JP5397337B2 - 消色機能付画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式により画像形成を行う機能に加えて、消色性トナーにより画像形成を行う機能と、消色性トナーで形成した画像を効率よく消色する機能とを有する消色機能付画像形成装置に関する。
近年、地球環境保護の一環として紙資源の節減が叫ばれている。画像形成装置等の紙資源の節減と再利用では、片面印刷した用紙の裏面の有効活用などは既に社会一般になされている。また、使用済み用紙を回収し用紙の原料とし、再生紙として再度用いることも一般に行われている。
しかし片面印刷の用紙の再利用では、再使用の回数が通常1回に限られてしまう。また、原料として再利用する再には回収自体にエネルギーとコストがかかり、原料として加工する際にもエネルギーが掛かってしまう。
そこで、オフィス内において用紙を複数回使用できるようにする取組みが種々なされている。トナー像により一度画像が形成された用紙を紙資源として再利用するには、トナーにより形成された用紙上の画像を物理的に除去または光で消色して再利用可能な用紙とすることが考えられている。
画像を物理的に除去して用紙を再利用するためには、用紙の画像形成面にトナーを除去する処理液を塗布し、加熱してトナーを溶解させて画像を除去する方法や、用紙の画像形成面を研摩してトナー画像を削り落とす方法などがあるが、これらの方法は、手数がかかること共に、再利用する用紙に損傷が発生し易いため問題がある。
また、例えば、光を用いる消色方法としては、最初に用紙に画像を形成するに際し、近赤外線吸収色素および消色剤を含む消色性トナーによりOA用紙に画像を記録し、この画像を近赤外線等の特殊な光源による光照射によって消色して用紙の再利用を図るという着想は既に論文で公開されている。(例えば、非特許文献1参照。)
この非特許文献1の方法において、近赤外線吸収色素は照射された近赤外線を吸収して励起し、消色剤と反応して無色化する。但し、色材がトナー化されていることもあって、トナー結着剤樹脂中の色素は近赤外線を吸収しても常温においてはほとんど消色反応が見られない。
このため、熱を加えて反応を加速し、無色化することが一般的に行われている。実際にこのような方法で消色性のトナー画像を消色する装置としては、画像形成装置内に画像形成部と消色部を備え、トナー画像の消色には事前にトナー像を加熱しておいてから消色光を照射するという、消色作用に有効な一般に行われている技術に基づく装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開平07−049634号公報
細田喜一著、「機能性色素のトナーへの応用」電子写真学会誌、第31号
ところで、上述したように、実際に消色性トナー像を消色するには、事前にトナー像を加熱しておいてから消色光を照射する必要がある。したがって、このような消色装置には、用紙のトナー像を加熱する要素と近赤外線を照射する要素の2つの要素を具備していなければならない。
そして、この二つの要素に注目すると、消色装置は消色光源と用紙のトナー像を加熱する熱源とが同一のタイプのものか、又は消色光源と熱源とが異なるタイプのものとするかの二つに大別することができる。
上記特許文献1の技術は、消色光源と熱源とが異なるタイプのもので構成されている。そして、熱源は定着部の熱源が兼用されている。また、消色用光源は、単に820nm付近の波長の光を照射する光源とあるのみで、具体的にどのような光源を用いるのか明らかでない。
したがって、特許文献1に開示されているだけの内容では、具体的に消色装置を実現するのは困難であるという課題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、電子写真方式により画像形成を行う機能に加えて、消色性トナーにより画像形成を行う機能と、消色性トナーで形成した画像を効率よく消色する機能とを有する消色機能付画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の消色機能付画像形成装置は、消色装置を備えた消色機能付画像形成装置において、上記の消色装置の消色性トナー像加熱用の熱源は遠赤外線放射セラミックヒータであり、上記熱源により加熱された上記消色性トナー像を消色する消色光源はLED(light-emitting-diode)である、ように構成される。
上記消色装置は、例えば、上記熱源と上記消色光源からなる消色ユニットを用紙搬送部の上下に配置し、上記消色性トナー像を両面に形成された用紙を上記用紙搬送部にて搬送しながら該用紙の両面の上記消色性トナー像を同時に消色する、ように構成される。
この場合、例えば、上記用紙搬送部の上下に配置される上記消色ユニットの上記熱源及び上記消色光源は、上記用紙搬送部に対し点対称の位置に配置される、ように構成される。
この消色機能付画像形成装置において、例えば、上記消色装置は、前記熱源の設定温度を変更可能な熱源温度変更手段を備えている、ように構成される。
本発明は、電子写真方式により画像形成を行う機能に加えて、消色性トナーにより画像形成を行う機能と、消色性トナーで形成した画像を効率よく消色する機能とを有する消色機能付画像形成装置を提供することが可能となるという効果を奏する。
