JP3828861B2 - 積層体およびこれを用いた紙容器並びに包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は積層体およびこれを用いた紙容器並びに包装体に関するものであり、さらに詳しくは紙容器外部から侵入する酸素に対する酸素バリア性および内容物の香味成分を紙容器の外に散逸させないフレーバーバリア性(以降これらを合わせ単にバリア性と記すことがある)を有し、開封性,層間剥離性に優れ、かつ包装体としての廃棄処理適性に優れた構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
内容物の長期保存を要する紙容器においては、内容物の劣化防止のため、紙容器外部から侵入する酸素に対する酸素バリア性および内容物の香味成分を紙容器外に散逸させないフレーバーバリア性を必要としてアルミニウム箔を構成部材として含む積層紙が用いられてきたが、近年ではアルミニウム箔に代わり無機蒸着フィルムやバリア性を有する樹脂を複合した共押し出しフィルムなどが貼合された積層紙が用いられるようになっている。
しかしながら、これらフィルムを原紙に積層するという工程は複雑かつコストがかかるものとなってしまうため、最近では原紙にバリア性樹脂を共押し出しラミネート法により積層して得られる積層体が使用され始めている。
従来、原紙にバリア性樹脂を共押し出しラミネート法により積層して得られる積層体においては、例えば、低密度ポリエチレン/接着性樹脂/バリア性樹脂/接着性樹脂/低密度ポリエチレンといった3種5層構成の樹脂層を原紙面に共押し出しラミネートして積層体を製造するのが一般的な製法である。しかしながらこの構成の場合、溶融した樹脂層の温度(以降これを加工温度と記す場合がある)を315℃程度以上の高温としなければ原紙と低密度ポリエチレンの十分な接着強度が得られない。
従って、例えばバリア性樹脂として特性の優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体などを用いた場合、290℃程度以上になるとエチレン−ビニルアルコール共重合体は熱分解を起こしやすいため、このような高加工温度になると押し出し装置内で熱劣化を起こしゲル化したり、溶融膜として保持できなくなり膜切れを起こすという事態が頻発しやすいという問題があった。
更には接着性樹脂や低密度ポリエチレンも熱分解や酸化劣化を起こし、積層体自体の臭気が強いものとなってしまうこともあった。
これに対し、溶融した樹脂層の原紙と接着する低密度ポリエチレン面にオゾン処理を施して加工温度を下げることが考えられるが、それでもせいぜい290℃程度以上でなければ原紙と低密度ポリエチレンの十分な接着強度が得られない。
このような問題点を解決する手段としては、例えば特公平6−55485号公報において予め原紙面に低密度ポリエチレン層を設け、その上に前述した3種5層構成の樹脂層を共押し出しラミネートする方法が提案されている。
しかしながらこの方法でも280℃程度以上の加工温度でなければ予め原紙面に設けた低密度ポリエチレン層と共押し出しされた樹脂層の低密度ポリエチレンとが接着不良となる場合があり、実操業可能な加工温度範囲は狭いものであった。 又、この方法では予め原紙面に低密度ポリエチレン層を設ける必要があり、生産工程が一工程余分に必要となるという欠点があった。
この他にも多層共押し出しラミネート法による積層体の製造方法が提案されている。
例えば特開平7−16993号公報においては、原紙にエチレン−ビニルアルコール共重合体/接着性樹脂/ポリオレフィンからなる3種3層の樹脂層をエチレン−ビニルアルコール共重合体側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートする方法が開示されている。
この方法であれば、ある程度の低加工温度での積層体の製造は可能となるが、エチレン−ビニルアルコール共重合体が押し出されて原紙と接触するまでの間に溶融状態で空気と直接接触するために酸化劣化を起こしやすいという欠点があった。 又、原紙面の凸凹がエチレン−ビニルアルコール共重合体層に直接現れるため、エチレン−ビニルアルコール共重合体層が10μ以下程度の薄層となると層の厚みが不均一となり、バリア性の低下をまねくおそれもあった。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−55485号公報(3種5層構成の樹脂層を共押し出しラミネートする方法)
【特許文献2】
特開平7−16993号公報(多層共押し出しラミネート法による積層体の製造方法)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題とするところは、バリア性樹脂が熱劣化しない低加工温度でも共押し出しラミネートされた樹脂層と原紙との接着強度が強固であり、かつ低臭でバリア性の良好な積層体、およびこれを用いた紙容器並びに包装体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題につき鋭意検討を重ねた結果、原紙の少なくとも片面にポリエチレンイミンコートを施し、該ポリエチレンイミンコートした面に接着性樹脂層(a)/バリア性樹脂層(b)/接着性樹脂層(a’)の少なくとも3層からなる多層樹脂層を接着性樹脂層(a)が上記コート面に接するように共押し出しラミネート法により積層することにより、前記課題が達成されることが判明した。
すなわち、請求項1の積層体の発明では、
変性ポリエチレンイミンをコートした原紙に接着性樹脂層(a)/バリア性樹脂層(b)/接着性樹脂層(a’)の少なくとも3層からなる多層樹脂層を接着性樹脂層(a)が上記コート面に接するように共押し出しラミネートしてなる積層体であって、
前記変性ポリエチレンイミンが、下記の式1または式2からなり、前記バリア性樹脂層(b)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなり、
共押し出しラミネート時の溶融樹脂層のダイ出口における温度を290℃以下としたことを特徴とする積層体。
式1
式2
ここで、R 1 〜R 3 は水素またはアルキル基,アルケニル基,ベンジル基,環状炭化水素残基を表す。
