以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、例えば、複数の組織から依頼された複数の業務の作業を混在させながら、テレワーカが連続して各業務の作業を行う場合を想定したものである。このような場合、作業対象の業務を変更するごとに、その業務の受託先の変更の有無を意識し続けるのは、テレワーカにとって負担であると共に、業務に関する通達の適用漏れの発生原因ともなる。
しかも、通達の適切な管理技術は、テレワークという業務形態において特に有用である。すなわち、テレワークでない場合は、ある人が複数の企業から業務を受託するならば、当然、とりかかる業務の受託先が変わるときに、作業者は勤務場所を移動することが強いられる。場所の移動が伴えば、自然と適用ルールを変更する意識も働くし、頭の切り替えは比較的容易にできる。さらには、勤務場所が異なれば、業務に使用する端末装置も異なる。各端末装置の使用環境において、その端末装置が設置された組織の業務上の通達を容易に表示できるようにしてあれば、作業者が特に意識せずとも、業務ごとの通達を参照できる。
一方、テレワークでは、テレワーカの移動が伴わないことが長所である。これによって、テレワーカは、ある一つの場所から移動せずに、簡単に依頼元の組織が異なる複数の業務を、適宜切り替えながら各業務に関する作業を遂行することができる。例えば、ユーザの操作によって、ディスプレイに表示された画面が切り替わることで、ある受託先からの業務を他の受託先からの業務へ切り替えるなどである。このような作業の遂行時には、作業対象を切り替えた際にも、その作業の受託先が変更されたことを意識しにくい環境下であることが想定できる。そのため、適用すべき通達の管理が困難になることが考えられる。
なお電子メールで受け取った通達を整理する一つの方法としては、テレワーカ個人でメールのフォルダを作成し、あらかじめ通達メールを分類することが考えられる。この場合には、テレワーカは、同じ業務内であってもどの企業から受託した業務を自らが遂行中であるかを意識しながら、適切なフォルダの通達を参照しながら業務を遂行することとなる。ただし、フォルダの作成に手間を要すると共に、テレワーカ個人の手作業で行うことにより、ミスを誘発することも考えられる。
そこで、第1の実施の形態では、作業者が業務に関する作業項目を指定するごとに、その作業に関する通達を出力することで、依頼された業務に関する作業時に、その業務に関する通達を確実に適用できるようにする。
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の機能の一例を示すブロック図である。情報処理装置1には、入力装置2と表示装置3とが接続されている。なお入力装置2と表示装置3とは、ネットワークを介して情報処理装置1に接続された他の装置に設けられていてもよい。
情報処理装置1は、作業項目記憶部1a、通達記憶部1b、特定部1c、および抽出部1dを有している。
作業項目記憶部1aは、業務の識別情報を特定する際には、業務の識別情報と、該業務に含まれる作業項目との対応関係を記憶する。複数の業務は、例えば指導対象者に対する指導を作業項目とする業務である。
通達記憶部1bは、業務の識別情報に対応付けて、業務に関する通達を記憶する。
特定部1cは、複数の受託先から各々受託した複数の業務のいずれかに含まれる複数の作業項目のうち、いずれかの作業項目を指定する情報を受付ける。次に特定部1cは、複数の作業項目の各々について、複数の業務のうち各作業項目が含まれる業務の識別情報を対応付けた作業項目記憶部1aから、指定された作業項目に対応する識別情報を特定する、なお、作業項目を指定する情報は、例えば入力装置2から入力される。
抽出部1dは、通達記憶部1bから、特定された業務の識別情報に対応する通達を抽出する。そして抽出部1dは、抽出した通達を出力する。例えば抽出部1dは、抽出した通達を表示装置3に対して出力し、通達を表示装置3に表示させる。
このような構成の情報処理装置1により、作業項目に応じた通達の出力処理が行われる。
図2は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図2に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS1]特定部1cは、作業項目を指定する情報の入力があるか否かを判断する。例えば特定部1cは、入力装置2から作業項目を指定する情報が入力されたか否かを判断する。特定部1cは、当該情報の入力があれば、処理をステップS2に進める。また特定部1cは、当該情報の入力がなければ、ステップS1の処理を繰り返す。
[ステップS2]特定部1cは、入力された情報で指定された作業項目に対応する業務の識別情報を特定する。例えば特定部1cは、作業項目記憶部1aから指定された作業項目を検索し、該当した作業項目に対応付けられた業務の識別情報を特定する。特定部1cは、特定した業務の識別情報を、抽出部1dに通知する。
[ステップS3]抽出部1dは、通達記憶部1bから、特定部1cで特定された業務の識別情報に対応する通達を抽出する。このとき、例えば特定された業務の識別情報に対応する通達が複数あれば、複数の通達が抽出される。
[ステップS4]抽出部1dは、抽出した通達を出力する。例えば抽出部1dは、抽出した通達を表示装置3に対して出力し、表示装置3に通達を表示させる。
図3は、第1の実施の形態に係る情報処理装置による通達の抽出例を示す図である。図3の例では、入力装置2から「A−1」という作業項目を指定した情報4が、情報処理装置1に入力されている。入力された情報4は、特定部1cで受信される。特定部1cでは、例えば作業項目記憶部1aから、「A−1」という作業項目に対応付けられた業務の識別情報が特定される。図3の例では、作業項目記憶部1aにおいて、作業項目「A−1」に対して識別情報「001」が対応付けられている。そこで、特定部1cでは「001」という識別情報5が特定され、その識別情報5が抽出部1dに渡される。
抽出部1dでは、受け取った識別情報5に対応する通達が、通達記憶部1bから抽出される。図3の例では、通達記憶部1bには、識別情報「001」に対して、「通達a」と「通達b」とが対応付けられている。そこで抽出部1dにより、2つの通達6,7が抽出され、例えば表示装置3に出力される。
このようにして、情報処理装置1の利用者(例えばテレワーカ)は、作業項目を指定する情報4を入力するだけで、その作業項目に適用する通達6,7の出力を得ることができる。これにより、例えば、複数の業務を受託しており、各業務に対して様々な通達が出されている場合であっても、各業務の作業を行う際には、その作業に適用する通達を確実に参照することができる。そして作業者は、通達を適切に適用した作業を行うことができる。
なお、特定部1cや抽出部1dは、情報処理装置1が有するCPU(Central Processing Unit)が備える機能により実現することができる。また、作業項目記憶部1aや通達記憶部1bは、情報処理装置1が有するRAM(Random Access Memory)やハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などにより実現することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、保健師や管理栄養士による保健指導を支援する保健指導システムにおいて、複数の依頼組織それぞれからの通達を保健師や管理栄養士が容易に管理できるようにしたものである。
