JP5644497B2 - イオン伝導性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン伝導性を向上したイオン伝導性組成物に関するものである。
従来、イオン伝導性高分子は、ポリエチレンオキシド(PEO、Polyethylene Oxide)複合体のイオン伝導性を利用しており、各種のPEO誘導体にアルカリ金属塩を添加した複合体が提案されている。これらの材料は、特に、ポリマー二次電池や全固体二次電池など次世代電気化学デバイスの構成には欠かせない材料となっている。
イオン伝導性の向上を目的として、様々な技術開発が盛んになされており、特に、極性溶媒の含浸によるゲル高分子電解質化技術が挙げられる。これらの技術導入により、イオン電導度は、室温で1×10−4〜1×10−3S/cm程度まで改善されている。しかし、このような極性溶媒の含浸によるイオン電導度の向上技術は、一方では機械強度の低下や、加熱による膨張などを引き起こす要因となる。更には、溶媒の含浸方式とは異なるアプローチとして、近年、TiO、SiO、Alなどから構成される微粒子を、高分子量のPEOに含有させることによって、優れたイオン伝導性を示すことが報告されている。この方法は、微粒子を含有せしめることにより、PEOの結晶部の減少及び微粒子表面とPEOの間でのイオンパスの形成によるものとされる。しかし、これらの無機微粒子を含有するPEOは、耐久性の面で課題を抱えている。加えて、PEOに含有させた微粒子のブリードアウトが問題となり、結果として実用に耐えない品質であった。
上記の各課題を踏まえ、近年において様々なイオン伝導性を改良するための試みがなされている。例えば、特許文献1には、メソ細孔を有する多孔質金属酸化物フィラーを用いて規則的なイオン伝導パスを形成し、イオン伝導を上げる方法が開示されている。しかし、この方法を用いても、均一にイオン伝導性高分子中に微粒子を分散させることが難しく、かつイオン伝導性も十分ではなかった。また、特許文献2には、イオン伝導性高分子と金属酸化物フィラーを混練する際に、13族元素を含む化合物を共存させて、混練することにより、イオン伝導性を上げる方法が開示されている。しかしながら、単純に混練するだけでは、金属酸化物フィラー表面に13族元素を含む化合物が完全に保持されることはなく、不均一なものであった。加えて、イオン伝導性が十分とは言い難い。また、特許文献3には、500nm以下のカチオン性無機微粒子と電解質塩と高分子化合物とを複合化した高分子固体電解質フィルムが開示されている。しかしながら、成型性が悪く実用に耐えない品質であるのが、現状である。
また、特許文献4には、電解質本体に無機酸化物、例えば、酸化珪素の一次粒子が凝集又は集塊して形成された多孔質体を含むゲル状ポリマー電解質が開示されている。しかしながら、特許文献4に記載の方法では、多孔質体に有機溶媒を用いており、可燃性であり安全性という間で課題を抱えている。更に、多孔質体が凝集または集塊しているため、イオン伝導が不均一となり、伝導不良を引き起こす要因となる。
特開2006−40853号公報 特開2006−252878号公報 特開2004−339422号公報 特開2003−257489号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、イオン伝導性に優れたイオン伝導性組成物を提供することにある。
本発明者は、イオン伝導性高分子と無機微粒子の複合体における課題であるイオン伝導性の低さに対し鋭意検討を行った結果、表面にイオン伝導性化合物を有するコアシェル微粒子を用い、コアシェル微粒子同士のナノレベルでの凝集を、精緻に抑制をした結果、極めて高いイオン伝導性を示すイオン伝導性組成物を得ることに成功した。
すなわち、本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.金属酸化物微粒子からなるコアシェル粒子を含有するイオン伝導性組成物であって、
当該イオン伝導性組成物は、粘性固体又は当該粘性固体を高分子化合物に含有させたコンポジットからなり、
前記粘性固体が、前記コアシェル粒子にシラン基を含有するイオン伝導性化合物を結合させたものであり、
前記コアシェル粒子の分散性が、Z平均粒子径で1nm以上100nm以下であり、
該コアシェル粒子の表面が、前記イオン伝導性化合物を保持していることを特徴とするイオン伝導性組成物。
.前記イオン伝導性化合物が、シランカップリング剤であることを特徴とする前記1に記載のイオン伝導性組成物。
.前記イオン伝導性組成物が、アルカリ金属塩との複合体であることを特徴とする前記1または2に記載のイオン伝導性組成物。
本発明のイオン伝導性組成物は、金属酸化物微粒子からなるコアシェル粒子を含有するイオン伝導性組成物であって、該コアシェル粒子の表面が、イオン伝導性化合物を保持していることを特徴とする。このイオン伝導性組成物は、アシェル粒子の分散性が、Z平均粒子径で100nm以下であることが好ましく、微粒子とイオン伝導性化合物が均一に混合した状態であり、その結果、均一なイオンパスを形成している。さらに、微粒子表面にイオン伝導性化合物が強く結びついているため、実質的に耐久性が高い。このイオン伝導性組成物は、表面のイオン伝導性化合物が低分子であっても粒子と結びつき擬固体化されている。形状は、ペースト状から、擬固体であり、用途により好ましく用いることができる。
イオン伝導度の測定に用いた測定用ホルダの側断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下に述べる実施形態にのみ限定するものではない。
はじめに、本発明のイオン伝導性組成物の構成技術である(1)イオン伝導性化合物、(2)コア粒子及びコアシェル粒子形成、(3)添加可能なイオン伝導性高分子の種類等について、それぞれ説明する。
《イオン伝導性化合物》
本発明に係るイオン伝導性化合物は、シラン基、カルボニル基、水酸基など、金属酸化物微粒子と共有結合を形成できる部分によって、金属酸化物微粒子表面に保持される。本発明でいう「保持」とは、コアシェル粒子の表面と、イオン伝導性化合物とが、物理的、化学的あるいは静電的な力により結合している状態を意味しており、具体的には、共有結合、イオン結合、金属結合、配位結合、静電引力、分子間力、水素結合のいずれかであることが好ましい。より好ましくは、コアシェル粒子の表面とイオン伝導性化合物とが、共有結合を介して結合していることである。
これらのイオン伝導性化合物は、市販、もしくは、所定の方法によって任意に合成することで容易に得ることができる。特に、シラン基を含有するイオン伝導性化合物は、シランカップリング剤としてみることができ、シラン基がコアシェル粒子表面の水酸基と非常に安定な共有結合を形成することができる観点から、好ましく用いることができる。