本発明の実施例1に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 実施例1に係る消色装置を用いた実験に使用した色温度2250゜Kのハロゲンランプの黒体放射のグラフであある。 昭和電工製の消色性色素IRTの分光吸収波長のグラフである。 実施例1に係る消色装置を搭載した4色タンデム型の消色機能付カラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 (a)は波長1μm〜14μmまでの白紙、黒ベタ部(黒トナーベタ印字部)、及びカーボンの分光吸収率を示す図表、(b)は黒ベタ部、白紙、消色性トナーベタ印字部サンプル消色前、及び消色性トナーベタ印字部サンプル消色後に対する波長400nm〜700nmにおける分光吸収率を示すグラフである。 実施例2に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 実施例3に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 実施例4に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 実施例4に係る消色装置を搭載した4色タンデム型の消色機能付カラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 プランクの法則の式により用紙と黒トナーにおいて同様によく吸収される波長3μmより長い波長部分のエネルギーが全体エネルギーに占める%を計算した結果の値を一覧で示す図表である。 実施例4に係る消色装置のセラミックヒータを各温度に設定した際の分光放射エネルギー分布を示すグラフである。 実施例4に係る消色装置を拡大して示す図である。 実施例4に係る消色装置において用紙両端部を挟持して搬送する両側端搬送装置を示す斜視図である。 実施例4に係る消色装置の搬送部の平面図である。 実施例4に係る消色装置にてセラミックヒータの温度設定を400℃として両面印刷の片面消色、次に反対面消色と、連続2回消色処理した結果を示す図表である。 実施例5に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 実施例5に係る消色装置を搭載した4色タンデム型の消色機能付カラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 実施例6に係る消色装置を搭載した4色タンデム型の消色機能付カラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 実施例6に係る消色装置において消色ユニットを用紙搬送経路に対して点対称の位置に配置したことによる消色効率を説明する図である。 (a)は実施例4に係る消色装置によりセラミックヒータの設定温度を変えて消色した場合の消色後濃度を示す図表、(b)は、セラミックヒータの制御温度を変えた場合の消費電力を示す図表である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。尚、以下で説明する消色性トナーは、特には詳述しないが、近赤外線吸収色素および消色剤を樹脂に混練し、平均粒径が9μmになるように作成したものである。
図1は、本発明の実施例1に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。図1に示す消色機能付画像形成装置1は、光源と熱源が同一タイプの部材からなる消色装置を備えた例を示している。
この消色機能付画像形成装置1は、本体装置筐体2の内部中央において、水平方向に延在する無端状の転写ベルト3を備えている。転写ベルト3は、不図示の張設機構によって張設されながら、駆動ローラ4と従動ローラ5に掛け渡され、駆動ローラ4により駆動されて、図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動する。
転写ベルト3の上循環移動面に接して画像形成ユニット6の感光体ドラム7が配設されている。感光体ドラム7には、その周面を取り巻くように近接して、図示を省略したクリーナ、初期化帯電器、光書込ヘッドに続いて現像ローラ8等が配置されている。
上記の現像ローラ8は、トナー容器9の側部開口部に配置されている。トナー容器9は通常の黒トナーを収容したトナー容器と、消色性トナーを収容したトナー容器と、ユーザの任意によって交換可能である。
上記の現像ローラ8は、トナー容器9に収容されている黒トナー又は消色性トナー(以下、消色性トナーのみについて説明する)の薄層を表面に担持し、光書込ヘッドによって感光体ドラム7の周面上に形成されている静電潜像に消色性トナーの画像を現像する。
感光体ドラム7の下部には、転写ベルト3を介して不図示の一次転写ローラが圧接して、そこに一次転写部を形成している。一次転写ローラには、不図示のバイアス電源からバイアス電圧を供給される。
一次転写ローラは一次転写部において、バイアス電源から供給されるバイアス電圧を転写ベルト3に印加して、感光体ドラム7の周面上に現像されている消色性トナーの画像を転写ベルト3に転写する。
転写ベルト3の図に示す右端部が掛け渡されている従動ローラ5には、転写ベルト3を介して二次転写ローラ12が圧接し、ここに二次転写部を形成している。二次転写ローラ12には、不図示のバイアス電源からバイアス電圧が供給される。
