JP5661239B2 - 液体紙容器 - Google Patents

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本発明は、液体入浴剤、ワイン、香辛料等のように強い浸透性や拡散性を有する内容物の包装に好適な紙容器に関する。
紙基材の表面にポリエチレンが積層された積層体は、様々な製品の包装材料として広く使用されている。中でも、酒類、シャンプー、リンス、液体洗剤等のように流通期間が比較的長く、バリア性が要求される製品は、主に最外層/紙基材層/接着性樹脂層/バリア層/樹脂フィルム層/最内層からなる積層体、例えば、ポリエチレン/紙/接着樹脂/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンあるいはポリエチレン/紙/接着樹脂/アルミニウム蒸着膜/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンといった構成の積層体を製函してなる紙容器が用いられている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特開平9−327888号公報 特開2003−335362号公報
上記したように、従来の紙容器に用いられる積層体は、最外層、紙基材層、接着樹脂層、バリア層、樹脂フィルム層および最内層がこの順に積層されたものが一般的である。樹脂フィルム層は主にポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと呼ぶ)から構成されるが、この樹脂フィルム層はバリア層の補強を目的に積層されており、外部からの物理的ストレスによるバリア層の割れやピンホールを防ぐと共に、耐熱効果もある。樹脂フィルム層がバリア層よりも容器の内側に積層されている理由は、積層体を製函する際に吹き付けられる熱風によってバリア層がダメージを受けて、シール時に割れたりピンホールが発生したりするのを低減するためである。
しかしながら、上記のように構成された紙容器に液体入浴剤、ワイン、香辛料等のように強い浸透性や拡散性を有する内容物を充填し、長期保管したところ、PETフィルムとポリエチレンとの間に内容物が浸透して層間剥離が起き、紙容器として機能しなくなることが確認された。
また、上記したような紙容器は内容物が漏れたりすることがないように十分なシールが行われなければならないため、検査員がサンプルを定期的に抜き取って検査する必要があるが、従来は、熱風の吹き付けられた箇所を検査官が偏光板等を用いて観察しなければならず、経験や熟練度に左右されるという問題があった。
従って、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐ピンホール性、シール性等の特性を維持しつつ、液体入浴剤、ワイン、香辛料等のように強い浸透性や拡散性を有する内容物の長期保管に耐えることができ、且つシールに必要な熱が十分に加わっているか否かを簡単に検査することができる紙容器を提供することを目的とする。
本発明者は、従来の紙容器において層間剥離が発生する原因は、樹脂フィルム層の構成材料として主に用いられるPETフィルムが、無極性(官能基を有さない)であるために、ドライラミネーションや押出コーティングにより積層体を作製した場合、PETフィルムと他の層を構成する材料との間の接着性が不十分となるためではないかと考えた。また、本発明者は、バリア層の構成材料として主に用いられるアルミニウム箔は、極性が強い(官能基が多い)ために、他の層を構成する様々な材料と強い接着性が得られるであろうと考えた。
本発明者は上記考察に基づいて積層体の層構成を種々検討したところ、樹脂フィルム層をアルミニウム箔層よりも容器の外側に積層することで、アルミニウム箔が有するバリア性を確保しつつ、樹脂フィルム層によりアルミニウム箔が補強され、割れやピンホールの発生を防止することができると同時に、接着性樹脂層をアルミニウム箔層と最内層との間に介在させることで、アルミニウム箔層および最内層の間が強固に接着され、液体入浴剤のような高浸透性、高拡散性および高膨潤性を有する内容物の浸透による層間剥離を防止でき、また、予期し得ないことに、上記積層順とした際にアルミニウム箔のミラー面を第2接着樹脂層側に向け、アルミニウム箔のマット面を樹脂フィルム層側に向けて積層することで、シールに必要な熱が十分に加わっているか否かを目視で容易に判別できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記の目的を達成するための第一の発明は、最外層、紙基材層、第1接着樹脂層、樹脂フィルム層、アルミニウム箔層、第2接着樹脂層および最内層を順次積層した積層体を製函してなる液体紙容器であって、該アルミニウム箔層を構成するアルミニウム箔のミラー面を該第2接着樹脂層側に向け、マット面を該樹脂フィルム層側に向けて積層し、該第2接着樹脂層および該最内層は、熱風を吹付けることで該ミラー面の光沢が表面に現れるように構成されていることを特徴とする液体紙容器である。
