JP5668960B2 - 防眩層形成用金型の製造方法、防眩性フィルムの製造方法及び防眩性板の製造方法 - Google Patents

防眩層形成用金型の製造方法、防眩性フィルムの製造方法及び防眩性板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は防眩層形成用金型、防眩性フィルム及び防眩性板の製造方法に関する。
電子情報に基づいて、静止画像や動画を表示する表示装置(=ディスプレイ)としては様々なものが知られており、現在、市場に出回っているものとしてはCRT、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、もしくはエレクトロルミネッセンスディスプレイ等がある。
これら表示装置を駆動して画像を眺める際には、画面に、観察者の背後にあるものが写って見えることがあり、特に、室内の照明装置や、屋外光がある場合には、光源が写って見え、画像の視認性を著しく損なうことがある。
また、コンピュータへの入力手段の一つにタッチパネルがあるが、中でも、表示装置の画面上で操作するタッチパネルは、選択してタッチすべき箇所を、自由に作成して、表示装置の画面に表示できるので、便利である。しかし、タッチ入力する頻度が多いと、指紋の付着や傷付きの原因となる上、種々の耐久性が必要になる。
従来から、画面に室内の照明装置や、太陽が写って見えるのを防止する目的では、透明プラスチックフィルム上に、有機質もしくは無機質の微小なビーズを配合した塗料組成物を塗布し、塗布後、乾燥、もしくは固化させて防眩層を形成した防眩性フィルムが用いられている(特許文献1)。しかしながら、この製造方法により製造される防眩性フィルムに使用されている、有機質もしくは無機質の微小なビーズは、使用中に脱落し、防眩性フィルムを擦ることによる傷の発生が避けられない上、製造時、ビーズを配合した塗料組成物を塗布する際に、スジが生じたり、塗布ムラが生ずる等、均一な防眩性を得ることが難しい。また、このようにして得られた防眩性フィルムをタッチパネルの表面材として使用する際に、指やタッチ用ペンで表面を触れると、脱落したビーズが防眩性フィルムを擦るため、傷の発生を助長するものである。さらには塗膜が空気にさらされるため、塵を含む欠陥が発生しやすいといった問題点があった。
そこで、硬度を備えた防眩層を持つ光学フィルムの作製方法としてブラスト処理を利用して所望の凹凸を有する金型を作成し、該金型を鋳型として金型とフィルム間に活性エネルギー線重合性組成物を注入し、硬化させ、剥離することで目的の凹凸を有する防眩性フィルムを製造する方法が開示されている(特許文献2)。
しかしながら金型にブラスト処理を施したままでは、ブラストにより得られる凹凸形状を制御することが困難である。この凹凸を転写して得られる防眩性フィルムをディスプレイ上に配置すると凹凸とディスプレイの画素ピッチで光が干渉して輝度ムラとなる「ぎらつき」と呼ばれる欠陥が出てしまう。
特許文献3には、ぎらつきを制御することに関して記載されているが、フィルム表面で発生する乱反射により、ディスプレイの画像が白みがかってしまう「白ちゃけ」と呼ばれる欠陥が生じることがある。
特許文献4には、金型となる基材表面に下地めっきを施し、そのめっき表面に微粒子をぶつけることにより凹凸を形成し、その凹凸形状を鈍らせる加工を施した後、その凹凸面にクロムめっきを施して作成することによりくぼみの深さを制御した金型の製造方法が開示されている。
しかしながら、クロムめっきでは表面に微細な荒れが生じやすく、凹凸形状を精密に制御することができない。
特開2004−341553号公報 特開2004−090187号公報 国際公開第2008/072581号パンフレット 特開2007−237541号公報
そこで本発明は、このような課題を解消するためになされたものである。その目的は高い防眩機能を示す防眩性フィルムの製作に有用な、表面に微細な凹凸形状を有する防眩層形成用金型を提供し、さらに、その金型を用いて、優れた防眩機能を示しながら、白ちゃけによる視認性の低下が十分に防止され、高精細の画像表示装置の表面に配置したときにぎらつきの発生しない防眩性フィルム、防眩性板を製造する方法を提供することである。
本発明は、金型を構成する金属部材の一面にブラスト処理することにより微細凹凸構造(A)を有する面を形成し、その面上に電解ニッケルめっき層を設けることにより微細凹凸構造(B)を有する面を形成する防眩層形成用金型の製造方法であって、微細凹凸構造(A)の平均長さSm1、算術平均傾斜角R△a1、及び算術平均高さRa1、並びに微細凹凸構造(B)の平均長さSm2、算術平均傾斜角R△a2、及び算術平均高さRa2が下記式(1)〜(6)で表される範囲にある防眩層形成用金型の製造方法である。
Sm1 ≦50μm (1)
2.4°≦ R△a1 <5.0° (2)
0.14μm≦ Ra1 <0.4μm (3)
Sm2 ≦50μm (4)
1.0°≦ R△a2 <2.5° (5)
0.05μm≦ Ra2 <0.2μm (6)


