JP5652197B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に関するものである。
筒内直接噴射式火花点火内燃機関において、燃料噴射を、噴射開始時期が圧縮上死点前で噴射終了時期が圧縮上死点後となるように圧縮上死点を跨ぐ期間に行い、かつ、噴射開始時期から遅れた圧縮上死点後に点火を行うとともに、この圧縮上死点付近で噴射された燃料噴射が、ピストン頂部の面で反射するように、その噴射方向が設定され、圧縮上死点付近で噴射された燃料噴射が衝突するピストンの頂部の面に、撥油性を有するコーティングを施したものが知られている(特許文献1)。
特開2006−37794号公報
しかしながら、ピストンのキャビティの縁(ふち)部分に燃料が付着すると、付着燃料が剥離して輝炎となり、煤が発生する可能性があった。
本発明が解決しようとする課題は、付着燃料が剥離して輝炎となり、煤が発生することを抑制する内燃機関を提供することである。
本発明は、ピストンの冠面に形成されたキャビティの底面及びキャビティの側壁面のうち燃料噴射バルブと反対側の側壁面の撥油性を、キャビティの外側の冠面の撥油性より高く設定することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、キャビティを利用して燃焼させた場合に、燃料噴射がキャビティの底面及びキャビティの側壁面のうち燃料噴射バルブと反対側の側壁面に付着し難いため、キャビティの縁部分における輝炎及び煤の発生を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る直噴型火花点火エンジンEGを示すブロック図である。 図1のピストンの冠面を示す平面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図2のIV-IV線に沿う断面図である。 図1のエンジンEGにおいて、冷機時におけるピストンと燃料噴射との位置関係を示すブロック図である。 図1のエンジンEGにおいて、暖機中又は暖機後におけるピストンと燃料噴射との位置関係を示すブロック図である。 図5(c)の燃料噴射タイミングにおける燃料噴射の指向位置を示すピストン冠面の平面図である。 図6(b)の燃料噴射タイミングにおける燃料噴射の指向位置を示すピストン冠面の平面図である。 図1のエンジンコントロールユニットの制御手順を示すフローチャートである。 (a)は時間に対するピストンの冠面温度の特性を示すグラフ,(b)は時間に対する燃料噴射タイミングの特性を示すグラフ,(c)は時間に対するエンジン回転数の特性を示すグラフ,(d)は時間に対する窒化リンPNの特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の一実施の形態を適用した直噴型火花点火エンジンEGを示すブロック図であり、エンジンEGの吸気通路111には、エアーフィルタ112、吸入空気流量を検出するエアフローメータ113、吸入空気流量を制御するスロットルバルブ114およびコレクタ115が設けられている。
スロットルバルブ114には、当該スロットルバルブ114の開度を調整するDCモータ等のアクチュエータ116が設けられている。このスロットルバルブアクチュエータ116は、運転者のアクセルペダル操作量等に基づき演算される要求トルクを達成するように、エンジンコントロールユニット11からの駆動信号に基づき、スロットルバルブ114の開度を電子制御する。また、スロットルバルブ114の開度を検出するスロットルセンサ117が設けられて、その検出信号をエンジンコントロールユニット11へ出力する。なお、スロットルセンサ117はアイドルスイッチとしても機能させることができる。
燃料噴射バルブ118は、燃焼室123に臨ませて設けられており、燃焼室123の側方から筒内に直接燃料を噴射するように配置されている。燃料噴射バルブ118は、エンジンコントロールユニット11において設定される駆動パルス信号によって開弁駆動され、図外の燃料ポンプから圧送されてプレッシャレギュレータにより所定圧力に制御された燃料を筒内に直接噴射する。
シリンダ119と、当該シリンダ内を往復移動するピストン120の冠面1201と、吸気バルブ121及び排気バルブ122が設けられたシリンダヘッドとで囲まれる空間が燃焼室123を構成する。点火プラグ124は、各気筒の燃焼室123に臨んで装着され、エンジンコントロールユニット11からの点火信号に基づいて吸入混合気に対して点火を行う。なお、ピストン120の冠面1201の詳細な構成は、後述する。
一方、排気通路125には、排気中の特定成分、たとえば酸素濃度を検出することにより排気、ひいては吸入混合気の空燃比を検出する空燃比センサ126が設けられ、その検出信号はエンジンコントロールユニット11へ出力される。この空燃比センサ126は、リッチ・リーン出力する酸素センサであってもよいし、空燃比をリニアに広域に亘って検出する広域空燃比センサであってもよい。
