてMerckインデックスにヒト生体適合性に関してやや温和なそして安定な分
子として列挙されているので、採られた次の段階は、健常なヒトのボランティアの皮膚へのCPCおよび集束光源の局所適用を組合せることであった。微細に砕粉されたCPCのイソプロピルアルコール中の懸濁液を調製した。用いられた適用方法は、溶液を振盪し、次いで標的部位に小滴を適用することであった。アルコールが気化するにつれ、次いで、固相のCPCの微細で均一なコーティングが皮膚の表面上に残った。
)。参照プレートは、中央に4mmの穴を有するおよそ3cm×3cmの薄いガラス窓からなる。次いで、CPCで被覆された領域が中央の穴の中にくるように配置した。次いで、共焦点
のビデオ顕微鏡(図1)を用いて皮膚の表面に鋭く焦点が合うようにした。ビデオシステムにおいて最も鋭く焦点が合うように皮膚を配置することはまた、レーザーシステムの焦点が皮膚の表面に一致するようにビデオシステムを配置することになった。次いで操縦者は、ビデオモニター上で標的部位における影響を観察しながら、レーザー光のパルスを活性化した。操縦者は、微細孔の深さが増加するにつれ微細孔におけるレーザースポットの集束ずれの程度を測定することにより、貫通の程度を視覚的に評価した。これは、切除された表面を組織の中へ、カメラ/レーザー源の位置を「z」軸に沿って皮膚の中へ向かって動かすことによって本質的に追跡することにより、操縦者が動力学的に補正し得る。角質層が表皮まで除去されているところで、穴の底の外見が顕著に変わり、より湿っぽくそしてより光るようになる。この変化を観察したら、操縦者はレーザーを脱活性化した。多くの場合、被験体の水和状態ならびに他の生理学的条件に依存して、間質液の劇的な流出が、この小さな領域にわたって角質層の障壁機能が除去されたことに応答して起こった。ビデオシステムを用いて、この穿孔部位での間質液の利用可能性の視覚的な記録を記録した。
CPCを透明な粘着性テープに適用し、次いでこれを個体の皮膚上の選択された部位に接
着させることを除いては、実施例5の手順に従った。結果は実質的に実施例5の結果と類似していた。
所定の色素混合物および付随する損傷の情報について切除の閾値パラメーターを決定するために、当該分野で周知の方法に従って、屍体の皮膚上で組織学的実験を行った。皮膚サンプルの一番上の表面を、アルコール中の銅フタロシアニン(CPC)溶液で処理した。ア
ルコールが気化した後、固相CPCの局所層は、皮膚表面上にわたって平均の厚さ10〜20μmで分布した。図8Aは、レーザー適用前の全厚皮膚の断面図を示す。ここで、CPC層270、角質層274、および下にある表皮層278を示す。図8Bは、810nm光の単一パルスが直径80μmの円にエネルギー密度4000J/cm2で20msのパルス時間適用された後のサンプルを示す。有意
の量のCPCが角質層の表面上に、切除されたクレーター282の中心においてさえも、まだ存在することは注目に値する。実験室測定は、CPC上に入射する光エネルギーのたった約10
%のみが実際に吸収され、他の90%は反射されるかまたは後方散乱されることを示すことはまた注目すべきである。従って、所望の加熱を生じ得る色素層に送達される有効エネルギーフ束(flux)は、約400J/cm2だけである。8Cは、810nm光の5つのパルスが適用され
た後のサンプルを示し、ここで角質層障壁は下にある組織に損傷を与えずに除去された。これらの結果は、「理想の」光学的に調節された熱切除性能を良く表している。図8Dは、50パルスが適用された後のサンプルを示す。損傷を受けた組織286は、切除されなかった
組織の炭化および下にある組織の熱変性に起因して表皮層中に存在した。図8A〜8Cは、脱水、凍結、および画像化のための調製物のアーチファクトに起因した角質層と下にある表皮層との間の分離を示す。
熱の切除機構の詳細を試験するために、熱切除法の種々の異なる実施態様を試行し得る皮膚組織の数学モデルを構築した。このモデルは、表面に局所的に投入された特定の熱フラックス、およびいくらか距離が離れている表面からの熱の除去を用いて、層状の半無限(semi-infinite)媒体における温度分布を計算する。すなわち、対流は、この2者の間で
適用される。線対称の時間依存的拡散の方程式は、ADI法(alternating-direction-implicitmethod)を使用して、円柱状の座標において解かれる。(注意:一定温度B.C.を低い方の境界に適用し、z>infとして扱う;そしてゼロ半径の熱フラックスを、最大半径の境界
に適用し、r>infとして扱う)。層は表面に対して平行であり、そして以下のように定義される:(1)色素;(2)角質層;(3)下層の表皮;および(5)真皮。半無限媒体中の深さおよび熱の特性、密度(rho)、比熱(c)、および伝導性(k)は、各層について明記されなければ
ならない。
と仮定して、皮膚表面上に「h」を提供する。次いで、このプログラムによって色素層表面でのこの「h」の使用、または色素表面に所望される別の「h」の投入が可能になる。次に、「定常の」温度分布を、色素表面での明記された「h」を用いて、全ての層(色素
層を含む)を通して計算する。この温度分布は、時間依存的な加熱の問題についての初期
条件である。これは、「m−ファイル」初期mを構成する。次いで、このプログラムは、時間的に進行させ、計算し、そして各工程の温度領域を提示することによって、時間依存的な温度分布を解明する。
められている)が、操作パラメーターの少なくとも1セットについてモデル化されている
。これは角質層の切除がどのようにして正確かつ制御可能な様式で達成され得るかを示す。シミュレーションの出力を、以下の異なる二つの形式のグラフにより示す:(1)皮膚の
断面図、これは、この図の最上部にプロットされた、3つの臨界温度閾値を規定する3本の等温線と共に、異なる組織層を示す、および(2)2つの異なる温度対時間のプロット、
1つは標的部位の直下にある角質層の中心部の地点についてであり、もう一方は表皮の生存細胞層と角質層の下面との境界の地点についてである。これらのプロットは、ミクロ熱電対を組織中へ移植することが可能であるかのように熱パルスを適用すると、各地点での温度が経時的にどのように変動するかを示す。さらに、このモデルの適用によって、この方法が使用され得る範囲内である、パラメーター限界の調査が可能になり、本方法の実施の2つの重要な局面のために外部の限界を設定し得る。第1に、本方法を疼痛または所望されない組織の損傷を伴わずに使用し得る範囲内である、外延を規定する一般的な場合を示す。
膚組織層の熱時間定数が、本方法が疼痛または隣接組織層の損傷を伴わずに用いられ得る領域を本質的にどのように規定するかを確立した。
旋状の境界を有しているが、このモデルは実際の組織に存在する熱勾配の良好な近似値を提供する。ここ、およびこれに続く全てのシミュレーションで用いた、CPC色素層および
種々の皮膚層の厚さの寸法は、以下の通りである;色素、10m;角質層、30m;下層の表皮、70m;および真皮、100m。
1.角質層のある部分が、その温度が含有水分の熱蒸発についての切除閾値温度を既に超えていることが示され得るが、この事象はモデル化されておらず、そしてこの蒸発によって生じる組織の続く熱エネルギーの損失は、このシミュレーションに計算に入れていない。これにより、シミュレーションを開始した時点から、下層の組織において示されるわずかな温度上昇がもたらされる。
に低い。このことによって、切除が生じる地点に強力な空間的限定を維持しながら、温度を角質層に蓄積させ得る。
される一連の光パルスの「オン時」と「オフ時」とを設定した。80ミリ秒の一定の「オフ時」を維持する一方で、被験体が軽い「疼痛」知覚を訴えるまで「オン時」を段階的に増加した。例外なく、この研究に関与した全ての被験体は、45ミリ秒と60ミリ秒との間の「オン時」で、最初の「疼痛」を訴えたが、これはモデルによって予測されたものと非常に近似していた。さらに、「疼痛」の知覚に関して予め述べられていた部位−部位の変わりやすさが、これらの臨床研究において注目された。従って、「疼痛」として訴えられたものは、最初の明確な知覚が気付かれ得る時点である。1つの部位では、これが痛みとして訴えられ得、一方、隣接する部位では、同一の被験体は、単に「気づき得る」として訴えられ得る。
本発明の1つの目的は、隣接する生存組織にいかなる顕著な損傷も与えることなく、無痛で角質層に微細穿孔を達成することである。実施例8および図9〜10に概略したシミュレーションに記載するように、微細穿孔がこのような無痛かつ非外傷性の様式で達成され得る、切除の標的スポット内の所定の熱エネルギー束密度のいずれもについても、境界が存在するようである。インビボおよびインビトロの研究の両方が、事実その通りであることを示し、そしてこれにより、経験的方法による、非常によく働くようであるいくつかの操作パラメーターの開発が可能になった。以下のシミュレーションのセットは、この方法が、これらの特定のパラメータを使用した場合にどのように働くかを示す。
「オン時」)を、CPCで覆った皮膚に適用する。図11は、このパルス列が終了した直後の皮膚組織における最終的な温度分布を示す。見られ得るように、3つの臨界温度閾値を示す等温線は、角質層の切除が、真皮層神経には知覚が全くなく、かつ下層の表皮の生存細胞へのまたは生存細胞を通しての損傷の閾値の交差がほとんど無く達成されたことを示す。前述したように、実際に永久的な損傷を細胞に与えるためには、表皮細胞は特定の箇所まで加熱されなければならないのみならず、ある一定の時間(一般には約5秒間と考えら
れる)、その温度で維持されなければならないようである。図12および図13は、時間
を関数とした角質層および生存表皮の温度をそれぞれ示し、「オン時」の間の加熱および「オフ時」の間の冷却が全体で10サイクルであることを示している。行ったインビボ研究についてのこのシミュレーションに関して、このシミュレーションに適合するように設定した系パラメーターを伴う穿孔試みの90%より多くにおいて、角質層の有効な穿孔は、被験体に疼痛を伴わずに達成され、そして数日後の続く穿孔部位の顕微鏡検査では、組織への目立った損傷は見られなかったことに留意されたい。ドナーの全層皮膚サンプルで行ったインビトロの研究もまた、モデルの挙動予測と一致した。
インビボの経験的研究とこれらのシミュレーションとの両方を行うにあたり、皮膚を予冷することによって、疼痛または隣接する組織への損傷が起こる確率を減少させるための微細穿孔のプロセスの最適化が補助されるようである。実際に、単純な冷却したプレートを穿孔プロセスの前に皮膚に配置することによって、これは容易に達成され得る。例えば、穿孔標的部位を囲む直径1cm円に冷却したペルティエプレートを適用して、このプレートを数秒間約5℃で維持すると、組織の温度は顕著に低下する。実験室でこの目的のために使用する実験デバイスの概略図を図3A〜Bに示す。図11と図14、図12と図15、および図13と図16の比較により、実施例9で概略した実行において用いられるものと正確に同じ10サイクルのパルス列を適用することによって、皮膚組織への温度の浸透または皮膚組織を通しての温度の浸透の制御がどれだけ改善されたかを理解し得る。さらに、角質層は表皮および真皮に比較して比較的低い温度拡散率および比熱を有することが有利である。一旦冷却されると、表皮および真皮の高度に水和した組織は、その温度を上昇させるためにより大きな熱エネルギー投入を要求し、一方、角質層は、比較的乾燥した構造により、切除の閾値まで迅速に加熱され得る。
一旦、角質層の効果的な無痛の切除および微細穿孔の基礎になるエネルギーを皮膚組織にまたは皮膚組織を通じて送達する基本的な熱伝導機構が理解されると、図4〜7に示すホットワイヤ実施態様のような、必要とされる迅速な接触点の温度変調を達成するためのいくつかの異なる特定の方法が考えられ得る。
