JP5668419B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、アクチュエータの油圧室に油圧を供給もしくは排出することによって、アクチュエータにおける圧力を制御する油圧制御装置に関するものである。
従来、車両におけるベルト式無段変速機は、ベルトが巻き掛けられた一対のプーリのそれぞれに付設された油圧室に油圧を供給もしくは排出することによって、各プーリの圧力を制御するように構成されている。つまり、それぞれの油圧室の圧油を給排する制御弁を備え、その制御弁を開閉制御して油圧室の圧油を給排するように構成されている。したがって、このように構成されたベルト式無段変速機は、一方のプーリの油圧室の圧油を制御弁を開弁して給排することによって、プーリの溝幅を変化させて変速比を変化させ、他方のプーリの油圧室の圧油を他の制御弁を開弁して給排することによって、ベルトを挟み付ける挟圧力を変化させることができる。
また、車両における油圧制御装置は、車両の動力源の動力あるいは電力を利用してオイルポンプを駆動させているので、変速比や挟圧力を一定に保つ際に、油圧室および制御弁からの圧油の漏洩をなくすことよってオイルポンプの駆動頻度を低減することができ、その結果、燃費を向上させることができる。
そのため、特許文献1には、弾性体による弾性力と、ソレノイドに通電することによってその弾性力に対向する方向に発生する電磁力との力のバランスによって、ポートを開閉する制御弁を利用し、変速比や挟圧力を一定に保つ場合には、ソレノイドへの通電を停止してポートを閉弁状態として制御弁からの圧油の漏洩をなくすように構成された電磁弁が記載されている。また、各プーリには、前述した構成の油圧供給用電磁弁と油圧排出用電磁弁とが設けられている。
欧州特許第0985855号明細書
上述したように構成された油圧制御装置は、各電磁弁を閉弁状態とすることによって油圧室や電磁弁からの圧油の漏洩を抑制もしくは防止することができるので、変速比や挟圧力を一定に保っている間は、オイルポンプを駆動させる必要がなく、その結果、車両の燃費を向上させることができる。また、油圧供給用電磁弁と油圧排出用電磁弁とは漏洩が少ないので、一方の電磁弁を開いて供給もしくは排出される圧油の量に応じて、油圧室の油圧の制御応答性を向上させることができる。
一方、油圧の制御応答性が良好である反面、油圧の変化に基づく挙動の変化が迅速かつ正確に発生するので、オイルの特性や油圧装置などの個体差あるいは経時劣化などが、設計上想定した想定値からずれたり経時的に変化したりした場合には、油圧応答性や油圧制御性が低下してしまい、これに替わる技術が必要である。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、機器の個体差や経時劣化などを考慮して油圧制御をすることができる油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、アクチュエータの油圧室に圧油を供給もしくは油圧室の圧油を排出して、そのアクチュエータにおける圧力を制御する油圧制御装置において、前記油圧室に供給または排出される圧油の単位給排量当たりの該油圧室の油圧の変化量である油圧剛性を検出する油圧剛性検出手段と、その油圧剛性検出手段で検出された油圧剛性に基づいて前記油圧室に対して圧油を給排する制御量を補正する補正手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記油圧剛性検出手段は、前記油圧室への圧油の供給量もしくは油圧室からの圧油の排出量に対する前記アクチュエータにおける圧力の変化の程度に基づいて前記油圧剛性を検出する手段を含むことを特徴とする油圧制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記油圧剛性検出手段によって油圧剛性が継続して変化している状態を検出した場合に、前記油圧室の油圧が目標油圧に達した後に、油圧制御における積算項をリセットしないことを特徴とする油圧制御装置である。
そして、請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明において、ポートを開くことによって圧油を供給もしくは排出する制御弁を更に備え、前記補正手段は、前記制御弁の制御量を補正する手段を含むことを特徴とする油圧制御装置である。