という技術的手段を講じている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の積層体の好適な実施の形態について図1を参照しながら説明する。
なお、説明中において、低密度ポリエチレンをLDPEと、エチレン−ビニルアルコール共重合体をEVOHと、接着性樹脂をTieと記す場合がある。
【0007】
まず、原紙は、天然繊維、合成繊維またはこれらの混合物を抄造して得られるものであればよく、特に制限はない。
抄造に用いられる天然繊維としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材繊維、綿糸,サトウキビ,竹,麻などをパルプ化した植物繊維、羊毛,絹糸などの動物性繊維などがあげられる。
【0008】
また、前記合成繊維としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリアミド,酢酸セルロースなどを繊維化したものがあげられる。
これらの繊維から得られた原紙の中では、機械的性質,熱的性質等の点から木材繊維又は植物繊維を30重量%以上、さらに望ましくは50重量%以上含むものが好ましい。
また、必要に応じてサイズ剤,定着剤,紙力増強剤,湿潤紙力剤,染料,填料などが含有されていてもよい。
さらには、クレーコートやグラビア印刷などが施されていてもよい。
【0009】
上記原紙については、少なくとも後述の共押し出しラミネートされる面にはポリエチレンイミンをコートする必要がある。
ポリエチレンイミンは、エチレンイミンを酸触媒を用いて開環重合させたものであり、一般的には式1のように表わされるが、このような無変性のものであっても、あるいは後述の変性されたものでもよい。
【式1】
例えば、変性の一例としては、下記の式2のような変性ポリエチレンイミンを用いることが可能である。
【式2】
また、これらの他にも式3のようなものであってもよい。
なお、式3中で、R1 〜R3は水素またはアルキル基,アルケニル基,ベンジル基,環状炭化水素残基を表す。これらの他にも様々な変性を施したものであってもよい。
【式3】
【0010】
また、ポリエチレンイミンをコートする方法としては、原紙抄造時のサイズプレスやキャレンダー工程において塗工液中に添加してコートする方法、印刷機やコーターなどでコートする方法、共押し出しラミネート機で押し出しラミネートされる直前にインラインアンカーコートする方法などがあげられる。
印刷機やコーター、インラインアンカーコートでの塗工方式はグラビアコートやロールコートなどを用いることができる。
【0011】
また、ポリエチレンイミンの塗工量は固形分で0.001〜1.0g/m2 さらに望ましくは0.005〜0.5g/m2 であることが好ましい。
塗工量が0.001g/m2 未満では共押し出しラミネートされる樹脂層の接着が不十分になることがあり、1.0g/m2 を越えると塗工量が多すぎて逆に接着を阻害することがある。
【0012】
次に、バリア性樹脂層(b)としては、積層体を成形してなる紙容器の外部から侵入する酸素に対する酸素バリア性および内容物の香味成分を紙容器外に散逸させないフレーバーバリア性を有するものであり、酸素および香味成分の透過を抑制するバリア性樹脂を用いている。
このバリア性樹脂としては、例えばポリアミド,ポリエステル,ポリ塩化ビニリデン,エチレン−ビニルアルコール共重合体(いわゆるEVOH)などがあげられる。
上記ポリアミドとしては、非結晶性ポリアミド,ナイロン6,ナイロン66,メタキシレンジアミンとジカルボン酸からなる共重合体などがあげられる。
ポリエステルとしては、ポリエチレングリコールテレフタレート,ポリブチレングリコールテレフタレート,ポリエチレングリコールナフタレートなどがあげられる。
【0013】
これらのバリア性樹脂は、紙容器として求められる必要特性に応じて適宜に選択してバリア性樹脂層(b)に使用することができるが、酸素および香味成分の透過を抑制するバリア性能と共押し出しラミネート加工適性のバランスを考慮すると、上記の中ではEVOHが最も好ましい。
【0014】
このEVOHは、エチレンとビニルエステルからなる共重合体をアルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。
ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステルも使用できる。
【0015】
前記EVOHのエチレン含有量は15〜60モル%であり、好適には20〜55モル%、より好適には25〜50モル%である。
エチレン含量が15モル%未満では、高湿度下でのガスバリア性が低下し、共押し出しラミネート加工適性にも欠ける。また60モル%を越えると十分なガスバリア適性が得られない。
【0016】
また、前記EVOHのビニルエステル成分のケン化度は、90%以上である必要があり、好適には96%以上、より好適には98%以上である。
ケン化度が90%未満では、高湿度時のガスバリア性が低下するだけでなく、EVOHの熱安定性が悪化し、成形物にゲル・ブツが発生しやすくなる。
【0017】
また、前記EVOHの好適なメルトフローレート(MFR)(210℃,2160g荷重下,JIS K7210に基づく)は、1〜45g/10min、好適には3〜35g/10min、より好適には7〜25g/10minである。
【0018】
さらに、バリア性樹脂層(b)は、上記したバリア性樹脂を単独で用いても、または異なる複数種のバリア性樹脂や同一のバリア性樹脂で特性の異なるグレードのものをブレンドしたり、2層などの複数層にして用いてもよい。
また、バリア性樹脂層(b)に無機フィラーなどを添加してバリア性を一層高めることも可能である。
【0019】
次に、接着性樹脂層(a)は、ポリエチレンイミンをコートした原紙と接合するものであり、原紙面との接着も考慮するとMFR(190℃,2160g荷重,なお以降、EVOHのMFRに関する記載を除き、他のMFRの記載は全て温度条件は190℃での値である)が0.5〜20g/10minさらに望ましくは1〜15g/10minの範囲であるものが好ましい。
【0020】