二次転写ローラ12は二次転写部において、バイアス電源から供給されるバイアス電圧を転写ベルト3に印加し、転写ベルト3に一次転写されている消色性トナーの画像を、矢印b又はcで示すように搬送され、更に画像形成搬送路13に沿って図の下方から上方に搬送されてくる記録媒体に転写する。
上記の矢印bで示すように搬送される記録媒体14は、上部給紙カセット15に積載されて収容され、不図示の給紙ローラ等により最上部の一枚ごとに取り出され、矢印bに示すように給紙搬送路に送出され、更に画像形成搬送路13を搬送されて、上記の二次転写部を通過しながら消色性トナーの画像を転写される。
消色性トナーの画像を転写されながら二次転写部を通過した記録媒体14は、定着搬送路16に沿って定着部17へと搬送される。定着部17の加熱ローラ18と押圧ローラ19は、記録媒体14を挟持し、熱と圧力を加えながら搬送する。
これにより、記録媒体14は、二次転写されている消色性トナーの画像を紙面に定着され、加熱ローラ18と押圧ローラ19により更に搬送されて、本体装置筐体2の上面に形成されている排紙トレー21に排紙される。
一方、上記の矢印cで示すように搬送される記録媒体22は、既に紙面に消色性トナー像を形成されている記録媒体であり、下部給紙カセット23から一枚ごとに取り出されて矢印dに示すように給紙搬送路に送出される。
そして、この場合は、記録媒体22は、消色装置24に搬入される。消色装置24には、その用紙搬送部25の上方に消色ユニット26が配置されている。消色ユニット26はハロゲンランプ27と反射板28から成る。
この消色装置24では、ハロゲンランプ27からの放射熱が消色用の熱源となり、被消色紙である記録媒体22は、ハロゲンランプ27より輻射熱を受けて加熱される。また、ハロゲンランプ27の放射光に含まれる近赤外線が消色光となっている。
尚、ハロゲンランプから放射されるエネルギー分光分布は黒体放射に近似される。
図2は、この実験に使用している色温度2250゜Kのハロゲンランプの黒体放射のグラフであある。グラフ1から判るように、2250゜Kのハロゲンランプは多量の820nmの近赤外を含んでいる。
図2に示すグラフは、以下のプランクの法則より計算作図している。
w(λ、T)=8πhc/λ5・1/(ehc/λKT−1)
ここで、λ;波長(m)、T;黒体の温度(K)、c;光速3×108(m・s)、k;ボルツマン定数1.3807×10・23(J/K)、h;プランク定数6.626×10・34(Js)である。また、特定の感光性色素と合わせ用いる消色性色素としては、昭和電工製のIRTを使っている。
図3は、昭和電工製の消色性色素IRTの分光吸収波長のグラフである。図3のグラフには、2250°K、1100°K、及び673°Kの各色温度における黒体放射エネルギーの波長分布を示している。図3のグラフに示すように、この消色性色素IRTの最大吸収波長は820nmである。
尚、図3に示すグラフには、2250°K、1100°K、673°Kの3つのグラフが示されているが、全放射エネルギーを、同じになるよう更に計算している。つまり、W(T)を色温度T黒体の全放射エネルギーとすると、
W(T)=∫0∞w(λ、T)dλ
とかける。したがって
W(2250°K)=W(1100°K)=W(673°K)
となるように計算され、作図されている。
ところで、ハロゲンランプの場合、熱源としての放射エネルギー総量と消色光としての820nm近辺のエネルギーとの比率は色温度によりほぼ決まっている。したがって、熱源としてのエネルギー総量を固定しながら、820nmの光量を自由に変化させることはできない。
また、通常、消色性トナーのようにトナー化された状態では、色素と消色剤の反応効率が低下する。つまり消色光の効果は減少する。そこで、820nmの光量の増大を図ることにより反応低下分を補おうとすると、熱源としての熱量が過剰になり、トナー像が必要以上に溶融したり、用紙が焦げる傾向がある。
これを避けるため、色温度の高いハロゲンランプを作成して、上記のエネルギー比を変更する方法がある。しかし、色温度が高くなると、波長分布が紫外方向にずれ、短波長成分が増えて赤外成分が減少する。白紙は、可視光、赤外線、近赤外領域の吸収性に乏しいため、赤外成分が減少すると用紙を加熱しにくくなる。
消色反応を促進するための加熱に関する極端な例としては、色素、消色剤を含んでいる樹脂成分のみを加熱溶融すればよいという考え方がある。しかし、樹脂成分が放射熱を吸収して温度上昇しても、樹脂は紙に密着しているわけであるから、その紙の温度が低温に保たれているのでは、紙に樹脂の熱が吸収され樹脂の温度も上がらなくなる。従って、この方法も実現が難しい。
次に、消色装置24を4色タンデム型の画像形成装置に内蔵させた場合を考える。
図4は、消色機能付カラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。図4に示す消色機能付カラー画像形成装置29は、画像形成ユニット6が、6r、6y、6c、6mの4個に増えている。
画像形成ユニット6rは、消色性トナー用であり、黒トナー用の不図示の画像形成ユニット6kと交換可能である。画像形成ユニット6y、6c、6mは、それぞれイエロートナー用、シアントナー用、マゼンタトナー用である。
このように画像形成ユニット6が4個に増えている点と、消色装置24の用紙搬送部25に2組の搬送ローラ対31a、31bが配設されている点を除けば他の構成は図1の場合と同一である。
