JP5648797B2 - ポリエーテルヒドロキシ化合物の製造方法 - Google Patents
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またポリエーテルヒドロキシ化合物については、末端製品の高機能化に伴い1官能の場合は数平均分子量が6000以上、2官能以上の場合は数平均分子量が10000以上の高分子量ポリエーテルヒドロキシ化合物が要求されるようになり、DMC触媒を用いた工程を2工程以上経て製造されることがある。
即ち、本発明は、活性水素を有する出発物質にアルキレンオキサイドを開環付加重合反応させる工程を、n個(ただしnは2以上の整数)含む、ポリエーテルヒドロキシ化合物を製造する方法であって、第(n−1)工程及び第n工程における重合触媒が複合金属シアン化物錯体触媒であり、かつ第n工程の出発物質の少なくとも一部が第(n−1)工程の重合生成物であり、該出発物質が、酸化防止剤を含まないか、該出発物質100質量部に対して0.02質量部以下の量で酸化防止剤を含む、ことを特徴とするポリエーテルヒドロキシ化合物の製造方法である。
好ましくは、第1工程における重合触媒がアルカリ金属化合物であり、第2工程から第n工程の重合触媒が複合金属シアン化物錯体触媒である。
また、本発明は、数平均分子量が10,000以上であり、複合金属シアン化物錯体及びヒンダードフェノール化合物を含み、ポリプロピレン容器に入れて、JIS A1415に準じる紫外線照射された際の、JIS K 1557に基づくHazen色数の増加が30未満であることを特徴とする、ポリエーテルヒドロキシ化合物である。
M1 a[M2 b(CN)c]de(M3 fXg)h(H2O)i(L) (1)
式(1)中、M1〜M3は金属を、Xはハロゲン原子を、Lは有機配位子を、a、b、c、d、e、f、g、h、iは金属の原子価や有機配位子の配位数などにより変わり得る数を、それぞれ示す。M1とM3は同じであることが好ましく、M2は、M1及びM3とは異なることが好ましく、複合金属シアン化物触媒が、少なくとも2種類の金属を含むことが好ましい。また、M3はなくてもよい。
上記式(1)で表わされる化合物は、原子番号23から30の金属のハロゲン化物(A)、原子番号23から28の金属のシアン化物(B)、およびアルコール、エーテル、ケトン、エステル、アミンおよびアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物(C)の反応生成物であることが好ましい。
好適なDMC触媒としては、Zn3[Co(CN)6]2・h(ZnCl2)・iC(CH8)3OH (hおよびiは配位数により異なる)が挙げられる。
ブロック重合法とは、1工程において、生成したポリエーテルヒドロキシ化合物中、二種以上のアルキレンオキサイド各々の重合鎖がブロックで並ぶようにする製造方法を言う。ランダム重合法とは、1工程において、生成したポリエーテルヒドロキシ化合物中、二種以上のアルキレンオキサイドがランダムに並ぶようにする製造方法を言う。ランダム重合法で生成したポリエーテルヒドロキシ化合物中、アルキレンオキサイドがランダムに並んでいる部分にブロックに並んでいる部分があってもよい。
1工程は次の各サブ工程を含む。
(原料投入工程)
反応容槽に活性水素含有出発物質と重合触媒とを投入する工程。
(開環付加重合反応工程)
原料投入後、圧力が上昇し、その後降下したこと(触媒活性化)を確認した後、残りのアルキレンオキサイドを投入する。反応温度を保持しながら、活性水素含有出発物質にアルキレンオキサイドを開環付加重合させる、開環付加重合反応工程。
開環付加重合反応工程において、アルキレンオキサイドは連続または段階的に投入する。このときの投入速度が遅いと得られる重合体の分子量分布を狭くできるが、投入速度が遅いと生産効率が低下するため、これらを比較衡量して定めることが好ましい。具体的な投入速度としては、最終生成物として予定しているポリエーテルヒドロキシ化合物の100質量部に対して1〜200質量部/時間の範囲で、0.5〜1000時間かけて、投入することが好ましい。なお、開環付加重合反応途中で投入速度を逐次変えてもよい。
さらに必要に応じて、以下の工程を含んでもよく、以下の工程の順序は入れ替わってもよい。
(酸化防止剤添加工程)
開環付加重合反応後、適温まで冷却し、酸化防止剤を投入して撹拌する酸化防止剤添加工程。
(精製工程)
反応物中の触媒残渣等を吸着材による吸着、酸による中和し、必要に応じて濾過する精製工程。
開環付加重合反応において、DMC触媒を用いる場合、酸化防止剤添加工程は反応槽から生成物を抜き出す直前がよい。また精製工程はなくてもよい。
アルキレンオキシドの開環付加重合反応は、耐圧反応容器において、通常、60〜180℃、好ましくは80〜140℃で、1〜24時間、好ましくは6〜12時間加熱することによって行う。本発明に用いる耐圧反応容器の形状、材質は特に問わないが、形状はループ型または円筒型が好ましく、材質は耐熱性のガラスまたは金属製容器が好ましい。耐圧反応容器には加熱のためのマイクロウェーブ設備、冷却または加熱のため熱媒や蒸気を用いて加熱・冷却するための内部コイルまたは外部ジャッキ設備があることが好ましく、内部コイルまたは外部ジャッキ設備が好ましい。耐圧反応容器には反応物が外部熱交換器を経て循環する配管があってもよい。反応系内の雰囲気は、不活性ガスが良く、窒素ガスが好ましい。また、耐圧反応容器内の圧力は、操作や設備が容易である点で、絶対圧力で1MPa以下が好ましく、0.8MPa以下がより好ましい。
a : トコフェノール、例えばα − トコフェノール、β − トコフェノール、γ −トコフェノール、δ − トコフェノール、及びこれらの混合物;
