JP5679666B2 - 蓋用積層体へのレーザマーキング方法、分配包装体蓋用積層体、及びマーキングされた分配包装体 - Google Patents

蓋用積層体へのレーザマーキング方法、分配包装体蓋用積層体、及びマーキングされた分配包装体 Download PDF

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Description

本発明はレーザ印字によりマーキングする積層体へのレーザマーキング方法、分配包装体蓋用積層体及びレーザ印字によりマーキングされた分配包装体に関するものである。
従来の分配包装体へのマーキングは日付をはじめとする製造者記号など個々に印字する場合にはジェットプリンターなど分配包装体の表面に印字されているものがある。他方近年インキを使用しないマーキング方法としてレーザ印字が使用され、地肌を露出させる印字方法(特許文献1)、或いは包装用のフィルムのインキ層を局部的に排除する印字方法(特許文献2)などレーザ光照射により有色層の指定箇所を除去して、マーキング部を形成する方法が行われている。
特開2008−155471号公報 特開2007−38594号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来のレーザマーキングでは、塗料やインキを介在させており、レーザ光が当たった照射部分は塗装面が削除された焼け焦げであるため、表面がゴツゴツしてしまう。また、表層の裏面印刷等にレーザ受光インキを用いた層にレーザマーキングを行うと、インキが消失的に発泡、あるいはガス化するなどにより、印字部分のフィルムが少し浮き上がる問題があった。そこで分配包装袋の外表面に露出することがなく、商品名、製造者記号、製造年月日等の印字が、外部摩擦によって消失することがなく、また、被包装物として食品類等と直接接触することもなく、しかも、読み取りを容易にかつ確実ならしめる表示を実現するのものである。すなわち、製品の外表面は変化させずに、積層体内面の樹脂層にレーザ光による商品名、日付、製造者記号などを印字する方法、分配包装体蓋用積層体、及びマーキングされた分配包装体を提供することである。
本発明に係る蓋用積層体へのレーザマーキング方法は、少なくとも表層、中間層及びシール層が積層してなる積層体に、レーザ光を照射して中間層の樹脂を炭化黒変させるレーザマーキング方法において、レーザ光が炭化黒変箇所に再照射しないフォントを用いることを行うことを特徴とする。
また、分配包装体蓋用積層体においては、表面の中央部に表面側から形成されたハーフカット部を有する折曲げ線と折曲げたときに吐出口を形成する凸部とを有する硬質蓋体、及び内容物を収容するためのポケット部を有する可撓性容器体を有し、硬質蓋体の裏面に可撓性容器体の周縁部が溶着されてなる分配包装体において、前記硬質蓋体は、少なくとも表層、硬質中間層及びシール層とが積層してなる硬質複合積層体であって、前記硬質中間層が顔料により着色された樹脂がレーザ印字でレーザ光が炭化黒変箇所に再照射しないフォントを用いてマーキングする積層体であることを特徴としている。
また、前記硬質中間層はPS樹脂層であり、着色顔料は二酸化チタンである前記の分配包装体蓋用積層体とすることができる。
これら、レーザ光を用いて樹脂を炭化させ黒変させることによりマーキングができるが、下地が白であると黒変箇所とのコントラストが大きく、明瞭に表示させることができる。白色顔料としては二酸化チタンが用いられ、さらに一度黒変させた箇所に再度レーザ光を照射すると炭化が一気に加速され、ガスが発生して積層断面中に空洞が発生してしまう。そこでレーザ光が同じ場所に照射しない特別のフォントを用いることが肝要である。
また、本発明に係るマーキングされた分配包装体は、表面の中央部に表面側から形成されたハーフカット部を有する折曲げ線と折り曲げたときに吐出口を形成する凸部とを有する硬質蓋体、及び内容物を収容するためのポケット部を有する可撓性容器体を有し、硬質蓋体の裏面に可撓性容器体の周縁部が溶着されてなる分配包装体において、硬質蓋体は、少なくとも表層、硬質中間層及びシール層で構成され、硬質中間層はPS樹脂であり、PS樹脂はGPPSとHIPSの混合物であり、且つ顔料として二酸化チタンを含有し、レーザ光が炭化黒変箇所に再照射しないフォントを用いてマーキングしていることを特徴としている。
さらに、前記硬質蓋体のシール層の裏面に内容物を収容するためのポケット部の可撓性容器体に液状物またはペースト状物が充填されてなり、前記硬質蓋体の表層側からレーザ印字によるマーキングされた分配包装体を提供することによって上記課題を解決するものである。