図4は、第2の実施の形態の保健指導システムの構成例を示す図である。サーバ100は、ネットワーク10を介して、複数の依頼組織内コンピュータ20,30に接続されている。依頼組織内コンピュータ20,30は、例えば保健指導を依頼した企業内のコンピュータである。図4の例では、依頼組織内コンピュータ20は、A社のコンピュータである。A社における保健指導の管理担当者23は、依頼組織内コンピュータ20を用いて、A社の社員に対する保健指導に関する通達を、指導者43,44に対して行う。依頼組織内コンピュータ30は、B自治体のコンピュータである。B自治体における保健指導の管理担当者33は、依頼組織内コンピュータ30を用いて、B自治体の住民に対する保健指導に関する通達を、指導者43,44に対して行う。なお通達は、例えば指導者43,44が有する電子メールアドレス宛の電子メール送信によって行われる。
A社に所属する指導対象者24,25は、ネットワーク10に接続し、保健指導に関する情報を受け取ることができる機器を有している。例えば指導対象者24は、基地局10aと無線通信を行い、基地局10aを介してネットワーク10に接続可能な端末装置21を有している。また指導対象者25は、ネットワーク10に接続された端末装置22を有している。図4の例では、指導対象者24の名前は「山田太郎」である。また指導対象者25の名前は「中村次郎」である。
B自治体に所属する指導対象者34,35は、ネットワーク10に接続し、保健指導に関する情報を受け取ることができる機器を有している。例えば指導対象者34は、基地局10bと無線通信を行い、基地局10bを介してネットワーク10に接続可能な端末装置31を有している。また指導対象者35は、ネットワーク10に接続された端末装置32を有している。図4の例では、指導対象者34の名前は「鈴木三郎」である。また指導対象者35の名前は「佐藤八郎」である。
保健指導を行う指導者43,44は、ネットワーク10に接続し、保健指導に関する情報を送信可能な端末装置41,42を有している。また指導者43,44が使用する端末装置41,42は、サーバ100を介して、依頼組織内コンピュータ20,30から送信された通達を受信できる。
サーバ100は、保健指導に関する情報を管理するコンピュータである。例えばサーバ100は、指導対象者24,25,34,35や指導者43,44宛の電子メールのメールボックスを有している。保健指導を指導者43,44に依頼した組織から電子メールによって出された通達は、サーバ100で管理される。これにより、指導者43,44は、サーバ100から依頼組織ごとの通達を取得することができる。
図5は、第2の実施の形態における保健指導の一例を示す図である。第2の実施の形態では、指導者43が、各指導対象者24,25,34,35に対して保健指導を行う。例えば指導者43は、端末装置41に搭載されたWebブラウザの機能を用いてサーバ100にアクセスする。そして、指導者43が、端末装置41を用いて指導対象者のうちの一人を選択すると、選択した指導対象者用の指導画面データがサーバ100で生成される。例えば、指導対象者24が選択された場合、指導対象者24用の指導画面データ51が生成される。指導対象者25が選択された場合、指導対象者25用の指導画面データ52が生成される。指導対象者34が選択された場合、指導対象者34用の指導画面データ53が生成される。指導対象者35が選択された場合、指導対象者35用の指導画面データ54が生成される。
このとき指導画面データには、対応する指導対象者が属する組織からの通達が表示される。例えば、A社の管理担当者23が依頼組織内コンピュータ20を用いて送信した通達に、「通達a」、「通達b」があるものとする。すると、A社に所属する指導対象者24,25の指導画面データ51,52には、「通達a」、「通達b」が含められる。またB自治体の管理担当者33が依頼組織内コンピュータ30を用いて送信した通達に、「通達c」、「通達d」があるものとする。すると、B自治体に所属する指導対象者34,35の指導画面データ53,54には、「通達c」、「通達d」が含められる。
生成された指導画面データは、サーバ100から端末装置41に送られる。指導画面データは、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)で記載された構造化文書である。送られた指導画面データに基づいて、指導者43が使用する端末装置41に指導画面が表示される。
端末装置41に表示される指導画面には、選択した指導対象者が所属する組織から出された通達が表示される。これにより、指導者43は、選択した指導対象者がどの組織に属しているのかを意識せずに、その指導対象者に対して適用する通達を認識することができる。そして指導者43は、指導対象者に適用する通達を考慮して、指導対象者に対する指導内容を端末装置41に入力する。入力された指導内容は、端末装置41からサーバ100に送信され、対応する指導対象者の端末装置に送信される。
図6は、本実施の形態に用いるサーバのハードウェアの一構成例を示す図である。サーバ100は、CPU101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM102と複数の周辺機器が接続されている。
RAM102は、サーバ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
バス108に接続されている周辺機器としては、HDD103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および通信インタフェース107がある。
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、サーバ100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。モニタ11としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス13は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク14に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク14は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク14には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
