以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施形態における組電池である電池パック1の概略構成を示す斜視図であり、図2は、電池パック1を構成する複数の電池モジュール2のうち1つの電池モジュール2の外観を示す斜視図である。また、図3は、電池モジュール2の内部構造および組立方法を説明するための分解斜視図であり、図4は、電池モジュール2同士を図1に示すXX方向に接続する方法を説明するための斜視図、図5は、電池モジュール2同士を図1に示すYY方向に接続する方法を説明するための斜視図である。また、図6は、電池パック1における冷却風流れおよび排煙流れを説明するための斜視図であり、図7は、図6のVII−VII線断面図(図6の図示縦断面図)、図8は、図6のVIII−VIII線断面図(図6の図示横断面図)である。
組電池である電池パック1は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の走行用モータに給電するための車両用蓄電池、あるいは住宅における蓄電用の蓄電池等の定置用蓄電池として使用されるものである。
図1に示すように、電池パック1は、図2に示す電池モジュール2を複数備えており、複数の電池モジュール2は、バスバ5により電気的に直列もしくは並列に(本例では直列に)接続されている。電池パック1は、電池モジュール2を図1図示XX方向(第1方向に相当)に複数積層してなる積層体2Aを、XX方向に直交するYY方向(第2方向に相当)に複数段重ねるように配置されて構成されている。
具体的には、積層体2Aは、電池モジュール2をXX方向に複数積層するとともに、電池モジュール2の積層体の積層方向(電池モジュール2の配列方向、XX方向)の両端に、例えばアルミニウム合金製のエンドプレート3を配設し、エンドプレート3同士を、拘束部材である例えば略U字形状の金属製のシャフト部材(円柱状部材)からなる拘束シャフト4とナットとで締結している。
これにより、一対のエンドプレート3が電池モジュール2の積層体を積層方向両端側から挟持して拘束し、積層された複数の電池モジュール2には、積層方向の両外側から内側に向けて所定の拘束力(荷重)が加えられて、固定され、積層体2Aを形成している。拘束部材は拘束シャフト4に限らず、例えば、金属製のバンド(帯状部材)等であってもかまわない。
このような構成の積層体2Aを、YY方向に複数(本例では3つ)重置するとともに、積層体2Aの重置方向(積み重ね方向、YY方向)の両端に、例えばアルミニウム合金製のカバープレート6、7を配設し、カバープレート6、7同士を、図示を省略した拘束部材で締結して、電池パック1を構成している。
図3に示すように、電池モジュール2は、電池セル10、電池セル10を内部に収容する電池ケース20、電池ケース20に取り付けられて電池ケース20の外部に延設されたバスバ5(図1参照)に電気的に接続するためのバスバ接続端子である接続端子30、および、電池セル10の図示を省略した電極から延びて接続端子30の電池ケース20内側の端部に電気的に接続する可撓性を有するリード部材であるリード線11を有している。
なお、接続端子30およびバスバ5は、例えば、アルミニウム材、アルミニウム合金材、銅材、銅合金材等の導電性に優れる材料により形成されている。
電池セル10は、外形が四角形状をなして板状(扁平状)に形成された充放電可能な電池(二次電池)であり、本例では、リチウムイオン電池からなっている。電池セル10は、リチウムイオン電池に限らず、ニッケル水素電池等の他の二次電池であってもかまわない。電池セル10は、例えば、活物質の設けられた+側の金属箔と、活物質の設けられた−側の金属箔とが、セパレータを挟むように3層構造に形成されて、この3層構造体が、板厚の重なる方向に複数積層され扁平状となるように形成されている。また、3層構造体が、ロール状に巻かれ、更にロール状において板厚が重なる方向に扁平状となるように形成されているものであってもよい。
1つの電池モジュール2は、電池ケース20内に複数の(本例では4つの)電池セル10を収容している。電池セル10は、電池ケース20内で、電池セル10の板厚方向(厚さ方向)に積層されている。電池ケース20内に積層配置された複数の電池セル10は、それぞれの電池セル10から延出した薄板状(箔状)のリード線11a同士を例えば超音波溶接等により接合して、互いに電気的に直列に接続されている。積層方向における両端側の電池セル10から延出する薄板状(箔状)の一対のリード線11(直列接続された電池セル10群の両端のリード線11)は、それぞれ、接続端子30の電池ケース20内の部位に、例えば超音波溶接等により接合されている。
リード線11、11aは、薄板状であることにより、それぞれ可撓性を有している。リード線11、11aは、薄板状に限定されず、可撓性を有していれば、例えば横断面が円形の導体線であってもかまわない。また、1つの電池モジュール2の電池セル10の数は4つに限定されず、使用時の冷却の必要度合い等に応じて設定することができる。例えば、電池ケース20内に1つの電池セル10を収容するものであってもかまわない。図1〜図3から明らかなように、積層体2Aは、複数の電池モジュール2を電池セル10の板厚方向(XX方向)に積層して構成されている。
