JP5675306B2 - 発光装置、車両用前照灯及び照明装置 - Google Patents

発光装置、車両用前照灯及び照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、励起光を蛍光体に照射することで発生する蛍光を照明光として利用する発光装置、車両用前照灯及び照明装置に関するものである。
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。
このような発光装置の一例として特許文献1に開示された車両用灯具がある。蛍光体と、異なる複数の方向から蛍光体に励起光を照射する半導体発光素子とを備えている。半導体発光素子が蛍光体に光を照射することにより、蛍光体が蛍光(白色光)を生成することができる。
特開2004−241142号公報(2004年8月26日公開)
励起光の照射により、蛍光体を含む発光部の表面に照射領域(ビームスポット)が形成されるが、複数の方向から発光部に励起光が照射されるので、照射領域も多数形成される。このため、複数の方向からの励起光が発光部の表面において局所的に照射されると、多数の照射領域が重なることによりその箇所において発熱が生じ、当該箇所が高温にさらされる。
この発熱によって、発光部の発光効率が低下してしまう可能性があり、また、発光部を形成する蛍光体及び蛍光体を封止する封止材が劣化する可能性がある。本発明の発明者は、蛍光体又は封止材が劣化した場合(すなわち発光部の一部が劣化した場合)には、その劣化した蛍光体の発光効率が低下し、そのために発光部全体としての発光効率が低下してしまう可能性があることを実験によって確認している。
ところが、このような発光部の劣化および発光部における発光効率の低下を抑制するための構成については、特許文献1には開示も示唆もされていない。
本発明の目的は、発光部の劣化及び発光部における発光効率の低下を抑制することができる発光装置、車両用前照灯及び照明装置を提供することにある。
本発明に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、励起光を出射する出射層を有する複数の励起光源と、上記励起光源から出射された励起光を受光する受光面を有し、当該受光面において当該励起光を受けて発光する発光部と、を備え、上記出射層を含む第1平面それぞれと上記受光面を含む第2平面とがなす交線どうしが完全には重ならないことを特徴としている。
上記構成によれば、複数の励起光源それぞれが有する出射層から出射された励起光が、発光部の受光面に照射される。すなわち、励起光源の出射層における励起光を出射する部分が発光部の受光面に向くように、励起光源及び発光部が配置されている。このため、出射層を含む第1平面と受光面を含む第2平面とがなす交線を、励起光源ごとに形成することができる。
また、上記の励起光源及び発光部の配置により、その交線は、受光面に励起光が照射されたときに形成される照射領域に含まれる。このため、交線どうしが完全に重なっているという状況は、個々の励起光源から出射された励起光が形成する照射領域の重なる部分が大きくなっていることを意味する。1つの励起光源からの励起光であっても照射領域において発熱を生じさせるので、複数の励起光源からの励起光が形成する照射領域が重なれば、その重なった部分での発熱量は大きくなり、その熱により発光部を劣化させてしまう可能性がある。
本発明の発光装置では、上記交線どうしが完全には重ならないので、複数の励起光源から出射された励起光が形成する照射領域どうしの重なり部分を小さくすることができる。このため、励起光が発光部の一箇所に局所的に照射されることを防ぐことにより、発光部の発熱を抑制することができる。それゆえ、本発明の発光装置では、その発熱による発光部の劣化及び発光部における発光効率の低下を抑制することができる。
本発明に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、励起光を出射する出射層を有する複数の励起光源と、上記励起光源から出射された励起光を受光する受光面を有し、当該受光面において励起光を受けて発光する発光部と、を備え、上記出射層を含む第1平面それぞれと上記受光面を含む第2平面とがなす交線のうちから選択される2つの交線どうしが、0°よりも大きく180°よりも小さい角度で交差することを特徴としている。
上記構成によれば、複数の励起光源それぞれが有する出射層から出射された励起光が、発光部の受光面に照射される。上述のように、励起光源と発光部との配置の関係から、出射層を含む第1平面と受光面を含む第2平面とがなす交線を、励起光源ごとに形成することができる。
また、上記の励起光源及び発光部の配置により、その交線は、受光面に励起光が照射されたときに形成される照射領域に含まれる。このため、複数の交線のうちから選択される2つの交線どうしが0°あるいは180°の角度で交差する(すなわち、交線どうしが完全に重なる)という状況は、2つの励起光源から出射された励起光が形成する照射領域の重なる部分が大きくなっていることを意味する。
本発明の発光装置では、上記2つの交線どうしが0°よりも大きく180°よりも小さい角度で交差するので、複数の励起光源から出射された励起光が形成する照射領域どうしの重なり部分を小さくすることができる。このため、励起光が発光部の一箇所に局所的に照射されることを防ぐことにより、発光部の発熱を抑制することができる。それゆえ、本発明の発光装置では、その発熱による発光部の劣化及び発光部における発光効率の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る発光装置は、隣接する2つの励起光源が形成する交線どうしのなす角をθとしたとき、θ=180°/上記励起光源の個数を満たすように、上記励起光源が配置されることが好ましい。
隣接する2つの励起光源が形成する交線どうしのなす角が一定でない場合には、発光部の受光面において、照射領域が密に重なっている部分(例えば図9(b)の領域41)と疎な重なり部分(例えば図9(b)の領域42)とが形成される。密な重なり部分ではその発熱量が大きくなるので、他の領域に比べ劣化し易い。
上記構成によれば、交線どうしのなす角が一定、すなわち交線が均一に形成されるように励起光源及び発光部が配置されるので、励起光源それぞれから出射された励起光が形成する照射領域は、受光面において均等に形成される。このため、照射領域が密に重なる部分をなくすことができるので、局所的な発熱による発光部の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る発光装置は、上記受光面における照射領域の範囲を調節する両凸レンズを備え、上記励起光源は、上記両凸レンズの一方の焦点位置に配置され、上記発光部は、上記両凸レンズの他方の焦点位置側で、かつ、上記照射領域の長軸の長さが上記受光面の外周上の最も離れた2点間の長さと略一致する位置に配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、両凸レンズを備えているので、励起光源から出射された励起光を適切に受光面に照射させることができる。
また、両凸レンズの2つの焦点位置のうち、一方の焦点位置に励起光源を配置しているので、励起光源から出射された励起光の光強度分布を分散させず、その光強度の大きさを維持したまま(例えばガウシアン分布を維持したまま)、励起光を発光部に照射することができる。このため、1個の励起光源あたりの発光部での発光効率を高めることができる。
そして、2つの焦点位置のうち、他方の焦点位置側で、かつ、上記2つの長さが略一致する位置に発光部を配置しているので、受光面の大きさよりも小さい領域にだけ励起光が照射されたり、発光部以外の領域に励起光が照射されたりすることを防ぐことができる。このため、発光部の励起効率の低下及び励起光の受光面に対する照射効率の低下を防ぐことができる。
また、本発明に係る発光装置は、上記受光面における上記励起光の光強度分布がガウシアン分布よりも分散されていることが好ましい。