b : フェノール環の少なくとも2 個の位置が炭素数1〜16の炭化水素基で置換されたフェノール、例えば2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − メチルフェノール(BHT)、2 − ブチル− 4 , 6 − ジメチルフェノール、2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − メトキシフェノール、2 , 6 − ジ−t e r t − ブチル− 4 − エチルフェノール、2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − n − ブチルフェノール、2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − イソブチルフェノール、2 , 6 −ジシクロペンチル− 4 − メチルフェノール、2 − ( α − メチルシクロヘキシル) − 4 , 6− ジメチルフェノール、2 , 6 − ジオクタデシル− 4 − メチルフェノール、2 , 4 , 6 −トリシクロヘキシルフェノール、2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − メトキシメチルフェノール、2 , 6 −ジノニル− 4 − メチルフェノール、2 , 4 − ジメチル− 6 − ( 1 ’ − メチルウンデカ− 1’ − イル) フェノール、2 , 4 − ジメチル− 6 − ( 1 ’ − メチルヘプタデカ− 1 ’ − イル) フェノール、2 , 4 − ジメチル− 6 − ( 1 ’ − メチルトリデカ− 1 ’ − イル) フェノール、及びこれらの混合物;
c : アルキルチオフェノール、例えば、2 , 4 − ジオクチルチオメチル− 6 − t e r t − ブチルフェノール、2 , 4 −ジオクチルチオメチル− 6 − メチルフェノール、2 , 4 − ジオクチルチオメチル− 6 − エチルフェール、2 , 6 − ジドデシルチオメチル− 4 − ノニルフェノール、及びこれらの混合物;
d :ジフェノールのチオエーテル、例えば2 , 2 ’ − チオビス( 6 − t e r t − ブチル− 4 − メチルフェノール) 、2 , 2 ’ − チオビス( 4 − オクチルフェノール) 、4 , 4 ’ − チオビス( 6 − t e r t − ブチル− 3 −メチルフェノール) 、4 , 4 ’ − チオビス( 6 − t e r t − ブチル− 2 − メチルフェノール) 、4 , 4 ’ − チオビス( 3 , 6 − ジs e c − アミルフェノール) 、4 , 4 ’ − ビス(2 , 6 − ジメチル− 4 − ヒドロキシフェニル) ジスルフィド、及びこれらの混合物;
e :アルキリデンビスフェノール、例えば、2 , 2 ’ − メチレンビス( 6 − t e r t − ブチル− 4 − メチルフェノール) 、2 , 2 ’ −メチレンビス( 6 − t e r t − ブチル− 4 − エチルフェノール) 、2 , 2 ’ − メチレンビス( 6 − t e r t − ブチル− 4 − ブチルフェノール) 、2 , 2 ’ − メチレンビス[ 4 − メチル− 6 − ( α − メチルシクロヘキシル) フェノール] 、2 , 2 ’ − メチレンビス( 4 −メチル− 6 − シクロヘキシルフェノール) 、2 , 2 ’ − メチレンビス( 6 − ノニル− 4 −メチルフェノール) 、2 , 2 ’ − メチレンビス( 4 , 6 − ジ− t e r t − ブチルフェノール) 、2 , 2 ’ − エチリデンビス( 4 , 6 − ジ− t e r t − ブチルフェノール) 、2 , 2’ − エチリデンビス( 6 − t e r t − ブチル− 4 − イソブチルフェノール) 、2 , 2 ’ −メチレンビス[ 6 − ( α − メチルベンジル) − 4 − ノニルフェノール] 、2 , 2 ’ − メチレンビス[ 6 − ( α 、α − ジメチルベンジル) − 4 − ノニルフェノール] 、1 , 1 − ビス( 5 − t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシ− 2 − メチルフェニル) ブタン、2 , 6 − ビス( 3 − t e r t − ブチル− 5 − メチル− 2 − ヒドロキシベンジル) − 4 − メチルフェノール、1 , 1 , 3 − トリス( 5 − t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシ− 2 − メチルフェニル) ブタン、1 , 1 − ビス( 5 − t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシ− 2 − メチルフェニル) − 3 − n − ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[ 3 , 3 − ビス( 3 ’− t e r t − ブチル− 4 ’ − ヒドロキシフェニル) ブチラート] 、ビス( 3 − t e r t −ブチル− 4 − ヒドロキシ− 5 − メチルフェニル) ジシクロペンタジエン、1 , 1 − ビス(3 , 5 − ジメチル− 2 − ヒドロキシフェニル) ブタン、2 , 2 − ビス( 3 , 5 − ジ− t er t − ブチル− 4 − ヒドロキシフェニル) プロパン、2 , 2 − ビス( 3 , 5 − ジ− t e rt − ブチル− 4 − ヒドロキシ− 2 − メチルフェニル) − 4 − n − ドデシルメルカプトブタン、1 , 1 , 5 , 5 − テトラ( 5 − t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシ− 2 − メチルフェニル) ペンタン、及び、さらに例えば、メチル( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシフェニル) プロピオナート、オクタデシル( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4− ヒドロキシフェニル) プロピオナート、N , N ’ − ヘキサメチレンビス( 3 , 5 − ジ−t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシヒドロシンナミド( c i n n a m i d e )) 、テトラキス[ メチレン( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − ヒドキシ桂皮酸) メタン、2 , 2 ’ − オキサミドビス[ エチル− 3 − ( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシフェニル) プロピオナート、トリス( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − ヒドロキシベンジル) イソシアヌラート、ペンタエリトリトール テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]及びこれらの混合物。
