JP5656659B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、照明に適した大面積の有機EL素子の製造方法に関する。
有機発光素子は、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、第1電極と第2電極とに挟まれた有機発光層が発光するものである。有機発光素子として、既に、有機EL(エレクトロルミネセンス)素子が、液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイに用いられている。フラットパネルディスプレイは、画素数多いことから一つの画素が微細である。有機EL素子を用いたディスプレイも同様に画素が微細であり、微細な蒸着マスクを利用して有機EL素子をパターニングしている。また、近年、有機EL素子は、固体照明に用いられようとしている。
固体照明は、ディスプレイよりも高輝度が要求される製品である。例えば、ディスプレイで要求される輝度が1,000cd/m程度であるのに対し、固体照明では3,000〜5,000cd/m程度の輝度が要求される。そのため、単位面積当たりの大きな電流値を各電極に流す必要がある。
有機EL素子を用いたディスプレイにおいて、一つの発光素子の大きさは1mm角未満である。一方、有機EL素子を用いた固体照明では、ディスプレイよりも大きな光束が必要とされるため、一つの発光素子は100mm角以上の大きさが要求される。
有機EL素子では、光を取り出すために第1電極及び第2電極のいずれかに透明導電膜が必要となる。一般に、第1電極が透明導電膜とされる。透明導電膜の材料としては酸化インジウムスズ(ITO)などが用いられる。ITOは透明導電膜の材料の中で最も体積抵抗率が小さいとされるが、金属に比べるとITOの体積抵抗率は著しく高い。
透明導電膜を備えた有機EL素子を単一大面積に形成して大電流を流すと、素子周辺部が明るくなり、中央部が暗くなる現象(輝度ムラ)が生じる。これは、透明導電膜の抵抗値が高いことと、大電流により電圧降下が生じることに起因する。
電圧降下を小さくして明るさを均一に改善するためには、透明導電膜の膜厚を100〜500nm程度に厚くしてシート抵抗値を下げると良い。そうすることで、輝度ムラを抑制することができる。
しかしながら、透明導電膜の材料は高価であり、透明導電膜を厚くすると材料コストが高くなる問題が発生する。そのため、大きな素子パネルの内部で発光素子を小さな発光素子に分割し、分割した素子を直列に接続することにより、各電極に流れる電流を小さくする方法が検討されている(特許文献1〜7参照)。そうすることで、パネル全体の電圧を高くできるため、透明導電膜の抵抗を低減し、電圧降下を低減することができる。よって、大きな発光パネルであっても、内部の輝度の分布を低減することが可能となる。特許文献1〜7には、フォトリソグラフィを用いたパターニング加工により複数の発光素子を形成する方法やレーザ加工により発光素子の各層に分離溝を形成して複数の発光素子を形成する方法が開示されている。
特開2000−29404号公報 特開2008−227326号公報 特表2010−510626号公報 特開2010−21050号公報 特開平5−3076号公報 特開平8−222371号公報 特開2007−157659号公報
特許文献1に、フォトリソグラフィにより発光素子を形成した有機EL素子が開示されている。図4は、従来の有機EL素子の構成を示す概略断面図である。図4において、基板1上に第1電極2/有機発光層3/第2電極4から構成された発光素子が並べて配置され、隣り合う発光素子の各第1電極2は絶縁膜5により電気的に分離されている。また、隣り合う発光素子は、一方の発光素子の第1電極2を他方の発光素子の第2電極4に接触させることで直列接続の有機EL素子を形成している。
特許文献1では、第1電極を、フォトリソグラフィによるパターニング加工などによって基板上に形成する。基板上に形成された第1電極の上には、開口部を有する蒸着マスクを用いて真空蒸着により有機発光層を形成する。有機発光層の上には、別の開口部を有する蒸着マスクを用いて真空蒸着により第2電極を形成する。
パターニング加工により形成された第1電極は、端部が急峻な断面となるため、基板との間に段差が生じる。このパターニング周囲の段差部分に有機発光層を積層すると、段差部分に重なる有機発光層が薄膜化され、欠陥が発生しやすくなる。それにより、リーク電流や短絡などの問題が生じやすくなる。
