JP5678529B2 - 印刷媒体及びこの印刷媒体を用いた記録物 - Google Patents

Description

本発明は、印刷媒体及びこの印刷媒体を用いた記録物に関するものである。

従来、普通紙や専用紙等の紙製の基材に限らず、シート状やカード状等の合成樹脂製の基材に、インクジェットプリンタや熱転写プリンタ等の印刷装置を用いて画像が印刷される印刷媒体が幅広い分野において使用されている。

例えば、特許文献１に記載されているリストバンド用ラベルは、細長い帯状を呈して、ロール状に巻回可能なものであって、合成樹脂製のフィルム基材の表裏面に印字面及び擬似接着剤層を有するとともに台紙に仮着された印刷媒体である。台紙には、剥離剤層を形成し、擬似接着剤層との間の分離を容易としている。即ち、基材の裏面にエンボス形状に加工したエンボス層を形成するとともに、このエンボス層を擬似接着剤層として台紙に分離可能に係合させている。

上記基材は、柔らかく且つ耐久性を有するものであり、この表面には個人識別用の所望の印字情報（画像）を印字可能である。上記台紙は、基材に対向する側の面をエンボス加工した強靭で加工しやすい材質のものを採用している。
そして、上記リストバンド用ラベルは、その基材の部分をリストバンド型抜き部において打ち抜くことにより、リストバンドとカス取り部とに分離可能としている。したがって、リストバンド部分を台紙から剥離するとともに、カス取り部から分離することにより、リストバンド（記録物）を得ることができる。

特許第４４０６２４３号公報

しかしながら、上述した従来の印刷媒体としてのリストバンド用ラベルは、リストバンドの表面に直接印刷を行うものであり、使用に伴う摩擦や汚れ、薬品の付着等により印刷面の識別情報を印刷した部分が欠損したり汚損したりし易いという問題があった。
そこで、例えば、印刷したリストバンドをラミネート樹脂で熱圧封したり、印刷面をオーバーコートしたりすることが考えられるが、何れも手間や部品点数が増えてコストが嵩むという問題がある。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、印刷面に印刷された画像が欠損や汚損を生じ難い安価な印刷媒体及びこの印刷媒体を用いた記録物を提供することである。

本発明の上記目的は、一方の面に印刷面を有し、他方の面にエンボス加工面を有する印刷基材と、
前記印刷基材の他方の面に透明な粘着剤層によって貼り合わされた透明基材と、を備え、
前記印刷基材の前記印刷面に画像を印刷した後に、前記印刷基材の前記エンボス加工面から前記透明基材を剥がし、前記粘着剤層と前記印刷面とが貼り合わさるように前記印刷基材と前記透明基材を重ね合わせて記録物を製作可能なことを特徴とする印刷媒体により達成される。

上記構成の印刷媒体によれば、インクジェットプリンタ等の印刷装置によって印刷面に画像を印刷する際、エンボス加工面を有する印刷基材の他方の面は、表面が平滑な透明基材に覆われた状態なので、エンボス加工面により印刷装置の紙送り動作に支障をきたすことがない。
また、透明基材は粘着剤層によってエンボス加工面に貼り合わされているので、透明基材は印刷基材から容易に剥がすことができる。

更に、粘着剤層と印刷面とが貼り合わさるように印刷基材と透明基材を重ね合わせることによって、印刷基材の印刷面が透明基材に覆われた状態となると共に、印刷面に印刷された画像が透明基材の上から視認可能となる。
その結果、記録物の印刷面に印刷されている画像は、印刷基材と透明基材とによって保護された状態となり、水分や塵埃、空気等を遮断することができるようになると共に、使用に伴う摩擦や汚れ、薬品の付着等を防止することができる。そして、記録物における画像の欠損や汚損を生じ難くすることができる。

尚、本発明に係る透明な粘着剤層及び透明基材は、無色透明の材料により形成されることが望ましいが、透明基材の上から印刷面に印刷された画像が視認可能であれば、任意の色に着色したり、半透明の材料により形成したり、部分的に透明にしたりすることもできる。