えば、小さなコードレスのはんだごてのチップ)を使用する。適切なサイズの比較的非反
応性のワイヤがその回りを巻き付け、ワイヤの少量が、ヒーターの本体から突き出された状態にある。定電流源で電気を印加する場合、ヒーターはある温度に達すると、数秒以内に、周囲の大気への対流損失によって定常状態に達する。同様に、ワイヤ(この熱システ
ムの一部である)は、定常状態に達して、その結果、ワイヤのまさにそのチップが、ほぼ
任意温度(これらのタイプの構成エレメントでは約1000℃まで)に上昇し得る。このチップは、所望の大きさの微細孔を正確に提供するようにサイズ決定され得る。
されている。熱電対を用いて、チップの温度はその定常状態で測定され、そして定電流設定を変化させることによって、700℃を超える定常状態の温度に容易に達し得ることが留
意される。所望の変調を達成するために、低質量の、高速応答電気機械的アクチュエーターを、ワイヤの位置が200Hzの速度までで2mmを超えて直線的に移動され得るようチップに連結した。次いで、精密ステージ上に装置全体を備え付けることによって、この振動しているチップは、一回10ミリ秒未満の時間のみ皮膚に接触し(「オン時」)、一方、任意に長い期間の「オフ時」がパルス発生器を適宜にセットすることによって達成され得るような様式で、非常に制御可能に皮膚表面と接触し得た。これらのインビボの研究によって、穿孔を受けている被験体が、ワイヤのチップが皮膚と接触していると知る前にさえ、穿孔は、実際に達成され得ることが示された。
、以下のシミュレーションを実施例8の手順に従って行った。本質的に、初期条件を変えるだけで、ホットワイヤの実施態様は同一のシミュレーションコードを用いて行われ得る。ワイヤとの接触は本質的に瞬時に起こるので、CPC色素層において時間依存的な熱の蓄
積はなく、そしてワイヤが皮膚との接触から物理的に除去される場合、加熱されたCPC色
素層での場合のような、表面上になお残る残熱は存在しない。また、ワイヤそれ自身が切除/微細穿孔についての標的される領域を規定するので、角質層への適用前に熱エネルギ
ーの横への拡散はあってはならない。「ホットワイヤ」実施態様の比較性能を図17〜19に示す。
この実施例では、実施例10の手順に従って皮膚を予冷した以外は、実施例11の手順に従った。同様に、標的部位を予冷することによって、「ホットワイヤ」実施態様と同様の明確な結果が得られる。「ホットワイヤ」アプローチの予冷したシミュレーションの結果を、図20〜22に示す。
本開示の背景の導入で議論したように、Tankovichの'803特許は、一見したところ本発
明の請求の範囲に類似しているようである。本実施例では、シミュレーションモデルを、Tankovich'803において明記された操作パラメーター(すなわち、1sのパルス幅および40,000,000W/cm2の出力レベル)で設定した。図23および24は、これらの条件下では、
角質層のどの部分も、水分が瞬時に蒸発する閾値である123Cに達せず、従って角質層の
切除/微細穿孔が生じないことを示す。実際、このタイプの高いピーク出力を適用すれば
、局所色素層への短時間のパルスは、皮膚に影響を及ぼさずに単に皮膚の表面の色素を蒸発させるのみである。従って、この実施例から、Tankovichの'803に明記される条件は、
本発明の請求の範囲では有効でないことが示される。
この実施例では、実施例6の手順に従って皮膚を穿孔した後に得た間質液を採取して分析し、そのグルコース濃度を決定した。データを4人の糖尿病でない被験体およびグルコース負荷試験を受けている6人のI型糖尿病の被験体について得た。被験体の年齢は、27から43歳の範囲であった。研究の目的は、被験体から十分な間質液(ISF)を無痛的に採取
するための方法の有用性を試験して、ISFサンプルのグルコース含量についてのアッセイ
を可能にし、次いでこれらの濃度を被験体の全血中に存在するグルコースレベルと比較することであった。
インスリン依存性糖尿病の被験体についてはグルコース負荷およびインスリン注射について考慮した調整を行った。
人かは糖尿病でない)を募集することであり、彼らから、一連のISFと全血とのサンプルの対を3〜4時間の研究期間を通して3〜5分毎に採取した。血液およびISFのサンプルを
共にグルコースについてアッセイし、そして血中グルコースレベルと間質液との間の統計学的関係を決定した。全血のグルコースレベルと比較して、仮説をたてたISFグルコース
レベルの時間的な遅れを試験するために、研究の被験体をそのグルコースレベルが顕著で劇的な変化を表すように誘導した。これは、各被験体を試験の開始前の12時間絶食させ、次いで、3つの絶食した血液およびISFのグルコースレベルのセットで各被験体の基準線
グルコースレベルを確立した後に、被験体にグルコース負荷を与えることによって行った。基準線レベルを確立した後、被験体に以下のガイドラインに基づいて甘いジュースの形態でのグルコース負荷を与えた:
i.対照被験体については、グルコース負荷を体重1ポンドあたり0.75グラムのグルコースに基づいて算出した。
(a)被験体は、研究の前夜の午後9:00から絶食し、水のみを摂取した。カフェイン、たばこ、果汁はこの期間中許可されなかった。
両方を採取し、次の3〜4時間これを続けた。データを採取した期間は、被験体の血中グルコースレベルがグルコース負荷後に正常な範囲に戻り、そして安定した時に基づいた。ISFサンプルを、光学穿孔であるISFポンプ法(以下により詳細に記載)を用いて採取した。各ISFサンプルは、ほぼ5μL容量であり、ELITE試験片(strip)を満たすに十分であることを確実にした。血液サンプルを、従来の指穿刺ランセット(fingerpricklancet)を用いて
得た。ISFおよび血液のサンプルの両方を、Miles-BayerからのELITE家庭用血糖値測定器
システムでグルコースについて迅速にアッセイした。「真の」血中グルコースレベルの評価値を改善するために、各指スティックサンプルについて2つの別々のELITEアッセイを
行った。
た採取を容易にするために、5×5行列の25の微細孔を被験体の上部前腕部に作製した。各微細孔は直径が50μmと80μmとの間であり、それぞれは300μm離れていた。中央に6mmの穴を有する直径30mmのテフロン(登録商標)ディスクを、感圧接着剤で被験体の前腕部に接着し、そして6mmの中央の穴が5×5行列の微細孔にわたって位置するように、設置
した。小さな吸引ホースを接続し、穿孔した領域に軽く減圧(10〜12インチHg)を適用することにより、微細孔を通してISFを体外へ流出させるように誘導し得る便利な方法がこの
接着によって可能になった。(登録商標)ディスクの最上部に、透明なガラス窓を設置し、これによって操作者がその下の微細穿孔される皮膚を直接目視することが可能になった。5μLのISF滴が皮膚の表面上に形成された場合、この窓を通してその部位を視覚的にモニタリングすることによりこれは容易に確認され得た。この減圧のレベルは、約5ポンド/インチ2(PSI)の公称圧力勾配を生じた。微細孔が全くなければ、ISFは、軽度の減圧の
みを用いて被験体の身体から採取され得なかった。
的)を自己投与させた。インスリンの注射を受けたときと注射の最大の効果が現れる時と
の間の通常の1.5〜2.5時間の遅れで、糖尿病の被験体は、300mg/dLまでの範囲で血中グルコースレベルが上方向へ偏位し、次いで、インスリンが効果をもたらすにつれ正常な範囲へ急速に低下することを示すことが予測された。糖尿病でない被験体は、標準的なグルコース耐性試験のプロフィールを示すことが予測され、これは、代表的にはグルコース負荷の投与後の45分から90分までに、150mg/dLと220mg/dLとの間で血中グルコースレベルがピークに達し、次いで次の1時間程度にわたってその正常な基準線レベルに急速に低下することを示した。
を、同時に行った。3つの連続するサンプル中の血中グルコースレベルが被験体のグルコースが安定したことを示したときに、サンプリングを終了した。
片の特定のバッチのいずれについても、血液について示されたレベルと比較して、血糖測定器(glucometer)でmg/dLのグルコースで示された出力において、明らかなずれが存在す
る。読みとり値の上昇は、ISF中にヘマトクリットが存在しないこと、およびISFと全血との間の電解質濃度の正常な差異によると予測される。この出力におけるずれの基礎となる理由にかかわらず、参照アッセイとの比較によって、真のISFグルコースレベルがELITEシステムによって出された値と直線的に相関することが決定された。そのスケーリング係数は、ELITE片のいずれの特定のバッチについても一定であった。結果として、ISFグルコースレベル値対全血測定値の比較については、一次の直線相関がISFデータに対して以下の
ように適用された:ISFグルコース=0.606*ISFELITE+19.5。
の使用に関する誤差項(error terms)を試験することが可能になる。もちろん、線形スケーリングが全くなくても、ISFグルコース値と血中グルコースレベルとの間の相関は、ス
ケーリングした場合と同一である。
くと、ISFグルコースレベルと指スティックからの全血中に存在するグルコースレベルと
の間には、15〜20分の遅れが観察されることがもともと予測された。このことは、分析時にデータが示したものではない。特に、各個体のデータセットを解析して、ISFグルコー
スレベルと血中グルコースレベルとの間の最大の相関を達成するために必要とされた時間のずれを決定したとき、被験体のこのセットについての最悪の場合の時間の遅れはわずか13分であり、そして平均的な時間の遅れは、わずか6.2分であったことが発見された。数
人の被験体は、ほとんど瞬間的(約1分)な時間的追従を示した。
で高レベルの追従を示す、時間のずれがまったくないデータが示される。全データセットを全体的にずらして最良の時間的追従評価値を見出した場合、ISFグルコースレベルと血
中グルコースレベルとの間の相関は、2分の遅れでr=0.97のr値でピークになる。これはr=0.964のずれのない相関からごく些細に改善されただけである。従って、分析の残
りについては、ISF値を時間のずれを課さずに処理する。すなわち、血液およびISFのグルコースレベルの各セットを、同時に採取したデータ対として扱う。
ケーリングした後、これらのデータに関する誤差を試験することは可能であった。これに関して最も単純な方法は、2つのELITE指スティック血中グルコース読みとり値の平均値
が実際に絶対的に正しい値であると仮定し、次いでスケーリング化ISF値をこれらの平均
血中グルコース値と単に比較することである。これらのデータは以下の通りである:標準偏差血液-ISF、13.4mg/dL;ISFの分散係数、9.7%;2つのELITEの標準偏差、8.3mg/dL;および血液の分散係数(Miles)、6%。
を示している。
ロットの形で示す。この図では、90%信頼区間の上部および下部の境界もまた、参考のために示す。たった2つの例外だけで、100mg/dL未満の血中グルコースレベルの範囲内の全てのデータがこの90%信頼区間の誤差バー内に収まっていることが認められることは興味深い。このことは、低血糖への傾向が消失する結果が、糖尿病の使用者にとって顕著に有意であるので、重要である。すなわち、それらを高めに予測するよりも40〜120mg/dLでグルコースレベルを低めに予測することがはるかに良い。
ISF偏差=[(ISF実測値)2+(ISF実測値)2]1/2
この式を上記の値に適用して、ISF誤差項の評価した「真の」値を求め得る:
ISF実測値=[(ISF偏差)2−(血液実測値)2]1/2
すなわち、式を解くと、ISF実測値=[(13.4)2−(8.3)2]1/2=10.5mg/dl
