JP5651660B2 - 自動車の前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、フロントサイドフレームの前端部にフロントバルクヘッドが設けられ、フロントバルクヘッドの車体前方にバンパフェイスなどの車体前方部材が配置された自動車の前部構造に関する。
自動車の前部構造のなかには、上側衝撃吸収部材が車体幅方向に延出され、上側衝撃吸収部材の下方に下側衝撃吸収部材が設けられ、上側衝撃吸収部材の潰れ量が下側衝撃吸収部材より大きくなるように設定したものが知られている。
この自動車の前部構造が脚部に当接した場合、上側衝撃吸収部材が下腿部の関節寄りの部位(すなわち、上部)に接触して車体後方に大きく潰れる。同時に、下側衝撃吸収部材が下腿部の足首側の部位(すなわち、下部)に接触して足首寄りの部位を車体前方にすくい上げる。
よって、下腿部を自動車側に傾斜させることができる。下腿部を自動車側に傾斜させることにより、大腿部が下腿部に対して大きく傾斜することを抑え、膝関節の損傷を防ぐことができる(例えば、特許文献1参照。)。
また、自動車の前部構造のなかには、上側バンパ部の衝撃吸収部材が上吸収部および下吸収部に離間した状態に分割されたものが知られている。
衝撃吸収部材を上下の吸収部に離間することにより、上側バンパ部が膝関節に当接した場合に、膝関節の上側に上吸収部を接触させ、膝関節の下側に下吸収部を接触させることができる。これにより、上側バンパ部(上下の吸収部)を膝関節に直接接触しないようにして膝関節の損傷を防ぐことができる(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−58726号公報 特開2007−204017号公報
しかし、特許文献1、2の自動車の前部構造は、膝関節の上方に連結された大腿部を支える衝撃吸収部材を備えていない。このため、自動車の前部構造に脚部が接触した場合に大腿部が車体後方に移動することを抑えることはできない。
すなわち、特許文献1、2の自動車の前部構造には、下腿部および大腿部の両腿部が膝関節に対して変位することを抑えて、膝関節の損傷を好適に防ぐという内容について考慮されていない。
本発明は、下腿部および大腿部の両腿部が膝関節に対して変位することを抑えて膝関節の損傷を防ぐことができる自動車の前部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体の前部左右側に設けられるとともに車体前後方向に向けて延出されたフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームの前端部に設けられたフロントバルクヘッドと、前記フロントバルクヘッドの車体前方に配置される車体前方部材とを含む自動車の前部構造において、前記フロントバルクヘッドは、前記フロントサイドフレームから上方に延在するフロントバルクヘッドサイドを含み、前記フロントバルクヘッドサイドが前記車体前方部材の車体後方に位置し、前記フロントバルクヘッドサイドに、車体前後方向に延びて衝撃を吸収可能な衝撃吸収部材を配置し、前記衝撃吸収部材が車体前方に向けて拡開した形状であることを特徴とする。
請求項は、前記フロントバルクヘッドサイドが車体前後方向に延びる縦壁部を有し、前記縦壁部の前端に前記衝撃吸収部材が前記縦壁部に傾斜させて取り付けられ、前記衝撃吸収部材の先端部に先端開口部が形成され、前記衝撃吸収部材の先端部のうち前記縦壁部側の部位が、前記先端開口部の外側へ向けて傾斜方向と反対側に湾曲するように拡張された拡張部を形成していることを特徴とする。
請求項は、前記衝撃吸収部材は、前記先端部の形状を前記車体前方部材の裏面に倣わせたことを特徴とする。
請求項は、前記衝撃吸収部材は、ガラス繊維を含む樹脂で形成されたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、フロントサイドフレームからフロントバルクヘッドサイドを上方に延在し、フロントバルクヘッドサイドから衝撃吸収部材を車体前方に向けて延ばした。よって、フロントサイドフレームの上方に衝撃吸収部材を配置し、かつ、車体前方部材まで衝撃吸収部材を延ばすことができる。
車体前方部材まで衝撃吸収部材を延ばすことにより、脚部に当接した場合に、車体前方部材のうちフロントサイドフレームの前端側を下腿部に接触し、衝撃吸収部材の前端側を大腿部に接触させることができる。
