JP5663931B2 - 光ヘッドおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の発光部を備えた光ヘッドおよび電子機器に関する。
プリンター等の画像形成装置は、像担持体(例えば感交代ドラム)を露光して潜像を書
き込む光ヘッドを備える。この種の光ヘッドは、主走査方向に沿って多数の発光素子が配
列された発光素子アレイを有する。また、発光素子アレイは、所定数の発光素子が配列さ
れた発光素子チップを主走査方向に複数並べることで構成される。
ところで、複数の発光素子チップを主走査方向に一列に並べる場合、隣の発光素子チッ
プとの境目部分でも発光ピッチを一定に保つため、各発光素子チップにおいて一番端の発
光素子からチップ端部までの距離を発光ピッチの半分以下にする必要があった。しかしな
がら、一番端の発光素子からチップ端部までの距離を発光ピッチの半分以下にすると、解
像度を高めるため発光ピッチを小さくした場合、発光素子チップを切り出す際に一番端の
発光素子が欠けてしまう等といった不具合が生じる。このため複数の発光素子チップを主
走査方向に沿って千鳥状に配列する技術がある(例えば特許文献1,2参照)。
特開2002−248803号公報 特開2008−155458号公報
しかしながら、複数の発光素子チップを主走査方向に沿って千鳥状に配列した場合、光
ヘッドの副走査方向の幅が大きくなってしまう。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、一番端の発光部から基板端部ま
での距離を発光ピッチの半分以下にしなくても、発光基板を主走査方向に一列に並べるこ
とが可能な光ヘッド、およびこれを用いた電子機器を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するため、本発明に係る光ヘッドは、主走査方向に配列された複数の第1発光部と、前記複数の第1発光部の配列に対して前記主走査方向と交差する方向に配置された2つの第2発光部とを有する発光基板と、前記複数の第1発光部の各々と対向する位置に設けられ、対向する前記第1発光部からの出射光を被照射面に結像する複数の第1レンズと、対応する前記第2発光部からの出射光を前記被照射面に結像する2つの第2レンズとを有するレンズアレイとを備え、前記複数の第1発光部の各々からの出射光は、当該第1発光部とこれに対向する前記第1レンズとを結ぶ直線が前記被照射面と交わる位置に結像され、前記2つの第2発光部の各々における光の出射方向は、当該第2発光部の発光面から垂直に延びる直線に対して傾きを有し、前記複数の第1発光部のうち一方の端に位置する前記第1発光部からの出射光の結像位置を第1結像位置とし、他のいずれかの前記第1発光部からの出射光の結像位置を第2結像位置としたとき、一方の前記第2発光部からの出射光は、前記第1結像位置を挟んで前記第2結像位置の側とは反対側に結像され、前記複数の第1発光部のうち他方の端に位置する前記第1発光部からの出射光の結像位置を第3結像位置とし、他のいずれかの前記第1発光部からの出射光の結像位置を第4結像位置としたとき、他方の前記第2発光部からの出射光は、前記第3結像位置を挟んで前記第4結像位置の側とは反対側に結像される、ことを特徴する。
この構成によれば、発光基板に配列された複数の第1発光部のうち、その両端に位置する2つの第1発光部からの出射光の結像位置を両側から挟むようにその外側に、2つの第2発光部からの出射光を結像することができる。つまり、被照射面には、発光基板に配列された複数の第1発光部の両端に相当する位置よりも外側に、2つの第2発光部からの出射光が結像される。従って、従来のように一番端の発光部から基板端部までの距離(以下、額縁部の距離と記載する)を発光ピッチの半分以下にしなくても、複数の発光基板を主走査方向に一列に並べることができるから、光ヘッドの副走査方向の幅を小さくし、光ヘッドを小型化することができる。
また、本発明によれば、発光基板を一列に並べることが可能な額縁部の距離を従来よりも大きくとることができるから、発光基板を切り出す際に要求される精度が従来ほど高くなくて済む。このため発光基板の切り出しが容易になる。
また、上述した光ヘッドにおいて、前記2つの第2発光部の各々は、光を発する発光層と、前記発光層が発した光を反射する光反射層とを備え、前記光反射層は、光の反射方向が前記傾きを有するように形成されている構成であってもよい。
この場合、2つの第2発光部の各々における光の出射方向を、光反射層における光の反射方向によって定めることができるから、発光基板の製造が容易である。
また、上述した光ヘッドにおいて、前記光反射層は、光の反射方向が前記傾きを有するように前記発光層に対する配置角度が定められている構成であってもよい。また、上述した光ヘッドにおいて、前記光反射層は、光の反射方向が前記傾きを有するように形状が定められている構成であってもよい。
この場合、2つの第2発光部の各々における光の出射方向を、発光層に対する光反射層の配置角度や、光反射層の形状によって定めることができるから、発光基板の製造が容易である。
また、上述した光ヘッドにおいて、前記複数の第1発光部は、前記主走査方向に所定ピッチで配列され、一方の前記第2発光部からの出射光は、前記第1結像位置から前記第2結像位置の側とは反対側の方向に前記所定ピッチだけ離間した位置に結像され、他方の前記第2発光部からの出射光は、前記第3結像位置から前記第4結像位置の側とは反対側の方向に前記所定ピッチだけ離間した位置に結像される構成であってもよい。
この場合、各第1発光部からの出射光の結像位置を等間隔(所定ピッチ)に保つことができることは勿論、複数の第1発光部のうち一方の端に位置する第1発光部からの出射光の結像位置と、一方の第2発光部からの出射光の結像位置との間隔や、複数の第1発光部のうち他方の端に位置する第1発光部からの出射光の結像位置と、他方の第2発光部からの出射光の結像位置との間隔も所定ピッチに保つことができる。
また、上述したいずれかの態様に係る光ヘッドにおいて、前記発光基板および前記レン
ズアレイを複数備え、前記複数の発光基板およびレンズアレイが前記主走査方向に配列さ
れている構成であってもよい。
また、以上の各態様に係る光ヘッドは各種の電子機器に利用される。本発明に係る電子
機器の典型例は画像形成装置である。画像形成装置は、上述したいずれかの態様に係る光
ヘッドと、光ヘッドによる露光で潜像が形成される像担持体(例えば感光体ドラム)と、
像担持体の潜像に対する現像剤(例えばトナー)の付加によって顕像を形成する現像器と
を備える。
もっとも、本発明に係る光ヘッドの用途は像担持体の露光に限定されない。例えば、ス
キャナー等の画像読取装置においては、本発明に係る光ヘッドを原稿の照明に利用するこ
とができる。この画像読取装置は、上述したいずれかの態様に係る光ヘッドと、光ヘッド
から出射して読取対象(原稿)で反射した光を電気信号に変換する受光装置(例えばCC
D(Charge Coupled Device)素子等の受光素子)とを備える。
画像形成装置の一部の構造を示す斜視図である。 第1実施形態に係る光ヘッド1の構造を示す斜視図である。 発光素子E1とマイクロレンズML1の配置関係を示す断面図である。 発光素子E8とマイクロレンズML8の配置関係を示す断面図である。 第2実施形態に係る光ヘッド2の構造を示す斜視図である。 発光素子E8とマイクロレンズML18の配置関係を示す断面図である。 第3実施形態に係る光ヘッド3の構造を示す斜視図である。 発光素子E4とマイクロレンズML24の配置関係を示す断面図である。 発光素子E6とマイクロレンズML26の配置関係を示す断面図である。 第4実施形態に係る光ヘッド4の構造を示す斜視図である。 発光素子E1の構造を示す断面図である。 発光素子E37の構造を示す断面図である。 発光素子E37の構造を示す断面図(変形例)である。 発光素子E37の構造を示す断面図(変形例)である。 第5実施形態に係る光ヘッド5の構造を示す斜視図である。 発光素子E33の構造を示す断面図である。 発光素子E31の構造を示す断面図である。 変形例5に係る光ヘッド6の構造を示す斜視図である。 第4実施形態に係る光ヘッド4の変形例を示す斜視図である。 第3実施形態に係る光ヘッド3の変形例を示す平面図である。 第5実施形態に係る光ヘッド5の変形例を示す平面図である。 第4実施形態に係る光ヘッド4の変形例を示す平面図である。 第5実施形態に係る光ヘッド5の変形例を示す平面図である。 電子機器の具体例(画像形成装置)を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。なお、図面において各部の
寸法の比率は実際のものと適宜異なる。
<A.第1実施形態>
図1は、画像形成装置の一部の構造を示す斜視図である。
同図に示すように画像形成装置は、感光体ドラム70と、感光体ドラム70の外周面を
露光して潜像を書き込む光ヘッド1とを備える。また、光ヘッド1は、複数の発光素子が
配列された発光パネル10と、この発光パネル10と感光体ドラム70の間に配置された