ここで、樹脂フィルム層は、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンからなることが好ましい。
本発明によれば、耐ピンホール性、シール性等の特性を維持しつつ、従来の紙容器にて長期保管が可能であった内容物は勿論、従来の紙容器では長期保管が不可能であった、液体入浴剤や香辛料等のように強い浸透性や拡散性を持った内容物の長期保管に耐えることができ、且つシールに必要な熱が十分に加わっているか否かを簡単に検査することができる紙容器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る紙容器を形成するための積層体の模式断面図である。図1に示すように、本実施の形態における積層体は、最外層1、紙基材層2、第1接着樹脂層3a、樹脂フィルム層4、アルミニウム箔層5、第2接着樹脂層3bおよび最内層6がこの順に積層されてなるものである。本実施の形態に係る積層体は、樹脂フィルム層4をアルミニウム箔層5よりも容器の外側に積層し、アルミニウム箔層5を構成するアルミニウム箔のミラー面を第2接着樹脂層3b側に向け、アルミニウム箔のマット面を樹脂フィルム層4側に向けて積層したことに特徴がある。このような位置に樹脂フィルム4を積層することで、アルミニウム箔層5に対する補強効果を損なうことなくアルミニウム箔層5と最内層6の接着を強固にでき、内容物の浸透による層間剥離を防ぐことができる。また、アルミニウム箔のミラー面を第2接着樹脂層3b側に向けて積層することで、シールに必要な熱が十分に加わっているか否かを目視で容易に判別することができる。
なお、本発明において、アルミニウム箔の「ミラー面」とは、アルミニウム箔を重ね圧延により製造する際に箔が圧延ロールと接触することによって生じる光沢のある面を意味し、また、「マット面」とは、箔と箔とが接触することによって生じるつやのない面を意味する。
本発明における最外層1および最内層6は、熱によって溶融し互いに融着し得る樹脂材料から構成される。このような材料の具体例としては、ポリプロピレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、チーグラー系低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用した直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。これらの材料の中でも、シール性および滑り性に優れるという点で、高圧法低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。最外層1の厚さは、5μm〜50μmであることが好ましい。また、最内層6の厚さは、10μm〜100μmであることが好ましい。なお、最外層1および最内層6には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、染料、顔料等を適宜添加してもよい。
本発明における第1接着樹脂層3aおよび第2接着樹脂層3bは、主に、エチレンとメタクリル酸等の酸変性樹脂材料から構成される。このような材料の具体例としては、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの材料の中でも、アルミニウム箔層5と強い接着性が得られると同時に、設備面から見て加工適性が優れるという点と、これらの材料の中では価格が比較的安価であるという点で、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体が好ましい。なお、第1接着樹脂層3aおよび第2接着樹脂層3bを構成する樹脂材料は同一であってもよいし、異なってもよいが、紙基材層2と樹脂フィルム層4との間の接着性をより高めるため、第1接着樹脂層3aには、3元共重合体であるエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体を用いることが好ましい。また、第2接着樹脂層3bには、アルミニウム箔との接着性をより高めるため、2元共重合体を用いることが好ましく、2元共重合体の酸含量については9%〜15%程度が好ましい。第1接着樹脂層3aおよび第2接着樹脂層3bの厚さは、5μm〜80μmであることが好ましい。
本発明における紙基材層2を構成する紙基材としては、コートボール、カード紙、アイボリー紙、マニラボール等の板紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、クラフト紙、上質紙等の公知の紙を用いることができる。紙基材の坪量は、紙容器の形態に応じて適宜決定すればよいが、通常、100g/m2〜500g/m2である。
