JP5674279B2 - 人工皮革およびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、天然皮革調の優雅で立体感のあるヌバック調外観と耐表面摩耗性能に優れた皮革様シートが提案されている。
(1)極細繊維束形成性長繊維からなる長繊維ウエブを製造する工程、
(2)前記長繊維ウエブに絡合処理を施し、絡合ウエブを製造する工程、
(3)前記絡合ウエブ中の極細繊維束形成性長繊維を繊維束に変換し、絡合不織布を製造する工程、
(4)前記絡合不織布の表面に存在する繊維束から極細長繊維を起毛し、かつ起毛した前記極細長繊維を整毛する工程、
(5)起毛及び整毛した絡合不織布にさらに高分子弾性体を付与する工程、
(6)乾燥処理を行なって、付与した前記高分子弾性体を表面側にマイグレーションさせ、基体層と、前記高分子弾性体と前記基体層から伸びる極細長繊維とからなる表面層とを形成すると共に、前記表面層と前記基体層との間に、前記高分子弾性体が存在しない領域を形成する工程と含み、
前記高分子弾性体が存在しない領域が前記極細長繊維により少なくとも部分的に仕切られた空隙となっており、前記空隙の厚さ方向の平均長さが10〜200μmとなっている人工皮革の製造方法である。
本発明の人工皮革は、図1に示すように、高分子弾性体16と極細長繊維20を複数本含む繊維束18とからなる基体層14と、この基体層14の少なくとも一方の面側に形成されてなり、高分子弾性体16と基体層14から伸びる極細長繊維20とからなる表面層10とを有し、表面層10と基体層14との間に、高分子弾性体16が存在しない領域12を有する構成となっている。
なお、図1及び図2は理解を容易にするため誇張して表現しており本発明はこの態様に限定されるものではない。
なお、空隙の平均厚さは、例えば、高分子弾性体が存在しない領域の断面(1000μm×800μm)を走査型電子顕微鏡により観察し、空隙の最大厚さを測定し、これらの平均値から求めることができる。
なお、空隙率は、空隙の最大厚み部の電子顕微鏡写真(200〜400倍)より、空隙部の面積%を算出し、空隙部の体積%とした(奥行きは空隙部、非空隙部共に一定とした)。
また、基体層の厚みは、300〜4000μmであることが好ましく、400〜2000μmであることがより好ましい。400〜2000μmであることで、衣料やインテリア、靴用に好適な物性と充実感、折れ皺を兼ね備えた人工皮革用基体とすることができる。
本発明の人工皮革は、下記の順次工程により製造することができる。すなわち、
(1)極細繊維束形成性長繊維からなる長繊維ウエブを製造する工程、
(2)上記長繊維ウエブに絡合処理を施し、絡合ウエブを製造する工程、
(3)上記絡合ウエブ中の極細繊維束形成性長繊維を繊維束に変換し、絡合不織布を製造する工程、
(4)上記絡合不織布の表面に存在する繊維束から極細長繊維を起毛し、かつ起毛した上記極細長繊維を整毛する工程、
(5)起毛及び整毛した絡合不織布にさらに高分子弾性体を付与する工程、
(6)乾燥処理を行なって、付与した上記高分子弾性体を表面側にマイグレーションさせ、基体層と、上記高分子弾性体と上記基体層から伸びる極細長繊維とからなる表面層とを形成すると共に、上記表面層と上記基体層との間に、上記高分子弾性体が存在しない領域を形成する工程を経て、高分子弾性体が存在しない領域が極細長繊維により少なくとも部分的に仕切られた空隙となっており、その空隙の厚さ方向の平均長さが10〜200μmとなっている人工皮革を製造することができる。
以下、各工程について詳述する。
工程(1)では、極細繊維束形成性長繊維からなる長繊維ウエブを製造する。極細繊維束形成性長繊維は、例えば、海島型長繊維を用いて製造することができる。以下、海島型長繊維を用いた例を主として、本発明の製造方法を説明する。
海島型長繊維は少なくとも2種類のポリマーからなる多成分系複合繊維であって、海成分ポリマー中にこれとは異なる種類の島成分ポリマーが分散した断面を有する。海島型長繊維は、絡合不織布構造体に形成した後、高分子弾性体を含浸させる前に海成分ポリマーを抽出または分解して除去することで、残った島成分ポリマーからなる極細長繊維が複数本集まった繊維束に変換される。