レンズアレイ20とを備える。感光体ドラム70は、X方向(主走査方向)に延在する回
転軸によって支持され、外周面を光ヘッド1に対向させた状態で回転する。また、発光パ
ネル10(各発光素子)からの光は、レンズアレイ20によって感光体ドラム70の表面
に結像される。
図2は、第1実施形態に係る光ヘッド1の構造を示す斜視図である。
なお、図1と図2では、光ヘッド1と感光体ドラム70の位置関係が上下(Z方向)に
逆転している。図1に示した発光パネル10のうち感光体ドラム70側の表面には、2枚
の発光素子チップ12がX方向に沿って一列に配置されている。なお、図2には、便宜上
、2枚の発光素子チップ12を例示しているが、3枚以上の発光素子チップ12を一列に
配置してもよい。
各発光素子チップ12には、面発光する光源として、円形の発光面を有する8個の発光
素子E1〜E8が形成されている。このうち6個の発光素子E1〜E6は、X方向に沿っ
てピッチD1で一列に配列される。また、残り2個の発光素子E7,E8は、発光素子E
1,E6からY方向(副走査方向)に所定距離だけ離間した位置に設けられる。つまり、
各発光素子チップ12には、X方向に延びる直線LX1上に6個の発光素子E1〜E6が
ピッチD1で配列され、直線LX1と所定の間隔をあけて平行する直線LX2上に2個の
発光素子E7,E8が配列される。図2から明らかなように、発光素子E7,E8は、発
光素子E1〜E6の配列の端部の発光素子E1,E6のそれぞれに隣り合う位置に配置さ
れるのが好ましい。そして、本実施形態ではX方向において発光素子E7とE8との間に
は発光素子を設ける必要はない。なお、1つの発光素子チップ12において直線LX1上
に配列される発光素子の数は、6個に限らず2個以上であればよい。また、以下の説明に
おいて各発光素子を特に区別する必要がない場合は、発光素子Eと記載する。
各発光素子Eは、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)素子
であり、電流の供給によって発光する。また、図示を省略しているが、各発光素子Eは、
有機EL(Electro Luminescent)材料で形成された発光層と、発光層を挟む一方の電極
および他方の電極とを有する。また、各発光素子Eは封止層(図示省略)によって覆われ
ており、各発光素子Eからの光は封止層を透過して出射される。このため封止層と封止層
側の電極は、光透過率の高い材料で形成される。また、各発光素子チップ12の両端(短
辺側)には、発光素子チップ12を切り出す際の公差余裕を確保するため、幅D3を有す
る額縁部が存在する。この額縁部には発光素子Eを配置することができない。
次に、図1に示したレンズアレイ20は、2個のレンズアレイユニット22によって構
成されている。各レンズアレイユニット22は、発光素子チップ12と対向配置され、図
2に点線で示すように光透過性を有する材料(例えばガラス)で形成された平板状の基体
を有する。また、基体のうち感光体ドラム70側の表面と発光素子チップ12側の表面に
は、それぞれ8個の円形状のレンズ部が形成されており、基体を挟んで対向する2個のレ
ンズ部と両者間に存在する基体とで1個のマイクロレンズ(両凸レンズ)が構成される。
なお、3枚の発光素子チップ12を一列に配置した場合であれば、3個のレンズアレイユ
ニット22によってレンズアレイ20が構成される。
各レンズアレイユニット22には、発光素子E1と対向する位置にマイクロレンズML
1が設けられ、発光素子E2と対向する位置にマイクロレンズML2が設けられ、…発光
素子E6と対向する位置にマイクロレンズML6が設けられる。また、発光素子E7と対
向する位置にはマイクロレンズML7が設けられ、発光素子E8と対向する位置にはマイ
クロレンズML8が設けられる。このように各レンズアレイユニット22に備わる8個の
マイクロレンズML1〜ML8のうち、6個のマイクロレンズML1〜ML6は、X方向
に沿ってピッチD1で一列に配列され、残り2個のマイクロレンズML7,ML8は、マ
イクロレンズML1,ML6からY方向に所定距離だけ離間した位置に設けられる。なお
、以下の説明において各マイクロレンズを特に区別する必要がない場合は、マイクロレン
ズMLと記載する。
また、図示を省略しているが、発光素子チップ12とレンズアレイユニット22の間に
は、発光素子チップ12とレンズアレイユニット22の距離を一定に保つためのスペーサ
が配置されている。このスペーサには、各発光素子Eから出射された光を、対向するマイ
クロレンズMLに入射させるための8個の貫通孔が形成されている。また、スペーサは、
遮光性を有する材料で形成されており、発光素子Eからの光がこの発光素子Eに対向しな
いマイクロレンズMLに入射されることを抑制する。
各マイクロレンズMLは、対向する発光素子Eからの出射光を感光体ドラム70の表面
に結像する。また、マイクロレンズML1〜ML6は、光学中心と幾何学中心が一致する
レンズであり、各々の中心軸をZ方向に向けて配置される。また、マイクロレンズML7
,ML8は、光学中心と幾何学中心が異なるレンズ(いわゆる偏心レンズ)である。なお
、1つのレンズアレイユニット22に備わるマイクロレンズMLの数は8個に限らない。
例えば、1枚の発光素子チップ12に128個の発光素子Eが設けられている場合は、1
つのレンズアレイユニット22に128個のマイクロレンズMLが設けられる。
図3は、発光素子E1とマイクロレンズML1の配置関係を示す断面図である。
マイクロレンズML1は光学中心と幾何学中心が一致するレンズである。また、同図に
示すように発光素子E1とマイクロレンズML1は、発光素子E1の発光中心とマイクロ
レンズML1の光軸とが一致するように対向配置される。なお、マイクロレンズML1の
光軸は、マイクロレンズML1を構成する2つのレンズ部の中心を結んだ直線である。ま
た、一例として、マイクロレンズML1は、円柱状の形状を有する屈折率分布型レンズで
あり、その横断面内では、中心軸(光軸)での屈折率が低く、中心軸から離れるほど屈折
率が高いものとしてもよい。マイクロレンズML1は、発光素子E1から出射されて図中
下側のレンズ部に入射された光を図中上側のレンズ部から出射する。また、発光素子E1
からの出射光は、感光体ドラム70の表面のうちマイクロレンズML1の光軸と交差する
位置に結像される。より詳細には、感光体ドラム70の表面のうちマイクロレンズML1
の光軸と交差する位置を中心として、発光素子E1からの出射光が結像されるスポット領
域が形成される。
なお、発光素子E2とマイクロレンズML2、発光素子E3とマイクロレンズML3、
…発光素子E6とマイクロレンズML6についても、発光素子E1とマイクロレンズML
1と同様の配置関係を有する。従って、感光体ドラム70の表面には、発光素子E1〜E
6の各々から出射された光がX方向に沿ってピッチD1で一列に結像される。
図4は、発光素子E8とマイクロレンズML8の配置関係を示す断面図である。
マイクロレンズML8は、偏心レンズであり、発光素子E8から出射された光の進行方
向をX方向側に屈折させることができる。このため図2に示すようにマイクロレンズML
8は、発光素子E8からの出射光を、発光素子E6からの出射光の結像位置よりもX方向
側に結像することができる。また、マイクロレンズML8は、発光素子E8からの出射光
を、発光素子E6からの出射光の結像位置よりもピッチD1だけX方向側に結像できるよ
う、レンズの偏心度が定められている。このようにマイクロレンズML8の役割は、発光
素子E8からの出射光を少なくともX方向に屈折させることである。従って、マイクロレ
ンズML8は、発光素子E8からの出射光を元々の出射方向とは異なる方向に進ませる機
能を有するものであれば、本願発明の目的を達することができる。
なお、発光素子E8とマイクロレンズML8の配置関係のX方向を逆転させたものが、
発光素子E7とマイクロレンズML7の配置関係になる。従って、図2に示すようにマイ
クロレンズML7は、発光素子E7からの出射光を、発光素子E1からの出射光の結像位
置よりもX方向とは反対側に結像することができる。また、マイクロレンズML7は、発
光素子E7からの出射光を、発光素子E1からの出射光の結像位置よりもピッチD1だけ
X方向とは反対側に結像できるよう、レンズの偏心度が定められている。
なお、本実施形態に係るマイクロレンズML8(ML7)は、対向する発光素子E8(
E7)からの出射光をX方向(X方向とは反対の方向)に曲げるものとする。また、図2
において、図中左側の発光素子チップ12およびレンズアレイユニット22と、図中右側
の発光素子チップ12およびレンズアレイユニット22は、図中左側の発光素子チップ1
2の発光素子E8から出射された光の結像位置と、図中右側の発光素子チップ12の発光
素子E7から出射された光の結像位置との間隔がピッチD1となるように配置されている
光ヘッド1は、各発光素子Eに供給する電流の大きさや、各発光素子Eの発光時期を制
御する駆動回路(図示省略)を備える。この駆動回路は、用紙等の記録材に印刷する画像
に応じて各発光素子Eに供給する電流の大きさを制御する。また、駆動回路は、発光パネ