血中グルコースレベルに対するISFの相対偏差のヒストグラムを図27に示す。
本発明はまた、薬物(現在は経膜的に送達されている薬物を包含する)を、角質層もしくは他の生体膜における微細孔を通して送達するための方法を包含する。1つの例示的な実施態様では、送達は、穿孔部位の上のリザーバーに溶液を入れることにより達成される。別の例示的な実施態様では、圧力勾配を、送達をさらに増強するために使用する。なお別の例示的な実施態様では、音波エネルギーを、送達をさらに増強するための圧力勾配と共にまたは用いずに、使用する。音波エネルギーは、伝統的な経皮的パラメーターに従って操作され得るか、または瞬間的に記載される音響流動効果の利用によって操作され得る。これにより、送達溶液を穿孔された生体膜に押し込む。
本実施例は、局所鎮痛剤であるリドカインの送達のための角質層穿孔の使用を示す。リドカイン溶液はまた、角質層を横切るその受動的拡散を増強するために設計された化学的浸透増強処方物を含んでいた。例示的な送達装置300の図面を図28に示し、ここでは、装
置は、薬物含有溶液312を保持するためのリザーバー308を囲むハウジング304を備える。
ハウジングの上部は、音波エネルギーを提供し、角質層324中の微細孔320を通して薬物含有溶液の輸送を補助するための超音波トランスデューサー316を備える。超音波トランス
デューサー中のポート328は、角質層中の微細孔を通して薬物含有溶液の輸送をさらに補
助するために、それに対する圧力の付与を可能にする。送達装置は、個体の皮膚の選択された領域に対して、それが、少なくとも1つの、そして好ましくは複数の微細孔の上に置かれるように適用される。ハウジングの下部に付着された接着層332は、この装置を、リ
ザーバー中の薬物含有溶液が微細孔と液体連絡するように、皮膚に接着させる。微細孔を通しての薬物の送達は、下にある表皮336および真皮340中への輸送をもたらす。
を用いずに適用した。部位2を、1cmの直径の円内に含まれる格子中で0.8mmの間隔で配
置された24の穴で穿孔した。部位2中の微細孔を実施例6の手順に従って生成した。リドカインおよび低レベルの超音波を適用した。超音波の適用を、0.4ボルトのピーク間入力(peak topeakinput)を用い、65.4kHz基礎周波数を伴う10Hzで生じる1000カウントのバ
ースト(burst)、即ち、15ミリ秒のバーストの間エネルギー化し、次いで次の85ミリ秒の
間は切られるトランスデューサーを用いたパルス変調信号を用い、バースト方式(burst mode)にセットされた注文製造のZevex超音波トランスデューサーアセンブリを用いて行った。増幅器のトランスデューサーへの測定された出力は、0.090ワットRMSであった。
ケール7〜10)。約20分で、溶液が完全に角質層に浸透するにつれて、いくらかのしびれ感(スケール3)が部位1で観察された。部位1は、リドカイン適用の終了時にきれいにされた。部位2は、穿孔を含む1cm円中でほぼ完全なしびれ感(スケール0〜1)を示した。この1cm直径の円の外側では、しびれ感は、2.5cm直径の円では1までほぼ直線的に減少
し、2.5cm直径の円の外側ではしびれ感はなかった。第2回目の付与後の部位2の評価は
、約1.2cm直径の全体としてわずかにより大きなしびれの円を生じ、しびれ感は、前腕に
対して垂直な2〜2.5cmの直径と前腕に対して平行な2〜6cmの直径とを有する不規則な
卵形パターンで1まで直線的に減少した。この領域の外側ではしびれ感は認められなかった。代表的な被験者に対して得られた例示の結果のグラフ表示を図29A〜Cに示す。図29A
および29Bは、それぞれ、5および10分後に(穿孔された)部位2で得られた結果を示す。
図29Cは、部位1(穿孔のない対照)で得られた結果を示す。
音波トランスデューサーにより生成した音波エネルギー領域(field)の物理学が、音波
周波数が他の方法により変調され得、達成される流動速度を改善し得る方法において利用され得る。本明細書で参考として援用される米国特許第5,445,611号の図1に示されるよ
うに、音波トランスデューサーのエネルギー分布は、近領域(nearfield)および遠領域(farfield)に分けられ得る。長さNにより特徴付けられる近領域は、最初のエネルギー最小から最後のエネルギー最大までのゾーンである。最後の最大の遠位にあるゾーンが遠領域である。近(N)領域パターンは、多数の密接な間隔で配置された局所圧力ピークおよび空白(null)が優勢である。近領域ゾーンの長さNは、周波数、サイズ、およびトランスデューサー面の形状、および超音波が通って伝わる媒体中の音の速度の関数である。単一トランスデューサーについては、その通常操作範囲内の強度変動は、線形様式である以外は、音波エネルギー分布の性質に影響しない。しかし、複数トランスデューサーを備えたシステムについては、すべてが周波数および振幅の両方において変調され、個々のトランスデューサーの相対強度は、それが皮膚であるか別の媒体であるか否かに拘わらず、音波媒体中のエネルギー分布に影響する。
ランスデューサー中に異なるセットの共鳴または振動モードを生成する可能性が高く、有意にかつ予期不能な異なる近領域エネルギーパターンを生じる。従って、音波周波数における適度な変化を用いて、ピークと空白の複合パターンは、アコーディオン様様式で圧縮または伸張される。周波数変調の方向を選択することにより、これらの局所圧力ピークのシフトの方向は制御され得る。皮膚の表面で音波エネルギーを適用することにより、音波周波数の選択的変調は、皮膚を通るこれらの局所圧力ピークの動きを、身体の内部に向かって、または身体の表面に向かってのいずれかに制御する。高から低への周波数変調は、圧力ピークを身体内に駆動し、その一方、低から高への周波数変調は、圧力ピークを、身体内から皮膚の表面に向かってかつ皮膚を通って身体の外側に引っ張る。
ーダンスを仮定すると、1MHzの周波数変調は、角質層の近傍で近領域エネルギーパターンのピークと空白の約2.5mmの動きを生成する。分析物の経皮的および/または経粘膜的回収の展望からは、この程度の動きは、角質層の十分に下の領域、そして表皮、真皮、およびその下のその他の組織さえへの接近を提供する。任意の所定のトランスデューサーについて、この周波数変調が最も効果的である周波数の最適範囲が存在し得る。
に対する勾配)のいずれかを変えることにより増加させ得る。流動性は、いわゆる浸透または化学的エンハンサーの使用により増強され得る。
置換-アルキル-アザシクロアルキル-2-オン(アゾン)などを含む。
特定の二元系の使用を詳述する先行技術および背景情報の優れた要約を含む。その開示の完全性のため、その中で用いられる情報および用語を本明細書中に参考として援用する。
ール(C14-24の場合不飽和および/または分枝)および2-ピロリドン、N-メチルピロリドン
などのようなN-環状化合物からなる。
る、薬物の経皮送達のための二重のエンハンサーが、米国特許第4,820,720号に示されて
いる。米国特許第5,006,342号は、エステル/エーテルの各脂肪酸/アルコール部分が約8
〜22炭素原子である、C2からC4アルカンジオールの脂肪酸エステルまたは脂肪アルコールエーテルからなる、経皮薬物投与のための多くのエンハンサーを列挙している。米国特許第4,863,970号は、局所適用のための浸透増強組成物を示し、この組成物は、所定量の、
オレイン酸、オレイルアルコール、およびオレイン酸のグリセロールエステルのような1つ以上の細胞エンベロープ混乱性化合物;C2またはC3アルカノールおよび水のような不活性希釈剤を含む浸透増強ビヒクル中に含まれる活性透過性物質を含む。
ンサーにより引き起こされる皮膚過敏を、抗刺激効果を提供するに十分な所定量のグリセリンを用いて低減する組成物を開示する。
変調された音波エネルギーおよび化学的エンハンサーを、ヒト死体皮膚試料での経皮流動を制御する能力について試験した。これらの試験では、表皮膜は、実施例1の熱分離法によりヒト死体全体皮膚から分離した。表皮膜を切断し、そして角質層を上部(ドナー)区画または下部(レシーバー)区画のいずれかに面して浸透セルの二等分の間に配置した。改変されたFranzセルを用いて、米国特許第5,445,611号の図2に示されるように表皮を保持した。各Franzセルは、1つ以上のクランプを用いて一緒に保持された上部チャンバーと
下部チャンバーからなる。下部チャンバーは、そこを通じて物質が添加または取り出され得るサンプリングポートを有する。角質層試料は、上部チャンバーと下部チャンバーとの間に、それらが一緒にクランプで固定されるときに保持される。各Franzセルの上部チャ
ンバーは改変されて、超音波トランスデューサーを、角質層膜の1cm以内に配置させるよ
うにする。メチレンブルー溶液を指標分子として用い、角質層の浸透を評価した。各実験のプロセスおよび結果の視覚による記録を、ビデオカメラおよびビデオカセットレコーダー(示さず)を用いて日時を記録した磁気テープ形式で得た。さらに、試料を、吸収分光光度計を用いる測定のために回収し、実験の間に角質層膜を浸透した色素の量を定量した。使用に適した化学的エンハンサーは、上記のような広範な範囲の溶媒および/または細胞
エンベロープ混乱性化合物にわたって変動し得る。利用された特定のエンハンサーは、50/30/15/2.5/2.5容量比のエタノール/グリセロール/水/グルセロールモノオレート/メチルラウレートであった。音波エネルギーを生成かつ制御するためのシステムは、プログラム可能な0〜30MHzの任意の波形発生器(StanfordResearchSystemsModel DS345)、20ワッ
ト0〜30MHz増幅器、および15および25MHzにそれぞれピーク共鳴を有する2つの非焦点超音波浸漬トランスデューサーを備えていた。同じドナーからの角質層試料の試験のために6つのセルを同時に調製した。一旦角質層試料を取り付け、それらを、任意の試験がなされる前に少なくとも6時間の間、蒸留水を用いて水和させた。
化学的エンハンサーなしの音波エネルギーの効果
実施例16で上記したように、熱分離した表皮を、特に他に注記されなければ、表皮側を上に向け、そして角質層側を下に向けてFranzセル中に置いた。下部チャンバーを蒸留水
で満たす一方、上部チャンバーを蒸留水中の濃縮メチレンブルー溶液で満たした。
ネルギーを有さなかった。5分後に音波エネルギーを遮断した。この間隔の間に任意のセルで角質層を横切る色素流動の可視的な指標は観察されず、2mlのレシーバー媒体中、約0.0015%(v/v)より低いレベルの色素溶液を示した。
掃引は1秒あたり10回実施し、即ち、掃引速度は10 Hzであった。これらの入力パワーレ
ベルでは、オーバーヒートを避けるために音波エネルギートランスデューサーをモニタリングする必要があった。接触熱電対をトランスデューサーの本体に付与し、そしてパワーのオンとオフをサイクルさせて42℃以下でトランスデューサーの最大温度を維持した。1分オンおよび1分オフの約50%のデューティサイクルで、約30分のサイクル最大パワーの後、なおメチレンブルー色素による角質層の肉眼で検出可能な浸透はなかった。
化学的エンハンサーなしの音波エネルギーの効果
穿孔された角質層:6つのセルを、実施例16で上記したように調製した。Franzセルの
上部チャンバーおよび下部チャンバーを保持するクランプを、上部区画を下部区画から通常シールするために必要な程度よりきつく、そして熱分離された表皮試料中に穿孔および「ピンホール」を人工的に導入する程度まで締めた。色素溶液を各セルの上部チャンバーに添加したとき、角質層中に形成された穿孔を通じる下部チャンバー中への色素漏失の即座の可視的な兆候があった。角質層が小さな「ピンホール」を有してこのように穿孔された細胞に音波エネルギーを付与したとき、角質層中のピンホールを通じる流体の輸送における急速な増加が観察された。指標色素分子の輸送速度は、音波エネルギーが付与されるか否かに直接関係した。即ち、音波エネルギーの付与は、角質層中のピンホールを通じる指標分子の即座の(ほぼ0.1秒未満の遅延時間)パルスを引き起こした。指標分子のこのパ
