JP5646161B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

本発明はパチンコ遊技機に関し、特に、センタ役物の右側に位置する右側遊技領域の少なくとも上半部分が、障害釘が存在しない釘無し遊技領域に構成されたものである。
従来、パチンコ遊技機には、遊技盤の前面側に遊技領域が形成され、多数の障害釘が遊技盤に装着されて遊技領域に存在している。障害釘には遊技球の落下方向を変化させ落下速度を減速させる機能があり、多数の障害釘は、遊技盤の構成(各種入賞口の配置等)に基づいて、遊技領域に適当な間隔を空けて適当な位置に配置されている。
近年、多くのパチンコ遊技機には、遊技盤にセンタ役物が装着され、このセンタ役物が、遊技演出用の画像表示器や機種特有の電飾役物を備えている。センタ役物は遊技盤よりも前方へ張出すセンタ枠体を有し、そのセンタ枠体の外周外側が主要な遊技領域となり、その主要な遊技領域に全体的に多数の障害釘が配置されている。
このようなパチンコ遊技機では、遊技者が発射ハンドルを操作して遊技球を遊技領域に発射させる際、遊技球の発射強度を調節して所謂「左打」「右打」の打ち分けを行うことができる。「左打」では、遊技球がセンタ役物の左側に位置する左側遊技領域を落下し、「右打」では、遊技球がセンタ役物の上側に形成された右打ち通路を通ってセンタ役物の右側に位置する右側遊技領域へ移動して右側遊技領域を落下する。
この種のパチンコ遊技機において、遊技盤の構成(始動口やゲートや大入賞口の配置)上、常に「左打」が「右打」よりも有利な打ち方になる機種が多いが、近年では、遊技状態が切換わる(例えば、通常遊技状態⇔大当り遊技状態、通常遊技状態⇔時短遊技状態又は確変遊技状態)ことで、有利な打ち方が「左打」「右打」の一方から他方へ切換わる機種が増加している(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、特許文献1のように、「左打」よりも「右打」の方が有利な打ち方になる場合があるパチンコ遊技機において、本願発明者は、右側遊技領域の全部を障害釘が存在しない釘無し遊技領域に構成し、この釘無し遊技領域よりも下方にゲートと開閉式の大入賞口を配置し、ゲートよりも下方に開閉式の始動口を配置した機種を実用化しつつあり、ここで、釘無し遊技領域と、その釘無し遊技領域に遊技球を案内する右打ち通路の構造に改善の余地がある。尚、このパチンコ遊技機では、通常遊技状態では「左打」が有利な打ち方になり、通常遊技状態以外の遊技状態では「右打」が有利な打ち方になる。
ところで、釘無し遊技領域には障害釘が存在しないことから、「右打」を行った場合、釘無し遊技領域において遊技球の落下速度は殆ど減速されず、むしろ自重により加速されるため、その遊技球が右側遊技領域の下方のゲート、大入賞口、始動口の近傍に達したときの移動速度は非常に大きくなる。つまり、「右打」による遊技球はゲート、大入賞口、始動口に適切に入賞し得る妥当な移動速度に減速されない。
そこで、本願発明者は、右側遊技領域の下部側に、クランク通路を形成する合成樹脂製の球受部材を配設し、右側遊技領域を落下する遊技球が球受部材に必ず衝突して、その衝突により、また、その後クランク通路を通過することにより減速されて、ゲート、大入賞口、始動口の近傍に達するようにした構造を実用化しつつある。
特開2008−68138号公報 特開2009−72348号公報
「左打」よりも「右打」の方が有利な打ち方になる場合があるパチンコ遊技機において、右側遊技領域の少なくとも上半部分を遊技球が存在しない釘無し遊技領域に構成した場合、その釘無し遊技領域と釘無し遊技領域に遊技球を案内する右打ち通路を改善する余地がある。また、釘無し遊技領域を設けることで、障害釘の数が減少すること、故に、障害釘の配置設計及び取付け負荷が軽減すること、等の点で有利になる反面、前記のように、釘無し遊技領域において遊技球の落下速度が殆ど減速されないため、「右打」による遊技球がゲート、大入賞口、始動口に適切に入賞し得る妥当な移動速度に減速されない。