ル10に備わる総ての発光素子Eからの出射光によって画像の1つのラインに相当する潜
像が感光体ドラム70の表面に形成されるよう、各発光素子Eの発光時期を制御する。
ここで、図2に示す直線LX1と直線LX2の間隔をΔDとしたとき、駆動回路は、直
線LX1上の総ての発光素子E1〜E6を発光させると、感光体ドラム70の表面がY方
向に距離ΔDだけ進むのに要する時間が経過した後、直線LX2上の総ての発光素子E7
,E8を発光させる。これにより感光体ドラム70の外周面には、発光素子E7からの出
射光が、発光素子E1からの出射光の結像位置からX方向とは反対側にピッチD1だけ離
間した位置に結像される。また、発光素子E8からの出射光は、発光素子E6からの出射
光の結像位置からX方向にピッチD1だけ離間した位置に結像される。従って、感光体ド
ラム70の外周面には、発光パネル10に備わる総ての発光素子Eからの出射光がX方向
に沿ってピッチD1で一列に結像され、潜像の1つのラインが形成される。また、感光体
ドラム70の回転と並行して同様の動作を反復することで、感光体ドラム70の外周面に
は複数のラインからなる潜像が形成される。
以上説明したように本実施形態によれば、発光素子チップ12に配列された発光素子E
1〜E6のうち、その両端に位置する発光素子E1,E6からの出射光の結像位置よりも
外側に、ピッチD1を保って発光素子E7,E8からの出射光を結像することができる。
つまり、感光体ドラム70の表面のうち、発光素子チップ12の額縁部に相当する部分に
、発光素子E7,E8からの出射光を結像することができる。従って、従来のように額縁
部の幅D3をピッチD1の半分以下にしなくても、複数の発光素子チップ12をX方向に
一列に並べることができる。例えば図2の場合、発光素子チップ12を一列に並べること
が可能な額縁部の幅D3を、最大でピッチD1×1.5とすることができる。つまり、額
縁部の幅D3がピッチD1×1.5以下であれば、発光素子チップ12をX方向に一列に
並べることが可能になる。
このように本実施形態によれば、額縁部の幅D3がピッチD1の半分より大きくても、
ピッチD1×1.5以下であれば、発光素子チップ12をX方向に一列に並べることがで
きるから、光ヘッド1のY方向の幅を小さくし、光ヘッド1を小型化することができる。
また、本実施形態によれば、発光素子チップ12を一列に並べることが可能な額縁部の幅
D3を従来よりも大きくとることができるから、発光素子チップ12を切り出す際に要求
される精度が従来ほど高くなくて済む。このため発光素子チップ12の切り出しが容易に
なる。
<B.第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において第1実施形態と共通す
る構成要素には、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図5は、第2実施形態に係る光ヘッド2の構造を示す斜視図である。
本実施形態に係る光ヘッド2が第1実施形態の光ヘッド1と異なるのは、各レンズアレ
イユニット24に備わるマイクロレンズML17,ML18のみである。第1実施形態で
は、発光素子E7,E8に対向するマイクロレンズML7,ML8として偏心レンズを使
用したが、本実施形態では、発光素子E7,E8に対向するマイクロレンズML17,M
L18として、光学中心と幾何学中心が一致するレンズを使用する。
図6は、発光素子E8とマイクロレンズML18の配置関係を示す断面図である。
マイクロレンズML18は、光学中心と幾何学中心が一致するレンズであるが、レンズ
の光軸が発光素子E8の発光中心よりもX方向側にずらされて配置される。このためマイ
クロレンズML18は、発光素子E8から出射された光の進行方向をX方向側に屈折させ
ることができる。また、図5に示すようにマイクロレンズML18は、発光素子E8から
の出射光を、発光素子E6からの出射光の結像位置よりもX方向側に結像する。また、マ
イクロレンズML18は、発光素子E8からの出射光を、発光素子E6からの出射光の結
像位置よりもピッチD1だけX方向側に結像できるよう、レンズの光軸を発光素子E8の
発光中心からX方向側にずらして配置される。
なお、発光素子E8とマイクロレンズML18の配置関係のX方向を逆転させたものが
、発光素子E7とマイクロレンズML17の配置関係になる。従って、図5に示すように
マイクロレンズML17は、発光素子E7からの出射光を、発光素子E1からの出射光の
結像位置よりもX方向とは反対側に結像することができる。また、マイクロレンズML1
7は、発光素子E7からの出射光を、発光素子E1からの出射光の結像位置よりもピッチ
D1だけX方向とは反対側に結像できるよう、レンズの光軸を発光素子E7の発光中心か
らX方向とは反対側にずらして配置される。
従って、マイクロレンズML17,ML18は、第1実施形態におけるマイクロレンズ
ML7,ML8と同様に機能する。このため駆動回路において第1実施形態と同様に発光
時期の制御を行うことで、感光体ドラム70の外周面には、総ての発光素子Eからの出射
光がX方向に沿ってピッチD1で一列に結像される。
このように本実施形態においても、発光素子E1,E6からの出射光の結像位置よりも
外側に、ピッチD1を保って発光素子E7,E8からの出射光を結像することができる。
従って、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、本実施形態では、第1実施形態のよ
うに偏心レンズを使用する必要がなく、各レンズアレイユニット24に備わる総てのマイ
クロレンズMLを光学中心と幾何学中心が一致するレンズにすることができる。つまり、
各レンズアレイユニット24に備わるマイクロレンズMLを一種類にすることができるの
で、レンズアレイ20の製造が容易である。
<C.第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。本実施形態においても第1実施形態と共通する構
成要素には、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図7は、第3実施形態に係る光ヘッド3の構造を示す斜視図である。
各発光素子チップ16は、第1実施形態における発光素子チップ12から発光素子E7
,E8を削除したものであり、6個の発光素子E1〜E6がX方向に沿ってピッチD1で
一列に配列されている。また、各レンズアレイユニット26には、発光素子E1〜E6と
対向する位置にマイクロレンズML21〜ML26が形成されている。これら6個のマイ
クロレンズML21〜ML26は、光学中心と幾何学中心が一致するレンズであり、X方
向に沿って一列に配列される。なお、互いに対向する発光素子EとマイクロレンズMLの
組は、6組に限らない。
図8は、発光素子E4とマイクロレンズML24の配置関係を示す断面図である。また
、図9は、発光素子E6とマイクロレンズML26の配置関係を示す断面図である。
図8および図9に示すように、マイクロレンズML24(ML26)は、レンズの光軸
が発光素子E4(E6)の発光中心よりもX方向側にずらされて配置される。このためマ
イクロレンズML24(ML26)は、発光素子E4(E6)から出射された光の進行方
向をX方向側に屈折させることができる。また、レンズの光軸と発光中心とのX方向のず
れ量は、マイクロレンズML24よりもマイクロレンズML26の方が大きい。従って、
マイクロレンズML24よりもマイクロレンズML26の方が出射光をX方向側に屈折さ
せる角度が大きくなる。
なお、発光素子E6とマイクロレンズML26の配置関係のX方向を逆転させたものが
、発光素子E1とマイクロレンズML21の配置関係になる。また、発光素子E4とマイ
クロレンズML24の配置関係のX方向を逆転させたものが、発光素子E3とマイクロレ
ンズML23の配置関係になる。従って、マイクロレンズML21(ML23)は、レン
ズの光軸が発光素子E1(E3)の発光中心よりもX方向とは反対側にずらされて配置さ
れる。このためマイクロレンズML21(ML23)は、発光素子E1(E3)から出射
された光の進行方向をX方向とは反対側に屈折させることができる。また、レンズの光軸
と発光中心とのX方向のずれ量は、マイクロレンズML23よりもマイクロレンズML2
1の方が大きい。従って、マイクロレンズML23よりもマイクロレンズML21の方が
出射光をX方向とは反対側に屈折させる角度が大きくなる。
このようにマイクロレンズML24〜ML26は、対向する発光素子Eからの出射光を
X方向側に屈折させる角度が、マイクロレンズML24→マイクロレンズML25→マイ
クロレンズML26の順に大きくなる。従って、レンズの光軸と発光中心とのX方向のず
れ量も、ML24とE4→ML25とE5→ML26とE6の順に大きくなる。一方、マ
イクロレンズML21〜ML23は、対向する発光素子Eからの出射光をX方向とは反対
側に屈折させる角度が、マイクロレンズML23→マイクロレンズML22→マイクロレ
ンズML21の順に大きくなる。従って、レンズの光軸と発光中心とのX方向のずれ量も