また、紙基材層2上に最外層1又は第1接着樹脂層3aを積層させる前に、紙基材層2となる紙基材の表面にコロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理、アンカーコート剤処理等を施してもよい。これらの処理を施すことで層間の接着強度を向上させることができる。コロナ放電処理は、公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気中に紙基材を通過させることにより行うことができる。このときのコロナ放電出力は、好ましくは1.0kW〜10.0kWである。フレーム処理は、公知のフレーム処理器を用い、紙基材表面を火で炙ることにより行うことができる。このときのフレーム出力は、好ましくは50%〜100%である。オゾン処理は、公知のオゾン処理器を用い、発生させたオゾン雰囲気中に紙基材を通過させることにより行うことができる。このときのオゾン濃度は、好ましくは10g/Nm3〜30g/Nm3である。アンカーコート剤処理は、紙基材表面にグラビア印刷等で公知の水系アンカーコート剤を塗布することにより行うことができる。
本発明における樹脂フィルム層4は、製函する際に積層体に吹き付けられる熱風の熱に耐え得る耐熱性を有し、物理的強度の高い樹脂材料から構成される。このような材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンが挙げられる。樹脂フィルム層4の厚さは、5μm〜30μmであることが好ましい。
本発明におけるアルミニウム箔層5は、太陽光等を遮光したり、水蒸気、水、ガス等を透過させない役割を果たす層である。また、このアルミニウム箔層5を構成するアルミニウム箔のミラー面が第2接着樹脂層3b側に向けて積層されているので、製函する際に吹き付けられた熱風により最内層6表面に光沢感が現れ、シールに必要な熱が十分に加わっているか否かを目視で容易に判別することができる。
アルミニウム箔層5は、ウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等のラミネート用接着剤を用いて樹脂フィルム層4上に積層させることが好ましい。アルミニウム箔の厚さは、3μm〜20μmであることが好ましい。接着剤の塗布量は、接着剤の厚さが乾燥皮膜として0.1g/m2〜5g/m2となるように適宜設定すればよい。
本実施の形態における積層体は、上記した材料を用いて、包装材料分野で公知の方法、例えば、押出ラミネーション法、共押出ラミネーション法、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法等により製造することができる。また、ラミネーションを行う際に、必要に応じて、コロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理、アンカーコート剤処理等を各層に施してもよい。
得られた積層体を製函して、ゲーブルトップ型、ブリック型等種々の形状の紙容器を製造することができる。具体的には、まず、積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートを得る。次に、フレームシール又はホットエアーシールにより最内層6又は最外層1を構成する樹脂材料を溶融し、胴部を貼り合わせて、筒状のスリーブを得る。続いて、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、液体入浴剤を充填し、トップ部をシールするという公知の方法により製造することができる。
このようにして製造される紙容器は、液体入浴剤、ワイン、芳香剤、香辛料等のように強い浸透性や拡散性を有する内容物全般の包装に用いることができ、特に、植物エキス、生薬、ハーブ等の天然由来の精油成分が配合された液体状のものの包装に好適である。
[実施例1]
二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(樹脂フィルム層)を厚さ6μmのアルミニウム箔(アルミニウム箔層)のマット面側にドライラミネーション法により積層し、ラミネートフィルムを作製した。この時の接着剤の塗布量は、接着剤の厚さが乾燥皮膜として3g/m2となる量とした。一方、坪量400g/m2の板紙(紙基材層)の一方の表面に厚さ20μmの高圧法低密度ポリエチレン(最外層)を押出ラミネーション法により積層し、板紙の他方の表面にアンカーコート剤を乾燥重量で0.5g/m2となるように塗布した。続いて、先に作製したラミネートフィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム面をインラインでコロナ放電処理およびオゾン処理しつつ、板紙のアンカーコート剤を塗布した面と対向させ、その間に厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製AN4228C、酸含量4%)(第1接着樹脂層)を押出してサンドラミネートし、高圧法低密度ポリエチレン/板紙/エチレン−メタクリル酸−メタクリルエステル共重合体/ポリエチレンテレフタレートフィルム/(マット面)アルミニウム箔(ミラー面)という層構成のサンドラミネートフィルムを作製した。