また、本発明は、前記防眩層形成用金型上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を介して透明樹脂フィルムを積層し、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後前記金型から剥離して得られる、防眩層形成用金型の微細凹凸構造が転写された防眩層を有する防眩性フィルムの製造方法である。
また、本発明は、透明樹脂板上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を介して前記防眩性フィルムを、その微細凹凸構造を有する面が内側となるように積層し、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後前記防眩層を有する防眩性フィルムを剥離して得られる、防眩性フィルムの防眩層の微細凹凸構造が転写された防眩層を有する防眩性板の製造方法である。
本発明によれば、表面に荒れのない微細な凹凸形状が形成された防眩層形成用金型を提供するものである。また本発明の防眩層形成用金型を用いてことで優れた防眩機能を示しながら、白ちゃけによる視認性の低下が十分に防止され、高精細の画像表示装置の表面に配置したときにぎらつきの発生しない防眩性フィルム、防眩性板を提供するものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
防眩層形成用金型の製造
本発明による防眩層形成用金型の製造方法は、金型を構成する金属部材の一面にブラスト処理することにより微細凹凸構造(A)を有する面を形成し、その面上に電解ニッケルめっき層を設けることにより微細凹凸構造(B)を有する面を形成する防眩層形成用金型の製造方法であって、微細凹凸構造(A)の平均長さSm1、算術平均傾斜角R△a1、及び算術平均高さRa1、並びに微細凹凸構造(B)の平均長さSm2、算術平均傾斜角R△a2、及び算術平均高さRa2が下記式(1)〜(6)で表される範囲にある防眩層形成用金型の製造方法であることを特徴としている。
Sm1 ≦ 50μm ・・・(1)
2.4°≦ R△a1 < 5.0° ・・・(2)
0.14μm≦ Ra1 < 0.4μm ・・・(3)
Sm2 ≦ 50μm ・・・(4)
1.0°≦ R△a2 < 2.5° ・・・(5)
0.05μm≦ Ra2 < 0.2μm ・・・(6)

以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
本発明の防眩層形成用金型に使用する好適な金属部材としてはコストの観点からアルミニウムや鉄などが挙げられる。ここでアルミニウムや鉄は、それぞれ純金属であってもよいし、アルミニウム又は鉄を主体とする合金であってもよい。
さらに、より好ましい金型として、金属部材の表面に予め銅めっき又はニッケルめっきを施すとよい。この際施すめっき層をめっき層(a)とする。
銅めっき又はニッケルめっきを施す際には、めっき層(a)があまり薄いと、下地表面の影響が排除しきれないことから、その厚みは10μm以上であるのが好ましい。めっき層(a)の厚みの上限はコスト等から、一般には500μm程度までで十分である。また、めっき層(a)に銅めっきを採用する際には表面が酸化し、腐食による形状変化が起こることがあるため、薄くニッケルめっきを施すことが好ましい。この際に施すニッケルめっきは銅の特性を低減させないために、10μm以下が好ましい。
金型の形状は、平板であってもよいし、円柱状又は円筒状のロールであってもよい。ロール状の基材を用いて金型を作製すれば、防眩フィルムを連続的なロール状で製造することができる。
また、金属部材は、鏡面に近い状態に研磨されていることが好ましい。なぜならば、基材となる金属板や金属ロールは、所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っているためである。めっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあるし、また、めっきした状態で、表面が完全に平滑になるとは限らない。深い加工目などが残った状態では、微粒子をぶつけて基材表面を変形させても、微粒子により形成される凹凸よりも加工目などの凹凸のほうが深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性がある。そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。
ブラスト処理の方法としては、サンドブラスト法、ショットブラスト法、液体ホーニング法などがある。これらの加工に用いられる粒子としては、鋭い角があるような形状よりは、球形に近い形状であるほうが好ましい。例えば、ガラス、ジルコニア、アルミナ、スチールやステンレススチールのビーズが好ましい。さらには、樹脂バインダーにセラミックスや金属の粒子を担持させた粒子を用いてもよい。
ブラスト処理において、ぶつける微粒子としては、平均粒径が10〜50μmのもの、特に球形の微粒子を用いることにより、優れた防眩性能を示す防眩フィルムを作製することができる。微粒子の平均粒径が10μmより小さいと、基材のめっきが施された表面に十分な凹凸を形成することが困難となり、十分な防眩性能が得られにくくなる。一方、微粒子の平均粒径が50μmより大きいと、表面凹凸が粗くなり、ぎらつきが発生したり、質感が低下したりする。
