JP5647635B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類乾燥機に関するものである。
従来、ドラムの前面部を支持する固定リング板の内側またはドラムの後面部を支持する支持部材の内側に温風吹出口が設けられ、温風をこの温風吹出口からドラム内へ送り込み、ドラムの奥壁に設けられた温風排出口を通じてドラム外へ排出するよう構成された後方排気構造を有する衣類乾燥機が知られている(例えば、特許文献1〜3)が、上述のような後方排気構造を有する衣類乾燥機では、ドラム奥壁の温風排出口に除塵用のエアフィルタが設けられているため、掃除の際にエアフィルタが取り外し難く、使い勝手が悪い。
そこで、平面状に形成されたドラムの奥壁全体に温風吹出口を設ける一方、ドラムの前面開口部を被蓋する扉の内側に温風排出口を設け、温風をドラム奥壁の温風吹出口からドラム内の前方へ向けて送り込み、扉の内側に設けられた温風排出口を通じて機外へ排出させる後方吹出−前方排気構造とすることが考えられる。この後方吹出−前方排気構造を有する衣類乾燥機によれば、扉の内側(温風排出口の形成部)に除塵用のエアフィルタを配設することができるから、掃除の際にエアフィルタが取り外し易く、使い勝手が良い。
ところが、乾燥運転中、衣類はドラム内で転動しているため、大面積のドラムの奥壁全体に温風吹出口を設けると、衣類に対して温風が均一にあたらず、乾きムラが生じやすいという問題がある。また、奥壁の一部領域にのみ温風吹出口を設けたとしても、ドラムの回転によって温風吹出口も回転するため、構造上、特定の領域のみからドラム内へ温風を送り込むことができない。
一方、後方排気構造を有する従来の衣類乾燥機において、ドラムの前壁全周に温風吹出口を設け、その温風吹出口の一部領域以外の部分に前壁の前面側から熱風遮断材を押し付けて覆い、温風を温風吹出口の一部領域のみからドラム内の後方へ向けて送り込むよう構成されたものも知られている(例えば、特許文献4)。
従って、上述のような後方吹出−前方排気構造を有する衣類乾燥機においても、ドラムの奥壁全体に設けられた温風吹出口の一部領域以外の部分に奥壁の後面側から熱風遮断材を押し付けて覆い、温風の吹出領域を限定することが考えられる。
しかしながら、このような構成のものでは、大きな熱風遮断材で温風吹出口の形成された比較的広い範囲を覆う必要があるため、その熱風遮断材とドラムとの接触面における摩擦抵抗が大きくなって、ドラムを回動させるモータやドラム支持部に対して過剰な負荷がかかる。そのため、それら各部において不具合が早期に発生する虞がある。また、大きな摩擦抵抗によりドラムの回転も安定しないため、ドラム内の衣類を効率良く攪拌できず、乾きムラが生じやすく、乾燥に長時間が必要になるという問題もある。
特開平6−170097号公報 特開平6−170093号公報 特開平11−319395号公報 実公昭53−47242号公報
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、耐久性および乾燥性能の向上を図った衣類乾燥機を提供することにある。
本発明に係る衣類乾燥機は、奥壁を有し、本体正面の衣類取出口側へ開放する筒状のドラムと、前記衣類取出口を被蓋する扉と、ドラム内の空気の給排気を行う給排気手段と、給排気手段によってドラム内へ供給される空気を加熱する加熱手段と、ドラムの奥壁中央部に挿通され且つドラムを回動可能に支持する支軸と、支軸のドラム内側の端部に非回転状態で固定され且つ前記奥壁の前面略全体をドラム内側から覆うカバー板とを備え、扉の内側には、ドラム内の空気をドラム外へ排出する温風排出口が開設され、ドラムの奥壁における支軸の外周より外側の領域には、加熱手段で加熱された空気を前記奥壁とカバー板との間隙へ導く温風入口が開設され、カバー板には、前記間隙へ導かれた空気をドラム内へ送り出す温風吹出口が開設されているものである。
上記衣類乾燥機によれば、加熱手段で加熱された空気を、ドラムの奥壁における支軸の外周より外側の領域に設けられた温風入口から奥壁と奥壁の前面側に非回転状態で固定されたカバー板との間隙へ導き、カバー板の温風吹出口を通じてドラム内へ送り出すことが可能であるから、ドラムの奥壁に設けられた温風入口を上述したような熱風遮断材で覆うことなく、カバー板の特定の領域からドラム内へ温風を送り出すことができる。従って、その分、ドラムを回転させるモータやドラム支持部への負荷が小さくなるし、ドラムの回転も安定する。
