JP5647476B2 - ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ソレノイド弁の一部または全部が故障してもベルトの耐久性を確保しつつリムホームを可能とするベルト式無段変速機の油圧制御装置に関する。
ベルト式無段変速機では、プライマリープーリとセカンダリプーリとの間にベルトを巻き掛け、両プリーに設けられた油室の供給油量/油圧を制御することにより、変速制御とベルト挟圧制御とを行うことが知られている。このベルト式無段変速機を制御する場合、プライマリ油室への作動油量をレシオ制御弁(流量制御弁)で制御することによって、プーリ比を制御するとともに、セカンダリ油室への供給油圧を挟圧コントロール弁(圧力制御弁)で制御することによって、ベルト挟圧を制御している。このうちレシオ制御弁には、アップシフト用ソレノイド弁とダウンシフト用ソレノイド弁とからの信号圧が対向して作用しており、それらの信号圧の大小関係によりプライマリ油室への油量を制御している。一方、挟圧コントロール弁には、リニアソレノイド弁から信号圧が入力され、この信号圧に比例してセカンダリ油室の油圧を制御している。
このようなベルト式無段変速機の油圧回路において、リニアソレノイド弁が故障等により高圧側にフェイル状態になった場合や、全てのソレノイド弁用のソレノイドワイヤーが断線等で電源供給不能になった場合は、ベルト挟圧が大きくなる。このような事態になった場合でも、ベルトの切断を回避し、リンプホームを確保する必要がある。一方、近年、低燃費、製造コスト減の要請が大きく、これを満足するベルトに代替する必要性が生じている。このようなベルトは耐久性が低くなる傾向にあり上記リンプホーム確保の必要性と相反するという問題がある。
従来よりベルト式無段変速機の油圧回路においてソレノイド弁が故障した場合の対応として、例えば特開平11−182666号公報ではベルト挟圧制御弁のパイロット圧を制御するリニアソレノイド弁が故障した場合、これに切り替えて発進クラッチ圧制御弁の発進クラッチ圧に切り替える油圧制御装置が提供されている。しかしながら、この油圧制御装置では発進クラッチ圧はベルト挟圧とは別のソレノイド弁で制御しており、1つのリニアソレノイド弁で発進クラッチ圧とベルト挟圧とを制御するような油圧制御装置ではリニアソレノイド弁から切り替える制御弁が存在せず、そもそも採用することができない。
また、特開2001−330135号公報では、ベルト挟圧が高圧側に誤作動した場合にエンジントルクを制限する、あるいは車速に依存して変速比を1.0又は1.0より小さい変速比に移行させることでベルトへの負荷低減させる油圧制御装置も存在する。しかしながら、この油圧制御装置はベルト挟圧を直接低減させるものではない。
特開平11−182666号公報 特開2001−330135号公報
本発明は、以上の事情に鑑みて創作されたものであり、1つのソレノイド弁(リニアソレノイドソレノイド弁)で発進クラッチ圧制御とベルト挟圧制御とライン圧制御とを兼務する油圧構成の場合に、兼務するソレノイド弁やこれとそれ以外全てのソレノイドが故障しても、過大なライン圧の発生を防止しかつ変速比を適正化することで過大なベルト挟圧の発生を抑えることができるベルト式無段変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第一の本発明では、少なくともオイルポンプからの供給油圧を所定圧に調圧するライン圧制御弁(例えば実施形態におけるレギュレータ弁71)と、発進クラッチへの供給圧を制御する発進クラッチ圧切替弁(例えば実施形態におけるガレージシフト弁74)と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの一方への作動油量を制御することで変速を制御する変速制御弁(例えば実施形態におけるアップシフト用レシオ制御弁76、ダウンシフト用レシオ制御弁77)と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの他方への作動油圧を制御することで両プーリに巻きかけるベルトへの挟圧を制御するベルト挟圧制御弁(例えば実施形態における挟圧コントロール弁79)とを備え、これらの弁を複数のソレノイド弁で制御するベルト式無段変速機の油圧制御装置を提供する。
本油圧制御装置では、前記ライン圧を一定圧に減圧して出力する弁(例えば実施形態におけるクラッチモジュレータ弁72)を備え、前記複数のソレノイド弁の1つのソレノイド(例えば実施形態におけるリニアソレノイドSLS)が、前記一定圧を入力し、前記ライン圧制御弁への信号圧と、前記発進クラッチ圧への信号圧と、前記ベルト挟圧制御弁への信号圧と、の全てを出力し、前記ベルト挟圧制御弁は、前記1つのソレノイドによる信号圧の入力により前記オイルポンプからの供給圧をベルトへの挟圧として出力し、前記複数のソレノイド弁への全ての電源供給が遮断された場合に、前記1つのソレノイド弁の出力圧は開放状態を維持し、前記変速制御弁を制御するソレノイド弁の出力圧は閉鎖状態を維持する。また、前記1つのソレノイド弁と前記ライン圧制御弁との間の油路にフェイルセーフ用の切替弁(例えば実施形態におけるフェイルセーフ弁80)が設けられ、該切替弁は、該1つのソレノイド弁から前記ライン圧制御弁への信号圧と前記一定圧とが入力され、前記1つのソレノイド弁から前記ライン圧制御弁への信号圧が前記一定圧を超えたことを条件に前記ライン圧制御弁への出力圧が前記一定圧に切替えられ、前記ライン圧制御弁で調圧されるライン圧が低下する。また、前記変速制御弁を制御するソレノイド弁の出力圧が閉鎖状態になるが変速比を1.0に移行する変速比制御手段を備えることでリンプホームを可能とする。
