JP5652522B1 - 歌唱模範表示装置、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】スピードコントロール機能によりカラオケ楽曲の演奏速度が速くなったときに、歌唱の基準音高のグラフを歌唱者にとって確認しやすい態様で表示する。【解決手段】演奏される楽曲の基準メロディの音高の時間的変化を、X軸(横)方向に時間軸が割当てられたグラフ表示領域に表す基準グラフを表示させる。基準グラフは、グラフ表示領域の中央に固定表示された基準線と基準グラフにおける現在の歌唱位置とが交わるタイミングで時間軸の右側から左側にスクロールして表示される。演奏速度が増加した場合、[b],[c],[d]に例示されるとおり、基準線から時間軸の未来方向及び過去方向へ離れるほど、時間軸の時間に対する表示幅の比率が小さくなり、かつ、グラフ表示領域全体の時間軸が所定の時間長と一致する伸縮度合を、演奏速度の増加度合に応じて決定する。そして、決定した伸縮度合を反映した時間軸に対応付けて基準グラフを描画する。【選択図】 図2

Description

本発明は、カラオケにおける歌唱の基準音高を示す情報を表示する技術に関する。
従来、カラオケ装置においては、カラオケ楽曲の歌唱の模範となる基準音高をディスプレイに表示する歌唱支援機能を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この歌唱支援機能を有するカラオケ装置は、現在の演奏位置から未来の一定区間分の模範となる基準音高の時間的変化のグラフをディスプレイに表示する。また、カラオケ楽曲の演奏の進行に合わせて基準音高のグラフの表示区間を進行させる方法として、基準音高のグラフを現在の演奏位置を示す基準線に向けてカラオケ楽曲の演奏速度に応じた速さで順次スクロールさせるものがある。
特開2012−203343号公報
ところで、カラオケ装置においては、歌唱者がカラオケ楽曲の演奏速度を自らが所望する速さに調節するために、スピードコントロールボタン等の操作により、カラオケ楽曲の演奏速度を任意に変更できるスピードコントロール機能を有する。歌唱の基準音高のグラフを表示するときに、スピードコントロール機能により演奏速度が変更された場合、その変更値に応じて基準音高のグラフのスクロールの速さを変えることで、演奏と基準音高のグラフとの同期を維持することが考えられる。
しかしながら、演奏速度が速くなるのに合わせて基準音高のグラフのスクロールも速くなるということは、標準の演奏速度のときと比較して、基準音高のグラフにおける個々の音の情報が表示されている時間が短くなるということになる。そうなった場合、せっかく歌唱の模範が表示されたにも関わらず、歌唱者が見る暇もなく次々に消えてしまうといった事態を招くおそれがあり、歌唱者が歌唱支援機能を十分に活用することができなくなってしまう。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、スピードコントロール機能によりカラオケ楽曲の演奏速度が速くなったときであっても、歌唱の基準音高のグラフを歌唱者にとって確認しやすい態様で表示するための技術を提供することを目的とする。
本発明の歌唱模範表示装置は、記憶手段と、速度変更手段と、表示制御手段とを備える。記憶手段は、楽曲を演奏出力する演奏手段により演奏される楽曲の歌唱パートの基準メロディを表す基準データを記憶する。速度変更手段は、演奏手段により演奏される楽曲の演奏速度を変更する。表示制御手段は、基準データに基づいて、演奏手段による楽曲の演奏の進行と同期して、演奏される楽曲の基準メロディの音高の時間的変化を所定の時間長分の時間軸が割当てられたグラフ表示領域に対応付けて表す基準グラフを、所定の表示手段に表示させる。この基準グラフは、グラフ表示領域上に固定表示された基準線と基準グラフにおける現在の歌唱位置とが交わるように、時間軸の未来方向から順次スクロールさせるアニメーションとして表示される。さらに、表示制御手段は、楽曲の演奏速度が標準値より増加された場合、基準線の位置から時間軸の未来方向へ離れるほど、時間軸の時間に対する表示幅の比率が小さくなり、かつ、グラフ表示領域全体の時間軸が所定の時間長と一致する伸縮度合を、演奏速度の増加度合に応じて決定する。そして、決定した伸縮度合を反映した時間軸に対応付けて基準グラフを描画する。