これにより、フロントサイドフレームで下腿部を支え、かつ、衝撃吸収部材で大腿部を支えることができる。したがって、下腿部および大腿部の両腿部が膝関節に対して変位することを抑えて膝関節の損傷を防ぐことができる。
さらに、請求項に係る発明では、衝撃吸収部材を車体前方に向けて拡開することにより、衝撃吸収部材の後ベースを小さい形状にできる。衝撃吸収部材の後ベースは、フロントバルクヘッドサイドの取付部に取り付けられる部位である。よって、フロントバルクヘッドサイドの取付部を小さな形状にすることができ、取付部を配置する空間を小さく抑えることができる。
これにより、取付部の配置箇所を決める際に、レイアウトの制約を受けることなく取付部を所望の位置に配置できる。
また、衝撃吸収部材を車体前方に向けて拡開することにより、先端部の投影面積(先端部に無限大の距離から光を当ててできる影の面積)を大きく確保できる。よって、車体前方から入力する荷重が、衝撃吸収部材の取付軸からオフセットした(ずれた)場合でも、入力した荷重を先端部で受けることができる。
これにより、車体前方から入力した荷重を先端部で受け、先端部で受けた荷重を取付部に集約して所望の衝撃吸収性能を確保できる。
請求項に係る発明では、フロントバルクヘッドサイドの縦壁部に衝撃吸収部材を傾斜させて取り付けた。さらに、衝撃吸収部材の先端部のうち拡張部を先端開口部の外側へ向けて傾斜方向と反対側に湾曲するように拡張させた。
よって、車体前方から入力した荷重を拡張部に伝えることにより、衝撃吸収部材を縦壁部側に移動させて荷重の入力方向に向けることができる。このように、衝撃吸収部材を荷重の入力方向に向けることにより、入力した荷重で衝撃吸収部材を良好に潰して荷重を好適に吸収することができる。
また、衝撃吸収部材を荷重の入力方向に向けることにより、車体前方から入力した荷重を、衝撃吸収部材を経て縦壁部に前端から後端に向けて(すなわち、縦壁部の壁部に沿わせて)伝えることができる。
ここで、縦壁部は、壁部に沿わせて入力した荷重に対して剛性を十分に確保することができる。
よって、縦壁部の壁部に沿わせて荷重を伝えることにより、縦壁部が変形することを抑えることができる。これにより、車体前方から入力した荷重で、衝撃吸収部材を好適に変形させることができ、衝撃吸収部材の衝撃吸収性能をより好適に確保できる。
請求項に係る発明では、衝撃吸収部材の先端部の形状を車体前方部材の裏面に倣わせた。よって、車体前方から入力した荷重で車体前方部材が変形した場合に、車体前方部材の裏面を衝撃吸収部材の先端部に係止させることができる。
車体前方部材の裏面を先端部に係止させることにより、車体前方から入力した荷重で衝撃吸収部材が傾くことを抑えることができる。これにより、衝撃吸収部材を全体に亘って均一に潰し、車体前方から入力した荷重を衝撃吸収部材で好適に吸収することができる。
請求項に係る発明では、衝撃吸収部材をガラス繊維を含む樹脂で形成することにより、ガラス繊維で樹脂を補強することができる。これにより、衝撃吸収部材の板厚寸法を小さく抑えて軽量化を図り、かつ、所望の衝撃吸収性能を確保できる衝撃吸収部材を形成できる。
また、衝撃吸収部材の板厚寸法を小さく抑えることにより、単価の高い樹脂材の使用量を減少させて、衝撃吸収部材の低コストを図ることができる。
本発明に係る自動車の前部構造を示す斜視図である。 図1の2部拡大図である。 図2の自動車の前部構造を示す分解斜視図である。 本発明に係る自動車の前部構造を示す断面図である。 図4の5−5線断面図である。 図2の自動車の前部構造を車体後方から見た状態を示す斜視図である。 図6の左衝撃吸収部材(先端部)および車体前方部材の裏面形状を示す分解斜視図である。 本発明に係る左衝撃吸収部材の衝撃吸収性能と板厚寸法との関係を説明するグラフである。 本発明に係る自動車の前部構造に脚部が接触した例を説明する図である。 本発明に係る自動車の前部構造で脚部の膝関節を保護する例を説明する図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。
実施例に係る自動車の前部構造10について説明する。
図1に示すように、自動車の前部構造10は、車体11の前部左右側に設けられた左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)12,13と、左フロントサイドフレーム12の前端部12aおよび右フロントサイドフレーム13の前端部13aに設けられたフロントバルクヘッド15とが含まれている。
