JP5655297B2 - 物体検出装置、物体検出装置を備えた車両の安全システム - Google Patents
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Description
を検知するための反射波の受信レベルの閾値を、停止物が自車両の近傍の一定範囲内にある場合にのみ、移動物体を検知するための反射波の受信レベルの閾値よりも高くすることにより、自車両の近傍にある停止物(通過可能なゲートのバーなど)を障害物として検知しないようにする技術が提案されている(特許文献1を参照)。
と判定するため、自車両の近傍の一定範囲内にある真の障害物と非障害物とを区別することが難しい。また、例えば歩道橋とゲートのバーとはいずれも非障害物だが、自車両からの距離が異なるため、検出した停止物がある一定範囲内にあるか否かだけでは、障害物か否かの判定を正確に行なうことは難しい。
上下方向の分解能が所定レベルに満たないレーダにより自車両の前方に存在する物体を検出するレーダ部と、
前記レーダ部により自車両の前方に存在する絶対速度が所定値未満の物体を静止物体として検出する静止物体検出部と、
自車両の前方に存在する絶対速度が前記所定値以上の物体を移動物体として検出する移動物体検出部と、
前記静止物体検出部により検出された静止物体の検出位置の周囲に、その範囲に存在する移動物体は該静止物体に衝突することを回避不可能又は該静止物体に既に衝突したと推定できるように定められる所定の探索範囲を設定する設定部と、
前記移動物体検出部による移動物体の検出結果のうちに検出位置が前記探索範囲に入る検出結果が存在する場合、前記静止物体検出部により検出された静止物体は自車両の走行にとって障害とならない非障害物であると判定する判定部と、
を備えることを特徴とする。
前記静止物体検出部により検出された静止物体の、静止物体検出部による当該検出がなされるまでの移動履歴を取得する移動履歴取得部を備え、
前記移動履歴取得部により取得された移動履歴に、自車両の進路に接近する向きに移動する移動履歴が存在する場合、前記判定部は、前記移動物体検出部による移動物体の検出結果のうちに検出位置が前記探索範囲に入る検出結果が存在しても、前記静止物体検出部
により検出された静止物体を非障害物とは判定しないようにしても良い。
前記判定部により非障害物と判定された前記静止物体の当該判定がなされた後の移動を検出する移動検出部を備え、
前記移動検出部により前記静止物体の前記移動が検出された場合、前記判定部は、当該物体についての前記非障害物判定を取り消しても良い。
前記設定部は、前記移動物体検出部により検出された移動物体の絶対速度の検出値に基づいて前記探索範囲の左右方向の幅を決定するものであって、前記絶対速度の検出値が遅いほど前記左右方向の幅を小さくしても良い。
移動を検出しても良い。
載した車両の概略の機能構成を表すブロック図である。
いる。危険回避制御としては、追突時の乗員のむち打ち障害を軽減するようにヘッドレスト130の位置を変化させたり、衝突を回避又は衝突の被害を軽減するようブレーキ140を自動制御したり、運転者に自発的な危険回避行動を行なわせるべく警報器150により警報を
発したり、といった制御を例示できる。これらの危険回避制御は例示のためのものであっ
て、制御部120により実行される危険回避制御をこれらに限定することを旨とするもので
はない。
部40と、判定部50と、移動履歴取得部60と、移動検出部70と、を備える。
レーダ部10は、車両100の前方にミリ波を放射するとともにミリ波を反射する物体から
の反射波を受信し、該反射波の情報から車両100の前方に存在する物体を検出する。本実
施例のレーダ部10は、左右方向のチャンネルのみスキャン可能に構成され、上下方向の分解能は所定レベルに満たないものとする。ここで、所定レベルとは、自車両の前方に検出された物体が、路上にあり車両が衝突し得るもの(路上散乱物など)か、頭上にありくぐり抜けられるもの(歩道橋など)か、路上にあり走行の障害とならないもの(マンホールのふたなど)か、を区別することが可能な分解能レベルである。物体検出部12は、反射波の角度から物体の方向を検出し、ミリ波を放射してから反射波を受信するまでの時間から物体までの距離を検出し、反射波の周波数変化からドップラー効果に基づく計算によって車両100と物体との相対速度を検出する。
静止物体検出部20は、レーダ部10により自車両の前方に存在する絶対速度が所定値未満の物体を静止物体として検出する。所定値は、レーダ部10の誤差を考慮し、静止物体と移動物体とを確実に区別可能なように設定される、物体の絶対速度の検出値に関する閾値である。例えば、絶対速度の検出値が10km/h未満である物体を静止物体として検出する。静止物体として検出することを想定している物体は、地面に対する相対速度がほぼ0の物体