図2に示すように、電池ケース20は、電池モジュール2の積層方向(XX方向)に直交する方向に延び、電池モジュール2の積層方向(XX方向)で対向する一対の第1壁部21(壁部に相当)と、第1壁部21の外周縁部から電池モジュール2の積層方向(XX方向)に延びて一対の第1壁部21同士を繋ぐ側壁部である第2、第3壁部22、23とを備えている。
第2壁部22は、第1壁部21の図示上下縁部から電池モジュール2の積層方向(XX方向)に延びて一対の第1壁部21同士を繋いでおり、第3壁部23は、第1壁部21の図示左右縁部から電池モジュール2の積層方向(XX方向)に延びて一対の第1壁部21同士を繋いでいる。第2壁部22は、図1図示YY方向に直交する方向に延びる一対の壁部であり、第3壁部23は、図1図示XX方向およびYY方向に延びる(図示ZZ方向に直交する方向に延びる)一対の壁部である。前述した接続端子30は、電池ケース20の第3壁部23に取り付けられている。
電池ケース20は、例えば樹脂製(例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の樹脂製)である。
電池ケース20は、後述する第3の実施形態で説明するように、難燃性を有する樹脂製であることが好ましい。
本実施形態では、電池ケース20は、電池モジュール2の積層方向(XX方向)に直交する方向に延び第2、第3壁部22、23を通る分割面で分割するように、別体として形成された同一形状の分割ケース体20Aを組み合わせて形成されている。一対の分割ケース体20Aは、それぞれ、一方側の全域が開口する浅い直方体状の容器として形成されており、一対の分割ケース体20Aの全域開口部側が互いに向かい合うように突き合せて、接合することで相互に係止して、上記電池セル10を内部に収容する電池ケース20を形成している。
電池ケース20の一対の第1壁部21は、それぞれの中央部に、内表面が電池セル10に接して電池セル10を支持する支持壁部である矩形平板状の拘束壁部211を有している。電池モジュール2の積層方向(XX方向)から見たときに、第1壁部21の拘束壁部211形成領域が、電池セル10の扁平状の本体部分(リード線部分を除いた部分)のほぼ全域と重なるように、拘束壁部211は電池セル10に沿って延設されている。そして、拘束壁部211の外表面には、電池モジュール2の積層方向(XX方向)に向かって突出するリブ212が設けられている。リブ212は、YY方向に延設されている。
第1壁部21には、拘束壁部211を除く領域(具体的には、図2図示左右で拘束壁部211に隣接する領域)に、例えば矩形状もしくは正方形状の開口部213が開口している。図2から明らかなように、本実施形態では、開口部213は、第1壁部21の図示上方側の部位に2つ、図示下方側の部位に2つ形成されている。
第1壁部21には、開口部213の周縁部に、電池モジュール2を積層配列する際に互いに嵌り合う嵌合部が形成されている。具体的には、図2図示紙面表側かつ上方側の2つの開口部213の周縁部には、例えばXX方向に向かって突出したオス型嵌合部214が形成されており、図2図示紙面表側かつ下方側の2つの開口部213の周縁部には、例えばXX方向に向かって凹み、オス型嵌合部214が嵌合可能なメス型嵌合部215が形成されている。
前述したように、本実施形態の電池ケース20は、同一形状の分割ケース体20Aを組み合わせて形成されている。したがって、図2では視認可能ではないが、図2図示紙面裏側かつ上方側の2つの開口部213の周縁部には、例えばXX方向に向かって凹んだメス型嵌合部215が形成されており、図2図示紙面裏側かつ下方側の2つの開口部213の周縁部には、例えばXX方向に向かって突出したオス型嵌合部214が形成されている。
開口部213は、本実施形態における第1開口部に相当し、オス型嵌合部214およびメス型嵌合部215は、本実施形態における配列嵌合部に相当する。
図2に示すように、電池ケース20のYY方向で対向する一対の第2壁部22には、それぞれ、YY方向に突出する例えば矩形筒状の筒状部221が形成されており、筒状部221の突出方向端部に、例えば矩形状の開口部223が開口している。図2から明らかなように、本実施形態では、開口部223は、第2壁部22の幅方向(ZZ方向、XX方向およびYY方向のいずれとも直交する方向)の両端部および中央部に3つ形成されている。
第2壁部22の筒状部221には、開口部223の周縁部に、電池モジュール2の積層体2Aを重置する(YY方向に重ねて配置する)際に互いに嵌り合う嵌合部が形成されている。具体的には、図2図示上方側の3つの開口部223の周縁部のうち、紙面表側の半分には、例えばYY方向に向かって突出したオス型嵌合部224が形成されており、紙面裏側の半分には、例えばYY方向に向かって凹み、オス型嵌合部224が嵌合可能なメス型嵌合部225が形成されている。
前述したように、本実施形態の電池ケース20は、同一形状の分割ケース体20Aを組み合わせて形成されている。したがって、図2では視認可能ではないが、図2図示下方側3つの開口部223の周縁部のうち、紙面表側の半分には、例えばYY方向に向かって凹んだメス型嵌合部225が形成されており、紙面裏側の半分には、例えばYY方向に向かって突出したオス型嵌合部224が形成されている。
開口部223は、本実施形態における第2開口部に相当し、オス型嵌合部224およびメス型嵌合部225は、本実施形態における重置嵌合部に相当する。
