JP5668732B2 - 無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、データを無線で送受信する無線通信システムに関する。
従来、無線通信を行う複数の移動無線通信装置により構成される第1のネットワークと第2のネットワークとの間で同期を確立することができるようにするために、同期信号を送信する同期化装置を、第1のネットワークと第2のネットワークの両方に対して同期信号が到達可能な位置に予め設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4763334号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、同期化装置を予め設置しておく必要があり、同期を確立することが可能な範囲は、同期信号が到達可能な範囲に制限される。このため、広範に移動し得る無線通信装置により構成される車車間通信システムなどへの適用が困難であるという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、同期化装置を設置することなく、別の無線通信装置と同期することができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1,2に記載の無線通信システムでは、第1の無線通信装置が、第2の無線通信装置との間で特定の時刻の共有が必要となった際に、第3の無線通信装置から受信した任意のデータの識別情報と、その受信時刻に基づく所定の情報を送信し、第2の無線通信装置が、識別情報と所定の情報を第1の無線通信装置から受信すると、識別情報に基づき過去にデータを受信済みであれば、当該第2の無線通信装置における過去の受信時刻と、所定の情報とに基づき、第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値を算出する。
このように構成された無線通信システムでは、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置が第3の無線通信装置からデータを受信済みであれば、第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値を算出することができる。このため、第2の無線通信装置は、同期信号を送信する特別な装置を設置することなく、第1の無線通信装置と同期することが可能となる。
また、請求項1に記載の無線通信システムでは、第1の無線通信装置は、第3の無線通信装置からデータを受信した時の受信時刻と、第3の無線通信装置とは異なる無線通信装置である他無線通信装置から当該第1の無線通信装置がデータを無線受信した受信時刻との間の時刻差を示す時刻差情報を含むデータを、他無線通信装置を識別するための識別情報と対応付けて送信する。
また、請求項2に記載の無線通信システムでは、第1の無線通信装置は、送信データに、送信データを識別するためのデータ識別情報を付与して、送信データを無線送信するように構成される。そして第4の無線通信装置は、第1の無線通信装置からデータを受信すると、第1の無線通信装置に対して、受信したデータのデータ識別情報を含む受信通知データを送信する。そして第1の無線通信装置は、第4の無線通信装置から受信通知データを受信すると、受信通知データに含まれるデータ識別情報に対応する送信データを受信した受信時刻を、第2の無線通信装置へ問い合わせる旨を示す問合データを送信する。そして第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置から問合データを受信すると、データ識別情報に対応する送信データを受信した受信時刻を含む回答データを、第1の無線通信装置へ送信する。そして第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置から回答データを受信すると、第4の無線通信装置へ、回答データに含まれる受信時刻を含む報告データを送信する。
また、請求項1または請求項2に記載の無線通信システムにおいて、請求項3に記載のように、第1の無線通信装置が、所定の情報として、第3の無線通信装置からデータを受信した時の受信時刻を示す受信時刻情報を送信し、第2の無線通信装置が、第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値の算出として、当該第2の無線通信装置における過去の受信時刻と、第1の無線通信装置から受信した受信時刻情報の受信時刻との差を比較することにより、第1の無線通信装置との間の時刻基準のずれを算出する場合には、第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置の時計と第2の無線通信装置の時計との時刻差を取得することができ、第1の無線通信装置と同期することが可能となる。
また、請求項1または請求項2に記載の無線通信システムにおいて、請求項4に記載のように、第1の無線通信装置が、所定の情報として、第3の無線通信装置からデータを受信した時の受信時刻から特定の時刻までの経過時間を示す経過時間情報を送信し、第2の無線通信装置が、第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値の算出として、当該第2の無線通信装置における過去の受信時刻と、第1の無線通信装置から受信した経過時間情報の経過時間とを加算することにより、当該第2の無線通信装置の時刻基準での特定の時刻の値を算出する場合には、第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置が第3の無線通信装置からデータを受信した受信時刻を基準とした特定の時刻を把握することができ、第1の無線通信装置と同期することが可能となる。
第1〜第4実施形態の無線通信装置1の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の車両データ送信処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の同期データ送信処理を示すフローチャートである。 第1実施形態のデータ受信処理を示すフローチャートである。 第1実施形態において同期する手順を説明する図である。 第2実施形態のデータ送信処理を示すフローチャートである。 第2実施形態のデータ受信処理を示すフローチャートである。 第3実施形態のデータ送信処理を示すフローチャートである。 第3実施形態において同期する手順を説明する図である。 第4実施形態のネットワーク同期用送信処理の前半部分を示すフローチャートである。 第4実施形態のネットワーク同期用送信処理の後半部分を示すフローチャートである。 第4実施形態のネットワーク同期用受信処理を示すフローチャートである。 第4実施形態において同期する手順を説明する図である。 第5実施形態の無線通信システム51の構成を示すブロック図である。 第5実施形態の基地局52の構成を示すブロック図である。 第5実施形態の車載装置53の構成を示すブロック図である。 第5実施形態の重複時データ送信処理を示すフローチャートである。 第5実施形態の重複時データ受信処理を示すフローチャートである。 第5実施形態において送信タイミングを調整する手順を説明する図である。 別の実施形態の同期データ送信処理を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の無線通信システム100は、図1に示すように、車両Cに搭載されて他の車両Cとの間で無線通信(車車間通信)を行う複数の車載装置1によって構成される。
車載装置1は、位置検出器2、地図データ入力器3、表示部4、操作スイッチ群5、音声出力部6、通信部7、データ記憶部8および制御部9を備える。
位置検出器2は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ22と、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ23と、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ24とを備えている。
地図データ入力器3は、図示しない地図記憶媒体に記憶された各種データを入力するための装置である。地図記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、道路データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、一時停止地点データ、施設のデータ等)、対象用の音声データ等が記憶されている。このようなデータを記憶する記憶媒体の種類としては、CD−ROMやDVD−ROMの他、ハードディスクやメモリカード等の記憶媒体を用いてもよい。