であり、車両100の進路上に静止している人間や路上散乱物などのような走行の障害にな
る物体の他、歩道の安全な位置に静止している歩行者、歩道橋、ゲートのバーなどの走行の障害にならない物体も含まれる。
移動物体検出部30は、レーダ部10により自車両の前方に存在する絶対速度が所定値以上の物体を移動物体として検出する。移動物体として検出することを想定している物体は、具体的には先行車であるが、これは自車両のすぐ前に存在する先行車に限らない。また、先行車以外の移動物体も検出対象として想定している。
設定部40は、静止物体検出部20により検出された静止物体の検出位置の周囲に、その範囲に存在する移動物体は該静止物体に衝突することを回避不可能又は該静止物体に既に衝突したと推定できるように定められる所定の探索範囲を設定する。
自車両、先行車及び静止物体の前後関係を示す図である。図2(B)は、探索範囲を示す図である。
を表す。図2(B)に示すように、探索範囲は、静止物体の検出位置Xの左右方向にそれぞ
れ幅A、静止物体の検出位置Xの前方向に幅B1、静止物体の検出位置Xの後方向に幅B2の範
囲である。探索範囲は、レーダ部10により移動物体として検出された物体(先行車)の検出位置がこの範囲内に入っていれば、当該移動物体はこの静止物体を既に通過したか、又はこれから到達することが不可避と判断できる範囲である。
速度は速度検出部40により検出する。本実施例では、先行車の絶対速度が遅いほど、左右方向の幅Aを小さい値に設定する。例えば、先行車の絶対速度が50km/hの通常走行時は1.0m、15km/hの徐行時は0.5mとする。この設定値は一例であり、先行車の絶対速度に応じて
幅Aを連続的に変化させても良いし、複数の値に段階的に切り替えても良い。
止物体の検出位置Xに存在した移動物体が、今回の演算時に存在し得る範囲であり、静止
物体の距離の検出値Ds、静止物体の相対速度の検出値Vs、先行車の相対速度の検出値Vl、演算時間Δtとした場合、B1=Ds+(Vl-Vs)×Δtである。演算時間Δtは、判定部20による障害物判定処理の実行周期に基づいて定まる。
置に到達するか、又は静止物体の位置に到達することが不可避の範囲であり、衝突余裕時間TTCとした場合、B2=Ds-(Vl-Vs)×Δt-(Vl-Vs)×TTCである。本実施例では衝突余裕時間TTCを0.6sとする。この設定値は一例であり、静止物体と移動物体との相対距離の検出値
、静止物体に対する移動物体の相対速度の検出値に応じて設定しても良い。
判定部50は、移動物体検出部30による移動物体の検出結果のうちに検出位置が探索範囲に入る検出結果が存在する場合、静止物体検出部20により検出された静止物体は自車両の走行にとって障害とならない非障害物であると判定する。判定部50は、判定結果を制御部120に渡す。判定部20が静止物体を障害物であると判定した場合は、制御部120が上述した危険回避制御を実行する一方、判定部20が静止物体を障害物ではないと判定した場合は、制御部120は上述した危険回避制御を実行しない。判定部50による障害物判定処理の詳細
は後述する。
移動履歴取得部60は、静止物体検出部20により検出された静止物体の静止物体検出部20による当該検出がなされるまでの移動履歴を取得する。移動履歴取得部60は、レーダ部10による物体の検出結果を取得し、当該検出結果の一定期間分の履歴を保存する。後述するように、判定部50による障害物判定処理では、過去に車道に接近する向きの移動をしていた履歴がある静止物体については、非障害物とは判定しない、という処理が行なわれる。判定部50は、静止物体検出部20が検出した静止物体に関する過去の移動履歴を確認するために、移動履歴取得部60に保存されているレーダ部10による過去の検出結果を参照する。検出結果を保存する「一定期間」は、判定部50による上記の処理において、静止物体検出部20が検出した静止物体の過去の移動履歴をどの程度までさかのぼって確認するか、という設定に応じて決定される。
構成を例示したが、レーダ部10以外の何らかの検出装置による検出結果を保存するものであっても良い。
移動検出部70は、判定部50により非障害物と判定された静止物体の当該判定がなされた後の移動を検出する。移動検出部70は、レーダ部10による検出結果を取得して、それに基づいて、一旦非障害物判定がなされた静止物体のその後の動きを監視する。後述するように、本実施例では、一旦判定部50により非障害物と判定された静止物体についても、当該判定がなされた後に動き始めたことが移動検出部70により検出された場合には、非障害物との判定を取り消し、危険回避制御の実行契機となり得る物体として扱う。