上記構成によれば、励起光の光強度分布がガウシアン分布よりも分散されているので、その励起光の最大の光密度はガウシアン分布であるときの最大の光密度に比べて小さい。このため、励起光による受光面での発熱を、励起光源ごとに抑制することができる。それゆえ、発光部全体としての発熱をさらに抑制することができる。
また、本発明に係る発光装置は、上記受光面における照射領域の範囲を調節する両凸レンズを備え、上記励起光源と上記両凸レンズとの距離が当該両凸レンズの焦点距離よりも短くなるように、当該励起光源あるいは両凸レンズが配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、受光面における励起光の光強度分布をガウシアン分布よりも分散させることができる(例えば図15(b)参照)。
また、本発明に係る発光装置は、上記受光面における上記励起光の光強度分布において複数のピークが形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、受光面における励起光の光強度分布において複数のピークが形成されることにより、その光強度分布をガウシアン分布よりも分散させることができる(例えば図19(b)参照)。
また、本発明に係る発光装置は、上記受光面における照射領域の範囲を調節する両凸レンズを備え、上記励起光源と上記両凸レンズとの距離が当該両凸レンズの焦点距離よりも長くなるように、当該励起光源あるいは両凸レンズが配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、受光面における励起光の光強度分布において、ガウシアン分布よりも分散された複数のピークを形成することができる。
また、本発明に係る発光装置は、上記受光面における照射領域の長軸の長さが、上記受光面の外周上の最も離れた2点間の長さと略一致していることが好ましい。
上記構成によれば、上記2つの長さが略一致しているので、受光面の大きさよりも小さい領域にだけ励起光が照射されたり、発光部以外の領域に励起光が照射されたりすることを防ぐことができる。このため、発光部の励起効率の低下及び励起光の受光面に対する照射効率の低下を防ぐことができる。
また、本発明に係る車両用前照灯及び照明装置は、上記に記載の発光装置を含む構成である。このため、上記の発光装置と同様、発光部の劣化及び発光部における発光効率の低下を抑制することが可能な車両用前照灯及び照明装置を実現することができる。
以上のように、本発明に係る発光装置は、励起光を出射する出射層を有する複数の励起光源と、上記励起光源から出射された励起光を受光する受光面を有し、当該受光面において当該励起光を受けて発光する発光部と、を備え上記出射層を含む第1平面と上記受光面を含む第2平面とがなす交線どうしが完全には重ならない構成である。
それゆえ、発光部の劣化及び発光部における発光効率の低下を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るヘッドランプのレーザ素子からレーザ光が出射されたときに受光面に形成される照射領域の様子を示す図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドランプの概略構成を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその断面図である。 レーザ素子の基本構造を説明するための図であり、(a)はレーザ素子の回路図を模式的に示したものであり、(b)はレーザ素子の基本構造を示す斜視図である。 レーザ素子、レンズ及び発光部の位置関係を示す図である。 パラボラミラーの回転放物面を示す概念図であり、 (a)はパラボラミラーの上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 レーザ素子からレーザ光が出射される様子の一例を示す図であり、(a)は、レーザ素子ごとに設けられる基準面と第1平面とがなす交線が、基準面に設けられたx軸に平行となる場合を示したものであり、(b)は、基準面と第1平面とがなす交線が傾きを有する場合を示したものである。 レーザ素子1個から出射されたレーザ光が受光面に形成する照射領域と、その光強度分布とを示す図である。 3個のレーザ素子が配置されたときの基準面における交線の位置の一例、第2平面における交線及び照射領域の位置の一例を示すものであり、(a)は基準面における軸と交線それぞれとのなす角を示すものであり、(b)は第2平面に形成される交線及び照射領域それぞれの位置を示すものである。 本発明の一実施形態に係るヘッドランプの上面図の別例を示すものである。 4個のレーザ素子が配置されたときの基準面における交線の位置の一例、第2平面における交線及び照射領域の位置の一例を示すものであり、(a)は基準面における軸と交線それぞれとのなす角を示すものであり、(b)は第2平面に形成される交線及び照射領域それぞれの位置を示すものである。 両凸レンズの模式図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドランプが備えるレーザ素子、レンズ及び発光部の位置関係の一例を示すものであり、(a)は発光部をレンズの焦点距離よりも短い位置に配置した場合を示すものであり、(b)は発光部をレンズの焦点距離よりも長い位置に配置した場合を示すものである。 本発明の他の実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。 レーザ素子1個から出射されたレーザ光が受光面に形成する照射領域と、その光強度分布とを示す図であり、(a)はレーザ素子が焦点位置に配置されている場合、(b)はレーザ素子が焦点位置からずれている場合を示すものである。 本発明の他の実施形態に係るヘッドランプが備えるレーザ素子、レンズ及び発光部の位置関係の一例を示すものであり、(a)は発光部をレンズの焦点距離よりも短い位置に配置した場合を示すものであり、(b)は発光部をレンズの焦点距離よりも長い位置に配置した場合を示すものである。 本発明の他の実施形態に係るヘッドランプにレーザ素子及びレンズが配置されたときの、第2平面に形成される交線及び照射領域それぞれの位置を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。 レーザ素子1個から出射されたレーザ光が受光面に形成する照射領域と、その光強度分布とを示す図であり、(a)はレーザ素子が焦点位置に配置されている場合、(b)はレーザ素子が焦点位置からずれている場合を示すものである。 レーザ素子1個から出射されたレーザ光が受光面に形成する照射領域と、その光強度分布とを示す図であり、照射領域が受光面以外の領域にも照射される場合を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るヘッドランプにレーザ素子及びレンズが配置されたときの、第2平面に形成される交線及び照射領域それぞれの位置を示す。 ヘッドランプの配設方向を示す概念図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
<ヘッドランプ1の構成>
図2は、本発明の一実施形態に係るヘッドランプ1の概略構成を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその断面図である。図2(b)に示すように、ヘッドランプ1は、レーザ素子(励起光源、半導体レーザ)2、レンズ3、発光部4、パラボラミラー(反射鏡)5、金属ベース(熱伝導性部材、支持部材)7、フィン(冷却部)8を備えている。
(レーザ素子2)
レーザ素子2は、励起光を出射する励起光源として機能する発光素子である。このレーザ素子2は複数設けられており、複数のレーザ素子2のそれぞれから励起光としてのレーザ光が発振される。なお、本実施形態では、レーザ素子2が複数存在する場合には、便宜上、個々のレーザ素子に対して符号2a、2b、2c、…を付す場合がある。
