JP5654123B2 - 硬化性樹脂の硬化のための硬化促進溶液及び方法 - Google Patents

硬化性樹脂の硬化のための硬化促進溶液及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、過酸化物を用いる硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、及びビニルエステル樹脂など)の硬化の促進に好適な溶液に関する。さらに、本発明は、硬化性樹脂の硬化のための前記溶液の使用に関する。
本硬化促進溶液は、フリーラジカル硬化の過程を促進することが可能であり、場合により酸化還元系であってもよい。
本硬化促進溶液は、比較的低い温度で過酸化物の活性を高め、結果として硬化を加速することが可能である。
先行技術により、多くの異なる硬化促進剤が開示されている。例えば、US4,009,150には、エノール含有量が少なくとも4%、ジカルボニル角度(dicarbonyl angle)が120°以下のβ−ジカルボニル化合物と、隣接環中の窒素のβ位にある炭素にヒドロキシル基が結び付いているβ−ヒドロキシ窒素複素環式縮合芳香族化合物(β-hydroxy nitrogen-heterocyclic fused aromatic)とから選択される鉄キレート及び銅キレートが開示されている。
EP0094160には、Cu(dmgH)、Ni(EDTA)、Cu(bdm)、Ni(TETA)、Cu(TACTD)、Co(bipy)Cl及びCo(phen)Clが、硬化促進剤として開示されている。
Mn含有硬化促進剤及びFe含有硬化促進剤は、WO2008/003494、WO2008/003496、及びWO2008/003797に開示されている。
公知の硬化促進剤の不利な点は、毒性を有すること(特に、コバルトベースの硬化促進剤)、及び、最終製品の着色の原因となることである。さらに、硬化系の反応性及び効率性を改善する必要性は、常に存在する。
したがって、本発明は、
・1種又は複数の有機溶媒と、
・マンガン塩、銅塩、又はその組合せと、
・請求項1に示し、以下でさらに詳述する式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)のいずれかによる四座、五座又は六座窒素供与配位子の鉄錯体と
を含む硬化促進溶液に関する。
さらに、本発明は、過酸化物と前記硬化促進溶液とを硬化性樹脂に添加するステップを含む、硬化性樹脂を硬化させる方法に関する。本方法では、優れた反応性を有する非毒性の硬化促進剤を使用する。さらに、本方法により、不粘着性であることができる、着色がわずかな最終製品が得られる。加えて、この方法は、ピーク発熱が高く、硬化効率が高い。
鉄錯体については、アルキドベースの塗料及びインク中の乾燥剤としての使用がWO2008/003652に開示されていることは注目される。但し、このアルキド樹脂硬化には、本発明の方法のように過酸化物を使用したフリーラジカル法ではなく、風乾法が用いられている。
本発明による硬化促進溶液は、(i)マンガン塩、銅塩、又はその組合せと、(ii)鉄錯体とを含む。好ましい一実施形態では、本硬化促進溶液は、マンガン塩と銅塩の両方を含む。
好適なマンガン塩は、マンガンのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、乳酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、酢酸塩、プロピオネート(proprionate)、酪酸塩、シュウ酸塩、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、アセチルアセトン酸塩(acetyl acetonate)、オクタン酸塩、ノナン酸塩、ヘプタン酸塩、ネオデカン酸塩、及びナフテン酸塩である。好ましくは、マンガン塩は、マンガンの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、乳酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、ヘプタン酸塩、ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩及び酢酸塩から選択される。Mn(II)塩及びMn(III)塩のいずれも使用できる。
マンガン塩は、好ましくは、マンガン塩として本硬化促進溶液の総重量を基準に計算した場合、本硬化促進溶液中に、少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、且つ、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満の量で存在する。
好適な銅塩は、銅のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、乳酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、酢酸塩、プロピオネート(proprionate)、酪酸塩、シュウ酸塩、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、アセチルアセトン酸塩(acetyl acetonate)、オクタン酸塩、ノナン酸塩、ヘプタン酸塩、ネオデカン酸塩、及びナフテン酸塩である。好ましくは、銅塩は、銅の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、乳酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、ヘプタン酸塩、ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩及び酢酸塩から選択される。Cu(I)塩及びCu(II)塩のいずれも使用できる。
銅塩は、好ましくは、銅塩として本硬化促進溶液の総重量を基準に計算した場合、本硬化促進溶液中に、少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、且つ、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満の量で存在する。
鉄錯体は、好ましくは、四座又は五座窒素供与配位子を含む。より好ましくは、鉄錯体は、五座窒素供与配位子の鉄錯体である。
該配位子により錯化された鉄は、Fe(II)及びFe(III)から選択される。
好ましくは、鉄錯体は、[FeLCl]、[FeLCl]Cl、[FeL(HO)](PF、[FeL]Cl、[FeLCl]PF及び[FeL(HO)](BF(式中、Lは配位子を指す)の形態のうち1つ又は複数を有する。
鉄錯体は、好ましくは、金属鉄(Fe)として本硬化促進溶液の総重量を基準に計算した場合、本硬化促進溶液中に、少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、且つ、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満の量で存在する。
好適な配位子を以下に列挙する。下記の構造において、例えばC1〜12アルキル鎖に言及した場合、炭素原子1〜12個の範囲の長さのアルキル鎖(メチル、エチルなど)を意味する。これらのアルキル鎖は、分枝状でも直鎖状でもよく、O、S、Pなどのヘテロ原子によって場合により置換されていてもよい。これらの構造における好ましいアリール基は、特に指定しない限り、(置換)フェニル基である。
式(I)の配位子
式(I)の配位子(ビスピドン配位子とも呼ばれる)は、下記の構造:
[式中、各Rは、水素、F、Cl、Br、ヒドロキシル、C1〜4アルキルO−、−NH−CO−H、−NH−CO−C1〜12アルキル、−NH、−NH−C1〜12アルキル及びC1〜12アルキルから独立に選択され、
R1及びR2は、C1〜24アルキル、C6〜10アリール、及び遷移金属と配位結合することが可能なヘテロ原子を含有する基から独立に選択され、
R3及びR4は、水素、C1〜12アルキル、C1〜12アルキル−O−C1〜12アルキル、C1〜12アルキル−O−C6〜10アリール、C6〜10アリール、C1〜12ヒドロキシアルキル及び−(CHC(O)OR5(式中、R5は水素及びC1〜4アルキルから独立に選択され、nは0〜4の範囲である)から独立に選択され、
Xは、C=O、−[C(R6)−(式中、yは0〜3の範囲であり、各R6は、水素、ヒドロキシル、C1〜12アルコキシ、及びC1〜12アルキルから独立に選択される)から選択される]
を有する。
一実施形態において、R1及びR2は、遷移金属と配位結合することが可能なヘテロ原子、−CH、−C、−C、−C、C13、C17、C1225及びC1837から選択される。より好ましくは、R1及びR2のうち少なくとも1つは、遷移金属と配位結合することが可能なヘテロ原子を含有する基であり、前記基は、−C1〜12アルキル又はベンジルで場合により置換されているピリジン−2−イルである。さらにより好ましくは、R1及びR2のうち少なくとも一方はピリジン−2−イルメチルであり、他方は、−CH、−C、−C、−C、−C13、−C17、−C1225及び−C1837から選択される。
Xは、好ましくは、−C=O及び−C(OH)から選択される。
好ましくは、R3とR4とは同一であり、−C(O)−O−CH、−C(O)−O−CHCH、−C(O)−O−CH及び−CHOHから選択される。
式(I)による好ましい配位子は、ジメチル2,4−ジ−(2−ピリジル)−3−メチル−7−(ピリジン−2−イルメチル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン−1,5−ジカルボキシレート(N2py3o−C1と表される)である。その鉄錯体は、FeN2py3o−C1と表され、WO02/48301に記載されているように調製できる。
式(I)による好適な配位子の他の例は、3位にメチル以外のアルキル鎖を有する点でN2py3o−C1と異なる配位子、すなわち、イソブチル(N2py3o−C4)、n−ヘキシル(N2py3o−C6)、n−オクチル(N2py3o−C8)、n−ドデシル(N2py3o−C12)、n−テトラデシル(N2py3o−C14)、n−オクタデシル(N2py3o−C18)であり、同様に調製できる。好適な四座配位子の例は、WO00/60045にも開示されており、好適な五座配位子の例は、WO02/48301及びWO03/104379に開示されている。
式(II)の配位子
式(II)による配位子は、下記の構造:
[式中、各R1及びR2は独立に−R−Rを表し、
R3は、水素、場合により置換されている、アルキル、アリール若しくはアリールアルキル、又は−R−Rを表し、
各Rは独立に、単結合、又は、場合により置換されている、アルキレン、アルケニレン、オキシアルキレン、アミノアルキレン、アルキレンエーテル、カルボン酸エステル若しくはカルボン酸アミドを表し、
各Rは独立に、場合によりN−置換されているアミノアルキル基、又はピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、トリアゾリル及びチアゾリルから選択される、場合により置換されているヘテロアリール基を表す]
を有する。
好ましくは、前式中のR1はピリジン−2−イルを表し、R2はピリジン−2−イルメチルを表す。好ましくは、R2及びR1のいずれかは、2−アミノエチル、2−[N−エチル(若しくはメチル)]アミノエチル、又は2−[N,N−ジエチル(若しくはジメチル)]アミノエチルを表す。置換されている場合、R5は、好ましくは、3−メチルピリジン−2−イルを表す。R3は、好ましくは、水素、ベンジル、又はメチルを表す。
式(II)による好ましい配位子は、N4Pyと表されWO95/34628に開示されているN,N−ビス(ピリジン−2−イル−メチル)−ビス(ピリジン−2−イル)メチルアミン)、及び、MeN4pyと表されEP0909809に開示されているN,N−ビス(ピリジン−2−イル−メチル−1,1−ビス(ピリジン−2−イル)−1−アミノエタンである。
式(III)の配位子
式(III)の配位子は、下記の構造:
{式中、各R20は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、及びアリールアルキル基[ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、カルボキシレート、カルボキサミド、カルボン酸エステル、スルホネート、アミン、アルキルアミン、及びN(R21(式中、R21は、水素、アルカニル、アルケニル、アリールアルカニル、アリールアルケニル、オキシアルカニル、オキシアルケニル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アルカニルエーテル、アルケニルエーテルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されている]並びに−CY−R22(式中、Yは、H、CH、C、Cから独立に選択され、R22は、場合により置換されている、ピリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジニル基、トリアゾリル基、及びチアゾリル基から独立に選択される)から選択され、R20のうち少なくとも1つは−CY−R22である}
を有する。
好ましくは、R22は、場合により置換されている、ピリジン−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、ピラゾール−1−イル基及びキノリン−2−イル基から選択される。最も好ましくは、R22は、ピリジン−2−イル又はキノリン−2−イルのいずれかである。
式(IV)の配位子
式(IV)の配位子は、下記の構造:
[前式において、Qは、
から独立して選択され、
pは4であり、
Rは、水素、C1〜12アルキル、CHCHOH、ピリジン−2−イルメチル及びCHCOOHから独立に選択されるか、又は、Rのうち1つはエチレン架橋を介して別のQのNと連結しており、
、R、R、R、R、及びRは、H、C1〜12アルキル及びC1〜12アルキルヒドロキシから独立に選択される]
を有する。
式(IV)による好ましい配位子は、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(シクラム)、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(Me4シクラム)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(シクレン)、1,4,7,10−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Me4シクレン)及び1,4,7,10−テトラキス(ピリジン−2イルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Py4シクレン)である。
式(V)の配位子
式(V)の配位子は、下記の構造:
[式中、Rは、H、及び、直鎖状又は分枝状の置換されている又は置換されていない、C1〜20アルキル、C1〜20アルキルアリール、C1〜20アルケニル又はC1〜20アルキニルから独立に選択され、大多環(macropolycyclic ring)中のすべての窒素原子は遷移金属と配位結合することが可能である]