移動物体検出部30により検出された移動物体の検出位置X1が探索範囲内に入っていれば、この移動物体にとって、この静止物体は、回避する必要がなかった(従って通過した)か、又は回避する必要がない(従って衝突が不可避の状態にある)物体である。自車両前方に存在する移動物体(先行車)は自車両と同等のポリシーに従って移動していると仮定すれば、先行車にとって回避する必要がなかった静止物体や先行車が回避する必要がないと判断している静止物体は、自車両にとっても同様に回避する必要がないと推定できる。この推定に基づき、本実施例の判定部50は、静止物体検出部20が検出した静止物体の検出位置の周囲に設定部40が設定する探索範囲内に、移動物体検出部30が検出したいずれかの移動物体の検出位置が入っている場合は、この静止物体を非障害物と判定する。そして、この静止物体の静止物体検出部20による検出を契機として制御部120が危険回避制御を実
行することを抑止する。一方、この探索範囲内に、移動物体検出部30が検出したいずれの移動物体の検出位置も入っていない場合は、この静止物体を非障害物とは判定しない。この場合、必要に応じてこの静止物体を障害物として判定し、この静止物体の静止物体検出部20による検出を契機として制御部120に危険回避制御を実行させるようにしても良い。
索範囲に入っているので、判定部50はこの静止物体を非障害物と判定する。従って、静止物体検出部20によるこの静止物体の検出を契機として制御部120が危険回避制御を実行す
ることはない。一方、移動物体検出部30により検出された移動物体の検出位置X2は、この探索範囲に入っていないので、判定部50は、他の移動物体の検出位置でこの探索範囲に入るものが存在しない限り、この静止物体を非障害物とは判定しない。従って、静止物体検出部20によるこの静止物体の検出を契機として制御部120は自車両がこの静止物体に衝突
することを回避又は衝突の被害を軽減すべく危険回避制御を実行する。
して判定され、歩行者の検出を契機とした危険回避制御は実行されない。
ように、本実施例では、静止物体検出部20が検出した静止物体の検出位置を基準として設定される探索範囲内にその検出位置が入る移動物体が移動物体検出部30により検出された場合であっても、静止物体検出部20による当該静止物体の検出がなされるまでの移動履歴に自車両の進路に接近する向きに移動する移動履歴が存在する場合は、当該静止物体を非障害物とは判定しない。
にかけて、歩道から車道に向かって移動し、時刻t3からt4において車道の脇で静止していたとする。そして、時刻t3において静止物体検出部20により歩行者が静止物体として検出され、設定部40により歩行者の検出位置X(t3)の周囲に探索範囲が設定され、移動物体検
出部30により検出された先行車の検出位置X1(t3)がこの探索範囲に入ったとする。この時、判定部50は、移動履歴取得部60から、歩行者が時刻t3において静止物体検出部20により検出されるまでの一定期間分の検出結果を取得し、時刻t1からt3にかけての歩行者の移動履歴を確認する。判定部50は、時刻t1からt3にかけての歩行者の移動履歴に、自車両の進路である車道へ接近する向きの移動履歴が存在することを確認した場合、歩行者の検出位置X(t3)の周囲に設定される探索範囲内に先行車の検出位置X1(t3)が入っていても、当該
歩行者を非障害物とは判定しない。そして、必要に応じて制御部120に危険回避制御の実
行を指示する。一方、歩行者の移動履歴に、車道へ接近する向きの移動履歴が存在しないことを確認した場合、例えば、歩行者が道路脇の一定の位置で長時間立ち話をしているなどの状況が考えられ、このような場合には、この歩行者は自車両の進路に侵入する可能性は低いので、この歩行者を非障害物と判定し、危険回避制御の実行を抑止する。なお、時刻t3において非障害物としての認定が行なわれなかった静止物体については、時刻t4以降の障害物判定処理の対象とせず、非障害物でないとの判定を維持するようにしても良い。或いは、一定期間非障害物でないとの判定を維持した後、再度障害物判定をやり直しても良い。或いは、時刻t4においても最初から障害物判定処理を行なって判定しても良い。
図4は、以上説明した本実施例の障害物判定処理の手順を表すフローチャートである。
。
る。静止物体の検出がある場合、判定部20はステップS30に進み、静止物体でない場合は
本フローチャートの処理を終了する。
検出された静止物体の当該検出されるまでの移動履歴を確認し、当該静止物体の移動履歴に自車両の進路に接近する向きの移動履歴が存在するか判定する。静止物体の移動履歴に自車両の進路に接近する向きの移動履歴が存在する場合、判定部50はステップS40に進み