レーザ素子2は、1チップに1つの発光点を有するものであってもよく、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。1チップに複数の発光点を有する場合には、チップ内のレーザ素子2の活性層111の向きは同じ向きであることが好ましい。この活性層111の向き(第1平面31においてレーザ光の光軸Lと垂直な軸方向)については図7を用いて後述する。また、活性層111を含むレーザ素子2の基本構造については図3を用いて後述する。
レーザ素子2のレーザ光の波長は、例えば、405nm(青紫色)または445nm(青色)であるが、これらに限定されず、発光部4に含める蛍光体の種類に応じて適宜選択されればよい。
また、励起光源(発光素子)として、レーザ素子の代わりに、発光ダイオード(LED)を用いることも可能である。
(レーザ素子2の構造)
ここで、レーザ素子2の基本構造について説明する。図3はレーザ素子2の基本構造を説明するための図であり、(a)はレーザ素子2の回路図を模式的に示したものであり、(b)はレーザ素子2の基本構造を示す斜視図である。同図に示すように、レーザ素子2は、カソード電極19、基板18、クラッド層113、活性層111(出射層)、クラッド層112、アノード電極17がこの順に積層された構成である。
基板18は、半導体基板であり、本願のように蛍光体を励起する為の青色〜紫外の励起光を得る為にはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。一般的には、レーザ素子用の基板の他の例として、Si、GeおよびSiC等のIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体、ZnO、Al、SiO、TiO、CrOおよびCeO等の酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が用いられる。
アノード電極17は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
カソード電極19は、基板18の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極17・カソード電極19に順方向バイアスをかけて行う。
活性層111は、クラッド層113及びクラッド層112で挟まれた構造になっている。換言すれば、レーザ素子2は、レーザ光を出射する活性層111を有する構成である。
また、活性層111およびクラッド層の材料としては、青色〜紫外の励起光を得る為にはAlInGaNから成る混晶半導体が用いられる。一般にレーザ素子の活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、PN、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnO等のII−VI属化合物半導体によって構成されていてもよい。
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112及びクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から出射され、励起光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していてもよい。
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ発振のための反射膜(図示せず)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114より励起光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることができる。
クラッド層113・クラッド層112は、n型およびp型それぞれのGaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSb、及びAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、並びに、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体のいずれの半導体によって構成されていてもよく、順方向バイアスをアノード電極17及びカソード電極19に印加することで活性層111に電流を注入できるようになっている。
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
(発光部4の発光原理)
次に、レーザ素子2から発振されたレーザ光による蛍光体の発光原理について説明する。
まず、レーザ素子2から発振されたレーザ光が発光部4に含まれる蛍光体に照射されることにより、蛍光体内に存在する電子が低エネルギー状態から高エネルギー状態(励起状態)に励起される。
その後、この高エネルギー状態の電子は、分子同士の衝突により一部エネルギーが奪われて振動遷移を起こし、最終的に、励起状態から低エネルギー状態(基底状態)に遷移する。
このように、高エネルギー状態に励起されて振動遷移を起こした電子が、低エネルギー状態に遷移することによって蛍光体が発光する。
白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色で構成でき、この原理・関係に基づき、レーザ素子2から発振されたレーザ光の色と蛍光体が発する光の色との組み合わせにより、白色光を発生させることができる。
(レンズ3)
レンズ3は、レーザ素子2から出射したレーザ光が発光部4に適切に照射されるように、当該レーザ光の照射領域34(レーザ光のビームスポット、励起スポット)(図9(b)参照)の範囲を調節(例えば、拡大)するためのレンズであり、レーザ素子2のそれぞれに配設されている。レンズ3は、レーザ素子2から出射されたレーザ光をほぼ平行光(ほぼコリメート光)として出射するものでも、当該レーザ光を集光するものであってもよい。
本実施形態では、主として、レンズ3によりレーザ光がほぼ平行光となって発光部4に照射される場合について説明する。この場合、レンズ3としては、平凸レンズ、両凸レンズ、非球面レンズ等が用いられ、レーザ素子2、レンズ3及び発光部4の位置関係は例えば図4のようになる。
レンズ3の焦点位置Aに、レーザ素子2が配置される。具体的には、焦点位置Aに、レーザ素子2の発光点103(図3参照)と一致するようにレーザ素子2が配置される。図4では、レンズ3の主点におけるレーザ光の幅l1が1.5mm、レーザ光が発光部4の受光面4aに照射されるときのレーザ光の幅l2が2.0mmであり、また、レンズ3と発光部4との距離l3が50mmとなるようにそれぞれ配置される。同図では、距離l3は、レーザ光の幅l1、l2よりも十分に長いので、ほぼ平行光であるとみなすことができる。
なお、レンズ3が両凸レンズであり、その両凸レンズによりレーザ光が発光部4側において集光されてもよい。この場合については、図13を用いて後述する。
(発光部4)
発光部4は、レーザ素子2から出射されたレーザ光を受光する受光面4aを有し、受光面4aにおいてレーザ光を受けて蛍光を発するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体(蛍光物質)を含んでいる。具体的には、発光部4は、封止材の内部に蛍光体が分散されているもの、または蛍光体を固めたものである。発光部4は、レーザ光を蛍光に変換するため、波長変換素子であると言える。
発光部4の形状は、直径2mm、高さ(厚み)0.2mmの円柱構造となっている。発光部4の直径及び高さは、蛍光の利用効率、所定の光量および放射効率を考慮して決定されることが好ましい。本実施形態では、受光面4aにおける照射領域34の長軸が2mm、すなわち受光面4aの直径と同じとなるように、それぞれのレーザ素子2、レンズ3及び発光部4の配置位置が決定されている。具体的には、レンズ3の焦点位置付近にレーザ素子2を配置した後、照射領域34の長軸の長さを受光面4aの直径となるように、発光部4がパラボラミラー5の焦点位置に配置される。換言すれば、照射領域34の長軸の長さが、受光面4aの外周上の最も離れた2点間の長さ(本実施形態では受光面4aの直径)と略一致するように上記の配置位置が決定されている。