請求項1の発明によれば、アクチュエータの油圧室の油圧剛性を検出する油圧剛性検出手段と、その油圧剛性検出手段で検出された油圧剛性に基づいて油圧室に対して圧油を給排する制御量を補正する補正手段を備えているので、油温や経時劣化などの要因によって油圧剛性が変化した場合にも、その変化した油圧剛性に基づいて圧油を給排する制御量を補正して油圧を制御することができる。したがって、圧油の過供給や供給不足あるいは過剰な排出や排出不足による制御性の悪化を抑制もしくは防止することができる。
また、請求項2の発明によれば、油圧剛性検出手段は、油圧室への圧油の供給量もしくは油圧室からの圧油の排出量に対するアクチュエータにおける圧力変化の程度に基づいて油圧剛性を検出する手段を含むので、種々の要因によって変化する油圧剛性を検出することができ、その結果、その油圧剛性に基づく圧油の給排をすることができる。したがって、圧油の過供給や供給不足あるいは過剰な排出や排出不足による制御性の悪化を抑制もしくは防止することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、油圧剛性検出手段によって、油圧剛性が継続して変化していることを検出した場合に、油圧が目標油圧に達しても、その油圧制御における積算項をリセットしないので、目標油圧に至ってから油圧剛性の変化によって油圧が変化しても、再度、油圧を目標油圧に収束させる際に、その積算項を利用して早急に油圧を目標油圧に収束させることができる。
そして、請求項4の発明によれば、ポートを開くことによって圧油を供給もしくは排出する制御弁を更に備え、補正手段は、その制御弁の制御量を補正する手段を含むので、油圧剛性検出手段で検出された油圧剛性に基づいて油圧室に対して圧油を給排する制御弁の制御量を補正することができる。その結果、圧油の過供給や供給不足あるいは過剰な排出や排出不足による制御性の悪化を抑制もしくは防止することができる。
この発明に係る油圧制御装置による第1の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る油圧制御装置による第2の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る油圧制御装置による第3の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る油圧制御装置による第4の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る油圧制御装置による第5の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る油圧制御装置による第6の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る油圧制御装置における油圧回路の一例を示す概略図である。
この発明は、圧油の給排によって油圧を制御するものであって、車両や航空機などに搭載された動力伝達装置や産業機械に利用される装置など種々の機器に利用することができる。ここでは、車両に搭載されたベルト式無段変速機1を例に挙げて説明する。図7は、ベルト式無段変速機1の構成とそのベルト式無段変速機1の油圧を給排する油圧回路の一例を示したものである。まず、ベルト式無段変速機1の構成を簡単に説明すると、一対のプーリ2,3とそれらのプーリ2,3に巻き掛けられて動力を伝達するベルト4とで構成されている。また、各プーリ2,3は、軸線方向に移動可能にかつ回転自在に保持された可動シーブ2a,3aと、回転自在に保持された固定シーブ2b,3bとで構成されている。さらに、可動シーブ2a,3aには、固定シーブ2b,3bと向かい合う面の反対側の面に付設された油圧室2c,3cが設けられていて、その油圧室2c,3cに給排される圧油量あるいは油圧を変化させることによって、可動シーブ2a,3aの軸線方向の移動あるいは軸線方向に作用する圧力を変化させるように構成されている。
