JP5673331B2 - 内燃機関の可変圧縮比装置 - Google Patents

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Description

この発明は、機械的可変圧縮比機構を用いた内燃機関の可変圧縮比装置、特に圧縮比制御のために可変圧縮比機構の制御部材を動かす油圧アクチュエータの改良に関する。
内燃機関の圧縮比を可変制御するために、機械的可変圧縮比機構の一つとして、例えば複リンク式ピストン−クランク機構を利用した複リンク式可変圧縮比機構が知られている。これは、内燃機関のピストンとクランクシャフトとが複数のリンク部材を介して連結されているとともに、これらのリンク部材の自由度を制限するコントロールリンクを備え、このコントロールリンクの基端の位置(揺動支点位置)を変更することで、ピストン位置を相対的に上下に変位させ、圧縮比を変更する構成となっている。上記コントロールリンクの揺動支点位置の変更には、コントロールリンク基端が連結される偏心軸を備えた制御軸が用いられ、この制御軸の回転位置を例えば直線運動するアクチュエータによって変化させる構成となっている。
そして、特許文献1には、制御軸を低圧縮比側へ変位させる方向に作用する燃焼荷重を利用して、負荷に応じて変化するこの燃焼荷重による付勢力とスプリングの付勢力との大小関係から、油圧ピストンの位置(つまり圧縮比)を変化させるようにした油圧アクチュエータが開示されている。このものでは、油圧ピストンの両側に画成される油室は、主に、油圧ピストンの位置(つまり圧縮比)を保持するために用いられ、従って、比較的低い油圧で、圧縮比制御が可能である。
特開2010−174762号公報
上記の特許文献1の構成にあっては、低圧縮比側へ向かう燃焼荷重に対抗するスプリングの付勢力が常に高圧縮比側へ作用しているので、内燃機関の停止中は最大圧縮比状態となる。従って、その後、内燃機関を始動した際に、最大圧縮比でもって機関の運転が開始され、プレイグニッションやノッキングなどの不正燃焼が生じる懸念がある。
この発明は、内燃機関のピストンとクランクシャフトとが機械的可変圧縮比機構を介して連結されており、上記機械的可変圧縮比機構の制御部材の位置に応じて圧縮比が変化する内燃機関の可変圧縮比装置を前提としている。上記制御部材は、低圧縮比側へ変位するように燃焼荷重を受け、この制御部材の位置を油圧アクチュエータによって動かす構成となっている。
ここで、上記油圧アクチュエータは、油圧シリンダ内に摺動可能に配設され、かつ上記制御部材に連係した油圧ピストンと、この油圧ピストンによって上記油圧シリンダ内に画成された第1,第2油室と、上記油圧ピストンを高圧縮比側へ向かって付勢するスプリングと、このスプリングの軸方向に沿って移動可能に補助シリンダ内に配設され、かつ上記スプリングの基端を支持する可動スプリングシートと、上記補助シリンダ内に上記可動スプリングシートによって画成され、作動油の導入・排出によって上記可動スプリングシートの位置を変更する第3油室と、上記第1,第2,第3油室の作動油の導入・排出を制御する弁機構と、を備えている。そして、少なくとも内燃機関の停止中は、上記第3油室の縮小により上記スプリングの付勢力が低減する。
本発明によれば、第3油室を介して可動スプリングシートを動かすことにより高圧縮比側へのスプリングの付勢力を変化させることができ、内燃機関の停止中は、スプリングの付勢力が低減した状態となるため、油圧ピストンの位置ひいては可変圧縮比機構の圧縮比を中間圧縮比ないし最低圧縮比とすることができる。従って、始動時に過度に高い圧縮比とならず、不正燃焼を招来することがない。
