JP5671956B2 - 非接触通信媒体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、非接触ICカード等のアンテナ及びICチップを備えた非接触通信媒体及び非接触通信媒体の製造方法に関する。
ICカードやRFIDタグは、非接触で通信を行うため、これらはインレットと呼ばれる、アンテナをICチップに接続した基本構成を備えている。
アンテナの構成方法には、基材上の金属層をエッチングを用いてパターニングしたエッチングアンテナと、絶縁膜で被覆された金属線を巻回し、基材上に固定した巻線アンテナ(ワイヤコイル)がある。前者は、パターニング形状に自由度があるものの、コイル状にするためにはジャンパー線が必要となり、両面にパターニングしなければならない。また大部分の金属層が無駄になる。後者は、絶縁膜で被覆されていることから配線を交差させることができる。このような絶縁膜で被覆された銅線(ワイヤ)を用いたもののうち、基材上で直接ワイヤを引き回すとともに固定するものは、ワイヤ布線法としても知られている(特許文献1参照)。
特許文献2にはワイヤ布線法を用いて非接触通信媒体用のワイヤコイルを形成した構成が開示されている。特許文献2では、基材に開口部を設け、開口部上を少なくともアンテナコイルの両端が通るように布線している。次にICモジュールをアンテナに接続部分(ターミナル部分)が接触するように、ICモジュールの裏面をアンテナ側に向けて開口部に配置し、ICモジュールを超音波で実装している。これにより、アンテナ形成からICモジュールの実装までを連続的に行える。
しかしながら、特許文献2に記載された方法の問題点は、ICを実装する工程で歩留まりが悪くなることである。これは以下の理由による。一つ目は、ICモジュールの裏面にアンテナコイルを直接接続しているために、超音波実装時の位置あわせが難しいということである。これは特に接続部分(特許文献2におけるターミナル部分)が小さい場合に問題となる。二つ目は、ICがパッケージ化されたICモジュールを用いる必要があるために、超音波実装時にICモジュール部分に負荷が掛かるということである。
一方、特許文献3のように、アンテナと同一の基材上に、ICチップを実装する場合、基材が固定された状態で実装する必要がある。特に超音波実装の場合には、基材が振動するため、紙基材や薄いプラスチックフィルムのような柔らかい基材上では、ICチップの実装が困難であった。このことは、RtoR(リールトゥリール、ロールトゥロール)での製造が難しくなるために、生産性の点から不利である。
特開昭60−143694号公報 特許第3721520号公報 特許第2810547号公報
以上のような既存技術の問題点を鑑みて本発明では、ワイヤコイルを用いた、生産性の高い非接触通信媒体及び非接触通信媒体の製造方法を提供することを特徴とする。
上記課題を鑑みて為された請求項1に係る発明は、基材上にワイヤコイルからなるアンテナと、該ワイヤコイルに接続されたICチップを備えた非接触通信媒体の製造方法であって、開口部が設けられた第一の基材上に、ワイヤコイルの両端が開口部を跨ぐように基材上にワイヤコイルを固定する工程と、ICチップ接続部及びワイヤコイル接続部が形成された導電層パターンを備えた接続パッドを前記開口部に配置し、前記ワイヤコイルをワイヤコイル接続部に接続する工程と、前記ワイヤコイル接続部にワイヤコイルが接続された接続パッドの前記ICチップ接続部にICチップを接続する工程と、を有する非接触通信媒体の製造方法である。
また請求項2に係る発明は、第一の基材の平均膜厚をd1、接続パッドの平均膜厚をd2、ICチップを接続パッドに接続したときの接続パッドの底部からICチップの頭頂部までの高さd3としたとき、d3≧d1≧d2を満たすことを特徴とする請求項1に記載の非接触通信媒体の製造方法である。
また請求項5に係る発明は、第一の基材の平均膜厚をd1、接続パッドの平均膜厚をd2としたとき、|d1―d2|≦100μmを満たすことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の非接触通信媒体の製造方法である。
また請求項6に係る発明は、前記ICチップを前記ICチップ接続部に接続する工程は、前記ワイヤコイルが固定された前記第一の基材を重力方向で下向きに向けて行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の非接触通信媒体の製造方法である。