つぎに、油圧室2c,3cに圧油を給排する油圧回路の一例を図7を参照しつつ説明する。まず、各油圧室2c,3cにはそれぞれ油圧供給用制御弁5,6と油圧排出用制御弁7,8とが連結されている。そのうち油圧排出用制御弁7,8は、開弁することによって油圧室2c,3cの圧油をオイルパン9に排出するように構成されている。一方、油圧供給用制御弁5,6は、オイルパン9からオイルを汲み上げるオイルポンプ10と連結されている。したがって、油圧供給用制御弁5,6を閉弁状態としてオイルポンプ10を駆動させることで、油圧供給用制御弁5,6とオイルポンプ10との間に位置するオイルの油圧を増圧させることができる。また、油圧供給用制御弁5,6とオイルポンプ10との間には、油圧の制御遅れを抑制もしくは防止するためにアキュムレータ11が設けられている。つまり、そのアキュムレータ11は、オイルポンプ10の駆動開始時などの過渡状態であり、かつ油圧供給用制御弁5,6とオイルポンプ10との間に位置する油圧が低減している状態で増圧要求があった場合に、アキュムレータ11に蓄圧された油圧を油圧供給用制御弁5,6に供給するように構成されている。なお、オイルポンプ10は、車両の動力源12の動力を利用して駆動するメカオイルポンプであってもよく、電動式のオイルポンプであってもよい。さらに、上述した油圧回路には、各油圧室2c,3cと連通する油路13,14に設けられて、油圧室2c,3cの油圧を検出する油圧検出センサ15,16や油圧室2c,3cの油温を検出する油温検出センサ17,18が設けられている。
上述したように構成された油圧回路における各制御弁5,6,7,8は、ポートを開閉して圧油を給排することができるように構成された制御弁であればよく、例えば、ポートの開閉が油圧式のものであってもよく、カム機構を利用したものであってもよく、あるいは電気的に駆動されるものであってもよい。また、ポートを閉弁状態とした場合に、圧油の漏洩が少ない制御弁が好ましく、その一例としてポートに弁体を押し当てて閉弁状態とするポペット弁がある。ここで例に挙げる制御弁は、ポペット型電磁弁であって、ソレノイドに通電することによって弁体と一体に形成された磁性体の軸に電磁力を発生させ、その電磁力と、弁体をポート側に押圧する弾性体の弾性力とのバランスによってポートを開閉するように構成されている。
そして、上述した油圧検出センサ15,16や油温検出センサ17,18あるいはベルト式無段変速機1の変速比などの信号は、電子制御装置(ECU)19に入力され、その信号に基づいて各制御弁5,6,7,8に電流が出力されるように構成されている。
つぎにこの発明に係る油圧制御装置の制御例について説明する。図1は、上述した構成の油圧を制御する第1の制御例を説明するためのフローチャートである。まず、油圧室に供給または排出される圧油の単位給排量当たりの油圧室の油圧の変化量である油圧剛性に影響を及ぼす要因を検出する(ステップS11からステップS13)。具体的には、まず、ベルト式無段変速機1の変速比を検出する(ステップS11)。これは、変速比によって油圧室2c,3cの容積が変化するので、単位給排量当たりの油圧の変化量が異なるためである。つぎに、油圧室2c,3cの油圧とオイルポンプ10によって設定されたライン圧との差圧が少ないと、制御弁を開弁した際の油圧変化率、すなわち開弁時間当たりの油圧変化量が異なるので、油圧室内2c,3cの油圧を検出する(ステップS12)。さらに、油温が高いとオイルの体積が膨張して油圧が高くなり、それとは反対に油温が低いと体積が収縮して油圧が低くなるので、油圧室2c,3c内の油温を検出する(ステップS13)。
そして、ステップS11からステップS13までで検出された信号を基に、予め用意した油圧剛性マップから、各制御弁5,6,7,8へ通電する最適電流を導き出して(ステップS14)、その最適電流を出力して、この制御を一旦終了する(ステップS15)。
このように事前に油圧剛性の変化に影響を及ぼす要因を検出することによって、その油圧剛性に基づく電流を補正して各制御弁5,6,7,8に出力することができる。したがって、電流を過剰に出力してしまうこと、もしくは出力される電流不足などによる制御性、すなわち制御収束性を向上することができる。
つぎに、油圧剛性を検出するための他の検出方法を利用した第2の制御例について説明する。図2は、第2の制御例を説明するためのフローチャートである。まず、直前に検出された出力電流を検出する(ステップS21)。なお、上述した構成において電子制御装置19は、極短時間に繰り返し各センサ15,16,17,18の信号を検出している。また、ステップS21で出力電流を検出したときのバルブの入力側と出力側との差圧を検出する(ステップS22)。そして、ステップS21とステップS22との条件での油圧勾配ΔPを検出する(ステップS23)。つまり、電子制御装置19は、極短時間で繰り返し各信号を検出しているので、検出される油圧の変化から油圧勾配ΔPを算出もしくは検出する。このように直前の制御量に対する油圧勾配ΔPを検出することによって、油圧剛性が増加傾向にあるのか減少傾向にあるのか、あるいは増減の量がどれくらいであるのかを推定もしくは検出することができる。