を有する。
好ましくはRはメチルであり、その場合には、結果として配位子5,12−ジメチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが得られ、その錯体[Mn(Bシクラム)C12]をWO98/39098に従って合成できる。式(V)による他の好適な配位子も、WO98/39098に開示されている。
式(VI)の配位子
式(VI)の配位子は、下記の構造:
(R17)(R17)N−X−N(R17)(R17) (VI)
{式中、Xは、−CHCH−、−CHCHCH−、及び−CHC(OH)HCH−から選択され、各R17は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、及びアリールアルキル基[ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、カルボキシレート、カルボキサミド、カルボン酸エステル、スルホネート、アミン、アルキルアミン、及びN(R19(式中、R19は、水素、アルカニル、アルケニル、アリールアルカニル、アリールアルケニル、オキシアルカニル、オキシアルケニル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アルカニルエーテル、アルケニルエーテルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されている]並びに−CY−R18(式中、Yは、H、CH、C、Cから独立に選択され、R18は、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、トリアゾリル、及びチアゾリルから選択される、場合により置換されているヘテロアリール基から独立に選択される)から成る群から独立に選択され、R17のうち少なくとも2つは−CY−R18である}
を有する。好ましくは、R17のうち3つは−CY−R18である。
ヘテロ原子供与基は、好ましくはピリジニルであり、−C1〜12アルキルで場合により置換されている。
他の好ましいヘテロ原子供与基は、イミダゾール−2−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、4−メチル−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、2−メチル−イミダゾール−4−イル、1−メチル−イミダゾール−4−イル、ベンズイミダゾール−2−イル及びl−メチル−ベンズイミダゾール−2−イルである。
式(VI)による好適な配位子の例は、N,N,N’,N’−テトラ(ピリジン−2−イル−メチル)エチレンジアミン)、N−メチル−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−オクチル−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−オクタデシル−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(3−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−エチル−N,N’,N’−トリス(3−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(5−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−エチル−N,N’,N’−トリス(5−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ベンジル−N,N’,N’−トリス(3−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ベンジル−N,N’,N’−トリス(5−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ブチル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−オクチル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ドデシル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−オクタデシル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2−イルメチル)−エチレンジアミン;N−エチル−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2−イルメチル)−エチレンジアミン;N,N’−ジメチル−N,N’−ビス(イミダゾール−2−イルメチル)−エチレンジアミン;N−(1−プロパン−2−オール)−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2イルメチル)−エチレンジアミン;N−(1−プロパン−2−オール)−N,N’,N’−トリス(1−メチル−イミダゾール−2イルメチル)−エチレンジアミン;N,N−ジエチル−N’,N’,N’−トリス(5−メチル−イミダゾール−4−イルメチル)−ジエチレントリアミン;N−(3−プロパン−1−オール)−N,N’,N’−トリス(1−メチル−イミダゾール−2−イルメチル)−エチレンジアミン;N−ヘキシル−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2−イルメチル)−エチレンジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−エチレンジアミン;及びN−(3−プロパン−1−オール)メチル−N,N’,N’−トリス(ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−エチレンジアミンである。さらなる好適な式(VI)の配位子は、WO02/077145に開示されている。
本発明による方法及び硬化促進溶液における使用に最も好ましい配位子は、式(I)の配位子及び下記の配位子:
5,12−ジメチル−1,5,8,12−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン、5,12−ジベンジル−1,5,8,12−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、1,4,7,10−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、1,4,7,10−テトラキス(ピリジン−2−イルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、N,N−ビス(ピリジン−2−イルメチル)−ビス(ピリジン−2−イル)メチルアミン、N,N−ビス(ピリジン−2−イル−メチル−1,1−ビス(ピリジン−2−イル)−1−アミノエタン、N,N,N’,N’−テトラ(ピリジン−2−イルメチル)エチレンジアミン、N−メチル−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ブチル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−オクチル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ドデシル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−オクタデシル−N,N’,N’−トリス(ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(3−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−エチル−N,N’,N’−トリス(3−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(5−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−エチル−N,N’,N’−トリス(5−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ベンジル−N,N’,N’−トリス(3−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−ベンジル−N,N’,N’−トリス(5−メチル−ピリジン−2−イルメチル)エチレン−1,2−ジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N−エチル−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N,N’−ジメチル−N,N’−ビス(イミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N−(1−プロパン−2−オール)−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N−(1−プロパン−2−オール)−N,N’,N’−トリス(1−メチル−イミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N,N−ジエチル−N’,N’,N’−トリス(5−メチル−イミダゾール−4−イルメチル)ジエチレントリアミン;N−(3−プロパン−1−オール)−N,N’,N’−トリス(1−メチル−イミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N−ヘキシル−N,N’,N’−トリス(イミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N−メチル−N,N’,N’−トリス(ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)エチレンジアミン;N−(3−プロパン−1−オール)メチル−N,N’,N’−トリス(ベンゾイミダゾール−2イルメチル)エチレンジアミン;1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−7−オクチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−7−エチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−7−メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(ピリジル−2−メチル)−7−オクチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(ピリジル−2−メチル)−7−エチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(ピリジル−2−メチル)−7−メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(ピラゾール−1−イルメチル)−7−オクチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(ピラゾール−1−イルメチル)−7−エチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(ピラゾール−1−イルメチル)−7−メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、3,5−ジメチル(ピラゾール−1−イルメチル)−7−オクチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;3,5−ジメチル(ピラゾール−1−イルメチル)−7−エチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;3,5−ジメチル(ピラゾール−1−イルメチル)−7−メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(1−メチルイミダゾール−2−イルメチル)−7−オクチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(1−メチルイミダゾール−2−イルメチル)−7−エチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4−ビス(1−メチルイミダゾール−2−イルメチル)−7−メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン;1,4,7−トリス(キノリン−2−イルメチル)−1,4,7−トリアザシクロノナン;及び1,4,7−トリス(ピリジン−2−イルメチル)−1,4,7−トリアザシクロノナンである。
本発明による硬化促進溶液は、1種又は複数の有機溶媒(鈍感剤(phlegmatizer)とも呼ばれる)を含む。好適な溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、及びアルデヒド基、ケトン基、エーテル基、エステル基、アルコール基、リン酸基又はカルボン酸基を有する溶媒が挙げられる。好適な溶媒の例は、脂肪族炭化水素溶媒、例えばホワイトスピリット及び無臭ミネラルスピリット(OMS、odourless mineral spirit)、芳香族炭化水素溶媒、例えばナフテン及びナフテンとパラフィンとの混合物、グリコール、例えばエチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール;イソブタノール;ペンタノール;1,2−ジオキシム、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン;ジメチルホルムアミド(DMF);ジメチルスルホキシド(DMSO);2,2,4−トリメチルペンタンジオールジイソブチレート(TxIB);リン含有化合物、例えばリン酸ジエチル、リン酸ジブチル、リン酸トリブチル、リン酸トリエチル(TEP)、亜リン酸ジブチル及び亜リン酸トリエチル;エステル、例えばマレイン酸ジブチル、コハク酸ジブチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ケトグルタル酸のモノ及びジエステル、ピルビン酸エステル及びアスコルビン酸のエステル(アスコルビン酸パルミチン酸エステルなど);1,3−ジケトン及びアルデヒド、具体的にはアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びジベンゾイルメタン;モノ及びジエステル、より具体的にはマロン酸ジエチル、並びにコハク酸のモノ及びジエステル;1,2−ジケトン、具体的にはジアセチル及びグリオキサール;ブチルジオキシトール(dioxytol)(ジエチレングリコールモノブチルエーテルとしても公知であり、式はnBuOCHCHOCHCHOHである)、ベンジルアルコール及び脂肪アルコールである。
好ましい溶媒は、リン酸トリエチル、リン酸ジブチル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリドン、酢酸エチル及び酢酸ブチルである。前述の溶媒を2種以上混合したものを使用することもできる。
