JP5671432B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明はポリアセタール樹脂組成物に関する。
エンジニアリングプラスチックスのポリアセタール樹脂は、優れた機械的性質、摺動特性、摩擦・磨耗特性、耐熱性、成形加工性などを有している。このため、その特性を利用して、ポリアセタール樹脂を配合した種々の樹脂組成物が開発され、自動車、OA機器などの基幹部品として用いられている。
このような樹脂組成物として、下記特許文献1に開示されるものが知られている。下記特許文献1には、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸、ならびに、その他の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物が開示され、さらに、その熱可塑性樹脂が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、脂肪族ポリケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびセルロースエステル樹脂から選ばれることが開示されている。
特許第4232473号公報
ポリアセタール樹脂組成物は、耐衝撃性、機械特性、および、耐熱性に優れることが重要である。
しかし、特許文献1に記載の樹脂組成物は、耐熱性の点で改善の余地を有していた。ここで、本発明者らは、樹脂組成物にポリ乳酸が含まれることで樹脂組成物の耐熱性が低下するのではないかと考えた。そこで、ポリアセタール樹脂組成物にポリ乳酸を配合させなかったところ、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱性が向上することが確認された。しかし、この場合、ポリアセタール樹脂組成物において分散性が低下する構成成分があることを本発明者らは見出した。このことは、ポリアセタール樹脂組成物の破断面を観察した際に、大きな粒状物が確認される場合があったことから判明したものである。このため、ポリアセタール樹脂組成物における構成成分の分散性が良好であるときに発揮されるポリアセタール樹脂組成物本来の性能が十分に発揮しきれていなかった。すなわち、ポリアセタール樹脂組成物において、耐衝撃性等の特性に劣る部分が存在しており、全体として優れた耐衝撃性、機械特性、耐熱性を付与することができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐衝撃性、機械特性、耐熱性を有しつつ、構成成分の分散性を高めることができるポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱性を低下させつつ優れた分散性を有する構成成分について研究を重ねた結果、セルロースエステル樹脂の中でも特許文献1に開示されていないセルロースアセテートブチレートがポリアセタール樹脂組成物の耐熱性を低下させつつ、優れた分散性を有することを突き止めた。こうして本発明者らは、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、ポリアセタール樹脂(A)とセルロースアセテートブチレート(B)とからなる樹脂を含み、前記樹脂中の前記ポリアセタール樹脂(A)及び前記セルロースアセテートブチレート(B)の合計含有率が100質量%であり、前記樹脂中の前記ポリアセタール樹脂の含有率が40〜95質量%であり、前記セルロースアセテートブチレート(B)1分子中のブチリル基の含有率が30〜55質量%である、ポリアセタール樹脂組成物である。
このポリアセタール樹脂組成物は、優れた耐衝撃性、機械特性及び耐熱性を有しつつ、構成成分の分散性を高めることができる。このため、ポリアセタール樹脂組成物によれば、全体として優れた耐衝撃性、機械特性、耐熱性を有することが可能となる。
上記ポリアセタール樹脂組成物において、前記セルロースアセテートブチレート(B)の数平均分子量が30,000〜60,000であり、前記ポリアセタール樹脂(A)のメルトボリュームフローレイトが2.0〜25.0cm/10minであることが好ましい。
この場合、セルロースアセテートブチレートの数平均分子量が上記範囲を外れる場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の強度をより高くすることができる。またポリアセタール樹脂のメルトボリュームフローレイトが2.0〜25.0cm/10minの範囲にあると、ポリアセタール樹脂のメルトボリュームフローレイトが2.0cm/10min未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の流動性がより向上し、25.0cm/10minを超える場合に比べて、より優れた耐衝撃性及び機械特性が得られたり、セルロースアセテートブチレートの分散性がより高くなったりする。
なお、本発明において、「数平均分子量」とは、クロロホルムを溶媒としてGPC(昭和電工(株)製GPC System−11使用)によりスチレン換算のMnとして測定されるものを言う。
また「メルトボリュームフローレイト」とは、ポリアセタール樹脂について、ISO 1133に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgの条件下で測定される値を言う。