、ML23とE3→ML22とE2→ML16とE1の順に大きくなる。
つまり、マイクロレンズML21〜ML26は、各レンズアレイユニット26における
配列位置が中央から端になるにつれ、対向する発光素子Eからの出射光を、中央から端に
向かう方向側に屈折させる角度が大きくなる。また、マイクロレンズML21〜ML26
は、感光体ドラム70の表面に対し、発光素子E1〜E6からの出射光を、発光素子E1
〜E6の配列間隔であるピッチD1よりも大きいピッチD2でX方向に一列に結像できる
ように、レンズの光軸を対向する発光素子Eの発光中心からずらして配置される。従って
、感光体ドラム70の表面には、発光素子E1〜E6からの出射光がX方向に沿ってピッ
チD2で一列に結像される。なお、本実施形態においては、総ての発光素子EがX方向に
一列に配列されているので、第1実施形態のように駆動回路で各発光素子Eの発光時期を
ずらす必要がない。
以上説明したように本実施形態によれば、発光素子チップ16に配列された発光素子E
1〜E6のうち、その両端に位置する発光素子E1,E6からの出射光は、感光体ドラム
70の表面のうち発光素子E1,E6に相当する位置よりも外側にピッチD2を保って結
像される。つまり、感光体ドラム70の表面のうち、発光素子チップ16の額縁部に相当
する部分に、発光素子E1,E6からの出射光を結像することができる。従って、第1実
施形態と同様の効果を奏する。また、第1実施形態や第2実施形態のように駆動回路で各
発光素子Eの発光時期をずらす必要がないので、駆動回路の制御構成を簡素化できる。
なお、マイクロレンズML21〜ML26として偏心レンズを使用することもできる。
偏心レンズを使用した場合、マイクロレンズML24〜ML26は、対向する発光素子E
からの出射光をX方向側に屈折させることができるようレンズの偏心度が定められる。ま
た、マイクロレンズML24〜ML26の偏心度は、マイクロレンズML24→マイクロ
レンズML25→マイクロレンズML26の順に大きくなる。一方、マイクロレンズML
21〜ML23は、対向する発光素子Eからの出射光をX方向とは反対側に屈折させるこ
とができるようレンズの偏心度が定められる。また、マイクロレンズML21〜ML23
の偏心度は、マイクロレンズML23→マイクロレンズML22→マイクロレンズML2
1の順に大きくなる。このように偏心レンズを使用した場合、各マイクロレンズMLの偏
心度は、レンズアレイユニット26における配列位置が中央から端になるにつれて大きく
なるように、かつ、発光素子E1〜E6からの出射光をX方向に沿ってピッチD2で一列
に結像できるように定められる。
<D.第4実施形態>
次に第4実施形態について説明する。本実施形態においても第1実施形態と共通する構
成要素には、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図10は、第4実施形態に係る光ヘッド4の構造を示す斜視図である。
本実施形態に係る光ヘッド4が第1実施形態における光ヘッド1と異なるのは、各発光
素子チップ17に備わる発光素子E37,E38と、各レンズアレイユニット27に備わ
るマイクロレンズML37,ML38である。各レンズアレイユニット27に備わる8個
のマイクロレンズML1〜ML6,ML37,ML38は、いずれも光学中心と幾何学中
心が一致するレンズであるが、マイクロレンズML1〜ML6が各々の光軸をZ方向に向
けて配置されているのに対し、マイクロレンズML37,ML38は、各々の光軸をZ軸
に対して角度θだけ傾斜させて配置されている。
マイクロレンズML37の光軸は、発光素子E37における光の出射方向と一致し、マ
イクロレンズML38の光軸は、発光素子E38における光の出射方向と一致する。また
、マイクロレンズML37と発光素子E37は、マイクロレンズML37の光軸を延長し
た位置に発光素子E37の発光中心が位置するように配置され、マイクロレンズML38
と発光素子E38は、マイクロレンズML38の光軸を延長した位置に発光素子E38の
発光中心が位置するように配置される。
図11は、発光素子E1の構造を示す断面図である。
本実施形態に係る光ヘッド4はトップエミッション型である。従って、発光素子チップ
17の基材51としては、ガラス等の光透過性を有する板材の他、セラミックスや金属の
シート等の不透明な板材を採用することができる。基材51の表面には配線層52が形成
される。配線層52には、発光素子E1の光量を制御する能動素子(トランジスタ)や各
種の信号を伝送する配線が含まれる。また、配線層52の表面は下地層53によって覆わ
れる。下地層53は、例えばアクリル系やエポキシ系といった樹脂材料、または酸化珪素
(SiOx)や窒化珪素(SiNx)といった無機材料等、各種の絶縁材料で形成された膜
体である。
下地層53の表面には発光素子E1用の光反射層54が形成される。光反射層54は、
例えばアルミニウムや銀等の単体金属、またはアルミニウムや銀を主成分とする合金等、
光反射性を有する材料で形成される。光反射層54は、発光層58が発した光を図中上方
に反射する。光反射層54が形成された下地層53の表面は、透光層55によって被覆さ
れる。透光層55は、光反射層54の保護に利用される膜体であり、例えば酸化珪素や窒
化珪素といった光透過性を有する絶縁材料で形成される。
透光層55の表面には、発光素子E1の陽極として機能する第1電極56が形成される
。第1電極56は、例えばITO(indium tin oxide)、ZnO(酸化亜鉛)、IZO(
indium zinc oxide)といった透明の導電材料で形成される。また、第1電極56の一部
が、透光層55と下地層53を貫通するコンタクトホールを介して配線層52と電気的に
接続される。これにより第1電極56は、発光層58に対して所定の電流を供給すること
ができる。第1電極56が形成された透光層55の表面には、絶縁層57が形成される。
絶縁層57は、Z方向からみて第1電極56と重なり合う領域に開口部(絶縁層57を厚
さ方向に貫通する孔)が形成された絶縁性の膜体である。
第1電極56および絶縁層57は、発光層58によって覆われる。発光層58は、少な
くとも有機発光層を含み、有機発光層は正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から
構成される。発光層58は、例えばスピンコート法等の成膜技術によって複数の発光素子
Eにわたって連続に形成される。このように発光層58は複数の発光素子Eにわたって連
続するが、第1電極56が発光素子Eごとに独立して形成されるから、第1電極56から
供給される電流に応じて発光素子Eごとに個別に光量が制御される。もっとも、液滴吐出
法(インクジェット法)等によって発光層58を発光素子Eごとに独立して形成してもよ
い。また、発光層58を構成する他の層として、電子ブロック層、正孔注入層、正孔輸送
層、電子輸送層、電子注入層および正孔ブロック層の一部または全部を備えてもよい。
発光層58の表面は、発光素子E1の陰極として機能する第2電極59で覆われる。第
2電極59は、例えばITO等の光透過性を有する導電材料で形成される。また、第2電
極59は、複数の発光素子Eにわたって連続に形成される。第2電極59の表面は封止層
60によって覆われる。発光層58は、第1電極56から第2電極59に流れる駆動電流
に応じた強度で発光する。なお、第1電極56と第2電極59の間のうち絶縁層57が介
在する領域には電流が流れないから、発光層58のうち絶縁層57と重なり合う部分は発
光しない。従って、第1電極56と絶縁層57と発光層58と第2電極59との積層のう
ち、絶縁層57の開口部の内側に位置する部分が発光素子E1として機能する。
発光層58から第2電極59側に出射された光は、第2電極59と封止層60を透過し
て感光体ドラム70側に出射される。また、発光層58から第1電極56側に出射された
光は、図中矢印で示すように、第1電極56と透光層55を透過して光反射層54に到達
すると、光反射層54によって図中上方に反射され、透光層55,第1電極56,発光層
58,第2電極59,封止層60を透過して感光体ドラム70側に出射される。このよう
に発光素子E1は、発光層58が発した光をZ方向に出射する。
なお、発光素子E2〜E6も発光素子E1と同様の構造を有する。従って、図10に示
すように発光素子E1〜E6は、いずれもZ方向に光を出射する。また、発光素子En(
n=1〜6)とマイクロレンズMLn(n=1〜6)は、発光素子Enの発光中心とマイ
クロレンズMLnの光軸とが一致するように対向配置されている。従って、感光体ドラム
70の表面には、発光素子E1〜E6の各々から出射された光がX方向に沿ってピッチD
1で一列に結像される。
図12は、発光素子E37の構造を示す断面図である。
なお、同図において図11と共通の構成要素には同じ符号を付している。下地層53a
の表面のうち絶縁層57の開口部に対応する部分には、湾曲した窪みが形成される。この
窪みの図中右側の部分に一定の厚さを有する光反射層54aが形成される。従って、光反