ルスは、音波エネルギーの遮断に際し即座に止まった(ほぼ0.1秒未満の遮断遅延)。パル
スは上記のように繰り返し得た。
音波エネルギーおよび化学的エンハンサーの効果
2つの異なる化学的エンハンサー製剤を用いた。Chemical Enhancer 1またはCE1は、50/30/15/2.5/2.5容量比のエタノール/グリセロール/水/グリセロールモノオレエート/メチルラウレートの混合物であった。これらは、一般に、薬学的賦形剤としての使用についてFDAにより安全、即ちGRASと見なされる成分である。化学的エンハンサー2またはCE2は、
経皮薬物送達の増強に非常に効果的であることが示された実験製剤であるが、一般に、長期間の経皮送達適用には刺激的過ぎると考えられている。CE2は、エタノール/グリセロール/水/ラウラドン(lauradone)/メチルラウレートを50/30/15/2.5/2.5の容量比で含んでいた。ラウラドンは、2-ピロリドン-5-カルボン酸(「PCA」)のラウリル(ドデシル)エステルであり、そしてまたラウリルPCAとも呼ばれる。
けたことを除いて先(実施例16)のようにセットアップした。水和は、各試料を一晩蒸留水に曝すことにより確立した。実験を始めるために、6つのすべてのセル中の下部チャンバー中の蒸留水をメチレンブルー色素溶液で置き換えた。上部チャンバーを蒸留水で満たし、そしてセルを約30分間観察し、色素の通過がないことを確認し、いずれの細胞にもピンホール穿孔のないことを確認した。なにも見いだされなかったとき、上部チャンバー中の蒸留水を4つのセルから取り除いた。その他の2つのセルは、蒸留水対照として供した。次いで、2つの実験セルの上部チャンバーをCE1で満たし、そして他の2つの実験セルをCE2で満たした。
ーを、0.13ワット/cm2の最大強度で10 MHzから30MHzまで0.1秒毎の周波数掃引(sweeping)で用いた。50%デューテイサイクルで付与された音波エネルギーの10-15分後、色素流動
が肉眼で検出された。他の5つのセルでは色素流動は検出されなかった。
与した。5分以内に上部チャンバー中に色素が出現し始めた。従って、化学的エンハンサーをともなう音波エネルギーは、角質層を通るマーカー色素の経皮流動速度を著しく増加し、そして遅延時間を低減した。
音波エネルギーおよび化学的エンハンサーの効果
2つの化学的エンハンサーCE1およびCE2の製剤を、グリセリンを除いて調製し、そしてこれらのCE1MGおよびCE2MGと呼ぶ新たな製剤を、先のように試験した。水をグリセリンの代わりに置き換え、その他の成分の比率は変えなかった。3つのセルを、改変されたFranzセル中に、熱分離された表皮試料の表皮側を、チャンバーの上側に向けて調製した。次
いで、これらの試料を8時間蒸留水中で水和させた。水和工程の後、下部チャンバー中の蒸留水を、CE1MGまたはCE2MGのいずれかで置き換え、そして上部チャンバーを色素溶液で満たした。音波エネルギーを、3つのセルの各々に連続的に付与した。
音波エネルギーおよび化学的エンハンサーの効果
穿孔された角質層:実施例16と同じドナーからの熱分離された表皮試料を用い、表皮側をチャンバーの上側に向けて3つのセルを調製した。試料を8時間水和させ、次いで下部チャンバー中の蒸留水をCE1MGまたはCE2MGのいずれかで置き換えた。次いで上部チャンバーを色素溶液で満たした。角質層試料中のピンホール穿孔は、色素を、角質層試料を通って下にあるエンハンサー含有チャンバー中に漏失させた。音波エネルギーを付与した。音波エネルギーを付与するとすぐに、色素分子が急速に孔を通じて押された。上記で示したように、孔を通る色素の急速な流動は、音波エネルギーの付与と直接にかつ即座に相関していた。
音波エネルギーおよび化学的エンハンサーの効果
低コスト音波エネルギートランスデューサーTDK#NB-58S-01(TDKCorp.)を、経皮流動速
度を増強するその能力について試験した。このトランスデューサーのピーク応答は、約5.4MHzであると測定され、他の局所ピークが、約7MHz、9MHz、12.4MHz、および16MHzで
生じた。
ー励起として5.3から5.6MHzに掃引された周波数を用いると、顕著な量の色素が角質層を
通って移動し、そして5分でセルの回収ウェルに検出された。トランスデューサーが48℃の温度に達する局所加熱が生じた。音波エネルギーなしのCE1MGを用いる対照では、24時
間の曝露は、音波エネルギーをともなう5分の曝露より少ない色素を回収ウェル中に生成した。
ヒト皮膚を横切る分子移動の証明:上記のTDKトランスデューサーおよびCE1MGを用いる試験を、このトランスデューサーの最高の局所共鳴ピークの1つである約12.4MHzで、12.5から12.8MHzまでの2Hz速度での周波数掃引および0.1W/cm2未満の音波エネルギー密度
を用いて繰り返した。熱分離した表皮の表皮側を下に向け、色素溶液を下部チャンバーに置き、そしてエンハンサー溶液および音波エネルギーを上部チャンバー中に置いた。5分以内に顕著な量の色素が、角質層を横切って回収ウェル中に移動した。トランスデューサーにおけるオーム加熱は、5.4MHzで駆動される同じトランスデューサーを用いたときより顕著に少なく、化学的エンハンサーの温度増加はほんの約33℃であった。
ータのプロットを示す。5分の時点でさえ、容易に測定可能な量の色素が、角質層の外側で、化学的エンハンサー中に存在し、これは表皮側から角質層を通り皮膚試料の「外側」領域までの輸送を示す。
ッセイする手段が必要である。ユニットが、化学的エンハンサーを用いるかまたは用いないで音波エネルギーによって分析物を回収するプロセスにある間に複数の読み値を得るアッセイシステムは、広範な集団の基礎にわたって標準化し、かつ異なる皮膚特性および流動速度について規準化する必要性をなくする。回収システム中の分析物濃度が増加する時間に2つまたはそれ以上のデータ点をプロットすることにより、曲線に適合するアルゴリズムを適用して、曲線に関連する分析物の回収または流動速度を、平衡が達成される点に対して記載し、それによって区間(interval)濃度の測定を確立するパラメーターを決定し得る。この曲線の一般形は、個体により不変であり;パラメーターのみが変化する。一旦これらのパラメーターが確立されると、この関数の定常状態解法を解くこと(即ち時間は
無限大に等しい)、即ち、完全な平衡が確立される場合は、体内の分析物の濃度を提供す
る。従って、このアプローチは、皮膚浸透性における個体の変動に拘わらず、集団のすべてのメンバーについて、測定を、同じ量の時間で所望の正確さのレベルにすることを可能にする。
れている一対の光ファイバーの使用を含む。ファイバーの1つは、これを通って光エネルギーが伝達される供給源ファイバーである。他方のファイバーは感光ダイオードに連結された検出ファイバーである。光が供給源ファイバーを通って伝達されるとき、光エネルギーの一部である減衰波が、ファイバー表面に存在し、そしてこの光エネルギーの一部が検出ファイバーにより収集される。検出ファイバーは、捕獲した減衰波エネルギーを、それを測定する感光ダイオードに伝達する。このファイバーは、バインダーで処理されて測定されるべき分析物を引き付けかつ結合する。分析物分子が表面に結合する場合(分析物グ
ルコースのコンカナバリンAのような固定化レクチンへの、または固定化抗グルコース抗
体への結合のように)、2つのファイバー間の減衰波カップリングの量は変化し、そして
検出ファイバーにより捕獲されそしてダイオードにより測定されるエネルギー量も同様に変化する。短時間にわたって検出された減衰波エネルギーのいくつかの測定は、平衡曲線を記載するパラメーターの迅速な測定を支持し、それ故、身体内の分析物濃度の可能な計算を行う。このシステムを用いる5分以内の測定可能なフラックスを示す実験結果(米国
特許第5,445,611号の図3Aおよび3B)は、正確な最後の読み値に対する十分なデータが、5分以内に採集されることを示唆する。
上記のような穿孔された皮膚表面を通じる試料採集の後、グルコースのような分析物を検出するための代替法は、酵素手段の使用により達成され得る。いくつかの酵素的な方法が、生物学的試料中のグルコースの測定のために存在する。1つの方法は、グルコースオキシダーゼを用いて試料中のグルコースを酸化し、グルコノラクトンおよび過酸化水素を発生させることを包含する。無色の色原体の存在下で、次いで過酸化水素を、ペルオキシダーゼによって水および発色産物に転換する。
グルコース グルコノラクトン+H2O2
2H2O2+ 色原体 H2O2+発色産物
発色産物の強度は、流体中のグルコースの量に比例する。この色は、従来の吸光度法または反射率法の使用により測定され得る。既知濃度のグルコースを用いる校正により、発色の量を用いて、採集した分析物中のグルコースの濃度を決定し得る。関係を決定するために試験することにより、被験体の血液中のグルコース濃度を計算し得る。次いで、この情報をフィンガー穿孔からの血中グルコース試験から得た情報を用いたのと同じ方法で用い得る。結果は5〜10分以内に得られ得る。
グルコース濃度の可視表示または読み出しを用いる任意のシステムは、診断医または患者にインスリンの投与または他の適切な投薬の必要性を示す。一定のモニタリングが所望され、そして矯正動作がほとんど同時にとられる必要がある重要な看護またはその他の状況では、表示は、適切な様式でのインスリンの投与またはその他の投薬の引き金となる適切な信号手段と連結され得る。例えば、外部または内部刺激に応答して活性化され得る、腹膜またはその他の体腔中に移植されるインスリンポンプがある。あるいは、角質層の微細穿孔による可能な増加した経皮流動速度および本発明で記載されたその他の技術を利用して、グルコース感知システムからの信号により調整された流動速度の制御を備えたインスリン送達システムを経皮的に実施し得る。このように、医療要求をモニタリングおよび/または診断するのみならず、矯正動作を同時に提供する、完全な生物医学的制御システ
ムが利用可能であり得る。
聞こえる音と同様に、音波は、異なる特性を有する別の媒体に遭遇する場合、反射、屈折、および吸収を行い得る[D.Bommannanら、9 Pharm.Res.559(1992)]。反射器またはレ
ンズを用いて、目的の組織中の音波エネルギーの分布を集め得るかまたはそうでなければ制御し得る。ヒト身体上の多くの位置に対して、肌のひだ(fold offlesh)がこのシステ
ムを支持することを見出し得る。例えば、耳たぶは、音波の周波数および強度を変えることにより実現されることと同様の、方向制御を奏すること(例えば、分析物または浸透物
を穿孔された角質層を通して「押すこと」)を補助するために反射器またはレンズの使用
を可能にする便利な位置にある。
複数の音波エネルギートランスデューサーを用いて、穿孔された角質層を通る経皮流動の方向を、身体内にまたは身体からのいずれかに、選択的に向け得る。耳たぶのような皮膚のひだは、トランスデューサーをひだのいずれかの側上に位置させ得る。トランスデューサーは、選択的にまたは段階的な様式でエネルギーを与えられ、所望の方向に経皮流動を増強し得る。トランスデューサーまたは音響回路のアレイ(array)を構築し、レーダー
およびマイクロ波通信システムについて開発されたものと類似の段階的アレイ概念を用いて、目的の領域内に音波エネルギーを向けかつ集め得る。
