JP5662366B2 - 接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は接着剤にかかり、特に、半導体チップを基板に接続する接着剤に関する。
従来より、半導体チップを基板上に接着するためにエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を含有する接着剤が用いられている。
図7の符号101は、半導体チップ111が、接着剤112によって基板113に貼付されてなる電気装置を示している。半導体チップ111が有するバンプ状の端子121は、基板113上の配線パターンの一部から成る端子122上に当接されている。この状態では、半導体チップ111内の内部回路は、端子121、122を介して基板113上の配線パターンに電気的に接続されている。また接着剤112中の熱硬化性樹脂は硬化されており、この接着剤112を介して半導体チップ111と基板113は機械的にも接続されている。
エポキシ樹脂を硬化させるために、接着剤112には一般にマイクロカプセル型イミダゾールのような硬化剤が添加されている。
しかしながら、上記のような硬化剤を用いた接着剤を硬化させるためには、180℃以上の高い温度で加熱する必要があり、被着体である基板113の配線パターンが微細な場合には、配線パターンが熱損傷を受ける場合がある。また、加熱温度を低くすれば被着体の熱損傷はある程度防止可能であるが、加熱処理に要する時間が長くなってしまう。
低温での硬化性に優れた接着剤として、近年、アクリレートのようなラジカル重合性樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有する接着剤が開発されているが、このような接着剤は熱硬化性樹脂を用いた場合に比べ、硬化した状態での電気的特性や耐熱性に劣り、得られる電気装置101の信頼性が低いものになってしまう。
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、低温、短時間の条件で硬化可能であり、接続信頼性にも優れた接着剤を提供することにある。
本発明の発明者等は、一般に用いられている硬化剤を用いずに、エポキシ樹脂をカチオン重合させる手法に着目し、検討を重ねた結果、少なくとも一つのアルコキシ基を構造中に有するシラン化合物(シランカップリング剤)と、金属キレートとを接着剤中に添加し、金属キレートとシランカップリング剤とを反応させたときに生じるカチオンによりエポキシ樹脂を重合(カチオン重合)させると、接着剤が低温かつ短時間で硬化することを見出した。
金属キレートとシランカップリング剤とを添加した接着剤で、エポキシ樹脂が硬化する工程を下記反応式(1)〜(4)を用いて説明する。
Figure 0005662366
アルコキシ基を少なくとも一つ有するシラン化合物は、反応式(1)に示すように、接着剤中の水と反応し、アルコキシ基が加水分解されシラノル基となる。
接着剤を加熱すると、シラノル基は、アルミニウムキレートのような金属キレートと反応し、シラン化合物がアルミニウムキレートに結合する。(反応式(2))。
次いで反応式(3)に示すように、シラノール基が結合したアルミニウキレートに、平衡反応で接着剤中に残留する他のシラノール基が配位することにより、ブレンステッド酸点を生じ、反応式(4)に示すように、活性化したプロトンによってエポキシ樹脂の末端に位置するエポキシ環が開環し、他のエポキシ樹脂のエポキシ環と重合する(カチオン重合)。このように、シランカップリング剤と金属キレートとを接着剤に添加すると、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂がカチオン重合される。
本発明は上記知見に基づいて創作されたもので、請求項1記載の発明は、樹脂成分と、金属キレートと、シランカップリング剤とを含有し、前記樹脂成分は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含有し、前記シランカップリング剤が下記一般式(1)で表されるシラン化合物からなり、
Figure 0005662366
(上記一般式中の4個の置換基X1〜X4のうち一個は下記化学式(2)で示されるγ−グリシドキシプロピル基であり、他の3個はメトキシ基又はエトキシ基のいずれか一方のアルコキシ基である。)
Figure 0005662366