シラン基を含有するイオン伝導性化合物を得る方法としては、様々な方法があるが、水酸基を有するイオン伝導性化合物とイソシアナート基を持つイソシアナートアルキルアルコキシシランを直接反応させることによって、水酸基とイソシアネート基がウレタン結合し、イオン伝導性化合物であるシランカップリング剤を得ることができる。
更に例を挙げると、例えば、特開2006−57093号公報に記載の方法を用いて、次のような手順で調製することができる。水酸基を有するイオン伝導性化合物と、脂肪族または環式脂肪族ジイソシアナートとを反応させることにより得られたモノイソシアナート官能性化合物を、任意に選択したアミノアルキルアルコキシシランと反応させることによりイオン伝導性化合物であるシランカップリング剤を得ることができる。
イオン伝導性化合物であるシランカップリング剤の調製法は、上記例示した方法に限らず、任意の方法を用いることができる。
イオン伝導性を有する化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラジエチレングリコール、テトラジエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等、更に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドの水酸基を有し、数平均量が500〜50000のホモ重合生成物または共重合組成物等を挙げることができる。
イソシアナートの官能性化合物としては、例えば、エチレンジイソシアナート、メチレンジシソシアナート、ヘキサメチレンジシソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、シクロブタン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3及び1,4−ジイソシアナート又は1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサンもしくはこの種のジイソシアナートの任意の混合物等を挙げることができる。
アミノアルキルアルコキシシランの例としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらの多くは市販されており、任意に用いることができる。
イソシアナートアルキルアルコキシシランの例としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらの多くは市販されており、任意に用いることができる。
《コアシェル粒子》
次いで、本発明に係る金属酸化物微粒子からなるコアシェル粒子について説明する。
本発明でいうコアシェル粒子とは、金属酸化物から構成されるコア粒子表面に、一定の厚さの金属酸化物からなるシェル層を形成した粒子である。コアシェル粒子のコア粒子は、金属酸化物微粒子であれば、任意の種類を好ましく用いることができるが、より好ましくは酸性、もしくは、両性の金属酸化物微粒子を用いることができる。コアとシェルは本質的に同じ金属酸化物でもよい。シェル部がコア部と同様の金属酸化物においても、本発明に記載された方法でシェル部を形成した場合、表面の水酸基の量が最適なものとなり、イオン伝導性化合物を含有しやすくなる。酸性金属酸化物とは、塩基性物質と反応し、塩を形成しうる金属酸化物であり、塩基性金属酸化物とは、酸性物質と反応して塩を形成しうる金属酸化物であり、両性金属酸化物とは、塩基性物質、酸性物質ともに反応し、塩を形成しうる金属酸化物である。金属酸化物の酸塩基性については、「化学辞典」(東京化学同人)などに分類され記載されている。さらに、酸塩基滴定を各金属酸化物に対して行うことにより、判断ができる。
本発明のイオン伝導性組成物において、コアシェル粒子を適用する利点としては、特に、コア粒子の特性を最大限に活用できることである。例えば、酸化チタンは表面のイオン導電性物質との相互作用が大きく、イオン導電性向上効果はシリカよりも高い特性を備えているが、反面、シランカップリング剤との反応性が弱いため、効果的にイオン導電性物質を表面に保持することができないという課題を有している。この様な課題に対し、コア粒子としてイオン導電性向上効果の高い酸化チタン粒子を用い、シェル部として厚さ1nm程度のシリカ膜で被覆することにより、酸化チタンの優れたイオン導電性向上効果とシェル部を構成するシリカのイオン導電性物質の保持効果を併せ持つ特性を付与することができる。
本発明におけるコアシェル粒子は、このようなコア粒子の表面にシェル部として無機酸化物をそれぞれの酸化物の結晶格子一層以上の厚みで形成したコアシェル型の酸化物微粒子である。シェル部は、任意の酸化物を用いることができるが、中でも酸化ジルコニア、酸化チタン、シリカなど酸性金属酸化物を好ましく用いることができる。特に、効果的にイオン伝導性組成物を含有させるためには、シランカップリング剤として効果的なシリカを好ましく用いることができる。例えば、シェル部をシリカで形成した場合、シェル部はシリカ一層分の厚みである0.9nm以上の厚みを持っている。0.9nm以下では、シェルが完全に形成されないことから、コアシェル粒子をシランカップリング剤で表面処理した場合、処理後のシランカップリング剤の含有量が少ないなど、物性が明らかに劣る。シェルの厚みは、コア粒子のBETによる比表面積から粒子を球換算し、これに対して、シェル形成の試薬の量を計算することによって、容易に得ることができる。さらに、シェル形成後、TEM写真(透過型電子顕微鏡写真)からシェル部の厚みを直接観察し、厚みを確認することもできる。
本発明に係るコアシェル粒子は、この様な特性を備えたシェル部を有するため、特に、シランカップリング剤を用いた時には、シェル部を形成していない酸化物微粒子表面に用いた時とは明らかに異なり、均一で強固な結合をシランカップリング剤と形成することができる。
この結果、乾燥時に凝集がほとんど起こらない好ましい特性を備えた金属酸化物微粒子を調製することができる。また、こうして調製したコアシェル粒子は、コア部の金属無機酸化物の性質とシェル部の金属無機酸化物の性質を併せ持ち、表面のゼータ電位等の物性を、シェル部の厚みを任意に設計することで調整でき、単独粒子とは異なった物性を備えたコアシェル粒子を調製できる点で優れている。
《コア粒子》
本発明に係るコア粒子である酸化物微粒子としては、特に制限はなく、プラズマ法、火炎法、湿式法など公知の方法に従って調製された酸化物微粒子を適用することができる。
本発明において好ましく用いられるコア粒子は、平均一次粒子径としては1nm以上、20nm以下であり、さらに1nm以上、10nm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が1nm未満の場合、コア粒子の分散が困難になり所望の性能が得られない恐れがあることから、平均一次粒子径は1nm以上であることが好ましく、平均一次粒子径は20nm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が20nmを越える場合、粒子の比表面積が小さくなるため、十分な量のイオン伝導性化合物を保持することが難しくなる。ここでいう平均一次粒子径とは、各一次粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の平均値を言う。