この実施例では、熱分離された表皮試料が、最初、エキシマーレーザー(例えば、Lambda PhysikのモデルEMG/200;193nm波長、14nsパルス幅)で処理され、本明細書に参考とし
て援用される米国特許第4,775,361号に記載される手順に従って角質層を切除することを
除いて、実施例19の手順に従った。
この実施例では、熱分離された表皮試料が、最初、1,1'-ジエチル-4,4'-カルボシアニ
ンヨウ化物(Aldrich、 max=703nm)で処理され、次いで、合計70mJ/cm2/50msを送達して
色素処理した試料にモデルTOLD915Oダイオードレーザー(ToshibaAmericaElectronic、690nmで30mW)を用いて角質層を切除することを除いて、実施例19の手順に従った。
この実施例では、色素がインドシアニングリーン(Sigmaカタログ番号I-2633; max=775nm)であり、そしてレーザーがモデルDiolite800-50(LiCONiX、780nmで50mW)であること
を除いて、実施例29の手順に従った。
この実施例では、色素がメチレンブルーであり、そしてレーザーがモデルSDL-8630(SDLInc.;670nmで500mW)であることを除いて、実施例29の手順に従った。
この実施例では、色素が浸透エンハンサー、例えば、CE1を含む溶液中に含まれている
ことを除いて、実施例29の手順に従った。
この実施例では、色素およびエンハンサーを含む溶液が、超音波に曝すことにより補助されて角質層に送達されることを除いて、実施例29の手順に従った。
この実施例では、パルス光源が400〜1100nmの広範囲にわたり発光するが、システム中
に配置されたバンドパスフィルターを有して約650〜700nmの波長領域に出力を制限する短アークランプであることを除いて、実施例31の手順に従った。
この実施例では、熱分離された表皮試料が、最初、下にある組織に到達することなく、角質層中に微細穿孔を生成するように校正されたマイクロランセット(BectonDickinson)
を用いて穿孔されたことを除いて、実施例19の手順に従った。
この実施例では、熱分離された表皮試料が、最初、70-480mJ/cm2/50msの範囲に集めら
れた音波エネルギーで処理され、角質層を切除することを除いて、実施例19の手順に従った。
この実施例では、角質層が、最初、流体の高圧ジェットを用いて水力学的に穿孔され、約100μmの直径までの微細穿孔を形成することを除いて、実施例19の手順に従った。
この実施例では、角質層が、最初、電気の短パルスを用いて穿孔され、約100μm直径までの微細穿孔を形成することを除いて、実施例19の手順に従った。
音響学的ストリーミング
治療物質の身体中への送達および/または身体内から外部リザーバー中への生体膜中に
形成された微細穿孔を通る流体の回収における音波エネルギーの新たな機構および適用がここで記載される。本発明のさらなる局面は、生物の外層下の生組織のインタクトな細胞(例えば、ヒト皮膚の表皮および真皮)のまわりおよびその間を流れる流体に対する音響学的ストリーミング(streaming)効果を引き起こす音波エネルギーの利用である。音響学
的ストリーミングは、これによって音波エネルギーが流体媒体と相互作用し得る十分に実証されたモードである。Nyborg,PhysicalAcousticsPrinciples and Methods、265-331
頁、VolII-Part B、Academic Press、1965。音響学的ストリーミング現象の最初の理論的分析は、Rayleigh(1884、1945)により与えられた。この対象の広範な処理において、Longuet-Higgins(1953-1960)は、任意の振動する円筒形表面の近傍に近づく結果となる二次元の流れに適用可能な結果を生じた。任意の表面に対する三次元近似は、Nyborg(1958)により開発された。Fairbanksら、1975UltrasonicsSymposiumProceedings, IEEEカタログ番
号 75,CHO 994-4SUにより記載されたように、音波エネルギー、および音響学的ストリー
ミング現象は、多孔性媒体を通る流体の流動性の促進において非常に有用であり得、潜在的受動的にまたは圧力勾配のみを付与した場合の50倍までの流動速度の測定可能な増加を示す。
られた米国特許第5,458,140号および同第5,445,611号に述べられた実験的発見に基づき、穿孔されたSC試料のいずれかの側上の流体リザーバーに適切に駆動された超音波トランスデューサーが適用された際には、この穿孔された膜を通じて送液され得る流体の大きな流動速度の「音響学的ストリーミング」事象が生成され得る。
モードの適用が、ここで実際的に探索され得る。例えば、臨床研究は、400μm平方中の一連の4つの80μm直径の微細穿孔を作成し、そして次いでこの領域に対して穏和な(Hgの10〜12インチ)の吸引を付与することにより、平均約1μlの間質液を誘導して、身体を外部チャンバー中に外部収集のために残し得ることを示した。穿孔部位を取り囲む組織の2〜6mm中に、内側に収束する同心円状の圧力波を能動的に発生するように構成された、小さな低パワーの音波トランスデューサーをこのシステムに追加することにより、このISF流
動速度が50%まで増加され得ることが証明された。
必要とされるような)を作成する要望から我々自身を解放することにより、皮膚組織がそ
れに対して実質的に透明である、即ち、1kHzから500KHzの非常に低周波数の領域にある
音波エネルギーの周波数が決定され得る。試験された最も低い周波数のいくつかでさえ、有意な音響学的ストリーミング効果が、インビボ試験を観察するために顕微鏡を用いることにより観察され得、ここでは被験体の皮膚が微細穿孔され、そしてISFが誘導されて身
体から出て、皮膚の表面にプールされた。音波トランスデューサーにエネルギーを与えることにより、ISFが渦巻く場合、粒子物質の小片がISFとともに運ばれるような、音響学的ストリーミングの量の劇的な可視的徴候が示された。示された代表的な動きの大きさは以下のように記載され得る:皮膚の表面上のISFの3mm直径の円形のプールに対して、単一
の可視粒子は、1秒あたりほぼ3つの完全な軌道を完成しているように観察され得た。これは、2.5mm/秒より大きい直線流体速度に等しい。この作用のすべては、組織中への100mW/cm2より小さい音波パワーレベルで証明された。
る細胞内チャンネルにおいて流体の流れにおけるいくらかの顕著な増加がまた、この音波エネルギー入力に応答して実現され得ると仮定し得る。現在のところ、低周波数の音波エネルギーが穿孔部位を取り囲む円中の領域に付与された場合の、所定のセットの微細穿孔を通して回収されたISFにおける増加が定量された。この実験では、穏和な吸引(HG10〜12インチ)にのみ基づくISF回収技術を、全く同じ装置を用いて、しかし音波トランスデューサーをかみ合わせて交替させた。一連の10の2分の回収期間にわたって、5つが単なる吸引でそして5つが吸引と音波エネルギー活性の両方で、音波供給源を活性化することにより、ほぼ50%より多いISFが同じ時間期間で回収可能であったことを観察した。これらの
データを図30に示す。ISF流動速度におけるこの増加は、音波エネルギーに起因する試験
被験体からの感覚の増加の報告はなく実現された。この実験に用いた装置を図31〜33に図示する。図31〜33中のトランスデューサーアセンブリは、ほぼ8mmの内径および4mmの壁厚を有する、圧電材料の厚壁シリンダーからなる。シリンダーは、電場が外径および内径の金属被覆加工された表面を亘って付与される場合、シリンダーの壁の厚さが場の極性に応答して膨張または収縮するように極性を与えられている。実際には、この構成は、中央の穴の中に吸引されている組織を急速に圧搾するデバイスを生じ、これらの組織中に存在する流体に対して内放射状音響学的ストリーミング効果を生じる。この内側への音響学的ストリーミングは、穴の中央にある微細穿孔の位置によりISFをもたらすように応答し、
そこでそれは身体を外部採集に向かわせ得る。
果を生じた。図34A-Bの型では、Zevex,Inc.,Salt Lake City, Utahにより構築された超音波トランスデューサーを、音波ホーン(horn)に付加されたへら型伸長部を有するように改変した。4mm穴が、この伸長部の0.5mm厚のへら端部中に配置された。活性化された場合
、原則的な動きは、へらの長さに沿って長軸方向にあり、本質的に急速な前後の動きを生じる。4mmの穴の配置により引き起こされる金属へらの物理的摂動は、この点で、非常に活性な、しかし無秩序な大きな置換挙動を生じる。使用では、被験体の皮膚は、この穴に吸引され、そして次に音波エネルギーが、図33に図示されるのと類似の様式で皮膚中に伝えられた。
1.音波エネルギーの機能は、もはや、Langer、Kost、Bommannanおよびその他により
教示されたようなSC障壁膜を透過化することに焦点をあわせる必要はない。
微細穿孔法の進歩および改善は、送達適用について特に適切なように実行されてきたが、それに限定されるものではない。一つの進歩は、上述の微細穿孔技術のいずれか一つを使用して、特に身体内への薬物または生物活性物質の送達のために、皮膚、粘膜、または植物外層を含む生体膜内へ、または生体膜を通過して選択された深さまで穿孔することである。別の進歩は、生体膜内に形成された微細穿孔を通しての生物への生物活性物質送達である。さらに別の他の進歩は、微細穿孔法の前、その間、または後に、薬物または生物活性物質のような物質を皮膚または粘膜内部層内に、またはそれを通過して送達する場合に、微細穿孔した皮膚または粘膜内部の層の透過性を増加するために、浸透増強手段を適用することである。
ミリ秒)未満以内に送達される場合には、手順が無痛であること示した。反対に、エネルギーパルスが、約20ミリ秒(20〜50ミリ秒)を越えて延長されなければならない場合、パルス幅の伸長に伴って、被験者に対する感覚は急速かつ非直線的に増加する。
いて最小内径をもつ180度に近い湾曲を形成することによりなされ得る。次いで、ワイヤ
のこの細密な「V」形部分は、「V」が、銅電極が埋め込まれた支持部からある一定の長さまで伸長するように備え付けられ得る。支持体から伸長するワイヤの長さは、ワイヤ加熱時の組織中への最大貫通距離を規定する。このタングステン「V」の各末端は、電流パル
ス回路に接続し得る支持キャリア上の電極の一つに接着される。電流が適切に制御された様式でワイヤに送達された場合、ワイヤは、電流の単一パルスまたは複数パルスにおいて熱切除プロセスをもたらすための所望の温度まで急速に加熱する。プローブの動力インピーダンスの測定およびタングステンエレメントの温度に対する抵抗係数を認知することにより、接点の温度の閉ループ制御を容易に確立し得る。また、プローブ接点および距離を置いて設置された第2の電極から身体を通したインピーダンスの動力学的にモニターすることにより、身体内により深く貫通する場合は、組織の異なるインピーダンス特性に基づいてプローブの深さを決定し得る。一旦、選択された生物の選択された組織のインピーダンス特性が日常的に決定されると、このパラメーターは、穿孔深度の決定に使用され得、そして穿孔深度制御のための制御システムにおいて使用され得る。
リの組織表面上における配置は、チップを表面に対してある一定のバネ張力下で保持し、従ってその下部組織が切除される際に、チップ自身は組織内に進行するように設計された単純な機構により達成され得る。これにより熱切除プロセスは、所望の限り、組織中へまたは組織を通して持続させ得る。この光学的に加熱されたプローブの設計のさらなる特徴は、ファイバーにより収集される加熱されたチップからの黒体放射エネルギーをモニターすることにより、チップ温度の極めて単純な閉ルーブ制御がもたらされ得ることである。また、前述のように、プローブ接点および距離を置いて設置された第2の電極からの身体を通したインピーダンスの動力学的にモニターすることにより、身体内により深く貫通する場合は、組織び異なるインピーダンス特性に基づいてプローブの深さを見積もり得る。パルス幅とこの設計による感覚との間の関係は、前述の電気的に加熱したプローブについてと本質的にじ様である。