本硬化促進溶液は、好ましくは、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、且つ、好ましくは95重量%未満、より好ましくは90重量%未満(すべて、硬化促進溶液の総重量を基準とする)の溶媒を含む。
本発明による硬化促進溶液は、場合により、1種若しくは複数の助触媒(promoter)、水、還元剤、添加剤、及び/又は充填剤を含有してもよい。必須ではないが、助触媒が存在することが好ましく、その理由は、鉄錯体をごく小量でのみ使用することが可能になり、それにより、本発明の方法及び本硬化促進溶液が、より経済的魅力を有するものとなるからである。
2つの重要な助触媒系列が存在する。アミン及びカルボン酸金属塩である。
好適なアミンの例は、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、又はN,N−ジメチル−p−トルイジン(toludine)(DMPT);ポリアミン、例えば1,2−(ジメチルアミン)エタン;第二級アミン、例えばジエチルアミン;エトキシ化アミン、例えばトリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン(DETA)又はモノエタノールアミンである。好適なカルボン酸金属塩の例は、アルカリ金属Na、K、Li、Ba及びCsの、並びにCe、Mg、Ca、Zn、Cu、Ni、Mn、Sn、Cr、Au、Ag、Pd及びPtの2−エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、ヘプタン酸塩、ネオデカン酸塩及びナフテン酸塩である。
助触媒は、それ自体を本硬化促進溶液に加えてもよく、又は、その場形成してもよい。例えば、アルカリ金属の2−エチルヘキサン酸塩は、アルカリ金属の水酸化物と2−エチルヘキサン酸とを本硬化促進溶液に添加した後、該溶液中でその場調製できる。
本硬化促進溶液中に1種又は複数の安定化剤が存在する場合、その量は、好ましくは、少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、且つ、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である(すべて、硬化促進溶液の総重量を基準とする)。
還元剤の例は、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(SFS)、還元糖(グルコース及びフルクトースなど)、シュウ酸、ホスフィン、ホスファイト、有機又は無機ニトライト、有機又は無機サルファイト、有機又は無機硫化物、メルカプタン、アミン、及びアルデヒド、並びにそれらの混合物である。アスコルビン酸(本明細書においては、この用語はL−アスコルビン酸及びD−イソアスコルビン酸を包含する)は、好ましい還元剤である。
還元剤が本硬化促進溶液中に存在する場合、還元剤は、好ましくは、0.1重量%超、好ましくは少なくとも1重量%、最も好ましくは少なくとも5%の量で存在する。還元剤は、好ましくは、30重量%未満、より好ましくは20重量%未満の量で存在する(すべて、硬化促進溶液の総重量を基準とする)。
本硬化促進溶液は、場合により水を含んでもよい。存在させる場合、該溶液の含水量は、好ましくは、少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%である。含水量は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらにより好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下である(すべて、硬化促進溶液の総重量を基準とする)。
本硬化促進溶液は、原料を単純に混合することにより調製でき、場合により、中間での加熱ステップ及び/又は混合ステップを追加する。適用しなければならない特定の添加順序はない。
本発明は、過酸化物を用いる硬化性樹脂の硬化のための本発明による硬化促進溶液の使用にも関する。好適な硬化性樹脂の例は、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル(UP)樹脂、及びビニル樹脂である。このような硬化方法においては、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂とエチレン性不飽和モノマー化合物との混合物で開始することが慣例である。そのような混合物は市販されている。
硬化は、一般に、本硬化促進溶液と過酸化物とを前記混合物に添加することにより開始する。過酸化物と硬化促進溶液の両方を硬化性樹脂に添加した場合は、その結果得られた混合物を混合及び分散させる。この硬化方法は、開始系、硬化促進系、当該硬化速度を適用する化合物、及び硬化させようとする樹脂組成物に応じて、−15℃から250℃までの任意の温度で実施できる。この方法は、180℃まで、より好ましくは150℃まで、最も好ましくは100℃までの温度で実施できる。好ましくは、この方法は、周囲温度で実施する。
この硬化方法は、鋳込み(pouring compounds)法、SMC法、BMC法、引抜成形法などにより、ハンドレイアップ、スプレーアップ、フィラメントワインディング、レジントランスファー成形、樹脂注入、樹脂射出、コーティング(例えば、ゲルコート及び標準的なコーティング)、ボタン作製、遠心鋳造、波形板又は平面パネル、リライニング系(relining system)、キッチン用シンクなどの用途で一般に適用される。
本硬化促進溶液は、樹脂、又は樹脂とモノマーとのプレミックスに添加することができる。本硬化促進溶液は、樹脂への添加に先立ち、任意選択的なモノマーと予め混合しておくこともできる。過酸化物は、樹脂と硬化促進溶液と任意選択的なモノマーとの混合物に直接添加することができる。一方、過酸化物をまずモノマー又は樹脂と混合してから、本硬化促進溶液を添加することもできる。危険なので、過酸化物と本硬化促進溶液とを予め混合しないように注意すること。
この方式で、多様なタイプの樹脂を硬化させることができる。こうした樹脂としては、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル(UP)樹脂、ビニルエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリウレタン及びエポキシ樹脂が挙げられる。好ましい樹脂は、(メタ)アクリレート樹脂、UP樹脂及びビニルエステル樹脂である。
本発明の方法による硬化の対象となる好適なUP樹脂は、いわゆるオルト樹脂、イソ樹脂、イソnpg樹脂及びジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂である。そのような樹脂の例は、マレイン酸系、フマル酸系、アリル系、ビニル系及びエポキシ系の樹脂、ビスフェノールA樹脂、テレフタル酸樹脂並びにハイブリッド樹脂である。
ビニルエステル樹脂としては、例えば、メタクリレート、ジアクリレート、ジメタクリレート、及びそれらのオリゴマーをベースにした、アクリレート樹脂が挙げられる。
必要に応じ、硬化性樹脂を1種又は複数のエチレン性不飽和反応性モノマーと組み合わせてもよい。好ましいエチレン性不飽和反応性モノマーとしては、スチレン及びスチレン誘導体(α−メチルスチレンなど)、ビニルトルエン、インデン、ジビニルベンゼン、ビニルピロリドン、ビニルシロキサン、ビニルカプロラクタム、スチルベン、さらには、フタル酸ジアリル、ジベンジリデンアセトン、アリルベンゼン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸、ジアクリレート、ジメタクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、光学的な用途に使用されるアリル化合物((ジ)エチレングリコールジアリルカーボネートなど)、並びにそれらの混合物が挙げられる。