本発明が適用される複リンク式可変圧縮比機構の構成説明図。 油圧アクチュエータの第1実施例を示す構成説明図。 油圧ピストンが最大圧縮比位置にあるときの構成説明図。 可動スプリングシートが後退した状態を示す構成説明図。 油圧アクチュエータの第2実施例を示す構成説明図。 油圧ピストンが最低圧縮比位置にあるときの構成説明図。 可動スプリングシートが後退した状態を示す構成説明図。 油圧アクチュエータの第3実施例を示す構成説明図。 油圧ピストンが最低圧縮比位置にあるときの構成説明図。 可動スプリングシートが後退し、かつ油圧ピストンが最大圧縮比位置にあるときの構成説明図。 可動スプリングシートが後退し、かつ油圧ピストンが最低圧縮比位置にあるときの構成説明図。 油圧アクチュエータの第4実施例を示す構成説明図。 可動スプリングシートが後退した状態を示す構成説明図。 油圧ピストンが中間圧縮比位置でバランスしている状態の構成説明図。
図1は、本発明の油圧アクチュエータが適用される複リンク式可変圧縮比機構の基本的な構成の一例を示しており、図示するように、シリンダブロック5に形成されたシリンダ6内に、ピストン1が摺動可能に配設されており、このピストン1に、アッパリンク11の一端がピストンピン2を介して揺動可能に連結されている。このアッパリンク11の他端は、第1連結ピン12を介してロアリンク13の一端部に回転可能に連結されている。このロアリンク13は、その中央部においてクランクシャフト3のクランクピン4に揺動可能に取り付けられている。なお、ピストン1は、その上方に画成される燃焼室から燃焼圧力を受ける。また、クランクシャフト3は、クランク軸受ブラケット7によってシリンダブロック5に回転可能に支持されている。
上記ロアリンク13の他端部には、コントロールリンク15の一端が第2連結ピン14を介して回転可能に連結されている。このコントロールリンク15の他端は、内燃機関本体の一部に揺動可能に支持されており、かつ、圧縮比の変更のために、その揺動支点16の位置が内燃機関本体に対して変位可能となっている。具体的には、制御部材として、クランクシャフト3と平行に延びた制御軸18を備えており、この制御軸18に偏心して設けられた偏心軸19に上記コントロールリンク15の他端が回転可能に嵌合している。上記制御軸18は、上記のクランク軸受ブラケット7と制御軸受ブラケット8との間に回転可能に支持されている。
従って、圧縮比の変更のために、後述する油圧アクチュエータにより制御軸18を回転駆動すると、コントロールリンク15の揺動支点16となる偏心軸19の中心位置が機関本体に対して移動する。これにより、コントロールリンク15によるロアリンク13の運動拘束条件が変化して、クランク角に対するピストン1の行程位置が変化し、ひいては機関圧縮比が変更されることになる。
なお、本発明は、図示したような複リンク式可変圧縮比機構に限定されるものではなく、制御部材の位置によって圧縮比が定まるとともに、この制御部材に燃焼荷重が低圧縮比側への付勢力として伝達され得る種々の形式の可変圧縮比機構に適用することが可能である。
図2〜図4は、この発明の要部である油圧アクチュエータ21の第1実施例を示している。この油圧アクチュエータ21は、円筒状のハウジング22内に互いに直列に配置された油圧ピストン部23とスプリング可変部24とから大略構成されている。上記油圧ピストン部23は、上記ハウジング22の内周面により構成される油圧シリンダ25内に摺動可能に配設された油圧ピストン26と、この油圧ピストン26によって上記油圧シリンダ25内にそれぞれ画成された第1油室27および第2油室28と、上記第1油室27の油圧導入通路29および上記第2油室28の油圧導入通路30にそれぞれ設けられた第1逆止弁31および第2逆止弁32と、上記第1油室27の油圧排出通路33および上記第2油室28の油圧排出通路34にそれぞれ設けられた第1電磁弁35および第2電磁弁36と、を備えている。
上記油圧ピストン26は、ハウジング22の端部壁22aならびに第1油室27を貫通して延びるピストンロッド26aを有し、このピストンロッド26aの先端が、制御軸18に固定されたアーム37の先端に例えば中間リンク38を介して連係している。これにより、油圧ピストン26が図の左右に移動することで制御軸18が回転し、圧縮比が変化する。より具体的には、油圧ピストン26が油圧シリンダ25の図左端に位置するときに最大圧縮比となり、油圧シリンダ25の図右端に位置するときに最低圧縮比となる。図2は、油圧ピストン26が最低圧縮比位置にある状態を示しており、中間の隔壁39との間に生じる第2油室28の容積が最小限に縮小している。機関の運転中には、上記制御軸18に低圧縮比側へ変位するように燃焼荷重が作用し、従って、油圧ピストン26には、図の右側へ向かって付勢力が作用する。なお、この付勢力は、厳密にはアーム37の角度等の影響を受け、かつクランク角360°の中で周期的に変動(交番荷重として負となる期間もある)するものであるが、全体的な傾向としては、図の右側(低圧縮比側)へ向かって作用し、かつ内燃機関の負荷が大きいほど大きな付勢力となる。