本発明の非接触通信媒体によれば、ワイヤコイル及びICチップを同一平面状でそれぞれ接続する接続パッドを設けることにより、ICモジュールをワイヤコイルに直接接続した場合と比較して、チップ膜厚を薄くできる。このため非接触通信媒体(インレット)に別の基材を貼り合わせる場合にも表面の凹凸を低減することができる。
また本発明に係る非接触通信媒体の製造方法によれば、アンテナシートとは別に設けた接続パッドにワイヤコイル及びICチップの実装を行うことで、アンテナシートの基材に紙基材やプラスチック基材のようなフィルム基材を用いて、RtoRで生産することができる。
本発明に係るアンテナシートの実施形態を示す模式図である。 本発明に係るアンテナシートの実施形態を示す模式図である。 本発明に係る非接触通信媒体の実施形態を示す模式図である。 本発明に係る非接触通信媒体の実施形態を示す断面模式図である。 本発明に係る接続パッドの構成例を示す模式図である。 本発明に係る接続パッドの製造工程を示す模式図である。 本発明に係る非接触通信媒体の実施形態を示す断面模式図である。 本発明に係る非接触通信媒体の製造工程を示す模式図である。 本発明に係る非接触通信媒体の製造工程を示す模式図である。 本発明に係る非接触通信媒体の製造工程を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2は、本発明に係るアンテナシートの一実施形態を示すものである。第一の基材上11に、絶縁膜で被覆されたワイヤをコイル状に固定することにより、アンテナを構成するワイヤコイル12が設けられている。このとき、ワイヤコイルの両端は、基材に設けられた開口部13上を通るように、すなわち開口部13を跨ぐように固定されている。なお図1では、コイルの周径を基材上でできるだけ大きくとるためにコイル内に開口部を形成しているが、コイルの外側に形成しても良い。
第一の基材11は、ワイヤコイル12が固定できるものであれば特に制限はないが、RtoRで製造できるように、可撓性のある材料を用いることが好ましい。例えばプラスチックフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート等を用いることができる。本発明の非接触通信媒体に用いる基材の厚みは50μm〜400μm程度である。これらは、超音波溶着によりワイヤコイルを埋め込んで形成することができる。
また、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリアミド、ポリビニルアルコール(PVA)等のホットメルト等の接着剤や粘着剤を接着層として基材上に塗工して用いることで、紙基材等の材料を基材として用いることが可能である。特に特許第4412678号に記載されているような、紙基材への含浸が少ない網状のホットメルト接着剤からなる接着層を形成することで、ワイヤコイル及び紙基材のリサイクルが容易となり好ましい。
紙基材としては、一般的なパルプを抄いた紙があげられるが、特にこれに限られるものではない。合成繊維を用いたものであっても、繊維の柔軟性から、ワイヤコイルやICチップの凹凸緩衝効果がある。基材の厚みは、100μm以上であることが好ましい。100μmより小さいと、凹凸緩衝効果が少ない。また、紙基材の場合には、300μm以下であることが好ましい。300μmを超えると、基材として積層した際に、紙厚が300μmを超えると紙内で剥離を生じるおそれがある。
ワイヤコイル12の材料としては、金属線を絶縁層で被覆したものを用いることができ、特にエナメル線(銅線)がワイヤコイルとして好適である。被覆する樹脂はポリウレタン、ポリイミド等、ワイヤがボンディング装置により後述の電極パッドに実装可能な材料であればよい。ワイヤの太さは、直径80〜150μm程度が好適である。
次に図2に図示したアンテナシート200では、アンテナシートの開口部13にICチップを実装するための接続パッド20を配置し、電極パッド上の少なくとも一点(ワイヤコイル接続部221、図5参照)で、ワイヤコイルを固定している。開口部の縦幅、横幅は、接続パッドの径と等しいことが好ましく、その隙間が1mm以下であれば、後述するようにアンテナシートの上下に基材やシートを積層した際に、凹凸を生じないため好ましい。
本発明のアンテナシートによれば、ICチップを実装する領域が、第一の基材11と別の基板として設けられているため、第一の基材が紙基材のように、剛性が低い材料であっても、アンテナシートへのICチップ実装が可能となる。また、ICモジュールをワイヤコイルに直接実装する特許文献1と異なり、接続パッド付きのアンテナシートを形成した後に、ICチップを実装することが可能であるので、RtoRで接続パッドを実装したアンテナシートを製造することができる。