本発明によれば、演奏速度が増加したときに、演奏位置を示す基準線から時間軸の未来方向に遠い位置で基準グラフの時間軸を圧縮することで、圧縮しない場合よりも同じ表示範囲内に多くの基準音高の情報を早期に表示できる。したがって、未来に歌唱すべき基準音高が基準グラフの表示領域の先端に現れてから、基準線に到達するまでに十分な表示時間が確保される。これにより、歌唱者が、未来に歌唱すべき基準音高を確認し、確認した基準音高に合わせて発声の準備をするための時間的余裕が生まれる。また、演奏速度が増加していないときと、演奏速度が増加したときとで、グラフ表示領域全体の時間軸に割当てられる時間長を同じにすることで、演奏速度の増加の有無に関わらず、常に一定時間分の未来の基準音高を歌唱者が確認できるようになっている。一方、演奏位置を示す基準線に近い位置では、時間軸の時間に対する画面上の表示幅の比率が遠方部分より大きくなっているので、基準グラフのスクロールが比較的速くなり、演奏速度が増加していることを歌唱者が認識できるようになっている。
なお、本発明における基準グラフの表示制御の手法は、歌唱時期が過ぎた後、すなわち、基準線を通過した後の基準グラフの表示にも適用できる。具体的には、請求項2に記載のように構成することが考えられる。すなわち、グラフ表示領域は、演奏時期が経過した後の時間軸を含むものである。また、表示制御手段は、演奏速度が標準値より増加された場合、基準線の位置から時間軸の未来方向及び過去方向へ離れるほど、時間軸の時間に対する表示幅の比率が小さくなり、かつ、グラフ表示領域全体の時間軸が所定の時間長と一致する伸縮度合を、演奏速度の増加度合に応じて決定する。そして、決定した伸縮度合を反映した時間軸に対応付けて基準グラフを描画する。このようにすることで、演奏速度が増加したときの基準グラフの時間軸の伸縮度合を、基準線を挟んで対称にすることができ、歌唱時期の前後で一体感のあるスクロールを実現できる。
請求項3に記載の歌唱模範表示装置は、次の特徴を有する。すなわち、基準グラフは、基準データで示される基準メロディを構成する個々の音ごとに、時間軸方向に音の時間長に応じた幅を有する図柄を用いて表される。また、表示制御手段は、演奏速度が標準値より増加された場合、時間軸の時間あたりの表示幅を伸縮した比率に応じて、基準グラフにおける各音の図柄の幅を伸縮して基準グラフを描画する。このようにすることで、演奏速度の増加により基準グラフの時間軸が各部で伸縮された場合であっても、伸縮された時間軸に対応した音長の幅で描画された基準音高の図柄を用いて、基準グラフを表示させることができる。これにより、演奏速度が標準値のときに表示されていた各音の図柄の時間軸上の表示タイミングが、演奏速度が変化しても変わらないようにできる。
なお、本発明は、請求項4に記載のように、コンピュータにおいて実行されるプログラム、あるいは当該プログラムを記憶する記憶媒体の態様で実現することもできる。
カラオケ装置10の概略構成を示すブロック図。 演奏速度別の歌唱ガイドグラフの表示例を示す説明図。 グラフ描画処理の手順を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[カラオケ装置の構成の説明]
図1に示すように、カラオケ装置10は、制御部11、記憶部12、楽曲再生部13、音声制御部14、映像制御部15、操作部17を備える。このカラオケ装置10は、ユーザからリクエストされたカラオケ楽曲を演奏する機能や、カラオケ楽曲の演奏の進行と同期して歌唱パートの基準メロディやユーザの歌唱結果を可視化する歌唱ガイドグラフをモニタ23に表示する機能を有する。制御部11は、CPU,ROM,RAM等を備え、各種プログラムを実行することによりカラオケ装置10の動作を制御する。制御部11は、後述するグラフ描画処理(図3参照)のプログラムを実行することで、演奏される楽曲に対応した歌唱ガイドグラフ(図2参照)を描画する。そして、制御部11は、描画した歌唱ガイドグラフをモニタ23に表示させる。