この場合、照射領域34の長軸の長さが受光面4aの外周上の最も離れた2点間の長さよりも短い場合には、略一致している場合に比べ照射領域34が小さくなるので、その分、不必要に光密度が高くなってしまい、発光部4での異常な発熱が懸念される。本実施形態では、上記2つの長さが略一致しているので、発光部4が異常に発熱する恐れがない。
一方、照射領域34の長軸の長さが受光面4aの外周上の最も離れた2点間の長さよりも長い場合には、レーザ光が受光面4a以外の不要な領域(例えば金属ベース7)にも照射されるので、その領域に照射される分の励起光を利用して発光部4に含まれる蛍光体を励起させることができない。本実施形態では、上記2つの長さが略一致しているので、発光部4の発光に無駄なくレーザ光を利用することができ、レーザ光の受光面4aに対する照射効率の低下を防ぐことができる。
つまり、本実施形態では、照射領域34の長軸の長さが受光面4aの直径(2mm)となるようにレーザ素子2等の配置が決定されているが、発光部4の励起効率の低下及びレーザ光の受光面4aに対する照射効率の低下を防ぐことができるように、その配置が決定されていればよい。すなわち、その励起効率及び照射効率の低下を防ぐことが可能であれば、照射領域34の長軸の長さが、受光面4aの直径と同じでなく、例えばその直径よりも若干短くなるようにレーザ素子2等が配置されてもよい。すなわち、その励起効率及び照射効率の低下を防ぐことが可能な程度に、上記2つの長さが「略一致」していればよい。さらに換言すれば、照射領域34の長軸の長さが、受光面4aの外周上の最も離れた2点間の長さと一致する必要はなく、照射領域34が全て含まれるように発光部4のサイズが決められておればよく、照射領域34の長軸の長さが、受光面4aの外周上の最も離れた2点間の長さ以下であればよい。
また、パラボラミラー5からの光の放射角が所望の角度となるように照射領域34が決定され、その照射領域34が全て含まれるように発光部4のサイズが決められる。
この発光部4は、金属ベース7の上かつパラボラミラー5のほぼ焦点位置に配置されている。換言すれば、発光部4の中心はパラボラミラー5の焦点位置とほぼ一致している。そのため、発光部4から出射した蛍光は、パラボラミラー5の反射曲面に反射することで、その光路が制御される。発光部4の上面にレーザ光の反射を防止する反射防止構造が形成されていてもよい。
発光部4の蛍光体として、例えば、酸窒化物系蛍光体(例えば、サイアロン蛍光体)またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。これらの蛍光体は、レーザ素子2から発せられた高い出力(および/または光密度)のレーザ光に対しての熱耐性が高く、レーザ照明光源に最適である。ただし、発光部4の蛍光体は、上述のものに限定されず、窒化物蛍光体など、その他の蛍光体であってもよい。
また、ヘッドランプの照明光は、所定の範囲の色度を有する白色にしなければならないことが、法律により規定されている。そのため、発光部4には、照明光が白色となるように選択された蛍光体が含まれている。
例えば、青色、緑色および赤色の蛍光体を発光部4に含め、405nmのレーザ光を照射すると白色光が発生する。または、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を発光部4に含め、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍のレーザ光)を照射することでも白色光が得られる。
発光部4の封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス)、シリコーン樹脂等の樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。
(パラボラミラー5)
パラボラミラー5は、発光部4が発生させた蛍光を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成する。このパラボラミラー5は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。
図5は、パラボラミラー5の回転放物面を示す概念図であり、図6(a)はパラボラミラー5の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。図6(a)〜(c)は、図面をわかりやすく例示するよう直方体の部材の内部をくり抜くことでパラボラミラー5を形成した例を示している。
図5に示すように、パラボラミラー5は、放物線の対称軸を回転軸として当該放物線を回転させることによって形成される曲面(放物曲面)を、上記回転軸を含む平面で切断することによって得られる部分曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいる。図6(a)および(c)において、符号5aで示す曲線が放物曲面を示している。また、図6(b)に示すように、パラボラミラー5を正面から見た場合、その開口部5b(照明光の出口)は半円である。
このような形状のパラボラミラー5が、発光部4の、側面よりも面積の広い上面の上方にその一部が配置されている。すなわち、パラボラミラー5は、発光部4の上面を覆う位置に配置されている。別の観点から説明すれば、発光部4の側面の一部は、パラボラミラー5の開口部5bの方向を向いている。
発光部4とパラボラミラー5との位置関係を上述のものにすることで、発光部4の蛍光を狭い立体角内に効率的に投光することができ、その結果、蛍光の利用効率を高めることができる。
また、レーザ素子2は、パラボラミラー5の外部に配置されており、パラボラミラー5には、レーザ光を透過または通過させる窓部6が形成されている。この窓部6は、開口部であってもよいし、レーザ光を透過可能な透明部材を含むものであってもよい。例えば、レーザ光を透過し、白色光(発光部4の蛍光)を反射するフィルターを設けた透明板を窓部6として設けてもよい。この構成では、発光部4の蛍光が窓部6から漏れることを防止できる。
窓部6は、複数のレーザ素子2に共通のものが1つ設けられていてもよいし、各レーザ素子2に対応した複数の窓部6が設けられていてもよい。
なお、パラボラミラー5の一部にパラボラではない部分を含めてもよい。また、本発明の発光装置が有する反射鏡は、閉じた円形の開口部を有するパラボラミラーまたはその一部を含むものであってもよい。また、上記反射鏡は、パラボラミラーに限定されず、楕円面ミラーや半球面ミラーであってもよい。すなわち、上記反射鏡は、回転軸を中心として図形(楕円、円、放物線)を回転させることによって形成される曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいるものであればよい。
(金属ベース7)
金属ベース7は、発光部4を支持する板状の支持部材であり、金属(例えば、銅や鉄)からなっている。それゆえ、金属ベース7は熱伝導性が高く、発光部4の発熱を効率的に放熱することができる。なお、発光部4を支持する部材は、金属からなるものに限定されず、金属以外の熱伝導性が高い物質(ガラス、サファイアなど)を含む部材でもよい。ただし、発光部4と当接する金属ベース7の表面は反射面として機能することが好ましい。上記表面が反射面であることにより、発光部4の上面から入射したレーザ光が蛍光に変換された後に、当該反射面で反射させてパラボラミラー5へ向かわせることができる。または、発光部4の上面から入射したレーザ光を上記反射面で反射させて、再度発光部4の内部に向かわせて蛍光に変換することができる。
金属ベース7は、パラボラミラー5によって覆われているため、金属ベース7は、パラボラミラー5の反射曲面(放物曲面)と対向する面を有していると言える。金属ベース7の発光部4が設けられている側の表面は、パラボラミラー5の回転放物面の回転軸と概ね平行であり、当該回転軸を概ね含んでいることが好ましい。