次に、サンドラミネートフィルムのアルミニウム箔のミラー面に、厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸エステル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製N1108C、酸含量11%)(第2接着樹脂層)と厚さ40μmの高圧法低密度ポリエチレン(最内層)とを共押出ラミネーション法により積層し、高圧法低密度ポリエチレン/板紙/エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体/ポリエチレンテレフタレートフィルム/(マット面)アルミニウム箔(ミラー面)/エチレン−メタクリル酸エステル共重合体/高圧法低密度ポリエチレンという層構成の積層体を得た。得られた積層体にオフセット印刷法により所望の絵柄・表示等の印刷を行った後、所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、内容物を充填し、トップ部をシールすることにより実施例1のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
なお、内容物としては、以下の3種類を用いた。
・液体入浴剤(クチナシエキス、ユズエキス、ショウブ根エキス、チャ葉エキス、ローズマリーエキス、レモングラス油、ゼラニウム油、パルマローザ油、レモン油、エタノール、グリセリン、メントール、ソルビトール、ラウリン酸ポリグリセリル−10、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、水等を含む)
・赤ワイン(添加剤として亜硫酸塩を含む)
・クローブ
[比較例1]
二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ6μmのミラー面およびマット面からなるアルミニウム箔とをドライラミネーション法により積層し、ラミネートフィルムを作製した。この時の接着剤の塗布量は、接着剤の厚さが乾燥皮膜として3g/m2となる量とした。一方、坪量400g/m2の板紙の一方の表面に厚さ20μmの高圧法低密度ポリエチレンを押出ラミネーション法により積層し、板紙の他方の表面にアンカーコート剤を乾燥重量で0.5g/m2となるように塗布した。続いて、先に作製したラミネートフィルムのアルミニウム箔面をインラインでコロナ放電処理しつつ、板紙のアンカーコート剤を塗布した面と対向させ、その間に厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸エステル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製N0908C、酸含量9%)を押出してサンドラミネートし、高圧法低密度ポリエチレン/板紙/エチレン−メタクリル酸エステル共重合体/(ミラー面)アルミニウム箔(マット面)/ポリエチレンテレフタレートフィルムという層構成のサンドラミネートフィルムを作製した。
次に、サンドラミネートフィルムのポリエチレンテレフタレート面に、厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製AN4228C、酸含量4%)と厚さ40μmの高圧法低密度ポリエチレンとを共押出ラミネーション法により積層し、高圧法低密度ポリエチレン/板紙/エチレン−メタクリル酸エステル共重合体/(ミラー面)アルミニウム箔(マット面)/ポリエチレンテレフタレートフィルム/エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体/高圧法低密度ポリエチレンという層構成の積層体を得た。得られた積層体にオフセット印刷法により所望の絵柄・表示等の印刷を行った後、所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、実施例1と同様の内容物を充填し、トップ部をシールすることにより比較例1のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[比較例2]