通信インタフェース107は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク10を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した装置も、図6に示したサーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、図4に示した端末装置21,22,31,32,41,42も、図6に示したサーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。ただし、携帯型の端末装置21,31に関しては、基地局10a,10bと無線通信を行うための無線通信機能をさらに備えている。
図7は、サーバの機能の一例を示すブロック図である。サーバ100には、ユーザ管理データベース(DB)110、通達メールボックス120、通達外メールボックス130、受信部140、送信部150、メール振り分け部160、対象者一覧生成部170、通達一覧生成部180、および指導画面管理部190を有する。
ユーザ管理DB110は、依頼組織および指導対象者に関する情報を記憶する(図8参照)。例えば、RAM102またはHDD103の記憶領域の一部が、ユーザ管理DB110として使用される。なお以下の説明では、単にユーザと言った場合、保健指導を依頼した組織と指導対象者との双方が含まれるものとする。
通達メールボックス120は、依頼組織から電子メールによって送られた通達を記憶するメールボックスである(図9参照)。例えば、RAM102またはHDD103の記憶領域の一部が、通達メールボックス120として使用される。
通達外メールボックス130は、保健指導を依頼した組織からの通達外の電子メール、指導対象者から送られた電子メール、および指導者が指導対象者に対して送信した電子メールを記憶するメールボックスである(図10参照)。例えば、RAM102またはHDD103の記憶領域の一部が、通達外メールボックスとして使用される。
受信部140は、ネットワーク10を介して入力された電子メール、またはHTTPなどの所定の通信プロトコルによるメッセージを受信する。受信部140は、受信した情報を、情報の内容に応じて他の要素に転送する。例えば電子メールを受信した場合、受信部140は、その電子メールをメール振り分け部160に転送する。また、例えば対象者一覧取得要求を示すメッセージを受信した場合、受信部140は、受信したメッセージを対象者一覧生成部170に転送する。また、例えば対象者一覧から選択した指導対象者を示すメッセージを受信した場合、受信部140は、受信したメッセージを対象者一覧生成部170に転送する。また、例えば指導メールの編集画面の操作を示すメッセージを受信した場合、受信部140は、受信したメッセージを指導画面管理部190に転送する。
送信部150は、電子メールや所定の通信プロトコルによるメッセージを、ネットワーク10を介して送信する。例えば送信部150は、対象者一覧生成部170が生成した対象者一覧を、指導者の端末装置に対して送信する。また送信部150は、指導画面管理部190が生成した指導画面を、指導者の端末装置に対して送信する。また送信部150は、指導画面管理部190が指導者からの入力によって生成した電子メールを通達外メールボックス130から取り出し、指導対象者宛に送信する。
対象者一覧生成部170は、指導対象者の名称などを列挙した対象者一覧を生成する。例えば対象者一覧生成部170は、指導者が使用する端末装置からの対象者一覧要求に応じて、対象者一覧を生成する。例えば対象者一覧生成部170は、ユーザ管理DB110から指導対象者の情報を抽出し、抽出した情報に基づいて対象者一覧を生成する。そして対象者一覧生成部170は、生成した対象者一覧を、送信部150を介して、対象者一覧要求の送信元である端末装置へ送信する。また対象者一覧生成部170は、対象者一覧から一人の指導対象者を選択するメッセージを、指導者の端末装置から受け取ると、選択された指導対象者のユーザ名を、通達一覧生成部180と指導画面管理部190とに通知する。
通達一覧生成部180は、選択された指導対象者のユーザ名を対象者一覧生成部170から受け取ると、選択された指導対象者に関連する通達の一覧を生成する。選択された指導対象者に関連する通達とは、その指導対象者が属する組織で発行された通達である。例えば、A社の社員である指導対象者が選択された場合、A社からの通達の一覧が生成される。例えば通達一覧生成部180は、ユーザ管理DB110を参照し、選択された指導対象者のユーザ名に基づいて、その指導対象者に対する保健指導業務の識別子を取得する。さらに通達一覧生成部180は、取得した保健指導業務の識別子に基づいて、通達メールボックス120から、該当する保健指導業務を依頼した依頼組織からの通達を抽出する。通達一覧生成部180は、抽出した通達に基づいて、通達一覧を生成する。通達一覧生成部180は、生成した通達一覧を指導画面管理部190に渡す。
指導画面管理部190は、指導者による指導対象者への指導を支援するための画面を生成する。例えば指導画面管理部190は、選択された指導対象者のユーザ名を対象者一覧生成部170から受け取ると、選択された指導対象者から受信した未読の電子メールを通達外メールボックス130から抽出する。指導画面管理部190は、抽出した電子メールの内容と、通達一覧生成部180から取得した通達一覧とを含む画面データを生成する。そして指導画面管理部190は、生成した画面データを、指導者の端末装置に送信する。例えば指導画面管理部190は、HTML(HyperText Markup Language)により、画面データを生成することができる。
また指導画面管理部190は、指導者の端末装置からの入力に応じて、指導メール編集画面を生成する。指導画面管理部190は、生成した指導メール編集画面に対する編集操作を、指導者の端末装置から受け付ける。そして指導画面管理部190は、指導メール編集完了の指示が、指導者の端末装置から入力されると、ユーザ管理DB110を参照して、選択された指導対象者の電子メールアドレスを認識する。そして指導画面管理部190は、選択された指導対象者の電子メールアドレスを宛先とする指導用の電子メールを作成し、作成した電子メールを通達外メールボックスに格納する。
このような機能を有するサーバ100により、依頼組織からの通達を確実に適用した上で、指導者による指導対象者への保健指導を容易に行うことができる。なお、図7において各要素間の通信経路を示す線は、サーバ100内で行われる通信の通信経路の一部を示すものである。すなわちサーバ100は、図7に示した通信経路以外の通信を行うこともできる。
なおユーザ管理DB110は、図1に示した作業項目記憶部1aの一例である。通達メールボックス120は、図1に示した通達記憶部1bの一例である。対象者一覧生成部170は、図1に示した特定部1cの一例である。通達一覧生成部180は、図1に示した抽出部1dの一例である。
次に、サーバ100内に格納される情報について説明する。
図8は、ユーザ管理DBのデータ構造の一例を示す図である。なお図8の例では、保健指導を依頼した組織、およびその組織に属する指導対象者を、ユーザとして、ユーザ管理テーブル111で管理している。ユーザ管理DB110に格納されたユーザ管理テーブル111には、識別番号、ユーザ名、メールアドレス、および処理業務コードの欄が設けられている。