なさらにより深い孔が望ましい。
めに日常的に使用されるエレクトロポレーションの場合は、本発明者らが提示する環境においては、わずか数ボルトまたはそれ以下のパルスが、標的組織内の細胞、毛細管、または他の膜を電気穿孔するためにはで十分である。これは主として、一旦皮膚、粘膜層、または植物外層が開口すると、電極間に存在する絶縁層の数が劇的に減少することに起因する。
接近を可能とし、これらの分析物は体内濃度測定のためにアッセイされ得る。
本発明による別の進歩は、以下のような生物活性物質の送達目的の生体膜の穿孔法の使用を含む:例えば、タンパク質およびペプチド(例えば、インスリン)を含むポリペプチド;LHRHを含む放出因子;炭水化物(例えば、ヘパリン);核酸;ワクチン;および次のような薬理学的に活性な物質、例えば、抗生物質や抗ウイルス剤のような抗感染剤;鎮痛剤および鎮痛剤の組み合わせ;食欲抑制剤;抗駆虫剤;抗関節炎剤;抗喘息剤;抗痙攣剤;抗うつ剤;抗糖尿病剤;止痢剤;抗ヒスタミン剤;抗炎症剤;抗偏頭痛調剤;制吐剤;抗腫瘍剤;抗パーキンソン氏病薬;止痒剤;抗精神病剤;解熱剤;鎮痙剤;抗コリン剤;交感神経刺激剤;キサンチン誘導体;カリウムおよびカルシウムチャネルブロッカー、ベータブロッカー、アルファブロッカーおよび抗不整脈治療剤を含む、心臓血管系調製物;降圧剤;利尿剤と抗利尿剤;一般冠状動脈、末梢および脳を含む血管拡張剤;中枢神経系刺激剤;血管収縮剤;鬱血除去剤を含む、咳および感冒用調剤;エストラジオール、テストステロン、プロゲステロンのようなホルモン、およびコルチコステロイドを含むその他のステロイドとその誘導体およびアナログ;睡眠薬;免疫抑制薬;筋肉弛緩薬;副交感神経遮断薬;精神刺激薬;鎮静薬;および神経安定薬。本発明による方法により、イオン化および非イオン化薬物両方の送達が可能であり、高分子量、中分子量、または低分子量薬物もまた送達し得る。
アンチセンス」核酸、特にアンチセンスRNAの使用によるポリペプチド発現の抑制のため
に使用され得る。「ポリペプチド」という用語は、本明細書においては、特定のサイズが指定されない限り、特にそのサイズには制限無く使用され、タンパク質を含む全ての長さのペプチドを含む。発現され得る代表的ポリペプチドは、以下から成る群から選択される:オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、表皮成長因子、プロラクチン、黄体形成ホルモン、放出ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子、インスリン様成長因子、インスリン、エリスロポエチン、レプチンのような肥満タンパク質、ソマトスタチン、グルカゴン、グルカゴン様インスリン分泌性因子、副甲状腺ホルモン、インターフェロン、ガストリン、インターロイキンー2およびその他のインターロイキンおよび
リンホカイン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、および合成アナログ、改変体とその薬理学的に活性なフラグメント、モノクローナル抗体およびワクチン。この群は限定的であることは意図されない、発現され得るペプチドまたはタンパク性薬物に対する唯一の限定は、その機能性の1つである。DNAおよび/またはRNAの送達は
、遺伝子治療、ワクチン接種、および生物内に核酸またはポリペプチドがインビボで投与されるべき治療状況において有用である。例えば、本明細書中で参考として援用される米国特許第5,580,859号。
の方法であり、これにより組織細胞はDNAを取り込み、少なくとも1カ月、より好ましく
は少なくとも6カ月間ポリペプチドを産生する。本発明の別の例示的実施態様は、生体膜の穿孔を含むポリペプチドの一過性発現の獲得、および次いで生体膜のこの孔を通してのポリペプチドをコードするRNAまたはDNA送達のための方法であり、これにより組織細胞(例えば、皮膚、粘膜、毛細管または下部組織)は、RNAまたはDNAを取り込み、約20日未満、通常では約10日未満、およびしばしば約3〜5日未満の期間ポリペプチドを産生する。RNAまたはDNAを取り込む細胞は、生体膜、下部組織、または毛細管によって到達し得る他の標的組織の細胞を含み得る。
、および/またはミクロスフェア、リポソーム内に含まれ得、および/またはトランスフェクション促進タンパク質、微粒子、脂質複合体、ウイルス粒子、荷電性または中性脂質、炭水化物、リン酸カルシウム、またはその他の沈降剤、および/または核酸を安定させるための他の物質と結合し得る。核酸は、染色体内に組み込まれるか、またはプラズミド内、または裸のポリヌクレオチドとして組み込まれないかのいずれかでウイルスベクター内に含まれ得る。核酸はポリペプチドをコードし得、あるいは、例えば、細胞内において選択されたポリペプチドの翻訳を阻害するためのアンチセンスRNAをコードし得る。核酸がDNAである場合は、それ自体非複製型であるDNA配列であり得るが、レプリケーターをさら
に含むプラズミド内に挿入される。DNAはまた、ヒトにおいて機能的であるCMV IEPプロ
モーターのような転写プロモーターを含み得る。DNAはまた、DNA転写のためのポリメラーゼをコードし得る。一つの好ましい実施態様において、DNAは、ポリペプチドおよびDNA転写用ポリメラーゼのいずれもコードする。このDNAはポリメラーゼ、またはそれをコード
するmRNAと合わせて送達され得、mRNAは細胞内で翻訳される。本実施態様において、このDNAは、好ましくはプラズミドであり、そしてポリメラーゼは好ましくは、T7ポリメラー
ゼのようなファージポリメラーゼであり、ここでT7ポリメラーゼ遺伝子はT7プロモーターを含むべきである。
達を含み、ここでDNAおよび/またはRNAは、免疫原に対する免疫応答を誘導する免疫原性
翻訳産物をコードする方法である。本方法は、体液性免疫応答、細胞性免疫応答、またはその混合を誘導するために使用され得る。
この例示的な実施例は、mRNAの調製および送達を示す。
ター、続いて5’非翻訳領域、3’非翻訳領域、およびポリアデニル化領域について鋳型を有利に含み得る。これらの5’および3’の非翻訳領域間には特有の制限部位が、任意の選択されたcDNAのプラスミド中への挿入を容易にするために存在するべきである。次いで、選択された遺伝子を含むプラスミドのクローニング後、プラスミドを、ポリアデニル化領域での消化によって直鎖状にし、そしてインビトロで転写させてmRNA転写物を形成させる。これらの転写物は、好ましくは、5’キャップを有して提供される。あるいは、5’非翻訳配列(例えば、EMC)が使用され得、これは、5’キャップを必要としない。
ある、Xenopusのグロビン遺伝子由来の5’および3’隣接領域を提供する。開始コドンを
含む任意のcDNAをこのプラスミド中に導入し得、そしてmRNAを得られる鋳型DNAから調製
する。この特定のプラスミドを、目的のポリペプチドをコードする選択された任意のcDNAを挿入するために、BglIIで消化し得る。良好な結果が、直鎖状にし、次いでSP6RNAポリ
メラーゼで転写させた場合に、pSP64Tで得られ得るが、ファージT7RNAポリメラーゼとと
もにpSP64TのXenopusのグロビン隣接配列を使用することが好ましい。これを、pSP64T由
来の約150bpのHindIII/EcoRIフラグメントを精製すること、およびこのフラグメントを
直鎖状にしたpIBI131(International Biotechnologies,Inc., New Haven, Conn.から市販されている)の約2.9kbのHindIII/EcoRIフラグメントにT4リガーゼを用いて挿入する
ことによって達成する。得られるプラスミド(pXBG)を、2つのXenopusのグロビン配列
間に存在する独特のBglII部位での目的の任意の遺伝子を受容させるため、および選択さ
れた遺伝子のT7ポリメラーゼでの転写のために適合させる。
番号 37155)の小さなBamHI/HindIIIフラグメントに由来するCAT遺伝子、およびBglII消化したpXBGの両方を、E.coliDNAポリメラーゼのKlenowフラグメントとともにインキュベ
ートして平滑末端を生成させ、次いで、T4 DNAリガーゼを用いて連結させてpSP-CATを形
成させた。次いで、このプラスミドをPstIおよびHindIIIで消化し、そして小さなフラグ
メントはpSP64Tの5’および3’-グロビン隣接配列間にCAT遺伝子を含む。T7プロモーターを含有するプラスミドpIBI131もまたPstIおよびHindIIIで消化し、そして長いフラグメントを精製する。次いで、このフラグメントをT4DNAリガーゼを用いてCAT遺伝子を含有するフラグメントに連結して、プラスミドpT7CAT-Anを形成させる。
)に従って精製する。次いで、得られる精製されたプラスミドDNAを過剰のPstIでポリア
デニル化領域の下流で直鎖状にし、次いで得られる直鎖状のDNAを精製し、そして米国特
許第5,580,589号の実施例5の方法に従ってインビトロで転写させる。次いで、得られるmRNAを、米国特許第5,580,859号の実施例5の方法に従って精製する。これは、本発明の送達に十分に純粋である。
この実施例は、HIVのgp120タンパク質をコードするmRNAでの個体の免疫化を示す。mRNAは、gp120の遺伝子(AIDS ResearchandReagentProgram, National Institute of Allergy and Infectious Disease,Rockville,MDからのpIIIenv3-1)を実施例40のプラスミ
ドpXBGに挿入することを除いて、実施例40の手順に従って調製する。gp120遺伝子を含むmRNAを、実施例40の手順に従って送達する。
この実施例においては、HIVのgp120タンパク質をコードするDNAでの個体の免疫化を示
す。gp120遺伝子を、P.Muzzinら(Correction ofObesity and Diabetes in Genetically
Obese Mice by LeptinGene Therapy, 93 Proc.Nat’l Acad. Sci. USA 14804-14808(1996);G.Chenら、Disappearance ofBody Fat inNormal Rats Induced by Adenovirus-mediatedLeptin Gene Therapy,93Proc. Nat’lAcad. Sci. USA 14795-99(1996)、これらは本明細書中で参考として援用される)の手順に従って組換えアデノウイルスに挿入する。生じるDNAは、実施例41の手順に従って送達される。
本実施例において、HSV-2の糖タンパク質DをコードするDNAでgp120タンパク質をコー
ドするDNAを置換したこと、およびさらに有効量の糖タンパク質Dと組合せたこと除いて
、実施例42の手順に従う。
本実施例では、肥満タンパク質レプチンをコードする核酸(例えば、ヒトレプチンまたはラットレプチンcDNA(C. Guoxunら、DisappearanceofBody Fat in Normal Rats Induced by Adenovirus-mediatedLeptin, 93 Proc. Nat’lAcad.Sci. USA 14795-99(1996))、またはマウスレプチンcDNA(P.Muzzinら、Correctionof ObesityandDiabetes in