また、排気通路125には、排気を浄化するための排気浄化触媒127が設けられている。この排気浄化触媒127としては、ストイキ(理論空燃比,λ=1、空気重量/燃料重量=14.7)近傍において排気中の一酸化炭素COと炭化水素HCを酸化するとともに、窒素酸化物NOxの還元を行って排気を浄化することができる三元触媒、或いは排気中の一酸化炭素COと炭化水素HCの酸化を行う酸化触媒を用いることができる。
排気通路125の排気浄化触媒127の下流側には、排気中の特定成分、たとえば酸素濃度を検出し、リッチ・リーン出力する酸素センサ128が設けられ、その検出信号はエンジンコントロールユニット11へ出力される。なお、図1において129はマフラである。
エンジンEGのクランク軸130にはクランク角センサ131が設けられ、エンジンコントロールユニット11は、クランク角センサ131から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号を一定時間カウントすることで、又は、クランク基準角信号の周期を計測することで、機関回転速度Neを検出することができる。
エンジンEGの冷却ジャケット132には、水温センサ133が当該冷却ジャケットに臨んで設けられ、冷却ジャケット132内の冷却水温度Twを検出し、これをエンジンコントロールユニット11へ出力する。
次に図2〜図4を用いて、ピストン120の冠面1201の構成を説明する。図2はピストン120の冠面1201の平面図を示し、図3は図2のIII-III線に沿った断面図を示し、図4は図2のIV-IV線に沿った断面図を示す。ピストン120の冠面1201には、ピストン冠面1201の中心に対して吸気バルブ121側(燃料噴射バルブ118が設けられた側を意味し、図2に燃料噴射バルブ118を二点鎖線で示す。)に偏心した位置に凹部形状に形成された吸気バルブリセス1202と、ピストン冠面1201の中心に対して排気バルブ122側(燃料噴射バルブ118が設けられた側と反対側を意味する。)に偏心した位置に凹部形状に形成された吸気バルブリセス1203と、ピストン冠面1201の中心に対して吸気バルブ121側に偏心した位置に凹部形状に形成されているキャビティ1204とが形成されている。
吸気バルブリセス1202は、ピストン冠面1201と吸気バルブ121のバルブヘッド121Aとの干渉を回避するために設けられた凹部であり、排気バルブリセス1203は、ピストン冠面1201と排気バルブ122のバルブヘッド122Aとの干渉を回避するために設けられた凹部である。図1のブロック図では簡易な構成で示したが、実際には吸気バルブ121はペントルーフ型に形成された燃焼室123の一方の吸気側の傾斜面に設けられており、排気バルブ122はペントルーフ型に形成された燃焼室123の一方の排気側の傾斜面に設けられている。このため、吸気バルブリセス1202は、バルブヘッド121Aの傾斜に対応して傾斜して形成され、同様に排気バルブリセス1203は、バルブヘッド122Aの傾斜に対応して傾斜して形成されている。なお、ピストン冠面1201とバルブヘッド121A,122Aが干渉しない構造であればこれら吸気バルブリセス1202及び排気バルブリセス1203を省略してもよい。
キャビティ1204は、ピストン120の軸を含む断面において、図3に示すように凹部状に形成され、凹部の底面1204aと、当該凹部の側壁面のうち燃料噴射バルブ118側の側壁面1204bと、当該凹部の側壁面のうち燃料噴射バルブ118側と反対側の側壁面1204cとにより構成されている。後述するように、ピストン120が上死点付近にあるときに、燃焼噴射バルブ118により噴射される主たる燃料噴射が当該キャビティ26を指向するように底面1204aが形成されており、底面1204a及び燃料バルブ118側と反対側の側面1204cが、噴射燃料を受け止めてこれを跳ね上げ、点火プラグ124の周囲に案内するように形成されている。なお底面1204aは平面である必要はなく湾曲させてもよい。
冠面1201のうち、キャビティ1204が形成されていない冠面、すなわちキャビティ1204の外側の冠面のうち、燃料噴射バルブ118側を冠面1201aと称し、燃料噴射バルブ118と反対側を冠面1201bと称する。後述するように、ピストン120が上記の上死点位置より低い位置にあるときに、燃焼噴射バルブ118により噴射される主たる噴射燃料が当該キャビティ26の冠面1201bを指向する。
キャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cには、例えばフッ素化合物を含む材料による表面処理または、表面を1μm以下の凹凸面とする微細粗面化処理が施される一方で、キャビティ1204の外側の冠面1201bには、このような表面処理又は微細粗面化処理は施されていない。これにより、少なくともキャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cは、キャビティ1204の外側の冠面1201bより高い撥油性を有することになる。なお、キャビティ1204の側壁面1204aにも、底面1204a及び側壁面1204cと同様に、撥油性を有するような処理を施してもよい。