識別番号の欄には、保健指導を依頼した組織と指導対象者との識別番号が設定される。図8の例では、保健指導を依頼した組織に関するレコードの識別番号には、1000番からの通し番号が振られている。指導対象者に関するレコードの識別番号には、2000番からの通し番号が振られている。これにより、識別番号を参照することで、各ユーザが、保健指導を依頼した組織なのか、指導対象者なのかを識別することが可能となる。
ユーザ名の欄には、サーバ100を使用するユーザの名称(ユーザ名)が設定される。なお保健指導を依頼した組織の場合、組織の名称がユーザ名となる。指導対象者の場合、指導対象者の名前がユーザ名となる。
メールアドレスの欄には、各ユーザの電子メールのアドレスが設定される。保健指導を依頼した組織の電子メールアドレスは、その組織の管理担当者がアクセス可能なメールボックスのアドレスである。
処理業務コードの欄には、保健指導の依頼案件ごとに付与された、その依頼を処理する業務の識別コード(処理業務コード)が設定される。例えば、保健指導を依頼した組織のレコードには、その組織からの依頼案件に対応する処理業務コードが設定される。また指導対象者のレコードには、その指導対象者への保健指導を依頼した依頼案件に対応する処理業務コードが設定される。
図8の例では、A社に属する山田太郎と中村次郎とには、A社と同じ処理業務コードが設定されている。同様にB自治体に属する鈴木三郎と佐藤八郎とには、B自治体と同じ処理業務コードが設定されている。
なお図8の例では、指導対象者である一人のユーザに対して、1つの処理業務コードが設定されているが、複数の処理業務コードが設定される場合もある。例えば、山田太郎さんがA社の社員であり、且つB自治体の住民である場合が考えられる。この場合、山田太郎さんに対する保健指導の業務が、A社とB自治体の両方から依頼される可能性がある。このように、一人の指導対象者に対する保健指導の依頼が複数の組織から出された場合、その指導対象者に対して複数の処理業務コードが設定される。
一人の指導対象者に対して複数の処理業務コードが設定された場合、その指導対象者に対する指導を行うときの指導画面には、複数の組織それぞれから出された通達が指導者の端末装置に表示される。
図9は、通達メールボックスのデータ構造の一例を示す図である。通達メールボックス120には、メール管理テーブル121が格納されている。メール管理テーブル121には、処理業務コード、通達番号(No.)、内容、通達日、および有効期限の欄が設けられている。
処理業務コードの欄には、通達を出した組織からの保健指導の依頼案件に関する処理業務コードが設定される。
通達番号の欄には、通達の識別番号が設定される。図9の例では、「A社」から出された通達には、「A0001」から始まる昇順の番号が設定される。また「B自治体」から出された通達には、「B0001」から始まる昇順の番号が設定される。なお、通達番号は、例えば通達を送信する組織の管理担当者によって、通達を通知する電子メールに付与される。その電子メールから、メール振り分け部160より通達番号が抽出され、メール管理テーブル121に設定される。
内容の欄には、通達の内容が設定される。
通達日の欄には、通達が出された日が設定される。例えば、通達に関する電子メールの受信日が、通達日として設定される。
有効期限の欄には、通達の有効期限が設定される。例えば、通達に関する電子メール内に、有効期限を示す文字列があった場合に、その文字列から抽出された期日が、有効期限の欄に設定される。
図10は、通達外メールボックスのデータ構造の一例を示す図である。通達外メールボックス130には、受信トレイ131と送信トレイ132とが格納されている。受信トレイ131は、指導対象者から受信した電子メールを管理するデータテーブルである。送信トレイ132は、指導対象者に送信した電子メールを管理するデータテーブルである。
受信トレイ131には、例えば整理番号、件名、送信者、送信元メールアドレス、送信日時、画像有無、未読フラグおよび処理業務コードの欄が設けられている。
整理番号の欄には、受信した電子メールを一意に識別するための整理番号が設定される。
件名の欄には、受信した電子メールの件名が設定される。
送信者の欄には、受信した電子メールの送信者の名前が設定される。送信者の欄に設定される送信者の名前は、例えば、受信した電子メールの送信者のメールアドレスに対応付けてユーザ管理テーブル111のユーザ名の欄に設定されている名前が設定される。
送信元メールアドレスの欄には、電子メールの送信者のメールアドレスが設定される。
送信日時の欄には、指導対象者が電子メールを送信した日時が設定される。例えば、電子メールのヘッダ情報に設定されている送信日時が、送信日時の欄に設定される。
画像有無の欄には、受信した電子メールに、画像の添付ファイルがあるか否かが設定される。画像の添付ファイルがある場合、画像有無の欄に画像ファイル有と設定されると共に、画像ファイルの格納場所を示す情報が設定される。
未読フラグの欄には、受信した電子メールの内容を指導者が読んだか否かを示すフラグ(未読フラグ)が設定される。例えば、電子メールを受信した直後は、未読フラグに「未読」と設定される。指導画面管理部190により受信した電子メールの内容が読み出されたとき、指導画面管理部190により未読フラグが「既読」に変更される。
処理業務コードの欄には、電子メールを送信した指導対象者への指導業務の処理業務コードが設定される。
送信トレイ132は、例えば整理番号、件名、宛先、宛先メールアドレス、送信日時、画像有無、および送信済みフラグの欄を有している。
整理番号の欄には、送信した電子メールを一意に識別するための整理番号が設定される。
件名の欄には、送信した電子メールの件名が設定される。
宛先の欄には、送信した電子メールの宛先である指導対象者の名前が設定される。宛先の欄に設定される指導対象者の名前は、例えば、送信した電子メールの宛先のメールアドレスに対応付けてユーザ管理テーブル111のユーザ名の欄に設定されている名前が設定される。
宛先メールアドレスの欄には、作成した電子メールの宛先である指導対象者のメールアドレスが設定される。
送信日時の欄には、指導者が電子メールを送信した日時が設定される。
画像有無の欄には、送信した電子メールに、画像の添付ファイルがあるか否かが設定される。画像の添付ファイルがある場合、画像有無の欄に画像ファイル有と設定されると共に、画像ファイルの格納場所を示す情報が設定される。
送信済みフラグの欄には、送信トレイ132に格納された電子メールが送信済みか否かを示すフラグが設定される。図10の例では、送信済みの電子メールの送信済みフラグは「済」、未送信の電子メールの送信済みフラグは「未」である。送信部150は、送信済みフラグに基づいて未送信の電子メールを判断し、所定のタイミングで未送信の電子メールを送信する。
以上のような構成のサーバ100を用いて、指導者による指導対象者への保健指導が行われる。以下、指導者43が指導対象者24の保健指導を行う場合を想定し、保健指導システムによる処理手順を説明する。
まず、指導対象者24が所属するA社からの通達に関する電子メール(通達メール)と、指導対象者24が日常の生活やその他の相談事項に関する電子メール(通達外メール)との送受信処理について説明する。
