JP5596615B2 - ディジタル形保護リレー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディジタル形保護リレー装置に係り、特にディジタル形保護リレー装置の入力変換部及びアナログ/ディジタル変換部の健全性を診断する技術に関する。
ディジタル形保護リレー装置は、入力変換部、アナログ/ディジタル変換部、演算処理部、ディジタル入力部、及びディジタル出力部を備えて構成される。このうち、演算処理部は、マイクロプロセッサが保護リレーとしての動作を規定する演算処理を実行することで、電力系統や電力機器における事故の発生を検知し、しゃ断器などを作動させて電力系統や電力機器の保護を行う。一般に、ディジタル形保護リレー装置には高い信頼性が求められることから、保護リレーの動作に係る演算処理を継続しつつ装置の不良を検出するための自動監視機能が備えられる(例えば、非特許文献1参照)。
ディジタル形保護リレー装置は、入力変換部に、電力系統や電力機器の主VT(Voltage Transformer:計器用変圧器)、主CT(Current Transformer:変流器)と絶縁をとり、電圧値、電流値をアナログ/ディジタル変換部に適したレベルに変換するための補助VT、CTを備える。主VTから補助VTまでの配線の断線や短絡に関する不良を検出するための自動監視機能としては、例えば、演算処理部で対象座標法を利用して零相成分を求め、定常時に許容誤差以上になったときに不良を検出する零相電圧監視を実施する。また、主CTから補助CTまでの配線の断線や短絡に関する不良を検出するための自動監視機能としては、例えば、演算処理部で電流各相の平衡性をチェックし、不平衡成分が許容誤差以上になったときに不良を検出する各相電流平衡度監視や、対象座標法を利用して零相成分をチェックする零相電流監視を実施する。
また、ディジタル形保護リレー装置は、アナログ/ディジタル変換部に、アナログフィルタ回路、マルチプレクサ、A/D(Analog to Digital)変換器を備える。アナログフィルタ回路の不良を検出するための自動監視機能としては、例えば、監視用の高調波電圧をアナログフィルタの入力信号に常時重畳させ、演算処理部でそのディジタル変換データから高調波電圧成分を抽出する演算を行い、不良検出条件に合致したときに不良を検出する高調波重畳監視を実施する。また、マルチプレクサ及びA/D変換器の不良を検出するための自動監視機能としては、例えば、所定の高精度直流電圧をマルチプレクサに入力し、そのディジタル変換データが許容精度以下になったときに演算処理部が不良を検出するA/D変換精度監視を実施する。
電気協同研究会編:「第二世代ディジタルリレー」、電気協同研究第50巻第1号,平成6年
しかし、前記の入力変換部に対する自動監視は、電力系統や電力機器の主VT、CTを含めた検出方法となっているので、電力系統や電力機器の零相成分や不平衡成分の影響を受け、ディジタル形保護リレー装置の内部に不良が無く外部の主VT、CTに不良がある場合にも不良を検出してしまう。また、不良の検出条件に満たない入力変換部の特性変化は発見することができない。他方、前記のアナログ/ディジタル変換部に対する自動監視においても、不良の検出条件に満たないアナログフィルタやA/D変換器などの特性変化を発見することは難しい。
ところが、これら各部の特性変化は保護リレーとしての動作特性に影響を及ぼすこととなる。そこで、ディジタル形保護リレー装置では、保護リレーとしての動作特性の確認や調整を行うための定期点検時に、装置をオフライン状態に切り換えて入力特性を測定しなければならない。また、入力特性を測定するために、特別な試験用機材の準備作業と煩雑な測定条件を設定する作業とが必要となっている。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、保護リレーとしての動作を継続しつつ、電力系統や電力機器の主VT、CTの影響を受けない入力変換部の不良の検出と、入力変換部及びアナログ/ディジタル変換部の特性変化の検出とを行うことができるディジタル形保護リレー装置を提供するとともに、定期点検時の作業を軽減することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、電力系統や電力機器からの電気量を入力する入力変換部と、前記入力変換部から出力されるアナログ量をディジタル量に変換するアナログ/ディジタル変換部と、前記ディジタル量を用いて所定の保護リレー演算を実行する演算処理部と、を備えるディジタル形保護リレー装置であって、前記演算処理部からディジタル量として出力される点検信号をアナログ点検信号に変換するD/A(Digital