また、水を反応生成物100質量部に対し0.1~10質量部添加することによる水添加法を、単独で使用し、または吸着法と併用してもよい。
5LのSUS製のオートクレーブにプロピレングリコール(工業用、旭硝子社製)を380g、触媒として水酸化カリウム(純度95質量%)12.6gを添加し、110℃で1時間減圧処理を行い、水分を除去しながらアルコラート化した。次いで、オートクレーブの温度を110℃に昇温し、プロピレンオキサイド3620gを8時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認して、内容物を抜き出した。該内容物に、合成ケイ酸マグネシウム(キョーワド600S、協和化学工業社製)を加えて触媒を吸着させた後、不純物をろ過により除去した。その後、2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− 4 − メチルフェノール(以下BHT、商品名アンテージBHT、川口化学工業社製)を2g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した。得られた中間体1(1)の数平均分子量(Mn)は800であった。以下において、Mnは、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法で測定した。
5Lのオートクレーブに、中間体1(1)を800g、触媒としてtert−ブチルアルコール配位子を有する複合金属シアン化物錯体のポリオールによるスラリー触媒(以下「触媒Y」とし、その詳細は後述する)3.0gを添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド80gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド2120gを5時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、BHTを0.6g(濃度0.02質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体1(2)のMnは3000であった。
5Lのオートクレーブに、中間体1(2)を800g、触媒Yを4.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド80gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド3120gを8時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、BHTを2g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られたポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは15000であった。
活性水素含有出発物質として、グリセリン(工業用、花王社製)を368g用いたことを除き、実施例1と同様にして中間体2(1)を製造した。該中間体2(1)のMnは1000であった。
5Lのオートクレーブに、中間体2(1)を1000g、触媒Yを4.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド100gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド2900gを5時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、BHTを0.4g(濃度0.01質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体2(2)のMnは4000であった。
5Lのオートクレーブに、中間体2(2)を800g、触媒Yを4.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイドの80gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド3120gを8時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、BHTを4g(濃度0.1質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られたポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは20000であった。
実施例1と同様にして中間体3(1)を製造した。該中間体3(1)のMnは800であった。
5Lのオートクレーブに、中間体3(1)を1600g、触媒Yを4.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、エチレンオキサイド40gとプロピレンオキサイド120gの混合物を10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後に混合物が反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でエチレンオキサイド560gとプロピレンオキサイド1680gの混合物を5時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、混合物が全て反応した事を確認したのち、BHTを0.4g(濃度0.01質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体3(2)のMnは2000であった。
