JP5662908B2 - ディジタル保護リレー - Google Patents

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本発明は、ディジタル保護リレーに係り、特に、入力変換器やアナログフィルタ等のアナログ入力回路素子の個体差に起因する入力データの誤差を適切に補正するための技術に関する。
従来のディジタル保護リレーは、保護の対象となる電力系統の電流値や電圧値などの電気量をアナログ入力回路に入力し、これを所定の周期でサンプリングして得たディジタルデータを用いて所定の保護リレー演算を行うことによって、例えば遮断器をトリップさせるリレーを動作させるなどの保護動作を実行する。このとき、アナログ入力回路を構成する各種回路素子の特性には個体差があるので、保護リレー演算を高精度で実行するためには、入力チャンネル毎の特性に応じて入力データの誤差を適切に補正する必要がある。
そのための従来技術として、特許文献1には、入力変換部及びアナログ/ディジタル変換部からなるアナログ入力回路を介して入力される入力データの誤差を補正するために、入力変換部の変換特性パラメータとアナログ/ディジタル変換部の変換特性パラメータとをそれぞれ装置に着脱可能な記憶手段に記憶させておき、補正手段がこの両者のパラメータを用いてアナログ入力回路から出力されるディジタルデータを補正演算する技術が開示されている。
一方、特許文献2には、入力変換部(入力トランス)にて電気量を示すアナログ入力信号に高調波の監視信号を重畳してアナログ/ディジタル変換部に伝送し、ディジタル演算処理部がアナログ/ディジタル変換部から入力したディジタルデータのなかからこの監視信号の周波数成分を抽出することで各入力チャンネルの不良を検出する技術が開示されている。
特開2004−274930号公報 特開昭60−229619号公報
しかし、特許文献1の技術では、変換特性パラメータを記憶した記憶手段を、補正手段側に正しく装着する必要があり、入力変換部が故障して代替品に交換した場合には、同時に変換特性パラメータを記憶した記憶手段も交換しなければならず、交換作業が長引くとともに、作業ミスによって適正な保護動作が行えなくなる危険性があった。
この問題点を解決するためには、入力変換部に記憶手段を備えてそこに変換特性パラメータを記憶させればよいが、入力変換部と補正手段との間に変換特性パラメータを伝送するための追加の信号ケーブルが必要となるという課題があった。
本発明は、かかる従来技術の課題を解決するためになされたものであり、変換特性パラメータを伝送するための追加の信号ケーブルが不要であり、入力変換部が故障した場合には代替品に交換するだけで自動的に適切な補正演算を実行可能なディジタル保護リレーを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、電力系統の電気量を示す入力アナログ信号をディジタルデータに変換して入力するための入力変換部とアナログ/ディジタル変換部とから構成されるアナログ入力回路と、所定の保護リレー演算を実行するディジタル演算処理部とを有するディジタル保護リレーであって、前記入力変換部が、前記入力アナログ信号を入力するチャンネル毎の入力トランスと、前記入力変換部における各チャンネルの信号変換特性を示す第一の変換特性パラメータ群が予め記憶されている第一の変換特性記憶部と、前記入力トランスによって各前記チャンネルの前記入力アナログ信号に重畳される高調波の監視信号上に前記第一の変換特性記憶部から読み込んだ前記第一の変換特性パラメータ群を符号化して重畳する動作を所定の周期で繰り返すデータ重畳手段と、を備え、前記アナログ/ディジタル変換部が、前記入力変換部から入力される前記監視信号が重畳された各チャンネルのアナログ信号のなかから不要な周波数成分を除去したのち、所定周期でサンプリングすることによってディジタルデータに変換するディジタル変換回路と、前記アナログ/ディジタル変換部における各チャンネルの信号変換特性を示す第二の変換特性パラメータ群が予め記憶されている第二の変換特性記憶部と、を備え、前記ディジタル演算処理部が、前記アナログ/ディジタル変換部からディジタル入力した前記監視信号が重畳された前記アナログ信号のなかから、前記監視信号の周波数成分を分離抽出するとともに、当該監視信号に重畳されている前記第一の変換特性パラメータ群を復号化して取得する重畳データ取得手段と、取得した前記第一の変換特性パラメータ群と、前記第二の変換特性記憶部から読み込んだ前記第二の変換特性パラメータ群とを用いて、前記監視信号の周波数成分が除去されたのちのアナログ信号を補正する入力データ補正手段と、を備えるものとした。