to Analog)変換器と、前記変換されたアナログ点検信号の供給先を切り換える切換回路と、を有する点検信号生成部を備え、前記演算処理部が、前記所定の保護リレー演算の実行を継続しつつ、前記点検信号生成部に所定の高次周波数のアナログ点検信号を出力させ、当該アナログ点検信号を、前記入力変換部を構成する各入力チャネル毎のトランス、及び、前記アナログ/ディジタル変換部を構成する前記各入力チャネル毎のアナログフィルタ、マルチプレクサ、並びにA/D変換器の各部に順次切り換えて供給することで、前記各部への入力信号に当該アナログ点検信号を重畳し、前記A/D変換器から出力されるディジタル量を入力し、当該入力したディジタル量から抽出した前記高次周波数の点検信号成分を用いて前記各部の健全性を前記各入力チャネル毎に点検し、前記点検を実行したときに、前記点検信号成分から算出される前記各部の特性の測定値を測定日時とともに今回の点検測定履歴として記憶部に保持し、前記記憶部に別途保持される前記各部の初回の点検日時とそのときの前記特性の測定値とを含む初回の点検測定履歴と、前回の点検実行時に前記記憶部に保持された前回の点検測定履歴と、前記今回の点検測定履歴と、における前記特性の測定値の時間的変化の推移に基づいて、前記各部の特性劣化の有無を前記各入力チャネル毎に判定することを特徴とする。
また、本発明は、前記のディジタル形保護リレー装置において、前記トランスは、前記電気量を入力する一次側の第1の巻線と、前記アナログ点検信号を入力する一次側の第2の巻線と、それら入力される前記電気量と前記アナログ点検信号とを合成し、前記アナログ/ディジタル変換部に適した信号レベルに変換して出力する二次側の巻線と、を有し、定期点検時に、前記演算処理部が、電力系統や電力機器からの前記電気量の入力を行わない状態で、前記点検信号生成部に前記電気量の基本周波数と複数の高次周波数とからなる複数種類のアナログ点検信号を出力させ、当該複数種類のアナログ点検信号を、前記入力変換部を構成する各入力チャネル毎の前記トランスの前記一次側の第2の巻線に順次供給し、前記A/D変換器から出力されるディジタル量を入力し、当該入力したディジタル量から抽出した前記基本周波数及び前記複数の高次周波数の点検信号成分を用いて前記各入力チャネル毎の入力特性を測定することを特徴とする。
本発明によれば、保護リレーとしての動作を継続しつつ、電力系統や電力機器の主VT、CTの影響を受けない入力変換部の不良の検出と、入力変換部及びアナログ/ディジタル変換部の特性変化の検出とを行うことができるディジタル形保護リレー装置を提供するとともに、定期点検時の作業を軽減することができる。
本発明に係るディジタル形保護リレー装置の要部の詳細構成例を示す図。 自動点検履歴テーブルの構成及びデータ例を示す図。 自動点検プログラムの処理フローチャート。 特性劣化判定処理の一例を示すフローチャート。 自動点検時における特性劣化判定処理についての説明図。 入力特性計測履歴のデータ例を示す図。 入力特性点検プログラムの処理フローチャート。 定期点検時における特性劣化判定方法についての説明図。 ディジタル形保護リレー装置の一般的な構成例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態を適宜図面を参照して詳細に説明する。
まず、ディジタル形保護リレー装置の一般的な構成例につき図9を用いて説明する。図9に示すように、一般的なディジタル形保護リレー装置10は、電力系統や電力機器の電気量を計測する主VT50及び主CT60と絶縁をとり、電圧値及び電流値をアナログ/ディジタル変換部3に適した信号レベルに変換して入力する入力変換部2、入力した電圧及び電流信号に含まれている折り返し誤差となる不要な周波数成分を除去してアナログ量をディジタル量に変換するアナログ/ディジタル変換部3、所定の保護リレー演算を実行してディジタル出力部6へ保護動作指令を出力する演算処理部4、しゃ断器80を作動させるトリップコイル70へトリップ指令を出力するディジタル出力部6、しゃ断器80の状態を入力するディジタル入力部5、を備えて構成される。