MFRが0.5g/10min未満では溶融時の粘度が高すぎて原紙表面への溶融樹脂の食い込みが少なくなり物理的な接着力が得られにくくなる。
MFRが20g/10minを越えると溶融粘度が低くなりすぎて溶融膜の安定性に支障をきたすことがある。
【0021】
また、接着性樹脂層(a’)は、前記したバリア性樹脂層(b)と、後述する熱可塑性樹脂層(c)または内容物接触層とを接合する接着力を有するものである必要がある。
【0022】
これら接着性樹脂層(a)および接着性樹脂層(a’)としては、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン,超低密度ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂にマレイン酸などの不飽和カルボン酸やその無水物をグラフト重合させたもの、あるいはエチレンなどのオレフィンとマレイン酸,アクリル酸,メタクリル酸,酢酸ビニル,アクリル酸エステル,メタクリル酸エステルなどとの共重合体などを使用することができる。
この接着性樹脂層(a)および接着性樹脂層(a’)は、いずれも同一の樹脂でも、あるいは異なる樹脂でもよい。
【0023】
次に、この積層体においては、接着性樹脂層(a’)の外側に熱可塑性樹脂層(c)を設けることも有効である。
この場合、熱可塑性樹脂層(c)としては、積層体から紙容器を成形するために必要なヒートシール性を有するものが好ましく、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン,超低密度ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂やシール性ポリエステルなどを用いることができる。
【0024】
この熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いる場合は、ポリオレフィン樹脂のMFRは0.5〜20g/10minさらに望ましくは1〜15g/10minの範囲であるものが好ましい。
MFRが0.5g/10min未満ではヒートシール適性が不足であり、MFRが20g/10minを越えると溶融粘度が低くなりすぎて溶融膜の安定性に支障をきたすことがある。
【0025】
前記接着性樹脂層(a)、バリア性樹脂層(b)、接着性樹脂層(a’)は、共押し出しラミネート装置を用い、原紙のポリエチレンイミンコートを施した面に共押し出しラミネートされて、積層体が得られる。
これに際しては接着性樹脂層(a)/バリア性樹脂層(b)/接着性樹脂層(a’)の少なくとも3層からなる多層樹脂層として共押し出しラミネートすればよいが、更に、前述のように熱可塑性樹脂層(c)を加えて、接着性樹脂層(a)/バリア性樹脂層(b)/接着性樹脂層(a’)/熱可塑性樹脂層(c)の4層構成の多層樹脂層として共押し出しラミネートすることもできる。
【0026】
この際、多層樹脂層の接着性樹脂層(a)側を原紙側としてラミネートすることで、原紙側と多層樹脂層との接着強度が強固なものとなる。
この時の溶融した多層樹脂層の温度(加工温度)は極力低温とするのが好ましい。
加工温度が315℃を越えるような高温では、多層樹脂層中の接着性樹脂や熱可塑性樹脂の熱劣化や酸化分解により異臭成分が発生し、積層体の臭気が強いものとなってしまうことがある。
【0027】
また、バリア性樹脂層(b)としてEVOHを用いた場合は、加工温度が290℃程度以上になるとEVOHは熱分解を起こしやすいため、このような高加工温度になると押し出し装置内で熱劣化を起こしゲル化したり、溶融膜として保持できなくなり膜切れを起こすことがある。
このため加工温度は290℃以下とするのが好ましい。
この様な低加工温度であっても原紙にポリエチレンイミンをコートしてあることにより、ポリエチレンイミンを介して、原紙と多層樹脂層中の接着性樹脂層(a)との接着強度が強固なものとなる。
【0028】
原紙にポリエチレンイミンをコートしない場合は、原紙と多層樹脂層中の接着性樹脂層(a)との十分な接着強度が得られない。
また、原紙にポリエチレンイミンコートしても、原紙にラミネートされる接着性樹脂がLDPEでは十分な接着強度が得られなかった。
従来、ポリエチレンイミンは難接着性の基材にLDPEを押し出しラミネートにより接着させるためのアンカーコート剤として用いられているが、LDPEの押し出しラミネート時の加工温度を300℃以上にすることで、はじめて十分な接着強度が得られるものであった。
【0029】
これに対し、本発明においては、ポリエチレンイミンを塗工した原紙を用い、かつ前記した接着性樹脂層(a)を多層樹脂層の表面側に用いて押し出しラミネートするので、LDPEその他の接着性樹脂を加工温度が300℃以下、さらには250℃程度の低加工温度とした場合でも強固な接着強度を得ることができる。
【0030】
次に、共押し出しされる多層樹脂層の各層の厚みについては、用途に応じて適宜決定すればよいが、そのなかで、バリア性樹脂層(b)の層の厚みは0.5〜30μとすることが好ましい。さらに望ましくは1〜25μである。
0.5μ未満ではバリア性が不足する恐れがあると共に製膜時に膜切れを起こすことがある。
30μを越えると積層体の折り曲げ強度や反発力などの機械的性質が強くなり過ぎて積層体から紙容器を成形する際の成形適性に支障がでる場合がある。
【0031】
接着性樹脂層(a)の厚みについては、原紙側と接合する層の厚さは1μ以上、望ましくは2μ以上が好ましい。
1μ未満であると原紙面側の凸凹がバリア性樹脂層(b)に現れてしまうため、バリア性樹脂層(b)が10μ以下程度の薄層の場合に、層の厚みが不均一となって、バリア性の低下をまねくおそれがある。
また、バリア性樹脂層(b)と熱可塑性樹脂層(c)を接合する接着性樹脂層(a’)層の厚さは0.5μ以上、さらに望ましくは1μ以上とする。
0.5μ未満であるとバリア性樹脂層(b)と熱可塑性樹脂層(c)との接合において十分な接着強度が得られにくいとともに、膜切れを起こすことがある。
【0032】
熱可塑性樹脂層(c)を設ける場合は、その厚みについては2μ以上、さらに望ましくは5μ以上とする。
2μ未満であると、積層体から紙容器を成形する際に必要なヒートシール強度が得られにくくなる。