本発明によれば、変換特性パラメータを伝送するための追加の信号ケーブルが不要であり、入力変換部が故障した場合には代替品に交換するだけで自動的に適切な補正演算を実行可能なディジタル保護リレーを提供することができる。
本発明の実施形態に係るディジタル保護リレーの機能ブロック図である。 アナログ入力回路の詳細構成を示す接続構成図である。 第一の変換特性パラメータ群の構成及びデータ例である。 監視信号生成部の回路構成例である。 監視信号変調部の回路構成例である。 監視信号上に変換特性パラメータ群を符号化した例である。 ディジタル演算処理部の機能構成図である。 ディジタル演算処理部の処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るディジタル保護リレーの機能ブロック図である。図1に示すように、ディジタル保護リレー1は、アナログ入力回路2、ディジタル演算処理部3、ディジタル入出力部4、警報回路5、トリップ回路6、及び整定パネル7を備えて構成されている。
アナログ入力回路2は、電力系統の電気量を計測するCT(Current Transformer:変流器)及びVT(Voltage Transformer:計器用変圧器)から出力される電流値及び電圧値を示すアナログ信号を入力し、それらを所定の周期でサンプリングして得られるディジタルデータをディジタル演算処理部3に引き渡す。整定パネル7は、ディジタル演算処理によって動作が決定される仮想的な保護リレーの動作パラメータを確認したり設定したりするためなどに用いられる表示部と操作部とからなる。ディジタル入出力部4は、電力系統に接続される機器の状態を示す2値信号を入力してディジタル演算処理部3に引き渡し、また、ディジタル演算処理部3から出力される2値信号を警報回路5やトリップ回路6などに中継する。ディジタル演算処理部3は、プログラム制御により不図示のCPU(Central Processing Unit)が所定の演算処理を実行することによって、電力系統の状態を監視し、事故等の発生を検出した場合は、トリップ回路6にトリップ指令を出力して遮断器8を作動させるなどの保護リレー動作を実施し電力系統の保護を行う。また、自己診断機能により自装置の異常を検出した場合には、警報回路5の出力リレーを作動させて上位装置に自装置の異常を通知する。
図2は、アナログ入力回路2の詳細構成を示す接続構成図である。図2に示すように、アナログ入力回路2は、入力変換部21とアナログ/ディジタル変換部22とから構成されている。入力変換部21には、n個(チャンネル)の入力電気量I〜Iを入力するためのn個の入力トランス211を備える。ディジタルリレーユニット10に搭載されているアナログ/ディジタル変換部22には、n個(チャンネル)のアナログフィルタ221びサンプルホールド回路222と、サンプルホールド回路222から出力されるnチャンネルの信号を時分割多重化して出力するマルチプレクサ223と、時分割多重化されたアナログ信号をディジタルデータに変換するA/D(Analog to Digital)変換器224とを備えて構成されている。また、入力変換部21とディジタルリレーユニット10との間は、アナログ信号線a〜aによって接続されている。
入力変換部21に備えるそれぞれの入力トランス211の一次側は、入力電気量I〜Iを入力するためのコイルと、監視信号変調部212から出力される監視信号M〜Mを入力するためのコイルとから構成されており、これらの2つの信号を合成した信号が二次側のアナログ信号線a〜aに出力される。