5Lのオートクレーブに、中間体3(2)を500g、触媒Yを3.2g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、エチレンオキサイド10gとプロピレンオキサイド30gの混合物を10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後に混合物が反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でエチレンオキサイド740gとプロピレンオキサイド2220gの混合物を8時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、BHTを2g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られたポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは14000であった。
実施例2と同様にして中間体4(1)を製造した。該中間体4(1)のMnは1000であった。
5Lのオートクレーブに、中間体4(1)を1000g、触媒Yを3.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド100gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド1900gを5時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、安定剤としてBHTを1.5g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体4(2)のMnは4000であった。
5Lのオートクレーブに、中間体4(2)を1000g、触媒Yを3.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド100gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド2233gを5時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、BHTを0.33g(濃度0.01質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体4(3)のMnは10000であった。
5Lのオートクレーブに、中間体4(3)を1000g、触媒Yを3.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド100gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド2233gを10時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、BHTを1.67g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られたポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは30000であった。
BHTを添加しなかったことを除き実施例1と同様にして中間体5(1)を製造した。該中間体5(1)のMnは800であった。
5Lのオートクレーブに、中間体5(1)を800g用い、BHTに代えてオクタデシル( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4− ヒドロキシフェニル) プロピオナート(商品名 イルガノックス1076、BASF社製)を0.3g(濃度0.01質量)添加したことを除き、実施例1と同様にして中間体5(2)を製造した。該中間体5(2)のMnは3000であった。
中間体5(2)を800g用い、オクタデシル( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4− ヒドロキシフェニル) プロピオナートを2g(濃度0.05質量部)添加したことを除き、実施例1と同様にしてポリエーテルヒドロキシ化合物を製造した。該ポポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは15000であった。
5Lのオートクレーブに2-エチルヘキシルアルコール(協和発酵ケミカル社製)を520g、触媒Yを2.4g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド52gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド1828gを5時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、ペンタエリトリトール テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名イルガノックス1010、BASF社製)を1.2g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体6(1)のMnは600であった。
5Lのオートクレーブに、中間体6(1)を1200g、触媒Yを4.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド60gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド2740gを6時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、ペンタエリトリトール テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]を2g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体6(2)のMnは2000であった。
5Lのオートクレーブに中間体6(2)を1000g、触媒Yを4.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド50gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド2950gを8時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、安定剤としてペンタエリトリトール テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]を0.8g(濃度0.02質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られた中間体6(3)のMnは8000であった。