ここで、電池モジュール2の組立方法および電池パック1の組立方法について簡単に説明する。図3に示すように、電池モジュール2は、一対の分割ケース体20A、リード線11、11aを備える複数の電池セル10、および、一対の接続端子30を組み立てて形成される。まず、各電池セル10から延びているリード線11a同士を例えば超音波溶着で接合するとともに、積層方向における最外方に位置する電池セル10から延びているリード線11を接続端子30のケース内配設部位に例えば超音波溶着で接合する。
次に、接続端子30の端子部が電池ケース20の外側に突出するように分割ケース体20Aに配設する。図示は省略されているが、分割ケース体20Aには、第3壁部23の突合せ側の辺部から凹んだ凹部が形成されている。接続端子30を、この凹部に嵌まり込むように、分割ケース体20Aに取り付ける。これに合わせて、相互に接続した電池セル10の積層体を一対の分割ケース体20Aの間に配設する。
そして、分割ケース体20A同士を突き合わせて、例えば、嵌合係止により分割ケース体20A同士を接合し(必要に応じてシール材を介在させて嵌合して接合し)、電池モジュール2を完成する。これにより、電池セル10の積層体は、電池ケース20の一対の第1壁部21の拘束壁部211に挟み込まれて、電池ケース20内の所定位置に支持される。
このようにして製造した電池モジュール2を、図1に示すXX方向に積層して、積層体2Aを製造する。電池モジュール2同士をXX方向に積層する際には、図4に示すように、隣り合う電池モジュール2の電池ケース20の対向する開口部213同士が重なり合って連通するように、電池ケース20同士を接続する。前述したオス型嵌合部214とメス型嵌合部215とを嵌合することにより、対向する開口部213同士が重なり合うように位置決めされて相互に接続され、電池ケース20同士が接続される。
このように、複数の(本例では7つの)電池モジュール2をXX方向に積層したら、積層方向の両端にエンドプレート3を配設し、拘束シャフト4を用いてエンドプレート3同士を締結して、積層体2Aを完成する。
積層体2Aでは、図8に示すように、積層された全ての電池モジュール2の電池ケース20の内部空間が、重なり合った開口部213を介して連通され、積層配列方向(XX方向)にガスを流通可能な排煙通路90が形成される。また、積層された電池モジュール2間には、隣接する電池ケース20から立設されたリブ212の突出方向の先端面同士が当接して、リブ212の間には、積層配列方向に直交する方向(YY方向、図8紙面表裏方向)に第1壁部21の外表面に沿って冷媒を流通する冷却風を流通可能な冷却風通路80が形成される。
このようにして製造した積層体2Aを、図1に示すYY方向に重置して、電池パック1を製造する。積層体2A同士をYY方向に重ねて配置する際には、図5に示すように、YY方向に隣り合う電池モジュール2の電池ケース20の対向する開口部223同士が重なり合って連通するように、電池ケース20同士を接続する。前述したオス型嵌合部224とメス型嵌合部225とを嵌合することにより、対向する開口部223同士が重なり合うように位置決めされて相互に接続され、電池ケース20同士が接続される。
このように、複数の(本例では3つの)積層体2AをYY方向に重置したら、図6に示すように、接続端子30同士をバスバ5で接続する。そして、重置した複数の積層体2Aの重置方向の両端にカバープレート6、7を配設し、図示を省略した拘束手段を用いてカバープレート6、7同士を締結して、図1に示す電池パック1を完成する。
なお、バスバ5による接続端子30同士の接続は、拘束手段によるカバープレート6、7同士の締結後に行うものであってもよい。また、バスバ5による電気的接続の全てを同一工程で行うものに限らず、例えば、積層体2A内のバスバ5による電気的接続は、積層体2Aの製造工程で行い、積層体2A間のバスバ5による電気的接続は、積層体2Aを複数段重ね合わせた後に行うものであってもよい。
電池パック1では、図7に示すように、重置された全ての積層体2Aの電池ケース20の内部空間(全ての積層体2A内の排煙通路90)が、重なり合った開口部223を介して連通され、重置方向(YY方向)にガスを流通可能な排煙通路90が形成される。また、重置された積層体2Aの冷却風通路80同士も重置方向(YY方向)に連通されるとともに、重置方向に連通した冷却風通路80同士は、電池ケース20の筒状部221間の空間を介して、積層方向(XX方向)にも相互に連通している。
図1に示すカバープレート6、7には、それぞれ積層体2A側となる面に仕切り部材が一体的に設けられている。図1図示下方のカバープレート6には、積層体2Aの重置体の電池ケース20の周囲に形成された冷却風通路80に連通する冷却風の導入口81と、積層体2Aの重置体の電池ケース20内に形成された排煙通路90に連通する空気の導入口91とが区画形成されている。
一方、図1図示上方のカバープレート7には、積層体2Aの重置体の電池ケース20の周囲に形成された冷却風通路80に連通する冷却風の導出口82と、積層体2Aの重置体の電池ケース20内に形成された排煙通路90に連通する排煙の導出口92とが区画形成されている。
図1に示す電池パック1は、例えばXX方向を上下方向として(カバープレート7側を上方として)用いられる。電池パック1が車両に搭載され、車両用蓄電池として用いられる場合には、導入口81には、図示しない接続ダクトを介して、例えば車両用空調装置の空調ユニット内から空調風が冷却風として導入される。導出口82には図示しない接続ダクトが接続され、導出された冷却風は接続ダクトを介して、例えば車両用空調装置の空調ユニットの内気導入口へ導かれる。