以上のようにして得られた積層体においては、原紙の共押し出しラミネートされない面の上にヒートシール層を設けることもできる。
【0033】
ヒートシール層を設けることで、積層体から紙容器を成形する際のヒートシール層同士あるいはヒートシール層と積層体の反対面とのヒートシールが容易に行えるようになる。
このヒートシール層を設けるのは原紙面に印刷を施した後であってもよく、原紙の反対面に共押し出しラミネートを行う前に予め設けておいても良い。
【0034】
ヒートシール層を設ける場合は、原紙面に押し出しラミネートで積層するのが効率的であり、用いる樹脂としては、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン,超低密度ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂やシール性ポリエステルなどを用いることができる。
【0035】
このヒートシール層にポリオレフィン樹脂を使用する場合は、このポリオレフィン樹脂のMFRは0.5〜20g/10min、さらに望ましくは1〜15g/10minの範囲であるものが好ましい。
MFRが0.5g/10min未満では積層体から紙容器を成形する際のヒートシール適性が不足であり、MFRが20g/10minを越えるとホットタック性が低下して紙容器を成形する際にヒートシールしても剥がれてしまうなどの問題が発生しやすくなる。
【0036】
また、このヒートシール層の厚みは3〜100μ、さらに望ましくは5〜50μであるのが好ましい。
3μ未満では十分なヒートシール強度が得られにくい。100μを越えると積層体の折り曲げ強度や反発力などの機械的性質が強くなり過ぎて積層体から紙容器を成形する際の成形適性に支障がでる場合がある。
また、ヒートシール層の外側にはグラビア印刷やオフセット印刷,フレキソ印刷などを行うこともできる。このような場合はヒートシール層の外面にはコロナ処理や火炎処理を施すことが望ましい。
【0037】
さらに、前記積層体においては、共押し出しラミネートされた接着性樹脂層(a’)またはその外側に設けられた熱可塑性樹脂層(c)の上に、さらに内容物接触層を設けることも有効である。
この場合は、熱可塑性樹脂層(c)と同様のポリオレフィン樹脂やシール性ポリエステルなどを内容物接触層として押し出しラミネートで積層する方法のほか、別途作製した内容物接触層となるフィルムを接着性樹脂層(a)/バリア性樹脂層(b)/接着性樹脂層(a’)からなる3層構成、または接着性樹脂層(a)/バリア性樹脂層(b)/接着性樹脂層(a’)/熱可塑性樹脂層(c)の4層構成の多層樹脂層を原紙のポリエチレンイミンコートした面に共押し出しラミネートする際にサンドイッチラミネート法で積層することなどもできる。
【0038】
また、熱可塑性樹脂層(c)と同様のポリオレフィン樹脂などを積層体の接着性樹脂層(a’)またはその外側に設けられた熱可塑性樹脂層(c)に押し出しラミネートで積層しながら内容物接触層となるフィルムをサンドイッチラミネート法で積層する方法もある。
【0039】
フィルムを内容物接触層として用いる場合は、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン,超低密度ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂をインフレーション法やTダイキャスト法などで製膜したフィルムを用いることができる。
【0040】
この内容物接触層となるフィルムにポリオレフィン樹脂を使用する場合は、ポリオレフィン樹脂のMFRは0.5〜20g/10minさらに望ましくは1〜15g/10minの範囲であるものが好ましい。
MFRが0.5g/10min未満では積層体から紙容器を成形する際のヒートシール適性が不足であり、MFRが20g/10minを越えるとホットタック性が低下して紙容器を成形する際にヒートシールしても剥がれてしまうなどの問題が発生しやすくなる。
また、このポリオレフィン樹脂からなるフィルムの厚みは10〜100μ、さらに望ましくは15〜80μであるのが好ましい。
10μ未満ではそのフィルムを製造する際に安定した厚みのフィルムが製膜しにくい。100μを越えると積層体の折り曲げ強度や反発力などの機械的性質が強くなり過ぎて積層体から紙容器を成形する際の成形適性に支障がでる場合がある。
【0041】
さらにフィルムを内容物接触層として用いる場合は、例えば、LDPE/接着性樹脂/ポリエステルあるいはLDPE/接着性樹脂/EVOHのような共押し出しフィルムや複合フィルムを製膜し、LDPE面を積層体の共押し出しラミネートされた面側にして使用することもできる。
【0042】
以上のようにして得られた積層体には、必要に応じ、印刷,罫線加工,打ち抜き,エッジプロテクト,胴シール,底部成形,頂部成形,蓋材シールなどの加工を加え、内容物やその用途に応じ種々の形態、サイズの紙容器を製造することができる。
成形される紙容器の形態としては、例えばゲーブルトップ型,フラットトップ型,四面体型,カップ型,円筒型,袋状,トレー状などがあげられ、本発明の積層紙はその胴部分の部材として使用できるほか、底部材や蓋部材などとしても使用可能である。
【0043】
共押し出しラミネートされた多層樹脂層と原紙側との接着強度が強固であり、かつ低臭でバリア性の良好な積層体を、これら紙容器の構成部材として用いることにより、紙容器外部から侵入する酸素に対する酸素バリア性および内容物の香味成分を紙容器外に散逸させないフレーバーバリア性に優れ、内容物の長期保存に有効な紙容器を得ることができる。
【0044】
また、上記紙容器に内容物を充填し包装体として用いる場合に、内容物としては食品,非食品を問わず、液体,粉体,顆粒状,固形物,半固形物,ペースト状など様々な状態,形状の内容物を充填することができる。
【0045】
例えば、内容物が液体である場合、食用品としては、果汁,スポーツドリンク,コーヒー飲料,ウーロン茶や緑茶等の茶系飲料,ミネラルウォーター等の水系飲料などといった清涼飲料や、清酒やワイン,ウイスキー,焼酎をはじめとするアルコール飲料、牛乳や発酵乳等の乳飲料などの液体飲料類のほか、スープ,ポタージュ,麺ツユ,出汁などの液体食品類、醤油,ソース,タレなどの液体調味料類、植物油などの食用油類などがその内容物の例としてあげられる。