これに対し、本発明に係るディジタル形保護リレー装置の要部の詳細構成例を図1に示す。本発明に係るディジタル形保護リレー装置1は、入力変換部2、アナログ/ディジタル変換部3、演算処理部4、不図示のディジタル入力部及びディジタル出力部に加え、点検信号生成部8を備えて構成される。演算処理部4と、アナログ/ディジタル変換部3及び点検信号生成部8とは、システムバス7によって接続される。
点検信号生成部8は、演算処理部4からディジタル量として出力される所定の高次周波数(例えば、第12高調波)の点検信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換器81と、D/A変換器81から出力されるアナログ点検信号の供給先を、演算処理部4の指令にしたがって切り換える切換回路82と、を備えて構成される。
図1に示すように、入力変換部2は、不図示の主VTまたは主CTからの電圧値または電流値を入力するための補助VT、CTとして、一次側の第1の巻線21と、点検信号生成部8から供給される点検信号を入力するための一次側の第2の巻線22と、それらの入力信号との絶縁をとり信号レベルを変換して出力するための二次側の巻線とを有するトランス23を、入力する電気量の数に相当する入力チャネル数分備える。
また、アナログ/ディジタル変換部3は、入力した電圧及び電流信号に含まれている折り返し誤差となる不要な周波数成分を除去するためのチャネル数分のアナログフィルタ(AF:Analog Filter)31、それらの出力を順番に1つずつ選択してA/D変換器33に入力するマルチプレクサ32、マルチプレクサ32から出力される電圧または電流のアナログ信号をサンプリングしてディジタル量に変換するA/D変換器33に加え、トランス23からの出力信号に点検信号を重畳する信号合成回路34と、アナログフィルタ31からの出力信号に点検信号を重畳する信号合成回路35と、マルチプレクサ32からの出力信号に点検信号を重畳する信号合成回路36と、を備えて構成される。なお、アナログフィルタ31は、点検信号の所定の高調波成分を通過させるように設計しておく。
また、コンピュータによって構成される演算処理部4は、自動点検プログラム43及び入力特性点検プログラム44と、その実行に必要な自動点検履歴テーブル45及び入力特性点検履歴テーブル46とが記憶されるメモリ42と、それらのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)41と、を備えて構成される。
ここで、自動点検プログラム43は、所定の保護リレー演算の実行を継続しつつ、所定の周期で(例えば、毎月1回ずつ)実行され、ディジタル形保護リレー装置1の各部の異常及び特性劣化の有無を点検するためのプログラムであり、その実行結果は自動点検履歴テーブル45に記録される。また、入力特性点検プログラム44は、例えば数年に1回の頻度で行われる定期点検時に保守員によって起動され、電力系統や電力機器からの電気量の入力を行わない状態、つまり、所定の保護リレー演算を停止させた状態で、ディジタル形保護リレー装置1の各入力チャネル毎の入力特性を測定するためのプログラムであり、その実行結果は入力特性点検履歴テーブル46に記録される。
図2は、自動点検履歴テーブル45の構成及びデータ例を示す図である。図2に示すように、自動点検履歴テーブル45には、外部から入力される電気量の伝送ルート(チャネル)毎に自動点検の実行結果を示す履歴レコードが記録される。各履歴レコードは、チャネル番号欄、それぞれ対応する各部の点検履歴が記録されるA/D変換器欄、マルチプレクサ欄、アナログフィルタ欄、及びトランス欄から構成される。図2では、点検部分x(D:A/D変換器、M:マルチプレクサ、F:アナログフィルタ、T:トランス)のチャネル番号yについての点検履歴を「履歴(x,y)」と標記している。また吹出しに例示しているように、それぞれの点検履歴には、初回と前回と今回の3回の自動点検の結果が記録される。これらの点検結果のデータは、当該自動点検が実行された日付である点検年月日と、当該自動点検において算出された当該部分の特性の計測値と、の組によって構成される。なお、本例では、3回分の点検結果を記録するものとしたが、過去のすべての点検結果を記録するものとしてもよい。
