JP5644728B2 - 消色装置 - Google Patents

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Description

本発明は、消色装置に係わり、更に詳しくは低消費エネルギーで且つ消色性トナー画像に対して最適な消色条件で均一な消色を実現する消色装置に関する。
近年、地球環境保護の一環として紙資源の節減が叫ばれている。画像形成装置等の紙資源の節減と再利用では、片面印刷した用紙の裏面の有効活用などは既に社会一般になされている。また、使用済み用紙を回収し用紙の原料とし、再生紙として再度用いることも一般に行われている。
しかし片面印刷の用紙の再利用では、再使用の回数が通常1回に限られてしまう。また、原料として再利用する際には回収自体にエネルギーとコストがかかり、原料として加工する際にもエネルギーが掛かってしまう。
そこで、オフィス内において用紙を複数回使用できるようにする取組みが種々為されている。トナー像により一度画像が形成された用紙を紙資源として再利用するには、トナーにより形成された用紙上の画像を物理的に除去または光で消色して再利用可能な用紙とすることが考えられている。
画像を物理的に除去して用紙を再利用するためには、用紙の画像形成面にトナーを除去する処理液を塗布し、加熱してトナーを溶解させて画像を除去する方法や、用紙の画像形成面を研摩してトナー画像を削り落とす方法などがあるが、これらの方法は、手数がかかると共に、再利用する用紙に損傷が発生し易いため問題がある。
また、感熱系の消色剤を用い、加熱オーブンタイプの消色装置により消色を行う方式もある。また、一部光エネルギーを用いて消色トナーを消去する方法も知られている。しかし、これらの消色装置をオフィスに設置するとなると、プリンタなどの印刷装置の他に消色装置が必要になるから電力も別に必要になり、消色装置の設置スペースも別に必要となって不経済である。
また、多くの消色装置は、消色に多くの時間を要するなど、ユーザにとっては使い勝手が悪く、必ずしも便利なものとは言い難い。この観点から、消色装置はプリンタなどの他の装置内に組み込み、もしくは、単体であっても連続的に消色作業が行えることが出来るようにするのが望ましい。
光を用いる消色方法としては、最初に用紙に画像を形成するに際し、近赤外吸収色素および消色材を含む消色トナーによりOA用紙に画像を記録し、この画像を近赤外線等の特殊な光源による光照射によって消色して用紙の再利用を図るという着想はすでに論文で公開されている。(例えば、非特許文献1参照。)
この非特許文献1の方法において、近赤外線吸収色素は、照射された近赤外線を吸収して励起し、消色剤と反応して無色化する。但し、色材がトナー化されていることもあって、トナー結着剤樹脂中の色素は近赤外線を吸収しても常温においてはほとんど消色反応が見られない。
このため、熱を加えて反応を加速してから無色化するという消色作用に有効な一般的な方法が行われている。例えば、画像形成時の定着装置と消色時の消色装置を共通にし、トナー画像の消色には事前にトナー像を加熱する。
そうしておいてから消色光を照射すると消色作用が有効に働くという一般に行われている技術に基いて、画像形成時に用いる定着装置の熱ローラ対を、消色時の加熱器として兼用し定着装置内において熱ローラ対の下流側に消色光照射用の光源を配置した構成が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、消色トナーと消色装置に関しても多くの例が示されている。その中でも、赤外線によって消色を行うことが出来る増感染料とホウ素系化合物を使ったトナーの印刷画像を加熱した後、赤外線により消色を行うことにより消色速度を格段に向上させた装置が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
この装置では、消色用光源として、ハロゲン、フラッシュ、LEDランプなど多くの光源を有効として、中でもハロゲンランプは多くの例が示されている。尚、ハロゲンランプは、遠赤外線を中心とする長波長領域のエネルギーも出すので熱源としても用いられる。熱源に限っては消色反応を助成する目的の熱源として有効性が示されている。
通常、消色装置として考えられているのは、消色性トナーの画像を印刷された用紙の印刷面を加熱する加熱装置と、その加熱された用紙の印刷面に近赤外線光を照射する近赤外線光発生装置とから構成される。
このような構成としては、ハロゲンランプのように赤外線発生装置と加熱装置の両方を備えているものと、LEDランプとヒータ装置のように赤外線光発光装置と加熱装置とをそれぞれ分担する2つの装置からなるものとが考えられる。
しかしながら、ハロゲンランプは消費電力が大きく且つ寿命が短という欠点がある。また、LEDランプと加熱装置の2つの装置を組み合わせたものでは、加熱装置の対流、放射、熱伝導による熱損失という消費電力に関る大きな問題がある。
ところが、特許文献1における赤外線発生装置と加熱装置の両方を組み合わせた消色装置において、消費電力の低減化などの課題についてはふれられていない。
特許文献1に示される従来技術では、加熱ローラにより加熱されたトナー像に消色光が照射されるまでにトナー像の温度が下がって消色効果が薄れるという問題に加えて、加熱ローラ面にトナー像がオフセットするという問題がある。
これらの問題を解決する方法として、用紙に対し、非接触で加熱するようにヒータを配置し、トナー像を加熱し、消色に適した温度の位置に消色光を照射する消色構造が考えられており、一定の効果を得ている。