上記衣類乾燥機において、好ましくは、前記カバー板には、ドラムの回転中心より下方位置のみに温風吹出口が開設される。
乾燥運転中、衣類は遠心力および自重によってドラム内の下方の空間へ集められる傾向にあるが、このものでは、ドラムの回転中心より下方位置からドラム内へ温風が送り出されるから、温風をドラム内の下方の空間へ集められる衣類全体へ確実に行き渡らせることができる。
上記衣類乾燥機において、好ましくは、前記奥壁の前面側外周と前記カバー板の外周縁との間に温風遮断部材が設けられる。
このものでは、ドラムがカバー板に対して摩擦抵抗の小さい状態で接触するから、ドラムの回転摩擦抵抗が小さく、ドラムを回転させるモータやドラム支持部への負荷が小さい。また、ドラムの回転も安定する。
上記衣類乾燥機において、好ましくは、前記奥壁および支軸相互は、ベアリングを介して連結される。
このものでは、ドラムが支軸に対して摩擦抵抗のより小さな状態で支持されるから、ドラムの回転摩擦抵抗がより小さく、ドラムを回転させるモータやドラム支持部への負荷がより小さい。また、ドラムの回転もより安定する。
上記衣類乾燥機において、好ましくは、前記カバー板の前面には、衣類の温度を検知する衣類温センサが設けられる。
カバー板は非回転状態で固定されているから、そのカバー板の前面に衣類温センサを配設することが可能である。また、そのカバー板には温風吹出口が開設されているため、ドラム後方の最も加熱された状態の衣類の温度を衣類温センサで検知することができる。
上記衣類乾燥機において、好ましくは、前記温風吹出口がドラムの回転中心より下方位置のみに開設されている場合、前記衣類温センサは、カバー板の前面で且つ前記温風吹出口に対して周方向へオフセットした位置に設けられる。
カバー板におけるドラムの回転中心より下方位置に開設された温風吹出口に対して、周方向へオフセットした位置に衣類温センサを設ければ、温風によって加熱された直後の衣類の温度をより一層正確に検知することができる。
以上のように、本発明によれば、ドラム内の奥部に固定された回転しないカバー板の特定の領域から温風を送り出すことができるとともに、モータやドラム支持部への負荷が小さいから、それら各部に不具合が生じ難い。また、ドラムが安定して回転することで、ドラム内で衣類が効率良く攪拌され、温風が衣類全体へ行き渡るから、衣類の乾きムラも生じ難い。よって、耐久性および乾燥性能が向上する。
また、ドラム内の下方の空間へ集められる衣類に対して直接的に温風を吹きつける構成とすることで、温風が衣類全体へより確実に行き渡るから、衣類の乾きムラがより生じ難く、乾燥性能が一層向上する。
さらに、衣類の温度を正確に検知することができるから、衣類が過熱状態になり難く、乾燥性能がより一層向上する。
図1は、本発明の実施の形態に係る衣類乾燥機の側面視概略縦断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る衣類乾燥機におけるドラム奥壁の下部周辺の概略断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る衣類乾燥機の正面視概略縦断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る衣類乾燥機の変形例を示す奥壁の下部周辺の概略断面図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る衣類乾燥機の変形例を示す正面視概略縦断面図である。
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る衣類乾燥機1は、矩形箱状の本体ケース11と、本体ケース11の正面に開設された衣類取出口110をその正面側から被蓋する扉12とでその外郭が構成されている。
本体ケース11内には、その正面側に円形状の開口部130を有する円筒状のドラム13が横向き姿勢で収容されている。また、衣類取出口110のドラム13側の外周縁には、円環状のリング板14が突設されており、さらにそのリング板14の外周には、リング状の前シール部材201が環設されている。