本発明による方法、分配包装体蓋用積層体、及びマーキングされた分配包装体によれば、レーザ光が表面の表層を透過して、硬質の白色の中間層の表面を黒変化させることで鮮明な黒色のマーキングが可能となり、表面の表層越しに、商品名、日付、製造者記号などのマーキングを白地に黒文字として明確に認識することが出来る。これにより商品名、製造者記号、製造年月日等の印字が、外部摩擦によって消失することがなく、また、マーキングが被包装物としての食品類等と直接接触することもなく、しかも、読み取りを容易にかつ確実ならしめる表示と出来ることにより、見栄えの他、改ざん防止、マーキングのインキの付着等食品のインパックなどの問題解決を図ることができる。
本発明に係る一実施例の分配包装体蓋用積層体の代表的な構成を示す説明図である。 本発明に係る一実施例の分配包装体蓋用積層体の代表的な構成を示す説明図である。 本発明の一実施例に用いるマーキングフォントを説明する説明図である。 本発明の一実施例のマーキングされた分配包装体を示す説明図である。
本発明を以下、図面をもとに説明する。
図1及び図2に分配包装体の積層体の実施例の代表的な事例を記載した、
すなわち、本発明に係る一実施例の硬質蓋体は少なくとも表層、中間層、シール層から構成されている。
さらに、中間層とシール層の間、及び表層と中間層の間にバリア層を設けることも出来る。
表層は、非晶質無延伸PET(APET)、延伸PET(OPET)、結晶性PET(CPET)、延伸PP(OPP)、無延伸PP(CPP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、延伸Ny(ONy)、無延伸Ny(CNy)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、延伸PS(OPS)などが挙げられるものであれば特に限定されない。
中間層は、硬質蓋体の表面側から形成されたハーフカット部を折曲げ線において、折り曲げたときに凸部が開口して吐出口を形成する脆性破壊が求められる。塑性変形と脆性破壊とを適度とするため、中間層はポリスチレン系の樹脂(以下、「PS樹脂」と記載することもある。)が選択され、構成するポリスチレン系樹脂としては、良好な割れ性を得ること、シール層或いはバリア層との接着性を良好に保つことの観点から、一般用ポリスチレン(以下、「GPPS」と省略する場合がある。)、耐衝撃性ポリスチレン(以下、「HIPS」と省略する場合がある。)、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー(ブタジエン系化合物)のいずれかの単体樹脂、あるいは、これらの樹脂の混合物であることが好ましい。GPPSは、ゴム成分を含まないので、割れやすい性質を有している。
これに対して、HIPSは、ゴム成分を含み、割れにくい性質を有している。したがって、これらの混合比を適切に調節することによって、包装体の吐出口を開封する際の硬質蓋材の割れ性を調節することができる。中間層を構成するポリスチレン系樹脂として、GPPSおよびHIPSの混合物を用いた場合、PS層の全体の質量を基準(100質量%)として、HIPSは、
3〜20質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがさらに好ましい。 GPPSとしては、曲げ弾性率が3,200〜3,300MPa、シャルピー衝撃強さ(ノッチあり)が、1.5〜3.0KJ/m2である、耐熱グレードが好適に使用される。HIPSとしては、曲げ弾性率が2,100〜2,500MPa、シャルピー衝撃強さ(ノッチあり)が、13〜16KJ/m2である、高衝撃グレードが好適に使用される。スチレン・ブタジエンブロックコポリマーとしては、旭化成社製のアサフレックス、タフプレン、アサプレンなどを好適に用いることができる。
ポリスチレン系樹脂のメルトフローレートは、1g/10min[200℃ 5Kg]以上であることが好ましく、4g/10min[200℃ 5Kg]以上であることがさらに好ましい。
PS層を構成するポリスチレン系樹脂の曲げ弾性率(JIS K7171)は、1700MPa〜2800MPaであることが好ましく、さらに好ましくは2000MPa〜2500MPaである。また、ビカット軟化温度(JIS K7206)は、75〜110℃のものが好ましく、さらに好ましくは80〜100℃のものが好適に使用できる。
中間層の厚みとしては、50〜550μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましく、200〜350μmであることが特に好ましい。中間層の厚みが薄すぎると、分配包装体として使用した際に良好な開封性を得ることが困難となる。一方、中間層の厚みが厚すぎると、容易に開封することが困難となり、分配包装体としての商品価値が低下する。