トナーを140度付近まで温度上昇させるには、用紙表面温度が200℃程度の時に消色光を照射するのがトナー画像の消色に効果的である。ただし、この場合、用紙には200℃程度の熱が加わることになる。用紙に200℃程度の温度を長時間加熱すると、用紙が変色するという問題がある。
また、特許文献2に示される従来技術において、ハロゲンランプは、近赤外線だけではなく紫外線領域、可視光領域、近赤外線領域〜遠赤外線領域まで含んだ光である。したがって、増感色素の吸収波長だけではなくのその他の消色反応に寄与しない多くの余分な波長のエネルギーも放射しており不経済なエネルギー源であるといえる。
また、特許文献2では、樹脂をTg以上の温度に加熱した状態で光を当てることの有効性が示されているが、ハロゲンランプを用いた加熱において、搬送路を通過する用紙に対してライン状にランプを設置することは、ハロゲンランプのフィラメントが長くなり消費電力が必然的に大きくなるので消費電力上必ずしも優位な手段であるとはいえない。
更に、ハロゲンランプを用いた場合、消色時には常時点灯を続けることになり、ランプ自体は数千時間で切れる消耗品であるから、ランニングコストはより大きなものとなる。
そこで、熱源としてのセラミックヒータが着目されている。セラミックヒータによる用紙の加熱については、すでに公知であって多数の用紙加熱に関する技術が知られている。このセラミックヒータを用いて、均一に用紙を加熱しようとするとき、大きな課題が存在する。
すなわち、通紙する際の用紙の主走査(用紙搬送方向に対して直角な方向)の温度の均一性が重要になる。一般に、プリンタなどでも、用紙を加熱するため、セラミックヒータによって温度の均一を図るとき、例えば、ひとつのヒータに対して配線パターンを工夫することが提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
均一性のためにパターンを工夫することは効果としては大きいが、大きな構造になった場合に、用紙の通過などの外乱要因に対して、各部位毎に細かな温度制御が出来ることが必要となるため、その温度制御が容易なものでなく面倒である。
また、接触式の定着装置の内部構造ではあるが、同じくセラミックヒータの長手方向の温度分布の均一化のため、ヒータ下部のホルダー部の構造による均一化を図る方法などが提案されている。(例えば、特許文献4参照。)
特開平07−049634号公報 特開平05−204278号公報 特開2009−087548号公報 特開平10−144453号公報
細田喜一著、「機能性色素のトナーへの応用」電子写真学会誌、第31号
しかしながら、一般の印字物であるA4判サイズの用紙の長手方向およそ300mmに対してひとつのヒータと、光源による同時照射を考え、ヒータを用紙とは非接触に設置した場合を考えると、セラミックヒータは用紙の長手方向に300mm以上、また短手方向にも数十ミリの大きな構造となる。
このようなヒータの構造は、定着装置の回転構造物内部のヒータとして用いて有効ではあるが、より大きな構造物に用いる場合、寸法が大きくなってエネルギーロスも大きくなる。また、用紙に対する適応性を考えて別構造物によって加熱の均一化を図るなどは、消費電力的に必ずしも有効であるとはいえない。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、低消費エネルギーで且つ消色性トナー画像に対して最適な消色条件で均一な消色を実現する消色装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の消色装置は、被転写媒体の搬送経路である搬送面の上及び下で前記搬送面と平行な二段の仮想面上に、前記搬送面と対向するように配置された複数のヒータと、加熱された被転写媒体に光を照射する消色光源とを備えた消色装置であって少なくとも一方の仮想面上のヒータは、搬送方向と略直交する方向に沿って並ぶように配置され、他方の仮想面上のヒータは、平面視したときに一方の仮想面上のヒータ同士の隙間と重なるように、配置されている
本発明は、低消費エネルギーで且つ消色性トナー画像に対して最適な消色条件で均一な消色を実現する消色装置を提供することが可能となる。
本発明の実施例1に係る消色装置の基本的構成を示す断面図である。 実施例1に係る消色装置の用紙搬送経路において用紙の両側端部を挟持して搬送する両側端搬送装置を示す斜視図である。 実施例1に係る消色装置の用紙搬送経路の平面図である。 (a)は実施例1に係る消色装置の消色部の用紙搬送経路の上下に配置される消色ユニットの基本構成を拡大して示す図、(b)はその実験時における温度計測方法を具体的に示す図である。 (a)〜(d)はそれぞれ左にセラミックヒータの実装例を模式的に示し、右にその温度分布を示す図である。 (a)は上下二段に同位置に配設された3連装のセラミックヒータを上面から見た図、(b)はその側面図、(c)は上下二段に1/2位置ズレして配設された3連装のセラミックヒータを上面から見た図、(d)はその側面図、(e)は(a)〜(d)の構成の各ヒータの発熱温度を変化させて測定により得られた消色に係わる結果と評価を示す図表である。 (a)はヒータのオン/オフの制御の他の例を示す図、(b),(c)は他の実施例として使用するヒータの他の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において、上記のヒータ部は、例えばヒータ部28等である。