また、ブラスト処理の際の圧力や微粒子の使用量、ブラスト噴射口と金型表面の距離も、加工後の凹凸形状、延いては防眩フィルムの表面形状に影響するが、一般には、ゲージ圧で0.1〜0.4MPa程度の圧力、また処理される金属の表面積1cm当たり4〜30g程度の微粒子量、ブラスト噴射口と金型表面の距離100mm〜500mmから、用いる微粒子の種類や粒径、金属の種類、所望の凹凸形状などに応じて、適宜選択すればよい。
本発明における金属部材にブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)に対して設けるめっき層(b)は電解ニッケルめっきである。ニッケルめっきを施すことにより、防眩層形成用金型の表面が保護され、傷つきにくくなる。また、電解ニッケルめっきであることにより、ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)のうち、急峻な凹凸を持つ先端部に電界集中が起こり、優先的にめっきされることにより凹凸を鈍らせる効果が高まり、転写して得られる防眩性フィルムの白ちゃけ改善がなされるものである。
その他の硬度を持った汎用性の高い電気めっきとしてクロムが挙げられるが、前述の通り、表面に微細な荒れを生じやすく、凹凸形状を精密に制御することができない。
凹凸を鈍らせる加工として電解ニッケルめっきを採用する場合、凹凸の鈍り具合は、下地金属の種類、ブラストなどの手法により得られた凹凸のサイズと深さ、まためっきの種類や厚みなどによって異なるため、一概には言えないが、鈍り具合を制御するうえで最も大きな因子はめっき厚みである。電解ニッケルめっき層の厚みが薄いと、ブラストなどの手法により得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方でめっき厚みが厚すぎると、生産性が悪くなるうえ、凹凸形状がほとんどなくなってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。そこで、電解ニッケルめっき層(b)の厚みは1μm以上20μm以下となるようにするのが好ましく、さらには10μm以下であるのがより好ましい。
本発明における金属部材にブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)は、平均長さSm1が50μm以下、算術平均傾斜角R△a1が2.4°以上5.0°未満、算術平均高さRa1が0.14μm以上0.4μm未満である。
さらに、その上に電解ニッケルめっき層(b)を設けることで、形成された防眩層形成用金型の表面は、Sm2が50μm以下、R△a2が1.0°以上2.5°未満、Ra2が0.05μm以上0.2μm未満である。
ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)に電解ニッケルめっき層(b)を設けた後の防眩層形成用金型の微細凹凸構造(B)のSm2が50μmを越えると、転写して得られる防眩性フィルムにぎらつきが発生してしまう。
ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)に電解ニッケルめっき層(b)を設けた後の防眩層形成用金型のR△a2が1.0°未満であると前述のブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(B)が平滑面に近づいてしまうため防眩性が失われてしまい、R△a2が2.5°以上であると、転写して得られる防眩性フィルムの白ちゃけが解消されない。
ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)に電解ニッケルめっき層(b)を設けた後の防眩層形成用金型のRa2が0.05μm未満であると白ちゃけが解消されるが、平滑面に近づいてしまうため防眩性が失われてしまい、Ra2が0.2μm以上であると、転写して得られる防眩性フィルムの白ちゃけが解消されない。
ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)のSm1が50μmを超える場合、電解ニッケルめっき層(b)を設けた後の防眩層形成用金型の微細凹凸構造(B)のSm2も50μmを越えてしまい、転写して得られる防眩性フィルムにぎらつきが発生してしまう。
さらに、ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)のR△a1が2.4°未満であると前述のブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(B)で発生する白ちゃけが解消されない。
また、ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)のR△a1が5.0°以上であると、電解ニッケルめっき層(b)を設けた後の防眩層形成用金型を転写して得られる防眩性フィルムにぎらつきが発生したり、質感が低下したりする。
ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)のRa1が0.14μm未満であると前述のブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(B)で発生する白ちゃけが解消されない。
ブラスト処理を施すことで形成された微細凹凸構造(A)のRa1が0.4μm以上であると、電解ニッケルめっき層(b)を設けた後の防眩層形成用金型を転写して得られる防眩性フィルムにぎらつきが発生したり、質感が低下したりする。
防眩性フィルム及び防眩性板の製造
また、本発明では前記防眩層形成用金型上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を介して透明樹脂フィルムを積層し、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後前記金型から剥離して得られる。その際、防眩層形成用金型の微細凹凸構造が防眩性フィルムの防眩層に転写される。防眩性フィルムの厚さとしては、機械的強度の観点から1μm以上であることが好ましく、また凹凸形状の転写性の観点から300μm以下であることが好ましい。
また、本発明では前記透明樹脂板上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を介して請求項2に記載の防眩性フィルムを、その微細凹凸構造を有する面が内側となるように積層し、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後前記防眩層を有する防眩性フィルムを剥離して得られる。その際、防眩性フィルムの防眩層の微細凹凸構造が防眩性板の防眩層に転写される。防眩性板の厚さとしては、機械的強度の観点から0.5mm以上であることが好ましく、また生産性の観点から20mm以下であることが好ましい。
前記透明樹脂フィルムは、透明性、耐溶剤性に優れ、酸素透過性の低いものが好ましい。例えば、PETフィルム、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル系フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系フィルム、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィルム等が挙げられる。特に好ましいものとしては、PETフィルムが挙げられる。フィルムの厚みは、フィルム強度を維持する目的で1μm以上が好ましい。また、凹凸層の密着性を確保する観点から表面に各種の易接着加工を施したものが好ましい。
前記活性エネルギー線重合性組成物としては、紫外線等の活性エネルギー線の照射により、硬化するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物を含んだ組成物(コーティング剤)とすることができる。;該組成物はシリコーン系やメラミン系化合物を含んでもよい。
中でも、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型の組成物が硬化速度が速く生産性に優れるため好ましい。
活性エネルギー線重合性組成物を構成する、重合性化合物の好適なものとしては、1モルの多価アルコールと、2モル以上の(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物;多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物;3量化により得られるポリイソシアネート1モル当たりに、活性水素を有するアクリルモノマー3モル以上を反応させて得られる化合物等を挙げることができる。具体的には、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等の1モルの多価アルコールと、2モル以上の(メタ)アクリル酸とから得られるエステル化物を挙げることができる。
また、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等の多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸とから得られる、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する直鎖状のエステル化物を挙げることができる。
また、3量化により得られるポリイソシアネート(たとえば、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と、活性水素を有するアクリルモノマー(たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等)とを、ポリイソシアネート1モル当たりにアクリルモノマー3モル以上を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチレン]イソシアヌレート;公知のエポキシポリアクリレート;公知のウレタンポリアクリレート等を挙げることができる。上述した重合性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤は、特に限定されるものではなく、たとえばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。上述した光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の添加量は、重合性化合物100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であると、活性エネルギー線重合性組成物の硬化性が向上する傾向がある。また、10質量部以下であると、硬化後の着色が発生しない傾向がある。