ドラム13の開口部130の内周面は、上記リング板14の外周面に対向しており、前シール部材201の外周に当接支持されている。これによって、ドラム13内の空気が上記開口部130から本体ケース11の内部へ漏出するのを防止している。
ドラム13の奥部には、胴部131の後端からさらに後方へ向かって膨出する円形状の凹部132が形成されており、ドラム13の奥壁にあたるこの凹部132の奥壁133の中央部には、円筒状の支軸15が挿通されている。また、支軸15の後端部は、本体ケース11内に立設されたドラム支持壁111に固定されており、上記凹部132の奥壁133は、この支軸15の中間部外周にベアリング151を介して連結されている。
ドラム13の胴部131の外周には、伝動ベルト160が巻装されている。さらに、その伝動ベルト160は、本体ケース11内に組み込まれたドラムモータ16に繋がっており、ドラム13は、このドラムモータ16の駆動力によって支軸15を中心に回動される。
ドラム支持壁111の後面側には、図示しない給気口から本体ケース11内へ取り込まれる室内空気や後述するバーナユニット18から放出された燃焼ガスをドラム13内へ送り込むための温風ダクト17が配設されている。
温風ダクト17は、ドラム支持壁111の後面上部から下方へ向かって延設されており、その下端部には、後述する給排気ファン21によってドラム13内へ取り込まれる室内空気を加熱する加熱手段としてバーナユニット18が組み込まれている。
バーナユニット18は、ガスバーナや弁装置等で構成されており、その弁装置における比例弁が開放されると、所定量のガスを、ドラフト効果によってバーナユニット18の周辺へ導かれる空気と共にガスバーナ内へ送り込み、さらにそのガスバーナの炎孔上方で着火させ、その燃焼ガスを温風ダクト17内へ放出する。
温風ダクト17の前面上部には、バーナユニット18から放出された燃焼ガスをドラム支持壁111と上記奥壁133との間隙(以下、「奥壁裏通路」という)101へ導出するガス出口170が設けられている。また、温風ダクト17の後壁や図示しない側壁には、本体ケース11内の空気を取り込むための空気導入孔171が複数開設されている。
一方、ドラム支持壁111の上部には、温風ダクト17のガス出口170に連通するダクト接続孔112が設けられており、本体ケース11内へ取り込まれる室内空気やバーナユニット18から温風ダクト17へ送り出される燃焼ガスは、このダクト接続孔112を通って奥壁裏通路101へ送り込まれる。
ドラム支持壁111の前面で且つ支軸15の外周には、奥壁裏通路101における支軸15の外周を所定の間隔をもって囲う円環状の遮熱板113が設けられており、これによって、奥壁裏通路101に送り込まれる燃焼ガスが支軸15やベアリング151の表面へ直接的に接触するのを防止している。
奥壁133の外周には、凹部132の周壁134の外周に沿ってリング状の外シール部材202が環設されている。この外シール部材202の後端は、奥壁133の後方へ突出しており、さらにその突出部の外周は、ドラム支持壁111の前面に常時当接している。これによって、奥壁裏通路101に送り込まれる燃焼ガスがドラム支持壁111と奥壁133との間から本体ケース11の内部へ漏出するのを防止している。
奥壁133における上記遮熱板113より外周側の所定幅の環状領域には、その略全周に亘って複数の小円孔(以下、「温風入口」という)135が穿設されており、奥壁裏通路101へ送り込まれる室内空気や燃焼ガスは、これら温風入口135を通って奥壁133と後述するカバー板153との間隙(以下、「カバー裏通路」という)102へ導かれる。
支軸15の前端部には、その外周方向へ広がる略円板状の固定フランジ152が固設されており、さらにこの固定フランジ152の前面には、奥壁133の前面の略全体をドラム13の内側から覆う円板状のカバー板153が非回転状態で固設されている。奥壁133に設けられた温風入口135は、その全てがカバー板153の後面側に配設されている。
図2に示すように、カバー板153の外周縁は、その後方(奥壁133側)へ略90度折曲形成されており、さらにその折曲部154の終端155は、カーリング加工によってカバー板153の内方へ向かって断面円弧状に曲成されている。
上記折曲部154の外周面と凹部132の周壁134の内周面との間には、所定幅の遊間が設けられており、ドラム13が回転してもそれら対向面相互が接触しないようになっている。