二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ6μmのミラー面およびマット面からなるアルミニウム箔とをドライラミネーション法により積層し、ラミネートフィルムを作製した。この時の接着剤の塗布量は、接着剤の厚さが乾燥皮膜として3g/m2となる量とした。一方、坪量400g/m2の板紙の一方の表面に厚さ20μmの高圧法低密度ポリエチレンを押出ラミネーション法により積層し、板紙の他方の表面にアンカーコート剤を乾燥重量で0.5g/m2となるように塗布した。続いて、先に作製したラミネートフィルムのアルミニウム箔面をインラインでコロナ放電処理しつつ、板紙のアンカーコート剤を塗布した面と対向させ、その間に厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸エステル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製N0908C、酸含量9%)を押出してサンドラミネートし、高圧法低密度ポリエチレン/板紙/エチレン−メタクリル酸エステル共重合体/(ミラー面)アルミニウム箔(マット面)/ポリエチレンテレフタレートフィルムという層構成のサンドラミネートフィルムを作製した。
次に、サンドラミネートフィルムのポリエチレンテレフタレート面にアンカーコート剤を乾燥重量で0.5g/m2となるように塗布した。サンドラミネートフィルムのアンカーコート剤を塗布した面を、厚さ40μmの高圧法低密度ポリエチレンフィルムと対向させ、その間に厚さ20μmの高圧法低密度ポリエチレンを押出し、高圧法低密度ポリエチレン/板紙/エチレン−メタクリル酸エステル共重合体/(ミラー面)アルミニウム箔(マット面)/ポリエチレンテレフタレートフィルム/高圧法低密度ポリエチレン/高圧法低密度ポリエチレンフィルムという層構成の積層体を得た。得られた積層体にオフセット印刷法により所望の絵柄・表示等の印刷を行った後、所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、実施例1と同様の内容物を充填し、トップ部をシールすることにより比較例2のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
<耐久性評価>
まず、液体入浴剤を充填する前の積層体のラミネート強度を確認した。具体的には、実施例1および比較例1〜2と同様にして積層体をそれぞれ作製し、これらから幅15mm、長さ100mmの試験片を切り出し、切り出した試験片の一端から測定対象とする層間を50mm剥がし、テンシロン引張り試験機の両チャックにそれぞれチャッキングした。25℃雰囲気下、50mm/minの引張り速度で180度方向に剥がし、最大荷重を測定した。
実施例1の積層体において、アルミニウム箔とエチレン−メタクリル酸エステル共重合体との間のラミネート強度を測定しようと試みたが、ラミネート強度が高過ぎて基材破壊が起きた(剥離不可能)。
比較例1の積層体において、ポリエチレンテレフタレートフィルムとエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体との間のラミネート強度を測定したところ、1.3N/15mm幅であった。
比較例2の積層体において、ポリエチレンテレフタレートフィルムと高圧法低密度ポリエチレンとの間のラミネート強度を測定しようと試みたが、ラミネート強度が高過ぎて基材破壊が起きた(剥離不可能)。
次に、実施例1および比較例1〜2の紙容器を50℃にて2週間〜1.5ヶ月間保管した後、紙容器を分解し、幅15mm、長さ100mmの試験片を切り出し、上記と同様の方法でラミネート強度を確認した。結果を表1〜3に示した。
Figure 0005661239
Figure 0005661239
Figure 0005661239
液体入浴剤、赤ワイン又はクローブを2週間〜1.5ヶ月間保管後の実施例1の紙容器から切り出した試験片では、いずれの層間においても剥離が起きていなかった。
液体入浴剤を2週間保管後の比較例1の紙容器から切り出した試験片では、ポリエチレンテレフタレートフィルムとエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体との間(層間B)のラミネート強度を測定したところ、0.1N/15mm幅であったが、1ヶ月間保管後のものでは、ポリエチレンテレフタレートフィルムとエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体との間(層間B)で剥離が起きていた。赤ワインを2週間および1ヶ月保管後の比較例1の紙容器から切り出した試験片では、ポリエチレンテレフタレートフィルムとエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体との間(層間B)のラミネート強度を測定したところ、それぞれ0.8N/15mm幅および0.1N/15mm幅であったが、1.5ヶ月間保管後のものでは、ポリエチレンテレフタレートフィルムとエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体との間(層間B)で剥離が起きていた。また、クローブを2週間保管後の比較例1の紙容器から切り出した試験片では、ポリエチレンテレフタレートフィルムとエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体との間(層間B)のラミネート強度を測定したところ、0.02N/15mm幅であったが、1ヶ月間保管後のものでは、ポリエチレンテレフタレートフィルムとエチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体との間(層間B)で剥離が起きていた。