表示部4は、カラー表示装置であり、その表示画面には、地図データ入力器3より入力された地図データに基づく地図画像が表示され、この地図画像に重ねて位置検出器2にて検出した車両の現在位置を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データも表示される。
操作スイッチ群5は、表示部4の表示面と一体に構成されたタッチパネルおよび表示部4の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成され、車両乗員が操作スイッチ群5を操作することにより各種指示が制御部9に入力される。
音声出力部6は、地図データ入力器3より入力した施設のガイドや各種対象の音声を出力する。
通信部7は、他の車両Cに搭載された車載装置1の通信部7と無線通信可能な通信インタフェースとして構成されたものであり、制御部9と協働して、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式による無線通信を実現する。CSMA方式では、周知のように、キャリアセンスを行って、予めランダムに設定された待ち時間以上、回線が継続して空いていることを確認してからデータを送信する。
データ記憶部8は、各種データを記憶するための記憶装置であり、他の車両Cに搭載された通信部7から受信したデータを記憶するための受信データベース41を備える。
制御部9は、CPU31、ROM32およびRAM33を備え、ROM32に記憶されたプログラムをCPU31にて実行することにより、地図表示機能、経路案内機能および車両データ送信機能等の各種機能を実現する。
例えば制御部9は、位置検出器2から入力される検出信号に基づいて自車両の位置、速度および進行方位を特定し、特定した自車両の位置、速度および進行方位の情報を記述してなる車両データを生成する。そして制御部9は、生成した車両データを、通信部7を通じ外部に送信する。
また制御部9は、通信部7を通じて他の車載装置1から受信した車両データに基づき、自車両周辺にいる車両の位置を特定し、自車両が交差点に接近すると、表示装置4に、交差点周囲の拡大地図を画面に表示させるとともに、周辺車両の位置を表すマークを、拡大地図上に表示させる。また制御部9は、自車両との衝突の危険が高い車両が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合には、音声出力部6を通じて、警報を出力する。
また制御部9は、周知のナビゲーション装置と同様に、自車両周囲の地図を表示装置4の画面上に表示するとともに、車両乗員から操作スイッチ群5を通じて入力された目的地までの経路を探索して、当該目的地までの経路を表示装置4の画面上に表示することにより、目的地までの経路を車両乗員に案内する。
また制御部9は、内部クロックをカウントすることにより時刻を計時する時計34を備える。
このように構成された車載装置1において、制御部9は、後述する車両データ送信処理、同期データ送信処理およびデータ受信処理を実行する。
まず、制御部9が実行する車両データ送信処理の手順を図2を用いて説明する。この車両データ送信処理は、制御部9の動作中において繰り返し実行される処理である。
この車両データ送信処理が実行されると、制御部9は、まずS10にて、車両データを生成する。具体的には、位置検出器2からの検出信号に基づいて特定した自車両の現在位置、速度および進行方位の情報を含んだ車両データを生成する。そしてS20にて、この車両データを格納した通信パケットを生成する。生成される通信パケットには、ヘッダ部に、送信元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述される。またヘッダ部には、送信するデータを区別するための識別情報である送信データIDが記述される。以下、車両データを格納した通信パケットを車両データ用通信パケットともいう。
その後S30にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。すなわち、搬送波に対応する周波数帯の信号レベルを検出し、この信号レベルから、他の車載装置1が搬送波を出力している状態であるか否かを把握し、他の車載装置1が搬送波を出力している場合、または、他の車載装置1が搬送波の出力を停止してから予め設定された待ち時間が経過していない場合には、他の車載装置1が通信中であると判断する。一方、上記以外の場合には、他の車載装置1が通信中ではないと判断する。
ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S30:YES)、S30の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S30:NO)、S40にて、S20で生成した車両データ用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信し、車両データ送信処理を一旦終了する。
次に、制御部9が実行する同期データ送信処理の手順を図3を用いて説明する。この同期データ送信処理は、制御部9の動作中において繰り返し実行される処理である。
この同期データ送信処理が実行されると、制御部9は、まずS110にて、予め設定された同期データ送信条件が成立したか否かを判断する。本実施形態では、同期用通信パケット(後述)を前回送信してから予め設定された時間(例えば、3分)が経過した場合に、同期データ送信条件が成立したと判断する。ここで、同期データ送信条件が成立していない場合には(S110:NO)、同期データ送信処理を一旦終了する。
一方、同期データ送信条件が成立した場合には(S110:YES)、S120にて、同期用通信パケットを生成する。生成される同期用通信パケットには、同期用通信パケットを前回送信してから現時点までの間に、当該車載装置1が他の車載装置1から受信した車両データ用通信パケットのうち、他の車載装置1のそれぞれについて最新の車両データ用通信パケットの受信時刻と、対応する車両IDとを含んだ同期データが格納される。また、生成される同期用通信パケットには、同期用通信パケットを生成した車載装置1を示す生成元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが格納される。
また、生成される同期用通信パケットには、ヘッダ部に、送信元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述される。
その後S130にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S130:YES)、S130の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S130:NO)、S140にて、S120で生成した同期用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信し、同期データ送信処理を一旦終了する。
次に、制御部9が実行するデータ受信処理の手順を図4を用いて説明する。このデータ受信処理は、制御部9の動作中において繰り返し実行される処理である。
このデータ受信処理が実行されると、制御部9は、まずS210にて、他の車載装置1から通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、通信パケットを受信していない場合には(S210:NO)、データ受信処理を一旦終了する。一方、通信パケットを受信した場合には(S210:YES)、S220にて、受信した通信パケットが車両データ用通信パケットであるか否かを判断する。
ここで、車両データ用通信パケットである場合には(S220:YES)、S230にて、受信した車両データ用通信パケットから、車両データと車両IDを抽出して、この車両データ用通信パケットの受信時刻と対応付けて、受信データベース41に格納し、データ受信処理を一旦終了する。
一方、車両データ用通信パケットでない場合には(S220:YES)、受信した通信パケットが同期用通信パケットであると判断して、S240にて、受信した同期用通信パケットに格納された同期データを用いて、時計34の同期を行う。具体的には、まず、受信データベース41に格納された車両データ用通信パケットの受信時刻と、受信した同期用通信パケットに格納された同期データの受信時刻との中からそれぞれ、同じ車両IDに対応付けられているもので且つ最新のものを選択する。そして、選択された両受信時刻の時刻差を算出し、この時刻差分、時計34の時刻を遅らせるか進める。これにより、当該車載装置1の時計34の時刻を、受信した車両データ用通信パケットの送信元となる他の車載装置1の時計34の時刻と同期させることができる。
その後S250にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S250:YES)、S250の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S250:NO)、S260にて、受信した同期用通信パケットを転送する。すなわち、受信した同期用通信パケットから、同期データと、生成元情報としての車両IDとを抽出して、この同期データと車両IDに、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述されたヘッダ部を付与した通信パケットを生成して送信する。