【0046】
非食品としては、液体洗剤やシャンプー,リンスなどの日用品類のほか、鉱物油、機械油などの容器としても有効に使用できる。
上記した中ではとくに液体飲料類、その中でもとりわけ清涼飲料の包装体として好適である。
【0047】
さらに内容物が液体以外の場合においては、食用品としては例えばヨーグルトやアイスクリームなどの半固形食品、ジャム,マヨネーズ,味噌などのペースト状物、インスタントコーヒー,調味料,茶葉などの乾燥した粉体,顆粒状物、スナック菓子,麺類,ハム,インスタント食品などの固形の加工食品などの容器としても使用することができる。
【0048】
非食品としては、例えば入浴剤や粉石鹸などの日用品、除草剤や農薬などの薬品、電子部品や機械部品,印刷インキ,接着剤などの産業資材等の容器としても有効である。上記した中ではとくに食用品の包装体として好適であり、その中でもヨーグルトやジャムなどの包装体として有効である。
【0049】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以降の実施例、比較例においては、特記ない限り、共押し出しラミネートにおいて以下の素材を用いている。
【0050】
熱可塑性樹脂層(c)として用いた低密度ポリエチレン(LDPE)は「ペトロセン204」(商品名,東ソー株式会社製,MFR=7g/10min)を使用した。
バリア性樹脂層(b)として用いたEVOHとしては「エバールC109」(商品名,株式会社クラレ製,MFR(210℃)=16g/10min)を使用した。
接着性樹脂層(a)および接着性樹脂層(a’)(Tie)としてはグラフト変性ポリオレフィンである「アドマーAT−1188」(商品名,三井化学株式会社製,MFR=6g/10min)を使用した。
【0051】
また、実施例、比較例に記載の評価の方法については以下の通りである。
(1)原紙/共押し出し樹脂層(多層樹脂層)の接着強度
サンプルを15mm巾に断裁し、原紙/共押し出し樹脂層の剥離強度を株式会社島津製作所製引張り試験機「オートグラフAGS−500D」にて測定した。
測定条件はヘッドスピード300mm/minとし、50mmの長さを剥離した際の平均剥離強度を接着強度とした。測定は3回行い平均値を記している。評価としては接着強度が100gf/15mm以上または紙層破壊となり測定不能であった場合に良好と判定した。
【0052】
(2)バリア性
バリア性を評価する指標としてサンプルの酸素透過度をModernControl社製酸素透過度測定器OX−TRAN10/50Aを用いて測定した。
測定条件は、温度20℃,湿度65%RHとした。測定は2回行い平均値を記している。評価としては酸素透過度が10ml/m2 ・Day・atm以下であった場合に良好と判定した。
【0053】
(3)臭気評価
サンプル0.5m2 を吸入コック付きデシケーターに入れ、20℃で15分間放置後、新コスモス電気株式会社製の臭気センサー「XP−329」をコックに接続し、コックを開いてデシケーター中の空気を吸入して臭気強度を測定した。
なお、検査室内の臭気レベルをゼロ基準とし、臭気センサー値の最大値を臭気強度とした。測定は2回行い平均値を記している。
評価としては臭気センサー値が500以下の場合に良好と判定した。
【0054】
(4)味覚官能テスト
比較サンプルとして、LDPE(20μ)/原紙(WEYERHAEUSER社製ミルクカートン用原紙,坪量313g/m2 )/LDPE(20μ)/アルミニウム箔(7μ)/エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(15μ)/LDPE(20μ)からなる構成の積層紙を作成し、この積層紙から積層紙の断面が容器内部に露出しない構造の900ml容量のゲーブルトップ型カートンを成形し市販オレンジジュースを充填した。
また、各実施例,比較例の積層体からも同様のカートンを成形し同じオレンジジュースを充填した。
充填後2週間冷蔵庫に保存したのち、各実施例,比較例の積層体からなるカートンと比較サンプルであるアルミニウム箔を使用したカートンを開封し中のオレンジジュースの味覚を8名のパネラーが比較し点数評価した。
点数は、アルミニウム箔を使用したカートンのオレンジジュースの味を基準とし、各実施例,比較例の積層体からなるカートンの味覚がアルミニウム箔を使用したカートンより良好であった場合に5点、同等の場合に4点、わずかに風味が落ちると感じた場合に3点、明らかに風味が落ちると感じた場合に2点、異味が感じられる場合は1点とし、各パネラーの評点の合計を味覚評点とした。
評価としては味覚評点が26点以上の場合に良好と判定した。
【0055】
[実施例1]
原紙としてWEYERHAEUSER社製ミルクカートン用原紙(坪量313g/m2 )を用い、該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
但し、ここでポリエチレンイミンとしては「AC−108」(商品名,大日本インキ化学工業株式会社製,変性ポリエチレンイミン固形分濃度0.8%)を用い、「AC−108」:イソプロピルアルコール=1:2(重量比)となる配合でグラビアコートした。この際、塗工量は5g/m2 とし、ポリエチレンイミンの固形分塗工量は0.013g/m2 であった。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにて、前記接着性樹脂層(a)/バリア性樹脂層(b)/接着性樹脂層(a’)/熱可塑性樹脂層(c)(以下の実施例および比較例においても同じ順番である)が、Tie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)/LDPE(20μ)からなる3種4層構成の多層樹脂層をTie(a)側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートした。この際、溶融した多層樹脂層の押し出し温度(加工温度)は280℃とした。
さらに、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