さらに、活性エネルギー線重合性組成物へは必要に応じて従来から使用されている種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、界面活性剤、レベリング剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、難燃剤、可塑剤等を挙げることができる。
活性エネルギー線重合性組成物の供給方法は、特に限定されるものではなく、公知の供給方法を用いることができる。供給方法としては、例えば、透明樹脂フィルムに対してマイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などで塗工することが挙げられる。
活性エネルギー線重合性組成物の乾燥後の平均膜厚は、好ましくは3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましい。また30μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。膜厚が薄すぎると、所望の凹凸を得ることが困難となり、膜厚が厚すぎると、透明樹脂フィルムが大きくカールすることがある。
活性エネルギー線重合性組成物は活性エネルギー線を照射することによって硬化する。活性エネルギー線としては紫外線が好ましく、活性エネルギー線の光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、高周波誘導水銀ランプ、ケミカルランプ等が適している。
積算照射量は、重合性組成物の硬化特性などを考慮して適宜選択することが好ましい。また、照射の雰囲気としては、樹脂硬化の程度に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガス、または空気の雰囲気が挙げられる。
また本発明では得られた防眩性フィルムを鋳型フィルムとして用い、鋳型フィルムの凹凸面と透明樹脂板との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給して、該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を薄膜の形態となし、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて、該薄膜の表面に鋳型フィルムの凹凸構造を転写した透光性薄膜を形成することにより、得られる防眩性板。
本発明で使用される透明樹脂板としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及びセルロース系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は画像表示装置の視認性向上を目的として使用する際には透明性の良好なものが好ましく、透明性や易成形性の点で、メタクリル系樹脂がより好ましい。
鋳型用フィルムは活性エネルギー線重合性組成物の硬化物からの剥離性を向上させる目的でその凹凸面にコロナ処理等の放電処理を施してもよい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで、実施例、比較例で使用した化合物の略称は以下の通りである。
M400:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート M−400(東亞合成(株)製)
TAS:トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル(大阪有機(株)製)
M−305:ペンタエリスルトールトリ/テトラアクリレート(東亞合成(株)製)
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)社製)
ルシリンTPO:ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)社製)
コスモシャインA4100:PETフィルム(東洋紡績(株)社製)
アクリライトL:アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製)
また、実施例、比較例で行った評価方法は下記の通りである。
(表面粗さの測定方法)
平均長さSm、算術平均傾斜角R△a、算術平均高さRaは触針粗さ計SURFCOM1400LCDを用い、JIS B0601(1994)及びB0031(1994)にしたがって測定を行った。なお、算術平均傾斜角R△aは、触針粗さ計の測定方向の座標をxとして得られた粗さ曲線関数g(x)から下式より求めた。