そこで、右側遊技領域の下部側にクランク通路を形成する球受部材を配設し、右側遊技領域を落下する遊技球が球受部材に必ず衝突するようにして、上記課題は解消されるが、球受部材は釘無し遊技領域において落下速度が殆ど減速されない遊技球を全て受止めることになるため、球受部材が多数の遊技球から受ける衝撃により損傷する虞がある。
本発明の目的は、センタ役物の右側に位置する右側遊技領域の少なくとも上半部分を、障害釘が存在しない釘無し遊技領域に構成するとともに、その釘無し遊技領域と釘無し遊技領域に遊技球を案内する右打ち通路の構造を改善することができる、パチンコ遊技機を提供すること、その釘無し遊技領域において、障害釘ではなくセンタ役物の電飾役物(外周右側壁)を利用して、遊技球の落下速度を効果的に適度に減速することができる、パチンコ遊技機を提供することである。
請求項1の発明は、遊技領域(5)に発射された遊技球(B)を右側遊技領域(5b)へ誘導する為の右打ち通路(5c)とを備えたパチンコ遊技機(1)において、前記右側遊技領域(5b)の下端側部分に遊技球が入賞可能な入賞領域が設けられ、前記右側遊技領域(5b)の少なくとも上半部分は、障害釘(11)が存在しない釘無し遊技領域(18)に構成され、前記釘無し遊技領域(18)の球通路の一方の側壁(31a)に、釘無し遊技領域(18)を落下する遊技球が衝突可能で且つ衝突した遊技球の落下速度を減速可能な障害部(50)が形成され、前記一方の側壁(31a)に対向する他方の側壁(40a)に前記障害部(50)は形成されず、前記障害部(50)は、前記球通路の外側へ窪むように形成された窪み部(31a1)により構成され、前記右側遊技領域(5b)の下部において球通路がジグザグとなるようにジグザグ部(61)が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、遊技球の落下速度を効果的に適度に減速することができる。
パチンコ遊技機の正面図である。 実施例1の遊技盤の正面図である。 遊技盤の右側遊技領域と右打ち通路を明確に表した正面図である。 遊技盤の右側遊技領域とその近傍の拡大正面図である。 遊技盤とセンタ役物の分解斜視図である。 電飾役物(センタ役物)の右側面図である。 実施例2の図4相当図である。 実施例3の図4相当図である。
本発明は、遊技球がセンタ役物の左側の遊技領域を落下するように遊技球を発射させる所謂「左打」と、遊技球がセンタ役物の上側の右打ち通路を通ってセンタ役物の右側の遊技領域へ移動してその右側遊技領域を落下するように遊技球を発射させる所謂「右打」との打ち分けを行うことができる、パチンコ遊技機に適用されている。
図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールに取付けられる外枠に開閉枠2が開閉自在に装着され、この開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、その遊技盤4の前面側に遊技球Bが移動可能な遊技領域5が形成されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着され、その透明板3bにより遊技領域5の前側が覆われている。開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球Bを貯留する貯留皿6が設けられ、その貯留皿6に演出ボタン7が装着され、貯留皿6の右下側に発射ハンドル8が装着されている。
発射ハンドル8が回動操作されると、貯留皿6から発射位置に導入された遊技球Bが発射され、貯留皿6に複数の遊技球Bが存在する場合には、複数の遊技球Bが約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球Bは内外2つのガイドレール9a,9bで案内されて、遊技領域5の左上部に投入される。発射ハンドル8の回動操作量を調節することで、遊技球Bの発射強度を調節することができ、故に、所謂「左打」「右打」の打ち分けを行うことができる。