、存在しない場合は本フローチャートの処理を終了する。
るか判定する。移動物体の検出がある場合、判定部50はステップS50に進み、移動物体の
検出がない場合は本フローチャートの処理を終了する。
いて当該移動物体の絶対速度を取得し、当該絶対速度に応じて探索範囲の幅Aを決定する
。また、設定部40は、静止物体検出部20及び移動物体検出部30による前記静止物体及び前記移動物体の検出結果に基づいて当該静止物体までの距離の検出値Ds、移動物体の相対速度の検出値Vl、静止物体の相対速度の検出値Vsを取得し、探索範囲の前方範囲B1及び後方範囲B2を決定する。
プS50で設定された探索範囲内に入っているか判定する。移動物体の検出位置が探索範囲
内に入っている場合、判定部50はステップS70に進み、上記の静止物体を非障害物と判定
する。先行車の検出位置が探索範囲に入っていない場合は、判定部50は上記の静止物体を非障害物とは判定しない。必要に応じて、ステップS90の処理により該静止物体を障害物
と判定しても良い。
がなされた静止物体の移動を監視する期間は適当な定数に設定する。
110 物体検出装置
120 制御部
130 ヘッドレスト
140 ブレーキ
150 警報器
10 レーダ部
20 静止物体検出部
30 移動物体検出部
40 設定部
50 判定部
60 移動履歴取得部
70 移動検出部
Claims (5)
- 上下方向の分解能が所定レベルに満たないレーダにより自車両の前方に存在する物体を検出するレーダ部と、
前記レーダ部により自車両の前方に存在する絶対速度が所定値未満の物体を静止物体として検出する静止物体検出部と、
自車両の前方に存在する絶対速度が前記所定値以上の物体を移動物体として検出する移動物体検出部と、
前記静止物体検出部により検出された静止物体の検出位置の周囲に、その範囲に存在する移動物体は該静止物体に衝突することを回避不可能又は該静止物体に既に衝突したと推定できるように定められる所定の探索範囲を設定する設定部と、
前記移動物体検出部による移動物体の検出結果のうちに検出位置が前記探索範囲に入る検出結果が存在する場合、前記静止物体検出部により検出された静止物体は自車両の走行にとって障害とならない非障害物であると判定する判定部と、
前記判定部により非障害物と判定された前記静止物体の当該判定がなされた後の移動を検出する移動検出部と、
を備え、前記移動検出部により前記静止物体の前記移動が検出された場合、前記判定部は、当該物体についての前記非障害物判定を取り消す物体検出装置であって、
前記設定部は、前記移動物体検出部により検出された移動物体の絶対速度の検出値に基づいて前記探索範囲の左右方向の幅を決定するものであって、前記絶対速度の検出値が遅いほど前記左右方向の幅を小さくすることを特徴とする物体検出装置。 - 請求項1において、
前記静止物体検出部により検出された静止物体の、静止物体検出部による当該検出がなされるまでの移動履歴を取得する移動履歴取得部を備え、
前記移動履歴取得部により取得された移動履歴に、自車両の進路に接近する向きに移動する移動履歴が存在する場合、前記判定部は、前記移動物体検出部による移動物体の検出結果のうちに検出位置が前記探索範囲に入る検出結果が存在しても、前記静止物体検出部により検出された静止物体を非障害物とは判定しないことを特徴とする物体検出装置。 - 請求項1又は2において、
前記移動物体検出部は、前記レーダ部によって自車両の前方に存在する移動物体を検出
することを特徴とする物体検出装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の物体検出装置と、
前記物体検出装置によって車両の前方に障害物が検出された場合に、前記物体検出装置を搭載した車両に対して所定の危険回避制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする車両の安全システム。 - 自車両の前方に存在する物体を検出するレーダ部の検出情報により自車両の前方に存在する静止物体又は移動物体を検出し、前記静止物体の周囲の所定範囲内に前記移動物体が検出された場合、前記静止物体を非障害物と判定するとともに、非障害物と判定された前記静止物体の当該判定がなされた後の移動が検出された場合、当該物体についての前記非障害物判定を取り消す物体検出装置であって、検出された移動物体の絶対速度の検出値に基づいて前記探索範囲の左右方向の幅を決定し、前記絶対速度の検出値が遅いほど前記左右方向の幅を小さくすることを特徴とする物体検出装置。
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