ただし、この消色性トナーにより印字した被転写媒体に常温において近赤外線を照射してもほとんど消色反応が見られない。被転写媒体20とは、紙等の用紙、OHP用紙を含む。被転写媒体20を加熱し消色性トナーが溶融している状態に近赤外線を照射したとき、初めて消色反応が観察されるようになる。
したがって、消色装置には被転写媒体20を加熱する要素と近赤外線を照射する要素の2つの要素を備えている必要がある。ところが、この近赤外線吸収色素を含む消色性トナーで被転写媒体20に画像を形成するプリンタ等は市販されていない。
そこで、以下の実施例では、通常のプリンタのモノクロ画像形成ユニットに消色性トナーを充填して、通常の被転写媒体20に消色性トナーによる画像を印字(以下、印刷ともいう)し、その消色性トナー画像を印刷された被転写媒体20を用いて行った実験により確認した内容を説明する。
図1は、実施例1に係る消色装置の基本的構成を示す断面図である。尚、この消色装置1は、消色装置1に組み込む消色ユニットの熱源の性能を調べるために試作された消色装置1であり、この構成を基本構成とし、この基本構成の消色装置1の熱源やその他の構成に順次変更を加えて実験したものについて以下説明を進めて行く。
先ず、図1(a),(b)に示す実施例1に係る基本構成の消色装置1において、本体筐体2の内部には、消色部において消色すべき被転写媒体20を搬送する被転写媒体搬送経路3が配設されている。被転写媒体搬送経路3の上流側(図の左方)と下流側(図の右方)には、それぞれ搬送ローラ・コロ体4(4a、4b)が配置されている。
そして、被転写媒体搬送経路3の上流側と下流側、つまり搬送ローラ・コロ体4aよりも上流側と搬送ローラ・コロ体4bよりも下流側には、それぞれ給紙カセット5と被転写媒体収容カセット6が配設されている。
給紙カセット5は、不図示の押し上げバネで下から押し付勢されている底板11の上に、図には示していないが、片面又は両面に消色性トナーで画像を形成された少なくとも1枚の被転写媒体20が載置されている。
また、消色装置1は、被転写媒体搬送経路3の上下にそれぞれヒータユニット7(7a、7b)と消色光源8(8a、8b)から成る消色ユニット9(9a、9b)を備えている。これら被転写媒体搬送経路3、ヒータユニット7及び消色光源8とで消色部10を構成している。
ヒータユニット7(7a、7b)は、被転写媒体20の搬送経路の搬送面と対向する位置に配置され、被転写媒体20の搬送方向と略直交する方向に複数設けられている。被転写媒体20の搬送方向と略直交する方向とは、80度から100度であり、特に90度が好ましい。
ヒータユニット7は、ヒータ7−1を保持する保持部7−2の両端部が固定治具7−3によって本体筐体2のサイドフレーム2−1に固定されている。消色光源8も同様に光源全体8−1の両端部が固定治具8−2によって本体筐体2のサイドフレーム2−1に固定されている。
給紙カセット5から、矢印aに示すように、不図示の給紙コロにより一枚ごと取り出されて消色部10の搬送ローラ・コロ体4aに給紙された被転写媒体20は、搬送ローラ・コロ体4aにより紙搬送経路3に給送される。
被転写媒体搬送経路3に給送された被転写媒体20は、詳しくは後述する両側端搬送装置により被転写媒体搬送経路3に沿って上流側から下流側に搬送される。搬送される被転写媒体20の消色性トナーによる画像形成面に、ヒータユニット7から輻射熱が放射される。
そのヒータユニット7(7a、7b)からの輻射熱の放射により加熱された被転写媒体20の消色性トナー画像形成面に、消色光源8(8a、8b)からの消色光が照射されて、被転写媒体20の消色性トナー画像が消色される。消色性トナー画像を消色された被転写媒体20は、搬送ローラ・コロ体4bに搬送を引き継がれて、矢印bに示すように、被転写媒体収容カセット6に排出される。
被転写媒体収容カセット6も、不図示の押し上げバネで下から押し付勢されている底板12を備えている。被転写媒体収容カセット6に排出された被転写媒体20は、不図示の押さえ爪によって、押し上げバネの押し付勢力に抗して上から押さえ込まれて底板12上に載置されている。
この被転写媒体収容カセット6に収容された消色性トナー画像が消色されている被転写媒体20は、必要に応じて、不図示の給紙コロにより一枚ごと取り出され、搬送ローラ対13により給紙路14に沿って矢印cで示すように機外に送出される。
機外に送出された被転写媒体20は、機外に設置されている例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置により、紙面に新たな画像を形成され、印刷物として再生される。
図2は、上記の被転写媒体搬送経路3において被転写媒体20の両側端部を挟持して搬送する両側端搬送装置を示す斜視図である。尚、同図には被転写媒体搬送方向上流側の搬送ローラ・コロ体4aと下流側の搬送ローラ・コロ体4bの図示を省略している。
図2に示すように、被転写媒体搬送経路3の両側には、駆動ローラ15と従動ローラ16に掛け渡され、内部中央に押さえローラ17を有する無端状の細ベルト18が上下二段に配置された両側端搬送装置19が配置されている。
この両側端搬送装置19は、被転写媒体20の両側端部を挟持して、図2の矢印a方向に搬送する。これにより被転写媒体20の両端部が熱により丸まったり、その先端部が下方に垂れ下がって被転写媒体搬送経路3から外れるような不具合を防止することができる。