また、上記構成の印刷媒体において、前記印刷媒体を所定形状に切り抜くための切れ目が、前印刷基材側から前記透明基材側に向かって窄まるように斜めに切り込み形成されていることが望ましい。

この様な構成の印刷媒体によれば、斜めに切り込み形成された切れ目に沿って印刷基材から剥がされた透明基材の粘着剤層の輪郭は、切り抜かれた印刷基材の輪郭よりも小さくなる。そこで、所定形状の印刷基材と透明基材を重ね合わせた際に、粘着剤層を記録物の横からはみ出し難くすることができる。

また、上記構成の印刷媒体において、前記透明基材には、前記印刷面に印刷される画像の輪郭形状に対応した所定形状に切り抜くための切れ目が、切り込み形成されていることが望ましい。

この様な構成の印刷媒体によれば、切れ目に沿って印刷基材から剥がされた透明基材は、印刷面に印刷される画像のみを覆うことができる。そこで、印刷基材と透明基材を重ね合わせる際の互いの位置決めが容易となり、貼り付け作業性が向上する。

また、上記構成の印刷媒体において、前記印刷基材は、前記印刷面を有する印刷層と、該印刷層の前記印刷面と反対側の面に別体で積層されたエンボス層とを備え、前記エンボス加工面が、前記エンボス層に形成されていることが望ましい。
この様な構成の印刷媒体によれば、印刷層を印刷面として好ましい材料で形成し、エンボス層をエンボス加工し易い材料で形成することができる。そこで、エンボス加工する際の加工性が良く、印刷面に印刷された画像が良好な印刷媒体を得ることができる。

また、本発明の上記目的は、上記構成の印刷媒体を用いて、前記印刷面に画像を印刷した後に、前記印刷基材の前記エンボス加工面から前記透明基材を剥がし、前記粘着剤層と前記印刷面とが貼り合わさるように前記印刷基材と前記透明基材を重ね合わせたことを特徴とする記録物により達成される。

上記構成の記録物によれば、印刷基材の印刷面が透明基材に覆われた状態となると共に、印刷面に印刷された画像が透明部材の上から視認可能となる。
その結果、記録物の印刷面に印刷されている画像は、印刷基材と透明基材とによって保護された状態となり、水分や塵埃、空気等を遮断することができると共に、使用に伴う摩擦や汚れ、薬品の付着等を防止することができる。そして、記録物における画像の欠損や汚損を生じ難くすることができる。

また、上記記録物は、一方の面にエンボス加工面を有する。
そこで、記録物を人体の肌に触れた状態で使用するリストバンド等として製作した場合には、エンボス加工面が直接、人体の肌に触れるようにすることで、記録物が人体の肌に触れた際の不快感を低減することができる。
また、記録物を薄いシートやカード等として製作した場合には、記録物が積み重ねた他の記録物や机上等に張り付いて取り難くなるのを防止できる。

本発明の第１実施形態に係る印刷媒体の部分平面図である。 図１に示した印刷媒体のII−II断面矢視図である。 図１に示した印刷媒体より記録物を製作する手順を説明するためのIII−III断面矢視図である。 本発明の第１実施形態に係る記録物の平面図である。 本発明の第２実施形態に係る印刷媒体の平面図である。 図５に示した印刷媒体のVI−VI断面矢視図である。 図６に示した印刷媒体より記録物を製作する手順を説明するための断面図である。 本発明の第２実施形態に係る記録物の平面図である。

以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る印刷媒体及びこの印刷媒体を用いた記録物について説明する。
図１及び図２に示すように、本発明の第１実施形態に係る印刷媒体であるリストバンド用ラベル１は、細長い帯状を呈してロール状に巻回可能なものであって、一方の面に印刷面５を有し、他方の面にエンボス加工面６を有する印刷基材２と、印刷基材２の他方の面に透明な粘着剤層７によって貼り合わされた透明基材８と、を備えた構成である。