第一の本発明の本ベルト式無段変速機の油圧制御装置は、1つのソレノイド弁(例えば、本実施形態ではリニアソレノイド弁SLSがライン圧制御弁への信号圧と、発進クラッチ圧と、ベルト挟圧制御弁とへの信号圧を出力する油圧構成であり、この油圧構成においてリニアソレノイド弁を含め全てのソレノイド弁がソレノイドワイヤー断線等で電源供給不能となったケースを想定している。なお、ここで言う「全てのソレノイド」には、例えば実施形態における変速制御用のソレノイド弁DS1,DS2、フェイルセーフ弁制御用のオンオフソレノイド81、または本明細書では記載しないロックアップ制御用のソレノイド弁などが含まれる。
この場合、リニアソレノイドからの信号圧が過大になってもフェイルセーフ弁で一定圧に切替えて減圧することができ、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの一方(例えば本実施形態ではセカンダリプーリ)の作動油圧ひいてはベルト挟圧を減圧できる。また、変速比についても変速制御弁が共にオフになり閉じ込み制御が実行され、規定の変速比1.0に移行させることでプライマリプーリ又はセカンダリプーリの他方(例えば本実施形態ではプライマリプーリ)の作動油圧ひいてはベルト挟圧を減圧できる。
また、第二の本発明でも、少なくともオイルポンプからの供給油圧を所定圧に調圧するライン圧制御弁と、発進クラッチへの供給圧を制御する発進クラッチ圧切替弁と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの一方への作動油量を制御することで変速を制御する変速制御弁と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの他方への作動油圧を制御することで両プーリに巻きかけるベルトへの挟圧を制御するベルト挟圧制御弁とを備え、これらの弁を複数のソレノイド弁で制御するベルト式無段変速機の油圧制御装置を提供する。
本油圧制御装置では、前記ライン圧を一定圧に減圧して出力する弁を備え、前記複数のソレノイド弁の1つのソレノイドが、前記一定圧を入力し、前記ライン圧制御弁への信号圧と、前記発進クラッチ圧と、前記ベルト挟圧制御弁への信号圧と、の全てを出力し、前記ベルト挟圧制御弁は、前記1つのソレノイドによる信号圧の入力により前記オイルポンプからの供給圧をベルトへの挟圧として出力し、さらに、前記1つのソレノイド弁が高圧側にフェイルしたか否かを判定するフェイル判定手段を備え、該フェイル判定手段が高圧側にフェイルしたと判定した場合には、前記1つのソレノイド弁の出力圧は開放状態を維持する。また、前記1つのソレノイド弁と前記ライン圧制御弁との間の油路にフェイルセーフ用の切替弁が設けられ、該切替弁は、該1つのソレノイド弁から前記ライン圧制御弁への信号圧と前記一定圧とが入力され、前記フェイル判定手段が高圧側にフェイルしたと判定した場合には前記ライン圧制御弁への出力圧が前記一定圧に切替えられるので前記ライン圧制御弁で調圧されるライン圧が低下する。一方、前記変速制御弁を制御するソレノイド弁により所望の変速比になるように制御することができる。
第二の本発明の本ベルト式無段変速機の油圧制御装置も第一の本発明と同様に、1つのリニアソレノイド弁がライン圧制御弁への信号圧と発進クラッチ圧と、ベルト挟圧制御弁への信号圧を出力する油圧構成であり、この油圧構成においてリニアソレノイドが高圧側にフェイルした場合を想定している。リニアソレノイド弁とライン圧制御弁との間にフェイルセーフ用の切替弁を設け、フェイルしたと判定した場合にライン圧制御弁への出力圧を一定圧に切替えるが、故障したのはリニアソレノイド弁だけであり変速制御弁に対するソレノイド弁は正常であるので、これを利用すれば所望の変速比になるように制御することができる。したがって、プライマリプーリとセカンダリプーリともに作動油圧の急増を規制することができ、さらに所望の変速比に制御することができる。
第一の本発明によれば、全てのソレノイド弁に対する電源供給不能になった場合でもライン圧制御弁を減圧することができ、変速比を1.0に移行することができる。また、第二の本発明によれば、ライン圧制御、ベルト挟圧制御、発進クラッチ圧制御を全て担うリニアソレノイド弁が高圧側にフェイルした場合でも、ライン圧制御弁を減圧することができ、変速比を所望の比率にすることができる。したがって、ベルト挟圧の上昇を規制することができ、ベルト耐久性の確保するとともに故障時のリンプホームを可能となる。