Genetically Obese Mice by Leptin Gene Therapy, 93Proc. Nat’l Acad. Sci.USA14804-14808(1996)、これらの両方は、本明細書中で参考として援用される)を、適切なプラスミドベクター中で送達する。哺乳動物発現ベクターpEUK-C1(Clonetech,PaloAlto,
Calif.)を、クローニングした遺伝子の一時的な発現のために設計する。このベクター
は、pBR322複製起点および細菌中での増殖のためのアンピシリン耐性マーカーを含み、そしてSV40複製起点、SV40後期プロモーター、ならびに哺乳動物細胞中で選択された遺伝子の複製および発現のためのSV40後期ポリアデニル化シグナルもまた含む、4.9kbのプラス
ミドである。独特のXhoI、XbaI、SmaI、SacI、およびBamHI制限部位のマルチクローニン
グ部位(MCS)を、SV40後期プロモーターとSV40後期ポリアデニル化シグナルとの間に配
置する。MCS中にクローニングしたDNAフラグメントをSV40後期プロモーターからRNAへ転
写させ、そしてクローニングしたフラグメント中の最初のATGコドンから翻訳させる。SV40VPIプロセシングシグナルを使用して、クローニングしたDNAの転写物をスプライシング
し、そしてポリアデニル化する。レプチン遺伝子を、当該分野で周知の技術(例えば、J.Sambrookら、MolecularCloning:ALaboratoryManual(第2版、1989)、これは、本明
細書中で参考として援用される)を使用してpEUK-C1のMCSにクローニングする。生じるプラスミドを、上記の実施例に記載の手順に従って、皮膚または粘膜の穿孔後にヒトまたは動物の個体に送達する。
ヘパリンの送達。ヘパリンは、1時間あたりおよそ1000から5000IUの静脈注入に等価である基底レベルの維持、5000〜1000IUのヘパリンまたは1500〜6000IUの低分子量のヘパリンの1日に2回の皮下注射が代表的な臨床的投与量である、有用な治療用物質である。通常は、ヘパリンは、経皮送達系の良好な候補とは考えられない。なぜなら、この物質の5000〜30000Daの分子量に主に起因する皮膚の通過に対するその比較的高い抵抗性のためで
ある。本明細書中に開示される微細穿孔技術を使用して、例えば、微細穿孔が配置されている皮膚表面に付着させた送達リザーバーから十分な量のヘパリンを投与した場合に、ヘパリンの有意な流速を容易に達成した。ヘパリン溶液を、約100μmの深さまで穿孔した皮膚に適用し、これによって、受動的な拡散またはイオントフォレイシス法(約1mA/cm2
)との併用のいずれかを可能にする。これを、下部組織への微細穿孔を通じるヘパリンの輸送に十分な時間適用する。ヘパリンの送達の証拠を、受動的なおよびイオントフォレイシス法による増強された送達の両方のインビボ部位について顕微鏡試験によって示されるような、拡大した毛細血管の膨張および透過性によって観察した。主な駆動力として受動的な拡散を使用して有意なヘパリンの流れを示すことに加えて、高度に荷電した化合物であるヘパリンは、活性な制御可能な流速を可能にするために微細穿孔と電場との組み合わせのための天然の候補であり、そして同じ数の微細穿孔を通じる可能であるよりも早い流速が、受動的拡散法を用いて可能である。健常な男性のボランティアの手掌の前腕上の部位が1平方cmの面積中に36個の微細穿孔のマトリックスを作製することによって調製した、1つの実験を行った。イオントフォレイシスシステムのためのヘパリンナトリウム溶液および陰性電極を含有する小さいリザーバーを、この部位に取り付けた。陽性電極を、イオントフォレイシスシステムの販売元であるIomedから入手したヒドロゲル電極を使用し
て、いくらかの距離をあけて被験体の皮膚に取り付けた。このシステムを1平方cmあたり0.2ミリアンペアで10分間実施した。この期間の後、この部位の顕微鏡試験によって、毛
細血管の血管拡張によってヘパリンの送達の直接の証拠を示した。そして、吸引力を微細穿孔からの間質液のサンプルを抽出するために適用した場合、十分な赤血球がこの力のもとで毛細血管を出て、回収したISFをピンク色に色づける。このことは、この領域における増大した血管浸透性を示す。さらに、赤血球が凝固するかどうかを見るためにわきに配置する場合、凝固が起こらないことは、作業中の組織中に存在するヘパリンの抗凝固効果を示す。
インシュリンの送達:インシュリン(健常な個体中に通常存在する多くの化合物のような)は、例えば、外因性のインシュリンを必要とする糖尿病の個体中で、規定レベルおよび食事に応答する拍動性のボーラス様式で、ならびに被験体の活性レベルの両方で維持されなければならないポリペプチドである。現在、このことは、作用の早い皮下注射および作用の遅い処方物によって達成される。インシュリンの分子量(代表的には、約6000)のために、伝統的な経皮法または経粘膜法では、臨床的に有用なレベルでは送達され得ない。しかし、皮膚または粘膜のバリヤー層を通じて微細穿孔を開くことによって、生存組織中へのインシュリンの送達を可能にする明らかな通路が提供される。ここで、これらの組織中に存在する間質性の液体は、リンパ系および毛細血管のベッドへおよびその中へのインシュリンの拡散(浸透圧的に駆動することを含む)を可能にし、これによって臨床的に有用な量を送達する。Boehringer-MannheimCo.から購入した3500IU/mlの組換えヒトインシュリンを含有する濃縮したインシュリン溶液を、4平方cmを覆う手掌の前腕の被験体の皮膚の孔をあけた領域に対してレザーバー中で適用した。健常な44歳の男性の、糖尿病ではない被験体を、実験の開始の14時間前に絶食させた。静脈内および指の血液サンプルを、送達期を開始する前および後に定期的に採取し、そしてグルコース、インシュリン、およびC-ペプチドについてアッセイした。指の血液のグルコースデータは、約4時間後に
有意なおよび迅速な被験体のグルコースレベルの抑制を示し、10分間のサイクルにわたって開始時の100mg/dlから67mg/dlに低下し、次いで続く10分間で100まで回復し、このことから、送達されたインシュリンにかかわり、そしてそれを補う被験体のカウンター調節システムに起因すると仮説を立てた。44khzおよび0.2ワット/平方cmでの超音波作動の付加を含むこの手順の繰り返しは、送達の開始後30分未満に109mg/dlから78mg/dlに低下する
被験体のグルコースレベルによって示されるような、インシュリンのより迅速な送達を示した。実施例45の場合のように、ヘパリンの送達について、低電流イオントフォレイシスシステムをより大きい流動速度を容易にし、そして電流を変化させることによってこの流動速度を調節する能力を提供するために、微細穿孔と組合せ得、これによって組み立てられるべきシステムの要求される型についての送達を可能にする。インシュリンを用いた以前の研究は、代表的には、比較的高いイオントフォレイシス電流が完全な角質層の強力なバリア特性を克服するために必要とされることを示す。角質層または粘膜の穿孔により、および必要に応じて標的化される生物学膜中へまたはそれを介してより深い孔を作製するために穿孔パラメーターを設定することによって、より低い電流密度が、所望のインシュリン流動速度を生じるために必要とされる。
微粒子の送達:リポソーム、脂質複合体、ナノスフェアを含むミクロスフェア、PEG沈
殿した(PEGellated)化合物(ポリエチレングリコールと混合した化合物)および薬物送達系の一部としての他の微粒子の使用は、多くの種々の特異的な適用について十分に開発されている。特に、体の組織中の内因性の成分(例えば、皮膚、組織、血流またはリンパ中に存在するマクロファージまたは他の細胞中のプロテアーゼ、ヌクレアーゼ、または炭水化物分解酵素)によって容易に崩壊される化合物を扱う場合、生体利用可能性の増大および/または徐放を、これらの技術の1つを利用することによってしばしば実現し得る。現在、一旦当業者がこれらの技術の1つを適用すると、処方物を、一般には、ある型の注射を介して送達する。本発明は、生体膜(例えば、皮膚または粘膜)を通過しかつ選択された深さまで体内に微細穿孔を作製することによって、この型の微粒子が皮膚または粘膜を介して送達されることを可能にする。上記のインシュリンの実施例に記載されるように、微細穿孔、エレクトロポレーション、イオン導入法、音波エネルギー、エンハンサー、および部位の機械的刺激(例えば、圧力または摩擦)を、特定の処方物の送達および/または取り込みを増強するために、任意の組合せで組合せ得る。いくつかの操作した微粒子の場合において、孔は、特定の生物学的に活性な領域をバイパスするように、または選択された領域内に粒子を配置するように設計された最適な深さを有し得る。いくつかの微粒子送達系について、表面下組織への、またはそれを貫通してそれらが送達された後の粒子へのエネルギー入射を、活性な化合物の加速された放出を誘発するために使用し得、これによって治療用物質の流動速度の外部制御を可能にする。
移植可能な分析物のモニタリングのための微粒子:微粒子の別の適用は、治療薬としてではなく、非侵入的に調べられ得るプローブ化合物のキャリアとして、例えば、体内の特定の分析物のレベルに関する情報を得るために外部読み取り系から電磁気照射によって粒子を送達することである。一例は、グルコース特異的蛍光団化合物を孔性のミクロスフェア中に取り込むことである。これは、周辺組織中に存在するグルコースレベルに依存し、振幅、波長、または蛍光寿命のいずれかにおいてその蛍光応答を変化させる。蛍光団を700nmから1500nmまでの範囲の励起波長を用いて活性であるように設計する場合、低コスト
の赤外光源(例えば、LEDまたはレーザーダイオード)を使用して、その蛍光応答を刺激
する。この蛍光応答は、700nmから1500nmまでのこの範囲に同様に存在する。これらの波
長では、皮膚および粘膜組織はほとんど吸収せず、従って、単純な系をこれらの様式で構築することが可能である。
ワクチンの送達
細菌、ウイルス、トキソイド、または混合ワクチンを、固体、液体、懸濁物、または必要とされる場合はゲルとして調製する。この処方物は、ペプチド、タンパク質、炭水化物、DNA、RNA、完全な微生物、アジュバント、キャリアなどの任意の1つまたは組合せを含み得る。個体の選択された部位(皮膚または粘膜)に、上記の実施例45に記載する手順に従って穿孔し、そしてワクチンを穿孔した部位に適用する。微細穿孔の深さは、送達されるワクチンの型に依存し得る。この送達は、エレクトロポレーション、イオン導入法、磁気エネルギーまたは音波エネルギー、エンハンサー、および部位の機械的刺激(例えば、圧力または摩擦)で、細胞性の取り込みを増強するための上記の手順、ならびに/あるいはエレクトロポレーション、イオン導入法、磁気エネルギーまたは音波エネルギー、エンハンサー、および部位の機械的刺激(例えば、圧力または摩擦)の使用に従って補助され得る。さらなるまたは補強する用量を同じ様式で送達し、個体の免疫を達成し得る。
テストステロンの送達:市販の入手可能なテストステロンパッチ(TheraTech,Inc.のAndrodermR patch)を、この浸透の送達に適用する場合、微細穿孔の利点を評価するための一連の実験において使用した。性機能亢進の男性被験体を2日間Androderm治療を受けさ