周壁134の前端には、その外周方向へ広がる平面部136が形成されている。この平面部136は、カバー板153の前面と略同一平面上に形成されており、上記折曲部154と周壁134との隙間に衣類Mが巻き込まれ難くなっている。また、この平面部136の外周には、ドラム13の外周前方へ向かって拡径する斜面部137が形成されており、この斜面部137の前端側の外周縁が胴部131の後端周縁に繋がっている。
奥壁133の前面外周で且つ上記温風入口135の形成域より外周側と、カバー板153の外周縁である折曲部154との間には、温風遮断部材としてリング状の内シール部材203が環設されている。この内シール部材203の前面は、略平面状に形成されており、折曲部154の終端155は、この平面部に常時当接している。これによって、カバー裏通路102へ導かれる燃焼ガスが上記遊間からドラム13内へ漏出するのを防止している。
図1および図3に示すように、カバー板153における外周寄りの所定幅の円弧状領域で且つドラム13の回転軸線(回転中心)CLより下方位置には、上記カバー裏通路102へ導かれた室内空気や燃焼ガスをドラム13の内部空間へ送り出す複数の小円孔(以下、「温風吹出口」という)150が穿設されている。
また、カバー板153の前面で且つドラム13の回転軸線CLより下方位置には、ドラム13内に収容された衣類Mの温度を検知するための衣類温センサ19が設けられている。この衣類温センサ19は、温風吹出口150の形成域より周方向(ここでは、正面視時計回り方向)へオフセットした位置に隣接して配設されている。
尚、図示しないが、衣類温センサ19の外周とカバー板153に設けられたセンサ取付孔との間には、断熱体が挟み込まれており、カバー裏通路102へ導かれる燃焼ガスの熱がカバー板153を介して衣類温センサ19へ伝達されるのを防止している。また、衣類温センサ19に繋がるリード線は、固定フランジ152とカバー板153との間隙を通り、さらに支軸15の中空部を通って本体ケース11内へ延設されている。
図1に示したように、扉12の内側(衣類取出口110側)には、扉12が閉じられた状態において衣類取出口110に嵌挿される円形台状の前蓋部120が形成されており、さらにその前蓋部120の中央には、複数の小円孔(以下、「温風排出口」という)121を有するフィルタカバー122が着脱可能な状態で取り付けられている。
温風排出口121は、フィルタカバー122の内側に取り付けられたエアフィルタ123を介して前蓋部120の内部空間103へ繋がっている。また、前蓋部120の外周上部には、扉12が閉じられた状態において、衣類取出口110の内周上部に開設された排気入口114に連通する連結口124が開設されている。
本体ケース11内におけるドラム13の上方位置には、上記前蓋部120の内部空間103と本体ケース11の外部とを繋ぐ排気ダクト20が形成されている。この排気ダクト20は、一端側が上記排気入口114に繋がり、他端側が本体ケース11の上面に開設された排気出口115に繋がっている。
排気ダクト20の中間部には、本体ケース11内へ室内空気を取り込み、さらにその室内空気やバーナユニット18から放出された燃焼ガスをドラム13内へ導き、排気ダクト20を通じて本体ケース11の外部へ排出させるための給排気手段として給排気ファン21が組み込まれている。
従って、扉12が閉じられた状態で給排気ファン21を作動させると、ドラム13内の空気が温風排出口121から前蓋部120の内部空間103へ導かれ、さらに排気ダクト20を通って排気出口115から本体ケース11の外部へ排出される。また、これに伴って、図示しない給気口から本体ケース11内へ取り込まれた室内空気やバーナユニット18から放出された燃焼ガスが温風ダクト17を通って奥壁裏通路101へ導かれ、さらにカバー裏通路102を通ってカバー板153下部の温風吹出口150からドラム13内へ送り込まれる。
上記衣類乾燥機1における乾燥運転動作について詳述すると、まず、乾燥運転の開始操作がなされると、給排気ファン21を回転させるとともにドラムモータ16を駆動してドラム13を回転させ、さらにバーナユニット18から燃焼ガスの放出を開始する。すると、本体ケース11内の空気が燃焼ガスによって加熱されつつ、その燃焼ガスと共に温風ダクト17内へ導かれ、ガス出口170を通じて奥壁裏通路101へ送り込まれる。