P=([η]103/8.29)(1/0.62)
工程(2)では、長繊維ウエブに絡合処理を施して絡合ウエブを得る。長繊維ウエブを、必要に応じてクロスラッパー等を用いて厚さ方向に複数層重ね合わせた後、両面から同時または交互に少なくとも1つ以上のバーブが貫通する条件でニードルパンチする。パンチング密度は、300〜5000パンチ/cm2の範囲が好ましく、より好ましくは500〜3500パンチ/cm2の範囲である。上記範囲内であると、充分な絡合が得られ、海島型長繊維のニードルによる損傷が少ない。該絡合処理により、海島型長繊維同士が三次元的に絡合し、厚さ方向に平行な断面において海島型長繊維が平均600〜4000個/mm2の密度で存在する、海島型長繊維が極めて緻密に集合した絡合ウエブが得られる。長繊維ウエブにはその製造から絡合処理までのいずれかの段階で油剤を付与してもよい。必要に応じて、70〜150℃の温水に浸漬するなどの収縮処理によって、長繊維ウエブの絡合状態をより緻密にしてもよい。また、熱プレス処理を行なうことで海島型長繊維同士をさらに緻密に集合させ、長繊維ウエブの形態を安定にしてもよい。絡合ウエブの目付は100〜2000g/m2あるのが好ましい。
工程(3)では、海成分ポリマーを除去することにより極細繊維束形成性長繊維(海島型長繊維)を極細化して極細長繊維の繊維束からなる絡合不織布を製造する。海成分ポリマーを除去する方法としては、島成分ポリマーの非溶剤または非分解剤であり、かつ、海成分ポリマーの溶剤または分解剤で絡合ウエブを処理する方法が本発明においては好ましく採用される。島成分ポリマーがポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂である場合、海成分ポリマーがポリエチレンであればトルエン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの有機溶剤が、海成分ポリマーが水溶性PVAであれば温水、また、海成分ポリマーが易アルカリ分解性の変性ポリエステルであれば水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性分解剤が使用される。海成分ポリマーの除去は人工皮革分野において従来採用されている方法により行えばよく、特に制限されない。本発明においては、環境負荷が少なく、また、労働衛生上好ましいので、海成分ポリマーとして水溶性PVAを使用し、これを、有機溶媒を使用することなく85〜100℃の熱水中で100〜600秒間処理し、除去率が95質量%以上(100%を含む)になるまで抽出除去し、極細繊維束形成性長繊維を島成分ポリマーからなる極細長繊維の繊維束に変換するのが好ましい。
[(収縮処理前の面積−収縮処理後の面積)/収縮処理前の面積]×100
で表される面積収縮率が好ましくは30%以上、より好ましくは30〜75%になるように収縮処理を行って高密度化してもよい。収縮処理により形態保持性がより良好になり、繊維の素抜けも防止される。
工程(4)は、高分子弾性体が付与された絡合不織布の表面に存在する繊維束から極細長繊維を起毛し、かつ起毛した極細長繊維を整毛する工程である。
工程(5)起毛及び整毛した絡合不織布にさらに高分子弾性体を付与する工程である。基本的には、工程(5)の高分子弾性体を付与する工程であるが、付与する高分子弾性体は、工程(7)の高分子弾性体と同一でも異なっていてもよい。また、当該工程では、高分子弾性体の付着量を全重量に対して20%以下にすることが望ましい。付着量が20%を越えると、例えばウレタンエマルジョンの場合は、風合いが硬くなってしまう。また、10%以下とすることが、起毛部が実質的にないにも関わらず、得られる人工皮革の外観をスエード調の外観とすることが容易になる点で好ましい。