このアナログ信号線a〜aに出力された信号は、アナログフィルタ221によって折り返し誤差等の不要な周波数成分が除去されたのちに、サンプルホールド回路222に入力され、各サンプルホールド回路222によって所定のサンプリング周期で抽出された信号レベルに保持された信号が、マルチプレクサ223によってチャンネル順にA/D変換器224へ選択入力され、ディジタル演算処理部3は、A/D変換器224から出力される信号レベルを示すディジタルデータを順次取り込むことで、すべてのチャンネルに入力されるアナログ信号を順次サンプリングしたディジタルの時系列データを取得する。
ところで、これらアナログ入力回路2を構成している入力トランス211やアナログフィルタ221等に用いられるアナログ入力回路素子には個体差が存在するため、保護リレー演算を高精度に実行するためには、入力チャンネル毎の特性に応じて入力データの誤差を適切に補正する必要がある。そこで、予め計測して求めた入力変換部21の変換特性パラメータ群(第一の変換特性パラメータ群)と、アナログ/ディジタル変換部22の変換特性パラメータ群(第二の変換特性パラメータ群)とを、それぞれ第一の変換特性記憶部213と第二の変換特性記憶部225とに記憶させておく。そして、補正手段としてのディジタル演算処理部3が、これらの値を用いて算出した補正パラメータを用いて各入力チャンネルの入力データの誤差を補正する。
ここで、図2に示すように、ディジタル演算処理部3と第二の変換特性記憶部225とは同一のディジタルリレーユニット10内に搭載されるので、その間のデータ伝送路の確保は容易であるが、第一の変換特性記憶部213はディジタル演算処理部3とは異なるユニット内に搭載されるので、通常であれば、その間でデータ伝送を行うための特別な信号ケーブルを追加して敷設する必要がある。
しかし、本発明では、入力変換部21とディジタルリレーユニット10との間で入力アナログ信号を伝送するための既設のアナログ信号線a〜aを用いたデータ伝送を可能とすることにより、そのような特別な信号ゲーブルの追加を不要とした。
具体的には、入力変換部21に、入力トランス211によって各入力アナログ信号I〜Iに重畳される高調波の監視信号M〜M上に変換特性記憶部213に記憶されている第一の変換特性パラメータ群のデータを符号化して重畳させる監視信号変調部212を備え、ディジタル演算処理部3にて入力したディジタルデータからこれらの監視信号成分を分離抽出し、さらにその監視信号成分に重畳されているデータを復号化することで前記第一の変換特性パラメータ群のデータを取得するものとした。
図3は、第一の変換特性記憶部213に記憶される第一の変換特性パラメータ群の構成及びデータ例である。本例では、アドレス0に、データの先頭を識別するための特定パターンであるプリアンブル(d)が格納され、アドレス1とアドレス2とに、入力変換部21におけるチャンネル1のゲイン(d)と位相差(d)とが格納され、以下同様にチャンネルnまでの各入力チャンネルのゲインと位相差とが順番に格納され、最終アドレスにはデータエラーチェック用の検査データであるCRC(Cyclic Redundancy Check)データが格納されている。図示は省略するが、第二の変換特性記憶部225に記憶される第二の変換特性パラメータ群についても、プリアンブルとCRCデータとが省かれる点を除いて図3と同様な構成を有する。
図4は、入力変換部21に備える監視信号生成部214の回路構成例である。この回路は、メモリ43に記憶されている監視信号波形(例えば、サインカーブ)のディジタルデータを順次読み出してD/A(Digital to Analog)変換器44によってアナログ信号に変換することによって、任意波形の監視信号Mを生成することができる。
発振器41は、例えば水晶発振器であり、生成する監視信号Mの周波数の例えば16倍もしくは32倍の周波数のクロック信号を出力する。カウンタ42は、このクロック信号により1ずつカウントアップした値を2進数でデータ出力する。例えば、出力ビット数が8のカウンタであれば、0から255までの256個のデータが順次出力される。このカウンタ42からのデータ出力はメモリ43のアドレス入力に接続されており、メモリ43に記憶されている監視信号波形のディジタルデータがアドレス0から順番に1つずつ読み出され、2進数でデータ出力される。D/A変換器44は、メモリ43から読み出されたディジタルデータを入力し、対応するアナログ電圧信号に変換して監視信号Mを出力する。なお、必要な場合には出力を平滑化する平滑回路を設けるとよい。