エチレン性不飽和モノマーの量は、樹脂の重量を基準として、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも1重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%である。エチレン性不飽和モノマーの量は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、最も好ましくは35重量%以下である。
このような硬化方法において、本硬化促進溶液は、一般に、慣用的な量で用いる。樹脂の重量を基準として、少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、且つ、5重量%以下、好ましくは2重量%以下の量の本硬化促進溶液を典型的に使用する。
硬化性樹脂に好適な過酸化物としては、無機過酸化物及び有機過酸化物、例えば、慣用的に使用される過酸化ケトン、ペルオキシエステル、過酸化ジアリール、過酸化ジアルキル、及びペルオキシジカーボネート、さらには、ペルオキシカーボネート、ペルオキシケタール、ヒドロペルオキシド、過酸化ジアシル及び過酸化水素が挙げられる。当業者には、このような過酸化物を慣用的な添加剤、例えば、親水性エステル及び炭化水素溶媒などの鈍感剤と組み合わせることができることは理解されよう。
この硬化方法において使用すべき過酸化物の量は、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.5重量%、最も好ましくは少なくとも1重量%である。過酸化物の量は、好ましくは8重量%以下、より好ましくは5重量%以下、最も好ましくは2重量%以下である(すべて、樹脂の重量を基準とする)。
本発明による硬化方法においては、助触媒、充填剤、ガラス繊維、顔料、阻害剤、及び助触媒など、他の任意選択的な添加剤を用いてもよい。
実施例1〜4及び比較実施例A〜B
表1に列挙する原料を混合することにより、異なる硬化促進溶液を調製した。使用した鉄錯体は、式(I)(式中、RはH、R1はピリジン−2−イルメチル、R2はメチル、R3とR4とは同一でCH−C(O)OCH、XはC=Oである)による配位子で錯化された鉄であった。使用した助触媒は、2−エチルヘキサン酸カリウムであった。
本硬化促進溶液(0.5phr(per hundred resin)溶液)を2phrのメチルエチルケトンペルオキシド(Butanox(登録商標)M50、AkzoNobel製)と共に使用して、20℃で、オルトフタル酸ベースの不飽和ポリエステル樹脂(Palatal(登録商標)P6、DSM Resin製)を硬化させた。
SPI法(Society of Plastic Instituteの方法、F/77.1、Akzo Nobel Polymer Chemicalsから入手可能)により、硬化を分析した。この方法には、ピーク発熱、ピーク到達時間、及びゲル時間の測定が含まれる。この方法に従い、100部の樹脂と2部の過酸化物と硬化促進溶液とを含む混合物25gを試験管に注ぎ入れ、試験管の中心の閉鎖部を通して熱電対を配置した。次に、20℃で維持した油浴中にガラス管を配置し、時間温度曲線を求めた。この曲線から、下記のパラメーターを計算した:
ゲル時間(Gt、Gel time)=実験開始時点と浴温が5.6℃上昇した時点との間の経過時間(単位:分)。
ピーク到達時間(TTP、Time To Peak)=実験開始時点とピーク温度に到達した瞬間との間の経過時間。
ピーク発熱(PE、Peak Exotherm)=到達した最高温度。
結果を以下の表1に記載するが、この結果から、本発明による硬化促進溶液は、鉄錯体のみを含む溶液と比較して、実際に硬化を促進することが示される。
実施例5〜6及び比較実施例C〜D
0.25phr及び1.0phrの本硬化促進溶液を使用した点を除き、実施例4及び比較実施例Bを繰り返した。結果を以下の表2に示す。

本発明は以下の対応を包含し得る。
[1] (i)少なくとも1種の有機溶媒と、(ii)マンガン塩、銅塩又はその組合せと、(iii)式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)のいずれかによる四座、五座又は六座窒素供与配位子の鉄錯体とを含む硬化促進溶液であって、
・式(I)の配位子が、下記の構造:
[式中、各Rは、水素、F、Cl、Br、ヒドロキシル、C 1〜12 アルキルO−、−NH−CO−H、−NH−CO−C 1〜12 アルキル、−NH 、−NH−C 1〜12 アルキル及びC 1〜12 アルキルから独立に選択され、
R1及びR2は、C 1〜24 アルキル、C 6〜10 アリール、及び遷移金属と配位結合することが可能なヘテロ原子を含有する基から独立に選択され、
R3及びR4は、水素、C 1〜12 アルキル、C 1〜12 アルキル−O−C 1〜12 アルキル、C 1〜12 アルキル−O−C 6〜10 アリール、C 6〜10 アリール、C 1〜12 ヒドロキシアルキル及び−(CH C(O)OR5(式中、R5は水素及びC 1〜4 アルキルから独立に選択され、nは0〜4の範囲である)から独立に選択され、
Xは、C=O、−[C(R6) −(式中、yは0〜3の範囲であり、各R6は、水素、ヒドロキシル、C 1〜12 アルコキシ、及びC 1〜12 アルキルから独立に選択される)から選択される]
を有し、
・式(II)の配位子が、下記の構造:
[式中、各R1及びR2は独立に−R −R を表し、
R3は、水素、場合により置換されているアルキル、アリール若しくはアリールアルキル、又は−R −R を表し、
各R は独立に、単結合、又は、場合により置換されているアルキレン、アルケニレン、オキシアルキレン、アミノアルキレン、アルキレンエーテル、カルボン酸エステル若しくはカルボン酸アミドを表し、
各R は独立に、場合によりN−置換されているアミノアルキル基、又はピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、トリアゾリル及びチアゾリルから選択される、場合により置換されているヘテロアリール基を表す]
を有し、
・式(III)の配位子が、下記の構造:
{式中、各R20は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基及びアリールアルキル基[ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、カルボキシレート、カルボキサミド、カルボン酸エステル、スルホネート、アミン、アルキルアミン、及びN (R 21 (式中、R 21 は、水素、アルカニル、アルケニル、アリールアルカニル、アリールアルケニル、オキシアルカニル、オキシアルケニル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アルカニルエーテル、アルケニルエーテルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されている]並びに−CY −R 22 (式中、Yは、H、CH 、C 、C から独立に選択され、R 22 は、場合により置換されている、ピリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジニル基、トリアゾリル基及びチアゾリル基から独立に選択される)から選択され、R20のうち少なくとも1つは−CY −R 22 である}