図11は、電子メール送受信処理の手順を示すシーケンス図である。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]A社の管理担当者23の操作により、依頼組織内コンピュータ20からサーバ100へ通達メールが送信される。例えばサーバ100自身がメールサーバとして機能を備え、サーバ100のドメイン名を含むメールアドレスを、保健指導用の代表のメールアドレスとする。その場合、依頼組織内コンピュータ20が送信した通達メールは、メールサーバを介してサーバ100に転送される。またサーバ100がメールサーバとして機能しない場合は、例えば、通達メールは、保健指導用の代表のメールアドレスに対応するメールサーバ内のメールボックスに格納される。そしてサーバ100の受信部140が定期的に、保健指導用の代表のメールアドレスのメールボックスを管理しているメールサーバにアクセスし、通達メールを取得する。
[ステップS12]サーバ100では、受信部140が通達メールを受信する。そして受信部140は、通達メールをメール振り分け部160に転送する。
[ステップS13]メール振り分け部160は、通達メールを通達メールボックス120に格納する。
[ステップS14]指導対象者24が使用する端末装置21は、指導対象者24の操作に応じ、サーバ100へ通達外メールを送信する。
[ステップS15]サーバ100では、受信部140が通達外メールを受信する。そして受信部140は、通達外メールをメール振り分け部160に転送する。
[ステップS16]メール振り分け部160は、通達外メールを通達外メールボックス130の受信トレイに格納する。
次に、電子メール受信時のサーバ100の処理を詳細に説明する。
図12は、電子メール受信処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]受信部140が電子メールを受信する。受信部140は、受信した電子メールをメール振り分け部160に渡す。
[ステップS22]メール振り分け部160は、受信したメールの送信元のメールアドレスを読み取る。
[ステップS23]メール振り分け部160は、ユーザ管理DB110から、ステップS22で読み取ったメールアドレスを検索し、該当するメールアドレスに対応する処理業務コードを読み取る。
[ステップS24]メール振り分け部160は、受信した電子メールに、読み取った処理業務コードを付加する。
[ステップS25]メール振り分け部160は、保健指導の依頼元の組織からの通達メールか、もしくは指導対象者からの通達外メールかを判断する。例えば、通達メール内に通達番号を付与するように、依頼組織との間で取り決めておく。そして、メール振り分け部160は、受信した電子メール内に通達番号があるか否かにより、その電子メールが通達メールであるか否かを判断する。すなわちメール振り分け部160は、受信した電子メール内に通達番号が含まれていれば、通達メールであると判断する。またメール振り分け部160は、受信した電子メール内に通達番号が含まれていなければ、通達外メールであると判断する。
通達メール内に通達番号を付与する取り決めとしては、例えば電子メールの件名(タイトル)に「通達」の文字と、その文字に続けて通達番号を記載するようにしておく。この場合、メール振り分け部160は、受信した電子メールの件名を参照し、「通達」の文字と、その文字に続く通達番号を示す文字列があれば、その電子メールが通達メールであると判断する。
メール振り分け部160は、受信した電子メールが通達メールであれば、処理をステップS26に進める。またメール振り分け部160は、受信した電子メールが通達外メールであれば、処理をステップS27に進める。
[ステップS26]メール振り分け部160は、受信した電子メールを、通達メールボックス120に格納する。例えばメール振り分け部160は、通達メールボックス120内のメール管理テーブル121に新たなレコードを追加する。メール振り分け部160は、追加したレコードの処理業務コードの欄に、ステップS24で付与した処理業務コードを設定する。メール振り分け部160は、追加したレコードの通達番号(No.)の欄に、通達番号を設定する。受信した通達メール内に通達番号が設定されている場合、通達メールから抽出した通達番号が、通達番号の欄に設定される。またメール振り分け部160は、追加したレコードの内容の欄に、通達の内容(本文)を設定する。さらにメール振り分け部160は、追加したレコードの通達日の欄に、通達メールの送信日を設定する。さらにメール振り分け部160は、受信した通達メールに有効期限が設定されている場合、追加したレコードの有効期限の欄に有効期限の日付を設定する。その後、処理が終了する。
[ステップS27]メール振り分け部160は、受信した電子メールを、通達外メールボックス130の受信トレイ131に格納する。例えばメール振り分け部160は、受信トレイ131に新たなレコードを追加する。メール振り分け部160は、追加したレコードの整理番号の欄に、既に登録されているレコードの整理番号の最大値に1を加算した値を設定する。またメール振り分け部160は、追加したレコードの件名の欄に、受信した通達外メールの件名(タイトル)の文字列を設定する。またメール振り分け部160は、追加したレコードの送信者の欄に、受信した通達外メールの送信者の名称を設定する。またメール振り分け部160は、追加したレコードの送信元メールアドレスの欄に、受信した通達外メールの送信元のメールアドレスを設定する。またメール振り分け部160は、追加したレコードの送信日時の欄に、通達外メールの送信日時を設定する。またメール振り分け部160は、追加したレコードの画像有無の欄に、受信した通達外メールへの画像の添付ファイルの有無を設定する。またメール振り分け部160は、追加したレコードの未読フラグの欄に、未読と設定する。さらにメール振り分け部160は、追加したレコードの処理業務コードの欄に、ステップS24で付与した処理業務コードを設定する。その後、処理が終了する。
このようにして、受信した電子メールが、通達メールと通達外メールとに振り分けられ、格納される。保健指導を行う指導者43は、例えば、通達外メールに格納されている指導対象者24の生活習慣に関する報告を読み、指導対象者に対して生活習慣などの指導を行う。この際、指導者43は、指導対象者24が属する組織から出された、保健指導業務に関する通達を適用して、依頼組織の意向を反映させた指導を行う。
図13は、指導時の処理手順を示すシーケンス図である。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]端末装置41は、指導者43からの操作入力に応じて、対象者一覧要求をサーバ100に送信する。例えば、指導者43は、端末装置41のWebブラウザを起動して、対象者一覧画面に対応するURL(Uniform Resource Locator)を入力する。すると、端末装置41が、入力されたURLを指定した対象者一覧要求をサーバ100に送信する。
[ステップS32]サーバ100では、受信部140が対象者一覧要求を受信する。そして受信部140は、対象者一覧要求を対象者一覧生成部170に転送する。