図3は、図2のアンテナシートにICチップ23を実装した非接触通信媒体(インレット)300の模式である。また図4は、図3の非接触通信媒体300のS1―S2線での断面模式図である。電極パッド22上の同一面に、ワイヤコイル12と、ICチップ23が実装されている。接続パッド上の電極パッド22において、ワイヤコイルを電気的に接続している。さらに電極パッドは、ICチップと電気的に接続されている。図4に記載の非接触通信媒体の実施形態では、接続パッド上にモールドされていないICチップを直接実装しているので、ICチップ実装基材の厚みを薄くすることが可能である。
ICチップが特許文献1や、一般的なICカードでは、ワイヤコイルとICチップが直接接続できるように、ICチップと接続電極がモジュール化されている。一方、本発明の非接触通信媒体によれば、ワイヤコイル及びICチップを同一平面状でそれぞれ接続する接続パッドを設けることにより、ICモジュールをワイヤコイルに直接接続した場合と比較して、チップ膜厚を薄くできる。このため後述するように、非接触通信媒体(インレット)300に第二の基材を貼り合わせる場合にも表面の凹凸を低減することができる。
なお、実装するICチップはあらかじめ加工が為されていても良い。例えば、ICチップの保護部材として、SUS板をICチップに貼り付けたものを接続パッドに実装しても良い。
図5は、接続パッド20の構成例を拡大して示した模式図である。図5(A)は接続パッドのICチップ23を実装する側(おもて面)であり、図5(B)は、反対側(うら面)を示している。接続パッドは、接続パッド用基材21上に、ICチップ及びワイヤコイルとの接続部(電極パッド22)として、少なくともワイヤコイル12を接続するワイヤコイル接続部221と、ICチップを接続するICチップ接続部222とを備えた導電層パターンが形成されている。また、ICチップ等の実装時の位置合わせ用のアライメントマーク24を設けても良い。図5(B)に示すように、表面と同様に裏面にも金属等の導電層パターンを設けておくことにより、接続パッドの反りを抑制することができる。特に電極パッドのパターン形状が表裏で同じであれば、反りの応力等しくなるので好ましいが、これに限られるわけではない。
図6は、本発明に係る接続パッドの製造工程を示す模式図である。長丈の接続パッド用基材に導電層パターンを多面付けしている。図6の実施形態では、接続パッド用基材の両端にスプロケットホールが設けられ搬送及び位置あわせが可能になっている。点線の領域が、接続パッドとして打ち抜かれる領域である。接続パッドの形状は、MOA2、MOA4、MOA6、MCC8、FTM8等のICモジュールサイズとすれば、一般的なICモジュール用の打ち抜き加工装置を用いることができる。導電層パターンは、例えば両面に金属箔が設けられた基材をエッチングしてパターニングする。導電層パターンの材料にはAu、Ag、Cu、Alや、導電率の高い合金等を用いればよい。これ以外にも導電性インキを用いた各種印刷や、真空蒸着等でパターン形成しても良い。さらに、導電層は多層積層構造としても良い。例えば、第一金属層の金属層を電極として第二金属層を電解めっきすることができる。図6の実施形態では、電解めっきするために、導電層パターン中の各電極パッドが繋がるように電解めっき用配線25を設けている。最表面に形成する導電層は、例えばAu等のワイヤコイルやICチップの実装に好適な材料を用いることができる。
接続パッド用基材としては、ICチップの実装に適した強度の基材であれば、特に制限はない。エポキシ樹脂系の基材の他、PET、PENなどのポリエステルフィルム基材、ポリイミド基材、アクリル系基材、塩化ビニル系基材等を用いることができる。
電極パッド22(導電層パターン)を含む接続パッドの厚みd2は、第一の基材の厚み(平均膜厚)がd1とすると、アンテナシートの平滑性のために、|d1―d2|≦100μmであることが好ましい。さらにICチップを実装する際には、ICチップの厚み差を緩和し、なおかつICチップの一部が基材上平面から突出していたほうが、実装機ヘッドの大きさに依存せずに実装することができるため、ICチップを接続パッドに接続したときの接続パッドの底部からICチップの頭頂部までの高さd3としたとき、d3≧d1≧d2であることが好ましい。