そして、ステップS21およびステップS22の条件での油圧勾配ΔPから、そのときの油圧剛性を算出して(ステップS24)、ステップS24で算出された油圧剛性から制御弁(油圧供給用制御弁5(6))に通電する最適電流を予め用意した油圧剛性マップから導き出して(ステップS25)、その最適電流を出力して、この制御を終了する(ステップS26)。
このように直前に制御弁を開弁した際の油圧勾配ΔPを検出して油圧剛性を算出することによって、制御弁の制御量を設定することができ、制御応答性の遅れを抑制もしくは防止することができる。
つぎに変速比や挟圧力を一定に保っている状態で油圧剛性を検出もしくは算出して、油圧剛性が変化する分を考慮して制御弁の制御量を補正する第3の制御例を説明する。図3は、第3の制御例を説明するためのフローチャートである。まず、変速比や挟圧力を一定とする状態、すなわち保持モードであるか否かを判断する(ステップS31)。ステップS31で否定的に判断された場合は、従前の制御を維持してこの制御を一旦終了する。
ステップS31で肯定的に判断された場合は、上述した第2の制御例と同様に油圧勾配ΔPを検出する(ステップS32)。ついで、ステップS32で検出された油圧勾配ΔPが−P’とP’とを上下のしきい値として許容される範囲内か、もしくはその許容される範囲外であって、その油圧勾配ΔPが増加傾向か減少傾向かを判断する(ステップS33)。なお、ここで示す油圧勾配ΔPが許容される範囲とは、例えば、減圧する場合に目標油圧に不感帯を加えた油圧の上限値に油圧が達して、油圧排出用制御弁7(8)に閉弁指示をしてから閉弁完了となるまでの範囲内で、油圧が目標油圧に不感帯を加えた油圧の下限値を超えることのない油圧勾配である。したがって、油圧勾配ΔPが許容される範囲内である場合には、油圧剛性がほとんど変化がなく、現状の制御弁の制御量で油圧の制御をすることができるので、制御弁の制御量を変更することなくこの制御を一旦終了する。
一方、ステップS33で油圧勾配ΔPが許容される範囲外であって、増加傾向にある場合すなわち油圧勾配ΔPがしきい値P’以上の場合には、油温が上昇していることによる圧力上昇と判断する。したがって、その際の油圧剛性を判断して油圧排出用制御弁7(8)の制御量を変更する必要がある。そのため、まず、上述した第1の制御例もしくは第2の制御例に基づいて油圧剛性を導出もしくは算出する(ステップS34)。そして、その油圧剛性に基づく油圧制御を行えるように、油圧排出用制御弁7(8)の制御量を補正して(ステップS35)、この制御を一旦終了する。つまり、油圧排出用制御弁7(8)に通電するべき電流をステップS34で導出もしくは算出された油圧剛性に基づく電流となるように補正する。
また、ステップS33で油圧勾配ΔPが許容される範囲外であって、上述したステップS33の判断とは反対に減少傾向である場合、すなわち油圧勾配ΔPがしきい値−P’以下の場合には、油圧室2c(3c)や油路13(14)あるいは油圧供給用制御弁5(6)などから圧油が漏洩していると判断する。したがって、その際の油圧剛性を判断して油圧供給用制御弁5(6)の制御量を変更する必要がある。そのため、まず、上述した第1の制御例もしくは第2の制御例に基づいて油圧剛性を導出もしくは算出する(ステップS36)。そして、その油圧剛性に基づく油圧制御を行えるように、油圧供給用制御弁5(6)の制御量を補正して(ステップS37)、この制御を一旦終了する。つまり、油圧供給用制御弁5(6)に通電するべき電流をステップS36で導出もしくは算出された油圧剛性に基づく電流となるように補正する。
上述したように、通常であれば油圧が一定となる状態であるものの、圧油の温度や経時劣化による漏洩などを要因として油圧が変化したことによって、油圧剛性が変化する可能性がある。したがって、第3の制御例のように油圧勾配ΔPによって油圧剛性に影響する要因を推定して、その油圧剛性に基づいて制御弁の制御量を補正することによって、油圧制御の応答性の遅れを抑制もしくは防止することができる。具体的には、目標油圧は一定の範囲を許容するものであるので、例えば、油温が上昇して増圧している場合には、油圧勾配が大きくなるので、油圧排出用制御弁7(8)のソレノイドに通電する時間を短くしたり、通電する電流値を小さくしたりし、それとは反対に圧油が漏洩して減圧している場合には、油圧供給用制御弁5(6)のソレノイドに通電する時間を長くしたり、通電する電流値を大きくしたりすることで、油圧制御の応答性の遅れを抑制もしくは防止することができる。