前記熱硬化性樹脂は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートであり、前記金属キレートはアルミニウムキレートを主成分とし、前記金属キレートの粒子表面は樹脂被膜で覆われてマイクロカプセルにされて前記樹脂成分に分散されたことを特徴とする接着剤である。
請求項2記載の発明は、更に導電性粒子が含有されてなる接着剤である。
請求項3記載の発明は、前記樹脂成分100重量部に対して、前記金属キレートの含有量が0.1重量部以上20重量部以下であり、且つ、前記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部以上35重量部以下である接着剤である。
請求項4記載の発明は、前記熱硬化性樹脂100重量部に対して前記熱可塑性樹脂が10重量部以上添加された接着剤である。
請求項5記載の発明は、上記いずれか記載の接着剤が、シート状に成形された接着剤である
本発明は上記のように構成されており、本発明に用いられるシランカップリング剤の置換基X1〜X4は少なくとも一つのアルコキシ基を有している。
熱硬化性樹脂はシランカップリング剤と金属キレートの反応によって生じるカチオンによって重合し、従来よりも低温、短時間の加熱条件で接着剤を硬化させることができる。
尚、本発明に用いるシランカップリング剤のアルコキシ基は、エトキシ基やメトキシ基のように酸素とアルキル基からなるものだけでは無く、例えば、環構造を有するもの、オレフィン、アセチレンのように不飽和結合を有するもの等も含まれる。しかしながら、加水分解の際の立体障害の観点からは酸素とアルキル基、特に、酸素とエチル基からなるもの(メトキシ基)を有するものが好ましい。
また、シランカップリング剤のアルコキシ基以外の置換基が、エポキシ環のように反応性の高い官能基を有する場合、その官能基が熱硬化性樹脂の重合反応に組み込まれるので、硬化した接着剤の強度がより高くなる。
シラノール基は金属キレートだけでは無く、無機材料一般に吸着、結合する性質を有しているので、本発明の接着剤をガラス基板のような無機材料からなるものの貼り合わせに用いる場合、シランカップリング剤のシラノール基が無機材料表面に結合し、シラノール基以外の置換基が接着剤の樹脂成分と結合する。このように、シランカップリング剤を介して無機材料と樹脂成分が結合されるので、本発明の接着剤は無機材料との親和性も高い。
樹脂成分中に含まれる熱可塑性の樹脂は、樹脂成分の硬化反応は関与しないが、熱可塑性樹脂を添加することで接着剤の接着性を高める効果がある。また、熱可塑性樹脂として極性の高いものを用いた場合には、熱可塑性樹脂が樹脂成分の硬化反応に組み込まれるだけでは無く、シランカップリング剤を介して無機材料と結合するので、硬化性や無機材料との親和性がより高くなる。
また、カチオン重合反応に関与する金属キレートをマイクロカプセル化し、所謂潜在性硬化剤として用いれば、本発明の接着剤の貯蔵性を向上させることができる。
低温、短時間で接着剤が硬化するので、半導体チップや基板に加わる熱応力が小さく、信頼性の高い電気装置を得ることができる。
(a)〜(d):本発明の接着剤の使用方法の一例を示す図 (a)〜(c):本発明の接着剤の使用方法の他の例を示す図 (a)〜(d):本発明の接着剤を用いてLCDとTCPとを接続する工程の一例を示す工程図 TCPとガラス基板とを重ね合わせた状態を説明するための平面図 粉体の金属キレートをマイクロカプセル化した場合の接着剤の一例を説明するための図 液状の金属キレートをマイクロカプセル化した場合の接着剤の一例を説明するための図 従来の接着剤を説明するための図
本発明の実施形態を説明する。先ず、熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解したものと、熱硬化性樹脂とを混合し、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを主成分とする樹脂成分を作製する。次いでこの樹脂成分と、金属キレートと、シランカップリング剤とを配合し、本発明の接着剤を作製した。この状態では接着剤はペースト状である。
図1(a)の符号25は剥離フィルムを示しており、この剥離フィルム25の表面に、本発明の接着剤を一定量塗布、乾燥すると、接着剤中の有機溶剤が除去され、接着剤の塗布層15が形成され、剥離フィルム25と接着剤塗布層15とからなる接着フィルム20が得られる。この状態では、接着剤塗布層15はペースト状では無く、固体である。