この図4に示すような構成の場合、通常のトナーと消色性トナーが混在する。図1の消色機能付画像形成装置1の場合でも、第1面に印刷された裏紙に消色性トナーを印字して使うということはありうる。
このように通常トナー、特に黒トナーで印字された裏紙を使用して消色性トナーで印字し、この消色性トナーの印字面を、図1又は図4に示す消色装置24で消色した場合、黒印字部裏側が熱により焦げて茶色になってしまう現象が観察された。
これを調査した結果、黒トナー(他の色トナーの場合もほぼ同様)、消色性トナー、及び白紙の分光吸収が異なるために発生している現象であることがわかった。以下にその理由を説明する。
図5(a)は、波長1μm〜14μmまでの白紙、黒ベタ部(黒トナーベタ印字部)、及びカーボンの分光吸収率を示す図表であり、同図(b)は、黒ベタ部、白紙、消色性トナーベタ印字部サンプル消色前、及び消色性トナーベタ印字部サンプル消色後に対する波長400nm〜700nmにおける分光吸収率を示すグラフである。
尚、図5(a)の図表に示すデータは、インターネットにより調査して得たものである。また、この調査では、黒トナーの分光吸収率は不明であったが、黒トナーにはカーボンが混練してあるので、同図表のカーボン煤に類似した吸収を示すと推量して、黒ベタ部には括弧付きでカーボン煤と同様の数値を示している。
また、図5(b)のグラフに示す各プロットに対応するデータは、分光測色計X−Rite938(X−Rite社)を用いて測定したものである。
図5(a),(b)で明らかなように、波長0.4μm〜14μmの領域において、黒ベタはほぼ全領域にわたり0.8〜0.95の吸収率を示すと考えられる。
白紙は0.4μm〜0.7μmでは約0.2程度の吸収率を示しており、1μm〜3μmまでは紙の種類及び含水量に応じていろいろの吸収率を示すと考えられる。また、3μmを超えると0.95と非常に良好な吸収を示している。
消色性トナーは、0.4μm〜0.7μmの領域において、色素特有な吸収率を示し、約0.3〜0.85の吸収を示している。消色性トナーの消色後は、0.4μm〜0.5μmにおいて、白紙よりも若干大きい0.25〜0.5程度の吸収を示し、0.5μm〜0.7μmの範囲では、ほぼ白紙と同じ吸収率を示している。
ところで、物体の吸収するエネルギーはその分光吸収率をa(λ)とした場合、a(λ)×w(λ、T)で示すことができる。尚、この場合、w(λ、T)は2250゜Kのハロゲンランプの放射エネルギーを表す。
2250゜Kに光るハロゲンランプは波長約0.4μm〜0.5μm近辺から急激に発光し始め、波長1.3μm近辺でピークを示した後、4μm近辺まで急激に減光し、4μmを超えると、更に徐々に減光していく。(図3の分光吸収波長のグラフ参照。)
従って、ハロゲンランプの放射エネルギーを、黒トナー、紙、消色性トナー、消色後の消色性トナーが、どの程度吸収しているか推測される。
すなわち、黒トナーはほとんど全エネルギーを吸収していると考えられる。また、白紙が確実に吸収していると確認できる波長は3μm以上であるから、黒トナーから比べるとかなり少ないと考えられる。
また、消色性トナーは中間波長における吸収率が不明であるため予測は難しい。しかし0.5μm〜0.7μmの領域においては0.5以上の吸収率を示している。また、消色性トナー中に混練されているIRTは0.82μmに吸収ピークを持っているので、その近辺では0.9以上の吸収率と持っていると考えられる。
つまり、0.65μmでの吸収が0.85を示しているから、その吸収よりも大きい第一ピークの0.82μmでは0.85以上の吸収率を持っていると考えられる。なお、0.65μmはIRTの第二吸収と考えられる。従って、消色性トナーもよく放射熱を吸収していると考えれる。
消色後の消色性トナーは、これも0.7μm以上の波長のデータがないため予測は難しい。しかし、まず0.4μm〜0.7μmにおいて、図5(b)に示すグラフから明らかなように吸収が白紙に近づいている。また、IRTの第一吸収も消色されているから、0.82μm近辺もほとんど白紙の吸収に近いであろうと考えられる。
前述したように、2250゜Kに光るハロゲンランプの分光は、波長1.3μm近辺にほとんどのエネルギーが集まっており、そのうち0.4μmから0.82μmでは吸収が低いから消色後の消色性トナーの吸収は白紙に似てかなり低いと予測される。
以上により「黒ベタの吸収した放射エネルギー>消色性トナーの吸収した放射エネルギー≫消色後の消色性トナーの吸収した放射エネルギー≧白紙の吸収した放射エネルギー」となる。
ところで消色性トナーであるが、加熱されるとともに、ハロゲン光の0.82μm近辺の近赤外光も浴びるから消色反応を急激に起こし、瞬時、消色後の消色性トナーの吸収に近ずく。
従って、実際には、消色性トナーの吸収は考える必要がなく、「消色性トナーの吸収した放射エネルギー≒消色後の消色性トナーの吸収した放射エネルギー」である。これを反映させると、「黒ベタの吸収した放射エネルギー≫消色後の消色性トナーの吸収した放射エネルギー≧白紙の吸収した放射エネルギー」となり、黒ベタにエネルギーが集まっている状況が考えられる。
ところで、消色時の用紙表面は、放射温度計によると170℃〜190℃で加熱されている。黒トナーの部分は白紙より更に多量のエネルギーを吸収しているから200℃以上に加熱されていることは容易に考えられる。