本発明の一実施形態に係るベルト式無段変速機のスケルトン図である。 図1に示すベルト式無段変速機の油圧回路図である。 図2と図5と図9とに示す油圧回路の一部の油圧回路図である。 図1に示すベルト式無段変速機のソレノイド圧Pslsに対する、ライン圧、クラッチモジュレータ圧、クラッチ制御圧及びセカンダリ圧の各特性を示す図である。 本発明のベルト式無段変速機の油圧回路図である。 図5の油圧回路において第一の本発明の実施形態で制御される油圧のフローチャートである。 図5の油圧回路において第二の本発明の実施形態で制御される油圧のフローチャートである。 図5に示すベルト式無段変速機のソレノイド圧Pslsに対する、ライン圧、クラッチモジュレータ圧、クラッチ制御圧及びセカンダリ圧の各特性を示す図である。 本発明のベルト式無段変速の油圧回路図の改良図である。
続いて、本発明の一実施形態に係るベルト式無段変速機の制御装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、ベルト式無段変速機の制御装置の説明に先立って、これを搭載した車両の構成、車両において採用されている油圧回路、及び車両の基本的な動作等について概略を説明する。
≪車両の構成について≫
図1は本発明に係る車両の構成の一例を示す。エンジンの出力軸1aは、無段変速機2を介してドライブシャフト(出力軸)32に接続されている。無段変速機2には、トルクコンバータ3、変速装置4(CVT)、油圧制御装置7及びエンジンにより駆動されるオイルポンプ6などが設けられている。
オイルポンプ6は、トルクコンバータ3のポンプインペラ3aにより駆動される。トルクコンバータ3のタービンランナ3bはタービン軸(入力軸)5に連結され、ステータ3cはワンウェイクラッチ3dを介してケースにより支持されている。タービン軸5とポンプインペラ3aとの間にロックアップクランチ3eが設けられている。
無段変速機2は、トルクコンバータ3のタービン軸5の回転を正逆切り替えてプライマリ軸10に伝達する前後進切替装置8、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ21及び両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15を有する変速装置4、セカンダリ軸20の動力をドライブシャフト32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。タービン軸5とプライマリ軸10とは同一軸線上に配置され、セカンダリ軸20とドライブシャフト32とがタービン軸5に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機2は全体として3軸構成とされている。ここで用いられるVベルト15は、例えば無端状張力帯とこの張力帯に摺動自在に支持された多数のブロックとで構成された公知の圧縮駆動タイプの金属ベルトである。
前後進切替装置8は、遊星歯車機構80と逆転ブレーキB1と直結クラッチC1とで構成されている。逆転ブレーキB1は、前進時に発進クラッチとして機能し、直結クラッチC1は、後進時に発進クラッチとして機能する。逆転ブレーキB1と直結クラッチC1は、それぞれ湿式多板式のブレーキ及びクラッチである。遊星歯車機構80のサンギヤ81が入力部材であるタービン軸5に連結され、リングギヤ82が出力部材であるプライマリ軸10に連結されている。遊星歯車機構80はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキB1はピニオンギヤ83を支えるキャリア84とトランスミッションケースとの間に設けられ、直結クラッチC1はキャリア84とサンギヤ81との間に設けられている。直結クラッチC1を解放して逆転ブレーキB1を締結すると、前進走行状態となり、逆に、逆転ブレーキB1を解放して直結クラッチC1を締結すると、後進走行状態となる。
プライマリプーリ11は、プライマリ軸10上に一体に形成された固定シーブ11aと、プライマリ軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bとを備えている。可動シーブ11bの背後には、プライマリ軸10に固定されたシリンダ12が設けられ、可動シーブ11bとシリンダ12との間に油室13が形成されている。油室13へ供給される作動油を、後述するレシオ制御弁76,77で流量制御することにより、変速制御が実施される。
セカンダリプーリ21は、セカンダリ軸20上に一体に形成された固定シーブ21aと、セカンダリ軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bとを備えている。可動シーブ21bの背後には、セカンダリ軸20に固定されたピストン22が設けられ、可動シーブ21bとピストン22との間に油室23が形成されている。この油室23への供給油圧(セカンダリ圧)を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト挟圧力が与えられる。なお、油室23には初期挟圧力を与えるバイアススプリングを配置してもよい。セカンダリプーリ21の油室23の近傍の供給油路中には、後述するように油室23の供給油圧を検出する油圧センサ108が設けられている。
セカンダリ軸20の一方の端部はエンジン側に向かって延びており、この端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びるドライブシャフト32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