を有し、
・式(IV)の配位子が、下記の構造:
[式中、Qは、
から独立に選択され、
pは4であり、
Rは、水素、C 1〜12 アルキル、CH CH OH、ピリジン−2−イルメチル及びCH COOHから独立に選択され、
、R 、R 、R 、R 、及びR は、H、C 1〜12 アルキル及びC 1〜12 アルキルヒドロキシから独立に選択される]
を有し、
・式(V)の配位子が、下記の構造:
[式中、R は、H、及び直鎖状又は分枝状の、置換されている又は置換されていないC 1〜20 アルキル、C 1〜20 アルキルアリール、C 1〜20 アルケニル又はC 1〜20 アルキニルから独立に選択され、大多環中のすべての窒素原子は遷移金属と配位結合することが可能である]
を有し、
・式(VI)の配位子が、下記の構造:
(R1 )(R 17 )N−X−N(R1 )(R 17 ) (VI)
{式中、Xは、−CH CH −、−CH CH CH −、及び−CH C(OH)HCH −から選択され、各R 17 は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基及びアリールアルキル基[ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、カルボキシレート、カルボキサミド、カルボン酸エステル、スルホネート、アミン、アルキルアミン、及びN (R 19 (式中、R 19 は、水素、アルカニル、アルケニル、アリールアルカニル、アリールアルケニル、オキシアルカニル、オキシアルケニル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アルカニルエーテル、アルケニルエーテルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されている]並びに−CY −R 18 (式中、Yは、H、CH 、C 、C から独立に選択され、R 18 は、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、トリアゾリル及びチアゾリルから選択される、場合により置換されているヘテロアリール基から独立に選択される)から成る群から独立に選択され、R 17 のうち少なくとも2つは−CY −R 18 である}
を有する、硬化促進溶液。
[2] 鉄錯体が、式(I)による窒素供与配位子を含む、請求項1に記載の硬化促進溶液。
[3] マンガン塩が、Mn(II)塩化物、Mn(II)硝酸塩、Mn(II)硫酸塩、Mn(II)乳酸塩、Mn(II)2−エチルヘキサン酸塩、Mn(II)オクタン酸塩、Mn(II)ノナン酸塩、Mn(II)ヘプタン酸塩、Mn(II)ネオデカン酸塩、Mn(II)ナフテン酸塩及びMn(II)酢酸塩から選択される、請求項1又は2に記載の硬化促進溶液。
[4] 銅塩が、Cu(II)酢酸塩、Cu(I)塩化物、Cu(II)オクタン酸塩、Cu(II)ノナン酸塩、Cu(II)ヘプタン酸塩、Cu(II)ネオデカン酸塩及びCu(II)ナフテン酸塩から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
[5] 銅塩とマンガン塩の両方を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
[6] アミン及び金属カルボン酸塩から選択される助触媒をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
[7] 助触媒が、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン(toludine)、1,2−(ジメチルアミン)エタン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、並びに、Na、K、Li、Ba、Cs、Ce、Mg、Ca、Zn、Cu、Ni、Mn、Sn、Cr、Au、Ag、Pd及びPtの2−エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、ヘプタン酸塩、ネオデカン酸塩及びナフテン酸塩から成る群から選択される、請求項6に記載の硬化促進溶液。
[8] 鉄錯体が、硬化促進溶液の総重量を基準として0.01〜10重量%のFe量で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
[9] マンガン塩が、硬化促進溶液の総重量を基準として0.01〜10重量%の量で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
[10] 銅塩が、硬化促進溶液の総重量を基準として0.01〜10重量%の量で存在する、請求項1から9のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
[11] 硬化性樹脂の硬化のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の硬化促進溶液の使用。
[12] 硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂又はビニルエステル樹脂である、請求項11に記載の使用。
[13] 樹脂が、オルト樹脂、イソ樹脂、イソnpg樹脂、アクリレート樹脂及びジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、より具体的には、マレイン酸系、フマル酸系、アリル系、ビニル系、及びエポキシ系の樹脂、ビスフェノールA樹脂、テレフタル酸樹脂、ハイブリッド樹脂、並びにメタクリレート、ジアクリレート、ジメタクリレート及びそれらのオリゴマーをベースにした樹脂から成る群から選択される、請求項12に記載の使用。
[14] 1種又は複数のエチレン性不飽和モノマーが硬化性樹脂に添加される、請求項11から13のいずれか一項に記載の使用。

Claims (14)

  1. (i)少なくとも1種の有機溶媒と、(ii)マンガン塩、銅塩又はその組合せと、(iii)式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)のいずれかによる四座、五座又は六座窒素供与配位子の鉄錯体とを含む、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂又はビニルエステル樹脂を硬化するのに適切な硬化促進溶液であって、
    ・式(I)の配位子が、下記の構造:
    [式中、各Rは、水素、F、Cl、Br、ヒドロキシル、C1〜12アルキルO−、−NH−CO−H、−NH−CO−C1〜12アルキル、−NH、−NH−C1〜12アルキル及びC1〜12アルキルから独立に選択され、
    R1及びR2は、C1〜24アルキル、C6〜10アリール、及び遷移金属と配位結合することが可能なヘテロ原子を含有する基から独立に選択され、
    R3及びR4は、水素、C1〜12アルキル、C1〜12アルキル−O−C1〜12アルキル、C1〜12アルキル−O−C6〜10アリール、C6〜10アリール、C1〜12ヒドロキシアルキル及び−(CHC(O)OR5(式中、R5は水素及びC1〜4アルキルから独立に選択され、nは0〜4の範囲である)から独立に選択され、
    Xは、C=O、−[C(R6)−(式中、yは0〜3の範囲であり、各R6は、水素、ヒドロキシル、C1〜12アルコキシ、及びC1〜12アルキルから独立に選択される)から選択される]
    を有し、
    ・式(II)の配位子が、下記の構造:
    [式中、各R1及びR2は独立に−R−Rを表し、