工程(6)は、乾燥処理を行なって、付与した上記高分子弾性体を表面側にマイグレーションさせ、「基体層」と、上記高分子弾性体と上記基体層から伸びる極細長繊維とからなる「表面層」とを形成すると共に、上記表面層と上記基体層との間に、上記高分子弾性体が存在しない領域を形成する工程である。
本工程は得られる人工皮革を物性を高め、充実感のある風合いとするために適宜用いられるが、必須とするものではない。本工程(7)では、好ましくは、工程(3)を経て製造された絡合不織布に高分子弾性体の水分散体または水溶液を付与し、熱を加えながら高分子弾性体を表面および裏面に移行させ、その後、凝固させて皮革様シートを製造する。
高分子弾性体としては、人工皮革製造に従来用いられているポリウレタンエラストマー、アクリロニトリルエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、アクリルエラストマーなどから選ばれる少なくとも1種の弾性体を用いることができるが、ポリウレタンエラストマー及び/又はアクリルエラストマーが特に好ましい。
高分子ポリオールの平均分子量は500〜3000であるのが好ましい。得られる銀付調皮革様シートの耐光堅牢性、耐熱堅牢性、耐NOx黄変性、耐汗性、耐加水分解性などの耐久性をより良好にする場合には、2種以上の高分子ポリオールを使用することが好ましい。
また、鎖伸長反応時に、鎖伸長剤とともに、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンなどのモノアミン類;4−アミノブタン酸、6−アミノヘキサン酸などのカルボキシル基含有モノアミン化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのモノオール類を併用してもよい。
例えば、分散染料による染色は過酷な条件(高温、高圧)で行われるため、高分子弾性体を付与する前に染色(先染め)すると極細繊維の破断などが生じる。本発明では極細繊維が長繊維であるので先染めが可能となる。前記した収縮処理により極細長繊維は高収縮して分散染色条件に十分耐える強度を持つので、先染めする場合には収縮処理することが好ましい。通常、高分子弾性体を含む絡合不織布を染色した場合、高分子弾性体に付着した分散染料を除去して染色堅牢度を向上させるために強アルカリ条件下での還元洗浄工程と中和工程が必要であった。本発明では、工程(7)(高分子弾性体付与)の前に染色することも可能であるので、これらの工程が不要になる。本発明は極細長繊維であることから、工程(7)を行わない場合、製造コストの削減や軽量性と機械物性を兼ね備えた人工皮革とすることが可能となる。また、染色中に高分子弾性体が脱落するなどの問題があったが、先染めによりこの問題が回避されると共に高分子弾性体の選択範囲が広がる。先染めした場合、余分な染料は湯や中性洗剤液等を使用した洗浄で除去できる。従って、極めてマイルドな条件で染色の摩擦堅牢度、特に、湿摩擦堅牢度を向上させることができる。また、高分子弾性体が染色されていないので、繊維と高分子弾性体との染料吸尽性の違いに起因する色斑を防止することもできる。
皮革様シートを形成している極細長繊維(20個)の断面積を走査型電子顕微鏡(倍率:数百倍〜数千倍程度)により測定し平均断面積を求めた。この平均断面積と繊維を形成するポリマーの密度から平均繊度を計算した。
(2)繊維束の平均繊度
絡合不織布を形成している繊維束の中から選び出した平均的な繊維束(20個)を走査型電子顕微鏡(倍率:数百倍〜数千倍程度)で観察し、その外接円の半径を測定して平均断面積を求めた。この平均断面積が繊維を形成するポリマーで充填されているとし、該ポリマーの密度から繊維束の平均繊度を計算した。
示差走査熱量計(TA3000、メトラー社製)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温からポリマー種類に応じて300〜350℃まで昇温後、直ちに室温まで冷却し、再度直ちに昇温速度10℃/分で300〜350℃まで昇温したときに得られた吸熱ピークのピークトップ温度を求めた。