さらに、コア粒子を構成する金属としては、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Bi及び希土類金属からなる群より選ばれる1種または2種以上の金属である無機酸化物微粒子を用いることができ、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、アルミニウム・マグネシウム酸化物(MgAl)等が挙げられる。また、本発明において用いられる酸化物微粒子として、希土類酸化物を用いることもでき、具体的には、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等も挙げられる。なかでも、中性、もしくは、酸性の金属無機酸化物微粒子が、イオン伝導性の向上の点で効果的である。酸化鉄、酸化ジルコニウム、クレー、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、燐酸アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウムがなどこれに相当する。
《コアシェル粒子の調製》
本発明に係る金属酸化物微粒子からなるコアシェル粒子の調製方法としては、大別して、(1)コア粒子分散工程、(2)シリカ層形成工程、(3)コアシェル粒子とイオン伝導性化合物の結合工程に分かれている。
本発明では、(2)シリカ層形成工程は、コア粒子分散性がZ平均粒子径で1nm以上、100nm以下であり、その分散性を保持した状態で、上記の各工程を経ることにより、高い分散安定性を有するコアシェル粒子を調製することができる。更に、好ましくは分散剤を用いることなく、シランカップリング剤のみを用いて各工程を経てイオン性化合物を有するシランカップリング剤と反応させることにより、粒子表面に強固な結合を形成するイオン伝導性化合物を多く保持したイオン伝導性組成物を得ることができる。
(1)コア粒子分散工程
コア粒子分散工程は、湿式処理における分散方法及び湿式処理における分散装置を適用する。
本発明に適用可能な分散装置としては、例えば、超音波分散機、ビーズミルなどの媒体攪拌ミル等を挙げることができ、その中でもビーズミルを適用するのが好ましい。分散装置としてビーズミルを適用した場合は、容器内に媒体としてビーズを充填させ、そのビーズを攪拌させながらコア粒子と溶媒を容器内に流し込み、これらを容器内でさらに攪拌させることで、粒子を溶媒中に分散する。その際、シリカ前駆体、もしくは、分散剤を添加することで、分散を安定化できる。しかしながら、分散剤は、場合によっては分散液中での耐熱性の劣化を引きおこすため、好ましくは、シリカ前駆体のみを用いて分散を行うことが望ましい。分散装置としてビーズミルの具体的な装置としては、スターミルZRS(アシザワファインテック株式会社製)、ウルトラアペックスミル(寿工業株式会社製)などが挙げられる。ビーズとしては、ガラス、アルミナ、スチール、ダイヤモンド、フリント石などが適用可能であり、ジルコニア粉末(例えば、TZシリーズ(東ソー株式会社製)など)を適用するのが好ましい。また、適用するビーズの粒子径としては0.015〜0.3mm程度のものが好ましい。シリカ前駆体は、加水分解および縮合の結果、シリカになる化合物である。このようなシリカ前駆体としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、珪酸ナトリウムなどが適用可能であるが、これらに限定されるものではない。
前駆体化合物は、コア粒子表面に対し、加水分解して、シリカを形成するものであれば、任意の試薬を用いることができ、特に、無機粒子の凝集体が生成され難く、分散性が高いテトラエトキシシランを用いるのが好ましい。シリカ前駆体は粒子に対して20質量%〜50質量%が好ましく、更には40質量%〜50質量%が分散後の粒子の分散安定性が高いことからより好ましい。これらのシリカ前駆体は、粒子を分散機で分散中に徐々に添加することが望ましく、更には粒子に対して5質量%〜10質量%/時で連続的に加えることが望ましい。本発明における分散後の粒子分散径は、Z平均粒子径で1nm〜100nmであることが望ましい。Z平均粒子径は、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)などの粒子径測定機を用いて測定することができる。分散時のコア粒子の濃度としては3質量%〜20質量%が望ましく、より望ましくは3質量%〜10質量%である。3質量%未満では生産性が低く、20質量%を越えると分散性が悪くなる場合がある。
上記湿式処理における分散溶媒としては、例えば、純水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エトキシエタノール、ジメチルホルムアミド、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、キシレン、シクロヘキサンなどの溶媒を、無機粒子の分散性や安定性や前駆体化合物、もしくは分散剤の特性等に応じて、単独で又は2種類以上混合して、使い分けて用いることが可能である。当該溶媒としては、取り扱いが簡単で費用が安いことから、純水を用いるのが好ましい。分散溶液中のpHはpH9〜13であるのが好ましく、粒子の安定性からpH9〜11がより好ましい。所望のpHに調整するための試薬としては、アンモニア、酢酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、トリメチルアミン、ピリジン、アニリン等を好ましく用いることができるが、粒子形成後に加熱により容易に取り除けることができる観点から、アンモニアを用いるのが好ましい。
(2)シリカ層形成工程
シリカ層形成工程では、上記分散工程で得た分散液に対してシリカ前駆体化合物を添加し、その分散液を攪拌する。前駆体を滴下する工程の間、分散粒子は分散性を保っていなければならず、またZ平均粒子径として1nm〜100nmに保たれていなければならない。100nmを越えるZ平均粒子径では、形成されるシリカ層が不均一になり、実用上問題を起こす可能性がある。さらに、前駆体滴下工程の前段階において、任意の有機溶媒と純水を用いて、前工程の分散液を希釈することが望ましい。この希釈によって、粒子濃度を0.3質量%〜5質量%に調整することが好ましく、分散安定性の観点から、0.3質量%〜1質量%であることが望ましい。