点検結果として記録される当該部分の特性の計測値は、当該部分に入力した点検信号の信号レベルに対する当該部分から出力された信号レベルの比率を表す。しかし、A/D変換器33を除いた各部からの出力信号のレベルは直接計測することができないので、出力信号の伝送ルートの下流に存在するA/D変換器33までの各部の特性の影響を受ける。したがって、当該特性の計測値は、それら下流に存在する各部の特性に対する補正を行うことによって算出する。例えば、A/D変換器33の特性の計測値が0.8であり、マルチプレクサ32に点検信号を入力したときのA/D変換器33からの出力信号の計測値が点検信号の0.7倍であったときには、マルチプレクサ32の特性の計測値は、0.7/0.8=0.875と算出される。続いて、アナログフィルタ31に点検信号を入力したときのA/D変換器33からの出力信号の計測値が点検信号の0.63倍であったものとすると、アナログフィルタ31の特性の計測値は、0.63/0.875/0.8=0.9と算出される。
図3は、所定の周期で(例えば、1か月毎に)実施される自動点検時に実行される自動点検プログラム43の処理フローチャートである。この自動点検プログラム43は、プログラム制御によって自動的に起動してもよいし、保守員等の操作によって起動されるものとしてもよい。以下、このフローチャートに沿って自動点検時における演算処理部4の動作を詳しく説明する。
自動点検プログラム43が起動されると、演算処理部4は、まずステップS11にて、A/D変換器33の点検を実行する。具体的には、点検信号生成部8に対して点検信号の供給先としてA/D変換器33を指示したのち、ディジタル量の点検信号をD/A変換器81に出力する。D/A変換器81によってアナログ量に変換された点検信号(アナログ点検信号)は、切換回路82を介してA/D変換器33に供給され、マルチプレクサ32からの各チャネルの出力信号に点検信号が重畳された信号をサンプリングしたディジタル量が、A/D変換器33から出力される。演算処理部4は、システムバス7を介してA/D変換部33から出力されるディジタル量を取り込んだのち、所定の高次周波数の点検信号成分を抽出し、前記のように特性の計測値を算出して点検結果を自動点検履歴テーブル45に登録するとともに、抽出した点検信号成分と入力した点検信号との差分を求める。
次に、演算処理部4は、ステップS12にて、求めた差分が点検結果の異常を判定するための所定の許容値以下であるか否かを判定し、差分が許容値を超えている場合は(ステップS12で「No」)、ステップS20に処理を進めてA/D変換器33またはD/A変換器81が不良であると判定し、ステップS24にて不図示のランプや表示器などに点検エラーを出力したのち処理を終了する。一方、差分が許容値以下である場合は(ステップS12で「Yes」)、ステップS13に処理を進めてマルチプレクサ32の点検を実行する。
ステップS13〜ステップS18では、演算処理部4は、点検信号の供給先をマルチプレクサ32、アナログフィルタ31、トランス23の順に切り換えたのち、A/D変換器33から出力されるディジタル量を取り込んで、前記と同様に点検結果を自動点検履歴テーブル45に登録するとともに、点検信号成分を抽出して入力した点検信号との差分を求める。このとき、A/D変換器33から出力されるディジタル量には、点検信号を供給した各部からA/D変換器33に至るまでの信号伝送ルート上の各部の特性の影響が含まれるため、演算処理部4は、その影響を除去する補正を行ってこれらの値を算出する。そして、算出した差分が許容値を超えている場合は(ステップS14、ステップS16、ステップS18で「No」)、当該点検対象部分が不良であると判定し(ステップS21、ステップS22、ステップS23)、ステップS24にて点検エラーを出力したのち処理を終了する。
また、演算処理部4は、ステップS18の判定において、算出した差分が許容値以内である場合は(ステップS18で「Yes」)、ステップS19に処理を進め、特性劣化判定処理を実行したのち処理を終了する。
特性劣化判定処理では、演算処理部4は、自動点検履歴テーブル45(図2)に記録されている初回及び前回の点検結果を参照して各部の特性劣化を判定する。図4は、特性劣化判定処理の一例を示すフローチャートである。この特性劣化判定処理は、点検対象部分の特性の劣化度が所定の警告レベルに達したときに特性劣化の警告を出力するとともに、前回の自動点検時から今回の自動点検時までの間と同じ比率でさらに特性劣化が進行するものと仮定して特性劣化の予報を出力するものである。
図4に例示した特性劣化判定処理では、演算処理部4は、まずステップS31にて、自動点検履歴テーブル45(図2)を参照して点検対象部分の今回劣化度を算出する。劣化度とは、初回の計測値を基準として特性の劣化度合いを表したものである。例えば、初回の計測値が1.2で今回の計測値が0.6であれば今回劣化度は0.6/1.2=0.5となり、初回の計測値が0.9で今回の計測値が0.72であれば今回劣化度は0.72/0.9=0.8となる。