案内レール9a,9bを含む略円形環状の遊技領域周壁9cの内側に、遊技領域5が形成されるとともに、センタ役物10、多数の障害釘11(但し、一部図示省略)、始動口装置12、ゲート13、大入賞口装置14、複数の一般入賞口15が遊技盤4に装着され遊技領域5に臨んでいる。
センタ役物10は、遊技盤4よりも前方へ張出すセンタ枠体10aを有し、このセンタ枠体10aは、遊技領域周壁9cの内側領域の約1/2〜2/3程度のサイズで上方よりに配置されている。センタ役物10は、画像表示器16と本機種特有の電飾役物17とを備え、画像表示器16の画面はセンタ枠体10aの内側領域に臨み、電飾役物17はセンタ枠体10aの右上部と右部とに亙って設けられている。
センタ枠体10aに形成された下部ステージ10bの下側に始動口装置12が配置され、始動口装置12の右方にゲート13と大入賞口装置14とが上下に配置されている。始動口装置12は、所謂「ヘソ」である第1始動口12aと、第1始動口12aの下側の所謂「電チュー」である開閉式の第2始動口12bとを有し、第2始動口12bはゲート13よりも下方にある。大入賞口装置14は開閉式の大入賞口14aを有する。
ここで、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態の何れかの遊技状態において、遊技球Bが始動口12a,12bに入賞することで行われる第1の抽選に基づいて、第1の当り(大当り)に当選した場合、大当り遊技状態に切換わり、大当り遊技状態の終了後、確変遊技状態又は時短遊技状態に切換わる。確変遊技状態又は時短遊技状態において、所定条件が成立した場合、通常遊技状態に切換わる。確変遊技状態の場合、通常遊技状態と時短遊技状態の場合よりも、第1の当りに当選する確率が高くなる。
大当り遊技状態では、大入賞口14aが複数ラウンドに亙って開閉する。一方、遊技球Bがゲート13に入賞(ゲート13を通過)することで行われる第2の抽選に基づいて、第2の当りに当選した場合、第2始動口12bが1又は複数回開閉する。時短遊技状態と確変遊技状態の場合、通常遊技状態の場合よりも、第2の抽選の結果導出時間が短くなり、第2の当りに当選する確率が高くなり、第2始動口12bの開放時間が長くなる。
図2〜図5に示すように、センタ枠体10aの外周外側が主要な遊技領域5なり、その主要な遊技領域5において、左側遊技領域5aがセンタ役物10の左側に位置し、右側遊技領域5bがセンタ役物10の右側に位置し、遊技領域5に発射された遊技球Bを右側遊技領域5bへ移動させる為に案内する右打ち通路5cがセンタ役物10の上側に形成されている。
「左打」では、遊技球Bが左側遊技領域5aを落下し、センタ枠体10aの左部に設けられたワープ通路10cから下部ステージ10bへ移動する可能性もあり、第1始動口12aへの入賞を期待することができる。一方、「右打」では、遊技球Bが右打ち通路5cを通って右側遊技領域5bへ移動して右側遊技領域5bを落下し、その遊技球Bが、開状態の第2始動口12b、ゲート13、開状態の大入賞口14aに入賞する入賞率が非常に高くなり、その反面、第1始動口12aへの入賞を期待することができない。
つまり、通常遊技状態では、「左打」が「右打」よりも有利な打ち方になり、大当り遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態では、「右打」が「左打」よりも有利な打ち方になる。尚、遊技球Bが始動口12a,12b、入賞口14a,15の何れかに入賞した場合、始動口12a,12b、入賞口14a,15毎に設定された数の遊技球Bが貯留皿6に払出され、遊技球Bは入賞した始動口12a,12b、入賞口14a,15から遊技領域5外へ排出される。遊技球Bが始動口12a,12b、入賞口14a,15の何れも入賞しなかった場合には、最終的に、遊技盤4の下端部に形成されたアウト口4aから遊技領域5外へ排出される。