さらに、自動車の前部構造10は、左フロントサイドフレーム12の上方に設けられた左衝撃吸収部材(衝撃吸収部材)16と、右フロントサイドフレーム13の上方に設けられた右衝撃吸収部材(衝撃吸収部材)17と、左右の衝撃吸収部材16,17の下方に配置されたフロントバンパビーム18と、フロントバンパビーム18の車体前方に配置される車体前方部材21が含まれている。
左右のフロントサイドフレーム12,13は、車体11の前部左右側に所定間隔をおいて設けられ、かつ、エンジン・トランスミッションユニット25の左右側に沿って車体前後方向に向けて延出されている。
左右のフロントサイドフレーム12,13は、それぞれ略矩形状の閉断面状に形成されることにより車体11の骨格を構成する剛性・強度の高い部材である。
フロントバンパビーム18は、左フロントサイドフレーム12の前端12bおよび右フロントサイドフレーム13の前端13bに略水平に掛け渡されている。よって、フロントバンパビーム18は、フロントバルクヘッド15の車体前方で、かつ、バンパフェイス23(後述する)の車体後方に設けられている。
さらに、フロントバンパビーム18は、左右の衝撃吸収部材16,17の車体前方で、かつ、左右の衝撃吸収部材16,17の下方に設けられている。
車体前方部材21は、フロントバルクヘッド15、左右の衝撃吸収部材16,17やフロントバンパビーム18の車体前方に配置されている。
この車体前方部材21は、冷却機器(ラジエータ26)の車体前方に設けられるフロントグリル22や、フロントバンパビーム18の車体前方に設けられるバンパフェイス23が主要構成部材として含まれている。
フロントバルクヘッド15は、正面視略矩形状に形成され、車体前方部材21やフロントバンパビーム18の車体後方に配置されている。このフロントバルクヘッド15は、ラジエータ26などの冷却機器が設けられている。
ラジエータ26は、エンジン・トランスミッションユニット25の冷却水を外気(空気)で冷却するための熱交換器である。
このフロントバルクヘッド15は、左フロントサイドフレーム12から上方に延在する左フロントバルクヘッドサイド(フロントバルクヘッドサイド)28と、右フロントサイドフレーム12から上方に延在する右フロントバルクヘッドサイド(フロントバルクヘッドサイド)29と、左右のフロントバルクヘッドサイド28,29の各上端28a,29aを連接するフロントバルクヘッドアッパ31と、左右のフロントバルクヘッドサイド28,29の各下端を連接するフロントバルクヘッドロア32とが含まれている。
左右のフロントバルクヘッドサイド28,29、フロントバルクヘッドアッパ31およびフロントバルクヘッドロア32でフロントバルクヘッド15が正面視略矩形状に形成されている。
ここで、左右のフロントバルクヘッドサイド28,29は左右対称の部材であり、以下、左フロントバルクヘッドサイド28について説明して、右フロントバルクヘッドサイド29の説明を省略する。
図2、図3に示すように、左フロントバルクヘッドサイド28は、左フロントサイドフレーム12の内壁部14に設けられて車体前後方向に延びる縦壁部34と、縦壁部34の前辺(前端)34aから車体幅方向外側に張り出された前フランジ35と、縦壁部34の後辺34bから車体幅方向外側に張り出された後フランジ36と、縦壁部34の前辺34aおよび前フランジ35から車体前方に膨出する取付部37とを有する。
図3、図4に示すように、取付部37は、車体前方部材21の車体後方で、かつ、左フロントサイドフレーム12およびフロントバンパビーム18の上方に配置されている。
取付部37は、縦壁部34の前辺34aおよび前フランジ35から車体前方に膨出された取付脚部38と、取付脚部38の車体前方の前端38aに設けられた取付座部39とを有する。
取付脚部38は、車幅方向内側に向けて膨出するように略湾曲状に形成されている。
取付座部39は、取付脚部38の前端38aに設けられた状態で車幅方向に沿って配置されている。取付座部39に取付孔41が車体前後方向に向けて形成され、取付座部39の裏面39bにナット42が溶接されている。
取付孔41にボルト43のねじ部43aを貫通させ、貫通させたねじ部43aをナット42にねじ結合することにより、取付座部39の表面39aに左衝撃吸収部材16が取り付けられる。
すなわち、左衝撃吸収部材16は、ボルト43、ナット42および取付部37を介して縦壁部34の前辺34aに取り付けられている。