一方、用紙の焦げ始める温度は約200℃以上と考えれるから、前述した図1又は図4に示す消色装置24で消色した場合、黒印字部裏側が熱により茶色になってしまう現象は上記のエネルギー吸収が原因で焦げたと思われる。
図6は、実施例2に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。この消色機能付画像形成装置32は、光源と熱源が異なるタイプの部材からなる消色装置33を備えている。
この消色装置33は、適宜のヒータから成る熱源34とベルト35からなるベルト式加熱部36を備え、消色光源として例えば820nm近傍の波長を持つLED37とこのLED37を保持するLED保持部38からなる光消色部39を備えている。
この消色装置33は、まずヒータ34によりベルト35を所定の温度まで温め、その熱を、ベルト35によって搬送する被消色紙に熱伝導で伝え、LED37の照射光により、被消色紙上の消色性トナー像を消色する。
尚、図6に示す消色機能付画像形成装置32の消色装置33以外の他の構成部分は、図1に示した消色機能付画像形成装置1の構成と同一であるので、図6には比較のため主要部のみに図1と同一の番号を付与して示し、説明は省略する。
ところで、樹脂中の消色反応を効率よく行わせるためには樹脂を軟化させるだけではなく、かなり高い温度まで樹脂を加熱溶融させることが必要であることが前述した実験よりわかった。
また、消色反応の最中には消色性トナー及び反対面の通常トナーの溶融度は流動に近い状態にまで至っていると考えられる。また、流動化しつつある状態においては、かなりトナー相互間の凝集力が小さくなっていると予測される。
したがって、「トナー相互間の凝集力≪用紙・トナー間の付着力」、「トナー相互間の凝集力≪ベルト表面・トナー間の付着力」となって、用紙およびベルト表面両方に付着する、つまりトナーがオフセットすると考えられる。
実際にも、被消色紙の裏側にトナー(消色性トナー又は通常トナー)が印字されている場合は、ベルト35にトナーのオフセットが観察される。通常、ベルト35にはシリコン塗布を実施してオフセットの防止するようにしている。
しかし、上記のようなトナー相互間の凝集力が小さい場合は、オフセットを防ぐことは困難であると考えられる。この他にも、用紙にシリコンオイルが付着して用紙にシミが出来る等の不具合が発生する可能性を考えると、製品化は更に困難になる。
また、ベルト表面から被消色紙へは熱伝導により熱が伝達されるが、ベルトと被消色紙間に小さな隙間が介在しただけでも熱伝導が低下して被消色紙の表面に温度ムラが発生することが観察された。
したがって、ベルトに被消色紙を密着させることが必要となる。これには、ベルト裏側に静電分極装置を設置し、密着させる方法が考えられるが、静電分極装置の表面とベルト間の磨耗、静電分極装置への熱影響など、これらの不具合を解決するためには消色機能付画像形成装置本体のコストアップ等の問題が考えられる。
図7は、実施例3に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。この消色機能付画像形成装置40も、光源と熱源が異なるタイプの部材からなる消色装置41を備えている。この消色装置41は、カーボンヒータ42と反射板43を有する熱源44と、消色光源として図6の場合と同様の光消色部39を備えている。
カーボンヒータ42は図1に示したハロゲンランプ27と同様に輻射熱源である。また、カーボンヒータ42はハロゲンランプ27と同様に黒体放射に近似できる。ただし、放射エネルギー分光分布はハロゲンランプ27と異なり、カーボンヒータ42の色温度は、1100°Kである。
このカーボンヒータ42の色温度1100°Kが示す放射エネルギー分光分布は、図3に色温度1100°Kのグラフで示したように、0.82μmの近赤外線をほとんど含んでいない。
このようにカーボンヒータ42は0.82μmの近赤外線をほとんど含んでいないので消色光源としては使用できない。したがって、カーボンヒータ42を熱源に使用する場合は、消色光源として別途に、820nm近傍の波長を持つLED37を有する光消色部39を配置することになる。
本例の消色装置41は、加熱源と消色光源が一つになっているハロゲンランプとは異なり、熱源44と消色光源(光消色部39)が分離されているため、熱と光量の比率調整が可能である。しかし黒トナー等の裏側の用紙焦げはやはり発生する。
図3の分光吸収波長のグラフにより、カーボンヒータの放射エネルギーのピークは0.6μm近辺にある。このように波長1μmから3μmの放射エネルギーが全体の1/3位程度ある熱源では、黒トナーと白紙の吸収エネルギーに差異があり、これが被消色紙(以下、用紙ともいう)の焦げに結びついていると考えられる。
ハロゲンランプやカーボンヒータの問題点については、既に述べたように、黒トナーと白紙の吸収エネルギー総量に大きな差がある場合に用紙に焦げが発生するという問題が残されている。
従って、黒トナーと白紙の吸収エネルギー総量の差を縮めるような分光放射エネルギー分布を持つ熱源を採用すれば良いと考えられる。そこで発明者は熱源にセラミックヒータを用いることを発案した。
図8は、実施例4に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。この消色機能付画像形成装置45は、光源と熱源が異なるタイプの部材からなる消色装置46を備えている。