希釈に用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノール、アセトニトリルなどを好ましく用いることができ、中でも取り扱いや、環境適性の点でエタノールを用いることが望ましい。分散液に有機溶媒と純水を任意の割合で添加することによって、有機溶媒濃度が50質量%〜70質量%の水溶液に調整することが望ましく、形成されるシリカの均一性の面から50質量%〜60質量%とすること望ましい。有機溶媒濃度が70質量%を越えると粒子の分散性が失われる場合があり、50質量%未満では表面にシリカが形成されない場合がある。さらに、反応溶液はpHを9〜12の範囲に調整することが好ましく、分散粒子の安定性の面からより好ましくはpH10〜11である。pHを調整する試薬としては、アンモニア、酢酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、トリメチルアミン、ピリジン、アニリン等を好ましく用いることができるが、粒子形成後に加熱により容易に取り除ける観点から、アンモニアを用いるのが好ましい。
なお、攪拌溶液中の反応を促進するため、攪拌溶液を任意に加熱してもよい。その加熱温度は5〜60℃であるのが好ましく、20〜40℃であるのがより好ましい。当該加熱温度が60℃を上回ると、前駆体化合物が単独粒子を形成したり、溶媒が揮発したりするなどの現象が起こる場合があり、好ましくない。他方、加熱温度が5℃未満であると、攪拌溶液中の反応時間が長期化して実用に耐えるものではなく、好ましくない。シリカ前駆体は、溶液中の粒子に対して60質量%/時以下で連続して滴下することが好ましく、より望ましくは40質量%/時である。これ以上の速さで添加した場合、粒子の分散安定性を失う場合がある。本発明においては、シリカ層形成工程における粒子の安定性が、粒子の濃度、およびシリカ前駆体の添加速度、有機溶媒濃度、溶液pHによって決まっていることが、本発明者の検討より新たに判明した。したがって、本発明では、これらの要因を検討し、最適な範囲を見つけることにより、粒子をZ平均粒子径で1nm〜100nmに保持し、シリカ層を形成することができることを見出した。シリカ前駆体滴下後、さらに、シリカ前駆体を滴下終了後、24時間の熟成期間をおき、シリカ層の形成を行う。これらの工程において調製されたコアシェル粒子分散溶液は、コアシェル粒子が、Z平均粒子径として1nm〜100nmで分散している。このようにして得られたコアシェル粒子分散液を、次の共有結合形成工程に用いる。
(3)コアシェル粒子とイオン伝導性化合物の結合工程
金属酸化物微粒子からなるコアシェル粒子表面に、イオン伝導性化合物を結合させる工程は、表面未処理の酸化物微粒子に直接反応させても、また、あらかじめ、他の表面処理剤を反応させておいたコアシェル粒子表面に反応させてもよい。
直接反応させる場合には、上記工程で得られた金属酸化物を、アルコールまたは有機溶媒へ限外濾過を用いて置換する。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、t−ブタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホオキサイド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミドなどがある。このようにして得た分散液に、純水を10質量%〜40質量%になるように加える。更に、溶媒のpHは3〜5に調整するのが望ましく、より望ましくはpH4である。pHの調整には、酢酸を好ましく用いることができる。この粒子分散液に、イオン伝導性化合物を有しかつシリル基を持つ化合物をゆっくりと加え攪拌する。このシリル基を持つ化合物の添加量は、粒子の全質量を100質量%としたとき、100質量%〜500質量%の範囲が好ましく、より好ましくは、300質量%〜500質量%の範囲である。この工程において、酸化物微粒子表面の水酸基とシリル基が反応し、共有結合を形成する。このように得られたスラリーから、エバポレーター、噴霧乾燥、凍結乾燥などで溶媒を取り除くことができる。特に、溶媒をt−ブタノールに置換し、凍結乾燥する方法が、凝集の低い粒子を得ることができる観点から望ましい。このようにして、擬固体化した本発明に開示されたイオン伝導性組成物を得ることができる。
特に、イオン伝導性化合物を結合させる前段階における他の表面処理剤による処理は、凝集性を低下させるために有効であり好ましい。処理方法としては、上記工程で得られた金属酸化物微粒子分散液を、限外濾過を用いて水分を含まず水酸基を持たない溶媒へ溶媒置換する。溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホオキサイド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ピリジンなどがあるが、溶媒の除去しやすさの面でアセトニトリル、ピリジンを用いることが望ましい。溶媒を置換した後、表面処理剤を加え、加熱することで表面処理を行う。表面処理剤としては、シラザン、クロロシランを好ましく用いることができ、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルクロライド、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、N−2(アミノエチル)3アミノプロピルトリクロルシラン、3−メルカプトプロピルメチルジクロルシランを用いることができる。表面処理した溶媒中の粒子は、エバポレーター、噴霧乾燥、凍結乾燥などで溶媒を取り除くことができる。特に、溶媒をt−ブタノールに置換し、凍結乾燥することが凝集の低い粒子をえることができ望ましい。この段階で、粒子表面は、疎水性を示し、粒子同士の凝集は抑制されており、これらの粒子は他の溶媒に再分散する。このようにして得られた粒子を、水と有機溶媒の混合液に酢酸を加えpHを調整する。有機溶媒としては、純水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エトキシエタノール、ジメチルホルムアミド、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、キシレン、シクロヘキサンを単独、もしくは混合して用いることが望ましい。特に、純水とエタノールを混合した溶液が好ましく用いることができる。さらに、溶媒のpHは3〜5に調整するのが望ましく、より望ましくはpH4である。pHの調整には、酢酸を好ましく用いることができる。この粒子分散液にイオン伝導性化合物を有し、かつシリル基を持つ化合物をゆっくりと加え攪拌する。この工程において、酸化物微粒子表面の水酸基とシリル基が反応し、共有結合を形成する。このように得られたスラリーからエバポレーター、噴霧乾燥、凍結乾燥などで溶媒を取り除くことができる。特に、溶媒をt−ブタノールに置換し、凍結乾燥することが凝集の低い粒子をえることができ望ましい。このようにして、擬固体化した本発明に開示されたイオン伝導性組成物を得ることができる。
《金属酸化物微粒子の分散性評価》
本発明のイオン伝導性組成物においては、金属酸化物微粒子からなるコアシェル粒子の分散性が、Z平均粒子径として100nm以下であることが好ましい。