また、中間層には、レーザ光で出力されるマーキングの鮮鋭性を高める目的で、樹脂層中に二酸化チタン顔料を含有させることが肝要である。二酸化チタンをプラスチック顆粒と混合し、熱の作用下に造形することにより、プラスチックマトリクスにおいて行われる。このようにドープされたプラスチック顆粒は、通常、プラスチック顆粒を適当なミキサー中に導入し、それらを従来の添加剤で湿らせ、次に、二酸化チタンを添加および混合することにより製造される。
プラスチックは、通常、色濃厚物(マスターバッチ)または化合物により着色される。このように得られる混合物は、次に、押出し機または射出成形機において直接加工することができる。
二酸化チタンは、分散媒体(好ましくは、水)中に実質的に不溶性であり、約1ミクロン〜約10ミクロン、好ましくは約1〜3ミクロンの個々の平均粒子サイズに粉砕される。
このようにして、二酸化チタン顔料が、プラスチック中に均質に分布させることができる。その二酸化チタンの含有量が、樹脂に対し、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物による中間層を得ることができる。
中間層に二酸化チタンなどの顔料を配合する場合、顔料の分散性や加工適正などを向上させるために、各種添加剤が添加されるが、一般的には、滑剤として金属石鹸が使用されている。本発明において用いられる亜鉛、リチウム及びカルシウム以外の金属としては、本発明の効果を阻害しない限りであれば特に制限は無く、マグネシウム、アルミニウムなどを用いることができる。
シール層は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のうちのいずれか、又はこれらの混合物で構成される層である。
例えば、LDPEとHDPEとの配合比率を自由にコントロールして、パッケージを開封する際における蓋材の割れ性や、中間層との接着強度を調節することができる。また、両者の配合比率によって、ポリエチレン系樹脂層の裂け性を調製することができる。HDPEの割合が多いほうが、より裂け性が良い。また、LDPEの配合を増やすことで、メルトテンションを高めて製膜性の安定化を図ることができる。
LDPEとしては、密度が0.92g/cm3以上のものが好ましく、HDPEとしては、密度が0.95g/cm3以上のものが好ましい。密度を高くすることにより、PE層に良好な裂け性を付与することができる。直鎖状低密度ポリエチレンLLDPEは、密度が0.91〜0.94g/cm3の範囲、メルトフローレートは0.5〜15g/10minのものを使用することが好ましい。
また、シール層はPE第一層とPE第二層の複層構造とすることもできる。かかる二層構造のPE層には、LDPE、HDPE、あるいはLDPEとHDPEをブレンドしたものを使用する。ブレンド比率を決定するにあたって、層厚に配慮しつつ、以下の考慮を行うと良い。すなわち、シール層の最外層を形成するPE第一層は、シール性および適度な開封性を確保すべくLDPEの配合比を高くすることが好ましい。一方、中間層側のPE第二層は、主構成層たるPS層の割れに伴って、層(膜)の「切れ」の伝播が良好に行われる必要があり、かかる要請からHDPEを配合することも好ましい。LDPEとHDPEの配合比は、質量比で40〜80:60〜20、好ましくは50〜80:50〜20、さらに好ましくは60〜80:40〜20とすることが望ましい。LDPEとHDPEとの配合比率によって、LDPEによりメルトテンションを高めて製膜性の安定化を図るとともに、HDPEによる開封時において容易に割れる特性(以下において「易割れ性」という。)に優れる蓋材を得ることが可能になる。
シール層12のPE第二層19の厚みは、2〜70μmであることが好ましい。さらに好ましくは3〜20μm、特に好ましくは、5〜10μmである。シール層のPE第二層の厚みを上記範囲に保つことによって、開封時のPE層の切れを良好に保つことが可能となる。また、シール層を構成するPE第一層の厚みは、2〜70μmであることが好ましい。さらに好ましくは3〜20μm、特に好ましくは、5〜10μmである。このように各PE層の厚みを規定することによって、開封時の切れを良好に保ちつつ、同時に良好なシール性も保持することが可能となる。
バリア層として中間層とシール層の間、あるいは表層と中間層の間にEVOH層を有することができる。EVOH層は酸素バリア層として機能し、フィルムにガスバリア性を付与することができる。EVOHはエチレン含有量29モル%以上、好ましくは32モル%以上であり、47モル%以下、好ましくは44モル%以下であることが望ましい。EVOHのケン化度は、好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上のものが望ましい。