そして、S260の処理(すなわち同期用通信パケットの転送)が終了すると、データ受信処理を一旦終了する。
次に、このように構成された車載装置1が他の車載装置1と同期する手順を図5を用いて説明する。
例えば図5に示すように、車載装置Dが、車載装置A、車載装置Bおよび車載装置Cに対して車両データ用通信パケットaを送信することにより、車載装置A,B,Cは、車両データ用通信パケットaを受信し、その受信時刻を記録する。なお、車載装置A,B,Cがデータ用通信パケットaを受信するタイミングは略同時である。
その後、車載装置Cが車載装置Aに対して、車両データ用通信パケットaの受信時刻と、車載装置Dの車両IDとを含んだ同期データが格納された同期用通信パケットbを送信する。これにより車載装置Aは、受信した同期用通信パケットbに含まれる受信時刻と、車両データ用通信パケットaを受信した受信した時刻との差を取得することができる。そして、上述のように、車載装置A,Cが、データ用通信パケットaを受信するタイミングは略同時であるため、車載装置Aは、この時刻差に基づいて、車載装置Cと同期することができる。なお同期用通信パケットbは、車載装置Dで転送された後に車載装置Aで受信されている。しかし、車載装置Aが同期用通信パケットbを受信する時刻は、同期に用いられないため、車載装置Dが同期用通信パケットbを転送するために要する時間は、車載装置Aと車載装置Cとの間の同期精度に影響を及ぼさない。
このように構成された無線通信システム100では、第1の車載装置1が、第2の車載装置1との間で特定の時刻の共有が必要となった際に、第3の車載装置1から受信した車両データ用通信パケットの車両IDと、その受信時刻とを含んだ同期データが格納された同期用通信パケットを送信し(S120,S140)、第2の車載装置1が、同期用通信パケットを第1の車載装置1から受信すると(S210:YES,S220:NO)、車両IDに基づき過去にデータを受信済みであれば、当該第2の車載装置1における過去の受信時刻と、受信した同期用通信パケットに格納された受信時刻とに基づき、第2の車載装置1は、第1の車載装置1の時計と第2の車載装置1の時計との時刻差を取得する(S240)。
したがって、第2の車載装置1は、同期信号を送信する特別な装置を設置することなく、第1の車載装置1と同期することができる。
なお車載装置1は、CSMA方式による送信を行っているため、通信パケットの送信タイミングがランダムに設定される。しかし、同期用通信パケットに含まれる受信時刻は、第3の車載装置1から第1の車載装置1が通信パケットを受信した受信時刻である。このため、送信タイミングがランダムに変更される影響が同期精度に影響を及ぼすのを回避することができる。
以上説明した実施形態において、車載装置1は本発明における無線通信装置、車両IDは本発明における識別情報である。
(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第2実施形態の車載装置1は、車両データ送信処理および同期データ送信処理の代わりにデータ送信処理を実行する点と、データ受信処理が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
まず、制御部9が実行するデータ送信処理の手順を図6を用いて説明する。このデータ送信処理は、制御部9の動作中において繰り返し実行される処理である。
このデータ送信処理が実行されると、制御部9は、まずS310にて、S10と同様にして、車両データを生成する。そしてS320にて、S310で生成された車両データが格納された車両データ用通信パケットを送信するための送信予約希望時間帯を決定する。なお受信データベース41には、他の車載装置1から車両データ用通信パケットを受信した受信時刻(図7のS230を参照)と、他の車載装置1から受信した同期用通信パケットに格納された同期データ(図7のS245を参照)と、他の車載装置1の送信予約希望時間帯を特定するための情報(図7のS245を参照)が格納されており、S320の処理では、これらの情報を用いて、他の車載装置1の送信予約希望時間帯と重複しないように、自身の送信予約希望時間帯を決定する。なお、送信予約希望時間帯を決定する方法は後述する。
さらにS330にて、同期用通信パケットを生成する。生成される同期用通信パケットには、同期用通信パケットを前回送信してから現時点までの間に、当該車載装置1が他の車載装置1から受信した車両データ用通信パケットのうち、他の車載装置1のそれぞれについて最新の車両データ用通信パケットの受信時刻と対応する車両IDとを含んだ同期データと、S320で決定した送信予約希望時間帯を示す送信予約希望時間帯情報とが格納される。
また、生成される同期用通信パケットには、ヘッダ部に、送信元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述される。
そしてS340にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S340:YES)、S340の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S340:NO)、S350にて、S330で生成した同期用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信する。
その後S360にて、S20と同様にして、S310で生成した車両データを格納した通信パケット(車両データ用通信パケット)を生成する。
そしてS370にて、S320で決定した送信予約希望時間帯の開始時刻が到来したか否かを判断する。ここで、送信予約希望時間帯の開始時刻が到来していない場合には(S370:NO)、S370の処理を繰り返すことにより、送信予約希望時間帯の開始時刻が到来するまで待機する。一方、送信予約希望時間帯の開始時刻が到来した場合には(S370:YES)、S380にて、S360で生成した車両データ用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信し、データ送信処理を一旦終了する。
次に、第2実施形態のデータ受信処理の手順を図7を用いて説明する。第2実施形態のデータ受信処理は、S240の処理の代わりにS245の処理が実行される点以外は第1実施形態と同じである。
すなわち、S220にて、車両データ用通信パケットでない場合には(S220:YES)、受信した通信パケットが同期用通信パケットであると判断して、S245にて、受信した同期用通信パケットに格納された同期データと送信予約希望時間帯情報を受信データベース41に格納して、S250に移行する。
ここで、S320において送信予約希望時間帯を決定する方法を具体的に説明する。
上述のように、受信データベース41に格納されている同期データは、他の車載装置1の送信予約希望時間帯情報と、この他の車載装置1が車両データ用通信パケットを受信した受信時刻(以下、同期用受信時刻という)とから構成されている。また受信データベース41には、他の車載装置1から車両データ用通信パケットを直接受信した受信時刻(以下、直接受信時刻という)が格納されている。
そこでS320では、まず、受信データベース41に格納された直接受信時刻と同期用受信時刻との中からそれぞれ、同じ車両IDに対応付けられているもので且つ最新のものを選択する。そして、選択された両受信時刻の時刻差を算出し、この時刻差分、送信予約希望時間帯情報で示される送信予約希望時間帯を遅らせるか進めるかして、他の車載装置1の送信予約希望時間帯を修正する。
例えば、直接受信時刻と同期用受信時刻との時間差をTa(但し、直接受信時刻が同期用受信時刻よりも進んでいるとする)とし、送信予約希望時間帯を、送信開始時刻T1〜送信終了時刻T2とすると、送信予約希望時間帯を、送信開始時刻(T1+Ta)〜送信終了時刻(T2+Ta)に修正する。
このような送信予約希望時間帯の修正を、受信データベース41に格納されている送信予約希望時間帯情報の中で現時点以降のもの全てにおいて実行し、修正した送信予約希望時間帯と重複しないように、自身の送信予約希望時間帯を決定する。
このように構成された無線通信システム100では、第1の車載装置1が、第2の車載装置1との間で特定の時刻の共有が必要となった際に、第3の車載装置1から受信した車両データ用通信パケットの車両IDと、その受信時刻と、送信予約希望時間帯情報とを含んだ同期データが格納された同期用通信パケットを送信し(S330,S350)、第2の車載装置1が、同期用通信パケットを第1の車載装置1から受信すると(S210:YES,S220:NO)、車両IDに基づき過去にデータを受信済みであれば、当該第2の車載装置1における過去の受信時刻と、受信した同期用通信パケットに格納された受信時刻とに基づき、第2の車載装置1は、第1の車載装置1の時計と第2の車載装置1の時計との時刻差を取得する(S245,S320)。