本発明でいうZ平均粒子径とは、粒子分散物等の動的光散乱法の測定データを、キュムラント解析法を用いて解析したデータである。
キュムラント解析においては、粒子径の平均値と多分散指数(PDI)が得られ、本発明においては、この平均粒子径をZ平均粒子径と定義する。
厳密には、測定で得られたG1相関関数の対数に、多項式をフィットさせる作業を、キュムラント解析といい、下式
LN(G1)=a+bt+ct+dt+et+・・・・・・・・・
における定数bが、二次キュムラントまたは、Z平均拡散係数とよばれる。
この値を分散媒の粘度と幾つかの装置定数を用いて粒子径に換算した値がZ平均粒子径であり、この値は動的光散乱法で得られる最も重要で安定した値であり、分散安定性の指標として品質管理目的に適した値である。
本発明に係るZ平均粒子径は、具体的には下記の方法を用いて測定することができる。
本発明における分散性の指標であるZ平均粒子径は、乾燥後の粘性固体をジエチレングリコールに投入し撹拌した後の溶液を、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)などの動的光散乱を用いた粒子径測定機で測定して、Z平均粒子径の値を求めることができる。さらに、ポリマー中に導入する場合は、それらのモノマーに乾燥後の粒子を加え、攪拌した後の溶液をゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)などの動的光散乱を用いた粒子径測定機で測定して、Z平均粒子径を求めることができる。
本発明における金属酸化物微粒子は、いずれの溶液中でもZ平均粒子径が100nm以下で分散していることが特徴である。このように、本発明のイオン伝導性組成物は、凝集性が極めて低い粒子であるため、ポリマー中へ高密度で含有させても、ポリマーを脆くすることがなく、高い成型性を保持したまま、イオン伝導性の向上を付与することができる。
《イオン伝導性高分子化合物》
本発明のイオン伝導性組成物は、イオン伝導性化合物を表面に結合した酸化物微粒子単体でも用いることができるが、任意に高分子化合物中に含有させて用いることができる。これによって、高分子化合物に高いイオン伝導性を付与することができる。この高分子化合物は、特に制限はなく、熱可塑性重合体または熱硬化性重合体、天然ゴム、液晶高分子、その他の天然または、合成高分子重合体を含む。また、1種の高分子化合物または2種以上の高分子化合物のブレンド品、更には、それらの高分子化合物に各種の物質を化学修飾または添加したものであってもよい。
熱可塑性重合体としては、例えば、スチレン類、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、ブタジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種を構成単位とする重合体および/または共重合体;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリアクリル酸;熱可塑性ポリウレタン;ポリ塩化ビニル;フッ素樹脂;ポリアミド;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリアセタール;ポリエーテルスルホン酸等のポリスルホン;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニレンエーテル;ポリシロキサン;ポリエステル;ポリ乳酸等が挙げられる。スチレン類、アクリル酸エステル;ポリアクリロニトリル;ブタジエンからなる群より選ばれる少なくとも一種を構成単位とする重合体および/または共重合体からなる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/ブタジエン/スチレン共重合体およびスチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体を挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリオキシド、ポリフェノール、ポリ尿素、メラニン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、熱硬化ポリウレタン、ポリビスマレイミド、合成ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。
合成ゴムの具体例としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンーブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリルーブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム等のエピハロヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム等が挙げられ、また、これらの重合体または共重合体を構成するモノマーを組み合わせた共重合体ゴムを用いることもできる。さらに、ウレタンゴムとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の親水性ポリオールを構成成分として含むウレタンやウレタンゴム等も挙げられる。
これらの高分子化合物の中で、マトリックスの一部にポリエチレンオキサイド(PEO)またはポリプロピレンオキシド(PPO)を主鎖または側鎖に有する直鎖型、分岐型、架橋型等の誘導体が好ましい。中でもPEOは金属塩としてアルカリ金属塩と複合化したときに比較的高いイオン導電度となるので、特に好ましい。
《アルカリ金属塩》
本発明において、イオン伝導性組成物単体およびイオン伝導性組成物とイオン伝導性高分子のコンポジットは、アルカリ金属塩が含有されることが好ましい。アルカリ金属塩が電離し、キャリアになることにより導電性を示す。
本発明に適用可能なアルカリ金属塩としては、イオン伝導性組成物と分散性または相溶性がよいものが望ましく、例えば、ナトリウム、リチウム、または、カリウムの適当な塩を含み、より好ましくは、リチウム塩である。
このような塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiI、LiCFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、およびこれらの誘導体からなる群より選ばれた1種類または2種類以上であることが、化学的安定性、高純度品の入手の容易さ、そしてコストの点でさらに好ましい。特に、アルカリ金属塩として、イオン伝導性高分子や有機溶媒への溶解度、安定性およびイオン伝導度を勘案すると、リチウム塩を用いることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《イオン伝導性組成物の調製》
〔粘性固体1の調製:本発明〕