さらに、奥壁裏通路101へ送り込まれた燃焼ガスや高温の空気は、奥壁133の略全周に亘って形成された温風入口135を通ってカバー裏通路102へ導かれ、カバー板153の温風吹出口150からドラム13内の下方の空間へ向けて送り出される。
そして、このドラム12の下方の空間に集められる衣類Mの水分とともに開口部130側の温風排出口121を通じて前蓋部120の内部空間103へ取り込まれ、さらに排気ダクト20を通って排気出口115から本体ケース10の外部へ排出される。
その結果、衣類Mは、回転するドラム13内で攪拌されながら次第に乾燥していく。このとき、衣類温センサ19に接触した衣類Mの温度が所定温度より高ければ、図示しない比例弁を所定の開度まで絞って燃焼ガスの放出量を減少させ、空気の加熱度合を減少させる。一方、上記温度が所定温度より低ければ、図示しない比例弁を所定の開度まで開いて燃焼ガスの放出量を増加させ、空気の加熱度合を増加させる。
そして、衣類Mが所定の乾燥状態になれば、図示しないガスバーナを消火させてバーナユニット18からの燃焼ガスの放出を停止させるとともに、給排気ファン21およびドラム13の回転を停止させ、乾燥運転を終了する。
このように、上記実施の形態によれば、奥壁133の前面側に非回転状態で固定されたカバー板153の温風吹出口150から温風が送り出されるように構成されており、特定の領域から温風を送り出すために、既述従来の衣類乾燥機のように温風入口の形成域に対して熱風遮断材を押し付けてその一部を覆う必要がないから、ドラム13の回転摩擦抵抗を小さくすることが可能である。従って、その分、伝動ベルト160やドラムモータ16に対して過剰な負荷がかかり難いし、支軸15やその固定部等のドラム支持部への負荷も小さくなる。よって、それら各部に不具合(ドラムモータ16の性能低下や支軸15の変形、伝動ベルト160や内シール部材203の磨耗等)が生じ難い。また、ドラム13の回転も安定させることができるから、乾燥運転の際、ドラム13内で衣類Mが効率良く攪拌され、衣類M全体へ温風が行き渡る。よって、衣類Mの乾きムラも生じ難い。
また、温風吹出口150をドラム13の回転軸線CLより下方位置のみに配設したことで、ドラム13内の下方の空間へ集められる衣類M全体に対して温風を確実に行き渡らせることができるから、衣類Mの乾きムラが一層生じ難い。
さらに、カバー板153の外周縁の終端155がドラム13の奥壁133の前面外周に設けられた内シール部材203の平面部に線接触するように構成したことで、奥壁133の外周がカバー板153に対して摩擦抵抗の小さな状態で支持されるから、ドラム13の回転摩擦抵抗が小さく、その分、伝動ベルト160やドラムモータ16、ドラム支持部への負荷も小さい。また、ドラム13の回転も安定する。よって、それら各部に不具合が生じ難いし、衣類Mの乾きムラも生じ難い。
そして、ドラム13の奥壁133と支軸15とをベアリング151で連結したことで、ドラム13の奥壁133の中央部が支軸15に対して摩擦抵抗のより小さな状態で支持されるから、ドラム13の回転摩擦抵抗がより小さく、その分、伝動ベルト160やドラムモータ16、ドラム支持部への負荷もより小さい。また、ドラム13の回転もより安定する。よって、それら各部に不具合が一層生じ難いし、衣類Mの乾きムラも一層生じ難い。
また、カバー板153を奥壁133の前面側の略全体を覆う大きさに形成し、温風吹出口150をドラム13内のより底部に近い位置に配設したことで、温風を衣類M全体へより確実に行き渡らせることができる。
さらに、衣類温センサ19をカバー板153の前面で且つドラム13の回転軸線CLより下方位置に配設したことで、ドラム13内の下方の空間へ集められる最も温度の高い衣類Mが衣類温センサ19の表面に接触し易く、衣類Mの温度状態を確実に検知することができるから、その温度状態に合わせて適切に温風の温度を調整することが可能である。
特に、乾燥運転中、衣類Mはドラム13の回転に伴ってその回転方向(上記実施の形態では、正面視時計回り方向)へ持ち上げられつつ攪拌されるが、このものでは、衣類温センサ19が温風吹出口150の形成域より周方向へオフセットした位置に隣接して配設されているから、温風吹出口150の前方で加熱された直後の衣類Mがその衣類温センサ19の表面に接触し易く、その加熱された直後の衣類Mの温度に基づいて空気の加熱度合を調整することが可能である。