図3は、上記の消色装置1の被転写媒体搬送経路3の平面図である。搬送ローラ・コロ体4a、4b及び両側端搬送装置19によって矢印a方向に搬送される被転写媒体20の上下には、それぞれ、図3に示す6本のヒータ接触防止ワイヤ21(21a、21b)が張設されている(図では上方のワイヤを実線、下方のワイヤを破線で示している)。
これらのヒータ接触防止ワイヤ21(21a、21b)は、それぞれワイヤ保持部22(22a、22b)に保持されている。これらヒータ接触防止ワイヤ21とワイヤ保持部22は、ヒータ接触防止装置23として消色装置1内に固定して配置されている。
このヒータ接触防止ワイヤ21(21a、21b)は、被転写媒体20がヒータユニット7に接触するのを防止するとともに、被転写媒体20の丸まりを上下から押さえて、被転写媒体20が両側端搬送装置19から脱落するのを防止している。
このように、図1に示した消色装置1は、被転写媒体20の丸まりや垂れ下がりを防止しながら搬送ローラ・コロ体4aから搬送ローラ・コロ体4bまで、斜めに張られたヒータ接触防止ワイヤ21によって被転写媒体20を案内する。
ヒータ接触防止ワイヤ21は、被転写媒体20の搬送方向に対して斜めに張設されていると共に広い間隔で配置されているので、熱輻射ヒータからの消色用輻射加熱と、これも後述するLED光源からの消色用の照射光を遮ることは全く無いといって良い。
尚、消色装置1が片面のみの消色構造であると、給紙カセット5に被転写媒体20を収容する際、消色する画像面を上面向き又は下面向きのいずれか決められた向きに設定して収容しなければならないので使い勝手が悪くなる。本例では、両面を同時に消色することができるので使い勝手が良い。
また、両面を消色する方法としては、両面印刷機構を備えた一般的なプリンタと同様に片面を消色し、被転写媒体20を反転させて、裏面を消色する方法が考えられるが、片面の消色性トナー画像に消色に必要な熱を一度加え後に、反対面の消色性トナー画像の消色を行うと、消色性能が低下することがある。
すなわち、最初の片面を消色する時に裏面側の画像も加熱され、両面印刷機構で被転写媒体20を反転させて搬送中に裏面側の画像が冷やされ、続けて裏面側を消色する時に消色性能が低下することが経験的に判明している。また、更には、表裏の消色処理を2度にわたって行うことになるので、消色時間が長くなるという不便がある。
本例では、両面を同時に消色できるので、消色性能の低下も起こらず、良い消色性能が維持され、また、表裏の消色処理を2度にわたって行う場合よりも消色時間が1/2以下に短縮される。
尚、片面の消色の場合でも、表裏両面から加熱すると、片面加熱の場合の被転写媒体20裏面からの熱漏洩によるエネルギー損失がなく効率よく加熱することが出来る。また、熱輻射ヒータの設定温度を下げることが出来るため消費電力を低減させる効果が期待できる。
図4(a)は、消色部10の被転写媒体搬送機構によって構成される被転写媒体搬送経路3の上下に配置される本例の消色ユニット9(9a、9b)の図1に示した基本構成を拡大して示す図であり、同図(b)はその実験時における温度計測方法を具体的に示す図である。
尚、図4(a),(b)には、図3に示した構成と同一の構成部分には図3と同一の番号を付与して示している。また、図4(a),(b)には、被転写媒体両側端搬送装置19の図示を省略している。ヒータ接触防止機構23については、ヒータ接触防止ワイヤ21(21a、21b)のみを示している。
図4(a)に示す消色部10の消色ユニット9(9a、9b)が被転写媒体搬送経路3と、この被転写媒体搬送経路3を面対称の面として上下に配置されたヒータユニット7(7a、7b)と消色光源8(8a、8b)とで構成されていることは前述した。
図4(a)に示すように、ヒータユニット7はヒータ部28とヒータ保持金具部材29とで構成されている。消色光源8は光源ユニットフレーム25と、この光源ユニットフレーム25の奥部と前部にそれぞれ保持されたLED26とレンズ27とで構成されている。
本来、消色光源の光源は、赤外線感熱色素の吸収波長域の光を発光する光源であれば種類は特に問わないが、好ましくは第1吸収帯である820nm付近の光を中心に照射できると、効率よい消色光となる。
本例の光源には、省電力型の光源としてLED26を用いる。LED26としては、中心波長が850nm、半値幅50nm以上の波長分布の光を発光するアルワン電子製(OP6−8510HP2)LEDを用いる。
このLED26を被転写媒体20の通過方向と直交する方向に15個並べ、これらのLED26の前に焦点距離30mmのレンズ27を並べて消色光源8を構成する。レンズ27はリニアフレネルレンズである。
この消色光源8は、上下のヒータユニット7(7a、7b)の間を通過する被転写媒体20を、およそ150mmの距離から40mm程度の幅で照射できるように設置される。そして、ヒータユニット7(7a、7b)による加熱中の紙面に効率的に消色光を照射するために、消色光を被転写媒体搬送経路3に対しおよそ30度の角度の斜め位置から被転写媒体20に照射する。このとき被転写媒体20の搬送速度は15mm/secである。
図4(b)に示すように、上記のヒータユニット7において、ヒータ部28の熱輻射面(被転写媒体20加熱面)31はほぼ平らに形成されている。消色部10に搬送された被転写媒体20は、ヒータ部28の熱輻射面31から熱輻射を受けて加熱される。
そして、この加熱と同時に、消色光源8(8a、8b)のLED26により近赤外光が斜め方向から照射される。これにより被転写媒体20の面の形成されている消色性トナーの画像が効率よく消色される。