そして、第2の車載装置1では、この時刻差分、受信した同期用通信パケットに格納されていた送信予約希望時間帯情報で示される送信予約希望時間帯を遅らせるか進めるかして、同期用通信パケットを送信した車載装置1の送信予約希望時間帯を修正する。
これにより、第2の車載装置1は、自身がデータ送信を行うための時刻を、同期用通信パケットを送信した車載装置1がデータを送信しない時刻に設定することが可能となり、互いの時計を合わせることなく、実質的に、同期用通信パケットを送信した第1の車載装置1と同期することができる。
したがって、第2実施形態の車載装置1は、第1実施形態の車載装置1と同様の効果を奏する。
以上説明した実施形態において、同期データの受信時刻と送信予約希望時間帯情報は本発明における経過時間情報である。
(第3実施形態)
以下に本発明の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第2実施形態と異なる部分のみを説明する。
第3実施形態の車載装置1は、データ送信処理が変更された点以外は第2実施形態と同じである。
まず、第3実施形態のデータ送信処理の手順を図8を用いて説明する。
第3実施形態のデータ送信処理は、図8に示すように、S320とS330の処理の代わりにS325とS335の処理を実行する点以外は第2実施形態と同じである。
S335では、まず、同期用通信パケットを前回送信してから現時点までの間に、当該車載装置1が他の車載装置1から受信した車両データ用通信パケットのうち、1つの他の車載装置1について最新の車両データ用通信パケットの受信時刻を選択し、この受信時刻を基準として、S320で決定した送信予約希望時間帯の開始時刻と終了時刻を算出する。以下、上記のように選択された受信時刻を選択受信時刻という。また、選択受信時刻を基準として算出された上記開始時刻および上記終了時刻をそれぞれ基準予約開始時刻および基準予約終了時刻という。
S335では、さらに、同期用通信パケットを前回送信してから現時点までの間に、当該車載装置1が他の車載装置1から受信した車両データ用通信パケットのうち、選択受信時刻に対応する車載装置1以外の他の車載装置1について最新の車両データ用通信パケットの受信時刻を選択し、選択した各受信時刻について、選択受信時刻との時刻差を算出する。
そしてS335では、上記の選択受信時刻に対応する車両IDと、選択受信時刻に対応する車載装置1以外の他の車載装置1についての上記の時刻差と、この時刻差に対応する車両IDとを含んだ同期データと、上記の基準予約開始時刻および基準予約終了時刻(以下、送信予約希望時間帯情報ともいう)とが格納された同期用通信パケットを生成する。なお、生成される同期用通信パケットには、ヘッダ部に、送信元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述される。
またS325では、S310で生成された車両データが格納された車両データ用通信パケットを送信するための送信予約希望時間帯を決定する。なお、受信データベース41には、他の車載装置1から車両データ用通信パケットを受信した受信時刻(直接受信時刻)と、他の車載装置1から受信した同期用通信パケットに格納された同期データ(S335を参照)と、他の車載装置1の送信予約希望時間帯を特定するための基準予約開始時刻および基準予約終了時刻(S335を参照)が格納されており、S320の処理では、これらの情報を用いて、他の車載装置1の送信予約希望時間帯と重複しないように、自身の送信予約希望時間帯を決定する。
具体的には、まず、受信データベース41に格納された直接受信時刻の中から、選択受信時刻に対応する車両IDと同じ車両IDに対応付けられているもので且つ最新のものを選択する。そして、選択した直接受信時刻に基準予約開始時刻を加算した時刻から、選択した直接受信時刻に基準予約終了時刻を加算した時刻までを、選択受信時刻に対応する車両IDの車載装置1の送信予約希望時間帯として設定する。
一方、受信データベース41に格納された直接受信時刻の中から、選択受信時刻に対応する車両IDと同じ車両IDに対応付けられているものが存在しない場合には、上記の時刻差に対応する車両IDに対応付けられている直接受信時刻の1つを選択する。そして、選択した直接受信時刻と、これに対応する時刻差とにより、選択受信時刻を算出する。その後、算出した選択受信時刻に基準予約開始時刻を加算した時刻から、算出した選択受信時刻に基準予約終了時刻を加算した時刻までを、選択受信時刻に対応する車両IDの車載装置1の送信予約希望時間帯として設定する。
このような送信予約希望時間帯の設定を、受信データベース41に格納されている基準予約開始時刻および基準予約終了時刻の中で現時点以降のもの全てにおいて実行し、設定した送信予約希望時間帯と重複しないように、自身の送信予約希望時間帯を決定する。
次に、このように構成された車載装置1が、他の車載装置1と同期する手順を図9を用いて説明する。
例えば図9に示すように、車載装置Dが、車載装置A、車載装置Bおよび車載装置Cに対して車両データ用通信パケットcを送信することにより、車載装置A,B,Cは、車両データ用通信パケットcを受信し、その受信時刻を記録する。
その後、車載装置Cが車載装置A,B,Dに対して、基準予約開始時刻および基準予約終了時刻(すなわち、車両データ用通信パケットcの受信時刻を基準とした送信予約希望時間帯)と、車載装置Dの車両IDとを含んだ同期データが格納された同期用通信パケットdを送信する。これにより車載装置A,Bは、車両データ用通信パケットcを受信した受信時刻に基準予約開始時刻および基準予約終了時刻を加算することで、自身の時計における車載装置Cの送信予約希望時間帯を取得することができる。
しかし車載装置Dは、車両データ用通信パケットcの送信元であり車両データ用通信パケットcを受信していないため、車両データ用通信パケットcの受信時刻を取得できない。すなわち、自身の時計における車載装置Cの送信予約希望時間帯を取得することができない。
これに対し車載装置Bが、車載装置Cおよび車載装置Dに対して車両データ用通信パケットeを送信することにより、車載装置C,Dは、車両データ用通信パケットeを受信し、その受信時刻を記録する。そして車載装置Cが、車両データ用通信パケットcを受信した受信時刻と、車両データ用通信パケットeを受信した受信時刻との時刻差と、車載装置Bの車両IDとを含んだ同期データが格納された同期用通信パケットfを送信する。これにより車載装置Dは、車両データ用通信パケットeを受信した受信時刻と、上記時刻差と、同期用通信パケットdの基準予約開始時刻および基準予約終了時刻とに基づいて、自身の時計における車載装置Cの送信予約希望時間帯を取得することができる。このため、車載装置A,B,Dは、車載装置Cの送信予約希望時間帯と重複しないように、自身の送信予約希望時間帯を決定することができ、これにより、互いの時計を合わせることなく、車載装置A,B,C,Dは実質的に互いに同期することができる。
このように構成された無線通信システム100では、第1の車載装置1が、第2の車載装置1との間で特定の時刻の共有が必要となった際に、第3の車載装置1から受信した車両データ用通信パケットの車両IDと、その受信時刻と、送信予約希望時間帯情報とを含んだ同期データが格納された同期用通信パケットを送信し(S335,S350)、第2の車載装置1が、同期用通信パケットを第1の車載装置1から受信すると(S210:YES,S220:NO)、車両IDに基づき過去にデータを受信済みであれば、当該第2の車載装置1における過去の受信時刻と、受信した同期用通信パケットに格納された受信時刻とに基づき、第2の車載装置1は、第1の車載装置1の時計と第2の車載装置1の時計との時刻差を取得する(S245,S325)。
このため、第2の車載装置1は、当該第2の車載装置1が第3の車載装置1から通信パケットを受信した受信時刻と基準予約開始時刻および基準予約終了時刻との加算値を取得することにより、当該第2の車載装置1の時計に基づいて、第1の車載装置1が通信パケットを送信するための送信予約希望時間帯を把握することができる。これにより、第2の車載装置1は、自身が通信パケット送信を行うための時刻を、第1の車載装置1がデータを送信しない時刻に設定することが可能となり、互いの時計を合わせることなく、実質的に、第1の車載装置1と同期することができる。
したがって、第3実施形態の車載装置1は、第1実施形態の車載装置1と同様の効果を奏する。
ところで、第1の車載装置1が送信する同期用通信パケットには、第3の車載装置1から通信パケットを受信した受信時刻を基準とした基準予約開始時刻および基準予約終了時刻が格納されている。そして第3の車載装置1は、この同期用通信パケットの送信元であるため、この同期用通信パケットの受信時刻を取得できない。すなわち、第3の車載装置1は、自身の時計に基づいて、第1の車載装置1が通信パケットを送信するための送信予約希望時間帯を把握することができない。