5Lのオートクレーブに中間体6(3)を1600g、触媒Yを3.0g添加した。次いで、オートクレーブの温度を130℃に昇温し、プロピレンオキサイド80gを10分かけて導入し、誘導反応に付した。20分後にプロピレンオキサイドが反応したことによる内圧の低下を確認した後、130℃でプロピレンオキサイド1320gを6時間かけて導入した。導入後オートクレーブ内の圧力が一定になり、プロピレンオキサイドが全て反応した事を確認したのち、ペンタエリトリトール テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]を3g(濃度0.1質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られたポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは15000であった。
<比較中間体C1(1)の製造>
実施例1と同様に、比較中間体C1(1)を製造した。該比較中間体C1(1)のMnは800であった。
比較中間体C1(1)を800g用い、BHTを1.5g(濃度0.05質量部)添加したことを除き、実施例1と同様にして比較中間体C1(2)を製造した。得られた比較中間体C1(2)のMnは3000であった。
比較中間体C1(2)を用いたことを除き、実施例1と同様にして、BHTを2g(濃度0.05質量部)添加し、10分かけて混合した後、内容物を抜き出した。得られたポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは15000であった。
<比較中間体C2(1)の製造>
実施例2と同様にグリセリン(工業用、花王社製)を368g用いて比較中間体C2(1)を製造した。該比較中間体C2(1)のMnは1000であった。
BHTを2g(濃度0.05質量部)添加したことを除き、実施例2と同様にして比較中間体C2(2)を製造した。該比較中間体C2(2)のMnは4000であった。
比較中間体C2(2)を800g用いたことを除き、実施例2と同様にBHTを4g(濃度0.1質量部)添加してポリエーテルヒドロキシ化合物を抜き出した。該ポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは20000であった。
<比較中間体C3(1)の製造>
実施例1と同様にして、比較中間体C3(1)を製造した。該比較中間体C3(1)のMnは800であった。
BHTを1.6g(濃度0.4質量部)添加したことを除き、実施例3と同様にして比較中間体3(2)を製造した。該比較中間体C3(2)のMnは2000であった。
比較中間体C3(2)を用いたことを除き、実施例3と同様にして、BHTを2g(濃度0.5質量部)添加して、ポリエーテルヒドロキシ化合物を抜き出した。該ポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは14000であった。
<比較中間体C4(1)の製造>
実施例2と同様にして比較中間体C4(1)を製造した。該比較中間体C4(1)のMnは1000であった。
比較中間体C4(1)を用いたことを除き、実施例2と同様にして比較中間体C4(2)を製造した。該比較中間体C4(2)のMnは4000であった。
比較中間体C4(2)を1000g用い、BHTを1.67g(濃度0.05質量部)添加したことを除き、実施例4と同様にして比較中間体C4(3)を製造した。該比較中間体C4(3)のMnは10000であった。
比較中間体C4(3)を1000g用いたことを除き、実施例4と同様にしてポリエーテルヒドロキシ化合物を製造した。該ポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは30000であった。
<比較中間体C5(1)の製造>
BHTを添加しなかったことを除き実施例1と同様にして比較中間体C5(1)を製造した。
比較中間体C5(1)を800g用い、オクタデシル( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4− ヒドロキシフェニル) プロピオナートを1.5g(濃度0.05質量部)添加したことを除き、実施例5と同様にして、比較中間体C5(2)を製造した。該比較中間体C5(2)のMnは3000であった。
比較中間体C5(2)を800g用いたことを除き、実施例5と同様にオクタデシル( 3 , 5 − ジ− t e r t − ブチル− 4− ヒドロキシフェニル) プロピオナートを2g(濃度0.05質量部)添加し、ポリエーテルヒドロキシ化合物を製造した。該ポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは15000であった。
<比較中間体C6(1)の製造>
実施例6と同様にして、比較中間体C6(1)を製造した。該比較中間体C6(1)のMnは600であった。
比較中間体C6(1)を1200g用いたことを除き実施例6と同様にして、比較中間体C6(2)を製造した。該比較中間体C6(2)のMnは2000であった。
比較中間体C6(2)を1000g用い、ペンタエリトリトール テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]を2g(濃度0.05質量部)添加したことを除き、実施例6と同様にして比較中間体C6(3)を製造した。該比較中間体C6(3)のMnは8000であった。
比較中間体C6(3)を1600g用いたことを除き、実施例6と同様にペンタエリトリトール テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]を3g(濃度0.1質量部)添加して、ポリエーテルヒドロキシ化合物を製造した。該ポリエーテルヒドロキシ化合物のMnは15000であった。
実施例及び比較例で使用したDMC触媒(触媒Y)は、以下のようにして調製した。