射層54aは、湾曲した形状を有する点や、発光層58aに対する配置角度が図11に示
した光反射層54と異なる。また、光反射層54aによる光の反射方向は、図中矢印で示
すようにZ軸をX方向とは反対側に角度θだけ傾けた方向になる。なお、図12において
は、光反射層54a以外にもその上に積層される透光層55a、第1電極56a、発光層
58aおよび第2電極59aについて、窪みに対応する部分の形状が図11の場合と異な
る。
また、図示を省略しているが発光素子チップ17とレンズアレイユニット27の間には
、遮光性を有する材料で形成されたスペーサが配置されている。このスペーサには、各発
光素子Eから出射された光を、対応するマイクロレンズMLに入射させるための8個の貫
通孔が形成されているが、発光素子E37とマイクロレンズML37を結ぶ貫通孔の中心
軸は、発光素子E37(光反射層54a)における光の反射方向と一致する。従って、発
光素子E37における光の出射方向は、Z軸をX方向とは反対側に角度θだけ傾けた方向
になる。
また、前述したようにマイクロレンズML37の光軸の傾きは、発光素子E37におけ
る光の出射方向と一致するから、図10に示すように、発光素子E37からの出射光は、
発光素子E1からの出射光の結像位置よりもX方向とは反対側に結像される。また、発光
素子E37における光の出射方向や、マイクロレンズML37の光軸の傾きは、発光素子
E37からの出射光を、発光素子E1からの出射光の結像位置よりもピッチD1だけX方
向とは反対側に結像できるように定められている。
なお、図12に示した発光素子E37の構造のX方向を逆転させたものが発光素子E3
8の構造になる。また、図示を省略したスペーサにおいて、発光素子E38とマイクロレ
ンズML38を結ぶ貫通孔の中心軸は、発光素子E38における光の反射方向と一致する
。従って、発光素子E38における光の出射方向は、Z軸をX方向側に角度θだけ傾けた
方向になる。また、マイクロレンズML38の光軸の傾きは、発光素子E38における光
の出射方向と一致するから、図10に示すように、発光素子E38からの出射光は、発光
素子E6からの出射光の結像位置よりもX方向側に結像される。また、発光素子E38に
おける光の出射方向や、マイクロレンズML38の光軸の傾きは、発光素子E38からの
出射光を、発光素子E6からの出射光の結像位置よりもピッチD1だけX方向側に結像で
きるように定められている。
このため駆動回路において、発光素子E1〜E6の発光時期と、発光素子E37,E3
8の発光時期を第1実施形態の場合と同様に制御することで、感光体ドラム70の外周面
には、総ての発光素子Eからの出射光がX方向に沿ってピッチD1で一列に結像される。
このように本実施形態においても、発光素子E1,E6からの出射光の結像位置よりも外
側に、ピッチD1を保って発光素子E37,E38からの出射光を結像することができる
から、第1実施形態と同様の効果を奏する。
なお、発光素子E37は、図13や図14に示す構造を備えてもよい。つまり、発光素
子E37は、図13に示すように、発光層58に対する反射層54bの配置角度だけが図
11の場合とは異なる構造であってもよい。この場合、下地層53bの表面のうち絶縁層
57の開口部に対応する部分には、底面の傾斜角がθとなる窪みが形成され、この窪みの
部分に一定の厚さを有する光反射層54bが形成される。また、発光素子E37は、図1
4に示すように、上面の傾斜角がθとなる反射層54cが下地層53の表面に形成される
構成であってもよい。これらは発光素子E38についても同様である。
<E.第5実施形態>
次に第5実施形態について説明する。本実施形態においても第1実施形態と共通する構
成要素には、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図15は、第5実施形態に係る光ヘッド5の構造を示す斜視図である。
各発光素子チップ18には、6個の発光素子E31〜E36がX方向に沿ってピッチD
1で一列に配列される。また、各レンズアレイユニット28には、6個のマイクロレンズ
ML31〜ML36がX方向に沿って一列に配列される。これら6個のマイクロレンズM
L31〜ML36は、いずれも光学中心と幾何学中心が一致するレンズである。
また、マイクロレンズML31の光軸は、発光素子E31における光の出射方向と一致
し、マイクロレンズML32の光軸は、発光素子E32における光の出射方向と一致し、
…マイクロレンズML36の光軸は、発光素子E36における光の出射方向と一致する。
つまり、マイクロレンズMLn(n=31〜36)の光軸の傾きは、発光素子En(n=
31〜36)における光の出射方向と一致する。また、マイクロレンズML31と発光素
子E31は、マイクロレンズML31の光軸を延長した位置に発光素子E31の発光中心
が位置するように配置され、マイクロレンズML32と発光素子E32は、マイクロレン
ズML32の光軸を延長した位置に発光素子E32の発光中心が位置するように配置され
、…マイクロレンズML36と発光素子E36は、マイクロレンズML36の光軸を延長
した位置に発光素子E36の発光中心が位置するように配置される。
図16は、発光素子E33の構造を示す断面図である。また、図17は、発光素子E3
1の構造を示す断面図である。なお、図16および図17において、図12と共通の構成
要素には同じ符号を付している。図16と図17から明らかとなるように、発光素子E3
3と発光素子E31では、発光層58aに対する光反射層54d,54eの配置角度が異
なる。すなわち、図16の場合は、下地層53dの表面に形成された窪みが浅く、また光
反射層54dが窪みの中央寄りに形成されているので、光反射層54dによる光の反射方
向は、Z軸をX方向とは反対側に角度θ3だけ傾けた方向になる。これに対し、図17の
場合は、下地層53eの表面に形成された窪みが深く、また光反射層54eが窪みの右側
寄りに形成されているので、光反射層54eによる光の反射方向は、Z軸をX方向とは反
対側に角度θ1(>θ3)だけ傾けた方向になる。
また、図示を省略しているが発光素子チップ18とレンズアレイユニット28の間には
、遮光性を有する材料で形成されたスペーサが配置されている。このスペーサには、各発
光素子Eから出射された光を、対応するマイクロレンズMLに入射させるための6個の貫
通孔が形成されているが、発光素子E33とマイクロレンズML33を結ぶ貫通孔の中心
軸は、発光素子E33(光反射層54d)における光の反射方向と一致する。また、発光
素子E31とマイクロレンズML31を結ぶ貫通孔の中心軸は、発光素子E31(光反射
層54e)における光の反射方向と一致する。
従って、発光素子E33における光の出射方向は、Z軸をX方向とは反対側に角度θ3
だけ傾けた方向になる。また、発光素子E31における光の出射方向は、Z軸をX方向と
は反対側に角度θ1(>θ3)だけ傾けた方向になる。また、図示を省略しているが、発
光素子E32における光の出射方向は、Z軸をX方向とは反対側に角度θ2(θ1>θ2
>θ3)だけ傾けた方向になる。このように発光素子E31〜E33における光の出射方
向は、発光素子E33→発光素子E32→発光素子E31の順に、Z軸に対する傾きが大
きくなる。
また、前述したようにマイクロレンズMLn(n=31〜36)の光軸の傾きは、発光
素子En(n=31〜36)における光の出射方向と一致する。従って、図15において
、マイクロレンズML33は、その光軸をZ軸に対してX方向とは反対側に角度θ3だけ
傾斜させて配置され、マイクロレンズML32は、その光軸をZ軸に対してX方向とは反
対側に角度θ2だけ傾斜させて配置され、マイクロレンズML31は、その光軸をZ軸に
対してX方向とは反対側に角度θ1だけ傾斜させて配置される。
なお、図16に示した発光素子E33の構造のX方向を逆転させたものが発光素子E3
4の構造になる。また、図17に示した発光素子E31の構造のX方向を逆転させたもの
が発光素子E36の構造になる。また、図示を省略したスペーサにおいて、発光素子E3
4とマイクロレンズML34を結ぶ貫通孔の中心軸は、発光素子E34における光の反射
方向と一致し、発光素子E36とマイクロレンズML36を結ぶ貫通孔の中心軸は、発光
素子E36における光の反射方向と一致する。従って、発光素子E34における光の出射
方向は、Z軸をX方向側に角度θ3だけ傾けた方向になる。また、発光素子E36におけ
る光の出射方向は、Z軸をX方向側に角度θ1(>θ3)だけ傾けた方向になる。また、
発光素子E32の構造のX方向を逆転させたものが発光素子E35の構造になるから、発
光素子E35における光の出射方向は、Z軸をX方向側に角度θ2(θ1>θ2>θ3)
だけ傾けた方向になる。このように発光素子E34〜E36における光の出射方向は、発
光素子E34→発光素子E35→発光素子E36の順に、Z軸に対する傾きが大きくなる
また、前述したようにマイクロレンズMLn(n=31〜36)の光軸の傾きは、発光
素子En(n=31〜36)における光の出射方向と一致する。従って、図15において
、マイクロレンズML34は、その光軸をZ軸に対してX方向側に角度θ3だけ傾斜させ