ところで、消色性トナーに含まれる近赤外線吸収色素は、近赤外線を吸収して励起し消色剤と反応して無色化するために配合されているが、トナー結着剤樹脂中の色素は近赤外線を吸収しても常温ではほとんど消色反応が見られない。このため、加熱してから、近赤外線を照射して無色化するのが有効であることは前述した。
消色装置1の構成部材の中でもヒータ部28は最も電力を消費するもののうちに入る部材である。したがって、ヒータ部28の使用電力を極力抑えて被転写媒体20を効率良く加熱することが重要な要件となる。
尚、図示されてはいないが、金属フレームが消色装置1のベースとなっており、内部に熱が籠り高温にならないよう、およそ開口率40%〜50%に相当する開口部ができるようフレームの構造が設計されていて空気流通路が確保されている。
ここで、ヒータ部28のヒータに関係する部品、測定器について説明する。ヒータ部28のヒータはインフラスタインBヒータ(NGK製セラミックヒータ)、定格=100V、200Wである。
また、図4(a)に示すヒータユニット7a及びヒータユニット7bでは、ヒータ部28はヒータ保持金具部材29に3個配設されている。上下のヒータユニット7(7a、7b)を合わせると計6個配設されている。
測定器については、温度センサには、熱起電力の直線性が良好で広く工業用途で使用されており、1,000℃以下の耐酸化性に優れているK熱電対33(図4(b)はそのK熱電対33のヒータ部28への接続を示している)を用いた。記録計にはGR3000((株)キーエンス製)を用いた。このデータ取り込み速度は0.01秒である。電力計はパワーハイテスタ3332(日置電機(株)製)、温調器はMTCD((株)ミスミ製)を用い、温度制御方法にはPID制御を用いた。
PID制御とは、現在値と設定値の偏差に比例する出力を出す比例動作(P動作)と、その偏差の積分に比例する出力を出す積分動作(I動作)と、偏差の微分に比例した出力を出す微分動作(D動作)の和を出力し、目標値に向かって制御する制御方法である。
消色性トナーの印刷装置は特に指定するものでは無いが、消色性トナーの印刷と通常の印刷を簡単に現像機の交換にて行えるため、4連のカラータンデムプリンタを用いた。4連のカラータンデムプリンタは、4個の現像ユニットを実装可能となっている。
本実験では、消色するための消色性トナーにより印字されたサンプル用の被転写媒体20を得るために、4連タンデムの黒トナー用の現像ユニットを消色性トナーが入った現像ユニットと交換して被転写媒体20に消色性トナーの印字を行った。この方法は、通常のモノクロ印字と同じ画像形成手順により消色性トナーのテスト印字が行えるため採用されたものである。
この消色性トナーのテスト印字に用いた4連のカラータンデムプリンタの給紙カセットには、消色可能なトナーを印字するための被転写媒体20がセットされている。
この被転写媒体20は特に指定する物ではなく通常の普通紙でよいが、本実験では、XEROX製P紙(64g/m^2)を消色評価被転写媒体20として使用した。この被転写媒体20に対して通常のトナー印刷と同様の手順にて消色性トナーの印刷が行われた。
現像ユニットで現像した消色性トナーを転写ベルトに一次転写し、転写ベルトから被転写媒体20に2次転写し、その後、定着装置により消色性トナーの印字画像を被転写媒体20に定着し、消色性トナー画像の印字された被転写媒体20を排紙トレーに排出して消色評価用シートを得た。
印字色については、青みのある印字が得られる。今回消色評価のための印字画像としては1cm角のパッチを印刷し、その初期濃度を測色計(X−rite938)にて、C濃度を測定した。
また、計測数値と合わせて消色状態を観察するため、テキストチャート(フォント10程度)を印字して目視確認を行った。更に均一な消色確認のため、長手方向に帯幅1cmのベタ印字を行った。
このベタ画像の印字については、C濃度が0.8付近のベタ画像となるように調整した。この印字に用いられる消色性トナーは一般的な近赤外線吸収色素と有機ホウ素の化合物の組み合わせにより得られる消色性トナーでよい。ここで、上記のような消色性トナーの製法について説明する。
先ず、本例で使用される消色性トナーは、817nmに感度を持つ赤外線感光色素「IRT」(昭和電工製)を1.5質量部、有機ホウ素化合物消色剤「P3B」(昭和電工製)を4質量部、トナー用ポリエステル結着樹脂CBC500(花王製)を90.5質量部、負電荷調整剤「LR−147」(日本カーリット製)を1.5質量部、カルナバWAX1号粉末(加藤洋行社輸入品)を2.5質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)に投入し、混合した。
続いて上記の混合物を二軸混練機で溶融混練した。得られた混練物をロートプレックス(ホソカワミクロン製)で粗砕して粗砕物を得た。得られた粗砕物を衝突式粉砕機及び分級機IDS/DSX(NPK)にて、平均粒径9μmになる粉体を得た。
得られた粉体100質量部に外添剤としてシリカ「R972」(日本アエロジル製)を1質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して消色性トナーを得た。
次に、ヒータユニット7のヒータ部28のヒータについて説明する。ヒータ部28のヒータはセラミックタイプのヒータである。詳しくは、NGKキルンテック製のセラミックヒータである。商品名インフラスタインB(100V/200W)を3連装にして用いた。合計使用電力は600Wである。
この図4(b)に示すヒータユニット7のヒータ部28は、後述する発熱部を備えた熱輻射面31とは反対側となる背面側内部32に断熱層を形成されて断熱構造となっている。これにより、熱輻射面31より効率よく熱輻射を放射することができる。