これにより、電池パック1内では、電池ケース20の周囲の冷却風通路80(冷媒通路に相当)に冷却風が流通し、電池ケース20内に保持された電池セル10を、電池ケース20を介して冷却する。電池セル10が発熱した際には、放出した熱により冷媒である電池ケース20周囲の空気が昇温するが、YY方向に流れる(リブ212の延設方向に流れる)上昇気流となり、電池セル10を効率よく冷却することができる。
一方、導入口91には、図示しない接続ダクトを介して、例えば車室外から走行風が導入される。導出口92には図示しない接続ダクトが接続され、導出されたガスは、接続ダクトを介して例えば車室外へ導かれる。導入口91に導入される空気は、車室外の空気ではなく、車室内の空気を圧送するものであってもよい。
これにより、電池パック1内では、冷却風通路80とは電池ケース20で仕切られた電池ケース20内の排煙通路90(ガス排出通路に相当)に空気が流通する。そして、電池セル10に異常が発生し電池セル10からガスや煙が放出された場合には、放出されたガスや煙を排煙通路90を介して車室外へ排出することができる。電池セル10の異常時に放出されるガスは比較的高温であるため、YY方向に流れる(開口部223を介して図7図示上方へ流れる)上昇気流となり、電池セル10から放出されたガスや煙を速やかに車室外へ排出することができる。
上述の構成および作動によれば、電池パック1は複数の電池モジュール2を備えており、複数の電池モジュール2の電池セル10を内部に収容する電池ケース20には、それぞれ、第1壁部21に開口部213が形成され、第2壁部22に開口部223が形成されている。そして、XX方向で隣り合う電池ケース20の開口部213同士が連通接続するように電池ケース20同士が接続され、YY方向で隣り合う電池ケース20の開口部223同士が連通接続するように電池ケース20同士が接続されている。これにより、複数の電池ケース20の周囲に、電池セル10を冷却する冷却風を電池ケース20の外表面に沿って冷媒を流通可能な冷却風通路80が形成され、複数の電池ケース20の内部に、冷却風通路80とは電池ケース20で区画された排煙通路90が形成されている。
したがって、電池セル10に異常が発生した際に、電池セル10のいずれの部位からガスが放出されたとしても、放出されたガスは確実に電池ケース20内に形成された排煙通路90へ放出され、電池セル10から放出されたガスが電池ケース20外の冷却風通路80へ流出することはない。このようにして、異常が発生した際にガスが特定部位で放出される構成を電池セル10に設けなくても、電池セル10からの放出ガスが冷却風通路80へ流入することを防止することができる。
また、排煙通路90を構成する複数の電池ケース20の内部空間は、開口部213を介して相互にXX方向に連通するとともに、開口部223を介して相互にYY方向に連通している。したがって、電池セル10に異常が発生して電池セル10からガスが放出された際には、前述したように上方への流れ(YY方向への流れ)が主流となるものの、側方(XX方向)へも放出ガスを流通することが可能であり、排煙通路90を介して比較的容易にガスを排出することができる。
また、冷却風通路80を構成する複数の電池ケース20の周囲空間は、リブ212間をYY方向に延びるばかりでなく、筒状部221の間をXX方向にも延びている。したがって、電池セル10の発した熱によって、冷却風流れは前述したように上方への流れ(YY方向への流れ)が主流となるものの、側方(XX方向)へも第2壁部22に沿って冷却風を流通することが可能であり、電池セル10を確実に冷却することができる。
また、扁平型の電池セル10の厚さ方向に積層された扁平型の電池ケース20間を冷却風通路80としているので、隣り合う電池ケース20間において、電池ケース20の比較的広範囲に(外表面のうち比較的面積が大きい拘束壁部211の外表面に)冷却風を接触させることが可能であり、電池セル10を効率よく冷却することができる。
また、電池ケース20の第1壁面21には、それぞれリブ212が立設されており、XX方向で隣り合う電池ケース20の間では、リブ212の先端面同士が当接している。したがって、XX方向で隣り合う電池ケース20の間に冷却風通路80を確実に形成することができる。
また、電池ケース20の第1壁面21には、電池モジュール2が積層された際に互いに嵌り合う、オス型嵌合部214と、オス型嵌合部214に対応する位置に形成されたメス型嵌合部215とが形成されており、両嵌合部214、215の相互の嵌合によりXX方向で隣り合う電池ケース20同士が接続されている。したがって、XX方向で隣り合う電池ケース20同士の接続が容易である。
また、両嵌合部214、215は、それぞれ、第1壁面21に形成された開口部213の周縁部に形成されている。したがって、XX方向で隣り合う電池ケース20のオス型嵌合部214とメス型嵌合部215を嵌合させることで、開口部213同士が確実に連通するように、XX方向で隣り合う電池ケース20同士を容易に接続することができる。
また、電池ケース20の第2壁面22には、積層体2Aが重置された際に互いに嵌り合う、オス型嵌合部224と、オス型嵌合部224に対応する位置に形成されたメス型嵌合部225とが形成されており、両嵌合部224、225の相互の嵌合によりYY方向で隣り合う電池ケース20同士が接続されている。したがって、YY方向で隣り合う電池ケース20同士の接続が容易である。