て配置され、マイクロレンズML35は、その光軸をZ軸に対してX方向側に角度θ2だ
け傾斜させて配置され、マイクロレンズML36は、その光軸をZ軸に対してX方向側に
角度θ1だけ傾斜させて配置される。
このように発光素子E31〜E36は、発光素子チップ18における配列位置が中央か
ら端になるにつれ、Z軸に対する出射方向の傾きが大きくなる。また、各発光素子Eにお
ける光の出射方向や、各マイクロレンズMLの光軸の傾きは、感光体ドラム70の表面に
対し、発光素子E31〜E36からの出射光を、発光素子E31〜E36の配列間隔であ
るピッチD1よりも大きいピッチD2でX方向に一列に結像できるように定められている
。従って、図15に示すように、感光体ドラム70の表面には、発光素子E31〜E36
からの出射光がX方向に沿ってピッチD2で一列に結像される。なお、本実施形態におい
ては総ての発光素子EがX方向に一列に配列されているので、駆動回路で各発光素子Eの
発光時期をずらす必要がない。
以上説明したように本実施形態においても、感光体ドラム70の表面のうち発光素子E
31,E36に相当する位置よりも外側に、ピッチD2を保って発光素子E31,E36
からの出射光を結像することができるから、第3実施形態と同様の効果を奏する。
<F.変形例>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の変形が可能であ
る。また、上述した各実施形態や以下に示す各変形例のうち2以上を適宜組み合わせるこ
ともできる。
(変形例1)第1実施形態において発光素子E7,E8の位置は、図2に示した位置に限
定されない。例えば、発光素子E7,E8の位置を、図2に示した位置より発光素子チッ
プ12の中央側に寄せてもよい。このように発光素子E7,E8を設ける位置は、額縁部
以外の場所で、かつ直線LX1上とは異なる場所であればよい。但し、発光素子E7,E
8の位置に応じて、マイクロレンズML7,ML8の位置や偏心度を変える必要がある。
また、図2に示したように、なるべく発光素子チップ12の両端に近い位置(但し額縁部
は除く)に発光素子E7,E8を設けた方が、出射光の進行方向を大きく曲げずに済む。
以上の内容は、第2実施形態や第4実施形態についても同様である。但し、第2実施形態
の場合は、偏心度の代わりに、レンズの光軸と発光中心とのX方向のずれ量を調整するこ
とになる。また、第4実施形態の場合は、マイクロレンズML37,ML38の位置やそ
の光軸の傾きに加え、発光素子E37,E38における光の出射方向も調整する必要があ
る。
(変形例2)第1実施形態において、マイクロレンズML8(偏心レンズ)は、発光素子
E8からの出射光をX方向だけでなくY方向とは反対側の方向にも屈折させてよい。この
場合、マイクロレンズML8の偏心度は、発光素子E8からの出射光を、発光素子E6か
らの出射光の結像位置からX方向にピッチD1だけ離間した位置に結像できるよう定めら
れているとよい。これはマイクロレンズML7についても同様である。すなわち、マイク
ロレンズML7は、発光素子E7からの出射光を、発光素子E1からの出射光の結像位置
からX方向とは反対側にピッチD1だけ離間した位置に結像できるよう、レンズの偏心度
が定められていてもよい。以上のようにマイクロレンズML7,ML8の偏心度を定めれ
ば、発光素子E1〜E6と発光素子E7,E8で発光時期をずらす必要がないので、駆動
回路の制御構成を簡素化できる。
これは第2実施形態におけるマイクロレンズML17,ML18や、第4実施形態にお
けるマイクロレンズML37,ML38についても同様である。但し、第2実施形態の場
合は、偏心度の代わりに、レンズの光軸と発光中心とのずれ量をY方向とは反対側の方向
にも調整することになる。また、第4実施形態の場合は、マイクロレンズML37,ML
38の光軸の傾きをY方向とは反対側の方向にも調整することになる。なお、第4実施形
態の場合は、発光素子E37,E38における光の出射方向をY方向とは反対側の方向に
も調整する構成とすることができる。
(変形例3)第1実施形態において、複数組の発光素子チップ12とレンズアレイユニッ
ト22をX方向に一列に並べる場合、その両端に位置する発光素子チップ12とレンズア
レイユニット22の組は、一方の側しか他の組と隣り合わない。従って、例えば図2に示
した2組の発光素子チップ12とレンズアレイユニット22のうち、図中左側の発光素子
チップ12とレンズアレイユニット22における発光素子E7およびマイクロレンズML
7と、図中右側の発光素子チップ12とレンズアレイユニット22における発光素子E8
およびマイクロレンズML8は、なくてもよい。また、一列に並べられた複数組の発光素
子チップ12とレンズアレイユニット22の総てにおいて、発光素子E7およびマイクロ
レンズML7(または発光素子E8およびマイクロレンズML8)はなくてもよい。
例えば、図2に示す構成において発光素子E7およびマイクロレンズML7(または発
光素子E8およびマイクロレンズML8)をなくした場合、発光素子チップ12を一列に
並べることが可能な額縁部の幅D3は、最大でピッチD1となる。つまり、額縁部の幅D
3がピッチD1以下であれば、発光素子チップ12をX方向に一列に並べることができる
。以上の内容は、第2実施形態や第4実施形態についても同様である。
(変形例4)例えば、図2に示した各発光素子チップ12において、直線LX2上に片側
2個ずつ計4個の発光素子Eを設け、発光素子E1,E6からの出射光の結像位置よりも
外側に、4個の発光素子Eからの出射光を結像する構成としてもよい。このような構成と
すれば、発光素子チップ12を一列に並べることが可能な額縁部の幅D3をより大きくと
ることができる。但し、このように直線LX2上の発光素子Eの数を増やす場合は、マイ
クロレンズML(偏心レンズ)の数も増やす必要がある。また、マイクロレンズMLの偏
心度を調整し、直線LX2上の各発光素子Eからの出射光をピッチD1を保って結像でき
るようにする必要がある。これは第2実施形態や第4実施形態についても同様である。但
し、第2実施形態の場合は、偏心度の代わりに、レンズの光軸と発光中心とのずれ量を調
整することになる。また、第4実施形態の場合は、直線LX2上に設けた各発光素子Eに
おける光の出射方向や、対応するマイクロレンズMLの光軸の傾きを調整する必要がある
また、第3実施形態の場合も、レンズの光軸と発光中心とのずれ量や、レンズの偏心度
を調整することで、感光体ドラム70の表面のうち発光素子E1,E6に相当する位置よ
りも外側に結像する発光素子Eの数を増やすことが可能であり、これによって発光素子チ
ップ16を一列に並べることが可能な額縁部の幅D3をより大きくとることができる。こ
れは第5実施形態についても同様である。但し、第5実施形態の場合は、発光素子E31
〜E36における光の出射方向や、マイクロレンズML31〜ML36の光軸の傾きを調
整する必要がある。
(変形例5)第1実施形態では、図2に示したように発光素子E1〜E6の両端から各々
Y方向に1個ずつ発光素子Eを配置した場合を説明したが、図18に示すように発光素子
E1〜E6の両端から各々Y方向に2個ずつ発光素子Eを配置してもよい。
図18は、変形例5に係る光ヘッド6の構造を示す斜視図である。
各発光素子チップ19には、第1実施形態で説明した8個の発光素子E1〜E8に加え
、発光素子E7,E8からY方向に所定距離だけ離間した位置に発光素子E9,E10が
配置される。なお、図18において直線LX1と直線LX2の間隔と、直線LX2と直線
LX3の間隔とは、必ずしも同じでなくてよい。各レンズアレイユニット29には、第1
実施形態で説明した8個のマイクロレンズML1〜ML8に加え、発光素子E9と対向す
る位置にマイクロレンズML9が設けられ、発光素子E10と対向する位置にマイクロレ
ンズML10が設けられる。マイクロレンズML9,ML10は偏心レンズである。マイ
クロレンズML9は、発光素子E9からの出射光を、発光素子E7からの出射光の結像位
置よりもピッチD1だけX方向とは反対側に結像できるよう、レンズの偏心度が定められ
ている。また、マイクロレンズML10は、発光素子E10からの出射光を、発光素子E
8からの出射光の結像位置よりもピッチD1だけX方向側に結像できるよう、レンズの偏
心度が定められている。なお、マイクロレンズML9は、発光素子E9からの出射光を少
なくともX方向とは反対側に屈折させることができればよいが、Y方向とは反対側にも発
光素子E9からの出射光を屈折させることができる。同様にマイクロレンズML10は、
発光素子E10からの出射光を少なくともX方向側に屈折させることができればよいが、
Y方向とは反対側にも発光素子E10からの出射光を屈折させることができる。
以上の構成であっても、発光素子E1,E6からの出射光の結像位置よりも外側に、4
個の発光素子E7〜E10からの出射光をピッチD1を保って一列に結像することができ
る。また、発光素子チップ19を一列に並べることが可能な額縁部の幅D3を、最大でピ
ッチD1×2.5とすることができる。なお、発光素子E1〜E6の両端から各々Y方向