これに対して、第1の車載装置1では、第3の車載装置1から当該第1の車載装置1が通信パケットを無線受信した受信時刻(直接受信時刻)と、第3の車載装置1とは異なる車載装置1(以下、他車載装置という)から当該第1の車載装置1が通信パケットを無線受信した受信時刻との時刻差を示す時刻差情報を、他車載装置を識別するための車両IDと対応付けた同期用通信パケットを送信する(S335,S350)。
これにより、同期用通信パケットを受信した第3の車載装置1は、他車載装置から通信パケットを受信した受信時刻と上記時刻差とに基づいて、第3の車載装置1が通信パケットを送信した時刻を把握することができる。そして、第3の車載装置1が通信パケットを送信したタイミングは、第1の車載装置1が第3の車載装置1から通信パケットを受信したタイミングと略同時である。このため第3の車載装置1は、さらに基準予約開始時刻および基準予約終了時刻を用いて、第3の車載装置1の時計に基づく、第1の車載装置1が通信パケットを送信するための送信予約希望時間帯を把握することができる。
(第4実施形態)
以下に本発明の第4実施形態を図面とともに説明する。なお第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第4実施形態の車載装置1は、ネットワーク同期用送信処理とネットワーク同期用受信処理が追加された点以外は第1実施形態と同じである。
まず、制御部9が実行するネットワーク同期用送信処理の手順を図10および図11を用いて説明する。このネットワーク同期用送信処理は、制御部9の動作中において繰り返し実行される処理である。
このネットワーク同期用送信処理が実行されると、制御部9は、まずS610にて、これまでに通信パケットを受信していない他の車載装置1(以下、未知の車載装置1ともいう)から通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、未知の車載装置1から通信パケットを受信していない場合には(S610:NO)、S650に移行する。
一方、未知の車載装置1から通信パケットを受信した場合には(S610:YES)、S620にて、通信パケットを受信した旨を示す受信通知データを格納した通信パケットを生成する。なお受信通知データには、受信した通信パケットの車両IDと送信データIDが含まれている。また、生成される通信パケットには、ヘッダ部に、送信元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述される。以下、受信通知データを格納した通信パケットを受信通知用通信パケットともいう。
その後S630にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S630:YES)、S630の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S630:NO)、S640にて、S620で生成した受信通知用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信し、S650に移行する。
そしてS650に移行すると、未知の車載装置1から受信通知用通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、未知の車載装置1から受信通知用通信パケットを受信していない場合には(S650:NO)、S720に移行する。
一方、未知の車載装置1から受信通知用通信パケットを受信した場合には(S650:YES)、S660にて、当該車載装置1から送信した通信パケットの受信時刻を問い合わせる旨を示す受信時刻問合データを格納した通信パケットを生成する。なお受信時刻問合データには、受信した受信通知用通信パケットの受信通知データ内の送信データIDが含まれている。また、生成される通信パケットには、ヘッダ部に、送信元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述される。以下、受信時刻問合データを格納した通信パケットを問合用通信パケットともいう。
そしてS670にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S670:YES)、S670の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S670:NO)、S680にて、S660で生成した問合用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信する。
その後S690にて、問合用通信パケットに応答して受信時刻を回答する受信時刻回答データを格納した通信パケット(以下、回答用通信パケットともいう)を受信したか否かを判断する。ここで、回答用通信パケットを受信していない場合には(S690:NO)、S690の処理を繰り返すことにより、回答用通信パケットを受信するまで待機する。
一方、回答用通信パケットを受信した場合には(S690:YES)、S700にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S700:YES)、S700の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S700:NO)、S710にて、受信した回答用通信パケットを転送する。すなわち、受信した回答用通信パケットから受信時刻回答データ(後述)を抽出して、この受信時刻回答データに、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述されたヘッダ部を付与した通信パケットを生成して送信する。
そして、S710の処理(すなわち回答用通信パケットの転送)が終了すると、S720に移行する。
そしてS720に移行すると、問合用通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、問合用通信パケットを受信していない場合には(S720:NO)、ネットワーク同期用送信処理を一旦終了する。
一方、問合用通信パケットを受信した場合には(S720:YES)、S730にて、問合用通信パケットに格納された受信時刻問合データに含まれている送信データIDによって特定される通信パケットについての受信時刻を示す受信時刻回答データを格納した通信パケット(回答用通信パケット)を生成する。生成される通信パケットには、ヘッダ部に、送信元情報として、当該車載装置1の識別情報である車両IDが記述される。
そしてS740にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S740:YES)、S740の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S740:NO)、S750にて、S730で生成した回答用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信し、ネットワーク同期用送信処理を一旦終了する。
次に、制御部9が実行するネットワーク同期用受信処理の手順を図12を用いて説明する。このネットワーク同期用受信処理は、制御部9の動作中において繰り返し実行される処理である。
このネットワーク同期用受信処理が実行されると、制御部9は、まずS810にて、S610において通信パケットを受信したと判断した未知の車載装置1から回答用通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、回答用通信パケットを受信していない場合には(S810:NO)、ネットワーク同期用受信処理を一旦終了する。
一方、回答用通信パケットを受信した場合には(S810:YES)、S820にて、まず、受信した回答用通信パケットの受信時刻回答データから受信時刻(以下、同期用受信時刻という)を示す情報を抽出する。また、S610において受信したと判断した通信パケットの受信時刻(以下、直接受信時刻という)を受信データベース41から抽出する。そして、抽出した同期用受信時刻と直接受信時刻との時刻差を算出し、この時刻差を示す情報を、S810で受信した回答用通信パケットのヘッダ部に記述されている車両IDと対応付けて、受信データベース41に格納し、ネットワーク同期用受信処理を一旦終了する。
次に、複数の車載装置1により構成される第1のネットワークと第2のネットワークとが同期する手順を図13を用いて説明する。
例えば図13に示すように、ネットワークN1が車載装置A,B,Cにより同期が確立されたネットワークであり、ネットワークN2が車載装置D,E,Fにより同期が確立されたネットワークであるとする。
そして、ネットワークN1とネットワークN2とが接近し、ネットワークN1の車載装置Cが未知の車載装置Dから通信パケットgを受信すると、車載装置Cは、通信パケットgの送信データIDが含まれている受信通知用通信パケットhを車載装置Dへ送信する。