図1(b)の符号13は基板を示しており、基板13の一面には不図示の金属配線が配置されている。その金属配線の幅広の部分から接続端子22が構成されており、接続端子22は基板13の表面に露出している。
図1(b)はこの基板13の接続端子22が配置された側の表面に、接着フィルム20の接着剤塗布層15を密着させた状態を示しており、この状態で全体を押圧し、接着フィルム20を基板13に貼着する。剥離フィルム25と接着剤塗布層15との間の接着強度は、基板13と接着剤塗布層15との間の接着強度よりも小さくされているので、基板13に貼着された接着フィルム20の剥離フィルム25を接着剤塗布層15から剥離すると、接着剤塗布層15が基板13表面に残る(図1(c))。
図1(c)の符号11は半導体チップである。この半導体チップ11には、その表面から突き出されたバンプ状の接続端子21が配置されており、この接続端子21は半導体チップ11の不図示の内部回路に接続されている。
接着剤塗布層15が表面に配置された基板13を不図示の載置台上に配置し、半導体チップ11の接続端子21が位置する側の面を、基板13上の接着剤塗布層15表面に押し当て、半導体チップ11を上から押圧しながら加熱すると、接着剤塗布層15が軟化し、押圧された半導体チップ11によって軟化した接着剤塗布層15が押し退けられ、半導体チップ11の接続端子21が基板13の接続端子22の表面に当接される(図1(d))。
この状態で所定時間加熱を続けると、接続端子21、22同士が接触した状態で接着剤塗布層15が硬化し、半導体チップ11と基板13の接続端子21、22同士が電気的に接続された状態で半導体チップ11が硬化した接着剤塗布層15によって基板13に固定され、本発明の電気装置5が得られる。
以上は、基板13と電気装置5との接続に、剥離フィルム25と接着剤塗布層15とからなる接着フィルム20を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無い。例えば、接着剤塗布層15を自己支持性を示す程度に半硬化させ、半硬化された接着剤塗布層15の接着フィルムを基板13と半導体チップ11との貼り合わせに用いても良い。
接着剤塗布層15を自己支持性を示す程度に硬化させる方法としては、接着剤塗布層を加熱する方法がある。また、接着剤に固形樹脂を添加して粘度を高くしたものをフィルム状に成形し、接着フィルムとすることもできる。
以上は接着剤をフィルム状に成形する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無い。例えば、本発明の接着剤をペースト状のまま用いても良い。
図2(a)は図1(b)に示したものと同じ基板13を示しており、この基板13に半導体チップ11を搭載するには、先ず、基板13の接続端子22が配置された側の表面にペースト状の接着剤を塗布し、接着剤の塗布層12を形成する(図2(b))。
次いで、基板13の接続端子22と半導体チップ11の接続端子21とが対向するように位置合わせをし、基板13上の接着剤塗布層12表面に、半導体チップ11の接続端子21が配置された側の面を押し当てる。この接着剤塗布層12の粘度は低いので、半導体チップ11によって接着剤塗布層12は押し退けられ、半導体チップ11の接続端子21が基板13の接続端子22表面に当接される。
図1(d)と同じ工程でこれら基板13と半導体チップ11を加熱押圧すると、基板13の接続端子22と半導体チップ11の接続端子21とが密着した状態で塗布層12の接着剤が硬化し、本発明の電気装置6が得られる。
以上は半導体チップ11を基板13とを接続する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、種々の電気装置の接続に用いることができ、例えば、半導体チップを搭載可能なTCP(Tape Carrier Package)と、LCD(Liquid Crystal Display)との接続に用いることができる。
図3(a)の符号60はLCDに用いられるガラス基板を示しており、このガラス基板60の一面には、ITO電極65(Inidium tin oxide)が形成されている。
