JP5666999B2 - 条鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
1)600℃まで:昇温速度20℃/分以上
2)600℃以上:酸素濃度3.0体積%以上、10.0体積%以下の炉内雰囲気
昇温速度5℃/分以上、20℃/分未満
Cは鋼材の強度を高めるのに有効な元素であり、そのためには0.1%以上含有させることが好ましい。しかしながら、C含有量が過剰になると冷間加工性が低下するので1.5%以下とすることが好ましい。尚、C含有量のより好ましい下限は0.2%以上(更に好ましくは0.5%以上)であり、より好ましい上限は1.3%以下(更に好ましくは1.1%以下)である。
Siは鋼材の強度を確保する上で有効な元素であり、そのためには0.1%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Si含有量が過剰になると、熱間圧延時のスケール剥離性を損なうので2%以下とすることが有効である。尚、Si含有量のより好ましい下限は0.15%以上(更に好ましくは0.2%以上)であり、より好ましい上限は1.85%以下(更に好ましく1.8%以下)である。
Mnは鋼材の強度および靭性を確保するために有効な元素であり、そのためには0.01%以上とする。しかしながら、Mn含有量が過剰になると、鋼材の靭性を損なうと共に溶接性を阻害するので1%以下とする必要がある。尚、Mn含有量の好ましい下限は0.1%以上(より好ましくは0.2%以上)であり、好ましい上限は0.9%以下(より好ましくは0.8%以下)である。
Crは鋼材に強度を付与するために必要な元素であり、Cr含有量が0.1%未満では鋼部品の強度が不足することになる。しかしながら、Cr含有量が多くなり過ぎると、熱間圧延時のスケール剥離性を著しく損なうので、2%以下とする必要がある。尚、Cr含有量の好ましい下限は0.3%以上(より好ましくは0.5%以上)であり、好ましい上限は1.8%以下(より好ましくは1.5%以下)である。
Sは硫化物系介在物MnSを形成し、これが鋼材の熱間圧延時に偏析することによって、鋼材を脆化させるので、できるだけ抑制することが好ましい。こうした観点から、S含有量は0.05%以下とすることが好ましい。S含有量は、より好ましくは0.025%以下であり、更に好ましくは0.015%以下であるが、量産工程で製造する観点からは、0%とすることは困難である。
Pは、微量に含まれる場合には、鋼材の強度を高める方向に作用するが、過剰に含有されると、鋼材の脆性を高めるので、0.05%以下とすることが好ましい。P含有量は、より好ましくは0.025%以下であり、更に好ましくは0.015%以下であるが、量産工程で製造する観点からは、0%とすることは困難である。
Cuは、1356Kで液相となり、熱間圧延での変形中にオーステナイト結晶粒界に侵入し、表面割れを発生させるため、できるだけ低減することが好ましい。こうした観点から、Cu含有量は0.3%以下とすることが好ましい。Cu含有量は、より好ましくは0.1%以下であり、更に好ましくは0.05%以下である。
Niは鋼材表面に不均一に濃化し、スケール表面の凹凸を大きくして熱間圧延時のスケール剥離性を悪化させるため、0.3%以下に抑制することが好ましい。Ni含有量は、より好ましくは0.2%以下であり、更に好ましくは0.05%以下である。
Moは、鋼材の強度を向上させる上で有用な元素である。しかしながら、過剰に含有すると鋼材の延性を劣化させるので、0.4%以下とすることが好ましい。上記効果を発揮させるためには、Mo含有量は0.01%以上(より好ましくは0.1%以上)とすることが好ましい。Mo含有量のより好ましい上限は0.35%以下(更に好ましくは0.30%以下)である。
下記表1に示す各種化学成分組成(鋼種A〜G)の鋼材(ビレット)を溶製した。この鋼材から、サイズ8mmφ×12mmLの円柱状に切削加工、表面研磨し、表層に脱炭層の無いサンプルを作製した。
Claims (4)
- 鋼材を炉で加熱し、次いで熱間圧延して条鋼を製造する方法であって、
前記炉の昇温速度と雰囲気を、鋼材の表面温度に応じて、下記の通りにし、且つ炉からの抽出温度を1200℃以下とすることを特徴とする条鋼の製造方法。
1)600℃まで:昇温速度20℃/分以上
2)600℃以上:酸素濃度3.0体積%以上、10.0体積%以下の炉内雰囲気
昇温速度5℃/分以上、20℃/分未満 - 前記条鋼は、C:0.1〜1.5%(質量%の意味、化学成分組成について以下同じ)、Si:0.1〜2%、Mn:0.01〜1%およびCr:0.1〜2%を夫々含み、残部が鉄および不可避不純物からなるものである請求項1に記載の製造方法。
- 前記条鋼は、更に他の元素として、Mo:0.4%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項2に記載の製造方法。
- 前記条鋼は、軸受け鋼または機械構造用鋼として用いられるものである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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