車載装置Dが受信通知用通信パケットhを受信すると、車載装置Dは、ネットワークN2を構成する車載装置E,Fに対して、送信データIDが含まれている問合用通信パケットiを送信する。
車載装置E,Fが問合用通信パケットiを受信すると、車載装置E,Fは、送信データIDによって特定される通信パケットについての受信時刻が含まれている回答用通信パケットjを車載装置Dへ送信する。
車載装置Dが回答用通信パケットjを受信すると、車載装置Dは、受信した回答用通信パケットjをネットワークN1の車載装置Cへ転送する。
これにより、ネットワークN1の車載装置Cは、自身が通信パケットgを受信した受信した時刻と、ネットワークN2の車載装置E,Fが通信パケットgを受信した受信した時刻との差を取得することができる。そして、ネットワークN1の車載装置CおよびネットワークN2の車載装置E,Fが、通信パケットgを受信するタイミングは略同時であるため、この時刻差に基づいて、ネットワークN1の車載装置Cは、ネットワークN2の車載装置E,Fと同期することができる。
このように構成された無線通信システム100では、車載装置1は、送信するデータを区別するための識別情報である送信データIDを付与して、通信パケットを無線送信するように構成され、第4の車載装置1は、第1の車載装置1から通信パケットを受信すると(S610:YES)、第1の車載装置1に対して、受信した通信パケットの送信データIDを含む受信通知用通信パケットを送信する(S620,S640)。
また、第1の車載装置1は、第4の車載装置1から受信通知用通信パケットを受信すると(S650:YES)、受信通知用通信パケットに含まれる送信データIDに対応する通信パケットを受信した受信時刻を、第2の車載装置1へ問い合わせる旨を示す問合用通信パケットを送信する(S660,S680)。
また、第2の車載装置1は、第1の車載装置1から問合用通信パケットを受信すると(S720:YES)、送信データIDに対応する通信パケットを受信した受信時刻を含む回答用通信パケットを、第1の車載装置1へ送信する(S730,S750)。
また、第1の車載装置1は、第2の車載装置1から回答用通信パケットを受信すると(S690:YES)、第4の車載装置1へ、受信した回答用通信パケットを送信する(S710)。
これにより、第4の車載装置1では、第1の車載装置1から通信パケットを受信した後に、この第1の車載装置1に対して受信通知用通信パケットを送信することにより、第1の車載装置1から通信パケットを受信した他の車載装置1(第2の車載装置1)が通信パケットを受信した受信時刻を取得することができる。このため、第1の車載装置1と第2の車載装置1とで同期済みのネットワークを構成している場合に、第4の車載装置1は、自身の時計と、上記ネットワーク内の車載装置1の時計との時刻差を取得することができ、第4の車載装置1は、上記ネットワークと同期することができる。
したがって、第4の車載装置1は、これまでにデータを受信したことがない同期済みネットワークとの間で通信パケットを送受信することにより、同期信号を送信する特別な装置を設置することなく、この同期済みネットワークと同期することができる。
(第5実施形態)
以下に本発明の第5実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の無線通信システム51は、図14に示すように、車両の走行路付近に分散して設置される複数の基地局52(図14では2台の基地局52を示す)と、車両Cに搭載されて基地局52や他の車両Cとの間で無線通信を行う複数の車載装置53(図14では3台の車載装置53を示す)によって構成される。なお、複数の基地局52は、広域無線通信網NW(例えば携帯電話通信網)を介して互いにデータ通信可能に構成されている。
基地局52は、図15に示すように、直接無線通信機61、広域無線通信機62および制御部63を備える。
これらのうち直接無線通信機61は、車載装置53との間で直接無線通信を行う。広域無線通信機62は、広域無線通信網NWを介して基地局52との間でデータ通信を行う。制御部63は、CPU71、ROM72およびRAM73を備え、ROM72が記憶するプログラムに基づく処理をCPU71が実行することにより、直接無線通信機61と広域無線通信機62を制御する。
車載装置53は、図16に示すように、位置検出器81、直接無線通信機82および制御部83を備える。
これらのうち位置検出器81は、GPS衛星からの衛星信号を受信するGPS受信機、車輪の回転から自車の走行距離を検出する距離センサおよび方位センサ等のセンサ類の複数により構成され、これらセンサ類から得られる信号に基づき、自車の位置および進行方位を検出する。そして、位置検出器81の検出結果は制御部83に入力される。
直接無線通信機82は、基地局52および車載装置53との間で直接無線通信を行う。
制御部83は、CPU91、ROM92およびRAM93を備え、ROM92が記憶するプログラムに基づく処理をCPU91が実行することにより、直接無線通信機82を制御する。
そして基地局52は、交通情報等の各種情報が格納された通信パケットを周囲の車両Cに送信する機能を有する。なお、基地局52が送信する通信パケットには、当該基地局52の識別情報である基地局IDが付与されている。
また車載装置53は、車両Cに搭載された車載制御装置(不図示)からの送信要求を受けて、自車両の状態等の情報が格納された通信パケットを基地局52や他の車両Cに送信する機能を有する。なお、車載装置53が送信する通信パケットには、当該車載装置53の識別情報である車両IDが付与されている。
このように構成された無線通信システム51において、基地局52は、後述する重複時データ送信処理と重複時データ受信処理を実行する。
まず、基地局52の制御部63が実行する重複時データ送信処理の手順を図17を用いて説明する。この重複時データ送信処理は、制御部63の動作中において繰り返し実行される処理である。
この重複時データ送信処理が実行されると、制御部63は、まずS1010にて、当該基地局52からの通信パケットが届く領域と、他の基地局52からの通信パケットが届く領域とが重なる重複領域(図14において、右上がりの直線でハッチングされている領域ORを参照)に位置する車載装置53から通信パケットを受信したか否かを判断する。なお、車載装置53からの通信パケットには、車載装置53の現在位置を示す情報が含まれているとする。
ここで、重複領域に位置する車載装置53から通信パケットを受信していない場合には(S1010:NO)、S1050に移行する。一方、重複領域に位置する車載装置53から通信パケットを受信した場合には(S1010:YES)、S1020にて、タイマ・カウンタを起動する。このタイマ・カウンタは、例えば100ms毎に自動的にデクリメントするタイマであり、起動されると、予め設定された正の整数値(本実施形態では、例えば60秒に相当する値)からデクリメントし、値が0になるとデクリメントが終了するように構成されている。
そしてS1030にて、受信した通信パケットから車両IDを抽出して、受信した通信パケットの受信時刻と対応付けて、RAM73に格納する。
さらにS1040にて、重複領域に位置する車載装置53から通信パケットを受信した受信時刻とこの車載装置53の車両IDを示す受信通知データを格納した通信パケットを生成し、この通信パケットを、重複領域に通信パケットを送信することができる他の基地局52へ広域無線通信網NWを介して送信する。以下、受信通知データを格納した通信パケットを受信通知用通信パケットともいう。そして、受信通知用通信パケットの送信が終了すると、S1050に移行する。
そしてS1050に移行すると、タイマ・カウンタの値が0より大きいか否かを判断する。ここで、タイマ・カウンタの値が0より大きい場合には(S1050:YES)、S1060にて、重複時フラグをセットして、S1080に移行する。一方、タイマ・カウンタの値が0である場合には(S1050:NO)、S1070にて、重複時フラグをクリアして、S1080に移行する。
そしてS1080に移行すると、重複時フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、重複時フラグがクリアされている場合には(S1080:NO)、重複時データ送信処理を一旦終了する。一方、重複時フラグがセットされている場合には(S1080:YES)、S1090にて、車載装置53へ送信するための車両用送信データを当該基地局52の外部から取得したか否かを判断する。