上記スプリング可変部24は、上記ハウジング22の内周面により形成される補助シリンダ41内に摺動可能に配設された有底円筒状の可動スプリングシート42と、この可動スプリングシート42の内周面に摺動可能に嵌合した同じく有底円筒状のプッシュロッド43と、上記可動スプリングシート42の底壁42aと上記プッシュロッド43の先端壁43aとの間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングからなるメインスプリング44と、を備えている。上記可動スプリングシート42は、一種の油圧ピストンとして機能するものであり、該可動スプリングシート42の底壁42aとハウジング22の端部壁22bとの間に、第3油室46が画成されている。この第3油室46の油圧導入通路47には第3逆止弁48が設けられており、この第3油室46の油圧排出通路49には第3電磁弁50が設けられている。
上記プッシュロッド43は、先端側の部分が中間の隔壁39を貫通して第2油室28内に突出しており、かつ上記メインスプリング44によってその突出方向に付勢されている。また、上記プッシュロッド43は、その基端部に、ステップ状に大径となったストッパ部43bを備えており、このストッパ部43bが隔壁39と係合することで、隔壁39からの突出量が制限されている。この実施例では、油圧ピストン26の所定の中間位置に対応した突出量に上記プッシュロッド43の最大突出量が設定されており、従って、油圧ピストン26は、この中間圧縮比位置から最低圧縮比位置の範囲でのみメインスプリング44の付勢力を受ける。
上記各油室27,28,46の油圧導入通路29,30,47は、油圧源、例えば内燃機関の潤滑油用油圧ポンプに接続されており、各々の逆止弁31,32,48によって、作動油の導入方向の流れのみが許容されている。また各油室27,28,46の油圧排出通路33,34,49は、いずれも低圧のドレン通路に連通している。従って、油圧源が作動している状態において、各油室27,28,46の油圧排出通路33,34,49にそれぞれ設けられた電磁弁35,36,50が閉となると、各油室27,28,46の油圧が高くなり、また各電磁弁35,36,50が開放されると、各油室27,28,46の油圧が低下する。なお、この油圧アクチュエータ21にあっては、油圧ピストン26の移動に、燃焼荷重による付勢力とメインスプリング44の付勢力とが併用され、各油室27,28,46内の作動油は主に油圧ピストン26の位置の保持に寄与するので、各油室27,28,46へ導入する油圧は比較的低いもので足りる。
上記電磁弁35,36,50は、勿論個々に独立したものであってもよいが、適宜に一体化した構成とすることができる。1つの実施例では、第1電磁弁35と第2電磁弁36とが、実質的に1つの電磁弁として構成されており、例えば1つのスプールによって、いずれか一方が開のときに他方が閉となる関係となっている。より詳しくは、非通電時には、第2電磁弁36に相当するポートが開となる構成が好ましい。そして、第3電磁弁50は、常閉型電磁弁であることが好ましい。
なお、各油室27,28,46に対する弁機構としては、上記実施例の構成に限定されず、例えば油圧導入通路29,30,47側も電磁弁によって開閉するなど、種々の態様が可能である。
上記のように構成された油圧アクチュエータ21においては、内燃機関の運転中は、基本的に、第3電磁弁50が閉となり、油圧導入通路47を介した油圧の導入によって、図1のように第3油室46が拡張した状態となっている。従って、プッシュロッド43を介して油圧ピストン26に作用する付勢力は相対的に大となり、この状態の下で、第1電磁弁35および第2電磁弁36を用いた圧縮比制御がなされる。