厚さ200μmの高分子弾性体フィルムを加圧下130℃で60分間熱水処理し、50℃に冷却後、ピンセットで取り出した。過剰な水をろ紙でふき取り、重量を測定した。浸漬前の重量に対する増加した重量の割合を熱水膨潤率とした。
たて15cm、幅2.7cm、厚さ4mmのゴム板の表面を240番のサンドペーパーでバフ掛けし、表面を十分に粗くした。溶剤系の接着剤(US−44)と架橋剤(ディスモジュールRE)の100:5の混合液を該ゴム板の粗面とたて(シート長さ方向)25cm、幅2.5cmの試験片の片面に12cmの長さにガラス棒で塗布し、100℃の乾燥機中で4分間乾燥した。その後、ゴム板と試験片の接着剤塗布部分同士を貼り合わせ、プレスローラーで圧着し、20℃で24時間キュアリングした。蒸留水に10分浸漬した後に、ゴム板と試験片の端をそれぞれチャックで挟み、引張試験機で引張速度50mm/分で剥離した。得られた応力−ひずみ曲線(SS曲線)の平坦部分から湿潤時の平均剥離強力を求めた。結果は、試験片3個の平均値で表した。
攪拌機、窒素導入口、エチレン導入口および開始剤添加口を備えた100L加圧反応槽に、酢酸ビニル29.0kgおよびメタノール31.0kgを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力が5.9kgf/cm2となるようにエチレンを導入した。2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(開始剤)をメタノールに溶解して濃度2.8g/Lの開始剤溶液を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃に調整した後、上記の開始剤溶液170mLを注入し重合を開始した。重合中、エチレンを導入して反応槽圧力を5.9kgf/cm2に、重合温度を60℃に維持し、上記の開始剤溶液を610mL/hrで連続添加した。10時間後に重合率が70%となったところで冷却して重合を停止した。反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に行った。
上記変性PVA(水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール:海成分)と、変性度6モル%のイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレ−ト(島成分)を、海成分/島成分が25/75(質量比)となるように260℃で溶融複合紡糸用口金(島数:25島/繊維)より吐出した。紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、繊維束の平均繊度が2.1デシテックスの海島型長繊維をネット上に捕集した。次いで、表面温度42℃の金属ロールでネット上の海島型長繊維シートを軽く押さえ、表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、表面温度75℃の金属ロール(格子柄)とバックロール間で200N/mmの線圧で熱プレスして表面繊維が格子状に仮融着した目付31g/m2の長繊維ウエブを得た。
なお、実施例1の人工皮革の断面についての電子顕微鏡写真を図3に示す。
絡合不織布をバフィングにより厚みを0.82mmに調整後、分散染料により茶色に染色し、その表面をエチケットブラシを巻きつけた回転数320rpmのロールで速度7m/分の引き取り速度で毛玉を除去、起毛し、次いで回転数600rpmの320メッシュのサンドペーパーで表面を整毛した以外は実施例1と同様にして、人工皮革を作製した。この人工皮革は、極細繊維と高分子弾性体から構成される平均厚さ30μmの繊維集束体から構成される多孔質の表面層を有し、該表面層と極細繊維束と樹脂から構成される厚さ820μmの基体層との間に厚さ方向に平均200μm連続空隙孔を有しており、天然皮革仕上げや乾式造面仕上げ、あるいはグラビア仕上げ用に適した、風合い、折れ皺感に優れた人工皮革であった。また、空隙率は、65体積%であった。