ここで、車両用送信データを取得していない場合には(S1090:NO)、重複時データ送信処理を一旦終了する。一方、車両用送信データを取得した場合には(S1090:YES)、S1100にて、車両用送信データを送信するための送信予約希望時間帯を決定する。なおRAM73には、重複領域に位置する車載装置53から通信パケットを受信した受信時刻(S1030を参照)と、他の基地局52から受信した受信通知用通信パケットに格納された受信時刻(S1240を参照)と、他の基地局52の送信予約希望時間帯を特定するための情報(S1220を参照)が格納されており、S1100では、これらの情報を用いて、他の基地局52の送信予約希望時間帯と重複しないように、自身の送信予約希望時間帯を決定する。なお、送信予約希望時間帯を決定する方法は後述する。
さらにS1110にて、同期用通信パケットを生成して、この同期用通信パケットを、重複領域に通信パケットを送信することができる他の基地局52へ広域無線通信網NWを介して送信する。生成される同期用通信パケットには、S1100で決定した送信予約希望時間帯を示す送信予約希望時間帯情報が格納される。
そしてS1120にて、S1090で取得した車両用送信データを格納した通信パケットを生成する。以下、車両用送信データを格納した通信パケットを車両用通信パケットともいう。
そしてS1130にて、S1100で決定した送信予約希望時間帯の開始時刻が到来したか否かを判断する。ここで、送信予約希望時間帯の開始時刻が到来していない場合には(S1130:NO)、S1130の処理を繰り返すことにより、送信予約希望時間帯の開始時刻が到来するまで待機する。一方、送信予約希望時間帯の開始時刻が到来した場合には(S1130:YES)、S1140にて、S1120で生成した車両用通信パケットを、直接無線通信機61を通じて、自局周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信し、重複時データ送信処理を一旦終了する。
次に、基地局52の制御部63が実行する重複時データ受信処理の手順を図18を用いて説明する。この重複時データ受信処理は、制御部63の動作中において繰り返し実行される処理である。
この重複時データ受信処理が実行されると、制御部63は、まずS1210にて、他の基地局52から同期用通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、同期用通信パケットを受信していない場合には(S1210:NO)、S1230に移行する。一方、同期用通信パケットを受信した場合には(S1210:YES)、S1220にて、受信した同期用通信パケットに格納された送信予約希望時間帯情報をRAM73に格納して、S1230に移行する。
そしてS1230に移行すると、他の基地局52から受信通知用通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、受信通知用通信パケットを受信していない場合には(S1230:NO)、重複時データ受信処理を一旦終了する。一方、受信通知用通信パケットを受信した場合には(S1230:YES)、S1240にて、受信した受信通知用通信パケットに格納された受信時刻と、受信した受信通知用通信パケットに付与された車両IDとを対応付けて、RAM73に格納し、重複時データ受信処理を一旦終了する。
ここで、S1100において送信予約希望時間帯を決定する方法を具体的に説明する。
上述のように、RAM73には、重複領域に位置する車載装置53から通信パケットを受信した受信時刻(以下、直接受信時刻という)と、他の基地局52から受信した受信通知用通信パケットに格納された受信時刻(以下、同期用受信時刻という)と、他の基地局52の送信予約希望時間帯情報が格納されている。
そこでS1100では、まず、RAM73に格納された直接受信時刻と同期用受信時刻との中からそれぞれ、同じ車両IDに対応付けられているもので且つ最新のものを選択する。そして、選択された両受信時刻の時刻差を算出し、この時刻差分、送信予約希望時間帯情報で示される送信予約希望時間帯を遅らせるか進めるかして、他の基地局52の送信予約希望時間帯を修正する。
このような送信予約希望時間帯の修正を、RAM73に格納されている送信予約希望時間帯情報の中で現時点以降のもの全てにおいて実行し、修正した送信予約希望時間帯と重複しないように、自身の送信予約希望時間帯を決定する。
次に、データ送信可能領域が互いに重複している第1の基地局と第2の基地局とが互いに送信タイミングを調整する手順を図19を用いて説明する。
例えば図19に示すように、基地局AP1のデータ送信可能領域R1と、基地局AP2のデータ送信可能領域R2とが一部重複しており(重複領域R3を参照)、データ送信可能領域R1内に車載装置CL2が位置し、データ送信可能領域R2内に車載装置CL1が位置しているとする。
車載装置CL1は、基地局AP2のデータ送信可能領域R2のうち重複領域R3ではない領域に位置している場合には、基地局AP2に対して通信パケットkを送信することができる。しかし車載装置CL1は、基地局AP1と車載装置CL2には通信パケットkを送信することができない(矢印AL1,AL2を参照)。
その後、車載装置CL1が重複領域R3内に移動すると、基地局AP2だけではなく、基地局AP1に対しても、通信パケットlを送信することができる。但し、車載装置CL2には通信パケットlを送信することができないとする(矢印AL3を参照)。
ここで、車載装置CL1からの通信パケットlを受信した基地局AP1は、車載装置CL1から通信パケットkを受信した受信時刻と車載装置CL1の車両IDを示す受信通知データを格納した受信通知用通信パケットmを基地局AP1へ送信する。
これにより、基地局AP2は、自身が通信パケットlを受信した受信した時刻と、基地局AP1が通信パケットlを受信した受信した時刻との差を取得することができる。そして、基地局AP1および基地局AP2が通信パケットlを受信するタイミングは略同時である。このため、この時刻差に基づいて、基地局AP1および基地局AP2は、重複領域R3内に位置する車載装置CL1に対して基地局AP1が通信パケットnを送信する時間帯と、重複領域R3内に位置する車載装置CL1に対して基地局AP2が通信パケットoを送信する時間帯とが重複しないように、互いに送信時間帯を調整することができる(矢印AL4を参照)。
このように構成された無線通信システム51では、基地局52は、データを送信することが可能なデータ送信可能領域が、当該基地局52とは別の基地局52(以下、他基地局という)のデータ送信可能領域と一部重複しており、重複領域内に位置する車載装置53から通信パケットを無線受信すると(S1010:YES)、この通信パケットを無線受信した受信時刻を示す受信時刻情報と、この車載装置53を識別するための車両IDとを対応付けた受信通知用通信パケットを他基地局へ送信する(S1040)。
これにより、受信通知用通信パケットを受信した基地局52は、重複領域内に位置する車載装置53から通信パケットを受信した時刻と、上記他基地局が重複領域内の車載装置53から通信パケットを受信した時刻との差を取得することができる。そして、基地局52が重複領域内の車載装置53から通信パケットを受信したタイミングは、上記他基地局が重複領域内の車載装置53から通信パケットを受信したタイミングと略同時である。このため、受信通知用通信パケットを受信した基地局52は、自身の時計と、上記他基地局の時計との時刻差を取得することができ、基地局52は、上記他基地局と同期することができる。
したがって、基地局52は、他の基地局52との間で上記の受信通知用通信パケットを送受信することにより、同期信号を送信する特別な装置を設置することなく、他の基地局52と同期することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記第1実施形態では、他の車載装置1から既に受信した車両データ用通信パケットの受信時刻を用いて同期用通信パケットを生成するものを示した。しかし、例えば、同期用通信パケットを送信する前に、送信元車載装置に対して、通信パケットの無線送信を依頼する依頼用通信パケットを送信し、送信元車載装置から通信パケットを無線受信した後に、この通信パケットを送信元車載装置から無線受信した受信時刻を示す受信時刻情報を含んだ同期用通信パケットを送信するようにしてもよい。
具体的には、図20に示すように同期データ送信処理を実行するとよい。すなわち、図20に示す同期データ送信処理において、S110にて、同期データ送信条件が成立した場合には(S110:YES)、S112にて、他の車載装置1に対して車両データ用通信パケットの送信を依頼する依頼用通信パケットを生成する。そしてS114にて、通信部7を通じ、周知のCSMA方式と同様にして、キャリアセンスを行い、他の車載装置1が通信中であるか否かを判断する。ここで、他の車載装置1が通信中である場合には(S114:YES)、S114の処理を繰り返すことにより、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機する。一方、他の車載装置1が通信中ではない場合には(S114:NO)、S116にて、S112で生成した依頼用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信する。