(粘性液体の調製)
3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン10gに対して、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル12gを加え5時間攪拌して、粘性液体1を調製した。
(酸化物微粒子分散工程)
TM−300(大明化学社製 γアルミナ、一次粒子径7nm)23gに対して、純水500g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)4.8gを加え攪拌した。この溶液を、ウルトラアペックスミル(寿工業社製)を用いて、周速6.8m/secで4時間分散した。この際、該溶液に対してテトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)11.5gを、分散開始直後より2時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、上記分散工程で得た微粒子分散液中のアルミナの体積平均粒子径(分散粒子径)を純水中で測定した結果、Z平均粒子径として35nmであった。
(シリカ層形成工程)
上記微粒子分散液327gに対してエタノール2280g、純水1050g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)20gを加えて希釈を行った。この微粒子分散液に対して、テトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)38gを、液温30℃で8時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液の分散粒子径をエタノール中で測定したところ、Z平均粒子径は48nmであった。
(コアシェル粒子とイオン伝導性化合物との結合工程)
上記シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、アセトニトリルを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、アセトニトリル置換を行い、最後に、液量を20%まで濃縮して、800mlのシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を得た。
このシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液に対して、凝集抑制のためのシランカップリング剤として、HMDS3(信越化学工業社製)30gを加え60℃で2時間攪拌した。このシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、t−ブタノールを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、t−ブタノール置換を行い、最後に20%まで濃縮して、800mlの分散液を得た。この分散液を、凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器機社製)を用いて凍結乾燥を行い、25gの白色粒子1を得た。
次いで、白色粉体1の10gをナスフラスコに加え、エタノール380g、純水240g加え、さらに酢酸をゆっくり滴下してpHを4.0に調整した。このスラリーに対して、上記調製した粘性液体1の20gを加えて、4時間攪拌した。この分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、t−ブタノールを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、t−ブタノール置換を行い、最後に、20%まで濃縮して、600mlの分散液を得た。
この分散液を凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器機社製)を用いて凍結乾燥を行い、25gの粘性固体を得た。この粘性固体の0.5gを、ジエチレングリコール50gに加え攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用いて粒子径を測定した結果、Z平均粒子径は54nmであった。さらに、粘性固体にLiCFSO加え、粘性固体1とした。
〔粘性固体2の調製:本発明〕
(酸化物微粒子分散工程)
TM−300(大明化学社製 γアルミナ、一次粒子径7nm)23gに対して、純水500g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)4.8gを加え攪拌した。この溶液を、ウルトラアペックスミル(寿工業社製)を用いて、周速6.8m/secで4時間分散した。この際、該溶液に対してテトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)11.5gを、分散開始直後より2時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、上記分散工程で得た微粒子分散液中のアルミナの体積平均粒子径(分散粒子径)を純水中で測定した結果、Z平均粒子径として35nmであった。
(シリカ層形成工程)
上記微粒子分散液327gに対してエタノール2280g、純水1050g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)20gを加えて希釈を行った。この微粒子分散液に対して、テトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)38gを、液温30℃で8時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液の分散粒子径をエタノール中で測定したところ、Z平均粒子径は48nmであった。
(コアシェル粒子とイオン伝導性化合物との結合工程)
上記シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、アセトニトリルを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、アセトニトリル置換を行い、最後に、液量を20%まで濃縮して、800mlのシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を得た。
このシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液に対して、粘性液体1の60gを加えて、さらに純水100ml、酢酸7gを加え攪拌した。このシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて体積を20%まで濃縮した後、t−ブタノールを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、t−ブタノール置換を行い、最後に、20%まで濃縮して、800mlの分散液を得た。