エンジン1及び無段変速機2は、電子制御装置100によって制御される。電子制御装置100には、イグニッションスイッチIG、エンジン回転数センサ101、車速センサ102(又はセカンダリプーリ回転数センサ)、スロットル開度センサ103(又はアクセル開度センサ)、シフトポジションセンサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、ブレーキセンサ106、CVT油温センサ107及びセカンダリ圧を検出する油圧センサ108からそれぞれ検出信号が入力されている。入力信号として、その他の信号を入力してもよいことは勿論である。プライマリプーリ回転数センサ105によって、発進クラッチ(例えばB1)の後の回転数を検出できる。プライマリプーリ回転数センサ105及び車速センサ102の検出信号により、プーリ比を計算できる。本実施形態では説明を簡単にするため、単一の電子制御装置100によってエンジン1と無段変速機2の両方を制御する例を示したが、実際には個別の電子制御装置によって制御され、両電子制御装置は通信用バスによって相互に連携している。
電子制御装置100は、油圧制御装置7に内蔵されたソレノイド弁を制御している。油圧制御装置7は、オイルポンプ6、プライマリ油室13、セカンダリ油室23、逆転ブレーキB1、直結クラッチC1とそれぞれ配管を介して接続されている。電子制御装置100は、車速とスロットル開度とに応じて予め設定された変速マップに従って目標プーリ比又はプライマリ回転数を決定し、油圧制御装置7内のソレノイド弁DS1、DS2を制御することによって、無段変速機2のプライマリ油室13への供給油量を調整し、プーリ比又はプライマリ回転数を目標値へとフィードバック制御している。
また、電子制御装置100は、エンジントルクと変速比とからベルト伝達トルクを求め、ベルト滑りを発生させない最低限のベルト挟圧力となるように、油圧制御装置7内のソレノイド弁SLSを制御することによって、セカンダリ油室23への供給油圧(セカンダリ圧)を目標値へとフィードバック制御している。この際、油圧センサ108で実際のセカンダリ圧が検出される。さらに、油圧制御装置7内のソレノイド弁SLSは、逆転ブレーキB1及び直結クラッチC1への供給油圧(過渡圧)を制御する機能を備えている。
≪油圧回路について≫
図2は、油圧制御装置7が備える従来の油圧回路の一例を示したものであり、図3はその一部を拡大したものである。図2、図3において、71はレギュレータ弁、72はクラッチモジュレータ弁、73はソレノイドモジュレータ弁、74はガレージシフト弁、75はマニュアル弁、76はアップシフト用レシオ制御弁、77はダウンシフト用レシオ制御弁、78はレシオチェック弁、79は挟圧コントロール弁である。また、SLSはライン圧の調圧制御、逆転ブレーキB1及び直結クラッチC1の過渡制御、及びセカンダリプーリ21の油室23の調圧制御を行うためのソレノイド圧Pslsを出力するリニアソレノイド弁、DS1はアップシフト用信号圧Pds1を調圧制御するアップシフト用ソレノイド弁、DS2はダウンシフト用信号圧Pds2を調圧制御するダウンシフト用ソレノイド弁である。本実施形態では、ソレノイド弁SLSは常開型(N/Oタイプ)のリニアソレノイド弁、ソレノイド弁DS1,DS2は共に常閉型(N/Cタイプ)のデューティソレノイド弁を使用している。油圧制御装置7の油圧源は、エンジン1によって駆動されるオイルポンプ6のみであるが、図2に示していないエコラン用の電動ポンプなどの格別のオイルポンプは備えていても良い
レギュレータ弁71は、オイルポンプ6の吐出圧を所定のライン圧PLに調圧する弁であり、信号ポート71aにリニアソレノイド弁SLSからが入力されている。そのため、ライン圧はソレノイド圧Pslsに比例した油圧に調圧される。クラッチモジュレータ弁72は、直結クラッチC1および逆転ブレーキB1への供給圧の元圧となるクラッチモジュレータ圧Pcmを出力する弁である。ソレノイドモジュレータ弁73は、クラッチモジュレータ圧Pcmを調圧して、一定のソレノイドモジュレータ圧Psmを発生する弁である。
ガレージシフト弁74は、シフトレバーをNからD又はNからRへ切り替えた時(ガレージシフト時)に、直結クラッチC1及び逆転ブレーキB1への供給圧を過渡制御できるように油路を切り替えるための切替弁である。このガレージシフト弁74は発進時にのみリニアソレノイド弁SLSからの出力圧Pslsを発進クラッチ圧とするが、クラッチの係合完了後はライン圧を減圧した一定圧Pcmに切り替えられてクラッチの係合を維持する機能を有する。図2において、ガレージシフト弁74の中心線より左側が過渡状態を示し、右側が保持状態を示す。ガレージシフト弁74は、スプリング74aによって一方向に付勢されたスプール74bを備えており、スプリング荷重と同方向には信号ポート74c,74dが形成されており、アップシフト用信号圧Pds1とダウンシフト用信号圧Pds2とが入力されている。カウンタポート74hには、スプリング荷重と対向方向にソレノイドモジュレータ圧Psmが入力されている。また、ポート74eにはリニアソレノイド弁SLSからソレノイド圧Pslsが入力されている。