ここで、この可変圧縮比装置の目標圧縮比は、基本的に内燃機関の負荷に対応して高負荷域ほど低い圧縮比となるように設定される。従って、内燃機関の負荷が高く圧縮比を低下させようとする際には、第1電磁弁35が閉、第2電磁弁36が開となり、これにより第1油室27の方が相対的に高い油圧となる。同時に、内燃機関の負荷が高いことに関連して、低圧縮比側へ向かって制御軸18から比較的大きな付勢力が入力されるので、図2に示すように、例えば最低圧縮比まで油圧ピストン26が速やかに移動する。つまり、運転中はメインスプリング44の付勢力が大きく作用するが、高負荷域では燃焼荷重による付勢力が大となるので、メインスプリング44の付勢力に抗して最低圧縮比とすることが可能である。
一方、内燃機関の負荷が低く圧縮比を上昇させようとする際には、第1電磁弁35が開、第2電磁弁36が閉となり、これにより第2油室28の方が相対的に高い油圧となる。そして、制御軸18側から入力される付勢力は相対的に小さくなり、これにより、油圧ピストン26は徐々に高圧縮比側へ移動し、例えば図3に示すような最大圧縮比状態となる。このとき、プッシュロッド43の所定の突出量まではメインスプリング44の付勢力が高圧縮比側へ作用するので、内燃機関の負荷(つまり低圧縮比側への付勢力)がある程度高い領域においても、確実に高圧縮比側へ制御することができる。またメインスプリング44の付勢力によって、運転条件の変化に伴い高圧縮比化する際の応答性が高くなり、燃費の上で有利となる。
なお、実際に制御されている圧縮比(例えば制御軸18の回転位置)をセンサで検出して第1,第2電磁弁35,36をフィードバック制御することで、図2に示す最低圧縮比位置と図3に示す最大圧縮比位置との間で任意の目標圧縮比に制御することが可能である。
そして、内燃機関の停止中には、図4に示すように、第1電磁弁35が閉、第2電磁弁36が開に保持されるとともに、第3油室46から作動油が排出されて該第3油室46が縮小した状態に保持される。この状態では、可動スプリングシート42が後退しているため、油圧ピストン26に作用するメインスプリング44の付勢力は小さい。従って、機関停止直前の燃焼荷重による付勢力あるいは機関停止直前・直後の油圧によって、図示するように、油圧ピストン26は最低圧縮比位置ないしこれに近い低圧縮比位置に保持される。そのため、内燃機関を次に始動した際に、過度に高い圧縮比のまま始動することがなく、プレイグニッションやノッキングといった不正燃焼を回避できる。
ここで、上記のような停止中の状態とするために、第3電磁弁50を機関停止の間、開放し続けるようにしてもよいが、望ましくは、機関停止の直前に第3電磁弁50を開として第3電磁弁50を縮小した後、機関停止中は第3電磁弁50を閉として、振動等による可動スプリングシート42の動きを抑制するとよい。内燃機関の停止の前兆として、例えば、機関回転速度の所定値以下への低下、減速時のフューエルカットの実行、車両の変速機のパーキング位置へのシフト、イグニッションスイッチのOFF、ハイブリッド車両などにおけるアイドルストップ命令、などを用いることができ、これらの前兆を検出したときに、第1電磁弁35を閉、第2電磁弁36を開にするとともに、第3電磁弁50を開とすれば、機関運転中の燃焼荷重ならびに油圧を利用して、速やかに可動スプリングシート42を後退させ、かつ油圧ピストン26を最低圧縮比位置とすることができる。第3電磁弁50を常閉型電磁弁とすれば、機関停止に伴って通電が遮断されることで、以後は第3電磁弁50は閉状態を保ち、振動等による可動スプリングシート42の動きが阻止される。
なお、上記のように機関停止の前兆を検出するのではなく、実際の機関停止直後に第3電磁弁50を短期間開状態とするようにしてもよい。機関停止直後は、上流の油圧通路内に油圧が残存しているので、第1,第2電磁弁35,36を上記のように低圧縮比側へ切り換えるとともに第3電磁弁50を開とすることで、やはり図4のような低圧縮比状態に確実に移行させることができる。
