JP5660440B2 - ロッドレスシリンダのシリンダガスケット - Google Patents

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本発明は、端部材の嵌入軸部に設けられたガスケット溝に嵌合され、シリンダチューブに設けられたシリンダ孔の長手方向両端開口を端部材で塞いだ状態でシリンダ孔の内面と内側シールバンドとに圧接し、シリンダチューブの両端開口を密封するロッドレスシリンダのシリンダガスケットに関する。
従来、シリンダチューブの長手方向に沿ってスリットとシリンダ孔を設け、スリットの開口内側を内側シールバンドで塞ぎ、シリンダチューブの長手両端を端部材で塞いで成るロッドレスシリンダに用いられ、端部材の嵌入軸部に設けられたガスケット溝に嵌装され、シリンダ孔の長手方向両端開口に端部材の嵌入軸部を嵌合した状態でシリンダ孔の内面と内側シールバンドとに圧接し、シリンダチューブの両端開口を密封するロッドレスシリンダのシリンダガスケットが知られている。
引用文献1に記載のシリンダガスケットは、内側シールバンド側には、内側シールバンドがスリットの幅方向両側内面に押し付けられた状態で内側シールバンドの両側端部とスリットの幅方向両側内面との間に形成される窪みに入り込む突起を設け、その突起間に突起部分より線径が細く、シリンダ孔の内面に圧接する部分の線径より太い内側シールバンドのシリンダ孔側の内側面に圧接する厚肉部を設けることで、内側シールバンドに対応する部分が大きな押圧力で内側シールバンドと圧接するようになっている。
特許第3324734号公報
ところが、端部材の嵌入軸部に設けられるガスケット溝は、シリンダガスケットの線径のバラツキを考え、シリンダガスケットの線径より幅方向長さを大きくしてあるので、ガスケット溝とシリンダガスケットとの間には隙間が生じる。しかし、シリンダガスケットの内側シールバンドに圧接している圧接部分にシリンダチューブ内の圧流体が集まると、その圧流体によって前記隙間に圧接部分が倒れたり、捩れたりするおそれがあり、シリンダガスケットの圧接部分が内側シールバンドから離れて生じる隙間から圧流体が漏れる問題があった。
そこで本発明の課題は、上記問題点に鑑み、簡単な構成でシリンダチューブ内の圧流体によって内側シールバンドとの圧接部分に隙間が生じないようにしたロッドレスシリンダのシリンダガスケットを提供することを目的とする。
本発明は、シリンダチューブの長手方向に沿ってスリットとシリンダ孔を設け、スリットの開口内側を内側シールバンドで塞ぎ、シリンダチューブの長手両端を端部材で塞いで成るロッドレスシリンダに用いられ、端部材の嵌入軸部に設けられたガスケット溝に嵌装され、シリンダ孔の長手方向両端開口に端部材の嵌入軸部を嵌合した状態でシリンダ孔の内面と内側シールバンドとに圧接し、シリンダチューブの両端開口を密封するロッドレスシリンダのシリンダガスケットにおいて、シリンダガスケットの幅方向両側面にはシリンダガスケットの形状に沿って倒れ止め部が突出するように形成され、その倒れ止め部は複数の突起部から成り、シリンダガスケットの幅方向両側面に設けた突起部間の長さはガスケット溝の幅方向長さと略同一となるように設定され、シリンダガスケットの内側シールバンドに圧接する圧接部分の近傍に設けた突起部をガスケット溝の一方の側面に当接させることで、シリンダチューブ内の圧流体によって内側シールバンドとの圧接部分が端部材側に倒れないようにし、その圧接部分が内側シールバンドから離れるのを防ぐようにしたことを特徴とする。
本発明では、エンドキャップの嵌入軸部に設けられたガスケット溝に嵌装されるシリンダガスケットの幅方向両側面にはシリンダガスケットの形状に沿って倒れ止め部が突出するように形成され、その倒れ止め部は複数の突起部から成り、シリンダガスケットの幅方向両側面に設けた突起部間の長さはガスケット溝の幅方向長さと略同一となるように設定され、シリンダガスケットの内側シールバンドに圧接する圧接部分の近傍に設けた突起部をガスケット溝の一方の側面に当接させることで、シリンダガスケットの内側シールバンドと圧接する圧接部分にシリンダチューブ内の圧流体が集まって、その圧流体によって圧接部分が倒れたり、捩れたりして内側シールバンドから離れようとしても、倒れ止め部がガスケット溝の側面に当接するために、前記圧接部分が内側シールバンドから離れるのが防止され、シリンダガスケットの内側シールバンドと圧接する圧接部分からシリンダチューブ内の圧流体が外部に漏れない。