次に、演算処理部4は、ステップS32にて、算出した今回劣化度が所定の警告レベル以上か否かを判定し、警告レベル未満であれば(ステップS32で「No」)、ステップS36に処理を進め、特性劣化の警告を出力したのち処理を終了する。また、算出した今回劣化度が警告レベル以上であれば(ステップS32で「Yes」)、ステップS33に処理を進める。
演算処理部4は、ステップS33にて、自動点検履歴テーブル45(図2)を参照して点検対象部分の前回劣化度を算出し、続いてステップS34にて、残余使用時間を予測する。この残余使用時間とは、前回の自動点検時から今回の自動点検時までの間と同じ比率で特性の劣化が進行するものと仮定したときの、特性の劣化度が所定の警告レベルに達するまでの経過時間である。図5のように、横軸を時間、縦軸を劣化度としてグラフで表すと、前回の劣化度を示す点P1と、今回の劣化度を表す点P2とを結んだ直線の延長線(太い破線)が、警告レベルを示す水平線(一点鎖線)と交わる点P3と、点P2との間の時間が残余使用時間である。
次に、演算処理部4は、ステップS35にて、予測した残余使用時間が所定の警告値以上か否かを判定し、警告値以上であれば(ステップS35で「Yes」)処理を終了し、警告値未満であれば(ステップS35で「No」)ステップS37に処理を進めて特性劣化予報を出力したのち処理を終了する。この警告値として、自動点検の周期を用いることで、次回の自動点検日までに劣化度が警告レベルを下回るものと予想されるとき、その旨を示す特性劣化予報を出力することができる。また、警告値として、当該点検対象部分の修理に要する最長時間を用いれば、劣化度が警告レベルに達するよりも早い時点で当該部分の修理を手配することが可能となる。
図6は、出荷時及び数年に1回の頻度で行われる定期点検時に実行される入力特性点検プログラム44によって入力特性点検履歴テーブル46に記録される入力特性計測履歴のデータ例を示したものである。図示は省略するが、入力特性点検履歴テーブル46には、各入力チャネル毎に図6と同様な計測履歴のデータが記録される。
図6に例示するように、入力特性計測履歴には、出荷時と前回と今回の3回の計測結果が記録される。これらの計測結果のデータは、当該定期点検が実行された日付である点検年月日と、当該定期点検において算出された複数の周波数特性の計測値とから構成される。なお、本例では、3回分の計測結果を記録するものとしたが、過去のすべての計測結果を記録するものとしてもよい。
計測結果として記録される周波数特性の計測値は、点検信号生成部8から入力変換部2のトランス23に入力した各周波数の点検信号の信号レベルに対するA/D変換器33から出力された当該入力チャネルの信号レベルの比率を表す。
図7は、出荷時及び定期点検時に実行される入力特性点検プログラム44の処理フローチャートである。この入力特性点検プログラム44は、保守員等の操作によって起動される。以下、このフローチャートに沿って定期点検時における演算処理部4の動作を詳しく説明する。
入力特性点検プログラム44が起動されると、演算処理部4は、まずステップS41にて、基本波による入力特性の点検を実行する。具体的には、点検信号生成部8に対して点検信号の供給先としてトランス23を指示したのち、基本波つまり入力される電力量の基本周波数に等しいアナログ点検信号がD/A変換器81から出力されるように、D/A変換器81に対してディジタル量の点検信号を出力する。D/A変換器81によってアナログ量に変換された点検信号(アナログ点検信号)は、切換回路82を介してトランス23に供給され、マルチプレクサ32からの各入力チャネルの信号出力に同期して、点検信号がレベル変換されて伝達された信号をサンプリングしたディジタル量が、A/D変換器33から出力される。演算処理部4は、システムバス7を介してA/D変換部33から出力されるディジタル量を取り込んだのち、当該周波数の点検信号成分を抽出し、前記の周波数特性の計測値を算出して計測結果を入力特性点検履歴テーブル46に登録するとともに、抽出した点検信号成分と入力した点検信号との差分を求める。
次に、演算処理部4は、ステップS42にて、求めた差分が点検結果の異常を判定するための所定の許容値以下であるか否かを判定し、差分が許容値を超えている場合は(ステップS42で「No」)、ステップS49に処理を進め、不図示のランプや表示器などに点検エラーを出力したのち処理を終了する。一方、差分が許容値以下である場合は(ステップS42で「Yes」)、ステップS43に処理を進め、第3高調波による入力特性の点検を実行する。