またピストン120のキャビティ1204の外側の冠面1201bには、ピストン120の基材より低い熱伝導性の材料(ジルコニアやチタン等)により表面処理が施される一方で、ピストン120のキャビティ1204の外側の冠面1201aには、こうした表面処理が施されずにピストン120の基材が露出している。
次に、図5〜図8を用いて、ピストン120の位置(行程)に対する燃料噴射と、主たる燃料噴射が指向する面との関係について説明する。図5は冷機時におけるピストン120と燃料噴射との位置関係を示すブロック図であり、(a)は吸気行程の上死点(TDC)の状態を、(b)は吸気行程の下死点(BDC)の状態を、(c)は圧縮行程の上死点(TDC)の直前の状態を示す。図6は暖機中又は暖機後におけるピストン120の位置(行程)と燃料噴射との位置関係を示すブロック図であり、(a)は吸気行程の上死点(TDC)の状態を、(b)は、吸気行程の上死点(TDC)と下死点(BDC)との間の状態を示す。図7は、冷機時に燃料噴射が吹き付けられる面を示すピストン120の冠面1201の平面図である。図8は、暖機中又は暖機後に燃料噴射が吹き付けられる面を示すピストン120の冠面1201の平面図である。なお、図7及び図8において、点線で囲った領域は、燃料噴射バルブ118により噴射される主な燃料の付着部分を示す。
本例では、水温センサ133により検出されるエンジン冷却水の温度から、ピストン120の温度を推定し、ピストン温度に応じて、燃料噴射のタイミングを変える制御を実行する。すなわち、エンジンコントロールユニット11により、ピストン120の温度が所定温度未満の場合には、エンジンEGが冷機状態であると判断し、図5に示すタイミングで、燃料噴射を行う。一方、ピストン120の温度が所定温度以上の場合には、エンジンEGが暖機状態、又は、暖機後の状態であると判断し、図6に示すタイミングで、燃料噴射を行う。
冷機時には、図5(a)に示すようにピストン120が吸気行程の上死点の位置にある状態から、図5(b)に示すようにピストン120が吸気行程の下死点の位置に移動した後に、図5(c)に示すようにピストン120が圧縮行程の上死点付近にある状態、または、ピストン120が圧縮上死点の直前の位置にある状態で、噴射燃料がピストン120に吹き付けられる。冷機時におけるタイミングで吹き付けられる燃料噴射のうち主たる燃料噴射は、キャビティ1204を指向しており、図7に示すように、吹き付けられる燃料噴射のうち大半を占める燃料がキャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cに向けて吹き付けられる。
一方、暖機中、又は、暖機後には、図6(a)に示すようにピストン120が吸気行程の上死点の位置にある状態から移動し、図6(b)に示すようにピストン120が吸気行程の下死点の位置に移動する前の状態で、燃料噴射がピストン120に吹き付けられる。すなわち、暖機中、又は、暖機後には、冷機時の燃料噴射より早いタイミングであり、ピストン120が冷機時の燃料噴射時のピストン120の位置より低い位置にあるタイミングで燃料噴射が行われる。暖機時のタイミングで吹き付けられる燃料噴射のうち主たる燃料噴射は、燃料噴射バルブ118が設けられた位置と反対側の冠面1201bを指向しており、図8に示すように、吹き付けられる燃料噴射のうち大半を占める燃料が冠面1201bに吹き付けられる。なお、冠面1201aには、冷機時に噴射される主たる燃料噴射が指向せず、暖機中又は暖機後に噴射される主たる燃料噴射が指向されない。
次に、図9を用いて、エンジンコントロールユニット11の制御手順を説明する。図9は、本例のエンジンEGを制御する制御手順を示すフローチャートである。なお、図9に示す制御フローは繰り返し行われる。
ステップS1にて、エンジンコントロールユニット11は、運転者によるイグニションスイッチのオン操作に基づき、エンジンEGの始動要求信号を受信する。ステップS2にて、エンジンコントロールユニット11は、水温センサ133の検出温度に基づき、ピストン120の冠面温度を推定する。ステップS3にて、エンジンコントロールユニット11は、ステップS2で推定したピストン120の冠面温度と、予め設定されている閾値温度(Tc)とを比較する。ここで、閾値温度(Tc)は、エンジンEGが冷機の状態であるか、暖機中又は暖機後の状態であるかを判定するための閾値温度(Tc)であって、設計段階で予め設定される温度である。エンジンEGの状態と冷却水の温度との間には相関性があるため、閾値温度(Tc)は、当該相関性に基づいて設定されている。
ピストン120の冠面温度が閾値温度(Tc)より低い場合には、エンジンコントロールユニット11は、冷機中であると判断して、ステップS4にて、冷機時の燃料噴射のタイミングで、燃料噴射を制御する。一方、ピストン120の冠面温度が閾値温度(Tc)以上である場合には、エンジンコントロールユニット11は、暖機中又は暖機後であると判断して、ステップS4にて、暖機中又は暖機後の燃料噴射のタイミングで、燃料噴射を制御する。そして、ステップS4又はステップS5の処理が行われると本例の制御は終了する。