(フィン8)
フィン8は、金属ベース7を冷却する冷却部(放熱機構)として機能する。このフィン8は、複数の放熱板を有するものであり、大気との接触面積を増加させることにより放熱効率を高めている。金属ベース7を冷却する冷却部は、冷却(放熱)機能を有するものであればよく、ヒートパイプ、水冷方式や、空冷方式のものであってもよい。
<受光面4aにおけるレーザ光の照射位置>
次に、本実施形態に係る発光部4の受光面4aにおけるレーザ光の照射位置について、図1、図2(a)、図7〜図9に基づいて説明する。
(交線33が形成する交点35について)
まず、図1は、レーザ素子2a及び2bからレーザ光が出射されたときに受光面4aに形成される照射領域34a及び34bの様子を示す図である。図1では、説明を簡略化するために、レーザ素子2a及び2bの2つが配置されている場合を例として説明するが、3個以上のレーザ素子2が配置されている場合についても同様に説明することができる。また、図1では、レーザ素子2a及び2bの構成として、同図の説明に必要な活性層111のみを示している。
また、レーザ素子2a、2b、…が備える活性層111を含む第1平面に対して、それぞれ符号31a、31b、…を付すものとする。また、第1平面31a、31b、…と、受光面4aを含む第2平面32とがなす交線に対して、それぞれ符号33a、33b、…を付すものとする。また、レーザ素子2a、2b、…から出射されるレーザ光が受光面4aに形成する照射領域に対して、それぞれ符号34a、34b、…を付すものとする。なお、第1平面、照射領域及び交線が複数存在することを区別しない場合には、それぞれに対して符号31、33及び34を付すものとする。
図1では、レーザ素子2a及び2bがそれぞれ活性層111を含み、それぞれの活性層111を含む第1平面31a及び31bと、受光面4aを含む第2平面32とが交線33a及び33bを形成している。レーザ素子2a及び2bと、受光面4aとは、レーザ素子2a及び2bそれぞれの活性層111から出射されたレーザ光が受光面4aに照射されるように、すなわち活性層111の発光点103が受光面4aを向くように配置されている。その配置により、第1平面31と第2平面32とがなす交線33を、レーザ素子2ごとに形成することができる。
なお、活性層111には実際厚みがあるが5nmと非常に薄いため、その厚みがないものとして、すなわち第1平面31が活性層111を含むものとして説明する。活性層111の厚みを考慮すれば、表側へき開面114(出射面)と垂直で、かつ、活性層111の一部を含む(その一部を通る)平面を、第1平面31とすればよい。
ここで、上記のように、発光点103が受光面4aを向くように配置されているので、その受光面4aにはレーザ素子2から出射されたレーザ光の照射領域34が形成される。この場合、レーザ素子2a及び2bが形成する交線33どうしが完全に重なっているという状況は、個々のレーザ素子2から出射されたレーザ光の照射領域34が重なる部分が大きくなっていることを意味する。そして、その部分では発熱量が大きくなってしまうので、発光部4を劣化させてしまう可能性がある。
本実施形態では、図1に示すように、第1平面31a及び31b(第1平面31それぞれ)と第2平面32とがなす交線33a及び33bが、1つの交点35のみで重なっている。換言すれば、複数の交線33から選択される2つの交線33どうしが、0°よりも大きく180°よりも小さい角度で交差しており、交線33どうしが完全には重なっていない。交点35以外の箇所において交線33a及び33bが重なることがないので、照射領域34a及び34bの重なり部分を小さくすることができる。このため、レーザ光が発光部4(受光面4a)の一箇所に局所的に照射されることを防ぐことができ、発光部4での急激な発熱を抑制することができる。それゆえ、その発熱による発光部4の劣化を抑制することができるので、発光部4の長寿命化を図ることができる。また、その発熱による発光部4の発光効率の低下を抑制することができるので、高出力の励起光源を利用したヘッドランプ1においても、そのヘッドランプ1で要求される所望の光量を有する照明光の出射を実現することができる。
ここで、複数の第1平面31と第2平面32とがなす交線33がそれぞれ平行となるようにレーザ素子2を配置することも考えられるが、この場合、発光部4の発光効率が低下してしまう可能性がある。その理由は以下のとおりである。
本実施形態の受光面4aは円形状となっている。例えばその直径と照射領域34の長軸とを略一致させた場合には、直径ではない位置にレーザ光が照射されると、受光面4a以外の部分にレーザ光が照射されることになるので、当該部分に照射されるレーザ光を蛍光の変換に利用することができない。
一方、受光面4aを矩形(発光部4を直方体)とした場合には、円形状の場合とは異なり、各レーザ光の所定の長軸を有する照射領域34のすべてが受光面4a内に収まるように、各レーザ光を照射することができる。しかし、本実施形態では、パラボラミラー5に効率よく蛍光を照射するために、受光面4aを直径2mmの円形状としている。このため、円形状の場合に蛍光の変換に利用できず、矩形の場合にその変換に利用できる部分については、蛍光を発生させたとしても、パラボラミラー5に対してその蛍光を適切に照射することができない可能性がある。つまり、ヘッドランプ1が出射すべき所定の範囲内に出射されない蛍光を発生させることになるため、蛍光の利用効率を低下させてしまう可能性がある。
このため、受光面4aの形状を考慮すれば、交線33どうしが平行になるようにレーザ素子2を配置することは好ましくないといえる。
(レーザ素子2の向きについて)
ここで、レーザ素子2の向きについて図7を用いて説明する。図7は、レーザ素子2からレーザ光が出射される様子の一例を示す図であり、(a)は、レーザ素子2ごとに設けられる基準面36と第1平面31とがなす交線37が、基準面36に設けられたx軸に平行となる場合を示したものであり、(b)は、基準面36と第1平面31とがなす交線37が傾きを有する場合を示したものである。上記x軸は、受光面4aに対して並行な軸であり、交線37のx軸に対する傾きは、交線37の受光面4aに対する傾きと等しい。
レーザ素子2は、図3を用いて説明したように複数の層からなり、その層のうち活性層111が発光することにより、レーザ光を出射する。このため、レーザ素子2の配置位置が決まっても、その位置でレーザ素子2が光軸Lを中心に回転してしまうと、第1平面31もその回転に従い回転することになる。例えば、図7(a)では、レーザ素子2の表側へき開面114(出射面)と平行な基準面36を設けた場合に、活性層111を含む第1平面31と基準面36とがなす交線37の、基準面36における傾きは0(x軸と平行)である。一方、図7(b)では、レーザ素子2が、図7(a)の状態から光軸Lを中心に回転することにより、基準面36における交線37の傾きが−1となっている。つまり、レーザ素子2の回転により、受光面4aに形成される交線33の向き(照射領域34の向き)が変わってしまうことになる。
このため、複数のレーザ素子2を異なる位置に配置したとしても、その活性層111の向きにばらつきがあると、そのばらつきによっては、交線33どうしが完全に重なってしまうことになる。この場合、照射領域34どうしも重なる部分が大きくなるため、発光部4としての発熱量が大きくなってしまう。
したがって、交線33が第2平面32にて完全に重ならず交点35を形成するように、活性層111それぞれの向きを考慮してレーザ素子2それぞれの配置を決定する必要がある。本実施形態では、受光面4aの上から見たときに、受光面4aの中心とレーザ素子2それぞれの配置される位置とのなす角が等しくなるようにレーザ素子2を配置した上で、基準面36における交線37それぞれの傾き(それぞれの活性層111の向き)が、交線33どうしが完全に重ならず交点35を形成するように調整されている。これに限らず、基準面36における交線37それぞれの傾きを一定とした上で、各レーザ素子2の配置位置を調整することにより、交線33どうしが完全に重ならず交点35を形成するようにしてもよい。