この分散液を、凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器機社製)を用いて凍結乾燥を行い、25gの粘性固体を得た。この粘性固体の0.5gを、ジエチレングリコール50gに加え攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用いて粒子径を測定した結果、Z平均粒子径は60nmであった。さらに、粘性固体にLiCFSO加え、粘性固体2とした。
〔粘性固体3の調製:本発明〕
(酸化物微粒子分散工程)
TM−300(大明化学社製 γアルミナ、一次粒子径7nm)23gに対して、純水500g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)4.8gを加え攪拌した。この溶液を、ウルトラアペックスミル(寿工業社製)を用いて、周速6.8m/secで4時間分散した。この際、該溶液に対してテトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)11.5gを、分散開始直後より2時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、上記分散工程で得た微粒子分散液中のアルミナの体積平均粒子径(分散粒子径)を純水中で測定した結果、Z平均粒子径として35nmであった。
(シリカ層形成工程)
上記微粒子分散液327gに対してエタノール2280g、純水1050g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)20gを加えて希釈を行った。この微粒子分散液に対して、テトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)38gを、液温30℃で8時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液の分散粒子径をエタノール中で測定したところ、Z平均粒子径は48nmであった。
(コアシェル粒子とイオン伝導性化合物との結合工程)
上記シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、純水を加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、純水置換を行い、最後に、液量を20%まで濃縮して、800mlのシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を得た。
このシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液に、1600mlのt−ブタノールを加えた後、凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器機社製)を用いて凍結乾燥を行い、15gの白色粉体2を得た。
この白色粉末2、5gに対して、エタノール300g、純水200gを加え、さらに酢酸を用いてpHを4.0に調整した。このスラリーに対して、前記粘性液体1を10g加えて、4時間攪拌した。このスラリーから遠心分離で粒子を分離し、エタノール洗浄を三回繰り返し、最後に、真空中80℃で4時間乾燥した。以上により、粘性固体を12g得た。
この粘性固体の0.5gに、ジエチレングリコール50gに加え攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)で粒子径を測定した後、Z平均粒子径は136nmであった。さらに、粘性固体にLiCFSO加え、粘性固体3とした。
〔粘性固体4の調製:本発明〕
(酸化物微粒子分散工程)
A300(日本アエロジル社製 一次粒子径7nmシリカ微粒子)23gに対して、純水500g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)4.8gを加え攪拌した。この溶液を、ウルトラアペックスミル(寿工業社製)を用いて、周速6.8m/secで4時間分散した。この際、該溶液に対してテトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)17.5gを、分散開始直後より2時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、上記分散工程で得た微粒子分散液中のシリカの体積平均粒子径(分散粒子径)を純水中で測定した結果、Z平均粒子径として33nmであった。
(シリカ層形成工程)
上記微粒子分散液327gに対してエタノール2280g、純水1050g、アンモニア水(関東化学社製、濃度28%)20gを加えて希釈を行った。この微粒子分散液に対して、テトラエトキシシラン(信越化学工業社製 LS−2430)57gを、液温30℃で8時間かけて滴下した。
ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用い、シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液の分散粒子径をエタノール中で測定したところ、Z平均粒子径は44nmであった。
(コアシェル粒子とイオン伝導性化合物との結合工程)
上記シリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、アセトニトリルを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、アセトニトリル置換を行い、最後に、液量を20%まで濃縮して、800mlのシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を得た。
このシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液に対して、凝集抑制のためのシランカップリング剤として、HMDS3(信越化学工業社製)30gを加え60℃で2時間攪拌した。このシリカ被覆無機酸化物微粒子分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、t−ブタノールを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、t−ブタノール置換を行い、最後に20%まで濃縮して、800mlの分散液を得た。この分散液を、凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器機社製)を用いて凍結乾燥を行い、25gの白色粒子3を得た。
