JP5652804B2 - アンテナ装置及び無線通信装置 - Google Patents

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本発明はアンテナ装置及び無線通信装置に関し、特に実装されたアンテナ周辺部品を移動することなく、周波数調整を容易に行うアンテナ装置及び無線通信装置である。
近年、携帯無線装置においては、テレビ機能や音楽再生機能等、さまざまな機能が搭載されている。そのため、それぞれのアプリケーションに対応した部品やアンテナが搭載されており、携帯無線装置内部は、ほとんど空間がないほど部品で埋め尽くされている。また、携帯無線装置内に実装されているアンテナには、板金を利用した逆Lタイプがよく使用されている(特許文献1参照)。本アンテナはλ/4アンテナを低姿勢化したものである。
図6は、従来の逆Lアンテナを備えた無線通信装置の概略構成図である。図6に示す無線通信装置は、折り畳み式の携帯無線装置である。携帯無線装置20は、上部基板21と、下部基板22と、導通接続部23と、ヒンジ部24と、アンテナ29と、カメラ30とを有している。
上部基板21および下部基板22は上部筐体および下部筐体(図示せず)の内部に収容されており、ヒンジ部24により、上部基板21と下部基板22が開閉可能に接続されている。前記上部基板21には、液晶ディスプレイ(図示せず)が搭載されている。下部基板22は、カメラ30、アンテナ29、給電部26、整合回路27、無線回路28、電池等(図示せず)が搭載されている。
導通接続部23は、ヒンジ部24を通って、上部基板の回路と下部基板の回路とを電気的に接続する。アンテナ29は例えば線状アンテナにより構成され、下部基板22上に搭載された給電部26に接続されている。給電部26は、整合回路27に接続され、無線回路28に接続されている。
図7に従来のアンテナの拡大図を示す。図7(a)は、逆Lアンテナである。逆Lアンテナは、エレメント先端部の長さを調整することにより、共振周波数を調整することが出来る。そのため、あらかじめ所望の周波数よりも長めにエレメント長を調整しておき、エレメント先端を切ることにより周波数調整を行っている。
一方、予定よりも共振周波数が高すぎたり、筐体側面等の関係によりアンテナスペースが十分に確保できず、構造的にこれ以上エレメントを伸ばせない場合については、例えば図7(b)に示すように、アンテナをクランク形状にし、限られたスペース内で周波数の調整を行っている。
また、異なる長さのアンテナ素子を複数有し、TV放送波、FM放送波、AM放送波といった異なる周波数の電波を受信するアンテナ装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−181525号公報 特開2004−128696号公報
しかしながら、逆Lアンテナの調整方法では、共振周波数が低い場合にはエレメント先端を切って調整するため、携帯無線装置内部がほとんど空間がないほど部品で埋め尽くされているにも関わらず、アンテナのために確保した体積を十分に活用出来ていないという問題があった。
また、クランク形状にすると、図8に示すようにエレメント上に流れる電流が打ち消す方向に向いてしまうため、帯域幅が狭くなったり、放射効率が劣化してしまうという問題があった。クランク形状を解消するためには、図9に示す給電部26の実装位置を変更することにより可能であるが、給電部26を移動するためには、例えば図10のように実装されたカメラ30等の移動が必要となる。小型化が進んだ携帯無線装置では部品の移動は容易ではないため、クランク形状のまま、特性が劣化した状態で使用せざるを得ないという問題があった。
また、異なる長さのアンテナ素子を複数有して異なる周波数の電波を受信するアンテナ装置は、異なる周波数の電波を受信するために、二股に分岐した一方のアンテナ素子で、ある周波数に合うように調整し、もう一方のアンテナ素子で別の周波数に合うようにそれぞれの素子長を調整し、それらをT字に構成している。このようなT字型アンテナの場合、アンテナエレメントが両サイドに伸びているため、そこで逆向きの電流が流れ、放射を打ち消してしまう性質がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、実装されたアンテナ周辺部品を移動することなく、周波数調整を容易に行うことを目的としている。
