JP5655506B2 - 一眼レフカメラのリターンミラー機構 - Google Patents
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Description
モータが停止しているときは、付勢手段の付勢力によってリターンミラーが干渉位置に位置するので、撮影者はファインダを通して被写体を観察できる。一方、連写モードにおいてシャッターボタンを全押しすると、モータが1秒間に複数回回転することによりカム盤が1秒間に複数回回転するので、カム盤のカム面から力を受けるチャージレバーが複数回揺動する。するとQRレバーが、リターンミラーが干渉位置に位置するのを許容する位置と、駆動軸を押圧することによりリターンミラーを付勢手段の付勢力に抗して非干渉位置に移動させる位置との間を連続して揺動し、かつこのリターンミラーの動きに連動してシャッターと撮像素子が連続して動作するので、被写体が複数回連続で撮像される。
近年、連写モード時の連写速度に対する高速化の要求が高まっているため、カム盤の回転速度は高速化している。そのため、リターンミラーが非干渉位置まで回転したときに、リターンミラーがストッパから大きな反力を受けて干渉位置側に瞬間的に大きくバウンドし、その直後に非干渉位置まで戻るバウンド現象が起こるおそれが高くなっている。バウンド現象が起こると、撮影したい光束がミラーにケラれたり、次の撮影の為のファインダー像が揺れたりするおそれがある。
別の方策としては、ストッパにバウンド現象を抑制するためのダンパを設けることが考えられる。しかしダンパを設けると、部品点数が増えて製造コストが大きくなるだけでなく、ダンパの取付スペース分だけカメラボディが大型化してしまう。
この場合は、上記バウンド規制突部が上記バウンド規制溝の内部に位置するときに、該バウンド規制溝の側面と上記バウンド規制突部との間に隙間が形成されるようにしてもよい。
しかも、リターンミラーまたは往復駆動部材に第1バウンド規制部を形成し、かつ回転カム部材に第2バウンド規制部を形成しているので、これらの部材とは別部材であるダンパを設ける場合に比べて、製造コストの増大及びカメラボディの大型化を抑制できる。
図1に示すように本発明を適用したデジタルカメラ10は、撮影レンズLを内蔵する交換式レンズ鏡筒11と、その前面開口部に交換式レンズ鏡筒11を着脱可能なカメラボディ12とからなるものである。カメラボディ12内の後部には撮影レンズLの光軸O上に位置する撮像素子13が固定してあり、撮像素子13の直前には光軸O上に位置するシャッター14が設けてある。また、カメラボディ12内の上部にはプリズム15が固定してあり、カメラボディ12の後面にはプリズム15の直後に位置するファインダ窓16が設けてある。
さらにカメラボディ12内には回転可能なリターンミラー20が設けてある。リターンミラー20は、後端部側に左右一対の回転支持軸21を一体的に具備する方形枠状のミラー支持枠22と、ミラー支持枠22の内部に固定したミラー23と、を具備している。ミラー支持枠22の左側部の後部には左方に向かって延びる被押圧突部24が一体的に形成してあり、右側部の前端部にはストッパ片25が一体的に突設してある。左右の回転支持軸21はカメラボディ12の左右の内壁に回転可能に支持してあるので、リターンミラー20は回転支持軸21を中心に、光軸Oに対して45°をなしかつ撮影レンズLを透過した光束と干渉する干渉位置(図1の実線、図2、図3、図8及び図9の位置)と、光軸Oと略平行をなしかつ該光束の上方に退避する非干渉位置(図1の仮想線及び図6の位置)との間を回転可能である。図2に示すように、カメラボディ12の右側の内壁には軸線が左右方向に延びる偏心ネジ機構を利用してストッパ27が固定してあり、リターンミラー20が干渉位置まで回転するとストッパ片25の下面がストッパ27に当接することにより、リターンミラー20のそれ以上の下方への回転が規制される。また、図示は省略してあるが、リターンミラー20が非干渉位置まで回転するとミラー支持枠22の前縁部26がカメラボディ12の内部に固定した緩衝部品(図示略)に当接し、リターンミラー20のそれ以上の上方への回転が規制される。リターンミラー20が干渉位置に位置するときは、撮影レンズLを透過した光束はミラー23によってプリズム15側に反射されその後ファインダ窓16に向かう。従って、このとき撮影者はファインダ窓16を覗くことにより被写体を観察できる。一方、リターンミラー20が非干渉位置に位置するとリターンミラー20は撮影レンズLを透過した光束と干渉しなくなるので、光束はシャッター14側に向かう。