次いで、白色粉体3の10gをナスフラスコに加え、エタノール380g、純水240g加え、さらに酢酸をゆっくり滴下してpHを4.0に調整した。このスラリーに対して、上記調製した粘性液体1の40gを加えて、4時間攪拌した。この分散液を、限外濾過機(日本ガイシ社製 分画分子量20000)を用いて、体積を20%まで濃縮した後、t−ブタノールを加えて、元の液量に戻すという操作を4回繰り返して、t−ブタノール置換を行い、最後に、20%まで濃縮して、600mlの分散液を得た。
この分散液を凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器機社製)を用いて凍結乾燥を行い、40gの粘性固体を得た。この粘性固体の0.5gを、ジエチレングリコール50gに加え攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス社製)を用いて粒子径を測定した結果、Z平均粒子径は52nmであった。さらに、粘性固体にLiCFSO加え、粘性固体4とした。
〔粘性固体5の調製:本発明〕
上記粘性固体1の調製において、TM−300(γアルミナ)に代えて、MC−150(石原産業社製 酸化チタン、一次粒子径5nm)を用い、更に、テトラエトキシシラン(LS−2430)の添加量を、各工程で2倍量に変更した以外は同様にして、粘性固体を調製した。この粘性固体の0.5gを、ジエチレングリコール50gに加えて攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)を用いて粒子径を測定した後、Z平均粒子径が49nmであった。さらに、粘性固体にLiCFSO加え、粘性固体5とした。
〔コンポジット1〜5の調製:本発明〕
上記調製した粘性固体1〜5のそれぞれと、ポリエチレンオキサイド(関東化学社製、分子量600,000)と、支持電解質である金属塩としてLiCFSOを含むイオン伝導性高分子1とを、各粘性固体の含有比率が40体積%となる条件で配合して、イオン伝導性組成物であるコンポジット1〜5を、アルゴン雰囲気下で調製した。
〔イオン伝導性高分子1の調製:比較例〕
ポリエチレンオキサイド(関東化学社製、分子量600,000)に、支持電解質である金属塩としてLiCFSOを含むイオン伝導性高分子1を調製した。
〔コンポジット6の調製:比較例〕
アルゴン雰囲気下で、上記イオン伝導性高分子1に、TM−300(大明化学製、γアルミナ、一次粒子径7nm)を10体積%となる条件で添加して、コンポジット6を調製した。TM−300をジエチレングリコール中に添加、攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)で粒子径を測定した後、Z平均粒子径は1430nmであった。
〔コンポジット7の調製:比較例〕
アルゴン雰囲気下で、上記イオン伝導性高分子1に、A300(日本アエロジル社製 表面未処理シリカ、一次粒子径7nm)を10体積%となる条件で添加して、コンポジット7を調製した。A300をジエチレングリコール中に添加、攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)で粒子径を測定した後、Z平均粒子径は874nmであった。
〔コンポジット8の調製:比較例〕
アルゴン雰囲気下で、上記イオン伝導性高分子1に、MC−150(石原産業社製 酸化チタン、一次粒子径5nm)を10体積%となる条件で添加して、コンポジット8を調製した。MC−150をジエチレングリコール中に添加、攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)で粒子径を測定した後、Z平均粒子径は570nmであった。
〔コンポジット9の調製:比較例〕
アルゴン雰囲気下で、上記イオン伝導性高分子1に、RX300(日本アエロジル社製 表面HMDS処理シリカ、一次粒子径7nm)を10体積%となる条件で添加して、コンポジット9を調製した。RX300をジエチレングリコール中に添加、攪拌した後、ゼータサイザー1000HSa(シスメックス株式会社)で粒子径を測定した後、Z平均粒子径は1020nmであった。
〔コンポジット10、11の調製:比較例〕
上記コンポジット9の調製において、RX300(日本アエロジル社製 表面HMDS処理シリカ、一次粒子径7nm)の添加量を、それぞれ20体積%、30体積%に変更した以外は同様にして、コンポジット10、11を調製した。
《評価用のフィルム試料の作製》
上記調製したイオン伝導性組成物である粘性固体1〜5(本発明)、コンポジット1〜5(本発明)、イオン伝導性高分子1(比較例)、コンポジット6〜11(比較例)を、それぞれ80〜90℃の温度条件で、20分間の加圧処理を施して、厚さ100μmの評価用のフィルム試料1〜17を作製した。
なお、上記フィルム試料の作製において、コンポジット7及びコンポジット11を用いて作製したフィルムは、膜物性が劣り、均一のフィルムを作製することができなかった。
《フィルムの評価:イオン伝導度の測定》
イオン伝導度の測定は、図1に示す測定用ホルダを用い、30℃の環境下で各フィルム試料の交流インピーダンスを測定し、インピーダンス切片から計算してイオン伝導度を求めた。アルゴンガス雰囲気下、各イオン伝導性組成物のフィルムから試料1を切り取り、この試料1をステンレス電極2、3で挟み、これを電極差込用の穴の開いたステンレス製ホルダ4に入れ、さらに電極3の上に内部にバネ5の設けられたテフロン(登録商標)製カバー6を被せ、バネ5で電極3に圧力をかけた。電極2および電極3と通電しているネジ7およびネジ8から導線を延ばし、交流インピーダンスを測定した。
以上により得られた結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する方法に従って調製した本発明のイオン伝導性組成物は、比較例に対し、良好な分散性を備えると共に、イオン伝導性に優れていることが分かる。
1 試料
2、3 ステンレス電極
4 ホルダ
5 バネ
6 テフロン(登録商標)製カバー
7、8 ネジ

Claims (3)

  1. 金属酸化物微粒子からなるコアシェル粒子を含有するイオン伝導性組成物であって、
    当該イオン伝導性組成物は、粘性固体又は当該粘性固体を高分子化合物に含有させたコンポジットからなり、
    前記粘性固体が、前記コアシェル粒子にシラン基を含有するイオン伝導性化合物を結合させたものであり、
    前記コアシェル粒子の分散性が、Z平均粒子径で1nm以上100nm以下であり、
    該コアシェル粒子の表面が、前記イオン伝導性化合物を保持していることを特徴とするイオン伝導性組成物。
  2. 前記イオン伝導性化合物が、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性組成物。
  3. 前記イオン伝導性組成物が、アルカリ金属塩との複合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン伝導性組成物。
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