次に、本例のエンジンEGにおける、窒化リン(PN)の個数について、図10を用いて説明する。図10において、(a)は時間に対するピストン120の冠面温度の特性を示すグラフであり、(b)は時間に対する燃料噴射タイミング(ATDC)を示すグラフであり、(c)は時間に対するエンジン回転数を示し、(d)は時間に対するPN(個)の特性を示すグラフである。図10(d)のグラフAは、ピストン120のキャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cと、ピストン120の冠面1201bとに、それぞれ上記のような表面処理を施した場合(本発明の実施例)のPN特性を示しており、グラフBは、ピストン120の冠面1201に対して何ら表面処理を施していない場合(本発明の比較例)のPN特性を示している。
まず時間(t)の時点で、エンジン始動要求があり、図10(c)に示すように、エンジンEGが回転し始める。そして、時間(t)の時点から、燃料が噴射される。時間(t)の時点で、ピストン120の冠面温度は閾値温度(Tc)より低いため、エンジンコントロールユニット11は、図10(b)に示すように、冷機時の燃料噴射タイミングで燃料を噴射する。そして、時間(t)の後に、エンジンEGが完爆し、エンジン回転数が増加しつつ、ピストン120の冠面温度が増加する。
図10(a)に示すように、ピストン120の冠面温度は、時間(t)の時点まで、閾値温度(Tc)より低いため、エンジンコントロールユニット11は冷機時の燃料噴射タイミングで燃料を噴射し続ける。そして、時間(t)の時点で、ピストン120の冠面温度が閾値温度(Tc)に達すると、エンジンコントロールユニット11は燃料噴射タイミングを、冷機時の燃料噴射タイミングから、暖機時又は暖機中の燃料噴射タイミングに変更して、燃料を噴射する。
図10(d)に示すように、時間(t)から時間(t)の間で、本例におけるPNは、本例のように表面処理を施していない場合と比べて減少している。
ところで、キャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cに、本例のような表面処理を施していない場合には、キャビティ1204の表面に燃料が付着し易くなる。また、キャビティ1204の底面1204aが撥油性を有し、側壁面1204cが撥油性を有していない場合には、燃料がキャビティ1204の縁(ふち)である側壁面1204cに付着し易くなる。そして、キャビティ1204の表面に付着した燃料は、剥離して輝炎となってしまうため、煤が発生してしまい、図10(d)のグラフBに示すように、PNが増加してしまう。
本例では、キャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cが撥油性を有しているため、燃料がキャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cに付着することが抑制される。また、本例ではキャビティ1204の底面1204aだけではなく、側壁面1204cも撥油性を有するため、底面1204aから跳ね上げられた燃料が、側壁面1204cに衝突する場合に、当該燃料は側壁面1204cに付着せず、燃焼室123内に案内される。そのため、本例は、キャビティ120の縁に燃料が付着することを抑制することができる。
また、本例では、ピストン120の冠面1201bが低熱伝導性を有しているため、冠面1201bの温度を早く上昇させることができ、冠面1201bにおいて、キャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cから跳ね上げられた燃料の気化を促進することができる。これにより、本例は、燃料が冠面1201に付着することを防ぐことができ、図10(d)のグラフAに示すように、PNの個数を減少させることができる。
上記のように、本例は、ピストンの冠面温度が閾値温度(Tc)未満の場合には、燃料噴射がキャビティを指向するように、冷機時のタイミングで燃料噴射を行い、ピストンの冠面温度が閾値温度(Tc)以上の場合には、燃料噴射が冠面1201bを指向するように、暖機中又は暖機後のタイミングで燃料噴射を行い、キャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cが撥油性を有する。これにより、本例は、冷機時にはキャビティ1204による成層燃焼を行うため、着火性を高めることができ、また点火時期を、燃料噴射時期に対して遅角させることで、早く暖機状態になるように促進させることができる。そして本例では、底面1204a及び側壁面1204cが撥油性を有するため、冷機時において噴射された燃料がキャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cに付着することを抑制することができる。また底面1204aから跳ね上げられた燃料が側壁面1204cに付着することを防ぐことができ、キャビティ1204の縁に燃料が付着することを抑制することができる。