例えば、クロック信号の周波数が監視信号Mの16倍の周波数である場合には、16個のデータによって1サイクル分の波形が生成されることになるので、16サイクル分の波形データをメモリ43に予め記憶させておく。同様に、クロック信号の周波数が監視信号Mの32倍の周波数である場合には、32個のデータによって1サイクル分の波形が生成されることになるので、8サイクル分の波形データをメモリ43に記憶させておく。
図5は、入力変換部21に備える監視信号変調部212の回路構成例である。この回路は、変換特性記憶部213に予め記憶されているnビット構成の第一の変換特性パラメータ群(図3)のデータを順次読み出し、それらのデータを構成する各ビットの値を対応する監視信号M〜M上に順次位相変調して出力する。
位相反転回路51は、入力される監視信号生成部214から入力される監視信号Mの位相を反転させた監視信号Wを生成して出力する。タイマ52は、所定の周期で変調動作を実行させるためのインターバルタイマであり、設定された所定の時間が経過する毎にカウンタ53を作動させるための所定時間幅のパルス信号を出力する。カウンタ53は、タイマ52から出力されるパルス信号がオンとなった時点から監視信号Mのサイクル数のカウントを開始し、1ずつカウントアップした値を2進数でデータ出力する。例えば、出力ビット数が8のカウンタであれば、タイマ52からのパルス信号がオンとなってからオフとなるまでの間、0から255までのデータが順次出力される。このカウンタ53からのデータ出力は変換特性記憶部213のアドレス入力に接続されており、変換特性記憶部213に記憶されている変換特性パラメータ群(図3)のデータがアドレス0から順番に1つずつ読み出され、2進数でデータ出力される。なお、変換特性記憶部213のアドレス0から始まる有意なデータ(最後はCRCデータ)以降のデータはすべてゼロに設定されているので、タイマ52からのパルス信号がオフとなってカウントアップが停止したのちの出力データは次のカウントアップが開始されるまでゼロに維持される。
セレクタ回路54は、変換特性記憶部213から読み出されたnビット構成データの各ビット値を、監視信号Mとその位相が反転した監視信号Wとに符号化する。具体的には、変換特性記憶部213から読み出された各データの1ビット目の値を監視信号Mに、2ビット目の値を監視信号Mに、nビット目の値を監視信号Mにそれぞれ符号化して出力し、このとき各ビットの値が1であれば監視信号Mを、0であれば監視信号Wを選択出力する。
図6は、入力変換部21において入力トランス211によって各チャンネルの入力アナログ信号I〜Iに重畳される監視信号M〜Mの信号波形の例を示したものである。横軸は時間の経過を表し、図の左側から右側の方向に時刻が進んでいるものとする。また、縦軸は重畳される監視信号の信号レベル(例えば、電圧)を表している。
この例は、時刻tに監視信号M〜Mへの変換特性パラメータ群(図3)の符号化が開始された場合を示している。時刻tに至るまでの期間では全ビットが0のデータが符号化されており、監視信号M〜Mはすべて同一波形の信号となっている(監視信号Mが選択出力されている)。
変換特性パラメータ群の符号化が開始される時刻tにおいては、図3の先頭のプリアンブル(d)の符号化が開始される。ここでは、プリアンブルのデータパターンは全ビットが1であるものとすると、時刻tにおいて各監視信号M〜Mの波形が位相反転する(監視信号Wが選択出力される)ので、これらの監視信号を分離抽出したディジタル演算処理部3は、この位相反転を検出することによって変換特性パラメータ群の符号化が開始されたことを認識する。なお、各信号波形の上部に付した「d(1)」などの記号の括弧内の値は、図3に示した該当データのビット位置を表しており、下部に付した「1」または「0」は該当するビットの値を表している。