上記問題を防止するため、パターニング周囲の段差部分には、フォトリソグラフィにより絶縁膜を形成している。特許文献1では、第1電極がパターニング加工された基板上の全面に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを乾燥させた後、加工したいパターンに露光マスクをかけて紫外線を照射し、プリベーク、エッチング、洗浄、ポストベークを経て高精度な絶縁膜をパターニング加工している。
フォトリソグラフィは、半導体やフラットパネルディスプレイでは一般に用いられている高精度な加工技術であるが、大規模かつ高価な製造設備が必要である。更に、フォトレジスト、エッチング液及び洗浄液の消耗部材にかかるコストと廃液処理に大きなランニング経費を必要とする。
また、蒸着マスクを用いた真空蒸着は、基板上に直接パターニングすることができる。しかしながら、基板が大型になると、高精細な蒸着マスクの精度が維持できなくなるため、照明のような大型基板で安価に製造する方法としては不向きである。
特許文献5〜7には、レーザ加工によって複数の発光素子が直列接続された有機EL素子が開示されている。
有機EL素子において有機発光層は、通常、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層が積層された有機多層膜とされる。有機発光層の第1電極側には正孔輸送性材料が含まれており、第2電極側には正孔輸送性材料とは反対の性質を有する電子輸送性材料が含まれている。有機EL素子は、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の真空一貫成膜で製造される。特に、第1電極と正孔注入層の界面、および電子注入層と第2電極の界面は表面状態および環境に非常に敏感であり、該界面の状態は素子特性に非常に大きく影響する。
真空または不活性気体環境において有機発光層にレーザを照射すると、有機発光層が熱的な蒸発またはアブレーションによる気化により除去される。その際、蒸発または気化された有機発光層の正孔輸送性材料を含む微粒子が飛散し、有機発光層の表面に位置する電子注入層の鏡面に分子レベルで付着する。異なる性質を有する材料が付着するため、有機EL素子の発光特性を低下させる要因となる。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、安定した発光特性を有する照明用に適した有機EL素子を、高価なフォトリソグラフィを使用することなく、レーザ加工により製造する有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に、第1電極と有機発光層と第2電極とから構成される発光素子を複数備え、隣り合う発光素子同士が電気的に直列接続された有機EL素子を製造する方法であって、前記第1電極が分割して形成された基板上に、前記有機発光層を形成する工程(A)と、該工程(A)の後、前記有機発光層の上のみに所定厚さの下部第2電極を形成する工程(B)と、該工程(B)の後、前記第1電極上に積層された有機発光層/下部第2電極の一部をレーザ加工により除去し、前記有機発光層/下部第2電極を複数の有機発光層/下部第2電極に分割する第1分割溝を形成する工程(C)と、該工程(C)の後、前記第1分割溝を埋め、且つ、前記複数の有機発光層/下部第2電極上を覆うよう上部第2電極を形成する工程(D)と、該工程(D)の後、前記第1電極上に積層された有機発光層/下部第2電極/上部第2電極の一部をレーザ加工により除去し、前記有機発光層/下部第2電極/上部第2電極を複数の有機発光層/下部第2電極/上部第2電極に分割する第2分割溝を形成する工程(E)と、を備える有機EL素子の製造方法を提供する。
上記発明によれば、有機発光層をレーザ加工により分離する際、有機発光層の上面は下部第2電極で覆われているため、レーザ加工により除去された有機発光層が飛散して有機発光層の上に付着することを防止できる。有機EL素子の発光特性を安定化させることができる。
上記発明の一態様において、前記工程(B)において、前記下部第2電極の所定厚さを、1nm以上100nm以下とすることが好ましい。
上記構成とすることで、有機発光層と下部第2電極との界面を確実に形成することができ、且つ、有機発光層とともに下部第2電極をレーザ加工により除去することができる。
上記発明の一態様において、前記工程(C)を、内部が真空または不活性気体環境となる容器内で、容器内を排気しながら行うことが好ましい。
そのようにすることで、レーザ加工により除去された物質が容器外へ排出されるため、有機発光層の汚染を抑制することができる。
上記発明の一態様において、前記工程(E)を、内部が真空または不活性気体環境となる容器内で、容器内を排気しながら行うことが好ましい。