図2〜図6に示すように、右側遊技領域5bは、電飾役物17の外周右側壁31a(右側遊技領域5bの左側壁となる)と、遊技盤4に取付けられた右装飾部材40の外周左側壁40a(右側遊技領域5bの右側壁となる)とによって、上下に細長い通路的な領域に形成され、この右側遊技領域5bの全領域(少なくとも上半部分を含む)が、障害釘11が存在しない釘無し遊技領域18に構成されている。電飾役物17の外周右側壁31aは、その内側面にローレット加工面を有する透明の合成樹脂によって形成されており、装飾レンズとしての機能を有している。
右打ち通路5cは、案内レール9b(右打ち通路5cの上壁となる)と、電飾役物17の外周上壁31b(右打ち通路5cの下壁となる)とによって、遊技球Bの直径(例えば、11mm)の2倍以下の通路幅(例えば、約16mm)となる円弧状の通路に形成されている。電飾役物17の外周上壁31bは、その内側面にローレット加工面を有する透明の合成樹脂によって前記外周右側壁31aと連続的に形成されており、装飾レンズとしての機能を有している。右打ち通路5cの遊技球移動方向の下流端は、遊技盤4(遊技領域5)の中心に対して右斜め上方約45度の位置となり、その下流端まで案内レール9bが延びている。
電飾役物17は、遊技盤4に取付けられる合成樹脂製の台板30と、この台板30から前方へ突出する合成樹脂製の周壁31と、この周壁31の前端側に配置される合成樹脂製の一部透明な装飾レンズ板32とを組付けて構成されている。台板30は、センタ枠体10aの合成樹脂製のセンタ台板10dにその一部として一体的に設けられ、そのセンタ台板10dのセンタ前平板部10e(台板30の前平板部30aを含む)の少なくとも外周近傍部分が、遊技盤4の前面に当接した状態で取付けられている。つまり、周壁31と装飾レンズ板32が遊技盤4よりも前方へ張出している。
周壁31は、センタ枠体10aの合成樹脂製のセンタ周壁10fの一部として設けられ、そのセンタ周壁10fのうち電飾役物17の周壁31以外の周壁部分は、センタ台板10dに一体形成されている。周壁31は、釘無し遊技領域18に臨む(つまり、釘無し遊技領域18の左端縁に位置する)外周右側壁31aと、右打ち通路5cに臨む(つまり、右打ち通路5cの下端縁に位置する)外周上壁31bとを有する。
装飾レンズ板32は鳥の羽を模したものであり、その後方に装飾レンズ板32と略同形状の合成樹脂製の内側レンズ板33(図5参照)が配設されている。この内側レンズ板33は、台板30と周壁31の少なくとも一方に取付けられている。内側レンズ板33の後方において、台板30に基板(図示略)が取付けられ、その基板の前面に複数のLED(図示略)が実装されている。そして、装飾レンズ板32と、内側レンズ板33及び装飾レンズ板32を透過する前記LEDからの光により、電飾役物17が電飾される。
また、前記図示略のLEDからの光は、電飾役物17の外周右側壁31aを介して右側遊技領域5bに照射されるとともに、電飾役物17の外周上壁31bを介して右打ち通路5cに照射される。そして、「左打」よりも「右打」が有利な遊技状態に移行したときには、LEDによって右打ち通路5cから右側遊技領域5bへと流れるような点灯がなされ、遊技者に対して右打ち通路5cと右側遊技領域5bの存在を光の演出によって目立たせて、「右打」を促すようになっている。
右装飾部材40は、遊技盤4に前方突出状に取付けられた合成樹脂製の部材からなり、釘無し遊技領域18に臨む(つまり、釘無し遊技領域18の右端縁に位置する)外周左側壁40aと、外周左側壁40aの上端側の上傾斜壁40bとを有する。外周左側壁40aは、凹凸の無い穏やかな鉛直に近い円弧状の壁に形成されている。
上傾斜壁40bは、案内レール9bの端部よりもセンタ役物10の方へ張出して、右打ち通路5cの遊技球移動方向の下流端部になり、この上傾斜壁40bに、右打ち通路5cを移動してきた遊技球Bを受止め可能な弾性板状片の返しゴム19が装着されている。上傾斜壁40bの傾斜面、つまり、返しゴム19の遊技球衝突面は、遊技球Bが衝突する方向と直交する面に対して鉛直側へ少し傾斜し、返しゴム19に衝突して跳返った遊技球Bが釘無し遊技領域18に導かれ易くしている。尚、右装飾部材40の外周左側壁40aと上傾斜壁40bは遊技領域周壁9cの一部を形成している。