監視信号Mには、図3に示した変換特性パラメータ群を構成する各データの1ビット目の値がアドレス0から順番に各サイクル毎に符号化され、同様に監視信号Mには、nビット目の値がアドレス0から順番に符号化される。つまり、アドレス0のプリアンブルdが1サイクル目、アドレス1のチャンネル1のゲインdが2サイクル目、アドレス2のチャンネル1の位相差dが3サイクル目、・・・というように各サイクル毎に順番に各データが符号化され、最後のCRCデータが符号化されて一連の変換特性パラメータ群の符号化処理が完了し、その後は再び元の全ビットが0の状態に戻ることになる。
図5を用いて説明したように、このような符号化処理は、監視信号変調部212が備えるタイマ52から出力されるパルス信号によって一定の周期で繰り返し実行されるので、例えばデータエラーが生じた場合は、その回に受信した一連のデータを読み飛ばして次に受信した正常データを用いることができる。
図7は、ディジタル演算処理部3の機能構成図である。図7に示すように、ディジタル演算処理部3は、監視信号抽出部31、警報出力部32、重畳データ取得部33、補正パラメータ算出部34、入力データ補正部35、保護リレー演算部36の各処理機能と、記憶部30とを備えて構成される。記憶部30には、入力データの補正に用いられる入力変換部の変換特性パラメータ群、アナログ/ディジタル変換部の変換特性パラメータ群及び補正パラメータ群が記憶される。
監視信号抽出部31は、アナログ/ディジタル変換部22に備えるA/D変換器224からディジタル入力した各チャンネルの入力信号のなかから、所定の監視信号の周波数成分を分離抽出し、重畳データ取得部33に引き渡す。このとき、あるチャンネルの監視信号成分が検出されなかった場合には、入力チャンネルの異常を警報出力部32に通知する。
警報出力部32は、監視信号抽出部31から入力チャンネルの異常が通知された場合に加え、自己診断機能によって自装置の異常が検出された場合に、警報回路5の出力リレーを作動させることにより、上位装置に自装置の異常を通知する。
重畳データ取得部33は、各チャンネルの監視信号M〜M上に符号化されたビットデータを復号化し、復号化したn個のビットデータを連結することによって変換特性パラメータ群のデータを再構成して不図示の受信バッファに一時記憶させる。また、一連のデータの受信が完了したらCRCデータを用いてデータエラーの有無をチェックし、エラーがなければそれら一連のデータを入力変換部の変換特性パラメータ群として記憶部30に記憶させる。
補正パラメータ算出部34は、所定の周期で第二の変換特性記憶部225に記憶されている第二の変換特性パラメータ群を読み出して記憶部30にアナログ/ディジタル変換部の変換特性パラメータ群として記憶させるとともに、記憶部30に記憶されている入力変換部及びA/D変換部の変換特性パラメータ群を用いて各チャンネルの入力データを補正するための補正パラメータ群を算出して記憶部30に記憶させる。例えば、あるチャンネルの入力変換部のゲインがG、アナログ/ディジタル変換部のゲインがGであるとき、本来得られるべき入力ゲインGとの比であるG/(G×G)をゲインの補正パラメータとして算出する。また、あるチャンネルの入力変換部の位相差がD、アナログ/ディジタル変換部の位相差がDであるとき、−(D+D)を位相の補正パラメータとして算出する。
入力データ補正部35は、監視信号抽出部31によって監視信号成分が除去された各チャンネルの入力データに対して、補正パラメータ算出部34によって算出された補正パラメータ群を適用することで入力データの補正を行う。保護リレー演算部36は、入力データ補正部35によって補正された入力データを用いて所定の保護リレー演算を実行する。
図8は、ディジタル演算処理部3の処理の流れを示すフローチャートである。以下、図8のフローチャートに沿ってディジタル演算処理部3の動作について詳しく説明する。