図7(A)、(B)は、本発明に係る非接触通信媒体の別の実施形態であり、ICチップ23を実装したインレット300を、第二の基材71で挟んだものである。図7(A)の実施形態は、接着層73として、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を第二の基材の貼り合わせ面に塗工し、ICチップを実装したアンテナシートを挟んでラミネートにより接着したものである。第二の基材は、第一の基材11のICチップ及びワイヤコイルを実装した面に1層貼り合わせてICチップ及びワイヤコイルを保護するものでもあっても良いし、強度や厚みを持たせる等の目的で複数積層しても良い。これらは、例えばカード形状とすることで非接触ICカードとして用いることができる。また図7(B)の実施形態では、さらに別の第二の基材をアンテナシートのワイヤコイル形成面に積層されており、第二の基材が内層基材と、上下2枚の外層基材を備える。内層基材によりワイヤ及びICチップの凹凸を緩衝することができる。
第二の基材は第一の基材と同様に、樹脂基材や紙基材を用いることができる。樹脂基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート等を用いることができる。樹脂基材の場合には、加熱しながらラミネートすることで、基材の接着面を溶融させて貼り合わせることができる。この場合には、貼り合わせ面に反対側の樹脂よりもガラス転移温度が低い材料を用いる。特に第一の基材と第二の基材で同じ材料を用いると基材同士の接着性が良く好ましい。また、貼り合わせ面に接着層を塗布するとともに、第一の基材に貼り合わせても良い。この場合の接着層としてはホットメルト接着剤でも良いし、粘着剤を用いても良い。
第二の基材が紙基材の場合にも第一の基材と同様な材料を用いることができる。各紙基材の間に熱可塑性樹脂を積層し、各紙基材を熱可塑性樹脂の溶融接着により固定すれば、繊維間に極力樹脂を含浸させずに紙基材を貼り合わせる事ができるため、容易に紙繊維を熱可塑性樹脂から分離させることができため、リサイクル性に優れた非接触通信媒体とすることができる。特に第一の基材、第二の基材にいずれも紙基材とし、各接着層が紙基材に含浸しにくいホットメルト(熱可塑性樹脂)を用いることで、媒体のリサイクル割合を高めることができる。紙基材の貼り合わせは、樹脂の基材と同様に、あらかじめ紙基材の片面にホットメルト接着剤を塗布して接着層を形成した後に第一の基材に加熱しながらラミネートしても良いし、ホットメルト接着剤を塗布するとともに第一の基材と貼り合わせても良い。なおここでいう溶融接着とは、溶媒を用いずに、加熱により軟化させて基材に固着させる形態の熱可塑性樹脂材料を用いて、紙基材を貼りあわせていることを意味する。
インレット300のICチップ23積層面に対向する第二の基材71は、ICチップ該当位置に凹部や開口部を設けても良いが、ICチップの大きさが1mm角以下程度であれば、凹部や開口部を設けなくてもICチップに対向する第二の基材によって、凹凸を緩衝させることができる。特に、界面に厚膜の接着層71を用いた場合や、第二の基材に紙基材を用いた場合に凹凸緩衝効果が大きい。
最外層となる第二の基材の表面には、印字特性の向上のための印刷層や、耐水・耐湿のための保護層を設けても良い。これらの印刷層/保護層は、多層構造としても良い。印刷層/保護層の形成や、絵柄・文字の印刷は基材の積層前あるいは積層後のいずれでも可能であるが、絵柄・文字の印刷は、積層前に行うことが好ましい。紙基材を用いた場合には、一般的な紙印刷設備を用いて印刷を行うことができる。また積層前なので、基材が印刷工程で反ることもない。
IDカードのように、非接触通信媒体形成後に個別印字を行う場合、最外層の第二の基材表面にプライマー層形成等の表面処理を施し接着性を向上させた後に、プライマー層上に受像層を設ける。受像層はポリアクリルビニル等のビニル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂が好ましい。これらの受像層を構成する樹脂は、基材加熱圧着(ラミネート)時に第二の基材表面から剥離してしまうおそれがあるため、紙基材を積層した後に形成することが好ましい。
また別の印字方法として、中間転写シートに印字し、これを最外層となる第二の基材の表面に転写する方法がある。また基材へのレーザ照射によるエングレービング加工により印字しても良い。第二の基材にポリカーボネート等のエングレービング加工に適した材料を用いれば、直接印字することが可能である。
本発明に係るアンテナシート及び非接触通信媒体によれば、アンテナシートとは別に接続パッドが設けられており、接続パッド上に形成された電極パッドに、ワイヤコイルとICチップとをそれぞれ接続されているため、アンテナシート基材上に直接ICチップを接続した場合や、ICモジュールに直接ワイヤコイルを接続した場合と比較して、歩留まりの高い非接触通信媒体とすることができる。また後述するように、アンテナシートとICチップの実装を別工程で行うことができるので、無駄になるICチップを低減し、コストを下げることができる。またワイヤコイル及びICチップを同一平面状でそれぞれ電極パッドに接続されるので、ICモジュールをワイヤコイルに直接接続した場合と比較して、チップ膜厚を薄くできる。