に3個ずつ以上の発光素子Eを並べてもよい。勿論、このようにY方向に並べる発光素子
Eの数を増やす場合は、マイクロレンズML(偏心レンズ)の数も増やす必要がある。ま
た、マイクロレンズMLの偏心度を調整し、Y方向に並べた各発光素子Eからの出射光を
ピッチD1を保って結像できるようにする必要がある。
以上の内容は第2実施形態についても同様である。但し、第2実施形態の場合は、図1
8におけるマイクロレンズML7〜ML10が、偏心レンズではなく光学中心と幾何学中
心が一致するレンズになる。従って、マイクロレンズML7〜ML10と発光素子E7〜
E10について、レンズの光軸と発光中心とのずれ量を調整する必要がある。つまり、図
18に示す構成の場合、マイクロレンズML7と発光素子E7およびマイクロレンズML
8と発光素子E8については、第2実施形態におけるマイクロレンズML17と発光素子
E7およびマイクロレンズML18と発光素子E8と同じであるので説明を省略するが、
マイクロレンズML9は、発光素子E9からの出射光を、発光素子E7からの出射光の結
像位置よりもピッチD1だけX方向とは反対側に結像できるよう、レンズの光軸を発光素
子E9の発光中心から少なくともX方向とは反対側にずらして配置される。また、マイク
ロレンズML10は、発光素子E10からの出射光を、発光素子E8からの出射光の結像
位置よりもピッチD1だけX方向側に結像できるよう、レンズの光軸を発光素子E10の
発光中心から少なくともX方向側にずらして配置される。
また、第4実施形態の場合も、図19に片側(発光素子E1)のみの構成を示すが、発
光素子E1〜E6の両端から各々Y方向に2個ずつ以上の発光素子Eを配置すると共に、
これに対応するマイクロレンズMLを設け、発光素子Eにおける光の出射方向やマイクロ
レンズMLの光軸の傾きを調整することで、発光素子E1,E6からの出射光の結像位置
よりも外側に、4個以上の発光素子Eからの出射光をピッチD1を保って一列に結像する
ことができる。なお、図19において、発光素子E39における光の出射方向や、マイク
ロレンズML39の光軸の傾きは、発光素子E39からの出射光を発光素子E37からの
出射光の結像位置よりもピッチD1だけX方向とは反対側に結像できるように定められて
いる。
(変形例6)図20は、第3実施形態に係る光ヘッド3の変形例を示す平面図である。同
図に示すように、1つのレンズアレイユニット26に備わる6個のマイクロレンズML2
1〜ML26のうち、マイクロレンズML21を除いた残り5個のマイクロレンズML2
2〜ML26が、対向する発光素子Eからの出射光をX方向側に屈折させる構成であって
もよい。勿論、図20の場合とは逆に、マイクロレンズML26を除いた残り5個のマイ
クロレンズML21〜ML25が、対向する発光素子Eからの出射光をX方向とは反対側
に屈折させる構成であってもよい。このような構成であっても、感光体ドラム70の表面
のうち発光素子チップ16の額縁部に相当する部分に、1個以上の発光素子Eからの出射
光を結像することができる。同様に第5実施形態においても、例えば図21に示すように
、1つの発光素子チップ18に備わる6個の発光素子E31〜E36のうち、発光素子E
31を除いた残り5個の発光素子E32〜E36における光の出射方向をZ軸に対してX
方向側に傾けると共に、1つのレンズアレイユニット28に備わる6個のマイクロレンズ
ML31〜ML36のうち、マイクロレンズML31を除いた残り5個のマイクロレンズ
ML32〜ML36の光軸を、Z軸に対してX方向側に傾ける構成としてもよい。
(変形例7)第4実施形態におけるマイクロレンズML37,ML38は、偏心レンズで
あってもよい。この場合、マイクロレンズML37において発光素子E37からの出射光
をX方向とは反対側に屈折させることができる。また、マイクロレンズML38において
発光素子E38からの出射光をX方向側に屈折させることができる。従って、発光素子E
37,E38における光の出射方向をZ方向から大きく傾けずに済む。同様に、第5実施
形態におけるマイクロレンズML31〜ML36についても偏心レンズを使用することが
できる。なお、第4実施形態において、発光素子E37の発光中心をマイクロレンズML
37の光軸を延長した位置からX方向側にずらすことで、発光素子E37からの出射光を
マイクロレンズML37においてX方向とは反対側に屈折させることができる。また、発
光素子E38の発光中心をマイクロレンズML38の光軸を延長した位置からX方向とは
反対側にずらすことで、発光素子E38からの出射光をマイクロレンズML38において
X方向側に屈折させることができる。これは第5実施形態についても同様である。
(変形例8)第1実施形態において、レンズアレイ20は、レンズアレイユニット22ご
とに基体が分かれていなくてもよい。つまり、レンズアレイ20は、複数の発光素子チッ
プ12と対向する位置に設けられた1つの基体を有し、この基体のうち複数の発光素子チ
ップ12の各々と対向する各領域に8個のマイクロレンズMLが設けられていてもよい。
また、レンズアレイ20は、マイクロレンズMLが配列された部分以外の間隙に遮光性を
有する樹脂等が充填された構成であってもよい。以上の内容は第2実施形態〜第5実施形
態についても同様である。
(変形例9)変形例8に記載したようにレンズアレイ20を1つの基体で構成する場合、
第4実施形態に係る光ヘッド4を図22に示すように変形することができる。なお、図2
2には、1つの発光素子チップ17に備わる8個の発光素子E1〜E6,E37’,E3
8’と、これに対応する8個のマイクロレンズML1〜ML6,ML37’,ML38’
のみを図示している。第4実施形態で説明した構成と異なるのは、マイクロレンズML3
7’,ML38’の位置とその光軸の傾き、および発光素子E37’,E38’における
光の出射方向である。マイクロレンズML37’,ML38’は、マイクロレンズML1
〜ML6の配列に対してY方向に所定距離だけ離間した位置に設けられるが、マイクロレ
ンズML37’は、マイクロレンズML1の配列位置からピッチD1だけX方向とは反対
側に配置され、マイクロレンズML38’は、マイクロレンズML6の配列位置からピッ
チD1だけX方向側に配置される。また、マイクロレンズML37’,ML38’は、い
ずれも光軸をZ方向に向けて配置される。このようにマイクロレンズML37’,ML3
8’の位置とその光軸の傾きが異なるので、発光素子E37’,E38’における光の出
射方向は、第4実施形態で説明した発光素子E37,E38における光の出射方向よりも
Z軸に対する傾きが大きい。以上の構成であっても、発光素子E1,E6からの出射光の
結像位置よりも外側に、ピッチD1を保って発光素子E37’,E38’からの出射光を
結像することができる。
また、レンズアレイ20を1つの基体で構成する場合、第5実施形態に係る光ヘッド5
を図23に示すように変形することができる。なお、図23においても、1つの発光素子
チップ18に備わる6個の発光素子E31’〜E36’と、これに対応する6個のマイク
ロレンズML31’〜ML36’のみを図示している。第5実施形態で説明した構成と異
なるのは、マイクロレンズML31’〜ML36’の配列間隔とその光軸の傾き、および
発光素子E31’〜E36’における光の出射方向である。6個のマイクロレンズML3
1’〜ML36’は、X方向に沿ってピッチD2で一列に配置される。また、これらのマ
イクロレンズML31’〜ML36’は、いずれも光軸をZ方向に向けて配置される。こ
のようにマイクロレンズML31’〜ML36’の配列間隔とその光軸の向きが異なるの
で、発光素子E31’〜E36’における光の出射方向は、第5実施形態で説明した発光
素子E31〜E36における光の出射方向よりもZ軸に対する傾きが大きい。以上の構成
であっても、感光体ドラム70の表面のうち発光素子E31’,E36’に相当する位置
よりも外側に、ピッチD2を保って発光素子E31’,E36’からの出射光を結像する
ことができる。
(変形例10)第4実施形態では、第1電極56,56aを陽極とし、第2電極59,5
9aを陰極としたが、その逆であってもよい。これは第5実施形態についても同様である
。また、第5実施形態における発光素子E31〜E36は、図16や図17に例示した構
造に限定されず、例えば図13や図14に示す構造を備えてもよい。
(変形例11)第1実施形態において、マイクロレンズML1〜ML6とマイクロレンズ
ML7,ML8は、レンズ部の曲率半径が同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、マイクロレンズML7,ML8のレンズ部の曲率半径を大きくすると、対向する発
光素子E7,E8からの出射光をより大きく屈折させることができる。これは第2実施形
態についても同様である。
また、第3実施形態において、マイクロレンズML21〜ML26の各々は、レンズ部
の曲率半径が同じであってもよいし異なっていてもよい。なお、レンズ部の曲率半径が大
きいほど、対向する発光素子Eからの出射光を大きく屈折させることができる。従って、