ガレージシフト時にはソレノイド弁DS1,DS2は共にオン状態となるので、信号ポート74c,74dに入力される信号圧Pds1,Pds2も共にオン状態になる。また、スプール74bはスプリング74aに抗して下方へ移動する。これにより、モジュレータ弁74は、図2において中心線より左側に示した過渡状態になる。そのため、ポート74eに入力されたソレノイド圧Pslsが出力ポート74fから出力され、マニュアル弁75を介して直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1へ供給される。このためソレノイド圧Pslsにより、直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1の係合ショックを回避しつつ緩やかな係合を開始することができる。
また、信号圧Pds1,Pds2の少なくとも一方がオフ状態になると、スプール74bがソレノイドモジュレータ圧Psmによって上方へ移動し、モジュレータ弁74が図2において中心線より右側に示した保持状態になる。そのため、ポート74gに入力されたクラッチモジュレータ圧Pcmが出力ポート74fから出力され、マニュアル弁75を介して直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1へ供給される。つまり、信号圧Pds1,Pds2の少なくとも一方がオフ状態になると、リニアソレノイド弁SLSの作動如何にかかわらず直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1の締結状態を保持できる。
マニュアル弁75は、シフトレバーと機械的に連結された手動操作弁であり、P、R、N、D、S、Bの各レンジに切り換えられ、ガレージシフト弁74から供給される油圧を直結クラッチC1又は逆転ブレーキB1に選択的に導くものである。入力ポート75aにはガレージシフト弁74から油圧が供給され、出力ポート75bは直結クラッチC1と接続され、出力ポート75c、75dは共に逆転ブレーキB1に接続されている。マニュアル弁75は、Rレンジでは直結クラッチC1に油圧を供給するとともに逆転ブレーキB1の油圧をドレーンし、D、S、Bレンジでは逆転ブレーキB1に油圧を供給するとともに直結クラッチClの油圧をドレーンする。非走行レンジであるP、Nレンジでは直結クラッチC1及び逆転ブレーキB1の油圧を共にドレーンする。
アップシフト用レシオ制御弁76及びダウンシフト用レシオ制御弁77は、アップシフト用信号圧Pds1とダウンシフト用信号圧Pds2との相対関係によってプライマリ油室13に給排される作動油量を調整する流量制御弁である。すなわち、図3に示すように、アップシフト用レシオ制御弁76はスプリング76aによって一方向に付勢されたスプール76bを備えており、スプリング76aが収容された一端側の信号ポート76cに信号圧Pds2が入力されている。スプリング荷重と対向する他端側の信号ポート76dに信号圧Pds1が入力されている。中間部の入力ポート76eにはライン圧PLが供給されており、出力ポート76fはプライマリプーリ11の油室13と接続されている。入力ポート76eとドレーンポート76gとの間には、後述するレシオチェック弁78のポート78hと接続されたポート76hが形成され、出力ポート76fと信号ポート76dとの間には、ダウンシフト用レシオ制御弁77のポート77f及びレシオチェック弁78のポート78dと接続されたポート76iが形成されている。
ダウンシフト用レシオコントロール弁77は、スプリング77aによって一方向に付勢されたスプール77bを備えており、スプリング77aが収容された一端側の信号ポート77cに信号圧Pdslが入力されている。スプリング荷重と対向する他端側の信号ポート77dに信号圧Pds2が入力されている。中間部には、ドレーンポート77eと、アップシフト用レシオ制御弁76のポート76iと接続されたポート77fと、レシオチェック弁78のポート78fと接続されたポート77gとが順に形成されている。
レシオチェック弁78は、閉じ込み制御のために、プライマリ油室13を流量制御から油圧制御に切り替えて、プライマリ油室13の油圧とセカンダリ油室23の油圧との比率を予め設定された関係に保持するための弁である。レシオチェック弁78は、スプリング78aによって一方向に付勢されたスプール78bを備えており、スプリング78aが収容された一端側の信号ポート78cにセカンダリプーリ油室23の油圧が入力されている。スプリング荷重と対向する他端側の信号ポート78dには、プライマリプーリ油室13の油圧がアップシフト用レシオ制御弁76のポート76f,76iを介して入力されている。なお、セカンダリ圧が入力される信号ポート78cの受圧面積に比べて、プライマリ圧が入力される信号ポート78dの受圧面積の方がα倍だけ大きい。入力ポート78eにはライン圧PLが供給されており、出力ポート78hはグウンシフト用レシオ制御弁77のポート77gと接続されている。さらに、出力ポート78fとドレーンポート78gとの間には、アツプシフト用レシオ制御弁76のポート76hと接続されるポート78hが形成されている。