図5に示すように、縦壁部34は左フロントサイドフレーム12の内壁部14に設けられている。よって、取付座部39は、左フロントサイドフレーム12の内壁部14寄りに設けられている。
このため、例えば、左衝撃吸収部材16を縦壁部34(すなわち、左フロントサイドフレーム12)に沿って略平行に設けた場合、左衝撃吸収部材16の一部が左フロントサイドフレーム12に対して車幅方向内側にオフセットされた状態に配置される。
そこで、左衝撃吸収部材16を縦壁部34に対して(すなわち、左衝撃吸収部材16の取付軸62)車幅方向外側に傾斜角θだけ傾斜させて設けた。これにより、左衝撃吸収部材16を左フロントサイドフレーム12の上方に重ね合わせた状態で配置することが可能になり、左衝撃吸収部材16の先端部46を左フロントサイドフレーム12の上方に配置できる。
図4に戻って、左フロントサイドフレーム12から左フロントバルクヘッドサイド28が上方に延在され、左フロントバルクヘッドサイド28の取付部37から左衝撃吸収部材16が車体前方に向けて延ばされる。
よって、左フロントサイドフレーム12の上方に左衝撃吸収部材16が配置された状態で車体前方部材21まで延ばされている。
車体前方部材21まで左衝撃吸収部材16を延ばすことにより、自動車の前部構造10が脚部81に当接した場合に、車体前方部材21のうちフロントサイドフレーム12の前端12b側を下腿部82に接触し、左衝撃吸収部材16の先端部46側を大腿部83に接触させることができる。
左衝撃吸収部材16は、車体前後方向に延出されることにより脚部81の大腿部83を支え、車体前方から入力した荷重(衝撃)を吸収可能な部材である。
ここで、左右の衝撃吸収部材16,17(右衝撃吸収部材17は図1参照)は左右対称の部材であり、以下、左衝撃吸収部材16について説明して、右衝撃吸収部材17の説明を省略する。
図3、図5に示すように、左衝撃吸収部材16は、ガラス繊維を含む(配合した)樹脂で、車体前方に向けて略ラッパ状に拡開するように形成されている。樹脂は、一例として、PP材(ポリプロピレン)が用いられる。
この左衝撃吸収部材16は、略矩形状に形成された後ベース51と、後ベース51の上辺51aから車体前方に向けて延出された上吸収壁部52と、後ベース51の下辺51bから車体前方に向けて延出された下吸収壁部53と、後ベース51の内辺51cから車体前方に向けて延出された内吸収壁部54と、後ベース51の外辺51dから車体前方に向けて延出された外吸収壁部55とを有する。
後ベース51は、取付座部39に車体前方から当接可能に形成され、取付座部39に当接された状態で車幅方向に対して略平行に配置される。後ベース51に貫通孔57が形成され、貫通孔57が取付座部39の取付孔41と同軸上に配置されている。
貫通孔57および取付孔41にボルト43のねじ部43aを貫通させ、貫通させたねじ部43aをナット42にねじ結合することにより、取付座部39の表面39aに後ベース51(すなわち、左衝撃吸収部材16)が取り付けられる。
上吸収壁部52は、後ベース51の上辺51aから車体前方に向けて上り勾配に延出され、上先端52aが上方に拡張されている。
また、下吸収壁部53は、後ベース51の下辺51bから車体前方に向けて下り勾配に延出され、下先端53aが下方に拡張されている。
さらに、内吸収壁部54は、後ベース51の内辺51cから車体前方で、かつ車幅方向外側に向けて傾斜するように延出され、内先端(先端部46のうち縦壁部34側の部位)54aが車幅方向内側に拡張された拡張部に形成されている。
以下、内先端54aを「拡張部54a」として説明する。
内吸収壁部54の内先端に拡張部54aを形成することにより、拡張部54aが車幅方向内側に大きく張り出されている。
加えて、外吸収壁部55は、後ベース51の外辺51dから車体前方で、かつ車幅方向外側に向けて傾斜するように延出され、外先端55aが車幅方向外側に拡張されている。
左衝撃吸収部材16は、上先端52a、下先端53a、拡張部54aおよび外先端55aで先端部46が略矩形状に開口される。先端部46が開口されることにより、左衝撃吸収部材16の先端部46で先端開口部47が略矩形状に形成されている。
すなわち、左衝撃吸収部材16が後ベース51、上吸収壁部52、下吸収壁部53、内吸収壁部54および外吸収壁部55で車体前方に向けて略ラッパ状に拡開するように形成されている。
