JP5658984B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents
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図10に示すように、特許文献1に記載の硬貨処理装置100では、筐体である装置本体103内に、正貨と見なされた硬貨を蓄積・収容する硬貨収容部101と、この硬貨収容部101内から釣り銭の額に応じて硬貨を払い出す硬貨払い出し部102を有する。
なお、ペイアウトスライド197に対向する位置にコイルセンサからなる払い出し確認センサ111を設けて、払い出しが行われたことを検出する。
硬貨識別手段では、硬貨識別センサであるコイルによって発生された磁束内を硬貨が通過する際に、磁束密度が変化することを利用して、硬貨の種類および正偽を識別する。このとき、硬貨識別センサの出力が環境温度によって変化するため、識別の精度を高めるために温度補正を行う。
すなわち、使用範囲内の各温度における硬貨識別センサの出力を、常温(例えば25℃)における出力レベルに補正・換算して、識別を行う。
すなわち、硬貨を払い出したにもかかわらず払い出し確認センサ111が払い出していないと検知し、払い出し制御部が再度払い出しを指令して過払いを行ったり、あるいは、逆に、払い出していないにもかかわらず払い出したと誤検出して、払い出し制御部が払い出しを行わず未払いが生じたりするおそれがある。
さらに、コインチューブの装着を誤識別するセーフティスイッチ異常を生じる場合もある。
図1に示すように、硬貨処理装置10は、例えば、自動販売機1や券売機等の機器内部に設けられて釣り銭等の硬貨Mの払い出しを行うものであり、自動販売機1の投入口2と硬貨処理装置10との間には、投入口2に投入された硬貨Mを硬貨処理装置10へ運ぶシュート3を有する。シュート3には、硬貨Mの特徴に基づいて正偽を識別する外部センサ4が配設されている。
なお、硬貨処理装置10には、後述するように、各部を制御する制御部50が設けられている(図6参照)。
硬貨識別センサ201は、コイルからなる磁気センサであって、コイルが磁界を発生させるとともに、磁界内を硬貨が通過することにより生じる磁束密度の変化を硬貨の特徴量として検出し電気信号として温度補正手段25に出力する。温度センサ24は、そのときの温度を温度補正手段25に出力する。
温度補正手段25は、環境温度の変化に対応できるように、温度センサ24からの温度に基づいて硬貨識別センサ201の出力値が変化したときに出力値を予め定められた温度における出力値レベルに補正し、硬貨識別センサ201による硬貨の識別を可能とするための補正後の硬貨特徴量を求め、制御部50に出力する。
制御部50は、温度補正手段25からの信号に基づいて、硬貨の種類および正偽の識別を行い、硬貨振り分け手段を制御して識別された硬貨を振り分け、正貨を硬貨収容部30の所定位置に搬送するように制御する。
すなわち、一般に、ダイオードの順方向電圧Vdは、温度が高くなると小さくなるという物性があり、V1=V0−Vdから、温度が高くなるとVdが小さくなるため、温度補正手段25は、V1が大きくなることから温度の変化を検出できる。
硬貨払い出し部40は、装置本体12の下部に配設される硬貨払い出しモータ46(図6参照)により回動する円板形状のペイアウトカム41を有しており、このペイアウトカム41に連動して図面左右方向へ往復スライド移動するペイアウトスライド42が、コインチューブ31毎に配設されている。
また、ペイアウトカム41にはキャリアスイッチ47が設けられており、ペイアウトカム41の回転・停止を検出する。
なお、各チェンジスライド43の後端(図中右端)には、チェンジスライド43の移動を制御する硬貨選択ソレノイド44がそれぞれ配設されている。すなわち、ペイアウトスライド42の硬貨収容孔421に収容されている硬貨Mを払い出す場合には、硬貨選択ソレノイド44を上昇させてチェンジスライド43の移動を許容し、硬貨Mを払い出す。
払い出し確認センサ45は、ペイアウトスライド42の硬貨収納孔421に収納された硬貨Mを磁気的に検出するセンサであり、ペイアウトスライド42の動作に伴って移動する硬貨Mを連続して検出することが可能な位置に配置される。
すなわち、一般に、ダイオードの出力電圧(以後、「ダイオード値」という。)は温度変化により変動する。例えば、図4に示すように、常温(25℃)を基準にして、50℃低い低温(−25℃)のダイオード値は+0.18Vであり、常温(25℃)より50℃高い高温(+75℃)のダイオード値は−0.18Vである。つまり、1℃あたりのダイオード値の変化量(温度補正係数)は、0.18÷50=0.0036(V)となる。
現在のダイオード値は、1ms毎に例えば16回サンプリングして求めた平均値である。
図5に示すように、サンプリング期間中(例えば16ms)に、所定の閾値よりも大きく変動した場合には、制御部50は電波を受けたと判断する。すなわち、例えば、閾値として0.09Vを採用した場合、0.09÷0.0036=25より、温度変化による変動と考えると、16msの間に25℃変化することを意味し、実際にはあり得ない。
従って、0.09Vより大きく変動した場合には、制御部50は、温度による変動ではなく、電波を受けたことによる変動であると判断する。また、このときのサンプリングによって得られたダイオード値の変動は、温度変化によるものではないので、更新しない。
また、ペイアウトカム41の回転・停止を検出するキャリアスイッチ47、ペイアウトスライド42の硬貨収容孔421に収容された硬貨Mを検出する払い出し確認センサ45が接続されている。