せ、その後、一連の静脈血サンプルを、この被験体の基底レベルのテストステロンが確立するためにその後の24時間まで採取した。次いで、2つの2.5mgのAndrodermパッチを製造業者に推奨されるように取り付け、そして静脈血サンプルの同様のセットを採取して、使用された経皮流動増強方法のみがパッチに含まれる化学的浸透エンハンサーである場合のテストステロンレベルを測定した。洗浄期間のさらに2日後、次いで、2つのAndroderm
パッチを同様に取り付けたが、しかし、取り付けの前に標的部位での皮膚表面に1部位あたり72個の微細穿孔で穿孔した。各孔は、約80μmの幅、および300μmの長さの寸法で、
そして80から120μmの深さにおよぶ。穿孔した送達位相について、同様の一連の静脈血サンプルを採取し、テストステロンを測定した。24時間のこれらの全てによるデータを、「経皮的テストステロン送達に対する微細穿孔の効果」と名づけた図35に示す。これらのデータの注目すべき特徴は、微細穿孔が存在する場合に、被験体血液のテストステロンレベルがはるかにより迅速に上昇し、4時間を超える穿孔していないサイクル上昇端よりも本質的に優先する。曲線の傾きおよび曲線の下の面積を見ることによって、本発明者らは、3倍を超える流速が最初の4時間の間に微細穿孔によって起こったことを計算し得る。
アルプロスタジルの送達:アルプロスタジルまたはPGE1は、その血管拡張性挙動による男性の勃起性機能障害を処置するために治療的に使用されるプロスタグランジンである。この薬物についての標準的な送達様式は、陰茎の基部への直接的な注射であるか、または尿道へ挿入される坐剤を介する。一連の実験を、2人の健常な男性のボランティアで行った。各被験体は、皮膚の表面から測定した場合に、およそ100ミクロンの深さの孔を作製
する熱の孔パラメーターセットを用いて、陰茎幹の基部の領域上に12から36個の微細穿孔をあけることによって調製された1平方cmの部位を有した。濃縮したアルプロスタジルの溶液を、穿孔部位上に配置した小さいレザーバーパッチ中に配置した。次いで、超音波トランスデューサーをレザーバーの上部の置き、そして活性化し、そして被験体の勃起性および他の臨床的な応答をビデオテープに記録した。両方の被験体が、陰茎の有意な量の充血を生じ、適用された用量で70%以上の完全な勃起を達成すると概算した。さらに、送達された薬物の全身的なレベルに対する頬の潮紅応答を観察した。送達時間の30分から60分にわたって、両方の被験体は、顔面、首、胸部、および腕にまでおよぶ深在性の頬の潮紅を生じた。勃起応答および頬の潮紅の両方が、薬物(周知の血管拡張因子)の臨床的に活性な量の送達の証拠を提供する。
インターフェロンの送達:インターフェロンは、約17〜22,000の分子量のタンパク質であり、これは、種々の疾患状態(たとえば、ウイルス感染(例えば、B型肝炎およびC型肝炎)、免疫疾患(例えば、多発性硬化症)、およびガン(例えば、毛様細胞性白血病))を処置するために臨床的に投与される。これらのタンパク質の性質に起因して、インターフェロンは、現在は、注射によって投与されなければならない。なぜなら、これらは、経口で与えることができず、そして伝統的な経皮または粘膜を介する送達方法には大きすぎるからである。微細穿孔技術によるインターフェロンの送達を実証するために、1mlの送達溶液中に溶解された1mgあたり1億国際単位のインターフェロンの特異的活性を有するインターフェロンを含有する、αインターフェロン溶液の100マイクロリットルのアリ
コートを、150〜180μmの深さにまで穿孔した、穿孔された皮膚の1平方cmの領域に適用
する。従って、健常なヒト被験体の大腿上の毛細血管床の不足を生じる。試行を、インターフェロン溶液の有害な加熱を生じることなく下部組織へまたはそれを貫通して、孔を介するインターフェロンの移動を加速するために、純粋に受動的な拡散および十分な振幅、周波数、およびその調節でのその領域に対する音波エネルギーの適用のいずれかを使用して実施する。静脈血採取を、両方の試行について種々の時間の間隔で行い、そしてラジオイムノアッセイおよび生体アッセイを使用してインターフェロンレベルについてアッセイする。インターフェロンを、モニターした4時間にわたって血清中で検出する。音波によって増強させた送達実験についてのインターフェロンレベルは、受動的な実験についてよりも早く検出される。別の実験において、インターフェロンは、乾燥粉末形態で、直接、皮膚の穿孔領域の微細穿孔に投与される。インターフェロンは、上記と同じ技術を使用して血清中で検出される。別の試験において、インターフェロン溶液は、頬粘膜の穿孔組織に、裏打ちフィルムをともなって、または伴わずに、ゲル中に適用される。静脈血を採取し、そしてインターフェロンレベルについてアッセイする。インターフェロンは、モニターした3時間に渡って血清中で検出される。別の実験において、インターフェロンは、生体侵食性マトリクスを含む錠剤中に、穿孔された頬粘膜の領域にわたって錠剤の接触を提供する、粘膜接着性ポリマーマトリックスとともに組み込まれる。インターフェロンは、上記と同じ技術を使用して血清中で検出される。
モルヒネの送達:モルヒネの溶液を、ヒト被験体の手掌側の前腕上の穿孔領域に適用する。正の圧力勾配を使用して、モルヒネの存在について適切な時間の間隔で採取した静脈血のアッセイによって決定されるように、体内へのモルヒネの基底送達速度を提供する。約3〜6ng/mlのモルヒネの基底レベルを達成する。必要な場合には、さらなる圧力ボー
ラスを、モルヒネの送達においてスパイクを生じるように適用する。さらなる圧力ボーラスを、超音波の使用によって1つの試験において達成する;または圧力スパイクの使用によって別の実験において達成する。モルヒネの基底レベルが持続的に適用され、必要な場合には定期的にモルヒネの送達におけるスパイクを用いるこの型の送達は、慢性および突発的な痛みを処置することにおいて有用である。
植物への疾患耐性DNAの送達:選択したトウモロコシ植物の種子を、微細穿孔する。種
子を、疾患耐性タンパク質をコードするDNAを含む浸透性処方物の溶液中に入れる。音波
エネルギーを必要に応じて用いて、トウモロコシの種子へのDNAの送達を増強する。種子
を発芽させ、そして成熟するまで生長させる。得られる成熟したトウモロコシ植物の種子は、ここで、疾患耐性遺伝子を有する。
植物へのDNAの送達:テンサイの種子を、微細穿孔する。種子を、ヒト成長ホルモンをコードするDNAを含む浸透性処方物の溶液中に入れる。エレクトロポレーション、イオン
導入法、音波エネルギー、エンハンサー、およびこの部位の機械的な刺激(例えば、圧力)を使用して、種子へのDNAの送達を増強し得る。種子を発芽させ、そして成熟するまで
生長させる。得られる成熟したテンサイ植物の種子をここで回収し、そして続く精製および臨床的使用のためにヒト成長ホルモンが抽出され得る。
蛍光デキストラン粒子(MW約10,000ダルトン)を、約80μmの深さにおよぶ36個の微細
穿孔を形成したヒト被験体の手掌側の前腕上の1平方cmの皮膚を覆うレザーバーパッチによって水溶液中に適用した、1つの実験を行った。レザーバーパッチを、5分間放置した。穿孔部位および周辺の領域を、組織中への透過性物質の浸透を評価するために蛍光ビデオ顕微鏡で画像化した。蛍光は、5分以内のデキストランの有意な浸透が、最も近い微細穿孔から2mmを超えて離れて生じたことを示した。10分後に使用したビデオアッセイシステムは、さらなる拡散を示し、その結果、蛍光のフラッシュは孔から10mmに拡大した。この実験は、この技術が10,000の分子量を有する透過性物質の送達を可能にするという明らかな証拠を提供する。
Claims (12)
- 生物体へ浸透性物質を送達するための装置であって、該装置は、以下:
a)該生物体の生体膜を選択された領域で穿孔して、該生物膜に直径1〜1000μmの微細穿孔を少なくとも1つ形成するための伝導性加熱固体エレメントであって、該選択された領域の組織結合水および他の気化物質の温度が該水および他の気化物質の気化点よりも上に上昇するように、該穿孔するための伝導性加熱固体エレメントが該選択された領域と実質的に物理的に接触することで、伝導によって該生体膜の該選択された領域に十分なエネルギーを送達することによって、該生体膜を切除し、それにより、該選択された領域の該選択膜を除去する、伝導性加熱固体エレメント;
を備え、
該伝導性加熱固体エレメントは、該伝導性加熱固体エレメントが接触する該領域の温度を前記気化点よりも高い温度へと昇温させる10ナノ秒から50ミリ秒以内の昇温サイクルと、それに続き該領域の温度を回復させる1ミリ秒から50ミリ秒以内の回復サイクルとを、複数回繰り返すように構成されている、
前記装置。 - 前記伝導性加熱固体エレメントと前記生物体との間の電気的インピーダンスをモニタリングする手段をさらに備える、請求項1に記載の装置。
- 前記モニタリングする手段によって得られる電気的インピーダンスに基いて、下記(A)〜(C)の操作のうちの少なくとも1つが行われるように構成されている、請求項2に記載の装置。
(A)穿孔の深さを決定すること。
(B)選択された電気的インピーダンスが得られるまで、加熱中の前記伝導性加熱固体エレメントが前記生物体の領域と接触するように、該伝導性加熱固体エレメントを前進させること。
(C)該伝導性加熱固体エレメントを前記生物体の領域との接触から除去すること。 - 前記浸透性物質が、核酸、インスリン、インターフェロンおよびヘパリンからなる群から選ばれる物質である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
- 前記浸透性物質が、キャリアと結合する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
- 前記キャリアが、リポソームを含む、請求項5に記載の装置。
- 前記キャリアが、脂質複合体を含む、請求項5に記載の装置。
- 前記キャリアが、微粒子を含む、請求項5に記載の装置。
- 前記キャリアが、ポリエチレングリコール化合物を含む、請求項5に記載の装置。
- 生物体内の分析物をモニタリングするための装置であって、
(A)該生物体の生体膜の選択された領域に微細穿孔を形成し、それによって、該領域の生体膜の障壁特性を減少させるよう構成された孔形成デバイスと、
(B)前記領域の微細穿孔を通して、分析物を回収するデバイスと、
(C)前記回収された分析物を定量するデバイスと、
を有し、
前記(A)の孔形成デバイスは、伝導性加熱固体エレメントを備えており、
該伝導性加熱固体エレメントは、該生物体の生体膜を選択された領域で穿孔して、該生物膜に直径1〜1000μmの微細穿孔を少なくとも1つ形成するためのものであって、該選択された領域の組織結合水および他の気化物質の温度が該水および他の気化物質の気化点よりも上に上昇するように、該穿孔するための伝導性加熱固体エレメントが該選択された領域と実質的に物理的に接触することで、伝導によって該生体膜の該選択された領域に十分なエネルギーを送達することによって、該生体膜を切除し、それにより、該選択された領域の該選択膜を除去するように構成されており、かつ、
該伝導性加熱固体エレメントは、該伝導性加熱固体エレメントが接触する該領域の温度を前記気化点よりも高い温度へと昇温させる10ナノ秒から50ミリ秒以内の昇温サイクルと、それに続き該領域の温度を回復させる1ミリ秒から50ミリ秒以内の回復サイクルとを、複数回繰り返すように構成されている、
前記装置。 - 前記伝導性加熱固体エレメントと前記生物体との間の電気的インピーダンスをモニタリングする手段をさらに備える、請求項10に記載の装置。
- 分析物が、グルコース、ナトリウム、カリウム、ビリルビン、尿素、アンモニア、カルシウム、鉛、鉄、リチウム、サリチル酸、抗体、ホルモン、または、外因性送達物質である、請求項10記載の装置。
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