[ステップS33]対象者一覧生成部170は、対象者一覧要求に応じて、対象者一覧を生成する。例えば対象者一覧生成部170は、ユーザ管理DB110内のユーザ管理テーブル111を参照し、指導対象者のレコードからユーザ名を抽出する。各ユーザが指導対象者か否かは、例えば識別番号で判断できる。例えば、保健指導を依頼した組織の識別番号が1000番台であり、指導対象者の識別番号が2000番以降の場合、2000番以降の識別番号が設定されたレコードからユーザ名が抽出される。対象者一覧生成部170は、抽出したユーザ名をリストアップした対象者一覧を生成し、生成した対象者一覧を送信部150に渡す。対象者一覧には、例えば、指導対象者の名前や識別番号が含まれる。
[ステップS34]送信部150は、対象者一覧生成部170で生成された対象者一覧を端末装置41に応答する。
[ステップS35]端末装置41は、サーバ100から応答された対象者一覧を、画面に表示する。指導者43は端末装置41に対して、対象者一覧の中から指導対象者を選択する操作入力を行う。端末装置41は、指導者43によって選択された指導対象者の識別情報を含む被選択対象者通知をサーバ100に送信する。被選択対象者通知には、例えば選択された指導対象者の名前や識別番号が含まれる。
[ステップS36]被選択対象者通知は、サーバ100の受信部140で受信される。受信部140は、受信した被選択対象者通知を対象者一覧生成部170に転送する。
[ステップS37]対象者一覧生成部170は、選択された指導対象者の識別番号を通達一覧生成部180に通知する。
[ステップS38]また、対象者一覧生成部170は、選択された指導対象者の識別番号を、指導画面管理部190にも通知する。
[ステップS39]選択された指導対象者の識別番号を受け取った通達一覧生成部180は、選択された指導対象者の属する組織から出された通達の一覧を生成する。そして通達一覧生成部180は、生成した通達一覧を指導画面管理部190に渡す。
[ステップS40]指導画面管理部190は、選択された指導対象者の識別番号と、その指導対象者に応じて生成された通達一覧とに基づいて、指導画面データを生成する。例えば指導画面管理部190は、選択された指導対象者の未読メールと、通達一覧とを含む指導画面データを生成する。そして指導画面管理部190は、生成した指導画面データを送信部150に送信する。
[ステップS41]送信部150は、指導画面管理部190から受け取った指導画面データを、指導者43が使用している端末装置41に送信する。
[ステップS42]端末装置41は、サーバ100から送られた指導画面データに基づいて、指導画面を表示する。指導者43は、指導画面を参照して、指導内容を端末装置41に入力する。端末装置41は、入力された指導内容をサーバ100に送信する。
[ステップS43]サーバ100では、受信部140が指導内容を受信する。そして受信部140は、受信した指導内容を指導画面管理部190に転送する。
[ステップS44]指導画面管理部190は、指導者43が入力した指導内容を本文に含み、選択された指導対象者宛の電子メールを作成し、通達外メールボックス130の送信トレイ132に格納する。格納された電子メールの送信済みフラグは「未」である。
[ステップS45]送信部150は、通達外メールボックス130の送信トレイ132に格納された電子メールを、指導対象者24宛に送信する。例えば送信部150は、送信トレイ132に新たな電子メールが格納されるごとに、その電子メールを送信する。また送信部150は、所定の時間間隔で送信トレイ132内の未送信の電子メール(送信フラグが「未」)を検索し、検出された未送信の電子メールを送信する。なお、送信部150は、送信トレイ132に対し、送信した電子メールの送信済みフラグを「済」に変更する。送信された電子メールは、メールサーバを介して、指導対象者24が使用する端末装置21に転送される。
次に、指導時のサーバ100内での処理について詳細に説明する。
図14は、指導時のサーバの処理手順を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS51]対象者一覧生成部170は、受信部140を介して対象者一覧要求を受信すると、対象者一覧を生成する。そして対象者一覧生成部170は、対象者一覧要求を出力した端末装置へ対象者一覧を送信する。
[ステップS52]対象者一覧生成部170は、対象者一覧を送信した端末装置から、作業終了指示を取得したか否かを判断する。対象者一覧生成部170は、作業終了指示を取得した場合、処理を終了する。対象者一覧生成部170は、作業終了指示を取得していなければ、処理をステップS53に進める。
[ステップS53]対象者一覧生成部170は、対象者一覧を送信した端末装置から、被選択対象者通知を取得したか否かを判断する。対象者一覧生成部170は、被選択対象者通知を取得した場合、取得した被選択対象者通知によって示される選択された指導対象者の識別番号を、通達一覧生成部180と指導画面管理部190とに渡す。その後、対象者一覧生成部170は、処理をステップS54に進める。また対象者一覧生成部170は、被選択対象者通知を取得していない場合、処理をステップS52に進める。
[ステップS54]通達一覧生成部180は、ユーザ管理DB110から、選択された指導対象者の識別番号に対応する処理業務コードを取得する。
[ステップS55]通達一覧生成部180は、通達メールボックス120から、ステップS54で取得した処理業務コードに対応する通達を読み込む。この際、通達一覧生成部180は、例えば、各通達の有効期限を確認し、有効期限を過ぎていない通達のみを読み込む。すなわち通達一覧生成部180は、現在の日付と、ステップS54で取得した処理業務コードに対応する通達の有効期限の日付とを比較する。そして通達一覧生成部180は、現在の日付が有効期限以前である通達と、有効期限が設定されていない通達とを読み込む。
[ステップS56]通達一覧生成部180は、ステップS55で読み込んだ通達により通達一覧を生成する。例えば通達一覧生成部180は、読み込んだ通達の内容を箇条書きにした通達一覧を生成する。通達一覧生成部180は、生成した通達一覧を、指導画面管理部190に送信する。
[ステップS57]指導画面管理部190は、選択された指導対象者の識別番号に基づいて、通達外メールボックス130から選択された指導対象者から送られた未読メールを読み込む。例えば指導画面管理部190は、ユーザ管理DB110を参照し、選択された指導対象者の識別番号に対応するユーザのユーザ名を取得する。次に指導画面管理部190は、通達外メールボックス130内の受信トレイ131から、取得したユーザ名が送信者の欄に設定されており、且つ未読フラグに「未読」と設定されている電子メールを読み込む。この際、指導画面管理部190は、読み込んだ電子メールの未読フラグを「既読」に変更する。
[ステップS58]指導画面管理部190は、通達一覧と未読メールとを含む指導画面データを生成する。例えば指導画面管理部190は、未読メールの内容、未読メールに添付されていた画像、通達一覧の内容、および指導内容入力用のテキストボックスを含む画像の表示態様を定義した指導画面データを生成する。指導画面データは、例えば、HTMLによる構造化文書である。
[ステップS59]指導画面管理部190は、生成した指導画面データを、送信部150を介して、指導者の端末装置に送信する。