記憶部12は、ハードディスクドライブ等の記憶装置である。記憶部12には、制御部11により実行されるプログラムや、その実行時に用いられるデータが記憶されている。また、記憶部12は、個々のカラオケ楽曲に対応する楽曲データを多数収録したカラオケデータベースを有している。各楽曲データは、MIDI(Music Instrument Digital Interface)規格に対応した演奏データ(MIDIデータ)で構成されている。このMIDIデータには、カラオケ楽曲の伴奏パートのメロディを演奏するための演奏データの他に、歌唱パートとして歌唱すべきメロディ(基準メロディ)を規定する基準データが含まれる。この基準データは、ユーザによる歌唱結果を採点するための基準や、歌唱パートの基準メロディをユーザに可視化する基準グラフの表示に用いられる。
楽曲再生部13は、記憶部12に記憶されている楽曲データに基づいて楽曲の再生を行う。音声制御部14は、音声の入出力を制御するデバイスであり、入力部14a及び出力部14b等を備える。入力部14aには、マイク19が接続される。これにより、入力部14aは、ユーザの歌唱音を取得する。出力部14bにはスピーカ21が接続されている。出力部14bは、楽曲再生部13によって再生される楽曲の音源信号、入力部14aから出力される歌唱音の音源信号をスピーカ21に出力する。スピーカ21は、出力部14bから出力される音源信号を音に換えて出力する。
映像制御部15は、制御部11から送られてくる映像データに基づく映像の再生及び出力を行う。映像制御部15には、映像の表示を行うモニタ23が接続されている。これにより、映像制御部15は再生した映像をモニタ23に表示させる。操作部17は、カラオケ装置10に対する各種操作を行うための入力装置である。操作部17は、タッチパネルや種々の入力ボタンを備えており、入力操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。また、操作部17には、スピードコントロールスイッチが備えられている。スピードコントロールスイッチは、楽曲再生部13により演奏される楽曲の演奏速度を変更する際に操作される。このスピードコントロールスイッチにより、楽曲の演奏速度を標準の演奏速度から段階的に増減できるようになっている。なお、カラオケ装置10のその他の構成や機能については公知技術に従っているので、ここでの詳細な説明は省略する。
[歌唱ガイドグラフの説明]
制御部11によって描画されモニタ23に表示される歌唱ガイドグラフの構成について、図2を参照しながら説明する。
図2[a]は、楽曲の演奏速度が標準値に設定されているときの歌唱ガイドグラフの表示例である。本実施形態では、演奏速度が標準値(速度の増減なし)のときの歌唱ガイドグラフを基本形態としており、スピードコントロールスイッチによって楽曲の演奏速度が標準値より増加された場合、増加の度合に応じて歌唱ガイドグラフの表示の様式を変更するようになっている。
図2[a]に例示されるとおり、歌唱ガイドグラフは、グラフ表示領域30a内に、歌唱パートの基準メロディを表す基準グラフと、ユーザ歌唱結果の音高を表す歌唱線とを描画して構成される。グラフ表示領域30aは、横軸(X軸)方向に左から右に向かって時間が新しい時間軸が割当てられ、縦軸(Y軸)方向に上方が高音、下方が低音となる音高が割当てられている。
グラフ表示領域30aの横軸方向の中央には、現在の演奏位置を示す基準線が固定表示される。グラフ表示領域30aの横軸方向に割当てられた時間軸は、基準線の位置を現在時刻として、未来の演奏期間(右側)を5秒間(0〜5秒)、過去の演奏期間(左側)を5秒間(0〜−5秒)、合計10秒間の演奏期間を表している。また、演奏速度が標準値(増減なし)のときには、時間軸の全域において時間に対する画面上の表示幅の比率が均等になるように設定されている。すなわち、グラフ表示領域30a内の時間軸の目盛は等間隔になっている。
基準グラフは、基準メロディを構成する個々の音ごとに、音の時間長に応じた横幅を有する帯状の図柄が階段状に連なった棒グラフとして表される。基準グラフにおける各音の横幅は、音の時間長をグラフ表示領域30aの時間軸における時間に対する画面上の表示幅の比率に対応させた長さで描画される。制御部11は、歌唱タイミングに相当する箇所で基準グラフが基準線と交差するように、演奏の進行と同期した速度で基準グラフを右から左に順次スクロールさせるアニメーションを実行する。