次に、本発明に係る非接触通信媒体の作製工程について説明する。なお図8〜9に記載されている製造装置の各構成要素の配置は相対的なものであり、以下の説明及び図面における構成・配置に限られるものではない。下記説明における上方及び下方とは、それぞれアンテナシートを基準としており、ワイヤコイル形成面を上、反対面を下とする。従って、全体の構成あるいは一部で反転し、天地が逆となっていても良い。例えば、ICチップ実装工程では、重力方向で下向きにアンテナシートを向け、実装時に異物が混入しないようにしても良い。
まず、基材11を用意し、接続パッド設置位置に開口部13を設ける。図8に示されているように、本発明に係る基材は、長尺状のものを用いて、各非接触通信媒体のアンテナシートを多面付けして、搬送装置でシートを送りながらRtoRで製造することができる。開口部は、例えば金型による打ち抜き等で行う。
次に、ワイヤコイル形成手段である布線装置81により、基材11上にワイヤをコイル状に固定する。金属線の固定方法としては、ワイヤを基材に押し付けながら超音波を印加することにより埋設することができる。布線装置には、エナメル線布線用の一般的な布線装置を採用することができる。図8では同列の4つのワイヤコイル配置領域に対して一つの布線装置でワイヤコイルを形成しているが、一つの列で複数あるいは多面付けされたアンテナシートの数だけ備えていてもよく、複数の列に複数の布線装置を備えていてもよい。描画されるワイヤのパターンは、図1に示されているように、ワイヤをコイル状に形成する前後で、すなわちワイヤの両端がそれぞれ開口部13を跨ぐ。このようにすることで、開口部上をワイヤが通過し、開口部の少なくとも2辺でワイヤが固定されるので、安定して接続パッドに接続することができる。
次に、接続パッド20を開口部に配置し、接続パッド上電極パッドのワイヤコイル接続部に電気的に接続する。接続は、開口部に張られたワイヤの少なくとも一部がワイヤコイル接続部に、ワイヤの絶縁被覆を除去された状態で固定すればよい。図9は、ワイヤコイルの接続パッドへの実装工程を示す模式図である。基材11のワイヤコイル12形成面を上とすると、接続パッド保持手段91は、接続パッドを固定した状態で、基材の下方から移動し、アンテナシートのワイヤコイル形成面の反対面の側から接続パッドを近づけ、開口部に一致するように接続パッドを配置する。接続パッド保持手段(接続パッド保持装置)としては、少なくとも真空吸着等によって、固定台上に接続パッドを固定する機構と、固定台をアンテナシートに対して上下に可動な機構を備える。固定台は、アンテナシートの搬送装置の間に、アンテナシートが接続パッドの直上に来るように配置されており、アンテナシートの搬送及び/又は固定台の移動により、開口部13と接続パッドの位置が一致できるように構成されている。また、接続パッド保持手段は、図6に示したような多面付けされた接続パッドを打ち抜き手段によって個片化すると同時に、吸着パッドで接続パッド保持手段の固定台上に搬送する搬送手段を備えていても良い。
開口部に一致するように接続パッドを配置した状態で、ワイヤコイル実装手段92(ワイヤコイル実装装置)によりワイヤコイル接続部にワイヤコイルを接続する。ワイヤコイル実装装置は、熱圧着装置、半田付け装置、超音波接着装置等が挙げられるが、ワイヤの絶縁被覆を溶融し、ワイヤがワイヤコイル接続部と導通するように接着できるものであれば制限はない。ワイヤコイル実装装置は、その先端を開口部13上のワイヤと接触させるために、上下に稼動する機構を備えている。接続パッド保持手段91の固定台が上方に移動し、接続パッド20が開口部13に配置されると同時にワイヤコイル実装手段の先端がワイヤに接触し、接着するようにすれば、タクトタイムを最小にすることができるので好ましい。なお布線装置同様、接続パッド保持装置及びワイヤコイル実装装置は、一つの列で複数あるいは多面付けされたアンテナシートの数だけ備えていてもよく、複数の列に複数の装置を備えていてもよい。いずれの構成においても、接続パッド保持手段の固定台と、ワイヤコイル実装装置とが、アンテナシートを挟むように配置され、固定台上でワイヤコイル接続部を接続できるように、ワイヤコイル接続部に対して相対的に移動できるように設置される。