500mlのフラスコ中、塩化亜鉛10.2gを含む25gの水溶液中に、カリウムヘキサシアノコバルテート(K3[Co(CN)]6)を4.2g含む75gの水溶液を40℃に保温しつつ、300回転/分で撹拌しながら30分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌した後、tert−ブチルアルコール(以下、「TBA」という)80g、水80gおよびポリオールとして平均分子量1000のポリプロピレングリコール(EXCENOL 1020 旭硝子製 以下「ポリオールX」という)0.6gの混合物を添加し、40℃で30分間、さらに60℃で60分間撹拌した後、直径125mmの円形ろ板と微粒子用の定量ろ紙(ADVANTEC社製のNo.5C)とを用いて、加圧下(0.25MPa)でろ過を行い、50分ほどで複合金属シアン化物錯体を含む固体(ケーキ)を分離した。この複合金属シアン化物錯体は、上記一般式(1)において、M1、M3がZn(II)、M2がCo(III)、XがCl、LがTBAの化合物である。
次いで、この複合金属シアン化物錯体を含むケーキにTBAの36gおよび水84gの混合物を添加して30分間撹拌した後、加圧ろ過(ろ過時間:15分)を行った。得られた複合金属シアン化物錯体を含むケーキに、TBAの108gおよび水12gの混合物を添加して30分間撹拌し、複合金属シアン化物錯体を含むTBAのスラリーSを得た。
得られた複合金属シアン化物錯体を含むTBAのスラリーSを5gほどフラスコに秤取し、窒素気流で概ね乾かした後、80℃で4時間減圧乾燥した。これにより得られた固体を秤量した結果、固体成分である複合金属シアン化物錯体の濃度は4.53質量%であった。上記複合金属シアン化物錯体を含むTBAのスラリーSの残りに、ポリオールXの120gを混合し、減圧下、80℃で3時間、115℃で3時間処理し、揮発成分を留去して、スラリー触媒Yを得た。スラリー触媒Y中の複合金属シアン化物錯体(固体成分)の濃度は3.74質量%であった。
使用機種:HLC−8220GPC(東ソー社製)
データ処理装置:SC-8020(東ソー社製)
使用カラム:TSG gel G2500H(東ソー社製)
カラム温度:40℃、検出器:RI、溶媒:テトロヒドロフラン、流速0.6ml/分
試料濃度:0.25質量%、注入量:10μl
検量線作成用標準サンプル:ポリスチレン([Easical]PS−2[Polystyrene Standards]、Polymer Laboratories社製)
製造した各ポリエーテルポリオールを、半透明のポリエチレン容器(東静容器社製 規格細口ボトル250ml、直径63mm、高さ128mm、厚さ1mm)に入れ、JIS A1415の紫外線カーボンアークによる暴露試験方法に準じて、下記条件により、照射試験を行った。照射前後に、ポリエーテルポリオールの色を、JIS K 1557に基づき、Hazen比色法で標準液と比較して測定した。結果を表1及び2に示す。
使用機種:SUNSHINE WEATHER METER S80(スガ試験機社製)
照射波長:300〜700nm
照射強度:233W/m2
照射温度:60℃
照射時間:70時間
Claims (9)
- 活性水素を有する出発物質にアルキレンオキサイドを開環付加重合反応させる工程を、n個(ただしnは2以上の整数)含む、ポリエーテルヒドロキシ化合物を製造する方法であって、第(n−1)工程及び第n工程における重合触媒が複合金属シアン化物錯体触媒であり、第(n−1)工程において、該第(n−1)工程の出発物質100質量部に対して、0.02〜1質量部の酸化防止剤を含み、かつ第n工程の出発物質の少なくとも一部が第(n−1)工程の重合生成物であり、該第n工程の出発物質が、酸化防止剤を含まないか、該出発物質100質量部に対して0.02質量部以下の量で酸化防止剤を含む、ことを特徴とするポリエーテルヒドロキシ化合物の製造方法。
- nが3以上の整数であり、第1工程でアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物触媒が用いられ、第2〜第n工程で複合金属シアン化合物錯体触媒が用いられる、請求項1記載の製造方法。
- 酸化防止剤が、少なくとも2つの炭素数1〜16の炭化水素基で置換されたフェノール及びアルキリデンビスフェノールから選ばれる少なくとも一種のヒンダードフェノール化合物である、請求項1又は2記載の製造方法。
- アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- 複合金属シアン化物錯体が、下記(A)〜(C)の反応生成物である、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
(A)原子番号23〜30の第1の金属のハロゲン化物
(B)原子番号23〜28の第2の金属のシアン化物、
(C)アルコール、エーテル、ケトン、エステル、アミンおよびアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物 - 上記アルコールおよびエーテルが、tert−ブチルアルコールと、下記n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、iso−プロピルアルコール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルおよびジオキサンなる群から選ばれる1種または2種以上とからなる化合物である、請求項5に記載の製造方法。
- 数平均分子量が10,000以上であり、複合金属シアン化物錯体及びヒンダードフェノール化合物を含み、ポリプロピレン容器に入れて、JIS A1415に準じる紫外線照射された際の、JIS K 1557に基づくHazen色数の増加が30未満であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法により得られるポリエーテルヒドロキシ化合物。
- ヒンダードフェノール化合物が、少なくとも2つの炭素数1〜16の炭化水素基で置換されたフェノール及びアルキリデンビスフェノールから選ばれる少なくとも一種である、請求項7記載のポリエーテルヒドロキシ化合物。
- 複合金属シアン化物錯体が、下記(A)〜(C)の反応生成物である、請求項7又は8記載のポリエーテルヒドロキシ化合物。
(A)原子番号23〜30の第1の金属のハロゲン化物
(B)原子番号23〜28の第2の金属のシアン化物、
(C)アルコール、エーテル、ケトン、エステル、アミンおよびアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
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