[ステップS60]指導画面管理部190は、指導者の端末装置から、指導画面に対する指導者が行った操作情報を取得する。例えば指導画面管理部190は、指導内容入力用のテキストボックスへの入力文字列、指導内容の送信指示、または指導終了を示す操作情報を取得する。
[ステップS61]指導画面管理部190は、端末装置から、指導内容の送信指示が入力されたか否かを判断する。指導内容の送信指示は、例えば指導画面に設けられた送信ボタンの押下を示す情報である。指導画面管理部190は、送信指示があった場合、処理をステップS62に進める。また指導画面管理部190は、送信指示がなければ、処理をステップS63に進める。
[ステップS62]指導画面管理部190は、送信指示が入力されると、指導内容入力用のテキストボックスに入力された文字列を本文に設定した電子メールを、通達外メールボックス130内の送信トレイ132に書き込む。書き込まれる電子メールの宛先は、選択された指導対象者である。指導画面管理部190は、例えば指導画面に表示した電子メールの送信元メールアドレスを通達外メールボックス130の受信トレイ131から取得し、取得した送信元メールアドレスを、送信する電子メールの宛先のメールアドレスとする。また指導画面管理部190は、例えば、指導画面に表示した電子メールの件名の先頭に、返信であることを示す文字列「Re:」を追加した文字列を、送信する電子メールの件名とする。送信トレイ132に書き込まれた電子メールは、送信部150により、指導対象者宛に送信される。
[ステップS63]指導画面管理部190は、選択した指導対象者への指導の終了指示が入力されたか否かを判断する。例えば指導画面管理部190は、別の画面に遷移するボタンが押されたことを示す操作情報を取得した場合に、指導終了指示があったと判断する。指導画面管理部190は、指導終了指示があった場合、処理をステップS51に進める。また指導画面管理部190は、指導指示がなければ、処理をステップS60に進める。
このような保健指導システムにより、指導者は、保健指導を依頼した組織からの通達を適用して、指導対象者に的確な指導を行うことができる。
図15は、指導者の端末装置の画面遷移の一例を示す図である。以下、指導者43が端末装置41を操作して保健指導を行うものとして、端末装置41に表示される画面遷移について説明する。
第1の状態は、対象者一覧画面60を表示した状態である。対象者一覧画面60は、例えば指導者43が端末装置41のWebブラウザに、対象者一覧に対して設定されたURLを入力し、そのURLに対応するWebページの取得指示を入力した場合に、端末装置41のモニタに表示される。対象者一覧画面60には、例えば、指導対象者の名前と、指導対象者の諸情報が表示される。諸情報には、例えば指導対象者の属する組織の名称などである。
第2の状態は、指導対象者の選択状況を示している。例えば対象者一覧画面60内に、対象者の選択に使用するカーソル61が表示される。指導者43は、マウスやキーボードなどの入力装置を操作し、カーソル61の位置を移動させる。そして指導者43は、これから保健指導を行う指導対象者の名前の上にカーソル61があるときに、選択を示す操作入力を行う。例えば、マウスのボタンの押下操作が、カーソル61の位置の指導対象者の選択操作である。
指導対象者が選択されると、端末装置41には、指導画面が表示される。
第3の状態は、指導画面70を表示した状態である。指導画面70には、選択した指導対象者からの電子メールの内容71が表示される。また指導対象者からの電子メールに画像ファイルが添付されていた場合、その画像ファイルに基づく画像72が表示される。さらに指導画面70には、選択した指導対象者が属する組織から出された通達一覧73が表示される。
ここで、例えば指導画面70をスクロールさせると、指導内容を入力するテキストボックスが表示される。
第4の状態は、指導画面70内の指導内容入力用のテキストボックス74を示す図である。指導者43は、テキストボックス74に指導内容を入力する。そして、例えば送信ボタン75を押下すると、テキストボックス74に入力された指導内容が、サーバ100に送信される。
このようにして、指導者43は、指導対象者がどの組織に属しているのかを意識せずに、その指導対象者が属する組織から出された通達を適用した指導を、確実に行うことができる。図15の指導画面70の例では、指導対象者からの電子メールには、食事の内容と、食事の画像72とが含まれている。食事の画像72には、肉や薬の瓶が写っている。また通達一覧73には、「画像に薬(分包等)があれば病気を確認のこと」、「減量強化月間のため厳しく指導のこと」という通達が表示されている。
このような指導画面70を閲覧した指導者43は、「画像に薬(分包等)があれば病気を確認のこと」という通達を確認した後、画像72を確認する。すると薬の瓶が写っているため、例えば指導者43は、「薬のビンに見えますが、何をお飲みですか。」と指導対象者への質問を、テキストボックス74に入力する。
また、指導者43は、「減量強化月間のため厳しく指導のこと」という通達を確認した後、画像72を再度確認する。このとき、画像72に写っている肉の大きさから想定される摂取カロリー量が、指導対象者の食事1回当たりの適切な摂取カロリーを超えていれば、指導者43は「肉の量を減らしましょう。」という指導内容を、テキストボックス74に入力する。
指導者43が、指導画面70において指導内容を記載した電子メールの送信を行うと、指導画面70は、例えば第3の状態に示したに戻る。ここで、指導者43が、選択した指導対象者への指導の終了を指示する操作入力を行うと、再び対象者一覧画面60が表示される。選択した指導対象者への指導の終了指示は、例えば指導画面70を閉じる操作である。
このように、指導対象者を選択すると、その指導対象者の属する組織から出された通達が自動で表示されることで、指導者による通達の適用漏れが抑止される。例えば、指導者が複数の組織と契約を行った場合に、該当組織と関係顧客とメール送受信を行っても、契約する企業単位で、企業とそれに関連する顧客を含めてメールが管理できる。これにより、テレワークで業務を遂行する指導者の混乱が抑止できる。
しかも、第2の実施の形態に示すシステムでは、指導者が担当する前の過去の通達も、指導画面70で見ることができる。すなわち、第2の実施の形態では、どの指導者であっても、指導対象者を選択することで、その指導対象者に対応する同様の指導画面70を端末装置に表示させることができる。その際、指導者が、指導対象者の担当になる以前に出された通達であっても、指導画面70に表示される。そのため、指導者が変更されることによる通達の告知漏れが抑止できる。その結果、指導対象者を担当する指導者の変更に伴う指導業務の引き継ぎを適切に行うことができ、流動的な人員配置が容易となる。
さらに、選択した指導対象者への指導を終了し、他の指導対象者を選択すれば、指導対象者の変更に応じて表示される通知の内容も変更される。そのため、先に選択していた指導対象者と次に選択した指導対象者とが異なる組織に属していたとしても、指導者は、指導対象者の属する組織の違いを意識せずに、選択した指導対象者が属する組織から出された通知を参照することができる。その結果、指導者が、指導対象者を次々に変更しながら連続して業務を遂行する場合においても、通知の適用漏れを抑止することができる。