次に、図5〜図7に基づいて、第2実施例の油圧アクチュエータ121を説明する。なお、第1実施例の油圧アクチュエータ21の各部に対応する部分には同じ参照符号を用い、特に変わらない部分の説明は省略する。
この第2実施例においては、可動スプリングシート42に対するプッシュロッド43の可動量が第1実施例よりも大きく設定されており、機関運転中(つまり第3油室46が拡張している状態で)は、図5および図6に示すように、油圧ピストン26の最低圧縮比位置から最大圧縮比位置に亘る全範囲でメインスプリング44の付勢力が油圧ピストン26に作用する。従って、高圧縮比側への油圧ピストン26の移動がより速やかなものとなる。
また、この実施例では、補助シリンダ41内での可動スプリングシート42の可動量(換言すれば第3油室46の変化量)が第1実施例よりも大きく設定されており、機関停止に伴って第3油室46から作動油が排出され、可動スプリングシート42が後退した状態においては、図7に示すように、プッシュロッド43先端が隔壁39から突出しない。従って、機関停止中は、油圧ピストン26に作用するメインスプリング44の付勢力が0となり、油圧ピストン26は最低圧縮比位置ないしその近傍に確実に保持される。
次に、図8〜図11に基づいて、第3実施例の油圧アクチュエータ221を説明する。
この第3実施例は、第1実施例と同様に、内燃機関の運転中で可動スプリングシート42が図左方に位置決めされている状態においても、プッシュロッド43が、所定の中間圧縮比位置から最低圧縮比位置の範囲でのみ油圧ピストン26を付勢する構成となっている。そして、この実施例においては、可動スプリングシート42の先端部に、プッシュロッド43基端のストッパ部43aと係合するシート側ストッパ部61を備えている。つまり、この第3実施例では、第2油室28内へのプッシュロッド43の突出量が、両ストッパ部43a,61の係合により、可動スプリングシート42の位置を基準として制限される。従って、第3油室46を介して可動スプリングシート42の位置を変化させることで、油圧ピストン26に作用するメインスプリング44の付勢力が大小変化すると同時に、その付勢力が作用する圧縮比の範囲が大小変化する。
図8,図9は、内燃機関の運転中などの第3油室46が拡張している状態であり、図8では油圧ピストン26が最大圧縮比位置にあり、図9では油圧ピストン26が最低圧縮比位置にある。図8に示す範囲S1においてメインスプリング44の付勢力が油圧ピストン26に作用する。
図10,図11は、内燃機関の停止中などの第3油室46が収縮している状態であり、図10では油圧ピストン26が最大圧縮比位置にあり、図11では油圧ピストン26が最低圧縮比位置にある。図10に示すように、この場合は、図8の範囲S1よりも狭い範囲S2においてメインスプリング44の付勢力が油圧ピストン26に作用する。従って、低圧縮比側へ油圧ピストン26を駆動する燃焼荷重や油圧差による力が比較的弱い場合でも、十分に低い圧縮比とすることができる。
次に、図12〜図14に基づいて、第4実施例の油圧アクチュエータ321を説明する。
この第4実施例は、第2実施例と同じく、油圧ピストン26の最低圧縮比位置から最大圧縮比位置までの全範囲に亘ってメインスプリング44の付勢力が作用するように、メインスプリング44の寸法が設定されている。なお、図では、プッシュロッド43を省略してあるが、第2実施例と同様に、プッシュロッド43を設けることが望ましい。そして、このメインスプリング44の付勢力に対抗するように油圧ピストン26を低圧縮比側へ付勢する第2のコイルスプリングつまりバイアススプリング71が第1油室27内に設けられている。
図12は、内燃機関の運転中などの第3油室46が拡張している状態であり、特に油圧ピストン26が最大圧縮比位置にある状態を示している。この実施例においても、前述した各実施例と同様に、燃焼荷重ならびに油圧差によって、油圧ピストン26の位置を最大圧縮比位置から最低圧縮比位置に亘って制御することが可能である。
図13は、内燃機関の停止中などの第3油室46が収縮している状態であり、第1電磁弁35が閉、第2電磁弁36が開となっている。この実施例では、運転中の燃焼荷重に加えて、バイアススプリング71の付勢力が油圧ピストン26を低圧縮比側へ付勢するので、機関停止後は、図示するように、油圧ピストン26が最低圧縮比位置に確実に保持される。