そのようにすることで、レーザ加工により除去された物質が容器外へ排出されるため、下部第2電極及び上部第2電極がレーザ加工部の有機発光層断面に付着することを抑制できる。それによって、リーク電流や短絡の発生を抑制することが可能となる。
上記発明の一態様において、前記第2電極が導電性金属を含み、前記工程(E)において、前記レーザ加工を真空または不活性気体環境に酸素気体を混合した環境で行うことが好ましい。
酸素を含む環境でレーザ加工することで、レーザ加工により飛散した下部第2電極及び上部第2電極の金属微粒子を酸化させ、絶縁体とすることができる。それにより、飛散した下部第2電極及び上部第2電極の金属微粒子が有機発光層の側面などに付着した場合であっても、リーク電流や短絡の発生を防止することが可能となる。
上記発明の一態様において、レーザビームの通過経路を筒状部材で囲い、該筒状部材のレーザビーム出口側に吸引経路を接続し、該吸引経路を介して吸引しながらレーザ加工を行うことが好ましい。
レーザビームの出口付近、すなわち、被レーザ照射位置の近傍で吸引することで、レーザ加工により除去された有機発光層や第2電極下部第2電極及び上部第2電極が飛散し、加工部付近に再付着するなどの汚染を低減できる。これによって、リーク電流や短絡の発生を抑制することが可能となる。
本発明によれば、有機発光層の上に薄い下部第2電極を形成した後に、レーザ加工により有機発光層を分離することで、異なる特性を有する材料が有機発光層に付着することを防止できる。それによって、高価なフォトリソグラフィを使用することなく、且つ、安定した発光特性を有する照明用に適した有機EL素子を製造するための有機EL素子の製造方法を提供する。
本発明の一実施形態に係る有機EL素子の製造方法で製造した有機EL素子の概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る有機EL素子の製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係るレーザ加工の構成図である。 従来の有機EL素子の構成を示す概略断面図である。
以下に、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態に係る製造方法で製造した有機EL素子の概略平面図を示す。本実施形態に係る有機EL素子の製造方法で製造した有機EL素子は、基板1上に第1電極2、有機発光層3、及び第2電極4が順に積層された発光素子を備える。発光素子は基板上に複数並べて配置されており、隣り合う発光素子同士は、一方の発光素子の第1電極と他方の発光素子の第2電極とが接触することで、電気的に直列接続されている。各発光素子の第1電極2の縁部には絶縁膜5が設けられ、隣り合う第1電極2同士を電気的に分離している。第2電極4aは、第1電極2から電気を引き出すための引き出し電極である。並べて配置された複数の発光素子の最も外側に位置する発光素子の第1電極2を引き出し電極として用いる場合、第2電極4aは省略されて良い。
基板1は、透光性基板とされる。例えば、300mm×300mm×厚さ0.7mmのガラス基板などが用いられる。
第1電極2は、導電性を有する透明な膜とされる。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの金属酸化膜などを用いることができる。第1電極2の厚さは、100nm〜500nm程度とされる。
有機発光層3は、有機発光材料からなる有機多層膜とされる。例えば、有機多層膜の構成は、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層などとされる。有機発光層3の総厚さは、100nm〜300nm程度とされる。
第2電極4は、下部第2電極及び上部第2電極から構成されている。下部第2電極及び上部第2電極は、共に導電性を有する膜からなる。例えば、下部第2電極及び上部第2電極は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの金属膜とされる。第2電極4の厚さは、10nm以上500nm以下とされる。下部第2電極及び上部第2電極は、同じ導電性材料からなっても良く、別の導電性材料からなっても良い。
下部第2電極は、有機発光層の上のみに積層されている。よって、発光素子に含まれる下部第2電極は、1つの発光素子内に電荷を注入させるための電極として作用する。下部第2電極の厚さは、1nm以上50nm以下の範囲が好ましい。上記範囲は、下部第2電極が有機発光層と確実に界面を形成すること、及びレーザ加工での除去性を考慮したものである。また、下部第2電極の材質はリチウム(Li)やマグネシウム(Mg)などのアルカリ系金属やその他酸化物との混合もしくは積層であっても良い。