    R3は、水素、場合により置換されているアルキル、アリール若しくはアリールアルキル、又は−R−Rを表し、
    各Rは独立に、単結合、又は、場合により置換されているアルキレン、アルケニレン、オキシアルキレン、アミノアルキレン、アルキレンエーテル、カルボン酸エステル若しくはカルボン酸アミドを表し、
    各Rは独立に、場合によりN−置換されているアミノアルキル基、又はピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、トリアゾリル及びチアゾリルから選択される、場合により置換されているヘテロアリール基を表す]
    を有し、
    ・式(III)の配位子が、下記の構造:
    {式中、各R20は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基及びアリールアルキル基[ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、カルボキシレート、カルボキサミド、カルボン酸エステル、スルホネート、アミン、アルキルアミン、及びN(R21(式中、R21は、水素、アルカニル、アルケニル、アリールアルカニル、アリールアルケニル、オキシアルカニル、オキシアルケニル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アルカニルエーテル、アルケニルエーテルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されている]並びに−CY−R22(式中、Yは、H、CH、C、Cから独立に選択され、R22は、場合により置換されている、ピリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジニル基、トリアゾリル基及びチアゾリル基から独立に選択される)から選択され、R20のうち少なくとも1つは−CY−R22である}
    を有し、
    ・式(IV)の配位子が、下記の構造:
    [式中、Qは、
    から独立に選択され、
    pは4であり、
    Rは、水素、C1〜12アルキル、CHCHOH、ピリジン−2−イルメチル及びCHCOOHから独立に選択され、
    、R、R、R、R、及びRは、H、C1〜12アルキル及びC1〜12アルキルヒドロキシから独立に選択される]
    を有し、
    ・式(V)の配位子が、下記の構造:
    [式中、Rは、H、及び直鎖状又は分枝状の、置換されている又は置換されていないC1〜20アルキル、C1〜20アルキルアリール、C1〜20アルケニル又はC1〜20アルキニルから独立に選択され、大多環中のすべての窒素原子は遷移金属と配位結合することが可能である]
    を有し、
    ・式(VI)の配位子が、下記の構造:
    (R1)(R17)N−X−N(R1)(R17) (VI)
    {式中、Xは、−CHCH−、−CHCHCH−、及び−CHC(OH)HCH−から選択され、各R17は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基及びアリールアルキル基[ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、カルボキシレート、カルボキサミド、カルボン酸エステル、スルホネート、アミン、アルキルアミン、及びN(R19(式中、R19は、水素、アルカニル、アルケニル、アリールアルカニル、アリールアルケニル、オキシアルカニル、オキシアルケニル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アルカニルエーテル、アルケニルエーテルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されている]並びに−CY−R18(式中、Yは、H、CH、C、Cから独立に選択され、R18は、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、トリアゾリル及びチアゾリルから選択される、場合により置換されているヘテロアリール基から独立に選択される)から成る群から独立に選択され、R17のうち少なくとも2つは−CY−R18である}
    を有する、硬化促進溶液。
  2. 鉄錯体が、式(I)による窒素供与配位子を含む、請求項1に記載の硬化促進溶液。
  3. マンガン塩が、Mn(II)塩化物、Mn(II)硝酸塩、Mn(II)硫酸塩、Mn(II)乳酸塩、Mn(II)2−エチルヘキサン酸塩、Mn(II)オクタン酸塩、Mn(II)ノナン酸塩、Mn(II)ヘプタン酸塩、Mn(II)ネオデカン酸塩、Mn(II)ナフテン酸塩及びMn(II)酢酸塩から選択される、請求項1又は2に記載の硬化促進溶液。
  4. 銅塩が、Cu(II)酢酸塩、Cu(I)塩化物、Cu(II)オクタン酸塩、Cu(II)ノナン酸塩、Cu(II)ヘプタン酸塩、Cu(II)ネオデカン酸塩及びCu(II)ナフテン酸塩から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
  5. 銅塩とマンガン塩の両方を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
  6. アミン及び金属カルボン酸塩から選択される助触媒をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
  7. 助触媒が、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン(toludine)、1,2−(ジメチルアミン)エタン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、並びに、Na、K、Li、Ba、Cs、Ce、Mg、Ca、Zn、Cu、Ni、Mn、Sn、Cr、Au、Ag、Pd及びPtの2−エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、ヘプタン酸塩、ネオデカン酸塩及びナフテン酸塩から成る群から選択される、請求項6に記載の硬化促進溶液。
  8. 鉄錯体が、硬化促進溶液の総重量を基準として0.01〜10重量%のFe量で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
  9. マンガン塩が、硬化促進溶液の総重量を基準として0.01〜10重量%の量で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
  10. 銅塩が、硬化促進溶液の総重量を基準として0.01〜10重量%の量で存在する、請求項1から9のいずれか一項に記載の硬化促進溶液。
  11. 硬化性樹脂の硬化のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の硬化促進溶液の使用。
  12. 硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂又はビニルエステル樹脂である、請求項11に記載の使用。
  13. 樹脂が、レイン酸系、フマル酸系、アリル系、ビニル系、及びエポキシ系の樹脂、ビスフェノールA樹脂、テレフタル酸樹脂、びにメタクリレート、ジアクリレート、ジメタクリレート及びそれらのオリゴマーをベースにした樹脂から成る群から選択される、請求項12に記載の使用。
  14. 1種又は複数のエチレン性不飽和モノマーが硬化性樹脂に添加される、請求項11から13のいずれか一項に記載の使用。
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