本発明に係るアンテナ装置は、アンテナエレメントを備え、所望の周波数の電波の送信又は受信の少なくとも一方を行うアンテナ装置であって、アンテナエレメントは、基板上に設けられた給電部から伸び、その先端が第1エレメントと、周波数調整用のエレメントである第2エレメントに2股に分岐され、第1エレメントの長さは、所望の周波数より高い第1の周波数で共振する長さであり、第2エレメントの長さは、第1エレメントの長さの半分以下の長さであり、第2エレメントの長さを変更することによって、第1エレメントが共振する周波数、所望の周波数に調整、第1エレメントと第2エレメントが、同一直線上に配置され、T字型形状で形成されている
本発明に係る無線通信装置は、上記本発明に係るアンテナ装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、実装されたアンテナ周辺部品を移動することなく、周波数調整を容易に行うことが出来る。
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明の実施形態に係るアンテナを備える無線通信装置について説明する。本実施形態では、無線通信装置の一例として携帯無線装置を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るアンテナ10を備える携帯無線装置1の概略構成図である。携帯無線装置1は、上部基板2と、下部基板3と、導通接続部4と、ヒンジ部5と、アンテナ6とを有している。
上部基板2および下部基板3は上部筐体および下部筐体(図示せず)の内部に収容されており、ヒンジ部5により、上部基板2と下部基板3が開閉可能に接続されている。
上部基板2には、液晶ディスプレイ(図示せず)が搭載されており、下部基板3には、カメラ13、アンテナ10、給電部7、整合回路8、無線回路9、電池等(図示せず)が搭載されている。
導通接続部4は、ヒンジ部5を通って、上部基板2の回路と下部基板3の回路とを電気的に接続する構成を有している。
アンテナ10は、例えば線状アンテナにより構成されている。また、アンテナ10は、下部基板3上に設けられた給電部7に接続される。
給電部7は、整合回路8に接続され、さらに無線回路9に接続されている。
図1に示す携帯無線装置1に設けられたアンテナ10の拡大図を図2に示す。アンテナ10は、T字型形状で形成されている。本T字型形状は、給電部7から下部基板3の長辺に沿う方向に下部基板3の外側に向けて伸び、先端で下部基板3の短辺に沿う方向に2手に分かれ、第一のエレメント11と第二のエレメント12により構成されている。
ここで、エレメントの調整方法について述べる。まず、第一のエレメント11は、所望の周波数に対し、若干高い周波数で共振する長さに決定する。次に、第二のエレメント12を付加することにより、共振周波数が下がるため、第二のエレメント12の長さを調整することで、所望の周波数に調整する。
第二のエレメント12と共振周波数の関係について図3に示す。図3については、シミュレーションにより求めている。本シミュレーションでは、90mm×45mmの上下の2枚基板からなり、中央部で上下基板導通用のフレキをモデル化した折畳み型携帯装置モデルを用いている。図3では、第一のエレメントと第二のエレメントの比を横軸にとり、そのときの共振周波数の低下量を示している。本グラフによると第二のエレメント長を第一のエレメント長の半分程度まで伸ばすことで、比共振周波数を10%ほど低下させることが可能であることが分かる。そのため、クランク形状等に変更することなく、第二エレメントの長さ変更のみでアンテナ共振周波数の調整をすることができる。
ここで、アンテナに流れる電流Iの分布と向きについて説明する。本発明の実施形態にかかるT字型アンテナ10の電流分布と向きは、図2の矢印で示されている。一方、従来のクランク型アンテナの電流分布と向きは、図8の矢印で示されている。
T字型アンテナの場合、アンテナエレメントが両サイドに伸びているため、そこで逆向きの電流が流れ、放射を打ち消してしまう性質もあるが、本実施形態では第二エレメント12の長さが短いため、大きな逆相の打ち消し電流は発生しない。一方、図8に示すクランク型アンテナの場合には、電流が大きい位置で逆相になってしまい、打ち消し合うこととなる。
このように、本実施形態に係るアンテナ10は、逆Lアンテナの第一のエレメント11と逆方向に第二エレメント12を設ける構成により、第二エレメントの長さ変更のみでアンテナ共振周波数の調整をすることができる。従って、アンテナ形状の変更や給電点の移動等、既に実装されたアンテナ周辺部品の変更・移動をすることなく、容易にアンテナ共振周波数の調整を行うことが出来、特性劣化の無いアンテナを実現することが出来る。また、限られたアンテナスペースを有効に活用することが出来る。