電飾役物17の外周右側壁31aには、釘無し遊技領域18を落下する遊技球Bが衝突可能で且つ衝突した遊技球Bの落下速度を減速可能な2つの障害部50,51(上障害部50と下障害部51)が一体形成されている。この2つの障害部50,51は、返しゴム19よりも下側の右側遊技領域5bの上半部分において、返しゴム19から右側遊技領域5bの下部側に配設された球受部材60までの上下間距離を略3等分する位置に配置されている。
上障害部50は、電飾役物17の外周右側壁31aに左方へ窪むように形成された凹部31a1により構成され、下障害部51は、電飾役物17の外周右側壁31aに右方へ突出するように形成された段部31a2により構成されている。
ここで、図4に、右装飾部材40の外周左側壁40aからの距離(例えば、約1.5mm)を略一定に保った仮想円弧L1を仮想線で示した場合、電飾役物17の外周右側壁31aにおいて、凹部31a1よりも上側部分と段部31a2よりも下側部分が、仮想円弧L1に沿った形状になっている。また、凹部31a1は仮想円弧L1よりも左方へ窪み、その凹部31a1の最も左側へ窪んだ部位よりも下側部分が上障害部50になり、凹部31a1と段部31a2の中間部分は仮想円弧L1に近づき、その下側部分が仮想円弧L1から左方へ徐々に遠ざかり、その下端部が右方へ張出すことで段部31a2が形成され下障害部51になっている。
例えば、図4に示すように、釘無し遊技領域18を落下する遊技球Bは、上障害部50に衝突し、それから、右装飾部材40の外周左側壁40aで跳ね返って、下障害部51に衝突する。遊技球Bが障害部50,51に衝突した場合、その衝突によりエネルギー吸収されるとともに、遊技球Bの落下方向が変化することで落下速度が減速される。
右側遊技領域5bの下部側の球受部材60は、電飾役物17の台板30の前平板部30aに前方突出状に設けられ、電飾役物17の外周右側壁31aの下部31a3と、外周右側壁31aの下部31a3に対向する球受部材60の周壁部分60aとで、その間にクランク通路61が形成されている。右側遊技領域18を落下する遊技球Bは球受部材60に必ず衝突して、その衝突により、また、その後クランク通路61を通過することにより減速されて、ゲート13、大入賞口14a(入賞領域)、第2始動口12b(入賞領域)の近傍に達する。尚、球受部材60の周壁部分60aは遊技領域周壁9cの一部を形成している。
電飾役物17の外周上壁31bのうち右打ち通路5cの遊技球移動方向の下流端近傍部分に、上方へ突出する上方突出部52が一体形成されている。この上方突出部52は、台形状に形成され、右打ち通路5cの通常幅を狭め、その右下部の傾斜部52aが、右装飾部材40の上傾斜壁40bと平行になって対向している。
この上方突出部52には、右打ち通路5cを通って返しゴム19で跳ね返った遊技球Bと、次に右打ち通路5c通ってくる遊技球Bとが右打ち通路5cに挟まれる所謂「球噛み」を防止するとともに、返しゴム19で跳ね返った遊技球Bを釘無し遊技領域18に速やかに案内する機能を有する。尚、外周上壁31bの上方突出部52の左側部分には、下方へ僅かに緩やかに窪む凹部31b1が形成されている。
以上説明したパチンコ遊技機1によれば次の効果を奏する。
センタ役物10の右側に位置する右側遊技領域5bの全領域が、障害釘11が存在しない釘無し遊技領域18に構成され、センタ役物10は、釘無し遊技領域18に臨む外周右側壁31aを有する電飾役物17を備え、この電飾役物17の外周右側壁31aに、釘無し遊技領域18を落下する遊技球Bが衝突可能で且つ衝突した遊技球Bの落下速度を減速可能な2つの障害部50,51が一体形成されている。
つまり、釘無し遊技領域18において、障害釘11ではなくセンタ役物10の電飾役物17(外周右側壁31a)を利用して、遊技球Bの落下速度を効果的に適度に減速することができる。従って、釘無し遊技領域18を落下する遊技球Bは全て球受部材60に必ず衝突するが、その衝突速度を低下させることができるため、球受部材60が多数の遊技球Bから受ける衝撃を低減して、球受部材60が損傷することを防止することができる。