本発明によれば、優れた耐衝撃性、機械特性、耐熱性を有しつつ、構成成分の分散性を高めることができるポリアセタール樹脂組成物が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ポリアセタール樹脂(A)とセルロースアセテートブチレート(B)とからなる樹脂を含み、樹脂中のポリアセタール樹脂(A)及びセルロースアセテートブチレート(B)の合計含有率が100質量%である、ポリアセタール樹脂組成物である。
このポリアセタール樹脂組成物は、優れた耐衝撃性、機械特性、耐熱性を有しつつ、構成成分の分散性を高めることができる。このため、ポリアセタール樹脂組成物によれば、全体として優れた耐衝撃性、機械特性、耐熱性を有することが可能となる。
<樹脂>
樹脂は、ポリアセタール樹脂(A)とセルロースアセテートブチレート(B)とからなる。以下、ポリアセタール樹脂(A)、および、セルロースアセテートブチレート(B)の各々について詳細に説明する。
(A)ポリアセタール樹脂
ポリアセタール樹脂は、2価のオキシメチレン基を構成単位とするものである。本発明に用いるポリアセタール樹脂は、この構成単位のみからなるアセタールホモポリマー以外に、オキシメチレン基以外の繰り返し構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックコポリマー)やターポリマー等も含み、更には線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
上記ポリアセタール樹脂を製造するためには通常、トリオキサンを含む主原料が用いられる。主原料は、上記アセタールホモポリマーを製造する場合には、トリオキサンのみで構成される。上記コポリマーやターポリマーを製造する場合には、主原料は、トリオキサンのほか、コモノマーをも含む。
コポリマーやターポリマーの製造に用いるコモノマーとしては、環状ホルマールやエーテルが挙げられる。具体例としては、1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−プロピル−1,3−ジオキソラン、2−ブチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−フェノキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−クロルメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキカビシクロ[3,4.0]ノナン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、プチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキシタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、およびオキセパン等が挙げられる。これらの中でも1,3一ジオキソランが特に好ましい。
コモノマーの添加量は、トリオキサン100重量部に対して0.2〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部である。コモノマーの添加量が30重量部より多い場合は重合収率が低下し、0.2重量部より少ない場合は熱安定性が低下する。
ポリアセタール樹脂のメルトボリュームフローレイト(以下、「MVR」と呼ぶ)は通常は1.0cm/10min以上である。ポリアセタール樹脂のMVRは、より優れた耐衝撃性、機械特性をポリアセタール樹脂組成物に付与するという観点からは、好ましくは2.0cm/10min以上である。但し、ポリアセタール樹脂のMVRは、25.0cm/10min以下であることが好ましい。この場合、MVRが25.0cm/10minを超える場合に比べて、より優れた耐衝撃性及び機械特性が得られたり、セルロースアセテートブチレートの分散性がより高くなったりする。
(B)セルロースアセテートブチレート
セルロースアセテートブチレートは、セルロースアセテートの一部をブチリル基に変性したものである。
ここで、セルロースアセテート中のブチリル基の含有率は通常は30質量%以上であり、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。セルロースアセテート中のブチリル基の含有率は40質量%以上であると、セルロースアセテートブチレート中のブチリル基の含有率が40質量%未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の伸びをより大きくすることができる。但し、セルロースアセテート中のブチリル基の含有率は55質量%以下であることが好ましい。セルロースアセテート中のブチリル基の含有率が55質量%以下であると、55質量%を超える場合に比べて、より耐熱性を向上させることができる。