従って、例えば、大量の衣類Mをドラム13に入れ、乾燥運転の開始初期段階から高温の温風をドラム13内へ供給する制御動作を行っても、そのドラム13内の衣類Mが過熱状態になる前に、適切に温風の温度を調整することができる。これにより、衣類Mの乾燥仕上がりが良好である。
尚、上記実施の形態では、カバー板153の後方へ折曲形成された折曲部154の終端155が、奥壁133の前面外周に設けられた内シール部材203の前面に常時当接することで、上記遊間からの温風の漏出を遮断するように構成されているが、図4に示すように、カバー板153の折曲部154が、カーリング加工によってカバー板153の後方へ向かって断面円弧状に曲成され、奥壁133の前面側外周には、凹部132の周壁134に沿って内シール部材203が環設され、その内シール部材203の内周面にカバー板153の折曲部154が常時当接することで、上記遊間からの温風の漏出を遮断するように構成したものであっても良い。
また、上記実施の形態では、カバー板153の前面で且つドラム13の回転軸線CLより下方であって、温風吹出口150の形成域より周方向へオフセットした位置に衣類温センサ19が配設されているが、図5に示すように、温風吹出口150の形成域を複数設け、カバー板153の前面で且つドラム13の回転軸線CLより下方であって、その回転軸線(回転中心)CLを通る縦中心線上に衣類温センサ19を配設しても良い。
1・・・衣類乾燥機
110・・・衣類取出口
12・・・扉
121・・温風排出口
13・・・ドラム
133・・・奥壁
15・・・支軸
150・・・温風吹出口
151・・・ベアリング
153・・・カバー板
154・・・折曲部(外周縁)
102・・・カバー裏通路(間隙)
203・・・内シール部材(温風遮断部材)
18・・・バーナユニット(加熱手段)
19・・・衣類温センサ
21・・・給排気ファン(給排気手段)
CL・・・回転軸線(ドラムの回転中心)
M・・・衣類

Claims (6)

  1. 奥壁を有し、本体正面の衣類取出口側へ開放する筒状のドラムと、前記衣類取出口を被蓋する扉と、ドラム内の空気の給排気を行う給排気手段と、給排気手段によってドラム内へ供給される空気を加熱する加熱手段と、ドラムの奥壁中央部に挿通され且つドラムを回動可能に支持する支軸と、支軸のドラム内側の端部に非回転状態で固定され且つ前記奥壁の前面略全体をドラム内側から覆うカバー板とを備え、
    扉の内側には、ドラム内の空気をドラム外へ排出する温風排出口が開設され、
    ドラムの奥壁における支軸の外周より外側の領域には、加熱手段で加熱された空気を前記奥壁とカバー板との間隙へ導く温風入口が開設され、
    カバー板には、前記間隙へ導かれた空気をドラム内へ送り出す温風吹出口が開設されている、衣類乾燥機。
  2. 請求項1に記載の衣類乾燥機において、
    前記カバー板には、ドラムの回転中心より下方位置のみに温風吹出口が開設されている、衣類乾燥機。
  3. 請求項1または2に記載の衣類乾燥機において、
    前記奥壁の前面側外周と前記カバー板の外周縁との間に温風遮断部材が設けられている、衣類乾燥機。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の衣類乾燥機において、
    前記奥壁および支軸相互は、ベアリングを介して連結されている、衣類乾燥機。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の衣類乾燥機において、
    前記カバー板の前面には、衣類の温度を検知する衣類温センサが設けられている、衣類乾燥機。
  6. 請求項5に記載の衣類乾燥機において、
    前記温風吹出口がドラムの回転中心より下方位置のみに開設されている場合、
    前記衣類温センサは、カバー板の前面で且つ前記温風吹出口に対して周方向へオフセットした位置に設けられている、衣類乾燥機。
JP2012034921A 2012-02-21 2012-02-21 衣類乾燥機 Active JP5647635B2 (ja)

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