すなわち、消色装置46は、熱源としてのセラミックヒータ47と、消色光源としての図6、図7の場合と同様の光消色部39からなる消色ユニット48を備えている。消色装置46以外の構成は図6、図7の場合と同様である。
図9は、図8と同様の消色装置46を、色タンデム型の画像形成装置に内蔵させた場合の内部構成を模式的に示す断面図である。この消色機能付カラー画像形成装置49は、消色装置46以外の構成は図4の場合と同様である。
図3に示した分光吸収波長グラフには、400℃(673゜K)に設定されたセラミックヒータの分光放射エネルギー分布を示している。このグラフをみると、約1.5μmから徐々に放射が始まり、ピーク波長を約4.3μmに持ち、以後14μm以上まで徐々に減少する分光分布を持っている。
図10は、前述したプランクの法則の式により、用紙と黒トナーにおいて同様によく吸収される波長3μmより長い波長部分のエネルギーが全体エネルギーに占める%を計算した結果の値を一覧で示す図表である。
図10の図表により明らかなように、400℃(673゜K)に設定されたセラミックヒータの場合は、3μm以上の波長が総放射エネルギーに占める割合が93%であり、3μm以上の波長が大部分を占めている。
用紙の場合、約3μmを超えると吸収率が0.95である。したがって、用紙に吸収されるエネルギーは0.93×0.95=0.88(88%)となる。
一方、黒トナーはほぼ全領域にわたり、吸収率は0.95と考えられるから、吸収される全エネルギーは1×0.95=0.95(95%)となる。従って、黒トナーと用紙の吸収エネルギーの差は縮まって、ほぼ近いエネルギーを吸収することになる。
消色時には用紙の温度を170℃〜190℃に加熱すると前述した。図10の図表に示す特性のセラミックヒータを用いると、黒トナーおよび用紙も同等のエネルギーを受け取り、近似の温度に加熱されるから、黒トナーの裏側の用紙が200℃以上に加熱されることはない。つまり用紙に焦げは発生しなくなる。
但し、セラミックヒータは、その温度設定によってはカーボンヒータと同じ分光放射エネルギー分布となるから、温度設定が重要である。
図11は、セラミックヒータを各温度に設定した際の分光放射エネルギー分布を示すグラフである。図3の分光吸収波長グラフと比較すると、1073゜Kとカーボンヒータとは、ほとんど同じ分光分布を示しているのがわかる。そして、カーボンヒータでは焦げが発生しているので、1073゜Kの温度設定でのセラミックヒータは使用できないことがわかる。
ここで先ほど計算したように、用紙および黒トナーが吸収するエネルギーの全体に対する%を焦げが発生した2250゜Kに設定のハロゲンランプの場合で計算すると、ハロゲンランプにおいては、黒ベタでは約95%吸収されるに対して、用紙では約20%しか吸収されない。
一方、400℃に設定のセラミックヒータにおいては、先ほど計算したように、黒ベタで約95%、用紙は約88%吸収されるから、セラミックヒータの場合は、いかにエネルギー差が解消されているか、その結果として用紙の焦げが無くなったかが判明する。
また、図8に示す消色機能付画像形成装置45において、セラミックヒータ47を各温度に設定し、黒ベタで印字したサンプル用紙を消色装置46に通紙して、用紙の焦げの状態の有無を調べる実験をした。
セラミックヒータ47の能力として600℃〜800℃の温度に達することができず、この温度での確認は得られなかった。しかし、400℃〜500℃では用紙焦げが発生しないことが確認された。したがって、少なくとも500℃(773゜K)は問題ないこと判る。
次に、消色装置46の用紙搬送機構について説明する。図6のベルト式加熱部36を備えた消色装置33の加熱で述べたように、被消色紙サンプルが両面印字されている場合、消色装置内を通常行われているようにベルト搬送等を行なうと、溶融した裏側のトナーがベルトに付着する。従って、非接触の搬送を行うことが必要とされる。
また、用紙への加熱が高温であるため、用紙に丸まりが発生し、ヒータへの接触も懸念される。従って、これを考慮した搬送およびヒータ接触を防止する機構が必要とされる。
図12は、消色装置46を拡大して示す図である。用紙22は、2組の用紙搬送ローラ対50(50a、50b)によって、図の左より右へ、用紙搬送経路51に沿って搬送される。用紙搬送経路51の上下にはヒータ接触防止ワイヤ52(52a、52b)が張設されている。
この用紙搬送部25には、図12では断面図のため図示されていないが、加熱によって発生する用紙の丸まりにより用紙が下流の搬送ローラ対50bに侵入せずに外れてしまうのを防止するために、搬送ローラ対50a、50b間の両側(図の奥行き方向手前側と向う側)に、用紙の両側端部を挟持して搬送する両側端搬送装置が設置されている。
図13は、上記の用紙両端部を挟持して搬送する両側端搬送装置を示す斜視図である。尚、同図には同上流側の搬送ローラ対50aと下流側の搬送ローラ対50bの図示を省略している。
同図に示すように、用紙搬送経路51の両側には、駆動ローラ53と従動ローラ54に掛け渡され、内部中央に押さえローラ55を有する細ベルト56が上下二段に配置された両側端搬送装置57が配置されている。この両側端搬送装置57は、同図に示すように用紙22に対し、用紙22の両側端部を挟持して図の矢印d方向に搬送する。