つぎに第3の構成とは異なった方法で外乱や経時劣化などによる油圧剛性の変化を判断する第4および第5の制御例について説明する。図4は、第4の制御例を説明するためのフローチャートである。第4の制御例は、圧油供給開始から目標油圧に到達して増圧制御が完了するまでの増圧制御時のものである。まず、増圧開始時からの油圧供給用制御弁5(6)の連続通電回数Nをカウントする(ステップS41)。上述した油圧制御装置において、油圧供給用制御弁5(6)のソレノイドに通電することによってポートが開いて圧油を供給されるように構成されているので、不感帯を含む目標油圧に到達したらもしくは目標油圧以上になったら、通電が遮断される。一方、油圧回路内で圧油が漏洩している場合などによって、通電を停止したとしても油圧が低下して目標油圧に安定しない場合などは、再度、油圧供給用制御弁5(6)を開弁するためにソレノイドに通電される。したがって、ステップS41でカウントされた連続通電回数Nが閾値N’以上であるか否かが判断される(ステップS42)。ステップS42で否定的に判断された場合は、油圧回路から圧油が漏洩していないと判断して、この制御を一旦終了する。
一方、ステップS42で肯定的に判断された場合には、油圧回路から圧油が漏洩している可能性がある。したがって、油圧剛性を判断して供給する制御量を設定して、圧油の供給量を補正する必要がある。そのため、まず、上述した第1の制御例もしくは第2の制御例に基づいて油圧剛性を導出もしくは算出する(ステップS43)。そして、その油圧剛性に基づく油圧制御を行えるように、油圧供給用制御弁5(6)の制御量を補正して(ステップS44)、この制御を一旦終了する。つまり、油圧供給用制御弁5(6)に通電するべき電流をステップS43で導出もしくは算出された油圧剛性に基づく電流となるように補正する。
このように油圧供給用制御弁5(6)の連続通電回数Nを検出することにより、増圧過程のソレノイドに通電する電流を補正することにより、漏洩する圧油分を多く供給することや通電時間を長くするなどして、油圧供給用制御弁5(6)の開閉動作の頻度を低減することができ、ひいては車両の燃費を向上することができる。
そして、第4の制御例を減圧制御に替えた制御例が第5の制御例である。まず、油圧排出用制御弁7(8)のソレノイドに通電した連続通電回数Nをカウントする(ステップS51)。これは、第4の制御例では、増圧時であったのに対して第5の制御例は減圧時であるため、減圧するために使用される油圧排出用制御弁7(8)の連続通電回数Nをカウントする。そして、その連続通電回数Nが閾値N’以上であるか否かが判断される(ステップS52)。ステップS52で否定的に判断された場合は、油圧室2c(3c)内の油温などにより、油圧が増加していないもしくは予定した制御量に応じて油圧が変化していると判断して、この制御を一旦終了する。
一方、ステップS52で肯定的に判断された場合には、油圧室2c(3c)の油温が上昇したことによって油圧が増加する傾向にあり、予定した制御量では減圧制御の遅れが生じる可能性がある。したがって、油圧剛性を判断して排出する制御量を設定して、圧油の排出量を補正する必要がある。そのため、まず、上述した第1の制御例もしくは第2の制御例に基づいて油圧剛性を導出もしくは算出する(ステップS53)。そして、その油圧剛性に基づく油圧制御を行えるように、油圧排出用制御弁7(8)の制御量を補正して(ステップS54)、この制御を一旦終了する。つまり、油圧排出用制御弁7(8)に通電するべき電流をステップS53で導出もしくは算出された油圧剛性に基づく電流となるように補正する。
このように制御することによって、油温の上昇に伴って増加する油圧分を多く排出するなどして、油圧排出用制御弁7(8)の開閉動作の頻度を低減することができ、ひいては車両の燃費を向上することができる。
また、油圧回路内から圧油が漏洩している場合や油温が上昇し続けている場合などでは、目標油圧への実油圧の追従性が伴わないことにより目標油圧と実油圧との偏差が大きくなることがある。そのため、従来は、制御量やゲインなどを変化させて目標油圧に収束させるように構成され、また、実油圧が目標油圧に到達すると油圧のハンチングを防ぐために、偏差の積算値(I項)をリセットするように構成されている。一方、上述したように圧油の漏洩や油温の変化が継続している場合には、実油圧が目標油圧に到達したとしても、継続してその油圧が変化してしまい、その都度圧油を給排する必要がある。したがって、この発明に係る第6の制御例は、目標油圧に実油圧が到達したとしても制御を継続する、つまり積算値をリセットしないように構成されている。図6に第6の制御例を説明するためのフローチャートを示す。まず、油圧供給用制御弁5(6)もしくは油圧排出用制御弁7(8)の連続通電回数Nをカウントして(ステップS61)、ステップS61でカウントされた回数が閾値N’以上であるか否かを判断する(ステップS62)。ステップS61およびステップS62は、上述した第4および第5の制御例と同様に、油圧回路から圧油が漏洩しているかもしくは油温が上昇しているかを判断するためである。