上部第2電極は、下部第2電極の上に、下部第2電極を覆うように積層されている。上部第2電極は、第1電極2に接触して配置される部分を有する。それにより1つの発光素子内に通電させるための電極としての作用に加え、隣り合う発光素子同士を電気的に直列接続する電極として作用する。
絶縁膜5は、電気的に絶縁な膜とされる。例えば、ポジ型レジスト、ネガ型レジスト、または他の硬化型樹脂などを用いることができる。絶縁膜5の厚さは、100nm〜10μmの範囲が良い。絶縁膜5の幅は、ディスプレイの場合は非常に狭い幅が要求されるが、100mm角サイズ以上の有機EL照明では幅狭は要求されず、精度も要求されないことから、0.05mm〜2mmが好ましい。
次に、本実施形態に係る有機EL素子の製造方法を説明する。図2に、本実施形態に係る有機EL素子の製造方法の一例を説明する断面図を示す。
(1)図2(a)
基板1上に、第1電極2をパターニングする。
(2)図2(b)
第1電極2が形成された基板1の表面を洗浄する。その後、第1電極2が形成された基板1上の所定部分に絶縁材料を塗布し、硬化させる。所定部分は、分割して形成された第1電極同士が向かい合う縁部とその近傍とする。また、所定部分は、上記縁部とその近傍以外に、縁部から一定距離をあけて第1電極2の面方向内側に位置する第1電極2上の一部を含んでも良い。
絶縁材料は、非接触方式にて塗布する。非接触方式で絶縁膜5を塗布する方法としては、ドット吐出型のディスペンサーが最適である。ドット吐出型のディスペンサーとしては、例えば、アシムテック社製のJET MASTER(登録商標)2などを用いることができる。絶縁材料の塗布は、1つの発光素子に対して単一のノズル6を用いて行う。ノズル6の吐出口の大きさなどは、使用する絶縁材料の種類や、対象とする発光素子の大きさに応じて適宜設定される。
ドット吐出型のディスペンサーを用いる場合、まず、単一ノズル6の先端を第1電極2が形成された基板1上に向け、先端が第1電極2と接触しないよう間隔をあけて単一ノズル6を配置する。例えば、第1電極2の縁部(パターニング段差部分)に対し、第1電極2の表面から0.1〜1.0mmの間隔をあけて単一ノズル6を配置すると良い。
次に、単一ノズル6から第1電極2が形成された基板1上の所定部分に向けて絶縁材料を断続的に吐出する。また、絶縁材料を吐出しながら、基板1または単一ノズル6を相対的に移動させて、所定部分に連続した線形の絶縁膜5を形成する。絶縁材料の吐出量や、基板1または単一ノズル6の移動速度などは、塗布対象表面の濡れ性、絶縁材料の種類及び粘度を考慮し、絶縁膜5が所望の厚さ及び幅となるよう適宜設定される。
例えば、吐出量5nL、吐出粒直径約0.2mm、吐出繰返し速度を200dot/sec、移動速度を100mm/secとした条件では、吐出粒子は0.5mm間隔で基板上に塗布される。塗布された絶縁材料は基材に着弾後、厚さ5μm、幅2.0mmの絶縁膜5となる。この幅は、100mm角以上の照明用有機EL素子では十分許容可能であるが、吐出量と間隔を変えることにより幅を変えることは容易である。
塗布した絶縁材料の硬化方法は、使用する絶縁材料に応じて適宜選択する。絶縁材料は有機材料が好ましく、絶縁材料としてポジ型レジストを用いた場合、塗布後に加熱する(ポストベーク)のみで硬化することができる。絶縁材料は所定部分にのみ塗布されているため、従来のフォトリソグラフィによる絶縁膜の形成で必要であったプリベーク、露光、及び現像の工程が不要となる。そのため、従来絶縁膜の形成に用いられていたフォトリソグラフィ技術と比較して、絶縁材料の使用量を低減することができる上、従来のベーク炉を使用するのみで新たな設備は必要としない。
(3)図2(c):有機発光層形成工程及び下部第2電極形成工程
上記で絶縁膜5まで形成した基板1を真空蒸着装置内に搬入する。実際の真空蒸着室内では、基板の製膜面は下向きになるが、説明を理解しやすくするために上向きの記載とする。
基板1上に、開口部を有する有機用蒸着マスク7を配置し、有機材料を積層蒸着して有機発光層3を形成する。例えば、第1電極としてITOが120nm形成された基板1に、有機発光層3として正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層を120nm積層蒸着する。有機材料の他の蒸着条件は、任意とする。
有機発光層3を形成した後、開口部が有機発光層3と重なるように基板1上に有機用蒸着マスク7を配置し、導電性材料を有機発光層3上に積層蒸着して下部第2電極4bを形成する。下部第2電極4bを形成する工程は、有機発光層3を形成する工程と連続して実施することが好ましい。
