JP4322573B2

JP4322573B2 - リストバンド用ラベル

Info

Publication number: JP4322573B2
Application number: JP2003186644A
Authority: JP
Inventors: 一幸小林
Original assignee: Sato Corp; Sato Holdings Corp
Current assignee: Sato Corp; Sato Holdings Corp
Priority date: 2003-06-30
Filing date: 2003-06-30
Publication date: 2009-09-02
Anticipated expiration: 2023-06-30
Also published as: JP2005024582A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は個人認識用のリストバンド及びリストバンド用ラベルに係るもので、特に長時間使用しても人体への刺激の少ないソフトタイプのリストバンド及びリストバンド用ラベルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から例えば医療向けのリストバンドは、入院や診察、あるいは検査を受ける患者の医療過誤を未然に防ぐために、氏名や血液型やバーコード等をバンド本体に印字して、本人確認を容易でしかも確実に行い適正な処置が施せるように、一度つけたら意図的に切断する等の行為が無い限り二度と外せないものとして設計されている。
そのため、患者の手首や足首等の肌に直接ふれる部位に長時間、取り付けることが多いため基材の耐久性とともに、人体によりソフトにフィットする柔軟なリストバンドが要求される。特に、自らの意思を伝え難い状態にある新生児や重症の患者の場合には、それが顕著とされる。
【０００３】
また、長時間、取り付けられるために擦れや水あるいはアルコール等の薬品に対しても、本人確認の印字諸情報が視認あるいは読み取り装置（図示しない）等で認識できる安定して定着する印字が求められている。特に、バーコードや二次元コードのデータを有するものでは、読み取り装置との関係からかなりの印字品質が要求される。
そのため、バーコードプリンタ等の印字装置によって印字するには、熱転写リボンのインクが安定的に定着する基材を選定することが要求されるとともに、印字部への搬送を適正に行うことのできる柔らかすぎない腰（剛性）のある基材が要求される。
【０００４】
従来のポリウレタン製等の合成樹脂製基材のみで構成されたリストバンドでは、バーコードプリンタ等の印字装置で印字をする場合に、柔らか過ぎて腰が弱いためプラテンへの巻き込み等のジャムを起こす可能性があるとともに、ラベルの横連れを防ぐためのラベルガイドによる搬送調整等がうまく機能せず、適正な印字位置に印字できないという問題がある。
【０００５】
また、ポリウレタン製等の合成樹脂製基材のみで構成されたリストバンドでは、バーコードプリンタ等の印字装置で印字をする場合に、前記基材の伸縮性から印字の間延びを引き起こすという問題がある。
また、ポリウレタン製等の合成樹脂製基材に対する印字用の熱転写リボンのインクの定着性が不十分なため、水やアルコール等で擦ると視認しにくくなるという問題がある。
【０００６】
また、基材が柔らかすぎるために、患者の手首や足首等に取り付けやすい形状に加工する公知技術の打ち抜き工程であるダイカットやプリンタ装填用として小巻ロールへの加工等の製品加工が難しいという問題がある。
【０００７】
また、柔軟さを追求したポリウレタン製基材等の合成樹脂製の材質では、肌に触れる面が平滑であるため、汗をかいたり水に触れたときには皮膚との密着性が強く、蒸れやふやけ等の問題がある。
（例えば、特許文献１参照）
【０００８】
【特許文献１】
特開２００２−１５３４４６号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、基材裏面にエンボス加工を施した擬似接着剤層が直接、人体の肌に触れるように構成したため、通気性に優れ、蒸れやふやけ等を感じにくいリストバンド及びリストバンド用ラベルを提供することを課題とする。
【００１０】
また、本発明は柔らかい合成樹脂製の基材にエンボス加工を施した擬似接着剤層と咬合する形状を有する支持体の台紙を仮着した構成としたため、リストバンド用ラベルの腰や丈夫さを増し、ダイカットや小巻仕上げ等の製品加工をしやすくしたとともに、個人識別情報を印字装置で印字するときの印字部への搬送を安定させ、適正な印字位置で印字ができるリストバンド及びリストバンド用ラベルを提供することを課題とする。