そして、釘無し遊技領域18を落下する遊技球Bが球受部材60に衝突することにより、また、その後クランク通路61を通過することにより、更に減速される。こうして、「右打」による遊技球Bが、ゲート13、大入賞口14a、第2始動口12aの近傍に、それらゲート13、大入賞口14a、第2始動口12aに適切に入賞し得る妥当な移動速度に減速されて達するようになる。
このように、「右打」による遊技球Bがゲート13、大入賞口14a、始動口12aに適切に入賞し得る妥当な移動速度に減速されない、また、球受部材60が損傷する虞があるという課題を解消して、釘無し遊技領域18を設けることができるため、障害釘11の数が減少すること、故に、障害釘11の配置設計及び取付け負荷が軽減すること、等の点で有利になり、しかも、釘無し遊技領域18が意匠的にも斬新なものになる。
右側遊技領域5bの全領域が、釘無し遊技領域18に構成されたので、つまり、比較的大きな釘無し遊技領域18を設けることができるため、障害釘11の配置設計及び取付け負荷が軽減し、釘無し遊技領域18が意匠的にも斬新なものになる、という効果が増大する。2つの障害部50,51によって、釘無し遊技領域18を落下する遊技球Bが障害部50,51に衝突して遊技球Bの落下速度が減速する可能性を高めることができる。
上障害部50が、電飾役物17の外周右側壁31aに左方へ窪むように形成された凹部31a1により構成され、下障害部51は、電飾役物17の外周右側壁31aに右方へ突出するように形成された段部31a2により構成されたので、これら障害部50,51を電飾役物17の外周右側壁31aに確実に且つ容易に一体成形することができる。
右打ち通路5cの遊技球移動方向の下流端部に、右打ち通路5cを移動してきた遊技球Bを受止め可能な返しゴム19が装着され、この返しゴム19よりも下側に2つの障害部50,51が配置されたので、返しゴム19により、右打ち通路5cを移動してきた遊技球の移動速度を大きく減速して、釘無し遊技領域18に導入することができ、2つの障害部50,51により、釘無し遊技領域18において、釘無し遊技領域18の移動速度が大きく増大するのを抑制することができる。
電飾役物17が、右打ち通路5cの下端縁に位置する外周上壁31bを有し、この電飾役物17の外周上壁31bのうち右打ち通路5の遊技球移動方向の下流端近傍部分に、上方へ突出する上方突出部52が一体形成されたので、前記のように、右打ち通路5cを通って返しゴム19で跳ね返った遊技球Bと、次に右打ち通路5cを通ってくる遊技球Bとが右打ち通路5cに挟まれる所謂「球噛み」を防止するとともに、返しゴム19で跳ね返った遊技球Bを釘無し遊技領域18に速やかに案内することができる。
釘無し遊技領域18の左側壁31aと右打ち通路5cの下壁31bとを形成する周壁31を有する電飾役物17を遊技盤5に装備したので、電飾役物17(周壁31)を利用して、釘無し遊技領域18の左側壁31aと右打ち通路5cの下壁31bとを簡単に構成することができ、つまり、釘無し遊技領域18(右側遊技領域5b)と右打ち通路5cの構造を改善することができる。例えば、電飾役物17を釘無し遊技領域18(右側遊技領域5b)と右打ち通路5cに隣接させることができるので、それら釘無し遊技領域18と右打ち通路5cに対して光の演出を容易に行うことができる。
電飾役物17は、遊技盤4に取付けられる台板30と、この台板30から前方へ突出する外周右側壁31aを含む周壁31と、この周壁31の前端側に配置される装飾レンズ板32とを組付けて構成されたので、電飾役物17の台板30、周壁31、装飾レンズ板32の3つの部材のうち、1又は2つの部材の設計変更が生じた場合でも、その部材のみを交換して、電飾役物17を構成することができ、製造コスト的に有利になる。
また、電飾役物17の外周右側壁31a(障害部50,51)が遊技球Bの衝突により損傷した場合にも、周壁31のみを交換して、電飾役物17を補修することができ、電飾役物17の補修費用を低減することができる。