いずれの評価も良好な結果となっている。
また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。
結果として良好な評価が得られている。
【0056】
[実施例2]
原紙として原紙の表面にクレーコートを施してある「片面コートコップ原紙」(商品名,東京製紙株式会社製,坪量285g/m2 )を用い、原紙のクレーコート面にはグラビア印刷を施し、原紙の非コート面にはグラビア印刷工程で反転塗工によりポリエチレンイミンを全面コートした。なお、ポリエチレンイミンの配合,塗工量は実施例1と同様とした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(10μ)/Tie(5μ)/LDPE(35μ)からなる3種4層構成の多層樹脂層をTie(a)側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートした。この際、加工温度は265℃とした。
さらに、共押し出しラミネートされていない印刷面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
いずれの評価も良好な結果となっている。
また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。結果として良好な評価が得られている。
【0057】
[実施例3]
「コップ原紙」(商品名,東京製紙株式会社製,坪量220g/m2 )を長網式抄紙機にて抄造した。
この際、キャレンダー工程においてポリエチレンイミンとして「エポミンP−1000」(商品名,株式会社日本触媒製,固形分濃度30%)を添加したポリビニルアルコール水溶液を塗工剤として原紙の両面にコートした。なお塗工剤への「エポミン」の添加率は3重量%となるようにした。この際、塗工量は片面20g/m2 とし、ポリエチレンイミンの固形分塗工量は0.180g/m2 であった。
この原紙の裏面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(10μ)/Tie(5μ)/LDPE(35μ)からなる3種4層構成の多層樹脂層をTie(a)側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートした。
この際、加工温度は240℃とした。さらに、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。いずれの評価も良好な結果となっている。
また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。結果として良好な評価が得られている。
【0058】
[実施例4]
原紙としてWEYERHAEUSER社製ミルクカートン用原紙(坪量313g/m2 )を用い、実施例1と同様にして該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)/LDPE(5μ)からなる3種4層構成の多層樹脂層をTie(a)側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートしたが、この際、ラミネーターに設置したフィルムスタンドから内容物接触層としてメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「スズロンLV941」(商品名,アイセロ化学株式会社製,30μ)を繰り出してサンドイッチラミネート法で共押し出しラミネートされる3種4層構成の樹脂層のLDPE(5μ)面に積層した。
なお、溶融した3種4層構成の多層樹脂層の押し出し温度(加工温度)は280℃とした。
さらに、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。いずれの評価も良好な結果となっている。
また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。
結果として良好な評価が得られている。
【0059】
[実施例5]
LDPE(20μ)/Tie(5μ)/ポリエステル(15μ)の3層構成の共押し出しインフレーションフィルムを作成した。なお、このフィルム作成においてはLDPEとしては「ミラソン18SP」(商品名,三井化学株式会社製)を用い、Tieとしては「アドマーSF730」(商品名,三井化学株式会社製)を用いた。またポリエステルとしては非結晶性飽和ポリエステルである「クラペットKL576K」(商品名,株式会社クラレ製)を使用した。
原紙としてWEYERHAEUSER社製ミルクカートン用原紙(坪量313g/m2 )を用い、実施例4と同様にして該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
さらに、内容物接触層として「スズロンL V941」を用いる代わりに上記共押し出しインフレーションフィルムを用い、それ以外は実施例4と同様にして共押し出しラミネートを行いながらサンドイッチラミネート法で積層した。なお、ここでは上記共押し出しインフレーションフィルムのLDPE面を共押し出しラミネートされる3種4層構成の樹脂層のLDPE(5μ)面側とした。
さらに、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。結果として良好な評価が得られている。
【0060】
[実施例6]
原紙として「酒パック原紙」(商品名,東京製紙株式会社製,坪量400g/m2 )を用い、実施例1と同様にして該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)/LDPE(5μ)からなる3種4層構成の樹脂層をTie側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートした。なお、加工温度は240℃とした。
さらに共押し出しラミネートしたLDPE(5μ)面に内容物接触層として「ペトロセン204」(40μ)を押し出しラミネートした。
また、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。結果として良好な評価が得られている。