またセルロースアセテートブチレートの数平均分子量は通常、12,000〜70,000であり、より優れた耐衝撃性、機械特性及び耐熱性をポリアセタール樹脂組成物に付与するためには、好ましくは30,000〜60,000であり、より好ましくは35,000〜50,000である。ここで、ポリアセタール樹脂(A)のMVRが2.0〜25cm/10minである場合には、セルロースアセテートブチレート(B)の数平均分子量は30,000〜60,000であることが好ましい。この場合、セルロースアセテートブチレートの数平均分子量が上記範囲を外れる場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の強度をより高くすることができる。またポリアセタール樹脂のMVRが2.0cm/10min未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の流動性がより向上し、25.0cm/10minを超える場合に比べて、より優れた耐衝撃性及び機械特性が得られたり、セルロースアセテートブチレートの分散性がより高くなったりする。
ポリアセタール樹脂組成物において、樹脂として含まれるのは、ポリアセタール樹脂(A)とセルロースアセテートブチレート(B)の二成分のみであり、ポリ乳酸等の他の樹脂は含まれない。
ここで、樹脂中のポリアセタール樹脂の配合率は通常、40〜99質量%であり、好ましくは50〜95質量%であり、より好ましくは60〜90質量%である。樹脂中のポリアセタール樹脂の配合率が40〜99質量%であると、樹脂中のポリアセタール樹脂の配合率が40質量%未満である場合に比べて、より優れた耐衝撃性、機械特性、耐熱性をポリアセタール樹脂組成物に付与することが可能となる。
(C)添加剤
ポリアセタール樹脂組成物には、加水分解抑制剤、公知の酸化防止剤、熱安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を配合することができる。加水分解抑制剤としては、ポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。酸化防止剤としては、例えばトリエチレングリコール−ビス〔3(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられ、熱安定剤としては、例えばメラミンが挙げられる。
更に、ポリアセタール樹脂組成物には、着色剤、核剤、可塑剤、蛍光増白剤、又はペンタエリスリトールテトラステアレート等の脂肪酸エステル系又はシリコン系化合物等の離型剤、摺動剤、ポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、高級脂肪酸塩、ペンゾトリアゾール系またはペンゾフェノン系化合物のような紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系のような光安定剤等の添加剤を所望により添加することができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、例えば自動車内装部品、家屋等の内装部品(熱水混合栓等)、衣料部品(ファスナー、ベルトバックル等)や建材用途(配管・ポンプ部品等)、電機部品(プリンター、複写機、ファクシミリなどの事務用機器や、時計部品などの精密機器等の樹脂部品、歯車等)などの部品に成形することが可能である。
成形方法は、特に限定されるものではなく、成形方法としては、射出成形法、押出成形法などが用いられる。
以下、本発明について実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜11)
(A)ポリアセタール樹脂(POM)、(B)セルロースアセテートブチレート(CAB)および(C)加水分解抑制剤を表1及び表2に示す配合量(単位は質量部)で、タンブラーにて20分間混合した。得られた混合物を押出機(池貝鉄工社製、型式:PCM−30)を用いて、シリンダ温度190℃、吐出速度10kg/hrで溶融混練し、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
(比較例1)
(A)POM、ポリ乳酸(PLA)および(C)加水分解抑制剤を表2に示す配合量(単位は質量部)で混合したこと以外は実施例1と同様にしてポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
(比較例2)
(A)POM、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)および(C)加水分解抑制剤を表2に示す配合量(単位は質量部)で混合したこと以外は実施例1と同様にしてポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
なお、表1及び表2に示すポリアセタール樹脂(POM1〜4)、ポリ乳酸(PLA)、CAB(CAB1〜6)、CAPおよび加水分解抑制剤としてはそれぞれ、以下のものを使用した。
1)ポリアセタール樹脂
POM1:F20−03(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
POM2:F10−02(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
POM3:F30−03(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
POM4:V20−HE(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
2)ポリ乳酸(PLA)
テラマックTE−2000(ユニチカ社製)
3)CAB
CAB1:CAB 531−1(商品名、イーストマンケミカル社製)
CAB2:CAB 381−20(商品名、イーストマンケミカル社製)
CAB3:CAB 381−2(商品名、イーストマンケミカル社製)