R△a=tan−1[(1/L)∫ L|(d/dx)g(x)|dx]
ここでLは測定長さである。
(防眩性の目視評価)
防眩フィルムに対して、裏面反射を抑える目的で裏面を紙やすりにて荒らした後に黒色スプレー塗装を施し、凹凸面を上向きにして水平に置いた。東芝製二灯蛍光灯を法線方向から45°、高さ30cmの位置に配置し、正反射した蛍光灯像を目視観察した。
1:蛍光灯像輪郭は判別できる。
2:蛍光灯像が見えるが輪郭がぼやける
3:蛍光灯像が判別できない。
(白ちゃけ)
防眩性フィルムに対して、裏面反射を抑える目的で裏面を紙やすりにて荒らした後に黒色スプレー塗装を施し、凹凸面を上向きにして水平に置いた。東芝製二灯蛍光灯を法線方向から45°、高さ30cmの位置に配置し、法線方向から漆黒感を凹凸のないフィルムと比較観察した。
1:漆黒感がない
2:漆黒感が薄い
3:漆黒感がある。
(ぎらつき)
画素ピッチ200μの液晶に対して水を垂らした上に防眩性フィルムをのせ、ディスプレイとフィルム間の間隔を埋めた上で、緑色の画像を表示させたときのぎらつきを法線方向から目視観察した。
1:ぎらつきが見える
2:ぎらつきが見えにくい
3:ぎらつきが見えない
(実施例1)
鏡面研磨したSUS304製の板に50μmの電解銅めっきを施し、その上から0.6μmの無電解ニッケルめっきを施した金属板を作成し、ロール表面から220mmの距離に8mmφのブラストノズルを配置し、該金属板に対して垂直に吐出圧0.15MPaで#400のガラスビーズ(中心粒径45μm以下)を全面に吹付け、微細凹凸構造を持つ金型を作製した。該金型の表面粗さを測定したところ、Raは0.15μm、Smは39μm、R△aは2.5°という値を示した。
該金型に対して電解ニッケルめっきを2μm施し、防眩層形成用金型を得、該金型の表面粗さを測定した。該金型の表面粗さを測定した所、Raは0.08μm、Smは40μm、R△aは1.4°という値を示した。
M400 25質量部
TAS 30質量部
M−305 35質量部
C6DA 10質量部
ルシリンTPO 2質量部
上記原料からなる活性エネルギー線重合性組成物を、防眩層形成用金型上に塗工し、コスモシャインA4100易接着面を塗工面として被せ、プレスロールで圧接し活性エネルギー線重合性組成物の厚みを12μmとなるように展延した。その後出力84W/cmのメタルハライドランプを用いて、積算光量で800mJ/cmの紫外線を前記フィルム側から照射することによって活性エネルギー線重合性組成物を硬化させた。硬化後コスモシャインA4100を剥離することで防眩性フィルムを得た。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、良好な光学特性を持っていた。金型の表面粗さ測定結果及び防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
(実施例2)
SUS製電極にNavitas製 コロナ処理装置POLYDYNEを用いて印加電圧 11.6kVをかけ、コロナ放電を起こし、実施例1で得られた防眩性フィルムの凹凸面に対して、フィルム−電極間ギャップ 3mm、搬送速度2.0m/minでコロナ処理を実施し、鋳型用フィルムとした。かかる条件における鋳型用フィルムに対する照射エネルギーは100W・分/mであった。
活性エネルギー線重合性組成物を、予め約70℃に加熱した樹脂板(アクリライトL、2mm)上に塗工し、上記鋳型用フィルムを凹凸面を内面として被せ、プレスロールで圧接し実施例1に記載の活性エネルギー線重合性組成物の厚みを12μmとなるように展延した。前記樹脂フィルムに被せた鋳型用フィルムの表面温度を非接触式赤外線温度計で測定すると60℃であり、その温度において60秒保持した後、出力84W/cmのメタルハライドランプを用いて、積算光量で800mJ/cmの紫外線を前記フィルム側から照射することによって活性エネルギー線重合性組成物を硬化させた。硬化後鋳型用フィルムを剥離することで防眩性フィルムを得た。得られた防眩性板の凹凸層(防眩層)は、良好な光学特性を持っていた。防眩性板の目視評価結果を表1に示す。
(実施例3)
金属板に対するブラスト処理の吐出圧を0.3Mpaで実施し、電解ニッケル処理を6μm施し、防眩層形成用金型を得た以外は実施例1と同様の方法で防眩層形成用金型を作製し、表面粗さの測定を実施した。防眩層形成用金型と活性エネルギー線重合性組成物を用いて防眩性フィルムを作製した。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、良好な光学特性を持っていた。防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ブラスト処理後の金属板に対するめっき処理を銅めっき2μmとその上にクロムめっき6μmとして防眩層形成用金型を得た以外は実施例1と同様の方法で防眩層形成用金型を作製し、表面粗さの測定を実施した。防眩層形成用金型と活性エネルギー線重合性組成物を用いて防眩性フィルムを作製した。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、ぎらつきが悪化していた。防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ブラスト処理後の金属板に対するめっき処理を無電解ニッケルめっき20μmとして防眩層形成用金型を得た以外は実施例1と同様の方法で防眩層形成用金型を作製し、表面粗さの測定を実施した。防眩層形成用金型と活性エネルギー線重合性組成物を用いて防眩性フィルムを作製した。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、ぎらつきが悪化していた。防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