実施例2は、実施例1の上障害部50を変更したものである。尚、実施例1と同じものには同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、電飾役物17Aの周壁31Aにおいて、釘無し遊技領域18に臨む外周右側壁31Aaに一体成形された上障害部53は、電飾役物17Aの外周右側壁31Aaに右方へ突出するように形成された凸部31Aa1により構成されている。この凸部31Aa1は仮想円弧L1よりも右方へ少し突出し、釘無し遊技領域18の左右幅を狭めている。
上障害部53は外周右側壁31Aaに右方へ突出するように形成された凸部31Aa1により構成され、その凸部31Aa1が釘無し遊技領域18の左右幅を狭めているため、この上障害部53に遊技球Bが衝突する可能性、つまり、遊技球Bの落下速度が減速される可能性を高めることができる。その他は実施例1と同様の効果を奏する。
実施例2は、実施例1の2つの障害部50,51と共に、2つの右障害部54,55を設けたものである。尚、実施例1と同じものには同一符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、右装飾部材40Bの外周左側壁40Ba(右側遊技領域5bの右側壁となる)には、釘無し遊技領域18を落下する遊技球Bが衝突可能で且つ衝突した遊技球Bの落下速度を減速可能な2つの右障害部5,5(右上障害部5と右下障害部5)が一体形成されている。
2つの右障害部54,55は、右装飾部材40Bの外周左側壁40Baに左方へ突出するように形成された凸部により構成されている。ここで、仮想円弧L1からの距離(例えば、約1.5mm)を略一定に保った仮想円弧L2を仮想線で示した場合、右障害部54,55の凸部は仮想円弧L2よりも左方へ突出している。
2つの障害部50,51に加え、2つの右障害部54,55を設けたことにより、遊技球が障害部50,51,54,55に衝突する可能性、つまり、遊技球Bの落下速度が減速される可能性を一層高めることができる。その他は実施例1と同様の効果を奏する。
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その他種々の変更を付加して実施可能である。例えば、障害部や右障害部の数や形状については適宜変更可能である。また、右側遊技領域の少なくとも上半部分を含む任意の領域を釘無し遊技領域とし、その釘無し遊技領域の左側壁や右側壁に障害部や右障害部を一体形成してもよい。
B 遊技球
1 パチンコ遊技機
4 遊技盤
5 遊技領域
5b 右側遊技領域
5c 右打ち通路
10 センタ役物
11 障害釘
17,17A 電飾役物
18 釘無し遊技領域
19 返しゴム
30 台板
31,31A 周壁
31a,31Aa 外周右側壁
31a1 凹部
31a2 段部
31Aa1 凸部
31b 外周上壁
32 装飾レンズ板
40Ba 外周左側壁
50,51,53 障害部
52 上方突出部
54,55 右側障害部

Claims (1)

  1. 遊技領域に発射された遊技球を右側遊技領域へ誘導する為の右打ち通路を備えたパチンコ遊技機において、
    前記右側遊技領域の下端側部分に遊技球が入賞可能な入賞領域が設けられ、前記右側遊技領域の少なくとも上半部分は、障害釘が存在しない釘無し遊技領域に構成され、
    前記釘無し遊技領域の球通路の一方の側壁に、釘無し遊技領域を落下する遊技球が衝突可能で且つ衝突した遊技球の落下速度を減速可能な障害部が一体形成され、前記一方の側壁に対向する他方の側壁に前記障害部は形成されず、
    前記障害部は、前記球通路の外側へ窪むように形成された窪み部により構成され、
    前記右側遊技領域の下部において球通路がジグザグとなるようにジグザグ部が形成された、
    ことを特徴とするパチンコ遊技機。
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