図14は、上記の消色装置46の搬送部の平面図である。搬送ローラ対49a、49b及び両側端搬送装置57によって搬送される図13に示した用紙22の上下には、それぞれ6本のヒータ接触防止ワイヤ52(52a、52b)が張設されている。
このヒータ接触防止ワイヤ52(52a、52b)は、用紙22がセラミックヒータ47に接触するのを防止するとともに、用紙22の丸まりを上下から押さえて、用紙22が両側端搬送装置57から脱落するのを防止している。
ところで、以上述べてきた図1、図4、図6、図7、図8、図9に示す各装置は、特に限定はしなかったが、用紙の片面を消色する消色装置として説明した。用紙の両面に消色性トナーを印字する場合も当然あると考えられる。そして、その場合は、まず片面を消色処理してから反対側を消色処理すればよいと考えられる。
図15は、図8又は図9に示す消色装置46にて、セラミックヒータ47の温度設定を400℃として、両面印刷のまず片面を消色し、次に反対面を消色するというように、連続2回消色処理をした結果を示す図表である。
1回目(片面)の消色後の画像濃度は0.12、2回目(反対面)の消色後の画像濃度は0.15となっている。このことから判明するように、2回目の消色は1回目の消色に比べて、消色性トナーの色残りが観察される。
つまり、消色性トナーが両面に印字された用紙の場合、1回目(片面)の消色、次に2回目(反対面)の消色と、消色処理を2回実施して表裏を消色すると、1回目の消色処理の影響で2回目の消色がしにくくなるということが判明した。
図16は、実施例5に係る消色装置を搭載した消色機能付画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。この消色機能付画像形成装置58の消色装置59は、図8又は図9に示した消色ユニット48を、用紙搬送経路51の上下に備えている。
尚、図16に示す消色装置59は、図12及び図14に示した2組の用紙搬送ローラ対50(50a、50b)、ヒータ接触防止ワイヤ52(52a、52b)、図13に示した両側端搬送装置57からなる用紙搬送装置を備えている。また、消色装置59以外の構成は図8の場合と同様である。
このように、用紙搬送装置の上下に、消色加熱部と消色光源からなる消色ユニット48を配した構成の消色装置59により、一度の用紙搬送で表裏の消色を同時に処理することができる。
また、片面の消色の場合でも、表裏両面から加熱するため、図8の片面加熱の場合の用紙裏面からの熱漏洩によるエネルギー損失がなく効率よく加熱することが出来る。また、セラミックヒータ47の設定温度を下げることが出来るため消費電力を低減させる効果が期待できる。
図17は、図16と同様の消色装置59を、色タンデム型の画像形成装置に内蔵させた場合の内部構成を模式的に示す断面図である。この消色機能付カラー画像形成装置60は、消色装置59以外の構成は図9の場合と同様である。
ところで、図16及び図17の消色装置59において、消色ユニット48は用紙搬送経路51に対して線対称に配置されている。そして、セラミックヒータ47は用紙搬送経路51に対し斜めに設置されている。したがって、セラミックヒータ47より用紙までの距離が近くなる部分と遠くなる部分ができる。
用紙搬送経路51に対するセラミックヒータ47の方位角が同じであっても、距離が大きくなると熱輻射が投影される面積が大きくなる。つまり、遠い部分では単位面積の熱エネルギー密度が低下する。従って用紙が吸収する単位面積のエネルギーは不均一になる。更に、LED37が照射される面積部は受け取る熱エネルギーが弱い部分となっている。
セラミックヒータ47を用紙搬送方向に対して平行に配置すれば、熱エネルギーは均一となるが、この構成では用紙がヒータ領域を通過した後に消色光を照射することになる。用紙面の同一箇所に熱輻射と消色光照射を同時に行うのが一番効率が良いことが実験で確認されているから、上記の方法では消色効率が悪い。
このように、熱輻射の後に消色光照射を行う方法では消色効率が悪いのは、用紙がヒータの熱輻射部を抜けると用紙温度の低下が急激に起こっているためと考えられる。このため消色光照射による消色効率が低下すると考えられる。
図18は、実施例6に係る消色装置を搭載した4色タンデム型の消色機能付カラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す断面図である。本例の消色機能付カラー画像形成装置60の消色装置61は、図17の構成において、消色ユニット48を用紙搬送経路51に対し、点対称の位置に配置した構成となっている。
図19は、図18のように消色ユニット48を用紙搬送経路51に対して点対称の位置に配置したことによる消色効率を説明する図である。図19に示すように、消色ユニット48が用紙搬送経路51、つまり用紙22に対して点対称であると、熱の不均一部分も点対象となる。
例えば、上側が熱エネルギーの大きな部分61の場合、下側は熱エネルギーの小さな部分62となり、下側が熱エネルギーの大きな部分63の場合、上側は熱エネルギーの小さな部分64となっている。したがって、全体をみると均一化されることが判る。
以上のように、LED37の照射領域の温度は、図16、図17のような線対称の配置の場合よりも高くなり、より効果的に消色することが可能となる。