このように、左衝撃吸収部材16を車体前方に向けて拡開することにより、左衝撃吸収部材16の後ベース51を小さい形状にできる。後ベース51は左フロントバルクヘッドサイド28の取付座部39に取り付けられる部位である。
よって、取付座部39(すなわち、取付部37)を小さな形状にすることが可能になり、取付部37を配置する空間を小さく抑えることができる。これにより、取付部37の配置箇所を決める際に、レイアウトの制約を受けることなく取付部37を所望の位置に配置できる。
また、左衝撃吸収部材16を車体前方に向けて拡開することにより、先端部46の投影面積Sを大きく確保できる。よって、車体前方から入力する荷重が、左衝撃吸収部材16の取付軸62からオフセットした(ずれた)場合でも、入力した荷重を左衝撃吸収部材16の先端部46で良好に受けることができる。
このように、先端部46で荷重を受けることにより、先端部46で受けた荷重を取付部37に集約させることができる。これにより、車体前方から入力した荷重を左衝撃吸収部材16で好適に吸収することができ、所望の衝撃吸収性能を確保できる。
ところで、左衝撃吸収部材16は、外吸収壁部55および内吸収壁部54がそれぞれ車幅方向外側に向けて傾斜されている。よって、左衝撃吸収部材16は左衝撃吸収部材16の取付軸62に対して車幅方向外側に向けて傾斜角θだけ傾斜されている。これにより、左衝撃吸収部材16の先端部46が左フロントサイドフレーム12の上方に配置されている。
すなわち、左衝撃吸収部材16の先端部46が左フロントサイドフレーム12の前端12bの上方において重なるように配置されている。
ここで、左衝撃吸収部材16を傾斜角θだけ傾斜させた状態で、車体前方から先端部46に荷重が入力した場合、入力した荷重で左衝撃吸収部材16の全体が傾斜方向に大きく傾くことが考えられる。
左衝撃吸収部材16が傾いた場合、左衝撃吸収部材16で荷重を支えることや、左衝撃吸収部材16で荷重を吸収することが難しい。
そこで、前述したように、内吸収壁部54に拡張部54aを形成した。拡張部54aは、先端開口部47の外側へ左衝撃吸収部材16の傾斜方向と反対側に湾曲して拡張されている。よって、拡張部54aの先端(すなわち、縦壁部34側の先端)54bを後ベース51の内辺51cより車幅方向内側に位置させることができる。
これにより、車体前方から入力した荷重を拡張部54aの先端54bで受けることにより、左衝撃吸収部材16をボルト43を支点にして縦壁部34側に矢印Aの如く移動させることができる。左衝撃吸収部材16を矢印Aの如く移動させることにより、左衝撃吸収部材16を荷重の入力方向に向けることができる。
このように、左衝撃吸収部材16を荷重の入力方向に向けることにより、入力した荷重Fで左衝撃吸収部材16を良好に潰して荷重を好適に吸収することができる。
また、左衝撃吸収部材16を荷重の入力方向に向けることにより、車体前方から入力した荷重Fを左衝撃吸収部材16を経て縦壁部34の壁部に沿わせて伝えることができる。
ここで、縦壁部34は、壁部に沿わせて入力した荷重Fに対して剛性を十分に確保することができる。
よって、縦壁部34の壁部に沿わせて荷重Fを伝えることにより、縦壁部34が変形することを抑えることができる。これにより、車体前方から入力した荷重Fで、左衝撃吸収部材16を好適に変形させることができ、左衝撃吸収部材16の衝撃吸収性能をより好適に確保できる。
図6、図7に示すように、衝撃吸収部材16は、先端部46の形状が車体前方部材21(具体的には、フロントグリル22)の裏面22aに倣うように形成されている。
具体的には、上吸収壁部52の上先端52aは段部72を有する。段部72は、フロントグリル22の裏面22aに形成された段部71に対応するように段差状に形成されている。
また、下吸収壁部53の下先端53aは凹状の平坦部75を有する。凹状の平坦部75は、フロントグリル22の裏面22aに形成された枠部74に対応するように平坦状に形成されている。
さらに、外吸収壁部55の外先端55aは段部77を有する。段部77は、フロントグリル22の裏面22aに形成された枠部74および段部71に対応するように段差状に形成されている。
また、内吸収壁部54(拡張部54a)の先端54bは凸状の平坦部79を有する。凸状の平坦部79は、フロントグリル22の裏面22aに形成された枠部74の近傍凹部78に対応するように平坦状に形成されている。