(4)図2(d):第1分割溝形成工程
下部第2電極4bを形成した後、第1電極2上に積層された有機発光層3/下部第2電極4bの下部第2電極4b側からレーザビーム9を照射して、有機発光層3/下部第2電極4bの一部を除去し第1分割溝8を形成する。レーザ加工条件は、有機発光層3及び下部第2電極4bの材質や厚さなどに応じて適宜設定される。例えば、下部第2電極4bとしてアルミニウムを10nm積層蒸着する。レーザはフェムト秒レーザを用い、波長810nm、パルス幅150fs、レーザ出力100mJ/cm、繰返し周波数200kHz、レーザビーム径20μmの条件で加工する。第1分割溝8は、第1電極2の端に、基板1上に分割して形成された第1電極2の分割面(縁部)方向に沿って形成すると良い。また、上記縁部から一定距離をあけて、上記縁部よりも第1電極2の内側に位置する第1電極上に絶縁膜5を設けた場合、第1分割溝8は、上記第1電極2上に設けられた絶縁膜5と上記縁部との間に、絶縁膜と隣接して形成すると良い。
(5)図2(e):上部第2電極形成工程
第1分割溝8を形成した後、基板1を別の真空蒸着装置に搬入する。基板1上(下部第2電極4bが形成されている側)に、開口部を有する第2電極用蒸着マスク10を配置し、導電性材料を積層蒸着して上部第2電極4cを形成する。第2電極蒸着マスク8は、開口部が先に形成された第1電極2と有機発光層3と下部第2電極4bとに重なるように配置する。また、上部第2電極は、第1分割溝を埋めるよう形成する。例えば、上部第2電極4cとしてアルミニウムを90nm蒸着する。導電性材料の他の蒸着条件は、任意とする。
(6)図2(f):第2分割溝形成工程
上部第2電極4cを形成した後、第1電極2上に積層された有機発光層3/下部第2電極4b/上部第2電極4cに上部第2電極4c側からレーザビーム9を照射し、有機発光層3/下部第2電極4b/上部第2電極4cの一部をレーザ加工により除去し第2分割溝11を形成する。レーザ加工条件は、有機発光層3、下部第2電極4b及び上部第2電極4cの材質や厚さなどに応じて適宜設定される。例えば、レーザは前記同様にフェムト秒レーザを用い、波長1045nm、パルス幅500fs、レーザ出力200mJ/cm、繰返し周波数200kHz、レーザビーム径20μmの条件で加工する。第2分割溝11は、同じ第1電極2上に形成された第1分割溝8との間に発光素子が存在しないよう形成される。例えば、第2分割溝11を、第1分割溝8よりも第1電極2の面方向内側に、第1分割溝8と隣接するよう形成する。また、絶縁膜5を上記縁部から一定距離をあけて内側に位置する第1電極2上に設けた場合、第2分割溝11を、上記第1電極2上に設けられた絶縁膜の上に、第2分割溝11の底面が絶縁膜5となるよう形成すると良い。その場合、第2分割溝11は第1分割溝8と接していなくても良い。第2分割溝形成工程の後、適宜封止部材を形成する(不図示)。
なお、本実施形態において第2電極4を真空蒸着により製膜したが、これに限定されず、スパッタリング法によって製膜しても良い。
次にレーザ加工方法について説明する。
第1分割溝8及び第2分割溝11を形成するためのレーザ加工は、真空または不活性気体環境で実施されると良い。例えば、レーザ加工は、内部を真空または不活性気体環境とできる容器内で実施されると良い。本実施形態では、不活性気体環境とできる容器内でレーザ加工を行う。図3に、本実施形態に係るレーザ加工の構成図を示す。
容器20は、ガス導入口21、レーザビーム導入窓22及び駆動ステージ(不図示)を備えている。駆動ステージは、被加工対象物23を保持することができ、且つ、水平方向(矢印X及び矢印Y方向)に移動することもできる。
容器20は、レーザビーム導入窓22の容器内側に、レーザビーム経路を囲う筒状部材24を備えていることが好ましい。筒状部材24は、レーザビーム9の出口側付近に筒状部材24の内部と連通した吸引経路25が接続されている。吸引経路25の他端部は容器20外に配置されている。
レーザ加工が施される被加工対象物23を、容器20内に搬入し、被加工面をレーザビーム導入窓22に向けて駆動ステージに載せ、保持させる。その後、ガス導入口21から容器20内に水分濃度の低い高純度の不活性気体を導入し、容器20内を不活性気体で満たす。不活性気体は、窒素ガスやアルゴンガスが適している。不活性気体の純度は99.99%以上が望ましく、不活性気体の水分残留濃度は1ppm以下が望ましい。