中間層とシール層の間の場合のEVOH層の厚みは2μm以上、好ましくは5μm以上であり、かつ15μm以下、好ましくは10μm以下の範囲である。EVOH層の厚みが薄すぎると良好な酸素バリア性を保つことが困難になる。一方、EVOH層の厚みが厚すぎる包装体の吐出口を開封する際の妨げになり、好ましくない。
他方、表層と中間層の間の場合のEVOH層の厚みは15μm以上、好ましくは30μm以上に設定ができる。硬質蓋体は、表層側から中間層にかけてハーフカット部を有する折曲げ線を曲げることにより折曲げ線部分にそって、一直線上に割れが生じて、吐出口を形成することが出来るがバリア層のEVOH層はハーフカットにより切断済みであることより、シール層側に配した場合に比べその厚みは自由に設定できるが上限は、実質50μm程度である。
表層、中間層、シール層及び各積層は共押出あるいはドライラミネートで積層体にすることができ、分配包装体に充填する内容物に適した樹脂ならびに構成を選択することができる。
硬質蓋体への印刷は表層の表面、あるいは裏面にオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの一般的な印刷方法を用いて行うことができる。ただし、レーザマーキング箇所については、オーバーコート印刷あるいはレーザ印字が明瞭に認識できる色調であり、かつ、レーザ光を透過させ、レーザ光に関与しない色彩の印刷は行うことができる。
また、表印刷は印刷面は摩擦による印刷のカスレを生じる可能性が皆無ではないが、準備済みの積層体フィルムに印刷を行うことができる。他方、印刷のカスレの問題は裏印刷を行い中間層側へドライラミネートすることで解決することができる。しかし、印刷フィルムと基材フィルムの準備が必要となり、硬質蓋材の積層体のロット及び使用用途により印刷方法並びに印刷方式は選択をすることができる。
一般に、レーザ加工に用いられるレーザは、発振波長によって2つに大別される。その1は、発振波長が1064nmの近辺にあるものであり、光を増幅させる媒質・方式等の違いによって印字等の可能な対象物が異なっている。この発振波長1064nmのレーザは、樹脂及び金属の加工は良好であるが、透明な物体の加工を行うことはできない。この種のレーザの代表的なものとしては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ、YVO4レーザ、FAYbレーザをあげることができる。YAGレーザは、金属の彫刻が可能であり、波長の低いものも提供されている。YVO4レーザは、金属の印字が可能であり、微細なマーキングに向いている。また、FAYbレーザでは、機種によりパルス幅を短くして、熱影響が少なく、印字に有利な方式という特徴を有している。
その2は、発振波長が10600nmの近辺にあるものであり、この発振波長10600nmのレーザは、紙や透明な物体への印字が可能である。この種のレーザの代表的なものとしては、CO2レーザをあげることができる。CO2レーザは、樹脂及び透明な物体の加工は可能であるが、金属を加工することはできないという特徴を有している。
分配包装体蓋用積層体に、近赤外線領域の波長が1064nmのYVO4レーザ光線を照射することが好ましい。このYVO4レーザ光は、小さい文字や加工などの精細マーキングが可能で、高速印字性に優れる。特に、シングルモードビームは、ビーム光が真円で均一かつ、パーティクルレスの印字が可能であると共に、レーザーパワーの安定度に優れ、ムラのない印字が可能であるので、レーザーパワー、スキャンスピード、印字パルス周期を調整することにより、樹脂の発色具合も調整が可能である。また、炭酸ガスレーザなどを用いた場合には、積層プラスチックフィルムへのレーザ光照射が強過ぎると、肉眼での確認が困難なレベルではあるが、フィルム表面の文字の部分だけがわずかに破れたり、キズが付くことがある。
この点、YVO4レーザは、微妙なパワー調整ができるため、略透明な表層、あるいは表層及びバリア層を透過して、二酸化チタンを顔料として添加している中間層の表面側に炭化による発色を起こして文字等の印字ができるという特徴がある。また、炭化によるマーキングは、下地の白とのコントラストが大きく、明瞭に表示させることができるものである。しかし、一度黒変させた箇所に再度レーザ光を照射すると炭化が一気に加速され、ガスが発生して表層と中間層の断面中に空洞が発生してしまうため、鮮明な印字は出力の調整に相まって、レーザ光が同じ場所に照射しない工夫が必要となる。
実施例に使用した硬質蓋体の積層体の構成は表層側からPET//PS/酸化チタン顔料含有HIPS/PS/接着性PE/EVOH/接着性PE/PEの構成で総厚みが350μmであった。