(交線33の位置関係)
次に、受光面4aに形成される交線33(照射領域34)それぞれの位置関係について、図2、図8及び図9を用いて説明する。図8は、レーザ素子1個から出射されたレーザ光が受光面4aに形成する照射領域34と、その光強度分布とを示す図である。また、図9は、図2に示すように3個のレーザ素子2a〜2cが配置されたときの交線37、交線33及び照射領域34の位置の一例を示すものであり、(a)は軸aと交線37それぞれとのなす角を示すものであり、(b)は第2平面32に形成される交線33及び照射領域34それぞれの位置を示すものである。
本実施形態では、レンズ3の焦点位置にレーザ素子2が配置されるので、図8に示すように、受光面4aに形成される照射領域34は矩形で、かつ、照射領域34におけるレーザ光の光強度がy軸方向に対してガウシアン分布(鋭いピークを有する光強度分布)となる。図8では、照射領域34の面積は2×0.5mmである。
図2(a)のレーザ素子2a〜2c内の矢印は、第2平面32におけるレーザ素子2a〜2cそれぞれの活性層111の投影像であり、基準面36における交線37それぞれの傾きを示している。このようにレーザ素子2a〜2cが配置された場合、図9(a)に示すように、レーザ素子2a〜2cそれぞれが形成する基準面36を重ね合わせたときの交線37のそれぞれは、任意の軸aからそれぞれθ1、θ2及びθ3(θ1≠θ2≠θ3)の位置に形成されている。
このため、受光面4aにおける照射領域34a、34b及び34cの位置関係は、図9(b)に示すようになる。つまり、レーザ素子2a〜2cそれぞれが形成する第1平面31と、受光面4aを含む第2平面32とがなす交線33a、33b及び33cは、任意の軸aからそれぞれθ1、θ2及びθ3(θ1≠θ2≠θ3)の位置に、すなわち隣接する交線33どうしのなす角が0°あるいは180°(π)でない角度となるように形成される。
つまり、図2(a)に示すようにレーザ素子2a〜2cを配置することにより、図9(b)に示すように、交線33a〜33cが交点35で重なるが、その他の箇所では重ならないようにすることができる。つまり、レーザ素子2a〜2cそれぞれから出射されたレーザ光が形成する照射領域34a〜34cを、交点35付近以外の箇所において重ならないようにすることができ、局所的にレーザ光が照射されることによる発熱を回避することができる。
なお、図2(a)及び(b)では、レーザ素子2が3個の場合について説明したが、交線33どうしが完全に重ならず交点35を形成するようにレーザ素子2の配置あるいは活性層111の向き(交線37の傾き)が調整されるのであれば、レーザ素子2の個数は、2個であっても、以下の別例のように4個であっても、あるいはそれ以上の個数であってもよい。
また、本実施形態では、交線33どうしが形成する交点35が受光面4aの略中心になるように、レーザ素子2、レンズ3及び発光部4が配置されているが、これに限らず、交線33どうしが完全に重なることがないように配置されていればよい。
(交線33の位置関係の別例)
次に、受光面4aに形成される交線33(照射領域34)それぞれの位置関係の別例について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、ヘッドランプ1の上面図の別例を示すものである。また、図11は、図10に示すように4個のレーザ素子2a〜2dが配置されたときの交線37、交線33及び照射領域34の位置の一例を示すものであり、(a)は軸aと交線37それぞれとのなす角を示すものであり、(b)は第2平面32に形成される交線33及び照射領域34それぞれの位置を示すものである。
図10のようにレーザ素子2a〜2dが配置され、それぞれの活性層111の向きが調整されている場合、図11(a)に示すように、レーザ素子2a〜2dそれぞれが形成する基準面36を重ね合わせたときの交線37のそれぞれは、任意の軸aからそれぞれ0(軸aとレーザ素子2aの交線37とが同一軸)、θ2、θ3及びθ4(0≠θ2≠θ3≠θ4)の位置に形成されている。また、それぞれの交線37どうしがなす角が等しくなるように、その活性層111の向きが調整されている。図11(a)では、交線37どうしのなす角すべてがθ2となっている。
このため、受光面4aにおける照射領域34a〜34dの位置関係は、図11(b)に示すようになる。つまり、レーザ素子2a〜2dそれぞれが形成する第1平面31と、受光面4aを含む第2平面32とがなす交線33a〜33dのうち、隣接する交線33どうしのなす角θが、
θ(図11(a)のθ2)=180°/レーザ素子2の個数
を満たすように、活性層111の向きを考慮してレーザ素子2a〜2dが配置されている。図11(b)では、交線33どうしのなす角θ2=45°となっている。
上述した図2(a)のようにレーザ素子2を配置した場合、図9(b)に示すように、隣接する交線33どうしのなす角が一定でないので、受光面4aにおいて照射領域34が密に重なる領域41と、疎に重なる領域42とが形成される。この場合、領域41では、発光部4の他の領域に比べ、発熱量が大きくなるのでその分劣化し易い。
図10のようにレーザ素子2を配置し、交線37(すなわち交線33)どうしのなす角を一定にすることにより、図11(b)に示すように、受光面4aにおいて照射領域34それぞれが均一に(交点35に対して点対称に)形成されることになる。このため、照射領域34が密に重なる部分をなくすことができるので、受光面4aでの光強度の偏りを抑制し、局所的な発熱による発光部4の劣化を抑制することができる。つまり、図10の場合には、図2(a)のように交線33どうしのなす角を考慮しない場合に比べ、発光部4の劣化を抑制することができる。
<発光部4の配置位置>
上述の図4では、レーザ素子2がレンズ3の焦点位置Aに配置された場合には、レンズ3を透過したレーザ光がほぼ平行光として直進することを説明した。しかし、レンズ3の両凸レンズの場合には、レンズ3を透過したレーザ光が集光することもある。ここでは、レンズ3の両凸レンズで、かつ、レンズ3を透過したレーザ光が集光する場合の発光部4の配置位置の決定方法について、図12及び図13を用いて説明する。
図12は、両凸レンズの模式図である。図13は、レーザ素子2、レンズ3及び発光部4の位置関係の一例を示すものであり、(a)は発光部4をレンズ3の焦点距離よりも短い位置に配置した場合を示すものであり、(b)は発光部4をレンズ3の焦点距離よりも長い位置に配置した場合を示すものである。
図12の両凸レンズは、レンズ3として用いられるものであり、透過した光を両凸レンズの焦点位置に集光させるものである。この両凸レンズは、直径(Φ)1.5mm、レーザ素子2側となる凸レンズの曲率半径(RLD)が1.4mm、発光部4側となる凸レンズの曲率半径(RPH)が1.0mm、その厚みTが1.6mm、屈折率が1.7である。
図13(a)及び(b)に示すように、レーザ素子2がこの両凸レンズ(レンズ3)の一方の焦点位置Aに配置されると、光強度分布がガウシアン分布(ガウシアン形状)のレーザ光は、レンズ3を透過しても、その光強度分布を分散させずガウシアン分布を維持したまま発光部4に照射される。この場合、受光面4aには光強度の高いレーザ光が照射されるので、個々のレーザ素子2による発光部4での発光効率を高めることができる。
しかし、他方の焦点位置である焦点位置Bに発光部4を配置した場合には、照射領域34の長軸の長さS2が受光面4aの直径S1よりも短くなってしまうので、その分発光効率が低下してしまう。
そこで、受光面4aの直径S1と照射領域34の長軸の長さS2とを略一致させるために、図13(a)ではレンズ3の主点と焦点位置Bとの間に発光部4を配置し、図13(b)ではレンズ3から見て焦点位置Bよりも遠い側に発光部4を配置している。換言すれば、発光部4は、レンズ3の他方の焦点位置B側で、かつ、照射領域34の長軸の長さが受光面4aの外周上の最も離れた2点間の長さと略一致する位置に配置されている。このため、上述したように、発光部4の励起効率及びレーザ光の受光面4aに対する照射効率の低下を防ぐことができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について図14〜図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、個々のレーザ素子2がレンズ3の焦点位置に配置されていないヘッドランプ1aについて説明する。