また、両嵌合部224、225は、それぞれ、第2壁面22に形成された開口部223の周縁部に形成されている。したがって、YY方向で隣り合う電池ケース20のオス型嵌合部224とメス型嵌合部225を嵌合させることで、開口部223同士が確実に連通するように、YY方向で隣り合う電池ケース20同士を容易に接続することができる。
また、電池ケース20は、XX方向に分割するように別体として形成された同一形状の分割ケース体20A同士を組み合わせている。したがって、組み合わせる分割ケース体20Aを共通化することができ、製造コストを低減することが可能である。
また、電池ケース20は樹脂製である。したがって、開口部213、223を有するとともに嵌合部214、215、224、225を備える電池ケース20を形成することが容易である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図9に基づいて説明する。第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、積層体2Aを複数段ではなく1段で用いる点と、電池パックの使用時の上下方向が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態では、電池パック101は、電池モジュール2の積層体2Aを1つ用いている。なお、図9では、カバープレート6、7の図示を省略している。そして、電池パック101は、電池モジュール2の積層方向であるXX方向を上下方向として用いることができる。
このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、電池セル10に異常が発生した際に、電池セル10のいずれの部位からガスを放出したとしても、放出されたガスは確実に電池ケース20内に形成された排煙通路90へ放出され、電池セル10から放出されたガスが電池ケース20外の冷却風通路80へ流出することはない。このようにして、異常が発生した際にガスが特定部位で放出される構成を電池セル10に設けなくても、電池セル10からの放出ガスが冷却風通路80へ流入することを防止することができる。
また、排煙通路90を構成する複数の電池ケース20の内部空間は、開口部213(図2参照)を介してXX方向に連通するとともに、開口部223を介して図9では図示を省略した導入口91および導出口92と連通している。したがって、電池ケース20内の電池セル10に異常が発生して電池セル10からガスが放出された際には、開口部213を通過するXX方向への上昇気流を主流として、排煙通路90を介して比較的容易にガスを排出することができる。
また、開口部213を介して電池ケース20内に形成される排煙通路90は、扁平型の電池セル10を収容する扁平型の電池ケース20の厚さ方向となるXX方向に延びており、電池モジュール2の積層数が多くても、比較的流路長さを短くすることができる。したがって、電池セル10に異常が発生し電池セル10からガスが放出された際には、比較的速やかにガスを排出することができる。
また、冷却風通路80を構成する複数の電池ケース20の周囲空間は、リブ212間をリブ212の延設方向(YY方向)に延びるばかりでなく、筒状部221の間をXX方向にも延びている。したがって、冷却風を電池ケース20間に流通させるばかりでなく、筒状部221の間を上方へ導くことも可能であり、電池セル10を確実に冷却することができる。
また、第1の実施形態と同様に、電池ケース20の第1壁面21には、それぞれリブ212が立設されており、XX方向で隣り合う電池ケース20の間では、リブ212の先端面同士が当接している。したがって、XX方向で隣り合う電池ケース20同士の間に冷却風通路80を確実に形成することができる。
図9では図示を省略しているが、電池ケース20の第1壁面21には、電池モジュール2が積層された際に互いに嵌り合う、オス型嵌合部214と、オス型嵌合部214に対応する位置に形成されたメス型嵌合部215とが形成されており、両嵌合部214、215の相互の嵌合によりXX方向で隣り合う電池ケース20同士が接続されている。したがって、XX方向で隣り合う電池ケース20同士の接続が容易である。また、両嵌合部214、215は、それぞれ、第1壁面21に形成された開口部213の周縁部に形成されている。したがって、XX方向で隣り合う電池ケース20のオス型嵌合部214とメス型嵌合部215を嵌合させることで、開口部213同士が確実に連通するように、XX方向で隣り合う電池ケース20同士を容易に接続することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図10および図11に基づいて説明する。第3の実施形態は、前述の第2の実施形態と比較して、電池モジュール内が配列方向に連通されていない点と、電池パックの使用時の上下方向が異なる。なお、第1、第2の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態では、電池パック201は、電池モジュール2の積層体2Aを1つ用いている。電池パック201は、図示YY方向を上下方向して用いられる。なお、図10では、カバープレートの図示を省略している。カバープレートとしては、例えば、矩形状の枠体と、この枠体に張設されたメッシュ状部材と、からなる通気性を有するカバープレートを採用することができる。電池パック201は、例えば、屋外に設置されたキャビネット内に上述した姿勢で載置されて使用される。