ITO電極65の表面のうち、ガラス基板60の縁部に位置する部分に、図1(a)と同じ構造の接着フィルムを貼着した後、図1(b)と同じ工程で剥離フィルムを剥離すると、ITO電極上には接着剤からなる接着剤塗布層15が残る(図3(b))。
次いで、ITO電極65が配置された側の表面を上に向けた状態で、ガラス基板60を不図示の載置台上に配置する。
図3(c)の符号50はTCP50を示している。ここではTCPの原反から長方形形状のものを切り出し、TCP50として用いた。TCP50の一面には幅狭の金属配線55がTCP50の長手方向に沿って複数本配置されている。金属配線55の長手方向の端部は、TCPの長手方向の端部に位置する。
TCP50の金属配線55が配置された側の面を下側に向け、TCP50の金属配線55の端部を、ガラス基板60の接着剤塗布層15が配置された縁部の上方に配置し、金属配線55の端部と接着剤塗布層15とが対向するように位置合わせを行う(図3(c))。
次いで、TCP50の金属配線55の端部を、接着剤塗布層15表面に押し当てる。図4はその状態を示す平面図である。この状態で、ガラス基板60とが重なりあったTCP50端部を押圧しながら、TCP50とガラス基板60とを加熱すると、接着剤塗布層15が加熱により軟化し、TCP50端部を押圧することによって軟化した接着剤塗布層15が押し退けられ、TCP50の金属配線55の端部がガラス基板60上のITO電極65表面に当接される。
図3(d)は加熱終了後の状態を示しており、TCP50の金属配線55端部がITO電極65に当接された状態で接着剤塗布層15が硬化しているので、TCP50とガラス基板60とが機械的に接続されているだけでは無く、TCP50の金属配線55とITO電極65とが電気的に接続されている。
本発明の接着剤に用いることのできるシランカップリング剤の具体例を下記表1に示す。
Figure 0005662366
上記表1を参照し、シランカップリング剤として用いられるシラン化合物は、エトキシ基、メトキシ基などのアルコキシ基を1分子中に1以上3以下有している。また、アルコキシ基以外の置換基は、その構造中にエポキシ環、ビニル基、アミノ基、メルカプト基等を有している。そのような置換基は、樹脂等の有機化合物との親和性が高いだけでは無く、熱硬化性樹脂の硬化反応に組み込まれることがある。
γ−グリシドキシプロピル基やβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル基のように、末端にエポキシ環が配置された置換基は、そのエポキシ環がエポキシ樹脂の重合反応に組み込まれる。従って、上記表1中5、6、7、14の欄に示す化合物のように、末端にエポキシ環を有するシランカップリング剤を用いた場合は、熱硬化後の接着剤の強度がより高くなる。
以上は1分子中にアルコキシ基を3以下有するシランカップリング剤について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、全ての置換基がアルコキシ基からなるシラン化合物(シリケート)をシランカップリング剤として用いることもできる。
また、シランカップリング剤の代わりに、シリカのようなシラノール基を有する物質を用いてもよい。しかしながら、シリカが一般に粒子として存在するのに対し、シランカップリング剤は液状であり、シランカップリング剤は接着剤中での分散性の良さ、及び、反応性の高さの点でより優れている。
本発明には、ジルコニウムキレート、チタニウムキレート、アルミニウムキレート等種々の金属キレートを用いることができるが、これらのなかでも反応性が高いアルミニウムキレートがより好ましく用いることができる。また、金属キレートとしては粉体のものや液状のもの等種々の形態のものを用いることができる。
本発明に用いることのできる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等種々のものを用いることができるが、熱硬化後の接着剤の強度等を考慮するとエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
樹脂成分に熱可塑性樹脂を配合すれば、熱可塑性樹脂の性質から接着剤の凝集力が増すので接着剤の接着性がより高くなる。このような熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール、エチレンビニルアセテート、ポリブタジエンゴム等のゴム類等種々のものを用いることができる。