まずステップS1にて、ディジタル演算処理部3は、A/D変換器224から各チャンネルの入力信号を所定の周期でサンプリングしたディジタルデータを入力する。次に、ステップS2にて、監視信号抽出部31は、所定の高調波の監視信号を抽出するディジタルフィルタリング演算を実行することにより、それまでに入力したディジタルデータ群を用いて各チャンネルの監視信号成分を分離抽出する。
次に、ステップS3では、重畳データ取得部33は、監視信号抽出部31によって分離抽出された各チャンネルの監視信号成分にデータが重畳されているか否かを判定し、データが重畳されている場合は(ステップS3で「Yes」)ステップS4に処理を進め、データが重畳されていない場合は(ステップS3で「No」)ステップS9に処理を進める。このとき、重畳データ取得部33は、図6を用いて説明したように、データの開始を示すプリアンブルを検出してから所定量のデータを受信してCRCデータを受信するまでの期間はデータが重畳されているものと判定し、ステップS4にて、各チャンネルの監視信号成分の位相を判定することで重畳されているデータを復号化し、複合化した重畳データを受信バッファに一時保管する。
続くステップS5では、重畳データ取得部33は、データ終了か否かを判定する。CRCデータまでの所定量のデータの受信が完了した場合はデータ終了と判定し(ステップS5で「Yes」)、ステップS6に処理を進め、そうでなければ(ステップS5で「No」)、ステップS9に処理を進める。
ステップS6では、重畳データ取得部33は、受信バッファに一時保管した一連のデータとCRCデータとを照合することでデータエラーの有無を判定し、データエラーがあれば(ステップS6で「Yes」)、エラーとなった一連のデータを読み飛ばして処理を続けるためにステップS9に処理を進め、データエラーがなければ(ステップS6で「No」)、ステップS7に処理を進める。
ステップS7では、重畳データ取得部33は、受信バッファに一時保管されている一連のデータのなかから、受信した変換特性パラメータ(図3参照)を読み込んで記憶部30に記憶されている入力変換部の変換特性パラメータ群のデータを更新し、続くステップS8にて、補正パラメータ算出部34は、更新された入力変換部の変換特性パラメータ群を用いて各チャンネルの新たな補正パラメータ群を算出し、算出した補正パラメータ群を記憶部30に記憶させてデータを更新する。
ステップS9では、入力データ補正部35は、記憶部30に記憶されている各チャンネルの補正パラメータ群を読み出し、読み出した補正パラメータ群を用いて各チャンネルの入力データのゲインと位相とを補正する補正演算を実施する。最後に、ステップS10にて、保護リレー演算部36は、入力データ補正部35によって補正された各チャンネルの入力データを用いて所定の保護リレー演算を実行しその結果を出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、入力変換部21に備える第一の変換特性記憶部213に予め記憶されている各チャンネルの変換特性を、補正手段としてのディジタル演算処理部3へ、アナログ信号線a〜aを用いて所定の周期で伝送することができる。したがって、仮に入力変換部21が故障してその基板を交換した場合においては、交換した新たな基板の変換特性記憶部213に予め記憶された変換特性パラメータ群が自動的に符号化されてディジタル演算処理部3へ送信されるため、ディジタル演算処理部3は、送信された新しい変換特性パラメータ群を用いて補正パラメータの再計算を行うことにより、即座に適切な入力データの補正を実行することができる。
1 ディジタル保護リレー
10 ディジタルリレーユニット
2 アナログ入力回路
21 入力変換部
211 入力トランス
212 監視信号変調部(データ重畳手段)
213 変換特性記憶部(第一の変換特性記憶部)
214 監視信号生成部
22 アナログ/ディジタル変換部(ディジタル変換回路)
221 アナログフィルタ(ディジタル変換回路)
222 サンプルホールド回路(ディジタル変換回路)
223 マルチプレクサ(ディジタル変換回路)
224 A/D変換器
225 変換特性記憶部(第二の変換特性記憶部)
3 ディジタル演算処理部(補正手段)
30 記憶部
31 監視信号抽出部
32 警報出力部
33 重畳データ取得部(重畳データ取得手段)