本第１実施形態の印刷基材２は、図２に示すように、印刷面５を有する印刷層３と、該印刷層３の印刷面５と反対側の面に別体で積層されたエンボス層４とを備える。そして、エンボス層４の透明基材８と対向する面に、複数の凸部又は凹部をエンボス加工したエンボス加工面６が形成されている。

エンボス加工面６は、例えば、その粗さを♯５０〜♯２００とすることが望ましい。即ち、１インチ当たり５０〜２００個の凸部６ａを有する程度の粗さである。尚、凸部又は凹部の形状は、円柱状や角柱状、半円球状等の種々の形状を採りえる。

印刷基材２を構成する印刷層３及びエンボス層４は、例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリエチレン（ＰＥ）及びポリプロピレン（PP）或いはユポ（ユポ・コーポレーション）やその共重合体などの合成樹脂製のフィルムから構成されており、柔らかく且つ耐水性や耐久性を有するものである。

本第１実施形態の透明基材８は、無色透明の材料により形成されており、エンボス層４と対向する面には透明な粘着剤材料から成る粘着剤層７が積層されている。尚、本発明に係る透明基材及び粘着剤層は、透明基材及び粘着剤層の上から印刷面に印刷された画像が視認可能であれば、任意の色に着色したり、半透明の材料により形成したり、部分的に透明にしたりすることもできる。

そして、リストバンド用ラベル１は、印刷基材２のエンボス加工面６に粘着剤層７によって透明基材８を貼り合わせて固着した後、長さ調節用孔１０及びバンド固定用孔１２が穿孔される。
更に、リストバンド用ラベル１には、該リストバンド用ラベル１を所定形状（後述するリストバンド２０の外形形状）に切り抜くための環状の切れ目であるミシン目１５が、印刷基材側２から透明基材８側（図２中下側）に向かって窄まるように斜めに切り込み形成される。

尚、これら印刷基材２及び透明基材８に、帯電防止剤を練り込んだり、帯電防止処理コートなど任意の帯電防止処理を施したりする事で、埃などによる汚れを防止可能とすることができる。
更に、透明基材８に各種の抗菌剤を混合することによって、人体の肌に接触した部分の細菌の繁殖を抑制することができる。

次に、図３を参照しながら、図１及び図２に示したリストバンド用ラベル１より記録物であるリストバンド２０を製作する手順を説明する
先ず、インクジェットプリンタ等の印刷装置（図示せず）によって、印刷媒体であるリストバンド用ラベル１の印刷面５に所望の印刷情報（画像）Ｐを印刷する。印刷情報Ｐは、例えば氏名、性別、生年月日、血液型及びバーコード等の患者を特定するための個人識別用の印刷情報である。

このリストバンド用ラベル１は、ロール状に巻回された状態で印刷装置の用紙収容部内にセットされ、先端部から順に搬送経路を経て印刷部で印刷された後、排紙口から排出される。
印刷基材２の印刷面５に印刷情報Ｐを印刷する際、エンボス加工面６を有する印刷基材２の他方の面（印刷面５と反対側の面）は、表面が平滑な透明基材８に覆われた状態なので、印刷装置の搬送経路における紙送り動作がエンボス加工面６により支障をきたすことがない。

また、本第１実施形態に係る印刷基材２は、印刷面５を有する印刷層３と、該印刷層３に別体で積層されたエンボス層４とを備えている。そこで、印刷層３を印刷面として好ましい材料で形成し、エンボス層４をエンボス加工し易い材料で形成することができる。そこで、エンボス加工する際の加工性が良く、印刷面５に印刷された印刷情報Ｐの画質が良好なリストバンド用ラベル１を得ることができる。

そして、図３（ａ）に示すように、印刷面５に印刷情報Ｐが印刷されたリストバンド用ラベル１は、ミシン目１５で所定形状に切り抜かれる。
次に、図３（ｂ）に示すように、印刷基材２のエンボス加工面６から透明基材８を剥がし、印刷基材２と透明基材８を分離する。
この際、透明基材８は粘着剤層７によって、凹凸形状を有するエンボス加工面６に貼り合わされているので、透明基材８は印刷基材２から容易に剥がすことができる。即ち、透明基材８は、粘着剤層７の上に剥離層を設けなくとも、印刷基材２から容易に剥がすことができるので、剥離層を省略して製造コストを低減することができる。