歌唱線は、楽曲の演奏中にマイク19を介して入力部14aに入力されたユーザの歌唱音声を分析することで得られた歌唱音声の音高の時間的変化を、グラフ表示領域30aのY軸(音高)及びX軸(時間)に対応付けてプロットすることで描画された線グラフである。制御部11は、現在時刻を示す基準線を起点にして、歌唱線を演奏の進行と同期した速度で左方向に順次スクロールさせるアニメーションを実行する。
図2[b]は、図2[a]の事例と同じ演奏タイミングにおいて、演奏速度が標準値よりも1段階増加(演奏速度1)されているときの歌唱ガイドグラフの表示例である。なお、図2[b]〜[d]においては、図2[a]に例示されたものと同様の構成(基準線、基準グラフ、歌唱線)については、名称の記載を省略している。
スピードコントロールスイッチによって楽曲の演奏速度が標準値より増加された場合、グラフ表示領域30bの時間軸において時間に対する画面上の表示幅の比率を増減し、時間軸を部分的に伸縮させる。ただし、時間に対する画面上の表示幅の比率を増減しても、図2[a]に例示する基本形態と同様に、時間軸全体で未来分の演奏期間と過去分の演奏期間とをそれぞれ5秒間ずつ、合計10秒間の演奏期間を割当てる。すなわち、時間軸を部分的に伸縮させても、時間軸の全体時間は、演奏速度が標準値のときと変わらない。また、演奏速度の増加度合が大きいほど、時間軸を伸縮させる度合を大きくするようになっている。
図2[b]の事例では、基準線から時間軸の未来方向に3秒までの期間及び過去方向に−3秒までの期間(−3秒〜0秒〜3秒)において、時間に対する表示幅の比率が、演奏速度が標準値のときよりも大きくなっている。すなわち、時間軸が伸長されている。また、基準線に近い時間ほど伸長の度合が大きく、基準線から時間が離れるにつれて徐々に伸長の度合が小さくなっている。一方、時間軸の未来方向に3秒以降の期間及び過去方向に−3秒以降の期間(−5秒〜−3秒、3秒〜5秒)において、時間に対する表示幅の比率が、演奏速度が標準値のときよりも小さくなっている。すなわち、時間軸が圧縮されている。また、基準線に近い時間ほど圧縮の度合が小さく、基準線から時間が離れるにつれて徐々に圧縮の度合が大きくなっている。
グラフ表示領域30b上に描画される基準グラフは、時間軸の部位ごとに異なる時間に対する表示幅の比率に、音の時間長をそれぞれ対応させた横幅をもつ図柄で描画される。よって、時間軸が伸長(又は圧縮)された期間では、伸長(又は圧縮)の度合に応じて基準グラフの図柄が伸長(又は圧縮)される。このようにして描画される基準グラフを、歌唱タイミングに相当する箇所が基準線と交差するように、演奏の進行と同期した速度で右から左にスクロールさせる。
また、グラフ表示領域30b上に描画される歌唱線は、歌唱音声の音高の時間的変化を伸縮された時間軸に対応付けてプロットして描画される。このようにして描画される歌唱線を、現在時刻を示す基準線を起点にして、演奏の進行と同期した速度で左方向にスクロールさせる。なお、演奏速度が増加したことで10秒間に演奏される音が増えているため、グラフ表示領域30b上に描画される基準グラフ及び歌唱線には、図2[a]の事例よりも広範囲の音の情報が描き込まれている。
図2[c]は、図2[a]の事例と同じ演奏タイミングにおいて、演奏速度が標準値よりも2段階増加(演奏速度2)されているときの歌唱ガイドグラフの表示例である。この事例では、図2[b]の事例と同様に、時間軸における−3秒〜0秒〜3秒の期間において時間軸が伸長されている。また、時間軸における−5秒〜−3秒及び3秒〜5秒の期間において時間軸が圧縮されている。ただし、図2[c]の事例では、図2[b]の事例よりも演奏速度の増加度合が大きい。そのため、グラフ表示領域30cに割当てられる時間軸の伸縮度合は、図2[b]の事例よりも大きくなっており、時間軸の伸縮の様子がより顕著になる。