そして、複数の電池パック201を、図示YY方向に間隔を空けて配設するものとすることができる。なお、複数の積層体2Aを、図示YY方向(上下方向)に積み重ねて電池パックを構成するものであってもよい。
本実施形態の電池パック201に用いられる電池モジュール2は、第1、第2の実施形態の電池パックに用いられる電池モジュールに対して、図11に示すように、電池ケース20の第1壁部21に開口部は形成されていない。
また、電池ケース20は、樹脂製であり、難燃性を有する難燃性樹脂材により形成されている。電池ケース20は、例えば、難燃性付与材を含有するポリプロピレン樹脂製である。電池ケース20を構成する樹脂材料は、難燃性付与材が添加されて難燃性を有するものに限らず、樹脂材をなす高分子ポリマー自体が難燃性を有するものであってもよい。
ここで、難燃性樹脂とは、UL94規格(米国UNDERWRITERS LABORATORIES INC.社が制定・認可している電気機器に関する安全性の規格において装置および器具部品のプラスチック材料燃焼性試験で材料の燃えにくさの度合いを表す規格)における、UL94HBグレード、UL94V−2グレード、UL94V−1グレード、UL94V−0グレード、UL945VBグレードおよびUL945VAグレードの樹脂材料とすることができる。電池ケース20は、前記したいずれかのグレードの難燃性樹脂製であることが好ましく、UL94V−0グレード以上(すなわち、UL94V−0グレード、UL945VBグレードおよびUL945VAグレード)の難燃性樹脂製であることがより好ましい。
第1の実施形態において図3を用いて電池モジュールの構造を説明したように、電池ケース20のYY方向(本例では上下方向)で対向する壁部である第2壁部22には、上下の壁部のそれぞれに3つの開口部223が形成されている。これらの開口部223のうち、図示した最も手前側の開口部223は、電池セル10から延出するリード線11、11aの延出部の上方および下方に開口している。
また、第1の実施形態では詳細な説明を省略していたが、例えば図3から明らかなように、突出方向先端部に開口部223が形成された筒状部221は、基端側の一部が断面円弧状に形成されて、筒状部221の上下方向に延びる軸線から傾斜した面部を有している。これにより、筒状部221の一部では、筒状部221の内部に形成される通路の断面積が、先端側から基端側へ向かうにしたがって徐々に大きくなっている。
換言すれば、上下方向で対向する第2壁部22のうち上側の壁部に形成された筒状部(上方筒状部)221は、内部に形成される通路の断面積が、上端よりも下端の方が大きくなっている。また、上下方向で対向する第2壁部22のうち下側の壁部に形成された筒状部(下方筒状部)221は、内部に形成される通路の断面積が、下端よりも上端の方が大きくなっている。
本実施形態の構成によれば、電池セル10に異常が発生した際に、電池セル10のいずれの部位からガスや煙を放出したとしても、放出されたガスや煙は確実に電池ケース20内に形成された排煙通路90へ放出され、電池セル10から放出されたガスが電池ケース20外の冷却風通路80へ流出し難い。このようにして、異常が発生した際にガスが特定部位で放出される構成を電池セル10に設けなくても、電池セル10からの放出ガスが冷却風通路80へ流入することを抑制することができる。
また、電池セル10から電池セルの外部に向かって延出するリード線11、11aの延出部の上方および下方に、開口部223が開口している。電池セル10は、例えば、電極材およびセパレータ等をラミネート加工した所謂ラミネートセルを採用することができる。このようなラミネートセルでは、リード線延出部(具体的には、リード線がラミネートフィルムによって挟まれている部分およびその周辺部分)においてラミネート溶着強度が比較的弱くなり易い。
したがって、電池セル10に異常が発生した場合には、比較的溶着強度が弱いリード線延出部において比較的高温のガスや煙が発生し易い。リード線延出部の上下に開口部223を設ける構成によると、リード線延出部の下方の開口部223から上方の開口部223へ向かう略直線状の排煙通路(ガス排出通路)を形成することができる。したがって、電池セル10のリード線延出部から発生した比較的高温のガスや煙を下方から上方に向かってスムースに流通させ、電池ケース20の内部から容易に排出することができる。これにより、電池ケース20内に熱がこもり難い。また、これにより、隣の電池モジュール2の昇温も抑制することができる。
また、電池セル10が正常な場合には、リード線延出部の下方の開口部223から上方の開口部223へ向かう通風により、リード線11、11aおよび電池セル10のリード線延出部を冷却することができる。
また、開口部223は、第2壁部22の中央部にも形成されている。これによると、電池ケース20の内部に、下方の第2壁部22の中央から上方の第2壁部22の中央へ向かう排煙通路を形成することができる。したがって、電池セル10に異常が発生した際に発生する比較的高温のガスを、電池ケース20の中央部において下方から上方に向かってスムースに流通させ、電池ケースの内部から容易に排出することができる。