該絡合不織布をバフィングにより厚みを0.82mmに調整後、ポリウレタンを1.0%付与し、20%owfの分散染料により茶色に染色した以外は実施例1と同様にして、人工皮革を作製した。この人工皮革は、極細繊維と高分子弾性体から構成される平均厚さ30μmの繊維集束体から構成される多孔質の表面層を有し、該表面層と極細繊維束と樹脂から構成される厚さ820μmの基体層との間に厚さ方向に平均10μm連続空隙孔を有しており、天然皮革仕上げや乾式造面仕上げ、あるいはグラビア仕上げ用に適した、風合い、折れ皺感に優れた人工皮革であった。また、空隙率は、38体積%であった。
絡合ウエブを面積収縮を生じさせた後、かつ変性PVAを溶解除去する前の工程で、ポリウレタン25%DMF溶液を含浸凝固した後、表面を起毛および整毛工程以後は実施例1と同じ方法で実施した。この人工皮革は、極細繊維から構成される多孔質の表面層を有しておらず、連続空隙孔も認められなかった。このため、天然皮革仕上げやあるいはグラビア仕上げ時には処理液の吸水性が高く、満足に仕上げが出来なかった。一方、乾式造面品はフィルムとの密着性が悪く、剥離強度が低く、靴やインテリア用途には使用できないものであった。
12高分子弾性体が存在しない領域
14基体層
16高分子弾性体
18繊維束
20極細長繊維
Claims (6)
- 基体層と該基体層の少なくとも一方の面側に形成されてなる表面層とを有し、
前記基体層が高分子弾性体と極細長繊維を複数本含む繊維束とからなり、
前記表面層が高分子弾性体と前記基体層から伸びる前記極細長繊維とからなり、
前記表面層と前記基体層との間に、前記高分子弾性体が存在しない領域があり、その領域が前記極細長繊維により少なくとも部分的に仕切られた空隙となっており、かつ、前記基体層と前記表面層とを直線的に繋ぐような形態で高分子弾性体が存在しない領域であり、
前記空隙の厚さ方向の平均長さが10〜200μmであり、
前記表面層には前記極細長繊維同士が前記高分子弾性体によって束状に接着された部分が連続および/または非連続の状態で存在している人工皮革。 - 前記高分子弾性体が存在しない領域における前記空隙の割合(空隙率)が35〜80体積%である請求項1に記載の人工皮革。
- 下記の順次工程:
(1)極細繊維束形成性長繊維からなる長繊維ウエブを製造する工程、
(2)前記長繊維ウエブに絡合処理を施し、絡合ウエブを製造する工程、
(3)前記絡合ウエブ中の極細繊維束形成性長繊維を極細繊維に変換し、絡合不織布を製造する工程、
(4)前記絡合不織布の表面に存在する繊維束から極細長繊維を起毛し、かつ起毛した前記極細長繊維を整毛する工程、
(5)起毛及び整毛した絡合不織布にさらに高分子弾性体を付与する工程、
(6)乾燥処理を行なって、付与した前記高分子弾性体を表面側にマイグレーションさせ、基体層と、前記高分子弾性体と前記基体層から伸びる極細長繊維とからなる表面層とを形成すると共に、前記表面層と前記基体層との間に、前記高分子弾性体が存在しない領域を形成する工程と含み、
前記高分子弾性体が存在しない領域が前記極細長繊維により少なくとも部分的に仕切られた空隙となっており、かつ、前記基体層と前記表面層とを直線的に繋ぐような形態で高分子弾性体が存在しない領域であり、
前記空隙の厚さ方向の平均長さが10〜200μmとなっており、
前記表面層には前記極細長繊維同士が前記高分子弾性体によって束状に接着された部分が連続および/または非連続の状態で存在している人工皮革の製造方法。 - 工程(3)と(4)の間に、(7)前記絡合不織布に高分子弾性体を付与する工程、を含む請求項3に記載の人工皮革の製造方法。
- 工程(6)における乾燥処理の温度が80〜220℃である請求項3又は4に記載の人工皮革の製造方法。
- 工程(5)の前に、染料により前記絡合不織布に染色処理を施す工程を含む請求項3又は4に記載の人工皮革の製造方法。
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