なお、図2[c]の事例においても、時間軸の全体時間は、演奏速度が標準値のときと変わらず10秒間のままである。グラフ表示領域30c上に描画される基準グラフは、時間軸の部位ごとに異なる時間に対する表示幅の比率に、音の時間長をそれぞれ対応させた横幅をもつ図柄で描画される。また、グラフ表示領域30b上に描画される歌唱線は、歌唱音声の音高の時間的変化を伸縮された時間軸に対応付けてプロットして描画される。
図2[d]は、図2[a]の事例と同じ演奏タイミングにおいて、演奏速度が標準値よりも5段階増加(演奏速度5)されているときの歌唱ガイドグラフの表示例である。この事例では、図2[b],[c]の事例と同様に、時間軸における−3秒〜0秒〜3秒の期間において時間軸が伸長されている。また、時間軸における−5秒〜−3秒及び3秒〜5秒の期間において時間軸が圧縮されている。図2[d]の事例は、図2に例示する中で演奏速度の増加度合が最大であり、グラフ表示領域30dに割当てられる時間軸の伸縮度合も、図2に例示する中で最大となっている。そのため、時間軸の伸縮の様子が最も顕著である。
なお、図2[d]の事例においても、時間軸の全体時間は、演奏速度が標準値のときと変わらず10秒間のままである。グラフ表示領域30d上に描画される基準グラフは、時間軸の部位ごとに異なる時間に対する表示幅の比率に、音の時間長をそれぞれ対応させた横幅をもつ図柄で描画される。また、グラフ表示領域30d上に描画される歌唱線は、歌唱音声の音高の時間的変化を伸縮された時間軸に対応付けてプロットして描画される。
[グラフ描画処理の説明]
制御部11が実行するグラフ描画処理の手順について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、歌唱ガイドグラフを表示する機能の実行が設定されている条件下で、ユーザからリクエストされた楽曲の演奏処理と並行して実行される処理である。このフローチャートで示される開始から終了までの手順を1回完遂することで、1画面分の歌唱ガイドグラフを描画する。すなわち、モニタ23に表示する画像のフレームレートが30fpsであれば、グラフ描画処理の開始から終了までの一連処理を1秒間に30回実行することになる。
S100では、制御部11は、演奏中の楽曲に対する現在の演奏速度の設定値を確認する。S102では、制御部11は、グラフ表示領域において描画対象となるX軸(横)方向の座標を確認する。ここでは、グラフ表示領域のX座標の始端(X=最小値、本実施形態では0)から終端(X=最大値)までの区画の中から、始端側から順に1ドット又は所定の複数ドット分の幅からなる未描画の1区画を、描画対象として特定する。S104では、制御部11は、グラフ表示領域において描画対象となるY軸(縦)方向の座標を確認する。ここでは、グラフ表示領域のY座標の始端(Y=最小値、本実施形態では0)から終端(Y=最大値)までの区間を描画対象として特定する。
次のS106では、制御部11は、グラフ表示領域に割当てられる時間軸上で現在の演奏位置を表す基準線のX座標(時間軸の中心)と、S104で描画対象として特定したX座標との距離を算出する。そして、S108では、制御部11は、S100で確認した演奏速度の設定値と、S106で算出した距離とに基づいて、描画対象のX座標に割当てられる時間軸の伸縮率を算出する。
ここでは、演奏速度が標準値又は標準値よりも遅い値に設定されている場合、時間軸の全域において時間に対する画面上の表示幅の比率を均等(伸縮なし)にして、グラフ表示領域内の時間軸の目盛を等間隔に設定する。一方、演奏速度が標準値よりも速い値に設定されている場合、時間軸において時間に対する画面上の表示幅の比率を演奏速度の増加度合に応じて増減したうえで、描画対象のX座標に割当てられる時間軸の伸縮率を算出する。演奏速度の増加に応じて時間軸を部分的に伸縮する手法の具体例については、図2を参照しながら上述したとおりである。なお、演奏速度の設定値と時間軸の部位ごとの伸縮率との相関関係は、既定値として予めメモリに登録されているものとする。