更に、図３（ｃ）に示すように、粘着剤層７と印刷面５とが貼り合わさるように印刷基材８と透明基材８を重ね合わせてリストバンド２０を構成する。
ここで、印刷基材２側から透明基材８側に窄まるように斜めに切り込み形成された切れ目１５に沿って印刷基材２から剥がされた透明基材８の粘着剤層７の輪郭は、切り抜かれた印刷基材２の輪郭よりも小さくなる。そこで、所定形状の印刷基材２と透明基材８を重ね合わせた際に、粘着剤層７をリストバンド２０の横からはみ出し難くすることができる。

この様な構成のリストバンド用ラベル１によれば、透明な粘着剤層７と印刷面５とが貼り合わさるように印刷基材２と透明基材８を重ね合わせることによって、印刷基材２の印刷面５が透明基材８に覆われた状態となると共に、印刷面５に印刷された印刷情報Ｐが透明基材８の上から視認可能となる。

その結果、図４に示すように、リストバンド２０の印刷面５に印刷されている印刷情報Ｐは、印刷基材２と透明基材８とによって保護された状態となる。
そこで、本実施形態のリストバンド２０は、印刷情報Ｐに対して、水分や塵埃、空気等を遮断することができるようになると共に、使用に伴う摩擦や汚れ、薬品の付着等を防止することができる。

更に、この透明基材８は、印刷時には印刷基材２のエンボス加工面６を覆うことで、印刷装置の搬送経路における紙送り動作に支障をきたすのを防止する機能も果たしており、透明基材８を効率よく利用することで、リストバンド用ラベル１のコストアップを抑えることができる。
従って、本実施形態に係るリストバンド用ラベル１によれば、印刷情報Ｐの欠損や汚損を生じ難くすることができる安価なリストバンド２０を提供できる。

この様に構成されたリストバンド２０を患者の手首や足首に取り付けるには、患者の取り付け部位に券回して、そのサイズに合った長さ調節用孔１０及びバンド固定用孔１２をあわせ、図示しない留め具を挿通して固定する。
リストバンド２０は、凹凸形状を有するエンボス加工面６が形成されているため、リストバンド２０を手首や足首に取り付けた際に、肌との間に空間ができて通気性が良いので、長時間使用しても蒸れやかぶれになり難い。

尚、本発明の印刷媒体及びこの印刷媒体を用いた記録物における印刷基材、印刷面、印刷層、エンボス層、エンボス加工面、透明基材、粘着剤層等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは勿論である。
例えば、上記実施形態においては、ミシン目１５でリストバンド用ラベル１を所定形状に切り抜いてから、印刷基材２のエンボス加工面６から剥がした透明基材８を印刷面５に貼り合わせたが、透明基材８を印刷基材２のエンボス加工面６から剥がして印刷面５に貼り合わせた後、ミシン目１５でリストバンド用ラベル１を所定形状に切り抜いても良い。

また、リストバンド用ラベル１を所定形状に切り抜くためのミシン目１５もこれに限らず、環状に切れやすい構成であれば良い。
また、印刷面５に印刷情報Ｐを印刷装置は、インクジェットプリンタに限らず、熱転写プリンタ等の種々の印刷装置を用いることができる。

図５及び図６に示すように、本発明の第２実施形態に係る印刷媒体であるポイントカード用ラベル３１は、矩形の薄いカード状を呈したリライトカードであって、一方の面に印刷面３５を有し、他方の面にエンボス加工面３６を有する印刷基材３２と、印刷基材３２の他方の面に透明な粘着剤層３７によって粘着された透明基材３８と、を備えた構成である。

更に、印刷面３５には、所望の印刷情報（画像）Ｐを印刷する為の印刷領域３９と、書換え可能なリライト領域４０とが設けられている。リライト領域４０は、例えばロイコ塗料を事前に印刷しておき、感熱ヘッドにより書換え可能としたものである。