また、線対称配置の場合はセラミックヒータ47の配置が偏り、熱が局所的に蓄積することが懸念されるが、この点対称配置の場合は、セラミックヒータ47が左右に分散しているから、より熱の局所蓄積を避けることが出来、熱対策をとりやすくなる。
また、光消色部39のLEDユニットが大きくなる傾向があるが、左右に配することによりレイアウトの自由度が増す可能性がある。
図20(a)は、図8に示した消色機能付画像形成装置45により、セラミックヒータ47の設定温度を変えて消色した場合の消色後濃度を示す図表であり、図20(b)は、セラミックヒータ47の制御温度を変えた場合の消費電力を示す図表である。
ここで、セラミックヒータ47には、ミスミ製セラミックヒータを用いた。また、電力測定器には、日置電機株式会社製パワーハイテスタ3332を用いた。
図20(a),(b)により明らかなことは、セラミックヒータ47の設定温度を400℃から350℃にすると、色残りは濃度0.15となり、最良の消色後濃度0.12に対して濃度が0.03上昇するが、消費電力は415.6から322.8に低下する。つまり、92.8W減少する。
また、セラミックヒータ47の設定温度を300℃にした消色テストでは、消色後濃度は0.23であり、設定温度400℃の場合の最良の消色後濃度0.12に対して濃度が0.11上昇するが、消費電力は400℃の場合の415.6に対して、172.5W減少する。
したがって、ユーザが300℃の温度設定で色残り濃度0.23の消色でも、再使用の際の許容範囲であると判断した場合には、セラミックヒータ47の温度を300℃に設定できるようにすると、より少ない電力でセラミックヒータ47を稼動でき、省エネに貢献することができる。
このように、ユーザがセラミックヒータ47の温度設定を変えることができる消色処理モードを、特には図示しないがエコモードとする。このエコモードは実施例6に係る消色装置にも適用できることはもちろんである。
このように、本発明の実施例4〜6によれば、通常の黒トナー等を使用した裏紙の消色性トナーを消色した場合の用紙焦げを解消することができる。また、表裏を同時消色することにより表裏を2回に分けて消色する場合よりも良好な両面消色を達成できる。
また、両面同時消色の消色装置において消色ユニットを用紙搬送経路に対して点対称に配置することにより、より効果的な消色ができる。同様に消色ユニットを点対称配置とすることにより、熱対策の幅を広げることができ省エネに貢献できるとともに消色ユニットの実装に自由度が増すので便利である。
また、セラミックヒータの温度を変えることにより、消色の残色はあるものの消費電力の低減を図ることができるので、ユーザが自由意志で残色と電力削減を選択でき、これによっても省エネに貢献することができる。
本発明は、電子写真方式により画像形成を行う機能に加えて、消色性トナーにより画像形成を行う機能と、消色性トナーで形成した画像を効率よく消色する機能とを有する消色機能付画像形成装置に利用することができる。
1 消色機能付画像形成装置
2 本体装置筐体
3 転写ベルト
4 駆動ローラ
5 従動ローラ
6(6r(6k)、6y、6c、6m) 画像形成ユニット
7 感光体ドラム
8 現像ローラ
9 トナー容器
12 二次転写ローラ
13 画像形成搬送路
14 記録媒体
15 上部給紙カセット
16 定着搬送路
17 定着部
18 加熱ローラ
19 押圧ローラ
21 排紙トレー
22 記録媒体
23 下部給紙カセット
24 消色装置
25 用紙搬送部
26 消色ユニット
27 ハロゲンランプ
28 反射板
29 消色機能付カラー画像形成装置
31a、31b 搬送ローラ対
32 消色機能付画像形成装置
33 消色装置
34 熱源
35 ベルト
36 ベルト式加熱部
37 LED
38 LED保持部
39 光消色部
40 消色機能付画像形成装置
41 消色装置
42 カーボンヒータ
43 反射板
44 熱源
45 消色機能付画像形成装置
46 消色装置
47 セラミックヒータ
48 消色ユニット
49 消色機能付カラー画像形成装置
50(50a、50b) 用紙搬送ローラ対
51 用紙搬送経路
52(52a、52b) ヒータ接触防止ワイヤ
53 駆動ローラ
54 従動ローラ
55 押さえローラ
56 細ベルト
57 両側端搬送装置
58 消色機能付画像形成装置
59 消色装置
60 消色機能付カラー画像形成装置
61、63 熱エネルギーの大きな部分
62、64 熱エネルギーの小さな部分

Claims (2)

  1. 消色装置を備えた消色機能付画像形成装置において、
    記消色装置は、用紙搬送部の上下に消色ユニットを配置し、
    前記消色ユニットは、消色性トナー像加熱用の熱源として遠赤外線放射セラミックヒータ、前記熱源により加熱された前記消色性トナー像を消色する消色光源としてLED(light-emitting-diode)と、を有し前記用紙搬送部の上側と下側の前記熱源を前記用紙搬送部に対し点対称の位置に配置し、前記用紙搬送部の上側と下側の前記消色光源を前記用紙搬送部に対し点対称の位置に配置する、
    ことを特徴とする消色機能付画像形成装置。
  2. 前記消色装置は、前記熱源の設定温度を変更可能な熱源温度変更手段を備えている、ことを特徴とする請求項1記載の消色機能付画像形成装置。
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