S110では、制御部11は、描画対象のX座標及びY座標からなる区画に対応する演奏期間の基準グラフ及び歌唱線の画像を、メモリに設けられた所定の描画領域に描込む。具体的には、楽曲の演奏の進行時間を示す情報と時間軸の伸縮率とに基づいて、描画対象のX座標に対応する演奏時期を算出する。そして、演奏楽曲に対応する基準データの中から描画対象の演奏時期に該当する演奏情報を参照して描画すべき基準音高を特定し、グラフ表示領域のX軸(時間)及びY軸(音高)の対応する位置に基準グラフの図柄を描画する。また、マイク19が接続された入力部14aを介して取得された歌唱の音声信号から、描画対象の演奏時期に相当する区間の音高の時間的変化を抽出し、グラフ表示領域のX軸(時間)及びY軸(音高)の対応する位置に歌唱線の図柄を描画する。
次のS112では、制御部11は、描画済みの区画がグラフ表示領域におけるX軸の終端座標に到達したか否かを判定する。描画済みの区画がX軸の終端座標に到達していない場合(S112:NO)、制御部11はS102に戻る。そして、S102では、制御部11は、前回描画した区画の次の描画対象のX座標を確認する。以降、S102〜S112の処理を順次繰返し、S112で描画済みの区画がX軸の終端座標に到達したと判定した場合(S112:YES)、制御部11は本処理を終了する。このように、S102〜S112の処理をX軸の終端に到達するまで順次繰返すことで、1画面分の歌唱ガイドグラフの画像が完成する。描画された歌唱ガイドグラフの画像は、所定のタイミングで映像制御部15を介してモニタ23に表示出力される。
なお、上述のグラフ描画では、1画面分の歌唱ガイドグラフを描画している間は、描画のための演算に適用する演奏速度の設定値を同じ値に統一する必要がある。そのため、演奏速度の確認は1画面分の描画を開始したときの最初の1回(S100)だけ行い、1画面分の描画が終わるまでは最初に確認した演奏速度の設定値を基準にする。
[効果]
上記実施形態のカラオケ装置10によれば、以下の効果を奏する。
演奏速度が増加したときに、演奏位置を示す基準線から時間軸における未来方向に遠い位置で基準グラフの時間軸を圧縮して表示することができる。このようにすることで、時間軸を圧縮しない場合よりも同じ表示範囲内に多くの基準音高の情報を早期に表示できる。これにより、未来に歌唱すべき基準音高がグラフ表示領域の右端に現れてから、基準線に到達するまでに十分な表示時間が確保され、歌唱者が基準音高を確認して発声の準備をするための時間的余裕が生まれる。一方、基準線に近い位置では、時間軸を遠方部分より伸長して表示してある。このようにすることで、基準線の近くで基準グラフのスクロールが比較的速くなり、演奏速度が増加していることを歌唱者が認識できるようになっている。また、演奏速度が増加していないときと、演奏速度が増加したときとで、グラフ表示領域全体の時間軸に割当てられる時間長を同じにすることで、演奏速度の増加の有無に関わらず、常に一定時間分の未来の基準音高を歌唱者が確認できるようになっている。
基準線よりも過去方向の時間軸についても、同様に演奏速度の増加に応じて時間軸を伸縮することができる。ようにすることで、演奏速度が増加したときの時間軸の伸縮度合を、基準線を挟んで対称にすることができ、歌唱タイミングの前後で一体感のあるスクロールを実現できる。
演奏速度が増加した場合、時間軸の時間あたりの表示幅を伸縮した比率に応じて、基準グラフにおいて音長を表現する帯状の図柄の横幅を伸縮させて表示させることができる。このようにすることで、演奏速度が標準値のときに表示されていた各音の図柄の時間軸上の表示タイミングが、演奏速度が変化しても変わらないようにできる。
[特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態に記載の構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。
制御部11が表示制御手段に相当する。記憶部12が記憶手段に相当する。楽曲再生部13が演奏手段に相当する。操作部17が速度変更手段に相当する。モニタ23が表示手段に相当する。
[変形例]
上記実施形態では、本発明をカラオケ装置に適用した事例について説明した。これとは別に、いわゆるスマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯型の情報処理端末や、パーソナルコンピュータ等に本発明を適用してもよい。あるいは、カラオケ装置の操作に用いられるタブレットコンピュータ型のリモコン端末に本発明を適用してもよい。その場合、楽曲を演奏する演奏手段がリモコン端末に備えられていなくてもよく、カラオケ装置による楽曲の演奏に同期して、リモコン端末に備えられたモニタに基準グラフを表示する構成が考えられる。