図2及び図3に示すように、ミラー位置制御レバー30のボス34には捻りコイルばねS1の巻回部S1aが掛け回してあり、捻りコイルばねS1の一端である係止端部S1bはミラー位置制御レバー30の端面に係止してあり、捻りコイルばねS1の他端である係止端部S1cは被押圧突部24の下面に係止してある。
さらに図3に示すように、回転支持軸31には捻りコイルばねS1よりも付勢力が強い捻りコイルばねS2の巻回部S2aが掛け回してあり、捻りコイルばねS2の一端である係止端部S2bはカメラボディ12の内壁に形成した係止部(図示略)に係止してあり、捻りコイルばねS2の他端である係止端部S2cはばね掛け部32に係止してある。そのため、ミラー位置制御レバー30は捻りコイルばねS2の付勢力によって常に図3の反時計方向に回転付勢されている。
回転カムギヤ40のギヤ歯42は、カメラボディ12の左側の内壁に回転可能に支持されたシャッター用回転カムギヤ(図示略)と噛合しており、シャッター用回転カムギヤはギヤ列を介してカメラボディ12の内部に固定したモータ(駆動手段)M(図1参照)の回転出力軸に接続している。
モータMはカメラボディ12に設けたシャッターボタン(図示略)を全押ししないときは停止している。一方、通常撮影モードでシャッターボタンを1回全押しすると1回転し、連写モードでシャッターボタンを1回全押しすると1秒間に連続で5回転する。モータMが停止状態のとき回転カムギヤ40は図2及び図9に示す初期位置に位置する。そして、通常撮影モードでモータMが回転すると回転カムギヤ40は初期位置から図3の反時計方向(図3、図6〜8の矢印R方向)に1回転し、連写モードにおいてモータMが回転すると回転カムギヤ40は1秒間に5回転する。
以上説明した部材のうち、リターンミラー20、ミラー位置制御レバー30、回転カムギヤ40、シャッター用回転カムギヤ、ギヤ列、モータM、捻りコイルばねS1、及び捻りコイルばねS2がリターンミラー機構50の構成要素である。
図9はモータMが停止している撮影待機状態にあるときのリターンミラー機構50を示している。このとき、回転カムギヤ40は初期位置に位置し、カム突部35のカムフォロア面36は円筒部43の外周面から上方に離間しており、かつ捻りコイルばねS2によって付勢されているミラー位置制御レバー30の押圧部33が、捻りコイルばねS1によって付勢されているリターンミラー20の被押圧突部24を上方から下方に押圧しているので、リターンミラー20はストッパ片25がストッパ27に接触する干渉位置に位置する。
撮影モードが連写モードのときにシャッターボタンを1回全押しすると、モータMが上記方向に1秒間に5回連続で回転する。そして、ギヤ列及びシャッター用回転カムギヤを介してモータMの回転力を受けた回転カムギヤ40が初期位置から図6に示す位置までR方向に回転するとカム突部45のカム面46がカム突部35のカムフォロア面36に接触し、中心軸孔41から径方向に遠い位置までミラー位置制御レバー30を押し上げるので、ミラー位置制御レバー30が捻りコイルばねS2の付勢力に抗して図6に示す回転許容位置まで回転する。すると、ミラー位置制御レバー30の押圧部33がリターンミラー20の被押圧突部24から上方に離れ、ミラー位置制御レバー30と一緒に回転した捻りコイルばねS1の係止端部S1cが被押圧突部24の下側を上方に持ち上げるので、リターンミラー20は図6に示す非干渉位置まで回転し、ミラー支持枠22の前縁部26が上記緩衝部品に当接する。
そしてモータMがさらに回転すると、カム面46における中心軸孔41からの径方向距離が近い部分(図6でカムフォロア面36に接触する部分より近い部分)がカム突部35のカムフォロア面36に接触するので、図7に示すようにミラー位置制御レバー30は図6の回転許容位置から下方に移動し、押圧部33が被押圧突部24を下方に押圧する。すると、図7に示すように非干渉位置に位置していたリターンミラー20が干渉位置側に回転し、バウンド規制突部47がバウンド規制溝37の前側の開口端部に接近する。