その後S118にて、他の車載装置1から通信パケットを受信したか否かを判断する。ここで、通信パケットを受信していない場合には(S118:NO)、S118の処理を繰り返すことにより、通信パケットを受信するまで待機する。一方、通信パケットを受信した場合には(S118:YES)、S122にて、S118で受信したと判断された通信パケットの受信時刻と、対応する車両IDとを含んだ同期データが格納される同期用通信パケットを生成する。
その後S130にて、他の車載装置1が通信中でなくなるまで待機し、他の車載装置1が通信中ではない場合に(S130:NO)、S142にて、S122で生成した同期用通信パケットを、通信部7を通じて、自車両周囲に位置する通信圏内の車両Cに向けて送信し、同期データ送信処理を一旦終了する。
これにより、同期用通信パケットに格納される受信時刻と、同期用通信パケットを送信する時刻との差を短縮することができ、可能な限り最新の受信時刻に基づいて、他の車載装置1と同期することが可能となる。
また上記第1実施形態では、第1受信時刻を示す受信時刻情報は、送信元車載装置から当該車載装置1が通信パケットを受信した受信時刻を示す情報であるものを示した。しかし、CSMA方式のように通信パケットの送信タイミングがランダムに設定されるものとは異なり送信時刻を予め確定することができる場合には、通信パケットを送信するタイミングは、この通信パケットを受信するタイミングと略同時となる。このため、第1受信時刻を示す受信時刻情報は、当該車載装置1が同期用通信パケットを送信する送信時刻を示す情報であり、この送信時刻と、送信時刻に対応する車両IDとして当該車載装置1の車両IDとを含んだ同期データが格納された同期用通信パケットを送信するようにしてもよい。
1…車載装置、7…通信部、8…データ記憶部、9…制御部、51…無線通信システム、52…基地局、61…直接無線通信機、62…広域無線通信機、63…制御部、100…無線通信システム

Claims (7)

  1. データを無線で送受信する無線通信装置(1,52,53)を複数有する無線通信システム(51,100)であって、
    第1の無線通信装置(1)は、第2の無線通信装置(1)との間で特定の時刻の共有が必要となった際に、第3の無線通信装置(1)から受信した任意のデータの識別情報と、その受信時刻に基づく所定の情報を送信し(S120,S140,S330,S350,S335,S350)、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記識別情報と前記所定の情報を前記第1の無線通信装置から受信すると、
    前記識別情報に基づき過去に前記データを受信済みであれば、当該第2の無線通信装置における前記過去の受信時刻と、前記所定の情報とに基づき、前記第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値を算出(S240,S245,S320)
    前記第1の無線通信装置は、
    前記第3の無線通信装置から前記データを受信した時の受信時刻と、前記第3の無線通信装置とは異なる前記無線通信装置である他無線通信装置から当該第1の無線通信装置がデータを無線受信した受信時刻との間の時刻差を示す時刻差情報を含むデータを、前記他無線通信装置を識別するための識別情報と対応付けて送信する(S335,S350)
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. データを無線で送受信する無線通信装置(1,52,53)を複数有する無線通信システム(51,100)であって、
    第1の無線通信装置(1)は、第2の無線通信装置(1)との間で特定の時刻の共有が必要となった際に、第3の無線通信装置(1)から受信した任意のデータの識別情報と、その受信時刻に基づく所定の情報を送信し(S120,S140,S330,S350,S335,S350)、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記識別情報と前記所定の情報を前記第1の無線通信装置から受信すると、
    前記識別情報に基づき過去に前記データを受信済みであれば、当該第2の無線通信装置における前記過去の受信時刻と、前記所定の情報とに基づき、前記第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値を算出し(S240,S245,S320)、
    前記第1の無線通信装置は、送信データに、前記送信データを識別するためのデータ識別情報を付与して、前記送信データを無線送信するように構成され、
    第4の無線通信装置(1)は、前記第1の無線通信装置からデータを受信すると、前記第1の無線通信装置に対して、受信したデータの前記データ識別情報を含む受信通知データを送信し(S610,S620,S640)、
    前記第1の無線通信装置は、前記第4の無線通信装置から前記受信通知データを受信すると、前記受信通知データに含まれる前記データ識別情報に対応する前記送信データを受信した受信時刻を、前記第2の無線通信装置へ問い合わせる旨を示す問合データを送信し(S650,S660,S680)、
    前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線通信装置から前記問合データを受信すると、前記データ識別情報に対応する前記送信データを受信した受信時刻を含む回答データを、前記第1の無線通信装置へ送信し(S720,S730,S750)、
    前記第1の無線通信装置は、前記第2の無線通信装置から前記回答データを受信すると、前記第4の無線通信装置へ、前記回答データに含まれる前記受信時刻を含む報告データを送信する(S690,S710)
    ことを特徴とする無線通信システム。
  3. 前記第1の無線通信装置は、
    前記所定の情報として、前記第3の無線通信装置から前記データを受信した時の受信時刻を示す受信時刻情報を送信し(S120,S140)、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値の算出として、当該第2の無線通信装置における前記過去の受信時刻と、前記第1の無線通信装置から受信した前記受信時刻情報の受信時刻との差を比較することにより、前記第1の無線通信装置との間の時刻基準のずれを算出する(S240)
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記第1の無線通信装置は、
    前記所定の情報として、前記第3の無線通信装置から前記データを受信した時の受信時刻から前記特定の時刻までの経過時間を示す経過時間情報を送信し(S330,S350,S335,S350)、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記第1の無線通信装置と時刻の同期を取るために必要な時刻の値の算出として、当該第2の無線通信装置における前記過去の受信時刻と、前記第1の無線通信装置から受信した前記経過時間情報の経過時間とを加算することにより、当該第2の無線通信装置の時刻基準での前記特定の時刻の値を算出する(S245,S320)
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信システム。
  5. 前記第1の無線通信装置(52)は、データを送信することが可能なデータ送信可能領域が、第5の無線通信装置(52)の前記データ送信可能領域と一部重複しており、
    前記第1の無線通信装置の前記データ送信可能領域と、前記第5の無線通信装置の前記データ送信可能領域とが重複している領域を重複領域として、
    前記重複領域内に位置する第6の無線通信装置(53)からデータを無線受信すると、このデータを無線受信した受信時刻を示す受信時刻情報と、前記第6の無線通信装置を識別するための送信元識別情報と対応付けて、前記第5の無線通信装置へ送信する(S1010,S1040)
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の無線通信システム。
  6. 前記第1の無線通信装置は、
    前記第2の無線通信装置との間で特定の時刻の共有が必要となった際に、前記第3の無線通信装置に対して、データの無線送信を依頼する依頼データを送信し、前記第3の無線通信装置から前記データを無線受信した後に、前記識別情報と前記所定の情報を送信する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の無線通信システム。
  7. 前記特定の時刻は、
    前記第1の無線通信装置がデータ送信を予定している時間帯を示す時刻である
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
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