以下、ステップS43〜ステップS46では、演算処理部4は、トランス23に入力する点検信号を第3高調波、第5高調波の順に切り換えて同様に周波数特性の計測及び入力した点検信号との差分の判定を行い、差分が許容値を超えている場合は(ステップS44、ステップS46で「No」)、ステップS49に処理を進め、点検エラーを出力したのち処理を終了する。
演算処理部4は、ステップS46の判定において、求めた差分が許容値以内である場合は(ステップS46で「Yes」)、ステップS47に処理を進め、総合劣化度を算出したのちに、ステップS48にて、算出した総合劣化度が所定の警告レベル以上であるか否かを判定する。総合劣化度が警告レベル以上であれば(ステップS48で「Yes」)、警告は不要であるため処理を終了し、総合劣化度が警告レベル未満であれば(ステップS48で「No」)、ステップS50に処理を進め、特性劣化の警告を出力したのち処理を終了する。
図8は、総合劣化度の算出例についての説明図である。ここでは、総合劣化度を例えば劣化が少ない順にA〜Eの5ランクで評価し、総合劣化度がD以下になったときに特性劣化の警告を出力するものとする。図8のグラフは、横軸を点検信号の周波数、縦軸を劣化度として出荷時、前回、今回の3回の周波数特性の計測値から算出される劣化度をプロットしたものである。劣化度は出荷時の計測値を基準として算出するため、P11,P13,P15で示す出荷時の劣化度はすべて1となっている。また、斜線を施した部分は、劣化度の許容範囲を示すものであり、第3高調波の劣化度は基本波の劣化度から一定の範囲内でなければならず、第5高調波の劣化度は第3高調波の劣化度から一定の範囲内でなければならないことを表している。
ここで、P21,P23,P25で示す前回の劣化度については、いずれも斜線を施した許容範囲内にあるので警告の対象外と判定されるが、P31,P33,P35で示す今回の劣化度については、P35が許容範囲外となっているので例えばDランク評価と判定することで警告の対象とする。この総合劣化度の算定方法は、これに限らず、例えば時間的な特例劣化の度合いや他の入力チャネルの劣化度との偏差などを用いて算定するものであってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、保護リレー演算を継続しつつ、自動点検を実行することによって、電力系統や電力機器の主VT、CTの影響を受けることなしに、入力変換部及びアナログ/ディジタル変換部の不良並びに特性劣化の検出を行うことができる。また、特性劣化の判定は、初回の計測値を基準として行うので、部品特性などによるチャネル固有の誤差を除いて、各部の劣化度を正しく判定することができる。また、自動点検に用いる点検信号として、電力系統や電気機器の電気量には含まれない高調波を用いるので、点検信号の電圧レベルや電流レベルを低くすることができる。さらに、定期点検時には特別な測定用機材を準備することなしに保護リレー動作についての入力特性を計測することができ、定期点検時の作業を大幅に軽減することができる。
以上にて本発明を実施するための形態の説明を終えるが、本発明の実施の態様はこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
1 ディジタル形保護リレー装置
2 入力変換部
3 アナログ/ディジタル変換部
4 演算処理部
5 ディジタル入力部
6 ディジタル出力部
7 システムバス
8 点検信号生成部
21 一次側の第1の巻線
22 一次側の第2の巻線
23 トランス
31 アナログフィルタ(AF)
32 マルチプレクサ
33 A/D変換器
34,35,36 信号合成回路
41 CPU
42 メモリ
43 自動点検プログラム
44 入力特性点検プログラム
45 自動点検履歴テーブル
46 入力特性点検履歴テーブル
50 主VT
60 主CT
70 トリップコイル
80 しゃ断器
81 D/A変換器
82 切換回路

Claims (6)

  1. 電力系統や電力機器からの電気量を入力する入力変換部と、前記入力変換部から出力されるアナログ量をディジタル量に変換するアナログ/ディジタル変換部と、前記ディジタル量を用いて所定の保護リレー演算を実行する演算処理部と、を備えるディジタル形保護リレー装置であって、