なお、本発明はT字型アンテナ長を適宜設計することにより効果を発揮するため、アンテナエレメントの形成位置は図1や図2に示す例に限定されない。例えば、下部基板3におけるヒンジ側の左角部に設けてもよいし、ヒンジ側の反対側である先端側や上部基板2に設けてもよい。さらに、無線回路についても同様に下部基板3のみならず、上部基板2に形成することも可能である。
さらに、上記説明した実施形態では線状アンテナを使用し、直線状(第1エレメント11と第2エレメント12の角度が180度)に配置したが、本発明はこれに限られることはなく、第1エレメント11と第2エレメント12の角度が変化しても、第二エレメントの長さ変更のみでアンテナ共振周波数の調整をすることができる。角度の変化は、アンテナ装置が設けられる携帯電話装置等の筐体の形状に応じて必要となる場合もある。本発明の他の実施形態に係るアンテナを図4、図5に示す。図4は、例えば270度以下の角度を有するアンテナ装置である。図5は、例えば90度以上の角度を有するアンテナ装置である。このように、筐体に沿って角度を持たせることが可能となる。また、エレメントを曲線状に配置しても、同様の効果を得ることが出来る。
さらに、上述した実施形態では、無線通信装置の一例として折り畳み式の携帯型電話装置を用いたが、本発明はこれに限定されることはなく、折り畳み式以外のタイプの無線通信装置にも適用できる。さらに、無線通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)や無線通信機能を備えたゲーム機等の、携帯型電話装置以外の無線通信装置にも適用することができる。
以上のように、本発明の実施形態に係るアンテナは、主たる周波数は第一のエレメントで決定し、それと反対側にのびる周波数調整用の第二のエレメント(サブエレメント)を追加することでT字を構成し、アンテナ周辺部品の実装を変更することなく周波数調整が可能となる。
本発明を好適な実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係るアンテナ10を備える携帯電話装置1の概略構成図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ10の拡大図である。 本発明の実施形態に係る第二エレメントを調整したときの周波数変化量を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るアンテナ装置を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るアンテナ装置を示す図である。 従来のアンテナ29を備える携帯電話装置20の概略構成図である。 従来の各アンテナの拡大図である。 従来のクランク形状のアンテナの拡大図である。 従来の調整方法を説明するための図である。 従来の調整方法では問題がある場合の構成を示す図である。
符号の説明
1、20 携帯無線装置
2、21 上部基板
3、22 下部基板
4、23 導通接続部
5、24 ヒンジ
7、26 給電部
8、27 整合回路
9、28 無線回路
10、29 アンテナ
11 第一のエレメント
12 第二のエレメント
13、30 カメラ

Claims (3)

  1. アンテナエレメントを備え、所望の周波数の電波の送信又は受信の少なくとも一方を行うアンテナ装置であって、
    前記アンテナエレメントは、基板上に設けられた給電部から伸び、その先端が第1エレメントと、周波数調整用のエレメントである第2エレメントに2股に分岐され、
    前記第1エレメントの長さは、前記所望の周波数より高い第1の周波数で共振する長さであり、
    前記第2エレメントの長さは、前記第1エレメントの長さの半分以下の長さであり、
    前記第2エレメントの長さを変更することによって、前記第1エレメントが共振する周波数、前記所望の周波数に調整
    前記第1エレメントと前記第2エレメントが、同一直線上に配置され、T字型形状で形成されたアンテナ装置。
  2. 前記アンテナエレメントは、2股の分岐した長さが、前記基板の長辺方向の中心線に対して逆向きのエレメントのほうが長いことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のアンテナ装置を備えることを特徴とする無線通信装置。
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