【0061】
[実施例7]
原紙として「酒パック原紙」(坪量400g/m2 )を用い、実施例1と同様にして該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)/LDPE(5μ)からなる3種4層構成の樹脂層をTie(a)側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートした。なお、加工温度は240℃とした。
さらに共押し出しラミネートしたLDPE(c)面に「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートし、その際に内容物接触層としてメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「スズロンL V941」をサンドイッチラミネート法で積層した。
また、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。 結果として良好な評価が得られている。
【0062】
[実施例8]
共押し出しラミネートに用いるTieとして「アドマーAT−1188」の代わりにエチレン系共重合体である「レクスパールET182」(商品名,日本ポリオレフィン株式会社製,MFR=8g/10min)を用いる以外は実施例2と同様にして積層体を作成した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。結果として良好な評価が得られている。
【0063】
[実施例9]
共押し出しラミネートに用いるEVOHの代わりに20μの層厚でポリアミドである「MXナイロン6007」(商品名,三菱瓦斯化学株式会社製)を使用し、Tieとして「アドマーAT−1188」の代わりに「アドマーNF505」(商品名,三井化学株式会社製,MFR=3.5g/10min)を使用する以外は実施例2と同様にして積層体を作成した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。 結果として良好な評価が得られている。
【0064】
[実施例10]
原紙として「片面コートコップ原紙」(坪量285g/m2 )を用い、原紙のクレーコート面にはグラビア印刷を施し、原紙の非コート面にはグラビア印刷工程で反転塗工によりポリエチレンイミンを全面コートした。なお、ポリエチレンイミンの配合,塗工量は実施例1と同様とした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(5μ)/ナイロン(5μ)/Tie(5μ)/LDPE(35μ)からなる4種5層構成の樹脂層をTie(a)側が原紙側になるようにして共押し出しラミネートした。なお、ここではTieとしては「アドマーNF500」(商品名,三井化学株式会社製,MFR=1.8g/10min)を使用し、ナイロンとしては[UBEナイロン1022C2」(商品名,宇部興産株式会社製)を使用した。またこの際、加工温度は265℃とした。
さらに、共押し出しラミネートされていない印刷面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。結果として良好な評価が得られている。
【0065】
[実施例11]
原紙として「酒パック原紙」(坪量400g/m2)を用い、実施例1と同様にして該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
この原紙にポロエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)からなる2種3層構成の多層樹脂層を共押し出しラミネートした。なお、加工温度は240℃とした。
さらに共押し出しラミネートしたTie(c)面に内容物接触層として「ペトロセン204」(40μ)を押し出しラミネートした。
また、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。 結果として良好な評価が得られている。
【0066】
[実施例12]
原紙として「酒パック原紙」(坪量400g/m2 )を用い、実施例1と同様にして該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)からなる2種3層構成の多層樹脂層を共押し出しラミネートした。なお、加工温度は240℃とした。
さらに共押し出しラミネートしたTie(c)面に「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートし、その際に内容物接触層としてメトロセン系直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「スズロンL V941」をサンドイッチラミネート法で積層した。
また、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。結果として良好な評価が得られている。
【0067】
[実施例13]
原紙として「酒パック原紙」(坪量400g/m2 )を用い、実施例1と同様にして該原紙の裏面に共押し出しラミネーターのインラインアンカーコート装置にてポリエチレンイミンをグラビアコートした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてTie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)からなる2種3層構成の樹脂層を共押し出しラミネートした。
その際に内容物接触層としてメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「スズロンL V941」をラミネーターに設置したフィルムスタンドから繰り出し、サンドイッチラミネート法で積層した。なお、加工温度は280℃とした。
また、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
いずれの評価も良好な結果となっている。また、積層体から前記したゲーブルトップ型カートンを作成し、味覚官能テストを行った結果を合わせて表1に記す。 結果として良好な評価が得られている。