まず、図14に示すヘッドランプ1aは、活性層111それぞれの向き(活性層111の矢印方向)と、レーザ素子2a〜2c及びレンズ3の相対的位置とが、図2に示すヘッドランプ1と異なっている。また、ヘッドランプ1aでは、図12に示す両凸レンズがレンズ3として用いられている。
なお、実施形態1と同様、交線33どうしが完全に重なることがないように、活性層111それぞれの向きを考慮してレーザ素子2a〜2cが配置されている。また、発光部4の励起効率の低下及びレーザ光の受光面4aに対する照射効率の低下を防ぐために、照射領域34の長軸の長さを受光面4aの直径(2mm)と一致するようにレーザ素子2、レンズ3及び発光部4が配置されている。
ここで、レーザ素子2及びレンズ3の相対的位置と、レーザ光の照射領域34との関係について、図15を用いて説明する。図15は、レーザ素子1個から出射されたレーザ光が受光面4aに形成する照射領域34と、その光強度分布とを示す図であり、(a)はレーザ素子2が焦点位置に配置されている場合、(b)はレーザ素子2が焦点位置からずれている場合を示すものである。
レーザ素子2がレンズ3の焦点位置に配置されている場合には、図15(a)のように、実施形態1と同様、受光面4aには矩形の照射領域34が形成され、受光面4aにおけるレーザ光の光強度分布はガウシアン分布となる。なお、本実施形態における照射領域34の大きさは2×1.75mmと、実施形態1の大きさよりも若干大きくなるようにレーザ素子2等が配置されている。
一方、図14に示すように、レーザ素子2とレンズ3との距離dが焦点距離よりも短くなるようにこれらの部材が配置され、かつ、レンズ3として両凸レンズが用いられている場合には、図15(b)のように、照射領域34が上記の矩形よりも面積の大きい形状(例えば楕円形状)となる。つまり、このような配置とすることにより、受光面4aにおけるレーザ光の光強度分布をガウシアン分布よりも分散させることができる(ガウシアン分布を崩すことができる)。そして、受光面4aにおけるレーザ光の光強度分布はガウシアン分布よりも分散されることにより、個々のレーザ素子2から出射されたレーザ光が形成する照射領域34における発熱を抑制することができる。
図14では、レーザ素子2とレンズ3との距離dは、d=焦点距離−0.4mmである。すなわち、レーザ素子2とレンズ3とは、焦点距離よりも0.4mmだけ短くなるように配置されている。このような距離dとなるようにレーザ素子2及びレンズ3を配置する場合、レンズ3の焦点位置にレーザ素子2を配置した後(ジャストフォーカス位置に配置した後)、レンズ3をレーザ素子2側に動かして配置しても、レーザ素子2をレンズ3側に動かして配置してもよい。図16(a)には、レンズ3をレーザ素子2側に動かすことによって、ガウシアン分布のレーザ光が、発光部4においてガウシアン分布よりも分散されたレーザ光となる様子が示されている。
なお、レーザ素子2とレンズ3との距離dを焦点距離よりも短くしすぎると、照射領域34の面積が大きくなりすぎて、金属ベース7等の不要な部材にレーザ光が照射されてしまうことになり、レーザ光の利用効率が低下してしまう。このため、この点を考慮すれば、図16(a)に示すジャストフォーカス位置から2mm以上レンズ3を動かさない(又は2mm以上ジャストフォーカス位置にレーザ素子2に近づけない)ようにすることが好ましい。
図17は、本実施形態のようにレーザ素子2及びレンズ3が配置されたときの、第2平面32に形成される交線33及び照射領域34それぞれの位置を示す図である。照射領域34a〜34cは矩形ではなく、それよりも広い面積を有する楕円形状となっているが、実施形態1の図9(b)又は図11(b)と同様、交線33a〜33cは交点35を形成している。このため、本実施形態においても、照射領域34a〜34cが交点35付近で重なるが、その他の箇所では重ならないようにすることができる。
また、本実施形態の場合には、発光部4におけるレーザ光の光強度分布がガウシアン分布よりも分散されているので、個々の照射領域34の発熱量を抑制することができる。したがって、本実施形態では、個々の照射領域34における発熱量の低減と、複数の照射領域34が重ならないように形成されることによる発熱量の低減とを図ることができるので、実施形態1の場合に比べ、発光部4全体の発熱量をさらに低減させることができる。
なお、本実施形態では、受光面4aにおけるレーザ光の光強度分布をガウシアン分布よりも分散させることが可能であれば、図12に示す両凸レンズに限らず、他形状の両凸レンズ(例えば両凸面の曲率半径が一致しているレンズ)をレンズ3として用いてもよい。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について図16及び図18〜図21に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1または2と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、個々のレーザ素子2がレンズ3の焦点位置に配置されていないヘッドランプ1bについて説明する。
まず、図18に示すヘッドランプ1bは、レーザ素子2a〜2c及びレンズ3の相対的位置が、図14に示すヘッドランプ1aと異なり、レンズ3の焦点距離よりもレーザ素子2及びレンズ3の距離dが長くなっている。なお、それ以外の構成については、実施形態2と同様である。
ここで、レーザ素子2及びレンズ3の相対的位置と、レーザ光の照射領域34との関係について、図19を用いて説明する。図19は、レーザ素子1個から出射されたレーザ光が受光面4aに形成する照射領域34と、その光強度分布とを示す図であり、(a)はレーザ素子2が焦点位置に配置されている場合、(b)はレーザ素子2が焦点位置からずれている場合を示すものである。なお、図19(a)は図15(a)と同じであるため、その説明は省略する。
図18に示すように、レーザ素子2とレンズ3との距離dが焦点距離よりも長くなるようにこれらの部材が配置されている場合には、図19(b)のように、照射領域34が図19(a)に示す矩形の照射領域34の面積よりも大きく、図15(b)とは異なる形状となる。
具体的には、図19(b)では、受光面4aにおけるレーザ光の光強度分布をガウシアン分布よりも分散されており、かつ、その光強度分布において光強度の大きい部分38が2箇所、照射領域34の周辺部に存在している。この場合、ガウシアン分布よりも分散されているので、個々のレーザ素子2から出射されたレーザ光が形成する照射領域34における発熱を抑制することができる。
換言すれば、ヘッドランプ1bでは、光強度の大きい部分38が照射領域34の異なる位置に存在するようなレーザ光の照射を実現するために、レンズ3として両凸レンズが用いられ、かつ、レーザ素子2とレンズ3との距離dがレンズ3の焦点距離よりも長くなるようにこれらの部材が配置されている。
なお、本実施形態では、光強度の大きい部分38が2箇所、照射領域34の周辺部に形成される場合について説明するが、これに限らず、光強度の大きい部分38が複数存在していてもよい。換言すれば、受光面4aにおけるレーザ光の光強度分布において複数のピーク(光強度の大きい部分38)が形成されていればよい。例えばレンズ3の形状やレーザ素子2及びレンズ3の相対的位置等を変更することにより実現される。
また、レーザ素子2及びレンズ3の距離dが焦点距離よりも長くしすぎると、図20に示すような光強度分布となってしまい、金属ベース7等の不要な部材にレーザ光が照射されてしまうことになり、レーザ光の利用効率が低下してしまう。このため、この点を考慮すれば、図16(b)に示すジャストフォーカス位置から2mm以上レンズ3を動かさない(又は2mm以上ジャストフォーカス位置からレーザ素子2に遠ざけない)ようにすることが好ましい。