なお、このヒータユニット7は、試験的に用いたものであり、3連装の中の1個のヒータの長さと幅の寸法は125mm×65mmとなっている。3連装により全長は125×3=375(mm)となってA4判の被転写媒体20の幅297mmを大きく超えている。
但し、熱輻射ヒータとして消色装置24に実装して用いる場合は、被転写媒体20の幅に合わせ小型化することで、より消費電力を低減化することが出来る。
また、この試験では、セラミックヒータを用いたが、これに限るものではない。例えばカーボンヒータ等を用いることもできる。いずれにしても、波長が2μm以上の輻射熱を照射するものであることが望ましい。
このヒータユニット7の熱輻射により被転写媒体20の消色性トナー画像の形成面を加熱しながら、その加熱中の被転写媒体20の紙面に消色光源8からの消色光を照射できるように、ヒータユニット7を被転写媒体搬送経路3に対しおよそ30度の角度で斜めに設置する。
このとき被転写媒体搬送経路3に近い方の端部の高さ20mm、遠い方の端部の高さ50mmとして約30度の角度になるように設置する。この状態で電源を投入し、ヒータユニット7のヒータ部28の表面が450℃程度に発熱したときを消色に適する条件とする。
図5(a)〜(d)の左はそれぞれセラミックヒータの実装例を模式的に示す図であり、右はその温度分布を示す図である。尚、図5(a)の温度分布の幅dは、A4判の被転写媒体20の長手方向の寸法である297mm(搬送方向に見たときの幅)を示している。図5(b)〜(d)についても同様である。
図5(a)は一本構成のセラミックヒータ34を用いた場合の例であり、温度分布は被転写媒体20の幅の中央が高く、両端部が低くなっている。図5(b)は3連装のセラミックヒータ35を用いた例である。
右の温度分布をみると、被転写媒体20の幅の中央と両端の温度は高いが、中間の3連装のヒータ間の隙間に対応する部分には、単体のヒータでみると温度が低下する部分であるので、2つの大きな低温の谷が形成されている。尚、図5(a),(b)はいずれも試験の前段として比較のために示している。
図5(c)は本例の試験において、3連装のセラミックヒータ35を上ヒータ35aの3連装と下ヒータ35bの3連装との上下二段に配設した場合の例である。
被転写媒体20の幅の中央と両端の温度は非常に高く、中間の3連装のヒータ間の隙間に対応する部分には、この場合も2つの低温の谷があるが、この谷は、ヒータが上下二段構成であるため、図5(b)の場合よりも高い温度の位置に形成されている。
図5(d)は本例の試験において、上ヒータ35aの3連装と下ヒータ35bの3連装との上下二段の3連装のヒータ35a、35bを、上下段で1/2だけ相互に位置ずれ(オフセット)させて、換言すれば、各ヒータ35間の隙間を平面視して他の段のヒータ35間の隙間と重ならないように配設した場合の例を示している。
同図(d)の右に示す温度分布をみると、被転写媒体20の幅の一方の端部から他方の端部まで、小さなムラがあるものの、ほぼ平均して高い温度分布となっている。単体のヒータの端部、つまりヒータ間の間隙36a及び36bの温度低下を上下の位置ズレによって相互に補っていることが分かる。
図6(a)は上下二段に同位置に配設された3連装の上ヒータ35a及び下ヒータ35bを上面から見た図であり、図6(b)はその側面図、図6(c)は上下二段に1/2位置ズレして配設された3連装の上ヒータ35a及び下ヒータ35bを上面から見た図、図6(d)はその側面図、図6(e)は図6(a)〜(d)の構成の各ヒータの発熱温度を変化させて測定により得られた消色に係わる結果と評価を示す図表である。
図6(a)は、図5(c)に示す上下二段に配設した3連装の上ヒータ35a及び下ヒータ35bを、図4(b)の矢印e方向に見た図(図4(b)では上面図)であり、図6(b)は、図4(b)の矢印f方向に見た側面図である。図6(a),(b)の矢印gはそれぞれ被転写媒体20の搬送方向を示している。
図6(c)は、図5(d)に示す上下二段で且つ上下段が1/2位置ずれして配設され3連装の上ヒータ35a及び下ヒータ35bを、図4(b)の矢印e方向に見た図(図4(b)では上面図)であり、図6(d)は、図4(b)の矢印f方向に見た側面図である。図6(c),(d)の矢印gはそれぞれ被転写媒体20の搬送方向を示している。
尚、図4(b)に被転写媒体20の搬送方向として示す矢印gは、図6(a)〜(d)の矢印gと対比して分かり易いように、実際とは異なるが、ヒータ部28の熱輻射面(被転写媒体20の加熱面)31と平行にして示している。また、図6(b),(d)には、図5(a)〜(d)の右に示した被転写媒体20の幅dも示している。
図6(e)は、上記のように上下二段に配設した3連装の上ヒータ35a及び下ヒータ35bの、上下段に位置ズレがないものと、1/2位置ズレしているものの2種類の構成において、各個のヒータに印加する電流を変化させて、つまり各個のヒータからの熱輻射を変化させて、消色性トナーが印字された被転写媒体20の消色実験を行い、その結果を評価した図表である。
図6(e)に示す図表は、左端に試験名をA、B、C、D、Eで示している。その右欄には上下二段の3連装のヒータの位置を、位置ズレの無いものを「同位置」、1/2位置ズレのあるものを「1/2offset」として示している。