【0068】
[比較例1]
原紙裏面にポリエチレンイミンをコートしないこと以外は実施例1と同様にして積層体を作成した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
バリア性および臭気評価の結果は良好であったが、ポリエチレンイミンコートがないため、実施例1と比べて原紙/共押し出し樹脂層の接着強度が低調で満足いくものではなかった。また、積層体から前期したゲーブルトップ型カートンを作成しようとしたが原紙/共押し出し樹脂層の接着強度が低調で作成できなかった。
【0069】
[比較例2]
原紙裏面にポリエチレンイミンをコートせず、共押し出しラミネート加工温度を315℃とする以外は実施例1と同様にして積層体を作成した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
比較例1より加工温度が高いために原紙/共押し出し樹脂層の接着強度は良好となったが、実施例1,比較例1より臭気強度が高くなってしまい満足いくものとはならなかった。また、積層体から前期したゲーブルトップ型カートンを作成し味覚官能テストを行ったが、樹脂臭が感じられたため評価は低調であった。
【0070】
[比較例3]
原紙としてWEYERHAEUSER社製ミルクカートン用原紙(坪量313g/m2 )を用い、該原紙の裏面に実施例1と同様にしてポリエチレンイミンをコートした。
この原紙にポリエチレンイミンを塗工した面に共押し出しラミネーターにてLDPE(20μ)/Tie(5μ)/EVOH(5μ)/Tie(5μ)/LDPE(20μ)からなる3種5層構成の樹脂層を共押し出しラミネートした。
この際、溶融した樹脂層の押し出し温度(加工温度)は280℃とした。
さらに、共押し出しラミネートされていない原紙表面にはヒートシール層としてLDPEである「ペトロセン204」(20μ)を押し出しラミネートにより積層した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
バリア性および臭気評価の結果は良好であったが、ポリエチレンイミンコートがあっても共押し出しラミネート構成のLDPEと原紙の接着強度が低調で満足いくものではなかった。また、積層体から前期したゲーブルトップ型カートンを作成しようとしたがLDPEと原紙の接着強度が低調で作成できなかった。
【0071】
[比較例4]
原紙裏面にポリエチレンイミンをコートせずに、共押し出しラミネート加工温度を315℃とする以外は比較例3と同様にして積層体を作成した。
このようにして得られた積層体の原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価を行った結果を表1に記す。
バリア性の評価結果は良好であり、比較例3より加工温度が高いために原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度は良好となったが臭気強度が高くなってしまい満足いくものではなかった。また、3種5層の共押し出しラミネート加工時にEVOH層で部分的に膜切れが発生していた。また、積層体から前期したゲーブルトップ型カートンを作成し味覚官能テストを行ったが、樹脂臭が感じられたため評価は低調であった。
【表1】
【0072】
前記表1の結果から明らかなように、本発明の積層体では原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度およびバリア性、臭気評価ともに良好な結果が得られたが、比較例1〜4ではバリア性の評価は良好であったものの、原紙/共押し出し多層樹脂層の接着強度または臭気評価が低調であり、比較例4では共押し出しラミネート加工工程での問題も発生した。
また、前記実施例における積層体を用いた紙容器では味覚官能テスト結果も良好であったのに対し、比較例2,4の場合では異味が感じられ良好な評価は得られなかった。
【0073】
【発明の効果】
本発明によると、共押し出しラミネートされた多層樹脂層と原紙とはポリエチレンイミンを介して接着されるので接着強度が強固であり、かつ低臭でバリア性の良好な積層体を得ることができる。
また、この積層体を用いた紙容器では、紙容器の外部から侵入する酸素に対する酸素バリア性および内容物の香味成分を紙容器の外部に散逸させないフレーバーバリア性に優れており、開封性,耐層間剥離性,容器包装としての廃棄処理適性に優れ、内容物の長期保存に有効な紙容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の積層体を模式的に示す図である。
【図2】別の実施例の積層体を模式的に示す図である。
Claims (9)
- 多層樹脂層が、接着性樹脂層(a’)の外側に熱可塑性樹脂層(c)を設けた少なくとも4層からなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- バリア性樹脂層(b)のエチレン−ビニルアルコール共重合体が、エチレンとビニルエステルからなる共重合体をアルカリ触媒等を用いてケン化して得られるもので、エチレン含有量は15〜60モル%からなっており、ビニルエステル成分のケン化度は、90%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 共押し出しラミネート時の溶融樹脂層のダイ出口における温度を240℃〜280℃としたことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 原紙の共押し出しラミネート面以外の面にヒートシール層を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
- 共押し出しラミネートされた面の上に内容物接触層を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体を成形してなる紙容器。
- 請求項7に記載の紙容器に内容物を充填してなる包装体。
- 内容物が清涼飲料である請求項8に記載の包装体。
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