よって、衝撃吸収部材16の先端部46を、フロントグリル22の裏面22aに倣わせて形成することができる。よって、車体前方から入力した荷重でフロントグリル22が変形した場合に、フロントグリル22の裏面22aを先端部46に係止(嵌合)させることができる。
これにより、車体前方から入力した荷重で左衝撃吸収部材16が傾くことを抑えることができる。したがって、左衝撃吸収部材16を全体に亘って均一に潰し、車体前方から入力した荷重を左衝撃吸収部材16で好適に吸収することができる。
ここで、左衝撃吸収部材16を成形する樹脂にガラス繊維を含ませる(配合する)理由を図8のグラフに基づいて説明する。
図8において、縦軸は左衝撃吸収部材16に入力する荷重(P)を示し、横軸は左衝撃吸収部材16の板厚寸法(T)を示す。また、G1は鋼板で形成した左衝撃吸収部材を示し、G2のグラフは樹脂(PP材)のみで形成した左衝撃吸収部材を示す。G3のグラフはガラス繊維を含む樹脂(PP材)で形成した実施例の左衝撃吸収部材16を示す。
G1に示すように、鋼板で形成した左衝撃吸収部材は、目標吸収荷重P1を確保するために板厚寸法をT1に設定できる。
目標吸収荷重P1とは、左衝撃吸収部材が有する衝撃吸収特性で吸収可能な荷重をいう。
G2に示すように、樹脂(PP材)のみで形成した左衝撃吸収部材は、目標吸収荷重P1を確保するために板厚寸法をT2まで大きくする必要がある。板厚寸法T2は、鋼板で形成した左衝撃吸収部材の板厚寸法T1の約4倍と大きい。
このため、G2に示す左衝撃吸収部材は、鋼板で形成した左衝撃吸収部材より重量を減らすことが難しく、軽量化を図ることができない。
G3に示すように、ガラス繊維を含む樹脂(PP材)で形成した実施例の左衝撃吸収部材16は、ガラス繊維で樹脂を補強することにより、衝撃吸収特性を決める際の自由度を高めることができる。よって、左衝撃吸収部材16による目標吸収荷重P1を確保するために必要とする板厚寸法をT3に小さく抑えることができる。
これにより、G3に示す左衝撃吸収部材16は、所望の衝撃吸収性能を確保でき、かつ、鋼板で形成した左衝撃吸収部材より重量を減らして軽量化を図ることができる。
さらに、G3に示す左衝撃吸収部材16の板厚寸法T3を小さく抑えることにより、単価の高い樹脂(PP材)の使用量を減らすことができ、左衝撃吸収部材16の低コストを図ることができる。
つぎに、自動車の前部構造10の左衝撃吸収部材16で脚部81の膝関節84を保護する例を図9、図10に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、左衝撃吸収部材16が左フロントサイドフレーム12の上方に重ね合わされた状態で配置され、左衝撃吸収部材16の先端部46が左フロントサイドフレーム12の上方に配置されている。
よって、自動車の前部構造10が低速走行中に脚部81に当接した場合、車体前方部材21の部位21aに下腿部82が接触し、左衝撃吸収部材16の部位21bに大腿部83が接触する。
車体前方部材21の部位21aは、フロントサイドフレーム12の前端12b側に対峙するバンパフェイス23である。左衝撃吸収部材16の部位21bは、左衝撃吸収部材16の先端部46側に対峙するフロントグリル22である。
よって、フロントサイドフレーム12の前端12bに荷重F1が入力し、左衝撃吸収部材16の先端部46に荷重F2が入力する。
図9(b)に示すように、左衝撃吸収部材16に入力した荷重F2の一部が拡張部54aの先端54bに荷重F3として伝えられる。よって、左衝撃吸収部材16を左フロントバルクヘッドサイド28の縦壁部34側に矢印Aの如く移動させることができる。
これにより、左衝撃吸収部材16を、想像線で示すように荷重F3(すなわち、荷重F2)の入力方向に向けることができる。
ここで、左衝撃吸収部材16を車体前方に向けて拡開することにより、先端部46の投影面積Sが大きく確保されている。
よって、車体前方から入力する荷重F2が、左衝撃吸収部材16の取付軸62からオフセットした場合でも、入力した荷重F2を左衝撃吸収部材16の先端部46で良好に受けることができる。
図10(a)に示すように、左衝撃吸収部材16を荷重F2の入力方向に向けることにより、左衝撃吸収部材16で荷重F2を好適に支えることができる。
さらに、左衝撃吸収部材16を入力方向に向けることにより、入力した荷重F2を取付部37に集約させることができる。集約された荷重F2は縦壁部34の壁部に沿わせて伝えることができる。