また、表層から酸化チタン顔料含有HIPSまでのPET,PSの厚みは50〜60μであった。
レーザ装置 SUNX LP−Z256
文字の大きさ:高さ3mm 幅2.5mm
ワーク間距離:310mm
出力設定 :30〜45%
スキャンスピード:1200mm/s
マーキング面積:300mm×300mm
マーキング内容:賞味期限、商品略号
実施例に使用した硬質蓋体の積層体の構成は表層側からPET//EVOH//PS/酸化チタン顔料含有HIPS/PS/接着性PE/EVOH/接着性PE/PEの構成で総厚みが380μmであった。
また、表層から酸化チタン顔料含有HIPSまでのPET,EVOH,PSの厚みは80〜100μであった。
レーザ装置 SUNX LP−Z256
文字の大きさ:高さ3mm 幅2.5mm
ワーク間距離:310mm
出力設定 :30〜45%
スキャンスピード:1000mm/s
マーキング面積:150mm×300mm
マーキング内容:賞味期限、商品略号
レーザ光が炭化黒変箇所に再照射しないフォントを図3の一例をもとに説明する。
説明のため数字1から4とアルファベットのml、DPJ、クロス部分を示す+の印字例としてレーザ光を照射する奇跡を白抜きで示した。レーザ光を照射した印字は白抜きのない文字である。Dと4と+にレーザ光が重なる部分を避ける箇所21の例を示した。
さらに説明すると
数字の「3」は上部の「つ」と下部の「つ」の重なりをなくすために下部の「つ」の書き出し位置を短くする。数字の「0」は書き出しと書き終わりがなく、連続しているため書き出し位置と書き終わりの位置が重なっていることから強調あるいは発泡してしまう。そこで、書き出し位置と書き終わりの位置をわずかに離すことにより解決させる。
同様にアルファベットの「m」は「l」「つ」「つ」とそれぞれの書き出しを短くして重なりをなくすことにより、解決ができる。
同様に「+」のようにクロスする場合は一方を切断分離する。すなわち「l」と「-」「-」に分離することにより重なりをなくすことができる。
他の文字、数字、記号はこれらを組み合わせて重なりや重複を防止するフォントを作成することによりガスの発生や強調を防止し、見た目のよい(文字)マーキングを提供することが可能とできる。これらのフォントはマーキング装置にて記憶させておくことで対応が可能である。
1 硬質蓋体
11 表層
12 表層の印刷位置(裏印刷)
13 (硬質)中間層 (PS層)
14 バリア層 (EVOH層)
15 シール層
16 レーザ光による発色(模式図)
2 ポケット部
3 包装体
5 マーキング(日付、記号)
6 凸部
7 折曲げ線 (ハーフカット)
9 硬質蓋体
20 マーキングフォント(一例)
21 レーザ光が重なる箇所を防止した箇所(一例)

Claims (3)

  1. 少なくとも表層、中間層及びシール層が積層してなる積層体に、レーザ光を照射して中間層を炭化黒変させるレーザマーキング方法において、レーザ光が炭化黒変箇所に再照射しないフォントを用い、前記中間層が、表層側から二酸化チタンを含まないPS樹脂層と二酸化チタンを含有させて白色に着色したPS樹脂層との少なくとも2層からなることを特徴とする蓋用積層体へのレーザマーキング方法。
  2. 表面の中央部に表面側から形成されたハーフカット部を有する折曲げ線と折曲げたときに吐出口を形成する凸部とを有する硬質蓋体、及び内容物を収容するためのポケット部を有する可撓性容器体を有し、硬質蓋体の裏面に可撓性容器体の周縁部が溶着されてなる分配包装体において、前記硬質蓋体は、少なくとも表層、硬質中間層及びシール層とが積層してなる硬質複合積層体であって、前記硬質中間層は、表層側から二酸化チタンを含まないPS樹脂層と二酸化チタンを含有させて白色に着色したPS樹脂層との少なくとも2層からなり、レーザ光が炭化黒変箇所に再照射しないフォントを用いてマーキングする積層体であることを特徴とする分配包装体蓋用積層体。
  3. 表面の中央部に表面側から形成されたハーフカット部を有する折曲げ線と折曲げたときに吐出口を形成する凸部とを有する硬質蓋体、及び内容物を収容するためのポケット部を有する可撓性容器体を有し、硬質蓋体の裏面に可撓性容器体の周縁部が溶着されてなる分配包装体において、前記硬質蓋体は、少なくとも表層、硬質中間層及びシール層で構成され、前記硬質中間層は、表層側から二酸化チタンを含まないPS樹脂層と二酸化チタンを含有させて白色に着色したPS樹脂層との少なくとも2層からなり、レーザ光が炭化黒変箇所に再照射しないフォントを用いてマーキングしていることを特徴とするマーキングされた分配包装体。

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