下記表2の「接着剤の組成」の欄に示す配合で、樹脂成分と、金属キレートと、シランカップリング剤と、導電性粒子とを混合して実施例1〜9、比較例1、2の接着剤を作製し、それらの接着剤を用いて図1(a)の符号20に示す接着フィルムと同じ構造の実施例1〜9、比較例1、2の接着フィルムをそれぞれ作製した。
Figure 0005662366
実施例1〜9の接着剤はそれぞれ金属キレートとシランカップリング剤とを有しているが、比較例1は金属キレートを有しておらず、シランカップリング剤とイミダゾール系の硬化剤とを有している。また、比較例2の接着剤は、熱可塑性樹脂を有していない。
ここでは、ガラス基板60の表面に、表面積1cm2当たりのシート抵抗が10ΩのITO電極65が形成されたものと、幅1cmの長方形形状のTCP50(ここでは錫メッキされた銅配線からなる幅25μmの金属配線55が、25μmの間隔で複数本配置されたものを用いた)とをそれぞれ用い、これらのTCP50とガラス基板60とを実施例1〜9、比較例1、2の接着フィルムを用いて図3(a)〜(d)の工程で貼り合わせ、10種類の試験片を得た。このときTCP50とガラス基板60とが重なりあった部分の幅(圧着幅)は1mmであり、印加した荷重は、3MPa、加熱の条件は130℃、10秒間であった。
これらの試験片に対し、ガラス基板60からTCP50を剥離するときに要する剥離強度の測定を行った(90度剥離試験、JIS K6854)。剥離強度の測定結果が3N/cm未満のものを×、3N/cm以上10N/cm未満のものを△、10N/cm以上15N/cm未満のものを○、15N/cm以上のものを◎として評価した。それらの測定結果と評価結果とを上記表2の「結果」の欄に記載した。
上記表2の「結果」の欄から分かる通り、金属キレートとシランカップリング剤とが添加された実施例1〜9の接着剤を用いた試験片は、従来用いられている硬化剤が添加された比較例1の接着剤の場合に比べ、三倍以上の強い剥離強度が得られており、本発明の接着剤が130℃、10秒間という低温、短時間の熱圧着条件であっても、高い接着力があることが確認された。また、比較例2の接着剤を用いた場合は接着剤の硬化反応は起こったが、硬化された後の接着剤が硬くもろいため、試験片の剥離強度が低かった。
それぞれ同じ種類の金属キレートとシランカップリング剤とを用いた実施例1、2では、熱硬化性樹脂として脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P)を用いた実施例2の方がより高い剥離強度が得られた。これらの結果より、実施例1で用いたビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828)に比べ、実施例2に用いた脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P)はカチオン重合による反応速度が特に速いことが確認された。
それぞれ同じ樹脂成分と、シランカップリング剤を用いた実施例5、7では、金属キレートとして反応性の高いアルミニウムキレートを用いた実施例5が、チタニウムキレートを用いた実施例7に比べ剥離強度に高い結果が得られた。
また、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた実施例5はγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いた実施例6に比べ、より高い剥離強度が得られた。実施例6に用いたシランカップリング剤では、メトキシ基以外の置換基がビニル基を有するメタクリロキシプロピル基であるのに対し、実施例5で用いたシランカップリング剤では、メトキシ基以外の置換基がエポキシ環を有するグリシドキシプロピル基であり、そのエポキシ環が熱硬化性樹脂と重合したため、剥離強度が高くなったと推測される。
同じグリシドキシプロピル基を有するが、アルコキシ基の炭素数や数がそれぞれ異なるシランカップリング剤を用いた実施例3〜5では、アルコキシ基の数が最も多く、かつ、アルコキシ基の炭素数が少ないカップリング剤を用いた実施例5の結果が最も良く、アルコキシ基の数が他の2つに比べて少なく、各アルコキシ基の炭素数も多いカップリング剤を用いた実施例3の結果が最も悪かった。アルコキシ基の炭素数が小さいものは加水分解の工程での立体障害が少なく、また、アルコキシ基の数が大きいものはカチオン重合反応においてより多くのシラノール基を供与するためである。