挟圧コントロール弁79は、セカンダリプーリ21の作動油室23の油圧(セカンダリ圧)を制御するための弁である。スプリング79fによって一方向に付勢されたスプール79eを備え、スプリング荷重と対向する一端側の信号ポート79aにソレノイドモジュレータ弁73から−定圧Psmが供給されている。入力ポート79bにはライン圧PLが供給されており、出力ポート79cはセカンダリプーリ21の作動油室23と接続され、セカンダリ圧はポート79dにフィードバックされている。スプリング79fが収容された他端側の信号ポート79eにはソレノイド圧Pslsが供給される。ポート79hはドレーンポートである。このため、信号ポート79eに入力されたソレノイド圧Pslsを所定の増幅度で増幅した油圧を、セカンダリ圧としてセカンダリプーリ21の作動油室23に供給することができる。作動油室23の油圧(セカンダリ圧)は油圧センサ108によって検出され、検出された油圧に基づいてベルト挟圧力又はベルト伝達トルクを求めることができる。
ベルト挟圧力又はベルト伝達トルクの計算方法としては、例えば油圧センサ108によってセカンダリ油圧を検出し、そのセカンダリ油圧と受圧面積とからベルト挟圧を計算し、さらにベルト挟圧、ベルトとプーリとの摩擦係数、ベルト巻き掛け径などからベルト伝達トルクを計算することができる。
ソレノイド圧Pslsに対する、ライン圧PL、クラッチモジュレータ圧Pcm、クラッチ制御圧、及びセカンダリ圧の各特性は、図4の通りである。具体的には、ライン圧PLは、ソレノイド圧Pslsにほぼ比例した油圧に調圧される。クラッチモジュレータ圧Pcmは、ソレノイド圧Pslsが所定値に達するまではライン圧PLと同圧であり、所定値を超えると一定圧に制御される。また、逆転ブレーキB1又は直結クラッチC1には過渡状態においてソレノイド圧Pslsが直接供給されるので、クラッチ制御圧はソレノイド圧Pslsそのものとなる。セカンダリ圧はソレノイド圧Pslsに比例し、油圧ライン圧PLより僅かに低い油圧に調圧される。図4に示したように、ライン圧、クラッチ制御圧、セカンダリ圧は共にリニアソレノイド弁SLSによって制御されるが、常にセカンダリ圧がクラッチ制御圧を上回るように設定されている。セカンダリ圧は、油圧センサ108によって検出される。
≪本発明における油圧回路について≫
図5は、本発明のベルト式無段変速機の油圧回路を例示したものであり、図2で示した油圧制御装置7の油圧回路を改良したものである。したがって、図5において図1と図2と同一の参照番号を付したものは同一のものであり、また図3は図5の一部としても参照される(後述する図9の油圧回路でも同様)。図5の油圧回路においては、リニアソレノイドSLSとレギュレータ弁71との油路にフェイルセーフ弁80が追加されている。前述のようにレギュレータ弁71はライン圧PLを調圧する弁であるが、フェイルセーフ弁80が追加されたことにより、リニアソレノイド弁SLSからの信号圧Pslsはフェイルセーフ弁80に入力する。フェイルセーフ弁80が作動しない場合は、図2と同様にソレノイドポート圧Pslsがレギュレータ弁71のポート71aに入力され、ライン圧はソレノイド圧Pslsに比例した油圧に調圧される。そして、調圧されたライン圧PLがクラッチモジュレータ弁72で減圧され、一定圧のクラッチモジュレータ圧Pcmを出力する。その後、ソレノイドモジュレータ弁73で、クラッチモジュレータ圧Pcmが調圧されて、一定のソレノイドモジュレータ圧Psmを発生する。モジュレータ圧Psmは図2と同様にダウンシフト用ソレノイド弁DS2とアップシフト用ソレノイド弁DS1とに入力するだけでなく、フェイルセーフ弁80にも入力される。
フェイルセーフ弁80は、入力されるソレノイド圧80が所定圧以下の場合にはソレノイド圧Pslsを出力するが、所定圧を超えた場合に出力圧をモジュレータ圧Psmに切り替えて出力する。したがって、リニアソレノイド弁SLSやソレノイドモジュレータ弁73等が正常であった場合には、ソレノイド圧Pslsは適正な範囲内であるためフェイルセーフ弁80も作動せず、ソレノイド圧Pslsがレギュレータ弁71のポート71aに入力される。
第一の本発明の実施形態について、ソレノイド弁全てに電力供給するソレノイドワイヤーが断線等したことによってリニアソレノイド弁SLSのみならず他のソレノイド弁73、DS1、DS2への電源供給が不能となった場合、ソレノイドモジュレータ弁73も不能になっており、またリニアソレノイド弁PslsはN/OタイプであるためPslsは全開圧力となる。このとき一定圧に制限されているクラッチモジュレータ圧Pcmはモジュレータ圧Psmとして出力される。そして、フェイルセーフ弁80に入力されるソレノイド圧Pslsがモジュレータ圧Psmを超えた場合に出力圧をPsmに切り替えて出力する。これによって、ソレノイド圧Pslsが過大になった場合、ソレノイドモジュレータ弁73が作動しなくてもレギュレータ弁71によりライン圧PL制御を適正に実行することができ、挟圧コントロール弁79を制御してベルト挟圧を減圧させることができる。