CAB4:CAB 551−0.01(商品名、イーストマンケミカル社製)
CAB5:CAB 551−0.2(商品名、イーストマンケミカル社製)
CAB6:CAB 500−5(商品名、イーストマンケミカル社製)
4)CAP
CAP482−0.5(商品名、イーストマンケミカル社製)
5)加水分解抑制剤
カルボジライトLA−1(商品名、日清紡ケミカル社製)
[特性評価]
(1)耐衝撃性
ポリアセタール樹脂組成物の耐衝撃性は、ポリアセタール樹脂組成物のノッチなしシャルピー衝撃強度を測定し、その測定値に基づいて評価した。
ノッチなしシャルピー衝撃強度については以下のようにして測定した。
<ノッチなしシャルピー試験用試験片の作製>
まず東芝機械社製射出成形装置EC−100Sを用い、シリンダ温度195℃、金型温度90℃にて、実施例1〜11及び比較例1〜2で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを射出成形し、JIS K 7113に記載された4mm厚ISO1号ダンベル試験片を作製し、これをノッチなしシャルピー試験用試験片とした。
<ノッチなしシャルピー衝撃強度の測定>
上記ノッチなしシャルピー試験用試験片を用い、ISO−179に記載の方法に準拠してエッジワイズ平行試験方法によりノッチなしシャルピー衝撃強度を測定した。結果を表1及び表2に示す。なお、表1において「NB」とは、最も重い秤量(15J)でノッチなしシャルピー衝撃強度を測定しても試験片が破壊しなかったことを表す。ノッチなし衝撃強度の合格基準は以下の通りとした。
・87.0kJ/m以上
(2)機械特性
ポリアセタール樹脂組成物の機械特性は、ポリアセタール樹脂組成物からなる試験片について引張試験を行って算出された引張弾性率、引張降伏強度、引張破壊点呼び歪の値に基づいて評価した。ここで、ポリアセタール樹脂組成物からなる試験片は、以下のようにして成形した。すなわち、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを、射出成型機(東芝機械社製射出成形装置EC−100S)を使用して、シリンダ温度195℃、金型温度90℃の条件で成形した。こうして試験片を得た。また引張試験は具体的には、ISO527−1,527−2に記載の方法に従って、引張試験速度50mm/分で行った。結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2において、引張弾性率、引張降伏強度、引張破壊点呼び歪の合格基準は、以下の通りとした。
1)引張弾性率:1980MPa以上
2)引張降伏強度:50MPa以上
3)引張破壊点呼び歪:9.0%以上
(3)耐熱性
耐熱性は、ISO多目的試験片(4mm)を用い、ISO75−1及びISO75−2に準拠して荷重1.80MPaの条件で測定した荷重たわみ温度(DTUL:Distortion Temperature Under Load)に基づいて評価した。なお、耐熱性の合格基準は以下の通りとした。
・DTULが69.0℃以上
(4)分散性
ノッチなしシャルピー衝撃強度の測定に使用した結果、破断されたノッチなしシャルピー試験用試験片について、その破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。結果を表1及び表2に示す。なお、分散性については以下の基準を設け、A〜Cについては合格とし、Dについては不合格とした。
・A:粒状物が全く確認されない
・B:2μm以下の小さい粒径を有する粒状物が確認される
・C:2μmより大きく3μm以下の粒径を有する粒状物が確認される
・D:3μmを超える粒径を有する粒状物が確認される

Figure 0005671432

Figure 0005671432
表1及び表2に示すように、実施例1〜11はすべて、耐衝撃性、機械特性、耐熱性および分散性の点で合格基準を満たすことが分かった。これに対し、比較例1は、耐熱性の点では合格基準を満たさないことが分かった。また比較例2は、構成成分の分散性の点で合格基準を満たさないことが分かった。
従って、本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、優れた耐衝撃性、機械特性及び耐熱性を有しつつ、構成成分の分散性を向上させることができることが確認された。

Claims (2)

  1. ポリアセタール樹脂(A)とセルロースアセテートブチレート(B)とからなる樹脂を含み、
    前記樹脂中の前記ポリアセタール樹脂(A)及び前記セルロースアセテートブチレート(B)の合計含有率が100質量%であり、
    前記樹脂中の前記ポリアセタール樹脂の含有率が40〜95質量%であり、
    前記セルロースアセテートブチレート(B)1分子中のブチリル基の含有率が30〜55質量%である、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記セルロースアセテートブチレート(B)の数平均分子量が30,000〜60,000であり、前記ポリアセタール樹脂(A)のメルトボリュームフローレイトが2.0〜25.0cm/10minである、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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