その右の欄は、3連装の上ヒータ35aを端部、中央部、端部に分けて表示し、それぞれの図4(b)に示すK熱電対33により検出した輻射熱を示している。更にその右欄には3連装の下ヒータ35bを端部、中央部、端部に分けて表示し、それぞれの図4(b)に示すK熱電対33により検出した輻射熱を示している。
また、その右の欄は、消色性の評価欄であり、端部と中央部に分けて「○」、「△」又は「×」の評価を示している。図6(e)に示す図表では、消色性の評価欄は全て消色性が良いことを示す「○」となっている。
また、その右の欄は、消色ムラの評価欄であり、「×」、「△」又は「○」の評価が示されている。更にその右の欄は、紙の変色の評価欄であり、中央部と端部に分けて、それぞれ「×」、「△」又は「○」の評価が示されている。
消色結果の測定方法としては、濃度及び色座標の測定には、Xrite938分光濃度計(spectrodensitometer(米Xrite社)を用い、その設定条件としてD65光設定(昼光条件約6500°K)とし、ステータスレスポンスTを測定項目L*、a*、b*、c(濃度ID_C)として、被転写媒体20に消色性トナーで印字された画像の測定を行った。
なお被転写媒体20の画像測定は、被転写媒体20を白板上、又は白紙を重ねた被転写媒体20の上に置いて再現性のある測定とした。また、消色後の測定も同様に分光濃度計にて測定を行った。
図6(e)に示す消色性の評価においては、消色後のパッチを、Xrite938分光濃度計にて測定した数値を測定値とし、消色前のID_Cの濃度を0.8程度、消色後の数値を0.1程度となるものを評価「○」とした。
また、紙の変色については、消色前、消色後の変化がΔE<3を評価「△」、ΔE<1を評価「○」とした。尚、ΔE=√((前後のL*の差)^2+(前後のa*の差)^2+(前後のb*)^2)によって求めた。消色ムラについては目視によった。
上記の試験におけるヒータの設定温度としては、まず、図6(a),(b)のようにヒータ部を上部から見たとき3連装の上ヒータ35a及び下ヒータ35bが重なっている状態を同位置とした。この状態で各ヒータがそれぞれ420度となるようにセットした。
次に、図6(c),(d)のように3連装の上ヒータ35a及び下ヒータ35bを上下で1/2位置ズレさせて配置したものを、1/2offset、とした。この状態で、試験名B、C、D、Eに対応する枠内に示すように、それぞれヒータ温度を変更した。
この試験の結果、図6(e)に示されるように、ヒータの位置を上下段で相互にずらし、その温度制御を最適化することにより、図6(e)の試験名Eに対応する枠内に示すように、消色性、消色ムラ、更に紙の変色について、いずれも評価「○」となるように改善することができることが判明する。
また、評価が低い試験名A及びBの420度の各ヒータ温度に比較して、評価が最も良い試験名Eの各ヒータ温度は低く設定されている。すなわち、試験名Eに対応する枠内に示す各ヒータ温度のように温度制御すれば消費電力の低減に貢献できることがわかる。
尚、特には図示しないが、例えば、ヒータ部28の熱輻射面31を除く周囲の外面を効率の良い断熱部材で覆うようにすれば、ヒータの制御温度は更に低くしても熱輻射面31の温度を試験名Eの場合と同様に維持することができ、更なる低消費電力となる。
図7(a)は、ヒータのオン/オフの制御の他の例を示す図であり、図7(b),(c)は他の実施例として使用するヒータの他の例を示す図である。
消色する被転写媒体20の搬送幅については、図6(d)に、上ヒータ35aと下ヒータ35bと搬送する被転写媒体幅dの位置を示したが、この被転写媒体幅dは、A4判被転写媒体20の長手方向の寸法297mmである。つまりA4判被転写媒体20を短手方向に搬送する場合の被転写媒体幅である。つまり、上下の3連装の各ヒータ35の配置は、A4判被転写媒体20の横幅全体を消色するのに十分であるように設定されている。
したがって、例えば、A4判被転写媒体20を縦に搬送して消色する場合や、更に小判の被転写媒体20を搬送して消色する場合は、図7(a)に示すように、搬送幅h以内で消色することができる。この場合は、搬送幅hから外にはみだす下段のハッチングで示すヒータ35bの通電をオフにすることができる。
このように、個々のヒータを個別に通電制御できるので、使用する被転写媒体20の搬送幅に応じて消費電力の低減に貢献することができる。
また、図7(b)に示すように、より小型のヒータ37を長手方向に4連装したユニットを、各ヒータ37を上下で1/2位置ズレさせて配置する。そして、それぞれを独立した温度コントロールを行うようにする。
これにより、被転写媒体20の搬送幅に合わせて、より無駄の無い加熱ができるようになる。例えば図7(b)の例では、搬送はh以内の被転写媒体20に対して、上段左端のハッチングで示すヒータ37aと下段右端にハッチングで示すヒータ37bへの通電をオフにすることができる。
また、図5(d)に示した温度分布の幅dの外側に対応するヒータの端部は、加熱に寄与しないだけでなく、装置全体の小型化を阻害している。
この場合、図7(d)に示すように、他の段のヒータに対して外にはみ出す端のヒータを、小サイズのヒータに換えて、3連装の上下の端部を揃えるようにする。このようにしても、個々のヒータを個別に温度制御することによって問題なく使用することができる。
このように、本発明の実施例によれば、複数連装のヒータを上下に且つヒータ間の間隙が重ならないように位置ズレさせて配置し、各ヒータごとに個々に温度制御することにより、均一な温度分布で加熱可能な消色装置を実現することができる。