ロッドレスシリンダを示す図である。 図1の縦断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 シリンダチューブに内側シールバンドを圧接させた状態を示す図である。 本発明のシリンダガスケットを示す図である。
図1に示すロッドレスシリンダ1のシリンダチューブ2は、非磁性材料を押出し、もしくは、引き抜き成形して成り、非円形のシリンダ孔3を有すると共に、その長手方向全長に亘って、スリット4が形成してある。シリンダチューブ2には、図4に示すように前記シリンダ孔3とスリット4の他に、幅方向左右の側壁外面にシリンダ孔3と平行に、端部材取付用の取付溝5とセンサ取付溝6とが形成されている。
シリンダ孔3は長円形をした非円形シリンダ孔であり、平面であるスリット側内面7とスリット4と対向するスリット対向側内面8とがスリット4両側の円弧形状内面9によって連続され、スリット側内面7には、スリット4の幅方向両側にシリンダチューブ2外側に向けて凸に湾曲する円弧面に形成された幅方向両側内面10を連続して形成してある。
シリンダチューブ2の長手両端部は、端部材として示す左右のエンドキャップ11で塞がれ、左右のエンドキャップ11間にシリンダ室13を形成している。エンドキャップ11はシリンダチューブ2に、シリンダガスケット15を嵌合したエンドキャップ11の嵌入軸部14をシリンダ孔3両端開口部に嵌入した状態で、前記端部材取付用の取付溝5に複数のタッピンねじ16を捩じ込むことで取付けられる。
シリンダ室13は、ピストン本体18aの両端にピストンエンド18bを有するピストン18により前後シリンダ室13A,13Bに区画されている。ピストン本体18aには、前記スリット4を貫通するピストンヨーク19が一体成形されている。そのピストンヨーク19は、シリンダチューブ2外側において左右に拡がり、ピストンマウント20となっている。ピストンマウント20は、外側シールバンド26の通過するバンド通過空間21を樹脂材料から成るカバー部材22で塞いでいる。これらピストン18とピストンヨーク19とピストンマウント20とにより移動体23が構成されている。ピストンマウント20の下端外周には、全周にわたってスクレーパ24が取り付けられ、シリンダチューブ2の上面との間とピストンマウント20の下面との間の隙間から塵埃侵入を防止している。
前記スリット4の内側と外側は内、外側シールバンド25,26により塞がれている。内、外側シールバンド25,26は前記ピストンヨーク19の上下を通り、その両端が左右のエンドキャップ11に連結される。内、外側シールバンド25,26は、厚みの薄い、弾性を有する可撓性バンドであり、例えばスチールバンドなどの磁性材料から成る。内、外側シールバンド25,26は周知のように、スリット4の幅より大きな幅を有している。これらの内、外側シールバンド25,26は、シリンダチューブ2外面において、スリット4両側に長手に沿って配置された磁石31により吸着され、ピストンヨーク19を通過している部分を除いて、内側シールバンド25は、その磁気吸着力とシリンダ室13に加わる流体圧力によりスリット4を内側から塞ぎ、また、外側シールバンド26は前記磁気吸着力によりスリット4を外側から塞ぐ。
内側シールバンド25は、図4に示すように、シリンダ孔3側に向く内側面25aの幅方向両端部がエッジ部分に向けて傾斜する傾斜面33に面取りされ、これと反対側の外側面25bの幅方向端部が前記スリット4の幅方向両側内面10に圧接し、この内側シールバンド25の両端部と幅方向両側内面10とにより窪み34が形成される。
前記エンドキャップ11は、内、外側シールバンド25,26が夫々対応して嵌め込まれるバンド挿入孔27,28が形成されている。また、上下方向に延び、バンド挿入孔27,28を貫くピン孔29が設けられている。このバンド挿入孔27,28に前記内、外側シールバンド25,26の長手方向両端が嵌め込まれ、両端に設けた図示しない取付孔とピン孔29とを一致させた状態で、これに取付ピン30を挿通して、エンドキャップ11に内、外側シールバンド25,26が連結される。また、エンドキャップ11にはキャップカバー32が取付けられ、上方から取付ピン30を抜け止めしている。