また、電池セル10に異常が発生し内圧が上昇した場合には、扁平矩形状の電池セル10においては、矩形形状の長手方向(長辺)の中央部で大きな応力が発生し易い。したがって、特に電池セル10が所謂ラミネートセルである場合には、電池セル10の長辺中央部においてラミネート溶着部が破損し、比較的高温のガスや煙が発生し易い。上下の第2壁部22の中央部に開口部223を設ける構成によると、電池セル10の長辺中央部から発生したガスや煙を下方から上方に向かってスムースに流通させ、電池ケース20の内部から容易に排出することができる。
また、電池セル10が正常な場合には、下方の第2壁部22の中央の開口部223から上方の第2壁部22の中央の開口部223へ向かう通風により、電池セル10の中央部を中心として電池セル10のほぼ全域を冷却することができる。
また、上下方向で対向する第2壁部22のうち上側の第2壁部22には、上方に向かって突出する筒状部(上方筒状部)221が形成されており、この筒状部221の上端が開口部223となっている。そして、上方の筒状部221の内部に形成される通路の断面積は、上端よりも下端の方が大きくなっている。これによると、電池セル10に異常が発生した場合に電池セル10から発生するガスや煙を、下端の断面積が比較的大きい筒状部221で集めやすく、電池ケース20外への排出を促進することができる。
また、上下方向で対向する第2壁部22のうち下側の第2壁部22には、下方に向かって突出する筒状部(下方筒状部)221が形成されており、この筒状部221の下端が開口部223となっている。そして、下方の筒状部221の内部に形成される通路の断面積は、下端よりも上端の方が大きくなっている。これによると、電池セル10に異常が発生し電池ケース20内に上昇気流が形成された場合に、下方の開口部223から流入する空気流を電池ケース20内の広範囲に拡げることが容易である。したがって、電池セル10から発生したガスや煙を、上方の開口部223へ導き排出させ易い。
また、上方の筒状部221と下方の筒状部221とを同一の形状としているので、電池ケース20を上下逆転して使用したとしても(いずれの筒状部221を上方の筒状部として使用しても)、上方の筒状部221でガスや煙を集めやすく、排出を促進することができる。
また、電池パック201では、隣り合う電池ケース20同士の間に、下方から上方に向かって冷却風が通風可能な冷却風通路80が形成されている。これによると、扁平型の電池セル10の厚さ方向に積層された複数の電池モジュール2の電池ケース20間を冷却風通路80とし、隣り合う電池ケース20の間において電池ケース20の比較的広範囲に冷却風を接触させることができる。したがって、扁平型の電池セル10を効率よく冷却することができる。
また、隣り合う電池ケース20の間において、冷却風通路80を断熱空間とすることができる。したがって、電池セル10に異常が発生して発熱したとしても、この熱が、隣の電池モジュール2の電池セル10に伝わり難い。したがって、電池セル10の異常が連鎖することを抑止できる。
また、隣り合う電池ケース20間の冷却風通路80は、電池ケース20の第1壁部21に形成したリブ212によって確実に形成することができる。また、リブ212は上下方向に延設されている。したがって、隣り合う電池ケース20間の冷却風通路80をリブ212に沿って上下方向に延びるものとすることができる。
また、電池ケース20は樹脂製であり、比較的熱伝導率が小さい。これによると、電池セル10に異常が発生して発熱したとしても、この熱が、隣の電池モジュール2の電池セル10に伝わり難い。したがって、電池セル10の異常が連鎖することを抑止できる。また、電池ケース20は、難燃性を有する難燃性樹脂材からなる。これによると、電池セル10に異常が発生して発熱したとしても、電池ケース20が燃えることを防止できる。また、隣の電池モジュール2の電池セル10が連鎖発熱することを抑制して、隣の電池モジュール2の電池ケース20が燃えることも防止できる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記第1の実施形態では説明していなかったが、電池ケース20の第2壁部22に、電池ケース20の他の部位よりも剛性が低く撓むことが可能な環状の可撓部を、開口部223を取り囲むように設けることが好ましい。
例えば、図12に示すように、筒状部221の軸線方向(YY方向)の中間部位に、開口部223を取り囲む可撓部222(環状可撓部に相当)を設けることができる。図13に図12のAA部位の縦断面図を示すように、可撓部222の断面形状を蛇行形状とすることで、可撓部222を第2壁部22の他の部位(すなわち電池ケース20の他の部位)よりも剛性が低く撓み易くすることができる。
このように環状の可撓部222を設けると、YY方向に重ねる複数の電池モジュール2の積層体2A同士で、開口部223のXX方向のピッチにずれがあったとしても、可撓部222を撓ませることで、開口部223同士が連通するようにYY方向で隣り合う電池ケース20同士を容易に接続することが可能である。
環状の可撓部は、断面形状を蛇行形状とした可撓部222に限定されるものではない。例えば、図14に示すように、環状の可撓部を、第2壁部22の他の部位よりも弾性率が低いゴム材(低弾性材に相当)により形成した可撓部222Aとしてもかまわない。環状可撓部は、ゴム材以外の低弾性材により形成するものであってもよいし、第2壁部22の他の部位よりも肉厚が薄い薄肉部を環状に形成して環状可撓部としてもかまわない。