また、搬送幅の小さな被転写媒体20に対しては、搬送幅に合わせて上下のいずれかの端部、又は上下双方の端部のヒータの通電をオフにすることができるので、消費電力の低減に貢献することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
被転写媒体の搬送経路の搬送面と対向する位置に配置され、前記被転写媒体の搬送方向と略直交する方向に複数設けられたヒータと、
前記被転写媒体の搬送経路に配置された消色光源と、
を備えることを特徴とする消色装置。
[付記2]
前記被転写媒体の搬送方向と略直交する方向とは、前記被転写媒体の搬送方向と直交する主走査方向であり、
前記ヒータは、前記被転写媒体に印字された消色性トナー像を消色すべく前記被転写媒体の前記消色性トナー像の印字面を加熱し、
前記消色光源は、前記ヒータにより加熱された前記被転写媒体の前記消色性トナー像の前記印字面に消色光を照射することを特徴とする付記1記載の消色装置。
[付記3]
前記ヒータ及び前記消色光源は、前記被転写媒体の搬送経路の上下にそれぞれ配置されることを特徴とする付記1又は2記載の消色装置。
[付記4]
前記ヒータは、セラミックヒータであることを特徴とする付記1乃至3の何れか一項記載の消色装置。
[付記5]
前記ヒータは、前記被転写媒体の搬送方向と直交する主走査方向に設けられ、前記被転写媒体の搬送経路の搬送面に平行な面において上下二段に配置され、
前記被転写媒体の搬送経路の上及び下の両方又はいずれか一方に配置された前記ヒータは複数個で構成され、
複数個の前記ヒータ間の隙間は、平面視して他の段の前記ヒータ間の隙間と重ならないことを特徴とする付記1乃至4の何れか一項記載の消色装置。
[付記6]
複数個の前記ヒータは3個以上であることを特徴とする付記5記載の消色装置。
[付記7]
複数個の前記ヒータは、それぞれ同一種類のヒータであることを特徴とする付記5又は6記載の消色装置。
[付記8]
複数個の前記ヒータのいずれか一方の端部に配置されるヒータにおいて、他の段のヒータの端部と同一端部となるように、他のヒータよりも小型のヒータで構成されることを特徴とする付記5乃至7の何れか一項記載の消色装置。
本発明は、低消費エネルギーで且つ消色性トナー画像に対して最適な消色条件で均一な消色を実現する消色装置に利用することができる。
1 消色装置
2 本体筐体
2−1 サイドフレーム
3 被転写媒体搬送経路
4(4a、4b) 搬送ローラ・コロ体
5 給紙カセット
6 被転写媒体収容カセット
7(7a、7b) ヒータユニット
7−1 ヒータ
7−2 保持部
7−3 固定治具
8(8a、8b) 消色光源
8−1 光源全体
8−2 固定治具
9(9a、9b) 消色ユニット
10 消色部
11、12 底板
13 搬送ローラ対
14 給紙路
15 駆動ローラ
16 従動ローラ
17 押さえローラ
18 細ベルト
19 被転写媒体両側端搬送装置
20 被転写媒体
21(21a、21b) ヒータ接触防止ワイヤ
22(22a、22b) ワイヤ保持部
23 ヒータ接触防止機構
25 光源ユニットフレーム
26 LED
27 レンズ
28 ヒータ部
29 ヒータ保持金具部材
31 熱輻射面(被転写媒体加熱面)
32 背面側内部
33 K熱電対
34 ヒータ
35 3連装の各ヒータ
35a 上ヒータ
35b 下ヒータ
36a、36b 間隙
37 小型ヒータ

Claims (7)

  1. 被転写媒体の搬送経路である搬送面の上及び下で前記搬送面と平行な二段の仮想面上に、前記搬送面と対向するように配置された複数のヒータと、
    加熱された被転写媒体に光を照射する消色光源と
    を備えた消色装置であって
    少なくとも一方の仮想面上のヒータは、搬送方向と略直交する方向に沿って並ぶように配置され、
    他方の仮想面上のヒータは、平面視したときに一方の仮想面上のヒータ同士の隙間と重なるように、配置されている
    ことを特徴とする消色装置。
  2. 前記被転写媒体の搬送方向と略直交する方向とは、前記被転写媒体の搬送方向と直交する主走査方向であり、
    前記ヒータは、前記被転写媒体の消色性トナー像の印字面を加熱し、
    前記消色光源は、前記ヒータにより加熱された前記被転写媒体の前記消色性トナー像の前記印字面に消色光を照射することを特徴とする請求項1記載の消色装置。
  3. 前記ヒータ及び前記消色光源は、前記被転写媒体の搬送経路の上下にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の消色装置。
  4. 前記ヒータは、セラミックヒータであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の消色装置。
  5. 複数個の前記ヒータは3個以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の消色装置。
  6. 複数個の前記ヒータは、それぞれ同一種類のヒータであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の消色装置。
  7. 複数個の前記ヒータのいずれか一方の端部に配置されるヒータにおいて、他の段のヒータの端部と同一端部となるように、他のヒータよりも小型のヒータで構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の消色装置。
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