10…カラオケ装置、11…制御部、12…記憶部、13…楽曲再生部、14…音声制御部、14a…入力部、14b…出力部、15…映像制御部、17…操作部、19…マイク、21…スピーカ、23…モニタ。

Claims (4)

  1. 楽曲を演奏出力する演奏手段により演奏される楽曲の歌唱パートの基準メロディを表す基準データを記憶する記憶手段と、
    前記演奏手段により演奏される楽曲の演奏速度を変更する速度変更手段と、
    前記記憶手段に記憶されている基準データに基づいて、前記演奏手段による楽曲の演奏の進行と同期して、演奏される楽曲の基準メロディの音高の時間的変化を所定の時間長分の時間軸が割当てられたグラフ表示領域に対応付けて表す基準グラフを、前記グラフ表示領域上に固定表示された基準線と前記基準グラフにおける現在の歌唱位置とが交わるように、前記時間軸の未来方向から順次スクロールさせるアニメーションを、所定の表示手段に表示させる表示制御手段とを備え、
    前記速度変更手段によって演奏速度が標準値より増加された場合、前記表示制御手段は、前記基準線の位置から前記時間軸の未来方向へ離れるほど、前記時間軸の時間に対する表示幅の比率が小さくなり、かつ、前記グラフ表示領域全体の時間軸が前記所定の時間長と一致する伸縮度合を、前記演奏速度の増加度合に応じて決定し、決定した伸縮度合を反映した時間軸に対応付けて前記基準グラフを描画すること、
    を特徴とする歌唱模範表示装置。
  2. 請求項1に記載の歌唱模範表示装置において、
    前記グラフ表示領域は、演奏時期が経過した後の時間軸を含むものであって、
    前記速度変更手段によって演奏速度が標準値より増加された場合、前記表示制御手段は、前記基準線の位置から前記時間軸の未来方向及び過去方向へ離れるほど、前記時間軸の時間に対する表示幅の比率が小さくなり、かつ、前記グラフ表示領域全体の時間軸が前記所定の時間長と一致する伸縮度合を、前記演奏速度の増加度合に応じて決定し、決定した伸縮度合を反映した時間軸に対応付けて前記基準グラフを描画すること、
    を特徴とする歌唱模範表示装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の歌唱模範表示装置において、
    前記基準グラフは、前記基準データで示される基準メロディを構成する個々の音ごとに、前記時間軸方向に音の時間長に応じた幅を有する図柄を用いて表されるものであって、
    前記速度変更手段によって演奏速度が標準値より増加された場合、前記表示制御手段は、前記時間軸の時間あたりの表示幅を伸縮した比率に応じて、前記基準グラフにおける各音の図柄の幅を伸縮して前記基準グラフを描画すること、
    を特徴とする歌唱模範表示装置。
  4. 楽曲を演奏出力する演奏手段により演奏される楽曲の歌唱パートの基準メロディを表す基準データに基づいて、前記演奏手段による楽曲の演奏の進行と同期して、演奏される楽曲の基準メロディの音高の時間的変化を所定の時間長分の時間軸が割当てられたグラフ表示領域に対応付けて表す基準グラフを、前記グラフ表示領域上に固定表示された基準線と前記基準グラフにおける現在の歌唱位置とが交わるように、前記時間軸の未来方向から順次スクロールさせるアニメーションを、所定の表示手段に表示させる表示制御処理であって、
    前記演奏手段により演奏される楽曲の演奏速度を変更する速度変更手段によって演奏速度が標準値より増加された場合、前記基準線の位置から前記時間軸の未来方向へ離れるほど、前記時間軸の時間に対する画面上の表示幅の比率が小さくなり、かつ、前記グラフ表示領域全体の時間軸が前記所定の時間長と一致する伸縮度合を、前記演奏速度の増加度合に応じて決定し、決定した伸縮度合を反映した時間軸に対応付けて前記基準グラフを描画する表示制御処理を、
    コンピュータに実行させるプログラム。
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