ここでソレノイド弁DS1、DS2はN/Cタイプなので電源供給不能の場合、オフ状態にされる。したがって、プライマリプーリへの作動油の供給を流量制御から圧力制御に切り替えられるいわゆる閉じ込み制御が実行される。このときアップシフト用レシオ制御弁76は図3の右側位置、ダウンシフト用レシオ制御弁77は図3の左側位置となる。セカンダリ圧による荷重とスプリング荷重との和が、プライマリ圧による荷重のα倍に比べて相対的に大きい時には、レシオチェック弁78は図3の左側位置にあり、レシオチエック弁78の入力ポート78eに供給されたライン圧PLは、出力ポート78fからダウンシフト用レシオ制御弁77のポート77g,77f、アップシフト用レシオ制御弁76のポート76i,76fを介してプライマリ油室13へ供給される。逆に、プライマリ圧による荷重のα倍が、セカンダリ圧による荷重とスプリング荷重との和に比べて相対的に大きい時には、レシオチェック弁78は図3の右側位置に切り替わる。そのため、プライマリ圧は、出力ポート78f、ポート78hから、アップシフト用レシオ制御弁76のポート76h,76gを介してドレーンされる。実際には、レシオチェック弁78のスプール78bは、出力ポート78fと入力ポート78eとを接続する位置と、出力ポート78fとポート78hとを接続する位置との中間位置でバランスされる。このようにレシオチェック弁78は、プライマリ圧とセカンダリ圧との比率が所定の関係となるようにプライマリ圧を制御し、所定の変速比(ここでは1.0)に保持することができる。したがって、小さい変速比1.0に移行されるため前述の挟圧コントロール弁79へのライン圧PLの減圧と相まってベルト挟圧が減圧される。
図6には、上述する全てのソレノイド弁への電源供給不能となった場合の説明図が示されている。ソレノイド弁への電源供給が全て遮断された場合(S1)、リニアソレノイド弁SLSはN/Oタイプなので出力するソレノイド圧Pslsが最大となり(S2)、フェイルセーフ弁80はソレノイド圧Pslsが所定圧を超えると出力圧がPsmに切り替わる(S3)。これによりレギュレータ弁71への入力信号圧がPsmに低下することでライン圧PLが低下し(S4)、挟圧コントロール弁70を介してベルト挟圧が低下する(S5)。また、全てのソレノイド弁への電源供給不能となった場合は、変速比制御を担うアップシフト用ソレノイド弁DS1、ダウンシフト用ソレノイド弁DS2もそれぞれ出力ゼロとなり(S6)、上述するいわゆる閉じ込み制御が実行され(S7)、変速比が1.0へ移行することとなる(S8)。
次に第二の本発明の実施形態として、リニアソレノイド弁SLSがソレノイドワイヤーの断線や異物混入等により高圧側にフェイルした場合を想定している。リニアソレノイド弁SLSが高圧側にフェイルしたか否かの判定は、フェイル判定手段で行われる。例えば、図1に示す油圧センサ108(図1参照)を利用し、実際のセカンダリ圧を検出することで判定する。フェイルセーフ弁80は、ソレノイド圧Pslsとモジュレータ圧Psmがともにフェイルセーフ弁80に入力される。このときフェイルセーフ弁80に入力されるソレノイド圧Pslsが所定圧を超えた場合に出力圧をPsmに切り替えて出力する。これによってリニアソレノイド弁SLS、ソレノイド圧Pslsが所望のモジュレータ圧Psmより高圧にならないように規制することができ、レギュレータ弁71によりライン圧PL制御を適正に実行ひいては挟圧コントロール弁79を制御してベルト挟圧を減圧させることができる。
上記場合ではリニアソレノイド弁SLS以外のソレノイド弁は正常であり、とりわけアップシフト用ソレノイドDS1、ダウンシフト用ソレノイドDS2も正常なので、プライマリプーリの作動油室への流量制御も自由であり、変速比を所望の比率に制御可能である。
図7を参照すれば、上述するリニアソレノイド弁SLSへの電源供給が不能になった場合の説明図が示されている。リニアソレノイド弁SLSが電源供給不能になった場合(S10)、図6の右側の説明図と同様にリニアソレノイド弁SLSがN/Oタイプなので出力するソレノイド圧Pslsが最大となり(S11)、フェイルセーフ弁80はソレノイド圧Pslsが所定圧を超えると出力圧がPsmに切り替わる(S12)。そして、レギュレータ弁71への入力信号圧がPsmに低下することでライン圧PLが低下し(S13)、挟圧コントロール弁70を介してベルト挟圧が低下する(S14)。一方、図6の左側の説明図と相違し、図7の場合、アップシフト用ソレノイド弁DS1、ダウンシフト用ソレノイド弁DS2は電源供給されているのでそれぞれ出力は同じPds1,Pds2は制御可能となる。したがって、変速比も通常通り所望圧を維持することとなる(図示せず)。
ソレノイド圧Pslsに対する、ライン圧PL、クラッチモジュレータ圧Pcm、クラッチ制御圧、及びセカンダリ圧の各特性は、図8の通りである。具体的には、ライン圧PLとセカンダリ圧以外は図4と同様であり、セカンダリ圧も油圧ライン圧PLより僅かに低い油圧に調圧される。ただし、ライン圧PLとセカンダリ圧とが所定値に到達すると大きく減圧されるように設定されている。
最後に図9を参照すれば、図5の油圧回路の改良例として、ソレノイドモジュール弁73からフェイルセーフ弁80までのモジュレータ圧Psmの油路にN/Oタイプのオン/オフソレノイド81を設けている。したがって、フェイルセーフ弁80は、オン/オフソレノイド81のオン/オフの信号圧の入力により切り替えることができる。この油圧回路において、第一の本発明の実施形態では全てのソレノイド弁での電源供給が遮断されるが、N/Oタイプのオン/オフソレノイド81は電源供給不能時にもモジュレータ圧Psmがフェイルセーフ弁80に入力されるため、図5の場合と同様である。また、第二の本発明の実施形態ではリニアソレノイド弁SLSのみがフェイルした状態であり、オン/オフソレノイド81は正常であるためフェイルセーフ弁80の切替が自在である。