ここで、縦壁部34は、壁部に沿わせて入力した荷重F2に対して剛性が十分に確保されている。これにより、左衝撃吸収部材16を荷重F2で良好に潰して荷重F2を左衝撃吸収部材16で好適に吸収することができる。
図10(b)に示すように、フロントサイドフレーム12の前端12bに入力した荷重F1でバンパフェイス23を変形させて荷重F1を好適に吸収する。
よって、フロントサイドフレーム12の前端12bに入力した荷重F1、および左衝撃吸収部材16の先端部46に入力した荷重F2を同様に吸収することができる。
これにより、左フロントサイドフレーム12で下腿部82を支え、かつ、左衝撃吸収部材16で大腿部83を下腿部82と同様に支えることができる。
このように、下腿部82および大腿部83を同様に支えることにより、下腿部82および大腿部83の両腿部が膝関節84に対して変位することを抑えて膝関節84の損傷を防ぐことができる。
なお、本発明に係る自動車の前部構造は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、左右の衝撃吸収部材16,17を左右のフロントサイドフレーム12,13にボルト43を用いて取り付ける例について説明したが、これに限らないで、左右の衝撃吸収部材16,17をリベットなどの他の締結部材を用いて取り付けることも可能である。
また、前記実施例で示した自動車の前部構造、車体、左右のフロントサイドフレーム、フロントバルクヘッド、左右の衝撃吸収部材、フロントグリル、バンパフェイス、左右のフロントバルクヘッドサイドおよび縦壁部などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、フロントサイドフレームにフロントバルクヘッドを設け、フロントバルクヘッドの車体前方にバンパフェイスなどの車体前方部材を設けた自動車への適用に好適である。
10…自動車の前部構造、11…車体、12,13…左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)、12a,13a…左右のフロントサイドフレームの前端部、15…フロントバルクヘッド、16,17…左右の衝撃吸収部材(衝撃吸収部材)、22…フロントグリル(車体前方部材)、22a…フロントグリルの裏面(車体前方部材の裏面)、23…バンパフェイス(車体前方部材)、28,29…左右のフロントバルクヘッドサイド(フロントバルクヘッドサイド)、34…縦壁部、34a…縦壁部の前辺(前端)、46…先端部、47…先端開口部、54a…拡張部(先端部のうち前記縦壁部側の部位)。

Claims (4)

  1. 車体の前部左右側に設けられるとともに車体前後方向に向けて延出されたフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームの前端部に設けられたフロントバルクヘッドと、前記フロントバルクヘッドの車体前方に配置される車体前方部材とを含む自動車の前部構造において、
    前記フロントバルクヘッドは、
    前記フロントサイドフレームから上方に延在するフロントバルクヘッドサイドを含み、
    前記フロントバルクヘッドサイドが前記車体前方部材の車体後方に位置し、
    前記フロントバルクヘッドサイドに、車体前後方向に延びて衝撃を吸収可能な衝撃吸収部材を配置し
    前記衝撃吸収部材が車体前方に向けて拡開した形状であることを特徴とする自動車の前部構造。
  2. 前記フロントバルクヘッドサイドが車体前後方向に延びる縦壁部を有し、前記縦壁部の前端に前記衝撃吸収部材が前記縦壁部に傾斜させて取り付けられ、
    前記衝撃吸収部材の先端部に先端開口部が形成され、
    前記衝撃吸収部材の先端部のうち前記縦壁部側の部位が、前記先端開口部の外側へ向けて傾斜方向と反対側に湾曲するように拡張された拡張部を形成していることを特徴とする請求項1記載の自動車の前部構造。
  3. 前記衝撃吸収部材は、前記先端部の形状を前記車体前方部材の裏面に倣わせたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動車の前部構造。
  4. 前記衝撃吸収部材は、ガラス繊維を含む樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の自動車の前部構造。
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