【００１１】
また、本発明は熱転写リボンのインクと相性の良い合成樹脂製のフィルム基材を採用したため、擦れや水などによっても印字情報を印字品質の良い状態で保つことができるリストバンド及びリストバンド用ラベルを提供することを課題とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、肌に触れる擬似接着剤層部分をエンボス形状に加工したため、通気性が増し、蒸れやかぶれになりにくくすること、前記エンボス形状の擬似接着剤層に咬合する形状の支持体である台紙を仮着し、腰（剛性）をもたせたラベル構成としてプリンタの搬送適性を上げることに着目したものです。
【００１４】
印字面及び擬似接着剤層を基材の表裏面に有するとともに台紙に仮着されたリストバンド用ラベルであって、前記印字面には個人を識別するための所望の印字情報を有し、前記基材裏面にはエンボス加工を施した擬似接着剤層と咬合する形状を有する台紙に仮着していることを特徴とするリストバンド用ラベルである。
【００１５】
また、前記基材は、合成樹脂製のフィルム基材からなることを特徴とする前記リストバンド用ラベルである。
【００１６】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態によるリストバンド及びリストバンド用ラベルを図１ないし図２に基づき説明する。
【００１７】
図１は、本発明の実施の形態によるリストバンド用ラベル１の平面図であって、前記リストバンド用ラベル１は、リストバンド１０部とカス取り部１１とから構成され、リストバンドの型抜き部９によってリストバンド部１０を分離可能としている。
また、前記リストバンド１０には、印字領域部１２とその左右に延伸する長さ調節部１３とバンド固定部１４とを有する。
前記印字領域部１２には、患者を特定するための個人識別用の所望の印字情報６であるＩＤ番号、性別、名称、生年月日、血液型、担当医の名称やバーコード、二次元コード等の情報を有し、バーコードプリンタ等の印刷装置によって印刷可能とし、患者の取り違え等に伴う過誤診療を防止するための諸情報とできる。
また、前記長さ調節部１３には、長さ調節用係止穴８を有し、前記バンド固定部１４には、バンド固定用係止穴７を有する構成としている。
【００１８】
図２は、図１のＡ−Ａの断面図であって、前記リストバンド用ラベル１は、基材２と、エンボス形状を有する擬似接着剤層４と、前記擬似接着剤層４に咬合する形状を有する剥離剤５処理を施こした台紙３と、を有する。
前記基材２は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどの合成樹脂製のフィルムからこれを形成し、柔らかく、耐久性を有するものであり、また、前記基材２の上面（表面）には、前記印字領域部１２に患者を特定するための個人識別用の所望の印字情報６を有することができる。
【００１９】
前記擬似接着剤層４は、前記基材２とエンボス形状を有する剥離剤５処理を施した前記台紙３との間に、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ＥＶＡ、アイオノマーなどを公知の技術である押出ラミネーション技術によって、流し込み、前記基材２と前記台紙３とを冷却しながら圧着して形成したものである。
【００２０】
前記台紙３は、上面をエンボス加工された強靭で加工しやすいＰＥＴ（ポリ塩化テフェニール）材質のものを採用しているが、ＰＰ（ポリプロピレン）でもよく、通常の台紙基材であるグラシン紙やクラフト紙等にエンボス加工を施こして、押し出しラミネーション加工にて処理ができるものであれば採用可能である。
【００２１】
こうして形成されたエンボス形状の前記擬似接着剤層４と前記基材２とは同素材の材質であるポリエチレン、ポリプロピレン等にて形成されている。
例えば前記基材４の材質がポリエチレンのときは前記擬似接着剤層４の材質はポリエチレンを採用し、また、前記基材４の材質がポリプロピレンのときは前記擬似接着剤層４の材質はポリプロピレンを採用するというように同素材の材質を採用したため、その結合力が強く、また、前記台紙３の上面は、シリコーン系化合物、アルキルペンダントポリマー系及び縮合ワックス系などの剥離剤５処理がなされて前記擬似接着剤層４に結合しているため、前記リストバンド１０を前記台紙３から分離して剥離することが容易にできる。
【００２２】
このように構成された前記リストバンド用ラベル１から前記リストバンド１０を分離剥離して、患者の手首や足首等に取り付けるには、患者の取り付け部位に巻回して、そのサイズに合った前記バンド固定用係止穴７と前記長さ調節用係止穴８との係止穴を合わせ、図示しない留め具によって固定する。