上述の工程で接続パッドを接続した段階で、多面付けしたアンテナシートとしてロールに巻き取った状態で出荷することも可能である。
次に、接続パッドにICチップ23を実装する。図5の例では、2つのICチップ接続部を跨ぐようにICチップを配置して電気的に接続する。ICチップの実装は、多面付けされた状態で行っても良いし、アンテナシートを裁断し、個片化した状態で個々に行っても良い。実装には、例えば電極パッドとICチップの間に異方性導電性シートを配置して接着すればよい。さらにICチップを実装した後、ICチップの周囲にアンダーフィル剤を注入したり、ICチップ上に保護層を設けたりしても良い。
なお、ICチップの実装前にアンテナシートの検査工程を設けても良い。アンテナシートの段階における不良品を予め除いておくことにより、無駄になるICチップの数を低減することができる。
ICチップ23を実装した後、必要に応じて第二の基材をインレット300の両面又は片面に積層する。本発明の非接触通信媒体では、RtoRでICチップを実装までを行い、図10に示すように、そのまま加熱圧着ロールで接着層付きの第二の基材70を貼り合わせることができる。なおラミネートは、複数の基材を積層する場合、内側の層から順に行っても良いし、一度に行っても良い。積層方法はこれに限られるものではなく、例えば押し出しラミネート、サンドラミネート等用いることができる。その後、最終的に裁断(打ち抜き)して、例えばカード形状の非接触通信媒体とする。
以上のように、本発明に係る非接触通信媒体の製造方法によれば、アンテナシートとは別に設けた接続パッドにワイヤコイル及びICチップの実装を行うことで、アンテナシートの基材に紙基材やプラスチック基材のようなフィルム基材を用いて、RtoRで生産することができる。すなわち、アンテナシートを搬送しながら、ワイヤコイルの実装あるいはICチップの実装までの工程をインラインで行うことが可能であり、生産性の高い非接触通信媒体とすることができる。
また、アンテナシート基材への接続パッドの接続と、ICチップの実装を別の工程で行うことで、アンテナシートを形成した後に単価の高いICチップを実装することが可能になる。このため、良品のアンテナシートのみにICチップを実装することで、無駄になるICチップの数を減らすことができるから、生産時のコストが低減される。また、アンテナシート基材と別に接続パッドを設け、これにICチップを接続することで、プリント配線基板への実装と同じ方法で、アンテナシートへの実装を行うことができるから、安定したICチップ実装が可能であり、歩留まりが向上する。また、フレキシブルなアンテナシートのみを製造し、ロールの状態で保管し、必要な量のみを巻きだして、アンテナシートにICチップを実装し、非接触通信媒体を製造することができる。このため製造する非接触通信媒体の種類によって複数のICチップを使い分けることも可能である。
本発明の一実施例として、非接触ICカードを作製した実施例を示す。
<接続パッドの作製>
まずスプロケット規格35mmスーパーワイドの両面銅箔付ガラスエポキシ基板を用意した。基板の膜厚は約100μmである。図6に示したような銅箔パターンとなるようにエッチングし、さらにICチップ及びワイヤ実装面を電解めっき法により金めっきした。このように電極パッドのパターンが多面付けされた基板は、リールに巻き取り、打ち抜き装置で各接続パッドがモジュールサイズ(MOA2、フィリップス社規格)に個片化されるように搬送装置にセットした。
<アンテナシートの作製>
アンテナシートの基材として、坪量110g/m、膜厚150μmの上質紙に、ワイヤコイル接着用に網状に形成したホットメルト接着剤からなる接着層を積層したものを用いた。ロール状の基材を搬送しながら、開口部の打ち抜きと、超音波を用いた布線装置により、図1に示すアンテナシートのパターンを、図8に示すように1列に4つのアンテナパターンで多面付けして形成した(図8参照)。
前述の搬送装置にセットされた接続パッドのリールから、接続パッドを打ち抜くとともに、真空吸着パッドで接続パッド保持手段である固定台に、接続パッドの金めっきした面が上面となるように配置した。なお、固定台は、アンテナシート搬送の経路中に、川上の布線装置と、川下のICチップ実装装置の間に設置されており、真空吸着により下方から接続パッドを固定している。さらに、固定台の直上に、アンテナシートを挟むようにワイヤコイル実装装置が設置されている。なお、ワイヤコイル実装装置には、加熱圧着装置(TCボンダー)を用いた。