図18では、レーザ素子2とレンズ3との距離dは、d=焦点距離+0.2mmである。すなわち、レーザ素子2とレンズ3とは、焦点距離よりも0.2mmだけ長くなるように配置されている。実施形態2と同様、このような距離となるようにレーザ素子2及びレンズ3を配置する場合、レーザ素子2をジャストフォーカス位置に配置した後、レンズ3を発光部4側に動かして配置しても、レーザ素子2をレンズ3から遠ざけるように動かして配置してもよい。図16(b)には、レンズ3を発光部4側に動かすことによって、ガウシアン分布のレーザ光が、発光部4においてガウシアン分布よりも分散され、かつ、その光強度分布において光強度の大きい部分38が2箇所存在するレーザ光となる様子が示されている。
図21は、本実施形態のようにレーザ素子2及びレンズ3が配置されたときの、第2平面32に形成される交線33及び照射領域34それぞれの位置を示す図である。照射領域34a〜34cは矩形ではなく、それよりも広い面積を有する形状となっているが、実施形態1の図9(b)、図11(b)又は図17と同様、交線33a〜33cは交点35を形成している。このため、照射領域34a〜34cが交点35付近で重なるが、その他の箇所では重ならないようにすることができる。
また、実施形態1及び2とは異なり、受光面4aにおけるレーザ光の光強度分布において複数の光強度の大きい部分38が形成されるので、図21に示すように、交線33が1つの交点35のみで重なっていたとしても、その部分が交点35付近で一点に重なることはない。このため、光強度の大きい部分38が複数の位置で重なることになるので、実施形態1及び2の場合に比べ、発光部4全体の発熱量をさらに低減させることができる。
〔その他〕
以下、ヘッドランプ1、1a及び1bの適用例などについて説明する。
<ヘッドランプ1の配設方法>
図22は、ヘッドランプ1、1a及び1bを自動車(車両)10の前照灯に適用した場合の、ヘッドランプ1の配設方向を示す概念図である。図22に示すように、ヘッドランプ1は、パラボラミラー5が鉛直下側に位置するように自動車10のヘッドに配設されてもよい。この配設方法では、上述のパラボラミラー5の投光特性により、自動車10の正面が十分に明るく照らされるとともに、自動車10の前方下側も明るくなる。
なお、ヘッドランプ1、1a及び1bを自動車用の走行用前照灯(ハイビーム)に適用してもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)に適用してもよい。
<本発明の適用例>
本発明の発光装置は、車両用前照灯のみならず、その他の照明装置に適用されてもよい。本発明の照明装置の一例として、ダウンライトを挙げることができる。ダウンライトは、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置である。その他にも、本発明の照明装置は、車両以外の移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、サーチライト、プロジェクタ、ダウンライト以外の室内照明器具(スタンドランプなど)として実現されてもよい。
<本発明の別の表現>
本発明は、以下のようにも表現できる。
すなわち、本発明に係る発光装置は、蛍光体を励起するため2個以上のレーザと、レーザを発光体表面に集光するレンズを備え、それぞれレーザの設置角度の差が0とπにならない構成である。
また、本発明に係る発光装置は、隣接するレーザがθstep=180°/レーザ個数の角度をなす構成である。
また、本発明に係る発光装置は、発光体上面でのビームスポットの長軸が、発光体サイズと一致する構成である。
また、本発明に係る発光装置は、レンズの焦点位置にLDを設置した状態で、発光体サイズとビームスポットの長軸とが一致するように、発光体位置を決定する構成である。
また、本発明に係る発光装置は、発光体上面でのLDの光強度分布が、ガウシアン分布とならない構成である。
また、本発明に係る発光装置は、焦点が合った状態から、レンズをLD側へずらす構成である。
また、本発明に係る発光装置は、焦点が合った状態から、LDをレンズ側へずらす構成である。
また、本発明に係る発光装置は、発光体上面でのLDの光強度において、ピークがビームスポット周辺側で得られる構成である。
また、本発明に係る発光装置は、焦点が合った状態から、レンズをLDと反対側へずらす構成である。
また、本発明に係る発光装置は、焦点が合った状態から、LDをレンズ反対側へずらす構成である。
本発明は上述した実施形態および各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、発光装置や、その発光装置を備える照明装置、特に車両用等のヘッドランプに適用することができ、発光装置が備える発光部の劣化及び発光部における発光効率の低下を抑制することができる。
1、1a、1b ヘッドランプ(発光装置、車両用前照灯、照明装置)
2 レーザ素子(励起光源)
3 レンズ(両凸レンズ)
4 発光部
4a 受光面
31 第1平面
32 第2平面
33 交線
34 照射領域
38 光強度の大きい部分(ピーク)
111 活性層(出射層)
d レーザ素子とレンズとの距離(励起光源と両凸レンズとの距離)
A 一方の焦点位置
B 他方の焦点位置
S1 受光面の直径(受光面の外周上の最も離れた2点間の長さ)
S2 照射領域の長軸の長さ

Claims (7)

  1. 励起光としてのレーザ光を出射する出射層を有する複数の励起光源と、
    上記励起光源から出射された励起光を受光する受光面を有し、当該受光面において励起光を受けて発光する発光部と、を備え、
    上記出射層を含む第1平面それぞれと上記受光面を含む第2平面とがなす交線どうしが完全には重ならず、
    上記受光面における1つの上記レーザ光の光強度分布において複数のピークが形成され、
    上記複数の励起光源から出射された上記レーザ光が上記受光面において形成する照射領域のそれぞれは、他の照射領域と重ならない領域を有していることを特徴とする発光装置。
  2. 励起光としてのレーザ光を出射する出射層を有する複数の励起光源と、
    上記励起光源から出射された励起光を受光する受光面を有し、当該受光面において励起光を受けて発光する発光部と、を備え、
    上記出射層を含む第1平面それぞれと上記受光面を含む第2平面とがなす交線のうちから選択される2つの交線どうしが、0°よりも大きく180°よりも小さい角度で交差しており、
    上記受光面における1つの上記レーザ光の光強度分布において複数のピークが形成され、
    上記複数の励起光源から出射された上記レーザ光が上記受光面において形成する照射領域のそれぞれは、他の照射領域と重ならない領域を有していることを特徴とする発光装置。
  3. 隣接する2つの励起光源が形成する交線どうしのなす角をθとしたとき、
    θ=180°/上記励起光源の個数
    を満たすように、上記励起光源が配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 上記受光面における上記励起光の光強度分布がガウシアン分布よりも分散されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 上記受光面における照射領域の範囲を調節する両凸レンズを備え、
    上記励起光源と上記両凸レンズとの距離が当該両凸レンズの焦点距離よりも長くなるように、当該励起光源あるいは両凸レンズが配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置を含むことを特徴とする車両用前照灯。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の発光装置を含むことを特徴とする照明装置。
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