【００２３】
而して、本発明のリストバンド１０は、エンボス形状を有する擬似接着剤層４を有するため、前記リストバンド１０を手首や足首等にとりつけたときに、肌との間に空間ができるため、通気性がよく、また、その材質には市販の絆創膏にも利用されているポリエチレン等を使用しているため、皮膚への刺激性がないために長時間使用しても蒸れやかぶれになりにくい構成となっている。
【００２４】
また、前記リストバンド１０は長時間、直接患者の肌にふれることから長さ調節部１３とバンド固定部１４の形状は、印字部分の印字領域部１２よりも幅方向に狭く形成され肌との接触面積を小さくして通風性を増した構成としている。
【００２５】
また、前記リストバンド１０は、肌との接触を滑らかにするために、全体の角を丸く形成している。
【００２６】
また、前記長さ調節部１３とバンド固定部１４にはプレ印刷によって血液型等によって事前に取り決めた色彩を施してもよい。
【００２７】
次に、図３は、本発明の実施の形態によるリストバンド用ラベル１の印字面にバーコードその他の印字を行うためのバーコードプリンタ２１の概略側面図であって、バーコードプリンタ２１は、サーマルヘッド２２とプラテンローラ２３と熱転写リボン２４と、を有し、前記サーマルヘッド２２と前記プラテンローラ２３との間に前記熱転写リボン２４を介して前記リストバンド用ラベル１を挾持しながら搬送して前記基材２表面の前記印字領域部１２に所望の印字情報６を印字する構成としている。
【００２８】
本発明は柔らかい合成樹脂製の前記基材２にエンボス加工を施した前記擬似接着剤層４に咬合する形状である支持体の前記台紙３を仮着して、バーコードプリンタ２１等の印字装置に装填するように構成したため、前記リストバンド用ラベル１の腰や丈夫さを増し、プレ印刷やダイカットあるいは小巻仕上げ等の製品加工をしやすくしたとともに、前記バーコードプリンタ２１での走行性を安定させ印字発行上のトラブルを防止するリストバンド用ラベル１を提供することができる。
ここで、前記台紙３の裏面は、平滑であることが好ましいが、前記バーコードプリンタ２１の搬送あるいは印字上の支障がなければ若干のエンボス形状を有していてもよい。
【００２９】
また、本発明は前記熱転写リボン２４のインクと相性の良い同素材の材質であるポリエチレン等の合成樹脂製のフィルム基材を採用したため、擦れや水などによっても印字情報を印字品質の良い状態で保つことができるリストバンド及びリストバンド用ラベルを提供することができる。
【００３０】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、基材裏面の直接、肌に触れる擬似接着剤層にエンボス加工を施した構成としたため、通気性に優れ、蒸れやふやけ等を感じにくく長時間の使用にも耐えうることができる。
【００３１】
また、本発明は柔らかい合成樹脂製の基材にエンボス加工を施した擬似接着剤層と咬合する形状を有する支持体の台紙を仮着したため、腰や丈夫さを増し、ダイカットや小巻仕上げ等の製品加工をしやすくしたとともに、個人識別情報を印字装置で印字するときの印字部への搬送を安定させることができる。
【００３２】
また、本発明は熱転写リボンのインクと相性の良い合成樹脂製のフィルム基材を採用したため、擦れや水などによっても印字情報を印字品質の良い状態で保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態によるリストバンド用ラベル1の平面図である。
【図２】同、図１のＡ−Ａ線による断面図である。
【図３】同、リストバンド用ラベル１の印字面にバーコードその他の印字を行うためのバーコードプリンタ２１の概略側面図である。
【符号の説明】
１リストバンド用ラベル
２基材
３台紙
４擬似接着剤層
５剥離剤
６印字情報
７バンド固定用係止穴
８長さ調節用係止穴
９リストバンドの型抜き部
１０リストバンド
１１カス取り部
１２印字領域部
１３長さ調節部
１４バンド固定部
２１バーコードプリンタ
２２サーマルヘッド
２３プラテンローラー
２４熱転写リボン

Claims

印字面及び擬似接着剤層を基材の表裏面に有するとともに台紙に仮着されたリストバンド用ラベルであって、前記印字面には個人を識別するための所望の印字情報を有し、前記基材裏面にはエンボス形状に加工を施された擬似接着剤層を有し、前記擬似接着剤層に咬合する形状を有する台紙に仮着していることを特徴とするリストバンド用ラベル。
前記基材は、合成樹脂製のフィルム基材からなることを特徴とする請求項１記載のリストバンド用ラベル。