次に、吸引経路25を介して吸引し、レーザビームの出口付近の気体を容器20外へと排出する。吸引する際には、ガス導入口21から高純度の不活性気体を導入して容器20内の圧力を一定に保持する。レーザビーム導入窓22を介して被加工対象物23にレーザビーム9を照射する。駆動ステージを適宜水平移動させ、所定部分に分割溝を形成する。
有機発光層3や第2電極4(下部第2電極及び上部第2電極)にレーザビーム9を照射すると、それらに含まれる物質が熱による蒸発と、アブレーションによる分解により気化し、拡散消失する。
本実施形態によれば、容器20内を排気しながら、容器20に不活性気体を導入することで、容器20内を一定圧力に保持しつつ、レーザ加工により除去された物質が容器20外へ排出されるため、除去された物質による有機発光層3の汚染を抑制することができる。それによって、発光特性を安定化することが可能となる。
また、第2分離溝11を形成する工程におけるレーザ加工では、不活性気体に酸素を混合して容器20内に導入しても良い。酸素濃度は、0.1体積%以上20体積%以下(大気中の酸素分圧以下)が望ましい。
レーザ加工により除去された物質は、完全な気体でないものを含む場合がある。そのため、完全な気体でなく蒸発した物質は、レーザ照射された加工部近傍に飛散し、再付着する可能性がある。これは、一般にデブリとも呼ばれ、加工周辺部の汚染の原因となる。不活性気体に酸素を混合させて容器内に導入すると、完全な気体でない物質に含まれる第2電極由来の金属微粒子が酸化し、絶縁体とすることができる。これによって、レーザ加工によって飛散した物質が、レーザ加工端面や加工済み箇所へ再付着した場合であっても、リーク電流の発生防止することができる。上記酸素を混合する方法は、特に、第2電極としてアルミニウムを用いた場合に有効である。
1 基板
2 第1電極
3 有機発光層
4 第2電極
4a 第2電極(引き出し用電極)
4b 下部第2電極
4c 上部第2電極
5 絶縁膜
6 ノズル
7 有機用蒸着マスク
8 第1分割溝
9 レーザビーム
10 第2電極用蒸着マスク
11 第2分割溝
20 容器
21 ガス導入口
22 レーザビーム導入窓
23 被加工対象物
24 筒状部材
25 吸引経路

Claims (6)

  1. 基板上に、第1電極と有機発光層と第2電極とから構成される発光素子を複数備え、隣り合う発光素子同士が電気的に直列接続された有機EL素子を製造する方法であって、
    前記第1電極が分割して形成された基板上に、前記有機発光層を形成する工程(A)と、
    該工程(A)の後、前記有機発光層の上のみに所定厚さの下部第2電極を形成する工程(B)と、
    該工程(B)の後、前記第1電極上に積層された有機発光層/下部第2電極の一部をレーザ加工により除去し、前記有機発光層/下部第2電極を複数の有機発光層/下部第2電極に分割する第1分割溝を形成する工程(C)と、
    該工程(C)の後、前記第1分割溝を埋め、且つ、前記複数の有機発光層/下部第2電極上を覆うよう上部第2電極を形成する工程(D)と、
    該工程(D)の後、前記第1電極上に積層された有機発光層/下部第2電極/上部第2電極の一部をレーザ加工により除去し、前記有機発光層/下部第2電極/上部第2電極を複数の有機発光層/下部第2電極/上部第2電極に分割する第2分割溝を形成する工程(E)と、
    を備える有機EL素子の製造方法。
  2. 前記工程(B)において、前記下部第2電極の所定厚さを、1nm以上100nm以下とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記工程(C)を、内部が真空または不活性気体環境となる容器内で、容器内を排気しながら行う請求項1または請求項2に記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記工程(E)を、内部が真空または不活性気体環境となる容器内で、容器内を排気しながら行う請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  5. 前記第2電極が導電性金属を含み、
    前記工程(E)において、前記レーザ加工を真空または不活性気体環境に酸素気体を混合した環境で行う請求項4に記載の有機EL素子の製造方法。
  6. レーザビームの通過経路を筒状部材で囲い、該筒状部材のレーザビーム出口側に吸引経路を接続し、該吸引経路を介して吸引しながらレーザ加工を行う請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
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