さらに、稼働履歴を記憶する稼働履歴メモリ52を有するメモリ51を内部に有する。
まず、セーフティスイッチ33により払い出しに必要なコインチューブ31の装着が検出されない場合、およびエンプティスイッチ32により払い出す硬貨Mの枚数が不足していると検出された場合には、制御部50は払い出し動作を終了させる。
監視(サンプリング)のタイミングは、例えば、硬貨払い出しモータ46を正転させる直前(タイミングA)、硬貨払い出しモータ46の正転開始からキャリアスイッチ47がオンとなるまでの間(タイミングB),および払い出し確認センサ45の確認までの間(タイミングC)とすることができる。
この場合、ダイオード値に変動はなく、電波を受けていないと判断されるので、硬貨Mの払い出しは、払い出し確認センサ45によって検出される。2枚目以降の払い出しについても、全く同様である。
(CASE−1):払い出し動作中に電波の照射を検出した場合
図8に示すように、制御部50は、1回の払い出し動作中においてサンプリング期間中(タイミングA〜タイミングC)に、温度センサ24のダイオード値が、所定の閾値よりも大きく変動したと検出した場合には、電波を受けたと判断する。
払い出し待機中に電波の照射を受けてエンプティスイッチ異常が生じると、「釣り銭有り」から「釣り銭なし」に変化する。あるいは、「釣り銭なし」から「釣り銭有り」に変化する。
このため、「釣り銭なし」から「釣り銭有り」に変化した場合には、釣り銭情報の更新を行わず、「釣り銭なし」の状態を維持する。これにより、払い出しは行われない。
すなわち、「コインチューブ有り」から「コインチューブなし」に変わった場合には、実際にはコインチューブ31が装着されているので、払い出しを実行しても違算障害は発生しない。
また、「コインチューブなし」から「コインチューブ有り」に変わった場合には、「コインチューブなし」の情報を更新しないことにより、払い出しは行われない。
このため、電波検出手段60が外部からの電波を検出した場合には、例えば払い出し確認センサ45の誤検知を予想して過払いおよび未払いを防止したり、電波による誤動作を防止することができる。
このため、電波検出手段60が電波を検出した場合には、払い出し確認センサ45による出力を無視して、実際に硬貨Mの払い出しを行うペイアウトスライド42を稼働させるキャリアスイッチ47のオンからオフへの変化から払い出し動作の確認を行う。
これにより、電波の影響を受けることなく払い出し動作を確認でき、過払いや未払い等の誤動作を防止することができる。
このため、電波検出手段60が電波を検出した場合には、セーフティスイッチ33の出力およびエンプティスイッチ32の出力を無視して、通常の払い出し動作を行うことにより、違算障害を防止できる。
20 硬貨識別手段
25 温度補正手段
30 硬貨収容部
31 コインチューブ
32 エンプティスイッチ
33 セーフティスイッチ
40 硬貨払い出し部
45 払い出し確認センサ
47 キャリアスイッチ
52 稼働履歴メモリ(電波検出記録手段)
60 電波検出手段
M 硬貨
Claims (5)
- コイルが発生した磁束内を硬貨が通過することにより生じる磁束密度の変化を該硬貨の特徴量として検出する硬貨識別センサと、環境温度の変化に対応して前記硬貨識別センサの出力値が変化したときに該出力値を予め定められた温度における出力値レベルに補正し、前記硬貨識別センサによる硬貨の識別を可能とするための補正後の硬貨特徴量を求める温度補正手段とを含む硬貨識別手段と、
前記硬貨識別手段により正貨と識別された硬貨を収容し、装置本体に対して着脱可能な硬貨収容部と、
前記硬貨収容部に収容された硬貨を払い出す硬貨払い出し部と、
外部からの電波を検出する電波検出手段と、
前記電波検出手段の検出結果に基づいて、前記硬貨収納部の状態に伴う制御と、前記硬貨払い出し部の動作制御を行う制御部とを備え、
前記電波検出手段は、前記温度補正手段に用いられている温度補正用ダイオードを用いることを特徴とする硬貨処理装置。 - 前記制御部は、サンプリング期間内における前記温度補正用ダイオードの出力電圧値の変動が所定の閾値よりも大きいときには、電波を検出したと判断することを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
- 前記電波検出手段による電波検出結果を記録する電波検出記録手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬貨処理装置。
- 前記制御部は、硬貨払い出し動作中に前記電波検出手段が電波を検出した場合には、前記硬貨払い出し部により払い出した硬貨を確認する払い出し確認センサの出力を無視して、1回の払い出し動作を制御するキャリアスイッチのオン・オフを認識することで1回の硬貨払い出し動作を終了することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の硬貨処理装置。
- 前記制御部は、硬貨払い出し待機中に前記電波検出手段が電波を検出した場合には、前記硬貨収容部におけるコインチューブの装着を判断するセーフティスイッチの変化および前記コインチューブにおける硬貨の有無を判断するエンプティスイッチの変化を無視することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の硬貨処理装置。
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