また、それぞれ同じ樹脂成分、金属キレート、シランカップリング剤を用い、シランカップリング剤の添加量をそれぞれ変化させた実施例5、8、9では、金属キレートに対するシランカップリング剤の添加量が多い実施例8は、添加量がより少ない実施例5、9に比べ、より高い剥離強度が得られた。
なお、本発明の接着剤に用いる導電性粒子としては、金属被膜樹脂や金属粒子等を用いることができる。また、本発明の接着剤は導電性粒子を含有させないものも含まれる。本発明の接着剤には、フィラー、着色剤、老化防止剤等の種々の添加剤も添加させることができる。
以上は粉体または液状の金属キレートをそのまま接着剤に添加する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、例えば、金属キレートをマイクロカプセル化し、接着剤に添加することも可能である。
図5の符号7は接着剤を示しており、接着剤7は樹脂成分等からなる接着剤成分32と、接着剤成分32中に分散されたマイクロカプセル30とを有している。このマイクロカプセル30は金属キレートからなる粒子31と、粒子31表面を覆うように形成された樹脂被膜35とを有している。
その樹脂被膜35を構成する樹脂のガラス転移温度は、接着剤を硬化する際の加熱温度よりも低いので、接着剤7が加熱されると、樹脂被膜35が溶解し、金属キレートの粒子31が他の接着剤成分32と混じって接着剤の硬化反応が開始される。
以上は粉体の金属キレートをマイクロカプセル化する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、例えば、液状の金属キレートをマイクロカプセル化し、接着剤に用いることもできる。図6の符号8はその接着剤の一例を示している。この接着剤8の接着剤成分42中には、吸収剤樹脂粒子からなるマイクロカプセル40が分散されており、そのマイクロカプセル40中には液状の金属キレートが吸収されている。この接着剤8を加熱すると、マイクロカプセル40の吸収性樹脂が溶け金属キレートが他の接着剤成分と混合し、接着剤の硬化反応が開始される。
また、図6に示したマイクロカプセル40と同様の工程で、液状のシランカップリング剤をマイクロカプセル化することもできる。
7、8、12、15……接着剤(接着剤塗布層)
13……基板
11……半導体チップ
50……基板(TCP)
60……ガラス基板

Claims (5)

  1. 樹脂成分と、金属キレートと、シランカップリング剤とを含有し、
    前記樹脂成分は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含有し、
    前記シランカップリング剤が下記一般式(1)で表されるシラン化合物からなり、
    Figure 0005662366
    (上記一般式中の4個の置換基X1〜X4のうち一個は下記化学式(2)で示されるγ−グリシドキシプロピル基であり、他の3個はメトキシ基又はエトキシ基のいずれか一方のアルコキシ基である。)
    Figure 0005662366
    前記熱硬化性樹脂は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートであり、
    前記金属キレートはアルミニウムキレートを主成分とし、
    前記金属キレートの粒子表面は樹脂被膜で覆われてマイクロカプセルにされて前記樹脂成分に分散されたことを特徴とする接着剤。
  2. 更に導電性粒子が含有されてなる請求項1記載の接着剤。
  3. 前記樹脂成分100重量部に対して、前記金属キレートの含有量が0.1重量部以上20重量部以下であり、且つ、前記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部以上35重量部以下である請求項2記載の接着剤。
  4. 前記熱硬化性樹脂100重量部に対して前記熱可塑性樹脂が10重量部以上添加された請求項2又は請求項3のいずれか1項記載の接着剤。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の接着剤が、シート状に成形された接着剤。

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