本第２実施形態の印刷基材３２は、図６に示すように、印刷面３５を有する印刷層３３と、該印刷層３３の印刷面３５と反対側の面に別体で積層されたエンボス層３４とを備える。そして、エンボス層３４の透明基材３８と対向する面に、上記第１実施形態のエンボス加工面６と同様に複数の凸部又は凹部をエンボス加工したエンボス加工面３６が形成されている。

印刷基材３２を構成する印刷層３３及びエンボス層３４は、例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）及びポリエチレン（ＰＥ）或いはその共重合体などの合成樹脂製のシートから構成されており、適度な剛性を有し且つ耐久性を有するものである。
本第２実施形態の透明基材３８は、柔軟な無色透明の材料により形成されており、エンボス層３４と対向する面には透明な粘着剤材料から成る粘着剤層３７が積層されている。

そして、ポイントカード用ラベル３１は、印刷基材３２のエンボス加工面３６に粘着剤層３７によって透明基材３８を貼り合わせて固着する。
更に、ポイントカード用ラベル３１の透明基材３８には、印刷面３５に印刷される印刷情報Ｐの輪郭形状（印刷領域３９の輪郭形状）に対応した所定形状に切り抜くための環状の切れ目であるミシン目４５が、切り込み形成されている

次に、図７を参照しながら、図５に示したポイントカード用ラベル３１より記録物であるポイントカード５０を製作する手順を説明する
先ず、インクジェットプリンタ等の印刷装置（図示せず）によって、印刷媒体であるポイントカード用ラベル３１の印刷面３５に所望の印刷情報Ｐを印刷する。印刷情報Ｐは、例えば会員番号、氏名、及び入会日等の利用者を特定するための個人識別用の印刷情報である。

このポイントカード用ラベル３１は、複数枚が積層された状態で印刷装置の用紙収容部内にセットされ、最上部のカードから順に搬送経路を経て印刷部で印刷された後、排紙口から排出される。
印刷基材３２の印刷面３５に印刷情報Ｐを印刷する際、エンボス加工面３６を有する印刷基材３２の他方の面（印刷面３５と反対側の面）は、表面が平滑な透明基材３８に覆われた状態なので、印刷装置の搬送経路における紙送り動作がエンボス加工面３６により支障をきたすことがない。

また、本第２実施形態に係る印刷基材３２は、印刷面３５を有する印刷層３３と、該印刷層３３に別体で積層されたエンボス層３４とを備えている。そこで、印刷層３３を印刷面として好ましい材料で形成し、エンボス層３４をエンボス加工し易い材料で形成することができる。そこで、エンボス加工する際の加工性が良く、印刷面３５に印刷された印刷情報Ｐの画質が良好なポイントカード用ラベル３１を得ることができる。

そして、図７（ａ）に示すように、印刷面３５に印刷情報Ｐが印刷されたポイントカード用ラベル３１は、ミシン目４５で所定形状に切り抜かれながら、印刷基材３２のエンボス加工面３６から剥がされた透明基材３８ａが、印刷基材３２と分離される。
この際、透明基材３８ａは粘着剤層３７によって、凹凸形状を有するエンボス加工面３６に粘着されているので、透明基材３８ａは印刷基材３２から容易に剥がすことができる。

次に、図７（ｂ）に示すように、ミシン目４５に沿って印刷基材３２から剥がされた透明基材３８ａは、印刷面５の印刷領域３９と粘着剤層７とが貼り合わさるように印刷基材８に重ね合わされる。そして、印刷基材３２に残った不要な透明基材３８ｂを印刷基材３２から剥がしてポイントカード５０を構成する。
ここで、切れ目に沿って印刷基材３２から所定形状に剥がされた透明基材３８ａは、印刷面３５に印刷される印刷情報Ｐのみを覆うことができる。そこで、印刷基材３２と透明基材３８ａを重ね合わせる際の互いの位置決めが容易となり、貼り付け作業性が向上する。