液体入浴剤を2週間保管後の比較例2の紙容器から切り出した試験片では、ポリエチレンテレフタレートフィルムと高圧法低密度ポリエチレンとの間(層間C)のラミネート強度を測定したところ、0.04N/15mm幅であったが、1ヶ月間保管後のものでは、ポリエチレンテレフタレートフィルムと高圧法低密度ポリエチレンとの間(層間C)で剥離が起きていた。赤ワインを2週間および1ヶ月保管後の比較例2の紙容器から切り出した試験片では、ポリエチレンテレフタレートフィルムと高圧法低密度ポリエチレンとの間(層間C)のラミネート強度を測定したところ、それぞれ0.5N/15mm幅および0.1N/15mm幅であったが、1.5ヶ月間保管後のものでは、ポリエチレンテレフタレートフィルムと高圧法低密度ポリエチレンとの間(層間C)で剥離が起きていた。また、クローブを2週間保管後の比較例2の紙容器から切り出した試験片では、ポリエチレンテレフタレートフィルムと高圧法低密度ポリエチレンとの間(層間C)のラミネート強度を測定したところ、0.01N/15mm幅であったが、1ヶ月間保管後のものでは、ポリエチレンテレフタレートフィルムと高圧法低密度ポリエチレンとの間(層間C)で剥離が起きていた。
以上のことから、実施例1の紙容器は、液体入浴剤、ワイン、香辛料等のように強い浸透性や拡散性を有する内容物を長期保管しても層間剥離および内容物の漏れは一切認められず、比較例1〜2の紙容器と比べて耐久性に優れていることが明らかである。
<シール性評価>
充填機において紙容器のトップ部およびボトム部をシールする際の炙り温度を250℃〜400℃の範囲で変化させて紙容器を作製し、下記基準に従って紙容器のシール性を評価した。結果を表4に示した。
◎:シールが良好で液体入浴剤の漏れはない
○:シールは良好で液体入浴剤の漏れはないが、アルミニウム箔に損傷あり
△:シールは弱いが、液体入浴剤の漏れはなし
×:液体入浴剤の漏れがあり(ただし、低温領域における漏れはシール不良に起因し、高温領域における漏れはアルミ割れやピンホール発生に起因するものである)
Figure 0005661239
以上のことから、実施例1の紙容器は、比較例1〜2の紙容器と同等の耐ピンホール性を有している上に、比較例1〜2の紙容器と比べてシール性に優れていることが明らかである。
<熱風を吹き付けた箇所の目視による観察>
実施例1および比較例1と同様にして積層体をそれぞれ作製し、製函時と同じ条件で積層体の最内層に熱風を吹き付け、最内層表面を目視により観察した。図2は、実施例1の積層体の最内層に熱風を吹き付けた後の表面状態を示す写真であり、図3は、比較例1の積層体の最内層に熱風を吹き付けた後の表面状態を示す写真である。図2および3の比較から分かるように、実施例1の積層体では、熱風を吹き付けた箇所に光沢感が現れ、シールに必要な熱が十分に加わっているか否かを目視で容易に判別することができるのに対し、比較例1の積層体では、熱風を吹き付けた箇所と吹き付けていない箇所の判別は困難である。
以上のことから、実施例1の積層体を用いれば、紙容器の製造過程でシールに必要な熱が十分に加わっているか否かを目視で容易に検査することができ、また、ヒートシールの条件出しを簡単に行うことができるという利点もある。
実施の形態に係る紙容器を形成するための積層体の模式断面図である。 実施例1と同様の積層体の最内層に熱風を吹き付けた後の表面状態を示す写真である。 比較例1と同様の積層体の最内層に熱風を吹き付けた後の表面状態を示す写真である。
符号の説明
1 最外層、2 紙基材層、3a 第1接着樹脂層、3b 第2接着樹脂層、4 樹脂フィルム層、5 アルミニウム箔層、6 最内層。

Claims (2)

  1. 最外層、紙基材層、第1接着樹脂層、樹脂フィルム層、アルミニウム箔層、第2接着樹脂層および最内層を順次積層した積層体を製函してなる液体紙容器であって、該アルミニウム箔層を構成するアルミニウム箔のミラー面を該第2接着樹脂層側に向け、マット面を該樹脂フィルム層側に向けて積層し、該第2接着樹脂層および該最内層は、熱風を吹付けることで該ミラー面の光沢が表面に現れるように構成されていることを特徴とする液体紙容器。
  2. 前記樹脂フィルム層が、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンからなることを特徴とする請求項に記載の液体紙容器。
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