エンドキャップ11には、シリンダ孔3に嵌入される嵌入軸部14が突出形成されている。嵌入軸部14はシリンダ孔3の形状に対応した長円形をしている。嵌入軸部14の大径部35はシリンダ孔3に嵌合する。嵌入軸部14にピストンダンパ38が一体的に取付けられている。この嵌入軸部14と嵌入軸部14に取付けられたピストンダンパ38とによりシリンダガスケット15が嵌合されるガスケット溝40が構成される。ピストンダンパ38には、エンドキャップ11の給排孔42と連通する給排孔43が設けられている。
前記ガスケット溝40に嵌合されるシリンダガスケット15は、図5に示すように、ガスケット溝40の形状にあわせて長円形の環状に形成されている。シリンダガスケット15の内側シールバンド25側には、内側シールバンド25の幅方向両端部と幅方向両端内面10との間に形成される窪み34に対応した形状であり、この窪み34に入り込む突起44が設けられている。この突起44間は内側シールバンド25の内側面25aに圧接する厚肉部45となっている。厚肉部45部分は突起44部分より線径(圧縮方向厚さ)が細く(薄く)、シリンダ孔3の内面に圧接する他の部分の線径より太く(厚く)なっている。
本発明のシリンダガスケット15の幅方向両側面には倒れ止め部46が突出するように形成されている。その倒れ止め部46は環状のシリンダガスケット15の形状に沿って設けた複数の突起部47から成る。突起部47の一部はシリンダガスケット15の内側シールバンド25に圧接する前記突起44と厚肉部45とから成る圧接部分Aの近傍に設けられている。突起部47間の長さL1は、ガスケット溝40の幅方向長さL2と略同一となるように設定されているガスケット溝40にシリンダガスケット15を嵌合した状態で、嵌入軸部14をシリンダチューブ2両端開口部に嵌入すると、シリンダガスケット15がシリンダ孔3の内面と内側シールバンド25とに内側から圧接して、シリンダチューブ2の両端開口が密封されることになる。
以上のように構成されたロッドレスシリンダ1では、エンドキャップ11の嵌入軸部14に設けられたガスケット溝40に嵌装されるシリンダガスケット15の幅方向両側面に倒れ止め部46を設けたことで、シリンダガスケット15の内側シールバンド25と圧接する圧接部分Aにシリンダチューブ2内の圧流体が集まって、その圧流体によって圧接部分Aが倒れたり、捩れたりして内側シールバンド25から離れようとしても、倒れ止め部46がガスケット溝40の側面に当接するために、前記圧接部分Aが内側シールバンド25から離れるのが防止され、シリンダガスケット15の内側シールバンド25と圧接する圧接部分Aからシリンダチューブ2内の圧流体が外部に漏れることがない。
1 ロッドレスシリンダ
2 シリンダチューブ
3 シリンダ孔
4 スリット
11 エンドキャップ
14 嵌入軸部
15 シリンダガスケット
25 内側シールバンド
40 ガスケット溝
46 倒れ止め部
47 突起部
A 圧接部分

Claims (1)

  1. シリンダチューブの長手方向に沿ってスリットとシリンダ孔を設け、スリットの開口内側を内側シールバンドで塞ぎ、シリンダチューブの長手両端を端部材で塞いで成るロッドレスシリンダに用いられ、端部材の嵌入軸部に設けられたガスケット溝に嵌装され、シリンダ孔の長手方向両端開口に端部材の嵌入軸部を嵌合した状態でシリンダ孔の内面と内側シールバンドとに圧接し、シリンダチューブの両端開口を密封するロッドレスシリンダのシリンダガスケットにおいて、シリンダガスケットの幅方向両側面にはシリンダガスケットの形状に沿って倒れ止め部が突出するように形成され、その倒れ止め部は複数の突起部から成り、シリンダガスケットの幅方向両側面に設けた突起部間の長さはガスケット溝の幅方向長さと略同一となるように設定され、シリンダガスケットの内側シールバンドに圧接する圧接部分の近傍に設けた突起部をガスケット溝の一方の側面に当接させることで、シリンダチューブ内の圧流体によって内側シールバンドとの圧接部分が端部材側に倒れないようにし、その圧接部分が内側シールバンドから離れるのを防ぐようにしたことを特徴とするロッドレスシリンダのシリンダガスケット。
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