そしてモータMがさらに回転することにより回転カムギヤ40が初期位置に復帰すると、リターンミラー機構50は図2及び図9に示す状態に復帰する。
連写モードにおいてはモータMが1秒の間に5回連続で回転するので、シャッターボタンを1秒間押し続けたとすると、リターンミラー機構50はこの動作を5回連続で行い、リターンミラー機構50は再び撮影待機状態(図2及び図9の状態)となる。
従って、連写モードにおいてシャッターボタン全押しを維持すると、1秒間にこの動作が5回連続で行われ、撮像素子13が被写体を5回連続で撮像する。
しかも、被押圧突部24、押圧部33、ストッパ27、ストッパ片25などにミラー位置制御レバー30や回転カムギヤ40とは別部材であるダンパを設ける場合に比べて、製造コストの増大及びカメラボディの大型化を抑制できる。
さらに、ミラー位置制御レバー30のバウンド規制溝37と回転カムギヤ40のバウンド規制突部47の左右方向位置が一致しているので、リターンミラー機構50は特に左右方向にコンパクト化されている。
さらに、図8に示したように、バウンド規制突部47がバウンド規制溝37内に進入したときに、バウンド規制突部47とバウンド規制溝37の両側面の間には隙間が形成される。そのため、リターンミラー20やミラー位置制御レバー30の相対位置(またはバウンド規制溝37とバウンド規制突部47の相対位置)が設計位置から多少ずれていても、バウンド規制突部47はバウンド規制溝37の内部を円滑に通過でき、リターンミラー機構50の動作が不円滑になることがない。
即ち、図10は交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12から取り外したときにユーザーが撮影待機状態にあるリターンミラー機構50のリターンミラー20を非干渉位置側に無理に回転させた後に、シャッターボタンを全押しすることによりモータMを回転させたときの様子を示している。このようにリターンミラー20の位置が所定の位置(干渉位置)からずれた状態でモータMを回転させると、バウンド規制溝37の前側開口端部とバウンド規制突部47の位置がずれ、その結果、バウンド規制突部47の傾斜端面48が端部突部38の前面に衝突することがある。しかし、このような場合であっても、回転カムギヤ40の径方向に対して傾斜する傾斜端面48が端部突部38を上方に押圧しながら端部突部38の(カムフォロア面36)の下方を通過する。従って、ミラー位置制御レバー30と回転カムギヤ40が図10の状態でロックされることはなく、リターンミラー機構50、撮像素子13及びシャッター14はこの後に所定の動作を円滑に行う。
例えば、バウンド規制溝37に相当する溝をミラー支持枠22に形成し、リターンミラー20が干渉位置まで回転したときに回転カムギヤ40のバウンド規制突部47を当該溝に進入させてもよい。また、回転カムギヤ40にバウンド規制溝37に相当する溝(請求項1の第2バウンド規制部に相当)を形成し、ミラー位置制御レバー30またはミラー支持枠22にバウンド規制突部47に相当する突部(請求項1の第1バウンド規制部に相当)を形成してもよい。
さらに、付勢手段によってリターンミラー20を干渉位置側に付勢し、かつモータMの動力によって回転付勢されたミラー位置制御レバー30によってリターンミラー20を上方(非干渉位置側)に押圧するようにし、かつ、回転カムギヤ40が初期位置に位置するときにリターンミラー20が非干渉位置に位置するようにした上で、リターンミラー20が非干渉位置に達したときに第1バウンド規制部と第2バウンド規制部でリターンミラー20のバウンドを規制してもよい。
さらに、撮像素子13を省略することによりカメラボディ12を銀塩カメラ用のカメラボディとすることも可能である。
11 交換式レンズ鏡筒
12 カメラボディ
13 撮像素子
14 シャッター
15 プリズム
16 ファインダ窓
17 支持軸
20 リターンミラー
21 回転支持軸
22 ミラー支持枠
23 ミラー
24 被押圧突部
25 ストッパ片
27 ストッパ
30 ミラー位置制御レバー(往復駆動部材)
31 回転支持軸
32 ばね掛け部
33 押圧部