この様な構成のポイントカード用ラベル３１によれば、印刷面３５の印刷領域３９と透明な粘着剤層３７とが貼り合わさるように印刷基材３２と透明基材３８ａを重ね合わせることによって、印刷基材３２の印刷領域３９が透明基材３８ａに覆われた状態となると共に、印刷領域３９に印刷された印刷情報Ｐが透明基材３８ａの上から視認可能となる。

その結果、図８に示すように、ポイントカード５０の印刷領域３９に印刷されている印刷情報Ｐは、印刷基材３２と透明基材３８ａとによって保護された状態となる。
そこで、本実施形態のポイントカード５０は、印刷情報Ｐに対して、水分や塵埃、空気等を遮断することができるようになると共に、使用に伴う摩擦や汚れ、薬品の付着等を防止することができる。従って、ポイントカード５０における印刷情報Ｐの欠損や汚損を生じ難くすることができる。

この様に構成されたポイントカード５０は、書換え可能なリライト領域４０のポイントを書換えながら使用される。
ポイントカード５０の裏面には、凹凸形状を有するエンボス加工面３６が形成されているので、積み重ねた他のポイントカード５０や机上等との間に空間ができる。そこで、ポイントカード５０は、他のポイントカード５０や机上等に張り付いて取り難くなるのが防止される。

尚、本発明の印刷媒体及び記録物としては、上記各実施形態に係るリストバンド用ラベル１及びリストバンド２０や、ポイントカード用ラベル３１及びポイントカード５０に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の印刷媒体及び記録物に適用できることは云うまでもない。

例えば、印刷媒体の印刷基材を構成する印刷層及びエンボス層を無色透明の材料により形成し、印刷装置によって印刷面に所望の画像を反転した状態で印刷する。そして、印刷基材のエンボス加工面から透明基材を剥がし、粘着剤層と印刷面とが貼り合わさるように印刷基材と透明基材を重ね合わせて記録物を製作する。即ち、印刷面に印刷されている画像を、印刷層及びエンボス層を介して外部から正画像として視認することができ、エンボス加工面を記録物のマット面（つや消し面）等として機能させることができる。

１…リストバンド用ラベル（印刷媒体）、２…印刷基材、３…印刷層、４…エンボス層、５…印刷面、６…エンボス加工面、７…粘着剤層、８…透明層、１５…ミシン目（切れ目）、２０…リストバンド（記録物）、Ｐ…印刷情報（画像）

Claims (3)

1. 一方の面に印刷面を有し、他方の面にエンボス加工面を有する印刷基材と、
   前記印刷基材の前記エンボス加工面に透明な粘着剤層によって貼り合わされ、前記粘着剤層と前記印刷面とが貼り合わされるように前記エンボス加工面から剥がし可能な透明基材と、を有し、
   前記印刷基材及び前記エンボス加工面に貼り合わされた前記透明基材に、前記印刷面から前記エンボス加工面に向かって窄まるように、切れ目が斜めに切り込み形成されることを特徴とする印刷媒体。
2. 前記印刷基材は、前記印刷面を有する印刷層と、前記印刷層に別体で積層されて前記エンボス加工面を有するエンボス層と、を備える請求項１に記載の印刷媒体。
3. 一方の面に印刷面を有して他方の面にエンボス加工面を有する印刷基材と、前記印刷基材の前記エンボス加工面に透明な粘着剤層によって貼り合わされる透明基材とを有し、前記印刷基材及び前記エンボス加工面に貼り合わされた前記透明基材に、前記印刷面から前記エンボス加工面に向かって窄まるように、切れ目が斜めに切り込み形成される印刷媒体の前記印刷面に画像を印刷し、
   前記印刷面に画像を印刷した後に、前記切れ目で前記印刷基材及び前記透明基材を切り抜き、前記印刷基材の前記エンボス加工面から前記透明基材を剥がし、
   前記粘着剤層と前記印刷面とが貼り合わさるように前記印刷基材と前記透明基材を重ね合わせることを特徴とする記録物の製造方法。

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