なお、図2、図5、図9では省略したが、リニアソレノイド弁SLS以外の他のソレノイドとして、ロックアップ制御弁が存在する場合には、これを制御するソレノイド弁も必要となる。したがって、本明細書でいう他のソレノイド弁には所謂ロックアップ制御弁も含まれる。
以上、本発明のベルト式無段変速機の油圧制御装置についての実施形態およびその概念について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではなく特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることは当業者は理解できるであろう。
11 プライマリプーリ
13 油室
21 セカンダリプーリ
71 レギュレータ弁
72 クラッチモジュレータ弁
73 ソレノイドモジュレータ弁
74 ガレージシフト弁
75 マニュアル弁
76 アップシフト用レシオ制御弁
77 ダウンシフト用レシオ制御弁
78 レシオチェック弁
79 挟圧コントロール弁
80 フェイルセーフ弁
108 油圧センサ

Claims (2)

  1. 少なくともオイルポンプからの供給油圧を所定圧に調圧するライン圧制御弁と、発進クラッチへの供給圧を制御する発進クラッチ圧切替弁と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの一方への作動油量を制御することで変速を制御する変速制御弁と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの他方への作動油圧を制御することで両プーリに巻きかけるベルトへの挟圧を制御するベルト挟圧制御弁とを備え、これらの弁を複数のソレノイド弁で制御するベルト式無段変速機の油圧制御装置であって、
    前記ライン圧を一定圧に減圧して出力する弁を備え、
    前記複数のソレノイド弁の1つのソレノイドが、前記一定圧を入力し、前記ライン圧制御弁への信号圧と、前記発進クラッチ圧と、前記ベルト挟圧制御弁への信号圧と、の全てを出力し、前記ベルト挟圧制御弁は、前記1つのソレノイドによる信号圧の入力により前記オイルポンプからの供給圧をベルトへの挟圧として出力し、
    前記複数のソレノイド弁への全ての電源供給が遮断された場合に、前記1つのソレノイド弁の出力圧は開放状態を維持し、前記変速制御弁を制御するソレノイド弁の出力圧は閉鎖状態を維持し、
    前記1つのソレノイド弁と前記ライン圧制御弁との間の油路にフェイルセーフ用の切替弁が設けられ、該切替弁は、該1つのソレノイド弁から前記ライン圧制御弁への信号圧と前記一定圧とが入力され、前記1つのソレノイド弁からの前記ライン圧制御弁への信号圧が所定圧を超えたことを条件に前記ライン圧制御弁への出力圧を前記一定圧に切替え、
    前記変速制御弁を制御するソレノイド弁の出力圧が閉鎖状態になると変速比を1.0に移行する変速比制御手段と、を備える、ことを特徴とするベルト式無段変速機の油圧制御装置。
  2. 少なくともオイルポンプからの供給油圧を所定圧に調圧するライン圧制御弁と、発進クラッチへの供給圧を制御する発進クラッチ圧制御弁と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの一方への作動油量を制御することで変速を制御する変速制御弁と、プライマリプーリ又はセカンダリプーリの他方への作動油圧を制御することで両プーリに巻きかけるベルトへの挟圧を制御するベルト挟圧制御弁とを備え、これらの弁を複数のソレノイド弁で制御するベルト式無段変速機の油圧制御装置であって、
    前記ライン圧を一定圧に減圧して出力する弁を備え、
    前記複数のソレノイド弁の1つのソレノイドが、前記一定圧を入力し、前記ライン圧制御弁への信号圧と、前記発進クラッチ圧と、前記ベルト挟圧制御弁への信号圧と、の全てを出力し、前記ベルト挟圧制御弁は、前記1つのソレノイドによる信号圧の入力により前記オイルポンプからの供給圧をベルトへの挟圧として出力し、さらに、
    前記1つのソレノイド弁が高圧側にフェイルしたか否かを判定するフェイル判定手段を備え、該フェイル判定手段が高圧側にフェイルしたと判定した場合には、前記1つのソレノイド弁の出力圧は開放状態を維持し、
    前記1つのソレノイド弁と前記ライン圧制御弁との間の油路にフェイルセーフ用の切替弁が設けられ、該切替弁は、該1つのソレノイド弁から前記ライン圧制御弁への信号圧と前記一定圧とが入力され、前記フェイル判定手段が高圧側にフェイルしたと判定した場合には前記ライン圧制御弁への出力圧を前記一定圧に切替え、
    前記変速制御弁を制御するソレノイド弁により所望の変速比になる手段を備える、
    ことを特徴とするベルト式無段変速機の油圧制御装置。
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