34 ボス
35 カム突部
36 カムフォロア面
37 バウンド規制溝(第1バウンド規制部)
38 端部突部
40 回転カムギヤ(回転カム部材)(一方向回転部材)
41 中心軸孔
42 ギヤ歯
43 円筒部
45 カム突部
46 カム面
47 バウンド規制突部(第2バウンド規制部)
48 傾斜端面
50 リターンミラー機構
L 撮影レンズ
M モータ(駆動手段)
O 光軸
S1 捻りコイルばね(付勢手段)
S1a 巻回部
S1b S1c 係止端部
S2 捻りコイルばね(付勢手段)
S2a 巻回部
S2b S2c 係止端部
Claims (7)
- 撮影レンズを透過した光束をファインダ側に反射させる干渉位置と、上記光束との干渉を避ける非干渉位置との間を往復運動可能で、かつ上記干渉位置と非干渉位置の一方に向けて付勢されたリターンミラーと、
上記干渉位置と非干渉位置の他方まで回転したリターンミラーと接触することにより、リターンミラーが上記他方の位置を超えて回転するのを規制するストッパと、
駆動手段の駆動力によって一方向に回転する一方向回転部材と、
該一方向回転部材の回転によって上記リターンミラーを往復運動させる往復駆動部材と、
上記往復駆動部材又は上記リターンミラーに形成した第1バウンド規制部と、
上記一方向回転部材に形成した、上記リターンミラーが上記他方の位置に移動して上記ストッパと接触したときに、リターンミラーの該ストッパに対するバウンドを上記第1バウンド規制部に接触することにより所定範囲内で規制する第2バウンド規制部と、
を備えることを特徴とする一眼レフカメラのリターンミラー機構。 - 請求項1記載の一眼レフカメラのリターンミラー機構において、
上記一方向回転部材が、カム面を具備し、かつ上記駆動手段の駆動力によって一方向に回転すると共に該駆動手段が停止するときは初期位置に位置する回転カム部材であり、
上記往復駆動部材が、付勢手段の付勢力によって該回転カム部材の上記カム面と接触するカムフォロア面を具備し、上記回転カム部材の回転に伴って該カムフォロア面の上記カム面に対する接触位置が変化することにより、上記リターンミラーが上記一方の位置まで回転するのを許容する回転許容位置と、上記リターンミラーを上記他方の位置まで押圧する最大押圧位置とに交互に移動するミラー位置制御レバーである一眼レフカメラのリターンミラー機構。 - 請求項1または2記載の一眼レフカメラのリターンミラー機構において、
上記第2バウンド規制部は、上記回転カム部材が上記初期位置以外の位置に位置するときに、上記第1バウンド規制部に接触する一眼レフカメラのリターンミラー機構。 - 請求項2または3記載の一眼レフカメラのリターンミラー機構において、
上記撮影レンズを着脱可能なカメラボディ内に、上記リターンミラー、ストッパ、回転カム部材、ミラー位置制御レバー、第1バウンド規制部、及び第2バウンド規制部を設け、
上記回転カム部材が上記初期位置に位置するとき、上記第1バウンド規制部と上記第2バウンド規制部の係合を不能にした一眼レフカメラのリターンミラー機構。 - 請求項2、2に従属する3、及び4のいずれか1項記載の一眼レフカメラのリターンミラー機構において、
上記第1バウンド規制部と上記第2バウンド規制部の一方が、ミラー位置制御レバーまたはリターンミラーと上記回転カム部材との一方に形成したバウンド規制突部であり、
上記第1バウンド規制部と上記第2バウンド規制部の他方が、ミラー位置制御レバーまたはリターンミラーと上記回転カム部材との他方に形成した、上記バウンド規制突部が通過可能なバウンド規制溝の側面である一眼レフカメラのリターンミラー機構。 - 請求項5項記載の一眼レフカメラのリターンミラー機構において、
上記バウンド規制突部が上記バウンド規制溝の内部に位置するときに、該バウンド規制溝の側面と上記バウンド規制突部との間に隙間が形成される一眼レフカメラのリターンミラー機構。 - 請求項5または6記載の一眼レフカメラのリターンミラー機構において、
上記バウンド規制突部における上記回転カム部材の回転方向側の端面を、上記回転カム部材の径方向に対して傾斜する傾斜端面とした一眼レフカメラのリターンミラー機構。
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