アンテナシートが搬送装置によって搬送され、アンテナシート基材の開口部13が接続パッドの位置が一致する位置で停止するように制御されている。アンテナシートが停止したところで、固定台を上昇させて開口部に勘合し、ワイヤコイルをワイヤコイル接続部に接触させるとともに、ワイヤコイル実装装置のボンダーヘッドをワイヤに接触させて、ワイヤをワイヤコイル接続部に接着した(図9参照)。次に固定台及びコイル実装装置を元の位置に戻した後、次の接続パッドを固定台上に設置し、同列の隣接するアンテナシート開口部の位置に固定台及びコイル実装装置を移動させて、同じようにワイヤをワイヤコイル接続部に接着した。同様の工程を繰り返して、4つのアンテナパターンに対して接続パッドを固定した。
次に、アンテナシートに固定された接続パッドのICチップ接続部に異方性導電性シートを配置し、異方性導電性シート上にICチップを配置して圧着固定した。さらに、エポキシ樹脂系のアンダーフィル剤をICチップの周囲から注入し、加熱硬化した。
次に、第二の基材として、坪量110g/m、膜厚150μmの上質紙の片面に、接着層として20μmのポリエチレンが塗工されたものを、接着層と、ワイヤコイルが対向するように第二の基材と第一の基材を配置した。さらに最外層の第二の基材として、坪量135g/m、膜厚200μmの上質紙の片面に、接着層として20μmのポリエチレンが塗工されたものを、前述の積層体の上下に配置した(図7(B)参照)。なお、最外層の第二の基材のポリエチレンが形成されていない側の表面は、カード券面の加工として、予め絵柄の印刷とニスコーティングを施した。これらを配置積層した状態で約130℃で加圧することで、各層を加熱圧着し、カード基材を作製した。最後に縦85.6mm×横 54.0mmのサイズにカード基材を裁断し、非接触ICカードとした。
100、200・・アンテナシート
11・・・第一の基材
12・・・ワイヤコイル
13・・・開口部
20・・・接続パッド
21・・・接続パッド用基材
22・・・電極パッド
221・・ワイヤコイル接続部
222・・ICチップ接続部
23・・・ICチップ
300・・非接触通信媒体(インレット)
700・・非接触通信媒体
71・・・第二の基材
73・・・接着層
81・・・布線装置
91・・・接続パッド保持手段
92・・・ワイヤコイル実装手段

Claims (6)

  1. 基材上にワイヤコイルからなるアンテナと、該ワイヤコイルに接続されたICチップを備えた非接触通信媒体の製造方法であって、
    開口部が設けられた第一の基材上に、ワイヤコイルの両端が開口部を跨ぐように基材上にワイヤコイルを固定する工程と、
    ICチップ接続部及びワイヤコイル接続部が形成された導電層パターンを備えた接続パッドを前記開口部に配置し、前記ワイヤコイルをワイヤコイル接続部に接続する工程と、
    前記ワイヤコイル接続部にワイヤコイルが接続された接続パッドの前記ICチップ接続部にICチップを接続する工程と、
    を有する非接触通信媒体の製造方法。
  2. 第一の基材の平均膜厚をd1、接続パッドの平均膜厚をd2、ICチップを接続パッドに接続したときの接続パッドの底部からICチップの頭頂部までの高さd3としたとき、
    d3≧d1≧d2
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の非接触通信媒体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の非接触通信媒体の製造方法であって、
    前記ICチップを前記ICチップ接続部に接続する工程の後に、
    第二の基材を前記第一の基材の少なくともワイヤコイル形成面に貼り合わせる工程を有することを特徴とする非接触通信媒体の製造方法。
  4. 前記第一の基材が、紙基材であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の非接触通信媒の製造方法。
  5. 第一の基材の平均膜厚をd1、接続パッドの平均膜厚をd2としたとき、
    |d1―d2|≦100μm
    を満たすことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の非接触通信媒体の製造方法
  6. 前記ICチップを前記ICチップ接続部に接続する工程は、
    前記ワイヤコイルが固定された前記第一の基材を重力方向で下向きに向けて行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の非接触通信媒体の製造方法
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