(比較例3)
金属板に対するブラスト処理の粒子を#120のガラスビーズ(中心粒径90〜125μm)に変更し、防眩層形成用金型を得た以外は実施例1と同様の方法で防眩層形成用金型を作製し、表面粗さの測定を実施した。めっき処理前の金型のSmは98μmであり、めっき処理後も99μmという値を示した。防眩層形成用金型と活性エネルギー線重合性組成物を用いて防眩性フィルムを作製した。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、ぎらつきが悪かった。防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
(比較例4)
金属板に対するブラスト処理の吐出圧を0.08MPaで実施し、防眩層形成用金型を得た以外は実施例1と同様の方法で防眩層形成用金型を作製し、表面粗さの測定を実施した。めっき処理前の金型のRaは0.1μm、R△aは2.3°であり、めっき処理後もRaは0.08μm、R△aは2.0°という値を示した。防眩層形成用金型と活性エネルギー線重合性組成物を用いて防眩性フィルムを作製した。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、ブラスト処理後の形状とめっき処理後の形状の差が小さかったため、白ちゃけが改善されていなかった。防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
(比較例5)
ブラスト処理後の金属板に対するめっき処理を電解ニッケルめっき20μmとして防眩層形成用金型を得た以外は比較例4と同様の方法で防眩層形成用金型を作製し、表面粗さの測定を実施した。めっき処理後の金型のRaは0.04μm、R△aは0.8°という値を示した。防眩層形成用金型と活性エネルギー線重合性組成物を用いて防眩性フィルムを作製した。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、めっきが付きすぎ平滑に近づいたため、防眩性が低下していた。防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
(比較例6)
金属板に対するブラスト処理の吐出圧を0.5MPaで実施し、ブラスト処理後の金属板に対するめっき処理を電解ニッケルめっき40μmとして防眩層形成用金型を得た以外は実施例1と同様の方法で防眩層形成用金型を作製し、表面粗さの測定を実施した。めっき処理前の金型のRaは0.5μm、R△aは5.5°という値を示した。防眩層形成用金型と活性エネルギー線重合性組成物を用いて防眩性フィルムを作製した。得られた防眩性フィルムの凹凸層(防眩層)は、ブラスト処理時の凹凸ムラが多かったため、めっきを通してムラが強調され、ぎらつきが改善されなかった。防眩性フィルム目視評価結果を表1に示す。
Figure 0005668960
本発明によれば、防眩層形成用金型を製造し、これを用いて得られた防眩性フィルム及び防眩性板は表示装置の画像表示部等として、広く適用できる。

Claims (2)

  1. 金型を構成する金属部材の一面にブラスト処理することにより微細凹凸構造(A)を有する面を形成し、その面上に電解ニッケルめっき層を設けることにより微細凹凸構造(B)を有する面を形成する防眩層形成用金型の製造方法であって、微細凹凸構造(A)の平均長さSm1、算術平均傾斜角R△a1、及び算術平均高さRa1、並びに微細凹凸構造(B)の平均長さSm2、算術平均傾斜角R△a2、及び算術平均高さRa2が下記式(1)〜(6)で表される範囲にある防眩層形成用金型の製造方法。
    Sm1 ≦50μm (1)
    2.4°≦ R△a1 <5.0° (2)
    0.14μm≦ Ra1 <0.4μm (3)
    Sm2 ≦50μm (4)
    1.0°≦ R△a2 <2.5° (5)
    0.05μm≦ Ra2 <0.2μm (6)
  2. 請求項1に記載の防眩層形成用金型上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を介して透明樹脂フィルムを積層し、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後前記金型から剥離して得られる、防眩層形成用金型の微細凹凸構造が転写された防眩層を有する防眩性フィルムの製造方法。
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