    前記演算処理部からディジタル量として出力される点検信号をアナログ点検信号に変換するD/A変換器と、前記変換されたアナログ点検信号の供給先を切り換える切換回路と、を有する点検信号生成部を備え、
    前記演算処理部は、
    前記所定の保護リレー演算の実行を継続しつつ、前記点検信号生成部に所定の高次周波数のアナログ点検信号を出力させ、当該アナログ点検信号を、前記入力変換部を構成する各入力チャネル毎のトランス、及び、前記アナログ/ディジタル変換部を構成する前記各入力チャネル毎のアナログフィルタ、マルチプレクサ、並びにA/D変換器の各部に順次切り換えて供給することで、前記各部への入力信号に当該アナログ点検信号を重畳し、
    前記A/D変換器から出力されるディジタル量を入力し、当該入力したディジタル量から抽出した前記高次周波数の点検信号成分を用いて前記各部の健全性を前記各入力チャネル毎に点検し、
    前記点検を実行したときに、前記点検信号成分から算出される前記各部の特性の測定値を測定日時とともに今回の点検測定履歴として記憶部に保持し、
    前記記憶部に別途保持される前記各部の初回の点検日時とそのときの前記特性の測定値とを含む初回の点検測定履歴と、前回の点検実行時に前記記憶部に保持された前回の点検測定履歴と、前記今回の点検測定履歴と、における前記特性の測定値の時間的変化の推移に基づいて、前記各部の特性劣化の有無を前記各入力チャネル毎に判定する
    ことを特徴とするディジタル形保護リレー装置。
  2. 請求項に記載のディジタル形保護リレー装置において、
    前記演算処理部は、
    前記各部の特性の測定値を算出するときに、入力信号の伝送ルート上で当該各部よりも下流に位置する他の各部の特性劣化の影響を除去するように当該測定値を補正する
    ことを特徴とするディジタル形保護リレー装置。
  3. 請求項または請求項に記載のディジタル形保護リレー装置において、
    前記演算処理部は、
    前記前回の点検測定履歴として保持された前回の特性の測定値と、前記今回の点検測定履歴として保持した今回の特性の測定値と、の偏差から算出される所定の特性劣化率で特性劣化が進むものと仮定して前記各部の将来の特性の劣化度を予測し、当該予測した劣化度が次回の点検予定日以前に所定の劣化判定時基準に達する場合は、その旨を示す警告を出力する
    ことを特徴とするディジタル形保護リレー装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のディジタル形保護リレー装置において、
    前記トランスは、前記電気量を入力する一次側の第1の巻線と、前記アナログ点検信号を入力する一次側の第2の巻線と、それら入力される前記電気量と前記アナログ点検信号とを合成し、前記アナログ/ディジタル変換部に適した信号レベルに変換して出力する二次側の巻線と、を有する
    ことを特徴とするディジタル形保護リレー装置。
  5. 請求項に記載のディジタル形保護リレー装置において、
    定期点検時に、前記演算処理部は、
    電力系統や電力機器からの前記電気量の入力を行わない状態で、前記点検信号生成部に前記電気量の基本周波数と複数の高次周波数とからなる複数種類のアナログ点検信号を出力させ、
    当該複数種類のアナログ点検信号を、前記入力変換部を構成する各入力チャネル毎の前記トランスの前記一次側の第2の巻線に順次供給し、
    前記A/D変換器から出力されるディジタル量を入力し、当該入力したディジタル量から抽出した前記基本周波数及び前記複数の高次周波数の点検信号成分を用いて前記各入力チャネル毎の入力特性を測定する
    ことを特徴とするディジタル形保護リレー装置。
  6. 請求項に記載のディジタル形保護リレー装置において、
    前記演算処理部は、
    前記定期点検を実行したときに、前記点検信号成分から算出される前記各入力チャネル毎の入力特性の測定値を測定日時とともに今回の定期点検測定履歴として前記記憶部に保持し、
    前記記憶部に別途保持される前記各部の出荷時の定期点検日時とそのときの前記入力特性の測定値とを含む出荷時の定期点検測定履歴と、前回の定期点検実行時に前記記憶部に保持された前回の定期点検測定履歴と、前記今回の定期点検測定履歴と、における前記入力特性の測定値の時間的変化の推移に基づいて、前記各入力チャネル毎の特性劣化の有無を判定する
    ことを特徴とするディジタル形保護リレー装置。
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