電池ケース20内に収容される電池セル10がリチウムイオン電池である場合には、環状可撓部を設ける効果は極めて大きい。リチウムイオン電池は二次電池の中でも充放電に伴う寸法変化が比較的大きく、扁平型の電池セル10がリチウムイオン電池であると、充放電により比較的大きく厚さが変化する。したがって、電池セル10がリチウムイオン電池であり、充放電に伴い積層体2Aの開口部223のXX方向のピッチが大きく変化したとしても、環状可撓部を撓ませて、開口部223同士を安定して連通させることができる。
電池セル10は、リチウムイオン電池に限定されず、他の二次電池であっても環状可撓部を設けることが好ましい。リチウムイオン電池以外の二次電池であっても充放電に伴って寸法が変化し、扁平型の電池セル10が二次電池であると、充放電により厚さが変化する。したがって、電池ケース20の開口部223の周囲に環状可撓部を設ける効果は大きい。
また、上記各実施形態では、分割ケース体20A同士を突き合わせて、嵌合係止により分割ケース体20A同士を接合して、電池ケース20を形成すると説明していた。また、電池ケース20同士の接続では、オス型嵌合部(嵌合突起部)とメス型嵌合部(嵌合凹部)とを嵌合させていた。しかしながら、分割ケース体20A同士の接続、および、電池ケース20同士の接続は、これらに限定されるものではない。
例えば、図15に例示するように、分割ケース体20A同士の接続を、オス型嵌合部20b(嵌合突起部)とメス型嵌合部20c(嵌合凹部)との嵌合により行うものであってもよい。また、分割ケース体20A同士の接続、および、電池ケース20同士の接続は、いずれも、嵌合突起部と嵌合凹部との嵌合以外の嵌合構造を採用するものであってもよい。また、嵌合構造部にシール材等を介設してもかわない。
また、分割ケース体20A同士の接続、および、電池ケース20同士の接続には、熱溶着法や超音波溶着法を用いることも可能である。例えば、図16(a)に示すように、分割ケース体20Aの突合せ端面を熱板99で加熱して軟化させ、図16(b)に示すように、分割ケース体20A同士を突き合わせて、分割ケース体20A同士を接続することができる。
また、分割ケース体20A同士の接続部や電池ケース20同士の接続部に、接着剤を介在させて接合を行ったり、Oリングやガスケット等のシール部材を介在させて係止爪等の係止手段で相互係止し、接続を行うものであってもよい。例えば、図17に示すように、分割ケース体20Aの突合せ端面の間に接着剤20dを介設して、分割ケース体20A同士を接続してもよい。また、上記した各種接合手段を組み合わせるものであってもよい。
また、上記各実施形態では、XX方向で隣り合う電池ケース20には、両電池ケース20から突出するリブ212が設けられ、リブ212の先端面同士が当接していたが、これに限定されるものではない。例えば、隣り合う電池ケースの一方に、他方の電池ケースに向かって突出するリブを設け、リブの先端面が他方の電池ケースに当接して、隣り合う電池ケース間に、冷却風通路80が形成されるものであってもよい。
また、リブ212は、YY方向に延びる直線状をなしていたが、これに限定されるものではない。例えば、複数箇所で屈曲するジグザグ状をなすリブを採用し、全体としてYY方向に延びるものであってもよい。また、リブではなく突起により冷却風通路80を形成するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、筒状部221の基端側の一部が断面円弧状に形成されて、筒状部221の一部において、筒状部221の内部に形成される通路の断面積が、先端側よりも基端側の方が大きくなっていた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、図18に例示するように、筒状部221の側壁が筒状部221の軸線に対して傾斜する傾斜面部となっており、筒状部221の軸線方向全域において、筒状部221の内部に形成される通路の断面積が、先端側から基端側へ向かうにしたがって徐々に大きくなっているものであってもよい。
また、上記各実施形態では、電池モジュール2の積層体の積層方向の両端にエンドプレート3を配設し、エンドプレート3同士を拘束シャフト4とナットとで締結して積層体2Aを形成していたが、これに限定されるものではない。例えば、一方のエンドプレートに複数のシャフト部材を溶接等により接合し、シャフト部材の反接合側の端部を他方のエンドプレートの貫通孔に挿通してナット等で固定するものであってもよい。
また、上記実施形態では、電池パックを構成する複数の電池モジュール2を、第1の実施形態では、XX方向に7つ積層し、YY方向に3つ積み重ねており、第2、第3の実施形態では、XX方向に7つ積層し、YY方向には積み重ねていなかったが、これらに限定されるものではない。複数の電池モジュール2により電池パックを構成するものであれば、本発明を適用して有効である。また、電池モジュールを一方向にのみ配列して電池パックを構成する場合には、電池ケースの配列方向以外の面部に、開口部を形成しないことも可能である。また、電池モジュールも、扁平型の電池セル10を扁平型の電池ケース20内に収容するものに限定されず、扁平型以外であってもかまわない。
また、上記各実施形態では、冷媒通路を流通する冷媒は冷却風(空気)であったが、これに限定されるものではなく、冷媒は空気以外の流体であってもかまわない。
また、上記各実施形態では、電池セル10は二次電池であったが、これに限定されるものではなく、例えば、電池セルは一次電池であってもかまわない。