〔その他の実施の形態〕
なお第2の実施の形態は保健指導システムの例であるが、保健指導以外のテレワークにも適用可能である。例えば、個人事業において、複数の企業から請け負うと、企業ごとの通達の管理が難しい。この場合、第2の実施の形態に示したサーバ100を用いることで、企業ごとの通達を容易に管理することができる。その場合、例えば、図8のユーザ管理テーブル111に代えて、業務の作業項目と処理業務コードとを対応付けて管理する作業管理テーブルをサーバ100に格納しておく。すると、テレワーカが作業項目を選択すると、その作業項目を含む業務を依頼した依頼者からの通達が画面に表示される。その結果、テレワーカは、これから作業を行う作業項目の依頼者を意識せずに、その依頼者からの通達内容を適用した作業を、容易に行うことができる。
また、第2の実施の形態では、受信した電子メールに通達番号が示されている場合に、その電子メールを通達メールと判断する例を示したが、他の方法で通達メールを判断することもできる。例えば、保健指導を依頼した組織の管理担当者が使用する電子メールアドレスとして、通達送信用のアドレスと通達外情報送信用のアドレスとを用意する。サーバでは、通達送信用のアドレスを、保健指導を依頼した組織の名称(ユーザ名)に対応付けて記憶装置に記憶しておく。そしてサーバは、通達送信用のアドレスを送信元アドレスとする電子メールを受信した場合、その電子メールは通達メールであると判断する。
さらに、第2の実施の形態に示した指導画面管理部190は、指定された指導対象者の未読メールだけでなく、指定された指導対象者宛の電子メールを通達外メールボックスから抽出し、抽出した電子メールのリストを指導画面データに含めることもできる。例えば指導画面管理部190は、送信トレイ132から、指定された指導対象者を宛先とする電子メールの情報を取得する。この際、指導画面管理部190は、指導対象者を選択した指導者以外の指導者が送信した電子メールについても抽出する。そして指導画面管理部190は、抽出した電子メールのリストを指導画面データに含める。なお指導画面管理部190は、電子メールのリストに電子メールの内容へのリンクを設定しておく。これにより、指導画面を指導者が使用する端末装置に表示したときに、電子メールのリストから任意の電子メールを選択することで、過去に指導対象者に対して行われた指導内容を見ることができる。
なお、上記の各実施の形態に示した処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、(本発明に係る装置)が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) コンピュータに、
複数の受託先から各々受託した複数の業務のいずれかに含まれる複数の作業項目のうち、いずれかの作業項目を指定する情報を受付け、
前記複数の作業項目の各々について、前記複数の業務のうち各作業項目が含まれる業務の識別情報を対応付けた作業項目記憶部から、前記指定された作業項目に対応する識別情報を特定し、
前記識別情報に対応付けて、該識別情報が示す業務に関する通達を記憶する通達記憶部から、特定された該識別情報に対応する通達を抽出し、
抽出した前記通達を出力する、
処理を実行させることを特徴とする通達管理プログラム。
(付記2) 前記複数の業務は、前記複数の受託先の各々に所属する指導対象者に対する指導を作業項目とする業務であり、
前記コンピュータに、
前記作業項目の指定として指導対象者を指定する情報の入力を受付け、
前記情報に含まれる該指導対象者への指導を作業項目に含む業務の識別情報を特定する、
処理を実行させることを特徴とする付記1記載の通達管理プログラム。
(付記3) 前記コンピュータに、さらに、
ユーザが指導する前記複数の受託先に属する指導対象者の一覧を出力し、
前記一覧から指導対象者を選択的に指定する情報の入力に応じて、該指導対象者への指導を作業項目に含む業務の識別情報を特定する、
処理を実行させることを特徴とする付記2記載の通達管理プログラム。
(付記4) 前記コンピュータに、さらに、
前記一覧に含まれる第一の受託先に所属する第一の指導対象者に対する指導が終了した旨の情報を受付けた場合に、前記一覧を出力し、
前記一覧に含まれる第二の指導対象者を選択的に指定する情報の入力に応じて、該第二の指導対象者が所属する第二の受託先に関する通達を出力する、
ことを特徴とする付記3記載の通達管理プログラム。
(付記5) 前記コンピュータに、さらに、
受信した電子メールを解析し、該電子メールの内容が前記複数の業務のいずれかの業務に関する通達であれば、該業務の識別情報に対応付けて、該電子メールで示される通達を前記通達記憶部に格納する、
処理を実行させることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の通達管理プログラム。
(付記6) 前記コンピュータに、さらに、
前記指定された作業項目に対応する作業を実施する画面に、前記抽出した通達を表示する、
処理を実行させることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の通達管理プログラム。
(付記7) 前記通達記憶部に記憶された少なくとも一部の通達には有効期限が設定されており、
前記コンピュータに、
前記通達を抽出する際には、有効期限が過ぎていない通達を抽出する、
処理を実行させることを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の通達管理プログラム。
(付記8) 前記コンピュータに、さらに、
作業項目を指定する情報をネットワーク経由で端末装置から取得し、
前記抽出した通達を、前記ネットワーク経由で前記端末装置に送信する、
処理を実行させることを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の通達管理プログラム。
(付記9) 複数の受託先から各々受託した複数の業務のいずれかに含まれる複数の作業項目のうち、いずれかの作業項目を指定する情報を受付け、前記複数の作業項目の各々について、前記複数の業務のうち各作業項目が含まれる業務の識別情報を対応付けた作業項目記憶部から、前記指定された作業項目に対応する識別情報を特定する特定部と、
前記識別情報に対応付けて、該識別情報が示す業務に関する通達を記憶する通達記憶部から、特定された該識別情報に対応する通達を抽出し、抽出した該通達を出力する抽出部と、
を有する情報処理装置。
(付記10) コンピュータが、
複数の受託先から各々受託した複数の業務のいずれかに含まれる複数の作業項目のうち、いずれかの作業項目を指定する情報を受付け、
前記複数の作業項目の各々について、前記複数の業務のうち各作業項目が含まれる業務の識別情報を対応付けた作業項目記憶部から、前記指定された作業項目に対応する識別情報を特定し、
前記識別情報に対応付けて、該識別情報が示す業務に関する通達を記憶する通達記憶部から、特定された該識別情報に対応する通達を抽出し、
抽出した前記通達を出力する、
ことを特徴とする通達管理方法。