そして、ステップS62で肯定的に判断された場合は、油圧回路内から圧油が漏洩しているもしくは油温が上昇していると推定する。そして、実油圧が目標油圧に到達したか否かを判断する(ステップS63)。ステップS63で否定的に判断された場合は、圧油の給排を継続してこの制御を一旦終了する。それとは反対にステップS63で肯定的に判断された場合は、I項をリセットせず(ステップS64)に、この制御を一旦終了する。したがって、目標油圧に実油圧が到達する過程で積算された積算項を残した状態で継続して油圧の制御を実施する。その結果、目標油圧に到達した後に、油圧の変動が生じても、積算項を継続して利用することで早急に油圧を目標油圧に収束させることができる。
一方、ステップS62で否定的に判断された場合は、目標油圧がスイープもしくは微少な増減をしているか否かを判断する(ステップS65)。ここで、目標油圧がスイープもしくは微少な増減をしているとは、油圧の追従性が良好でない場合に、制御性を高めるために目標油圧を微少に変化させている状態である。したがって、油圧回路内から圧油が漏洩している場合や油温が継続して上昇している場合などでは、油圧剛性が変化し続けているために、ステップS65で肯定的に判断される。そして、ステップS65で肯定的に判断された場合は、目標油圧に到達したか否かを判断し(ステップS63)、目標油圧に到達していない場合は、圧油の給排を継続してこの制御を終了する。それとは反対に目標油圧に到達した場合は、I項をリセットせず(ステップS64)に、この制御を終了する。
したがって、目標油圧がスイープもしくは微少な増減をしている状態、すなわち不感帯内での油圧の増減によるドライバビリティの悪化を抑制もしくは防止することができる。また、油圧制御性が向上するので、制御弁の開閉動作の頻度を低減することができ、その結果、動力源の燃費を向上させることができる。
なお、この発明は、上述した構成に限定されず、例えば、油圧回路に逆止弁などの他の機器を設けてもよく、また、オイルポンプ10と油圧供給用制御弁5(6)との間で分岐させて他の油圧制御装置に連結してもよい。さらに、上述した各制御例では、油圧剛性に影響を及ぼす要因として変速比や油温あるいは油圧を例に挙げたが、これに限定されない。
2c,3c…油圧室、 5,6…油圧供給用制御弁、 7,8…油圧排出用制御弁、 15,16…油圧検出センサ、 17,18…油温検出センサ。

Claims (4)

  1. アクチュエータの油圧室に圧油を供給もしくは油圧室の圧油を排出して、そのアクチュエータにおける圧力を制御する油圧制御装置において、
    前記油圧室に供給または排出される圧油の単位給排量当たりの該油圧室の油圧の変化量である油圧剛性を検出する油圧剛性検出手段と、
    その油圧剛性検出手段で検出された油圧剛性に基づいて前記油圧室に対して圧油を給排する制御量を補正する補正手段と
    を備えていることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記油圧剛性検出手段は、前記油圧室への圧油の供給量もしくは油圧室からの圧油の排出量に対する前記アクチュエータにおける圧力の変化の程度に基づいて前記油圧剛性を検出する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記油圧剛性検出手段によって油圧剛性が継続して変化している状態を検出した場合に、前記油圧室の油圧が目標油圧に達した後に、油圧制御における積算項をリセットしないことを特徴とする請求項1または2に記載の油圧制御装置。
  4. ポートを開くことによって圧油を供給もしくは排出する制御弁を更に備え、
    前記補正手段は、前記制御弁の制御量を補正する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の油圧制御装置。
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