また、本例において、暖機中又は暖機後には、ピストン120からの受熱により、ピストン120の冠面温度が上昇しており、冠面1201bに吹き付けられる噴射燃料は気化され易くなるため、燃料液膜が冠面1201bに形成されることを防ぐことができる。
また本例において、底面1204a及び側壁面1204cは、ピストン120の基材より高い撥油性を有し、ピストン120の冠面1201bは、ピストン120の基材より低い熱伝導性を有する。これにより、暖機中又は暖機後には、噴射燃料が指向する冠面1201bの温度が早く上昇するため、冠面1201bにおいて、キャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cから跳ね上げられた燃料の気化を促進することができ、燃料液膜が冠面1201に形成されることを抑制することができる。
また本例において、ピストン120の基材は、冠面1201aから露出している。これにより、冠面1201aの熱伝導性が高くなるため、高負荷時のノッキングを抑制することができる。また冠面1201aの表面処理が不要になるため、コストを抑制することができる。
また本例において、キャビティ1204の底面1204a及び側壁面1204cはピストン120の基材より低い熱伝導性を有する。これにより、噴射燃料が底面1204a及び側壁面1204cに吹き付けられる場合に、噴射燃料が底面1204a及び側壁面1204cの温度は早く上昇するため、燃料の気化を促進することができ、燃料液膜が底面1204a及び側壁面1204cに形成されることを抑制することができる。
EG…エンジン(内燃機関)
11…エンジンコントローラ
111…吸気通路
112…エアーフィルタ
113…エアフローメータ
114…スロットルバルブ
115…コレクタ
116…スロットルバルブアクチュエータ
117…スロットルセンサ
118…燃料噴射バルブ
119…シリンダ
120…ピストン
121…吸気バルブ
122…排気バルブ
123…燃焼室
124…点火プラグ
125…排気通路
126…空燃比センサ
127…排気浄化触媒
128…酸素センサ
129…マフラ
130…クランク軸
131…クランク角センサ
132…冷却ジャケット
133…水温センサ
1201…冠面
1201a、1201b…冠面
1202…吸気バルブリセス
1203…排気バルブリセス
1204…キャビティ
1204a…底面
1204b、1204c…側壁面

Claims (4)

  1. 燃焼室内の側方から筒内に直接燃料を噴射するように配置された燃料噴射バルブと、
    冠面の少なくとも一部分にキャビティを有するピストンと、
    点火プラグとを備え、
    前記ピストンの温度が所定温度未満の場合には、前記燃料噴射バルブによる主たる燃料噴射が前記キャビティを指向するように、ピストンが上死点付近にある第1のタイミングで燃料噴射を行い、
    前記ピストンの温度が前記所定温度以上の場合には、前記燃料噴射バルブによる主たる燃料噴射が、前記キャビティの外側であって前記燃料噴射バルブと反対側のピストンの冠面を指向するように、前記第1のタイミングより早く、かつ、前記ピストンの位置が前記第1のタイミングのピストンの位置より低い第2のタイミングで燃料噴射を行う内燃機関において、
    前記キャビティの底面及び前記キャビティの側壁面のうち前記燃料噴射バルブと反対側の側壁面は、前記キャビティの外側の冠面より高い撥油性を有し、かつ、前記燃料噴射バルブにより噴射された燃料を受け止めて当該燃料を跳ね上げ、前記点火プラグの周囲に案内するように形成されている
    ことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記キャビティの底面及び前記キャビティの側壁面のうち前記燃料噴射バルブと反対側の側壁面は、前記ピストンの基材より高い撥油性を有し、
    前記第2のタイミングの燃料噴射が指向する前記ピストンの冠面は、前記ピストンの基材より低い熱伝導性を有することを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記ピストンの基材は、前記第1のタイミング及び前記第2のタイミングのいずれの燃料噴射においても指向しないピストンの冠面から露出していることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関。
  4. 前記キャビティの底面及び前記キャビティの側壁面のうち前記燃料噴射バルブと反対側の側壁面は、前記ピストン基材より低い熱伝導性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関。
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