また図14は、第3油室46が拡張したまま内燃機関が停止した場合の状態を示しているが、この場合には、メインスプリング44の付勢力とバイアススプリング71の付勢力とが油圧ピストン26の中間圧縮比位置でバランスするように構成されており、従って、最大圧縮比位置のまま停止することが確実に回避される。
なお、上述した各実施例において、可動スプリングシート42は、上述したように、基本的には内燃機関の停止および運転に伴って、その位置が変更されるものであるが、これのみに限らず、油圧ピストン26の移動の応答性向上などのために、機関の運転中に適宜に制御してメインスプリング44の付勢力を変更することも可能である。
18…制御軸
21,121,221,321…油圧アクチュエータ
26…油圧ピストン
27…第1油室
28…第2油室
35…第1電磁弁
36…第2電磁弁
42…可動スプリングシート
43…プッシュロッド
44…メインスプリング
46…第3油室
50…第3電磁弁
71…バイアススプリング

Claims (6)

  1. 内燃機関のピストンとクランクシャフトとが機械的可変圧縮比機構を介して連結されており、上記機械的可変圧縮比機構の制御部材の位置に応じて圧縮比が変化するように構成されているとともに、上記制御部材は低圧縮比側へ変位するように燃焼荷重を受け、この制御部材の位置を油圧アクチュエータによって動かす内燃機関の可変圧縮比装置において、
    上記油圧アクチュエータは、
    油圧シリンダ内に摺動可能に配設され、かつ上記制御部材に連係した油圧ピストンと、
    この油圧ピストンによって上記油圧シリンダ内に画成された第1,第2油室と、
    上記油圧ピストンを高圧縮比側へ向かって付勢するスプリングと、
    このスプリングの軸方向に沿って移動可能に補助シリンダ内に配設され、かつ上記スプリングの基端を支持する可動スプリングシートと、
    上記補助シリンダ内に上記可動スプリングシートによって画成され、作動油の導入・排出によって上記可動スプリングシートの位置を変更する第3油室と、
    上記第1,第2,第3油室の作動油の導入・排出を制御する弁機構と、
    を備えてなり、少なくとも内燃機関の停止中は、上記第3油室の縮小により上記スプリングの付勢力が低減することを特徴とする内燃機関の可変圧縮比装置。
  2. 上記スプリングは、プッシュロッドを介して上記油圧ピストンを付勢するように構成されており、上記油圧ピストンの最低圧縮比位置から中間圧縮比位置の範囲で付勢力が作用するように上記プッシュロッドの突出量が制限されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  3. 少なくとも上記第3油室が拡張した状態では、上記油圧ピストンの最低圧縮比位置から最大圧縮比位置の全範囲で上記スプリングの付勢力が作用するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  4. 上記スプリングに対向して上記油圧ピストンを低圧縮比側へ付勢する第2のスプリングを備え、上記第3油室が収縮した状態では、油圧ピストンの最低圧縮比位置において第2のスプリングの付勢力が上記スプリングの付勢力を上回ることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  5. 内燃機関の停止の際に、上記第1,第2油室により上記油圧ピストンを低圧縮比側へ制御するとともに、上記第3油室を開放することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  6. 内燃機関の停止中は、縮小した上記第3油室を閉状態に保つことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
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