34 補正パラメータ算出部
35 入力データ補正部(入力データ補正手段)
36 保護リレー演算部
4 ディジタル入出力部
41 発振器
42 カウンタ
43 メモリ
44 D/A変換器
5 警報回路
51 位相反転回路
52 タイマ
53 カウンタ
54 セレクタ回路
6 トリップ回路
7 整定パネル
8 遮断器
CT 変流器
VT 計器用変圧器
〜I 入力電気量(入力アナログ信号)
,W,M〜M 監視信号
〜a アナログ信号線

Claims (5)

  1. 電力系統の電気量を示す入力アナログ信号をディジタルデータに変換して入力するための入力変換部とアナログ/ディジタル変換部とから構成されるアナログ入力回路と、所定の保護リレー演算を実行するディジタル演算処理部とを有するディジタル保護リレーであって、
    前記入力変換部は、
    前記入力アナログ信号を入力するチャンネル毎の入力トランスと、
    前記入力変換部における各チャンネルの信号変換特性を示す第一の変換特性パラメータ群が予め記憶されている第一の変換特性記憶部と、
    前記入力トランスによって各前記チャンネルの前記入力アナログ信号に重畳される高調波の監視信号上に前記第一の変換特性記憶部から読み込んだ前記第一の変換特性パラメータ群を符号化して重畳する動作を所定の周期で繰り返すデータ重畳手段と、
    を備え、
    前記アナログ/ディジタル変換部は、
    前記入力変換部から入力される前記監視信号が重畳された各チャンネルのアナログ信号のなかから不要な周波数成分を除去したのち、所定周期でサンプリングすることによってディジタルデータに変換するディジタル変換回路と、
    前記アナログ/ディジタル変換部における各チャンネルの信号変換特性を示す第二の変換特性パラメータ群が予め記憶されている第二の変換特性記憶部と、
    を備え、
    前記ディジタル演算処理部は、
    前記アナログ/ディジタル変換部からディジタル入力した前記監視信号が重畳された前記アナログ信号のなかから、前記監視信号の周波数成分を分離抽出するとともに、当該監視信号に重畳されている前記第一の変換特性パラメータ群を復号化して取得する重畳データ取得手段と、
    取得した前記第一の変換特性パラメータ群と、前記第二の変換特性記憶部から読み込んだ前記第二の変換特性パラメータ群とを用いて、前記監視信号の周波数成分が除去されたのちのアナログ信号を補正する入力データ補正手段と、
    を備える
    ことを特徴とするディジタル保護リレー。
  2. 請求項1に記載のディジタル保護リレーにおいて、
    前記第一の変換特性パラメータ群は、
    前記入力変換部における各チャンネルのゲインと、前記入力変換部における各チャンネルの前記入力アナログ信号との位相差との対によって構成される
    ことを特徴とするディジタル保護リレー。
  3. 請求項1または請求項2に記載のディジタル保護リレーにおいて、
    前記第一の変換特性パラメータ群を構成する各データは、前記入力変換部における前記各チャンネルのチャンネル数nと同じビット数で構成され、
    前記データ重畳手段は、前記第一の変換特性パラメータ群を構成する各データを、n個のチャンネルにビット展開して重畳する
    ことを特徴とするディジタル保護リレー。
  4. 請求項1または請求項2に記載のディジタル保護リレーにおいて、
    前記データ重畳手段は、所定の周期で前記一の変換特性パラメータ群を前記監視信号上に重畳する動作を繰り返す
    ことを特徴とするディジタル保護リレー。
  5. 請求項1または請求項2に記載のディジタル保護リレーにおいて、
    前記第一の変換特性パラメータ群は、データエラー検出用の検査データとともに前記データ重畳手段によって重畳され、
    前記重畳データ取得手段は、前記検査データを用いて受信したデータ群のエラーを検出した場合は、当該データ群を読み飛ばす
    ことを特徴とするディジタル保護リレー。
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