各レンズアレイユニット26では、マイクロレンズMLの配列位置が中央から端になるほ
ど(ML23→ML22→ML21,ML24→ML25→ML26)、レンズ部の曲率
半径を大きくするとよい。
(変形例12)第2実施形態におけるマイクロレンズML17,ML18は、入射側のレ
ンズ部と出射側のレンズ部で曲率半径が異なってもよい。例えば、出射側のレンズ部の曲
率半径を入射側のレンズ部の曲率半径より小さくすることができる。これは、第3実施形
態において光学中心と幾何学中心が一致するレンズを使用する場合についても同様である
(変形例13)発光素子Eは、有機発光ダイオード素子に限らず、LED素子、無機EL
素子、プラズマディスプレイ素子等であってもよい。また、発光素子Eは、電圧の印加に
よって駆動される電圧駆動型の素子であってもよい。また、発光素子Eの発光面の形状を
円形以外にする場合は、その重心を発光素子Eの発光中心とすればよい。また、ピッチD
1やピッチD2は、必ずしも一定(等間隔)でなくてよい。また、発光パネル10は、ト
ップエミッション型でなくボトムエミッション型であってもよい。
(変形例14)例えば特開2008−93882号公報の図8に記載されているように、
1つのマイクロレンズMLに対向する位置に複数の発光素子Eが設けられ、複数の発光素
子Eによって1つの発光部が構成されてもよい。この場合、1つの発光部を構成する複数
の発光素子Eの中心(重心)を発光部の発光中心とすればよい。
<G.電子機器>
次に、上述した実施形態および変形例に係る光ヘッドを利用した電子機器の具体例を説
明する。
図24は、画像形成装置の構成を示す断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、上述した実施形態
および変形例に係る光ヘッドを露光装置として使用している。画像形成装置は、4個の光
ヘッド100(100K,100C,100M,100Y)と、各光ヘッド100に対応
する4個の感光体ドラム70(70K,70C,70M,70Y)とを備える。1つの光
ヘッド100は、この光ヘッド100に対応した感光体ドラム70の外周面と対向するよ
うに配置される。なお、各符号の添字「K」「C」「M」「Y」は、黒(K)、シアン(
C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各顕像の形成に利用されることを意味している
駆動ローラ711と従動ローラ712には無端の中間転写ベルト72が巻回される。4
個の感光体ドラム70は、相互に所定の間隔をあけて中間転写ベルト72の周囲に配置さ
れる。各感光体ドラム70は、中間転写ベルト72の駆動に同期して回転する。また、各
感光体ドラム70の周囲には、光ヘッド100の他にコロナ帯電器731(731K,7
31C,731M,731Y)と現像器732(732K,732C,732M,732
Y)とが配置される。コロナ帯電器731は、これに対応する感光体ドラム70の外周面
を一様に帯電させる。この帯電した外周面を各光ヘッド100が露光することで静電潜像
が形成される。各現像器732は、静電潜像に現像剤(トナー)を付着させることで感光
体ドラム70に顕像(可視像)を形成する。
以上のように感光体ドラム70に形成された各色(黒・シアン・マゼンタ・イエロー)
の顕像が中間転写ベルト72の表面に順次に転写(一次転写)されることでフルカラーの
顕像が形成される。中間転写ベルト72の内側には4個の一次転写コロトロン(転写器)
74(74K,74C,74M,74Y)が配置される。各一次転写コロトロン74は、
これに対応する感光体ドラム70から顕像を静電的に吸引することによって、感光体ドラ
ム70と一次転写コロトロン74との間隙を通過する中間転写ベルト72に顕像を転写す
る。
シート(記録材)75は、ピックアップローラ761によって給紙カセット762から
1枚ずつ給送され、中間転写ベルト72と二次転写ローラ77との間のニップに搬送され
る。中間転写ベルト72の表面に形成されたフルカラーの顕像は、二次転写ローラ77に
よってシート75の片面に転写(二次転写)され、定着ローラ対78を通過することでシ
ート75に定着される。排紙ローラ対79は、以上の工程を経て顕像が定着されたシート
75を排出する。
この画像形成装置は、有機発光ダイオード素子を光源として利用しているので、レーザ
ー走査光学系を利用した構成よりも装置が小型化される。なお、ロータリ現像式の画像形
成装置や、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラム70からシートに対して直接的に顕
像を転写するタイプの画像形成装置、あるいはモノクロの画像を形成する画像形成装置等
にも光ヘッド100を適用することが可能である。
また、光ヘッド100の用途は像担持体の露光に限定されない。例えば、光ヘッド10
0は、原稿等の読取対象に光を照射する照明装置として画像読取装置に採用される。この
種の画像読取装置としては、スキャナー、複写機やファクシミリの読取部分、バーコード
リーダー、あるいはQRコード(登録商標)のような二次元画像コードを読む二次元画像
コードリーダー等がある。
1〜6…光ヘッド、10…発光パネル、12,16〜19…発光素子チップ、E1〜E
10,E31〜E39,E31’〜E38’…発光素子、20…レンズアレイ、22,2
4,26〜29…レンズアレイユニット、ML1〜ML10,ML17,ML18,ML
21〜ML26,ML31〜ML39,ML31’〜ML38’…マイクロレンズ、51
…基材、52…配線層、53,53a,53b,53d,53e…下地層、54,54a
〜54d…光反射層、55,55a〜55e…透光層、56,56a…第1電極、57…
絶縁層、58,58a…発光層、59,59a…第2電極、60…封止層、70…感光体
ドラム。

Claims (7)

  1. 主走査方向に配列された複数の第1発光部と、前記複数の第1発光部の配列に対して前記主走査方向と交差する方向に配置された2つの第2発光部とを有する発光基板と、
    前記複数の第1発光部の各々と対向する位置に設けられ、対向する前記第1発光部からの出射光を被照射面に結像する複数の第1レンズと、対応する前記第2発光部からの出射光を前記被照射面に結像する2つの第2レンズとを有するレンズアレイとを備え、
    前記複数の第1発光部の各々からの出射光は、当該第1発光部とこれに対向する前記第1レンズとを結ぶ直線が前記被照射面と交わる位置に結像され、
    前記2つの第2発光部の各々における光の出射方向は、当該第2発光部の発光面から垂直に延びる直線に対して傾きを有し、
    前記複数の第1発光部のうち一方の端に位置する前記第1発光部からの出射光の結像位置を第1結像位置とし、他のいずれかの前記第1発光部からの出射光の結像位置を第2結像位置としたとき、一方の前記第2発光部からの出射光は、前記第1結像位置を挟んで前記第2結像位置の側とは反対側に結像され
    前記複数の第1発光部のうち他方の端に位置する前記第1発光部からの出射光の結像位置を第3結像位置とし、他のいずれかの前記第1発光部からの出射光の結像位置を第4結像位置としたとき、他方の前記第2発光部からの出射光は、前記第3結像位置を挟んで前記第4結像位置の側とは反対側に結像される
    ことを特徴する光ヘッド。
  2. 前記2つの第2発光部の各々は、光を発する発光層と、前記発光層が発した光を反射する光反射層とを備え、
    前記光反射層は、光の反射方向が前記傾きを有するように形成されている
    ことを特徴する請求項1に記載の光ヘッド。
  3. 前記光反射層は、光の反射方向が前記傾きを有するように前記発光層に対する配置角度が定められている
    ことを特徴する請求項2に記載の光ヘッド。
  4. 前記光反射層は、光の反射方向が前記傾きを有するように形状が定められている
    ことを特徴する請求項2に記載の光ヘッド。
  5. 前記複数の第1発光部は、前記主走査方向に所定ピッチで配列され、
    一方の前記第2発光部からの出射光は、前記第1結像位置から前記第2結像位置の側とは反対側の方向に前記所定ピッチだけ離間した位置に結像され
    他方の前記第2発光部からの出射光は、前記第3結像位置から前記第4結像位置の側とは反対側の方向に前記所定ピッチだけ離間した位置に結像される
    ことを特徴する請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の光ヘッド。
  6. 前記発光基板および前記レンズアレイを複数備え、前記複数の発光基板およびレンズアレイが前記主走査方向に配列されている
    ことを特徴する請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光ヘッド。
  7. 請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光ヘッドを備えたことを特徴とする電子機器。
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